JP4551133B2 - 敷布団用基材 - Google Patents

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Description

この発明は、敷布団用基材に関し、特に、軽量であり、かつ折り畳みによる形態変化が少なく、敷布団としての使用に伴うへたりが小さい敷布団用基材に関する。
周知の通り敷布団は、持ち運びの容易さから軽量であることが望まれ、収納時には収納容積を小さくするための折り畳みによる形態変化を低減し、かつ、その使用時には体圧を軽減するためのクッション性が求められる。特に、近年の少子高齢化傾向にあっては、高齢者が自立的に布団の上げ下ろしを行えるように、敷布団の軽量化は従来にも増して求められる傾向にある。
この種の敷布団、特に、織物生地などからなる側地に容れて構成される敷布団用の基材として、従前は天然繊維からなる打ち綿が用いられてきた。しかしながら、当該基材は軽量性に欠け、しかも綿ぼこりを発生しやすいことから、合成繊維製の中綿、或いはウレタンを発泡構成したウレタンフォームを所定形状に成形するなどの技術が知られている。
上述した敷布団用の基材に関わる技術として、例えば特開平11−346891号公報(以下、特許文献1)には、繊維表面の少なくとも一部がシリコーン系高分子で覆われ、繊維/繊維間静摩擦係数(μs0)が0.18以下であるポリエステル繊維を含有し、ニードルパンチにより機械交絡され、厚みが20〜100mm、密度が0.02〜0.08g/cmであり、折れ曲がり性が50cm以下である敷布団用中綿が開示されている。
この技術によれば、中綿(基材)を構成する繊維として繊維/繊維間静摩擦係数(μs0)が上記所定の摩擦係数以下に抑えられているため、敷布団としての繰り返し使用によるへたりを少なくすることができると記載されている。
特開平11−346891号公報([特許請求の範囲]、[0021]、[0022])
上述した従来の技術では、繊維間の摩擦を抑制することにより、へたりの低減を図る構成としている。しかしながら、繊維同士が互いに滑りやすい構成とした場合、繊維の偏在を来しやすいことから敷布団として所定の基材形状を維持することが難しいという問題点がある。
本出願に係る発明者は、上述した従来の問題点に鑑み、敷布団用基材として形状維持を図ることができ、しかも、軽量であって使用に伴う、へたりの低減を図り得る技術について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成したものである。
従って、この出願発明の目的は、側地に収容して敷布団とした際、その繰り返し使用時に、基材を構成する繊維の偏在を解消し、しかも、軽量で折れ曲がりやすく、かつ、へたりの少ない敷布団用基材を提供することにある。
この目的の達成をはかるため、本発明の敷布団用基布の構成によれば、スパイラル捲縮繊維と中空高捲縮繊維とからなる不織布に、ガラス転移点温度T が−5℃未満の熱硬化性アクリル系樹脂を被着成形したことを特徴としている。
また、熱硬化性アクリル系樹脂の架橋剤として、水系の架橋剤を用いるのが好ましい。
また、上述した敷布団用基材の折れ曲がり性が50cm以下とするのが好ましい。加えて、上述した敷布団用基材の圧縮へたり率を15%以下とするのが好適である(測定手段については後段で詳述)。
本発明の構成によれば、敷布団の繰り返し使用時に、基材を構成する繊維の偏在を解消し、しかも、軽量で折れ曲がりやすく、かつ、へたりの少ない敷布団用基材を提供することができる。
本発明の実施に好適な形態について説明する。この発明に係る敷布団用基布は、スパイラル捲縮繊維と中空高捲縮繊維とからなる不織布に熱硬化性樹脂を被着成形したものである。
ここで、スパイラル捲縮繊維とは、例えば、熱収縮率に差を有する樹脂成分を偏芯状または貼り合わせ状の断面構造を有する、所謂、潜在捲縮繊維を加熱させて顕在捲縮化したものなどを意味する。この他、繊維をナイフエッジ上などで擦過することにより繊維の片側の分子配向を乱すことにより潜在捲縮性を与えた繊維や、繊維を紡糸する際に片側を冷却しながら紡糸した繊維や、仮より加工による繊維(強撚状態で熱セットを施した後、より低い温度で開撚処理を行うことにより、熱履歴を与えた熱可塑性繊維)などを顕在捲縮化させたものであっても良い。係る繊維を構成する樹脂成分としては、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリルなどを挙げることができ、好適な樹脂の組み合わせとしては、ポリエステルと変性ポリエステル(例えば、低融点ポリエステル成分と高融点ポリエステル成分)、ポリエステルとポリアミド(例えば低融点ポリアミド成分と高融点ポリエステル成分)などが良い。これらの中でも、反撥弾性や嵩高保持性に優れたポリエステルと変性ポリエステルとを貼り合わせた断面構造(サイドバイサイド型)とした複合繊維を用いるのが好適である。
上述した潜在捲縮繊維の捲縮が発現した時の捲縮数は10〜100山/25mmであることが好ましく、15〜70山/25mmであることがより好ましい。捲縮数が10山/25mm未満であると成形した際に繊維の絡みが不十分なものとなり、得られる敷布団基材はへたり耐久性に劣り、反発弾性の乏しいものとなってしまうことがある。また、捲縮数が100山/25mmを超えると捲縮を発現するときに生じる収縮が大きくなりすぎて所望の厚さに成形することが困難になることがある。また、捲縮形状は、とくに限定されるものではなく、例えば3次元的なコイル状、螺旋状、渦巻き状、スパイラル状など、基材としての反発弾性を付与せしめる形状とすることが好ましい。
上述した潜在捲縮繊維の断面形状は、丸断面や三角断面や十字断面等の異型断面のいずれでも可能である。また、繊維の繊度も特に限定するものではないが、2.2〜40デシテックスが好ましい。さらに、捲縮発現前の繊維長は、12〜105mmが好ましく、より好ましくは20〜60mmが好適である。このような潜在捲縮繊維を用いた場合には、構成繊維間の絡合点が増すとともに、嵩高となるので、スパイラル捲縮繊維には柔軟性や伸縮性と共に、反発弾性、へたり耐久性などの特性がより好適に付与される。
また、この発明で用いられる中空高捲縮繊維は、その中空率を10%以上より好ましくは15%以上とするのが好適である。この中空率を10%未満とした場合、基材を構成した際の弾力性向上を図ることが難しくなる。当該中空率の上限については特に限定するものではないが、中空率が高くなると繊維自体に割れが生じ易いので、概ね35%以下であることが好ましい。ここに言う中空率(%)は、糸条の単繊維横断面部に関して、顕微鏡を用いた画像処理装置、又は顕微鏡写真から下記式で求める。
中空率(%)=(中空部の面積/単繊維 全体の面積)×100
さらに、本発明に用いられる中空高捲縮繊維として、均一なウエブ形成を妨げない範囲で、例えば繊度6.6デシテックス以上とすることによって、基材としての嵩高性と圧縮に対する反発特性を高めることができる。この中空高捲縮繊維として、捲縮数5〜25山/25mm、より好ましくは7〜15山/25mmを有するものが好ましい。また、当該中空高捲縮繊維の捲縮形状は、前述したスパイラル捲縮繊維と同様なものを用いるのが好適である。
このようなスパイラル捲縮繊維と中空高捲縮繊維とが不織布繊維中に占める重量割合は1:9〜8:2である。この範囲を超えてスパイラル捲縮繊維が多くなる場合には嵩高さを実現することが難しくなり、また、風合いも硬くなってしまう場合がある。さらに、この重量割合の範囲を超えて中空高捲縮繊維が多くなる場合には嵩高さを得ることができる反面、へたり耐性が低くなってしまう場合がある。
さらに、本発明に用いられる熱硬化性樹脂として、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、MBRゴム系樹脂などのカルボキシル基を含有する樹脂を挙げることができる。この中でも、アクリル系樹脂は耐熱性、耐光性に優れ、コストメリットもあるため好適に使用される。このアクリル系樹脂の中でも、ガラス転移点温度Tgが−5℃未満、より好ましくは−20℃以下とすることによって、基材に良好な柔軟性とへたり耐久性との双方を付与することができる。
加えて、本発明に用いる熱硬化性樹脂の架橋剤として、水系の架橋剤を用いることが好ましく、このような水系の架橋剤として、例えば、オキサゾリン基含有水溶性ポリマーが好ましい。このオキサゾリン基含有水溶性ポリマーを、前述した種々の熱硬化性樹脂に添加することによって、ホルマリンなどの人体に害のある物質の発生を極めて少なくすると共に、基材の反発弾性、へたり耐久性を良好に実現することができる。
このような熱硬化性樹脂を前述した不織布に被着するに当たっては、1mの基材を構成する不織布の繊維重量を、被着成形した熱硬化後の熱硬化性樹脂の被着重量で割った比率(F/Bと略記する場合もある)を0.43〜9.0より好ましくは0.67〜4.0の範囲とするのが好適である。熱硬化性樹脂の被着は、スプレー法、含浸法など、従来周知の技術により行うことができるが、上記F/Bの範囲とするには、スプレー法を採用するのが好ましい。尚、ここに云う不織布の繊維重量とは、前述した基材の構成繊維を所定の重量比で混綿して繊維ウエブを調製し、当該ウエブに対して、少なくとも熱硬化性樹脂の硬化を含む加熱処理工程によって捲縮発現などを終えた状態の構成成分に関するものである。この範囲を超えて繊維重量が多い場合、反発弾性とへたり耐久性が弱くなる。他方、熱硬化性樹脂の重量が多い場合には嵩高さを実現することが難しく反発弾性とへたり耐久性をも実現することが難しくなる。
また、本発明の敷布団用基材の面密度として、250g/m以上1000g/m以下、より好ましくは350g/m以上700g/m以下とするのが好適である。この範囲を超えて大きな面密度とする場合、敷布団としての軽量性を実現することが難しくなり、他方、この範囲を超えて小さな面密度とした場合には嵩高さ、反発弾性並びにへたり耐久性を実現することが難しくなる。
また、本発明に係る基材の作製に当たり、繊維ウエブに熱硬化性樹脂を付与する前に、予め、170℃のヒートロールによって加熱プレス処理を行い、繊維ウエブに含まれる潜在捲縮繊維を捲縮発現させ、繊維同士の絡みを強くさせるとともに、適切な厚みに調整しておくことが好ましい。このように、繊維ウエブの構成繊維間が、加熱プレス処理で絡合され、繊維同士の交点数が多くなり、反発弾性とへたり耐久性に優れた敷布団用基材を得ることができる。また、この加熱プレス処理によって繊維密度を調節し、要求される厚さの敷布団用基材とすることもできる。そのため、特に厚さの薄い、例えば、一枚の厚さが10mm〜30mmの敷布団用基材の調製には加熱プレス処理により、板状に成形するのが好適である。尚、本発明に係る敷布団用基材の厚さは、何れも、0.5g/cmの圧縮荷重下での測定値により示す。
本発明の敷布団用基材の厚さとして、10mm以上70mm以下、より好ましくは20mm以上50mm以下とするのが好適である。この範囲を超えて厚くする場合、基材に対する熱硬化性樹脂の均一な被着が難しくなる。この範囲に満たない厚さとした場合には、所望の敷布団の厚みを得るため、重ね合わせる枚数を多くして、敷布団用基材を使用しても良い。さらに、当該基材の密度として、0.01g/cm以上0.05g/cm以下、より好ましくは0.015g/cm以上0.04g/cm以下とするのが好適である。この範囲を超えて大きな密度とする場合、柔軟性が悪くなり、風合が硬くなる。この範囲に満たない密度とした場合には、反発弾性とへたり耐久性が弱くなる。
以下、本発明の実施例として、基材の調製例と、その物性測定を行った結果につき説明する。尚、以下の説明では、本発明の理解が容易となる程度に具体的な基材を例示して説明するが、本発明の敷布団用基材は、これら実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で任意好適な設計の変更及び変形を行うことができる。
(実施例1)
まず、ポリエステルから構成された中空高捲縮繊維(A社製 繊度=14デシテックス、繊維長=51mm、中空率=13%)70重量%と、ポリエステルと変性ポリエステルとをサイドバイサイド型に配置構成した潜在捲縮繊維(B社製 繊度=11デシテックス、繊維長=51mm)30重量%とからなる面密度306g/mの繊維ウエブをカード機によって調製した。次に、この繊維ウエブに対して、170℃のヒートロールによって加熱プレス処理を行い、繊維ウエブに含まれる潜在捲縮繊維を捲縮発現させ、繊維同士の絡みを強くさせるとともに、適切な厚みに調整した。次に、熱硬化性樹脂であるアクリル系樹脂(Tg=−34℃)にオキサゾリン基含有樹脂架橋剤(C社製)を固形の樹脂全体に占める比率が5%となるように混合したエマルジョン液を作製した。次に、このエマルジョン液を、繊維ウエブの両面に、片面あたり面密度が102g/m(乾燥固形分)となるようにスプレーして、その後乾燥及びキュアリングを施して敷布団用基材を得た。この敷布団用基材の面密度は510g/mであり、1枚当たりの厚さ(測定手段については後段で詳述)は25.5mmであった。また、前述した1m当たりの不織布重量と熱硬化性樹脂重量との比F/Bは、1.5であり、スパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は9個/25mmであった。
(実施例2)
繊維ウエブの面密度を307g/m、アクリル系樹脂を、Tg=−48℃である熱硬化性樹脂としたこと以外は、実施例1と同様にして、敷布団用基材を得た。この敷布団用基材の面密度は512g/mであり、厚さは26.5mmであった。また、前述したF/Bは、1.5であり、スパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は9個/25mmであった。
(実施例3)
繊維ウエブの面密度を308g/m、アクリル系樹脂を、Tg=−26℃である熱硬化性樹脂としたこと以外は、実施例1と同様にして、敷布団用基材を得た。この敷布団用基材の面密度は513g/mであり、厚さは27.0mmであった。また、前述した1m当たりの不織布重量と熱硬化性樹脂重量との比F/Bは、1.5であり、スパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は9個/25mmであった。
(実施例4)
繊維ウエブの面密度を243g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして、敷布団用基材を得た。この敷布団用基材の面密度は405g/mであり、厚さは26.5mmであった。また、前述の比F/Bは、1.5であり、スパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は9個/25mmであった。
(実施例5)
繊維ウエブの面密度を366g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして、敷布団用基材を得た。この敷布団用基材の面密度は610g/mであり、厚さは27.0mmであった。また、前述の比F/Bは、1.5であり、スパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は9個/25mmであった。
(実施例6)
繊維ウエブの面密度を204g/mとし、実施例1と同様な熱硬化性樹脂を被着させて敷布団用基材を得た。この敷布団用基材の面密度は510g/mであり、厚さは25.0mmであった。また、前述した1m当たりの不織布重量と熱硬化性樹脂重量との比F/Bは、0.67であり、スパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は9個/25mmであった。
(実施例7)
繊維ウエブの面密度を404g/mとし、実施例1と同様にして、敷布団用基材を得た。この敷布団用基材の面密度は505g/mであり、厚さは27.0mmであった。また、前述した比F/Bは、4.0であり、170℃のヒートロールによって加熱プレス処理後のスパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は9個/25mmであった。
(実施例8)
ポリエステルから構成された中空の高捲縮繊維(D社製 繊度=6.6デシテックス、繊維長=51mm、中空率=14%)70重量%とポリエステルと変性ポリエステルとをサイドバイサイド型に配置構成した潜在捲縮繊維(B社製 繊度=11デシテックス、繊維長=51mm)30重量%の繊維ウエブとしたこと以外は、実施例1と同様にして、敷布団用基材を得た。この際、繊維ウエブの面密度を303g/mとし、最終的に得られた基材の面密度は505g/mであり、厚さは27.0mmであった。また、前述した比F/Bは1.5であり、スパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は9個/25mmであった。
(実施例9)
ポリエステルで構成された中空高捲縮繊維(E社製 繊度=33デシテックス、繊維長=76mm、中空率=16%)70重量%とポリエステルと変性ポリエステルとをサイドバイサイド型に配置構成した潜在捲縮繊維(B社製 繊度=11デシテックス、繊維長=51mm)30質量%の繊維ウエブとしたこと以外は、実施例1と同様にして、敷布団用基材を得た。この際の繊維ウエブの面密度を300g/mとし、最終的に得られた基材の面密度は500g/mであり、厚さは27.0mmであった。また、前述した比F/Bは1.5であり、スパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は6.5個/25mmであった。
(比較例1)
繊維ウエブの面密度303g/m、アクリル系樹脂を、Tg=−5℃である熱硬化性樹脂としたこと以外は、実施例1と同様にして、敷布団用基材を得た。最終的に得られた基材の面密度は505g/mであり、厚さは27.0mmであった。また、前述した比F/Bは1.5であり、スパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は9個/25mmであった。
(比較例2)
繊維ウエブの面密度311g/m、アクリル系樹脂を、Tg=30℃である熱硬化性樹脂としたこと以外は、実施例1と同様にして、敷布団用基材を得た。最終的に得られた基材の面密度は518g/mであり、厚さは26.5mmであった。また、前述した比F/Bは1.5であり、スパイラル捲縮繊維の捲縮数は30個/25mm、中空高捲縮繊維の捲縮数は9個/25mmであった。
これら実施例1〜9並びに比較例1、比較例2に係る各基材の構成について下記の表1に示す。
Figure 0004551133
次いで、これら基材に対して、種々の評価を行った測定結果について説明する。
(厚さの測定)
上述した基材の任意箇所から、タテ25cm×ヨコ25cmの正方形の試験片を2枚採取した。次に、この2枚の試験片を重ね合わせたものを、上面が平滑な測定台にのせた。次に、この重ね合わせた2枚の試験片の上に、タテ25cm×ヨコ25cmの正方形で、質量が312.5gの加圧板を、試験片と重ね合わせるようにして載せて、加圧力が0.5g/cmとなるように押圧した。次に、この状態の試験片の4隅において、試験片の各辺につき2ヶ所ずつ、合計8ヶ所の試験片の厚さを測定した。尚、当該厚さは、小数点以下1桁までの測定値を、試験片1枚あたりの平均値で表した値として記録した。
(折れ曲がり性の測定)
前述した[特許文献1]の試験方法などを参照し、敷布団用基材評価用に制作した45度の斜面を持つカンチレバー型剛軟度試験装置(JIS L 1096に準じた形状)を用い、巾100cmの試験片を斜面方向へずらし、試験片の一端が斜面に接した時の斜面の長さを求めた。尚、斜面の長さは、小数点以下1桁まで測定した。
(圧縮へたり率の測定)
上述した一連の基材の任意箇所から、タテ10cm×ヨコ10cmの正方形の試験片を2枚採取する。次に、この2枚の試験片を重ね合わせたものを、上面が平滑な測定台にのせた。次に、この重ね合わせた2枚の試験片の上に、タテ10cm×ヨコ10cmの正方形で、質量が50gの加圧板を、試験片と重ね合わせるようにして載せて、加圧力が0.5g/cmとなるように押圧した。次に、この状態で、試験片の4隅において、試験片の各辺につき2ヶ所ずつ、合計8ヶ所の試験片の初期厚さを測定する。尚、各基材の初期厚さは、小数点以下1桁までの測定値を、試験片1枚あたりの平均値で表した値とする。続いて、初期厚さを測定した2枚の試験片の上に、タテ10cm×ヨコ10cmの正方形で質量が5000gの加圧板を、試験片と重ね合わせるようにして載せて、加圧力が50g/cmとなるように押圧した。この押圧状態で24時間静置した後、加圧板を外し、さらに60分静置後、試験片のへたり後の厚さを初期厚さと同様に2枚の厚さを測定し、次式により、圧縮へたり率を算出した。
圧縮へたり率(%)=(初期厚さ−へたり後の厚さ)÷初期厚さ×100
上述した初期厚さの測定値、折れ曲がり性の測定値、圧縮へたり率の計算値、並びに初期厚さと面密度から密度を算出した結果について表2に示す。尚、同表2においては、へたり後の厚さに関する測定値を省略してある。
Figure 0004551133
この表2及び前述した表1からも理解できるように、本発明の敷布団用基材の折れ曲がり性が50cm以下で、柔軟であり、加えて、圧縮へたり率が15%以下で、へたりが少なく、好適である。さらに、この実施例1〜9に係る基材を2枚重ねて敷布団を作製したところ、何れの部分でも容易に折り畳むことができ、基材を構成する繊維が偏在することもなく、安定した折り畳み形状で持ち運ぶことができた。

Claims (4)

  1. スパイラル捲縮繊維と中空高捲縮繊維とからなる不織布に、ガラス転移点温度T が−5℃未満の熱硬化性アクリル系樹脂を被着成形したことを特徴とする敷布団用基材。
  2. 熱硬化性アクリル系樹脂の架橋剤として、水系の架橋剤を用いたことを特徴とする請求項1に記載の敷布団用基材。
  3. 前記敷布団用基材の折れ曲がり性が50cm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の敷布団用基材。
  4. 前記敷布団用基材の圧縮へたり率が15%以下であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の敷布団用基材。
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