JPH07331571A - 繊維構造体 - Google Patents

繊維構造体

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JPH07331571A
JPH07331571A JP15164194A JP15164194A JPH07331571A JP H07331571 A JPH07331571 A JP H07331571A JP 15164194 A JP15164194 A JP 15164194A JP 15164194 A JP15164194 A JP 15164194A JP H07331571 A JPH07331571 A JP H07331571A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維構造体としての圧縮弾性が高く、かつ剥
離強力も高いものとすることができ、クッション材とし
て使用中に、へたったり、形態変化が大きく起こるとい
ったことのない繊維構造体を得ようとするもの。 【構成】 立体捲縮を有する中空複合繊維Aと、該中空
複合繊維の捲縮数より多い捲縮数を有する熱融着複合繊
維Bとから主として構成される繊維構造体であって、繊
維Aの捲縮に繊維Bの捲縮が局部的に絡みついて融着し
ている部分を有し、かつ剥離強力が160g/cm以上
である繊維構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクッション材として用い
る繊維構造体に係り、特に、その圧縮弾性や剥離強力が
高く、へたりや形態変化が起きることの少ない、成型性
に優れた繊維構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高融点の主体繊維素材と低融点のバイン
ダー繊維素材とを配合し、高融点の主体繊維素材の繊維
交叉点をバインダー繊維によって熱融着させてなるクッ
ション構造体は公知である。例えば、特開昭58−31
150号公報は、1〜20デニール、繊維長30〜10
0mmの高融点ポリエステルステープルと、該ポリエス
テルステープルより50℃以上低融点のポリエステルス
テープルとを90/10〜50/50の重量比で含み、
低融点ポリエステルステープルの溶融によって一体固着
されている密度0.005〜0.15g/cm3のポリ
エステル繊維製クッション材についての発明が記載され
ている。しかし、この発明は、主体繊維であるポリエス
テル短繊維と、バインダー繊維である該ポリエステル短
繊維の融点よりも低い融点の熱融着ポリエステル短繊維
を混合し、バインダー繊維の熱融着により一体固着させ
たものであるが、単に両者を固着させただけのものであ
り、その固着力は弱く、圧縮弾性も劣り、さらに剥離強
力が低いものであり、使用中にへたったり、形態変化を
生じ、繊維クッション材としては不十分なものである。
【0003】また、特許国際公開W091/19032
号公報には、非弾性ポリエステル系捲縮短繊維集合体を
マトリックスとし、該短繊維集合体を構成するポリエス
テルポリマーの融点より40℃以上低い融点を有する熱
可塑性エラストマーが鞘、非弾性ポリエステルが芯の弾
性複合繊維をバインダーとし、両者繊維が熱融着してな
る、密度が0.005〜0.10g/cm3、厚さが5
mm以上であるクッション構造体であって、その熱融着
点間に存在する前記弾性複合繊維には、その長手方向に
沿って少なくとも1ケの紡錘状の節部が存在するクッシ
ョン構造体について記載されている。即ち、特定なバイ
ンダー複合繊維を用い、繊維同志の交叉点の構造を特定
のものとすることにより、圧縮反発性、圧縮耐久性、圧
縮回復性の優れたものが得られることが記載されてい
る。しかし、この発明は、バインダー繊維の種類として
特定のものしか使用できず、一般的なバインダー繊維が
使用できないという点で不満足なものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、圧縮
弾性、剥離強力の優れた繊維構造体を提供せんとするも
のであり、しかもそのような特性の繊維構造体を、一般
的なバインダー繊維を用いて実現せんとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
満足する繊維構造体につき鋭意検討し、繊維構造体とし
て上記課題を克服するポイントとして、主体繊維とバイ
ンダー繊維との絡み状態にあることに着目し、主体繊維
とバインダー繊維とが共に捲縮を有し、かつ熱融着後に
おいてもバインダー繊維が捲縮を維持した繊維として主
体繊維と絡み融着する構造とすること、即ち、以下のよ
うに構成することによってその目的が達成されることを
見いだした。即ち、本発明は、主体繊維としての立体捲
縮を有する中空複合繊維Aと、該中空複合繊維の捲縮数
より多い捲縮数を有するバインダー繊維としての熱融着
複合繊維Bとから主として構成される繊維構造体であっ
て、繊維Aの捲縮に繊維Bの捲縮が局部的に絡みついて
融着している部分を有し、かつ剥離強力が160g/c
m以上である繊維構造体である。
【0006】
【作用】本発明は、図1で示されるように、立体捲縮を
有する中空複合繊維Aの捲縮に該中空複合繊維の捲縮数
より多い捲縮数を有する熱融着複合繊維Bがその捲縮を
維持した繊維としてその捲縮が局部的に絡みついて融着
した繊維構造体となすことにより、繊維構造体としての
圧縮弾性が高く、かつ剥離強力も高いものとすることが
でき、クッション材として使用中に、へたったり、形態
変化が大きく起こるといったことのない優れた繊維構造
体としたものである。特に本発明の繊維構造体において
は、その剥離強力が160g/cm以上と大きく、これ
は該繊維構造体を刃物法にてクッション材として種々の
形態に成形加工するのに、その形崩れがなく意図する形
態に安定かつ正確に成型できる点で非常に好ましい特性
である。
【0007】本発明の繊維構造体を構成する主体繊維と
しては、立体捲縮を有する中空複合繊維Aであることが
必要である。その捲縮としては、150〜190℃、1
0分間での乾熱処理後の捲縮数(CPN−A)が8〜1
8ケ/インチのものが好ましい。この捲縮数が8ケ/イ
ンチより小さい場合には、得られる繊維構造体としての
反発弾性が不足し、またその嵩も不足する。この捲縮数
が逆に18ケ/インチを超えるものとなっては、得られ
る繊維構造体は硬くなり過ぎることとなり好ましくな
い。より好ましい捲縮としては、10〜15ケ/インチ
のものであることが解った。
【0008】該中空複合繊維Aの中空率としては、13
〜25%が好ましい。この中空率が13%より小さい繊
維であっては、繊維構造体としての嵩が不足し好ましく
ない。また25%を超える中空率となると、繊維の中空
孔がつぶれ易くなり好ましくない。より好ましい中空率
としては、15〜20%であることが解った。
【0009】該中空複合繊維Aの繊度は、10〜30デ
ニールが好ましい。10デニールより小さい繊度の中空
繊維となると、繊維構造体としての反発弾性、嵩が不足
する。繊度が逆に30デニールを超えるものとなって
は、繊維、したがって繊維構造体が硬くなり過ぎるもの
となり好ましくない。より好ましい繊度としては、12
〜25デニールのものであることがわかった。
【0010】上記の如き立体捲縮を有し、中空率を有す
る繊維Aは、その構成ポリマーとして繊維形成後の熱処
理により収縮差を生ずる複合ポリマー成分(a)および
(b)を用い、従来公知の中空複合ノズルを使用して常
法にしたがって製造することができる。そのポリマー成
分(a)および(b)の構成としては、例えば、ポリエ
ステル系ポリマーの場合には、重合度差(極限粘度差)
を有するポリエチレンテレフタレート(PET)の組合
わせ、またPETと共重合ポリエステル(CO−PE
S)との組合わせ、PETと共重合ポリブチレンテレフ
タレート(CO−PBT)との組合わせ、さらにPET
とその他の改質PESとの組合わせなど、種々の組合わ
せのポリマーを使用することができる。ただしこの場
合、共重合あるいは改質などの変性によって、該変性ポ
リマーは原ポリマーに対してその融点が低下することと
なるので、その融点が後記するバインダー繊維としての
熱融着複合繊維Bの熱融着側ポリマーの融点より高い融
点となるようなポリマーとすることが必要であり、該熱
融着側ポリマーの融点より30℃以上高い融点を有する
変性ポリマーとすることが望ましい。
【0011】本発明でのバインダー繊維を構成する熱融
着複合繊維Bとしては、前記主体繊維としての中空複合
繊維Aのバインダー成分となると共に、熱融着後におい
ても捲縮を維持し、繊維形態を維持した繊維であること
が必要であり、次ぎの性質を有するものであることが望
ましい。即ち、まず該熱融着複合繊維Bとしては、熱融
着後においても繊維形態を維持するものであることか
ら、芯成分となるポリマー成分(c)と、該ポリマー成
分(c)の融点より少なくとも40℃以上低い融点を有
する鞘成分となるポリマー成分(d)からなる偏芯芯鞘
型の複合繊維として構成するか、または同様の融点差を
有するポリマー(c)、(d)のサイドバイサイド型の
複合繊維として構成することが好ましく、かつ該熱融着
側のポリマー成分(d)の融点が前記主体繊維としての
中空複合繊維Aの低融点側ポリマー成分の融点より30
℃以上低い融点を持つ関係にあることが好ましい。熱融
着複合繊維Bの両成分(c)と(d)との融点差が40
℃より小さい関係となると、繊維特性を維持するポリマ
ー成分(c)の特性を熱融着時に損なうこととなり好ま
しくない。またこの関係は熱融着複合繊維と主体繊維と
しての中空複合繊維Aとの関係でも同様であって、中空
複合繊維Aの低融点側ポリマー成分の融点に対して、熱
融着複合繊維Bの熱融着側ポリマー成分(d)の融点の
融点差が30℃以下の接近した融点となると、熱融着時
に中空複合繊維A側の繊維特性を損なうこととなり好ま
しくない。
【0012】熱融着複合繊維Bの捲縮は、150〜19
0℃、10分間での乾熱処理後の捲縮数(CPN−B)
と、前記中空複合繊維Aでの同条件での捲縮数(CPN
−A)との差ΔCPN〔=(CPN−B)−(CPN−
A)〕が、5以上、20以下となる範囲で、該中空複合
繊維Aの捲縮数より多い捲縮のものが好ましいことが解
った。このΔCPNが5より低い関係となると、得られ
る繊維構造体としての剥離強度が低く、反発弾性が低く
て好ましくない。また、ΔCPNが20より高い関係と
なると、得られる繊維構造体が硬くなり好ましくない。
より好ましくは8≦ΔCPN≦15である。
【0013】上記の如き特性を具備する熱融着複合繊維
Bの形態としては、前記の如く偏心芯鞘型またはサイド
・バイ・サイド型の複合繊維とすることが望ましいが、
複合成分(c)および(d)の剥離のしにくい点ではそ
の融着部分の表面積が大きくなる偏心芯鞘型にすること
がより好ましい。
【0014】熱融着複合繊維Bを構成する複合成分の比
率としては、高融点側のポリマー成分(c)、熱融着側
のポリマー成分(d)において、0.3≦(d)/
{(c)+(d)}≦0.7の範囲に入ることが好まし
い。この比率が0.3より小さいものとなると熱融着側
のポリマー成分(d)が少なくなり、繊維構造体として
の剥離強度が低い。またこの比率が0.7を超えた熱融
着側のポリマー成分(d)が多いものとなると熱融着複
合繊維Bとして捲縮発現がし難いものとなり、また反発
弾性が低いものとなり好ましくない。より好ましくは
0.4以上、0.6以下の範囲に入る複合比率とするこ
とが解った。
【0015】熱融着複合繊維Bが偏心芯鞘型の複合繊維
である場合、その芯成分(c)と鞘成分(d)とが偏心
する偏心率x/Rは、0.05以上、0.55以下の範
囲であることが好ましい。ここで、x/Rとは、芯部を
鞘部で包含した複合繊維全体としてのその断面半径を
R、該複合繊維断面の中心点から芯成分中心点までの距
離をxとしたときのものである。この偏心率x/Rが
0.05より小さい場合には、熱融着複合繊維Bとして
その捲縮が発現し難くなり、したがって繊維構造体とし
ての反発弾性が低くなる。またこの偏心率x/Rが0.
55より大きくなっても熱融着複合繊維Bの捲縮発現が
し難くなり、繊維構造体としての反発弾性が低くなる。
より好ましくは0.10≦d/R≦0.5であることが
解った。
【0016】熱融着複合繊維Bの繊度は3〜10デニー
ルが好ましい。この繊度が3より小さいものとなっては
繊維としての反発弾性が低くなり、また10より大きい
ものとなっては繊維構造体としての剥離強力が低く、か
つ硬いものとなり好ましくない。より好ましくは4〜8
デニールの範囲であることが解った。
【0017】熱融着複合繊維Bの熱融着側ポリマー成分
(d)としては、非晶性ポリマーであっても、結晶性ポ
リマーであってもよい。非晶性ポリマーとしては、ポリ
エステル系の場合、例えばイソフタル酸変性、エチレン
オキサイドビスフェノールスルフォン変性のPET系P
ESがあげられ、結晶性ポリマーとしては、例えばイソ
フタル酸変性ポリブチレンテレフタレートがあげられ
る。この熱融着側ポリマー成分(d)のポリマーの種類
は、高融点側のポリマー成分(c)の種類に応じて変え
ればよいが、前記の如く、該高融点側のポリマー成分
(c)の軟化点より40℃以上低い温度で溶融するよう
に、そのポリマーを選択する。
【0018】この熱融着複合繊維Bも、上記の如き複合
ポリマー成分を使用し、従来公知の複合ノズルを使用し
て常法にしたがって製造することができる。
【0019】本発明の繊維構造体は、上記主体繊維とな
る中空複合繊維Aとバイダー繊維となる熱融着複合繊維
Bとを混綿し、カードを用いて、常法によりウェッブを
つくり、このウェッブを重ねて熱処理することによって
得られ、該中空複合繊維Aの立体捲縮に該熱融着複合繊
維Bの捲縮が局部的に絡みついて融着している部分を有
する図1の電子顕微鏡写真にて示される構造を有する。
【0020】この本発明の繊維構造体は、そのクッショ
ン材としての用途から、その密度が0.01〜0.10
g/cm3となすことが好ましく、その剥離強力として
は160g/cm以上であることが必要である。密度が
0.01g/cm3より小さいものではクッション材と
してその硬さが柔らか過ぎ、加工性にも劣り、逆に0.
10g/cm3より大きい密度となっては、硬さが硬過
ぎ、いずれもクッション性が劣ることとなり好ましくな
い。
【0021】このような密度並びに剥離強力を得るため
には、中空複合繊維Aと熱融着複合繊維Bとの混率は、
A/B=50〜90/50〜10が好ましい。A/Bが
50/50より小のときは、繊維構造体の硬さが硬過ぎ
クッション性が不足することとなる。またA/Bが90
/10より大のときは、繊維構造体の硬さが柔らか過
ぎ、かつ剥離強力が不足し、加工性にも劣ることとなり
好ましくない。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いてより具体的に
説明するが、本発明はそれにより限定されない。なお、
本明細書での繊維構造体の剥離強力はインストロン型万
能試験機を用い、成型したクッション材(熱融着繊維構
造体)の熱接着引裂強力をJASO−M304に準じて
測定した値である。また、25%あるいは50%圧縮時
の硬さとは、インストロン型万能試験機によるヒステリ
シスカーブ(歪み量−荷重曲線)による歪み量25%あ
るいは50%時の圧縮に要する荷重を表した、クッショ
ン材の沈み込み時の反発力(硬さ)を意味する値であ
り、JIS−K6401に準ずる値である。さらにま
た、圧縮後の回復率とは、成型したクッション材に圧縮
を与え、その元の厚さとその50%の厚さとの範囲を繰
返す圧縮可能な装置を用い、8万回の繰返し圧縮を実施
した後の厚さを測定し、該厚さの、元の厚さに対する比
をパーセント表示したもので、JIS−K6401に準
ずる値である。
【0023】実施例1:中空でサイド・バイ・サイド型
の複合繊維を紡糸する紡糸ノズルを用い、極限粘度
〔η〕が0.72と0.50の両PETチップを用い、
その重量比で1:1となるように従来公知の方法にした
がって中空複合繊維Aを製造した。この中空複合繊維A
は、単繊維の太さが18デニール、繊維長が64mm、
中空率が20%、融点が260℃で、立体捲縮を有し、
その捲縮数は8ケ/インチ、乾熱190℃、10分間処
理後の捲縮数(CPN−A)は12ケ/インチであっ
た。
【0024】別途、鞘成分としてはテレフタル酸とイソ
フタル酸を70/30(モル%)で混合した酸成分とブ
チレングリコールとを共重合したポリマーチップを用
い、また芯成分としては極限粘度〔η〕が0.72のP
ETチップを用い、この両者を重量比で1:1となるよ
うに従来公知の方法にしたがって偏心芯鞘タイプの熱融
着複合繊維Bを製造した。この熱融着複合繊維Bは、単
繊維の太さが6デニール、繊維長が64mm、立体捲縮
を有し、その捲縮数は8ケ/インチ、乾熱190℃、1
0分間処理後の捲縮数(CPN−B)は21ケ/イン
チ、融着成分の融点は170℃であった。
【0025】上記中空複合繊維Aの70重量%と上記熱
融着複合繊維Bの30重量%とを混綿し、常法によりカ
ードを用いてウェッブを得た。これを積層して平板型金
型に入れ、190℃で10分間熱処理し、繊維構造体を
得た。この繊維構造体を電子顕微鏡で観察したところ、
図2に示される構造を有しており、立体捲縮を有する中
空複合繊維Aの捲縮に熱融着複合繊維Bの捲縮が局部的
に絡みついて融着している部分を有していることが観察
された。またこの繊維構造体は、密度が0.031g/
cm3、剥離強力が190g/cm、25%圧縮時の硬
さが40kg、50%圧縮時の硬さが130kg、圧縮
残留歪みが27%、繰り返し圧縮後の回復率が91%で
あり、剥離強力、圧縮性などクッション材として非常に
よいものであった。
【0026】実施例2:中空でサイド・バイ・サイド型
の複合繊維を紡糸する紡糸ノズルを用いて、極限粘度
〔η〕が0.63のPETチップと、テレフタル酸とイ
ソフタル酸を70/30(モル%)で混合した酸成分と
エチレングリコールとを重合して得た極限粘度〔η〕が
0.67のPESチップとを用い、その両者の重量比が
1:1となるように従来公知の方法にしたがって中空複
合繊維Aを製造した。この中空複合繊維Aは、単繊維の
太さが15デニール、繊維長が64mm、中空率が16
%、融点が260℃で、立体捲縮を有し、その捲縮数は
10ケ/インチ、乾熱150℃、10分間処理後の捲縮
数(CPN−A)は14ケ/インチであった。
【0027】別途、鞘成分としてはテレフタル酸とイソ
フタル酸を55/45(モル%)で混合した酸成分とブ
チレングリコールとを共重合したポリマーチップを用
い、また芯成分としては極限粘度〔η〕が0.72のP
ETチップを用い、この両者を重量比で1:1となるよ
うに従来公知の方法にしたがってサイド・バイ・サイド
タイプの熱融着複合繊維Bを製造した。この熱融着複合
繊維Bは、単繊維の太さが4デニール、繊維長が64m
m、立体捲縮を有し、その捲縮数は6ケ/インチ、乾熱
150℃、10分間処理後の捲縮数(CPN−B)は2
8ケ/インチ、融着成分の融点は150℃であった。
【0028】上記中空複合繊維Aの80重量%と上記熱
融着複合繊維Bの20重量%とを混綿し、常法によりカ
ードを用いてウェッブを得た。これを積層して、平板型
金型に入れ、170℃で10分間熱処理し、繊維構造体
を得た。この繊維構造体を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、図3に示される構造を有しており、立体捲縮を有す
る中空複合繊維Aの捲縮に熱融着複合繊維Bの捲縮が局
部的に絡みついて融着している部分を有していることが
観察された。またこの繊維構造体は、密度が0.037
g/cm3、剥離強力が210g/cm、25%圧縮時
の硬さが44kg、50%圧縮時の硬さが190kg、
圧縮残留歪みが43%、繰り返し圧縮後の回復率が85
%で、剥離強力に優れ、クッション材として硬く、反発
力に優れたものが得られた。
【0029】比較例1:極限粘度〔η〕が0.65のP
ETチップを用い、従来公知の方法にしたがって立体捲
縮を有する中空複合繊維A’を製造した。この中空複合
繊維A’は、単繊維の太さが12デニール、繊維長が6
4mm、中空率が30%、融点が260℃、立体捲縮を
有し、その捲縮数は8ケ/インチ、乾熱150℃、10
分間処理後の捲縮数(CPN−A’)は10ケ/インチ
であった。一方、テレフタル酸とイソフタル酸を55/
45(モル%)で混合した酸成分とエチレングリコール
とを重合したポリマーチップを鞘成分として用い、また
極限粘度〔η〕が0.72のPETチップを芯成分とし
て用い、この両者を重量比で1:1となるように従来公
知の方法にしたがって芯鞘タイプの熱融着複合繊維B’
を製造した。この熱融着複合繊維B’は、単繊維の太さ
が4デニール、繊維長が64mm、機械捲縮を有し、そ
の捲縮数が7ケ/インチ、乾熱150℃、10分間処理
後の捲縮数(CPN−B’)が8ケ/インチで、融着成
分の融点は150℃あった。上記の中空複合繊維A’の
70重量%と、同じく上記の熱融着複合繊維B’の30
重量%とを混綿し、常法によりカードを用いてウェッブ
を得た。これを積層して平板型金型に入れ、150℃で
10分間熱処理し、繊維構造体を得た。
【0030】この繊維構造体を電子顕微鏡で観察したと
ころ、図4に示される構造を示した。この顕微鏡写真で
見られる如く、本例の繊維構造体では、立体捲縮を有す
る中空複合繊維の捲縮に熱融着複合繊維の捲縮が局部的
に絡みついて融着している部分がなく、単に交差して融
着していることが観察される。そしてこの繊維構造体
は、密度が0.042g/cm3、剥離強力が63g/
cm、25%圧縮時の硬さが26kg、50%圧縮時の
硬さが142kg、圧縮残留歪みが45%、繰り返し圧
縮後の回復率が83%であり、剥離強力、圧縮回復性な
どが低く、あまりよいものではなかった。
【発明の効果】本発明の繊維構造体はその硬さがクッシ
ョン材として適し、かつ特にその繰返し圧縮後の回復率
が大きく、剥離強力に優れたものであり、家具、ベッ
ド、その他各種の座席のクッション材等として好適なも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明繊維構造体の表面の、繊維形態並びにそ
の絡合状態を示した、図面に代わる電子顕微鏡写真であ
る。
【図2】本発明実施例の繊維構造体表面の、繊維形態並
びにその絡合状態を示した、図面に代わる電子顕微鏡写
真である。
【図3】本発明実施例の繊維構造体表面の、繊維形態並
びにその絡合状態を示した、図面に代わる電子顕微鏡写
真である。
【図4】比較例繊維構造体表面の、繊維形態並びにその
絡合状態を示した、図面に代わる電子顕微鏡写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/54 A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体捲縮を有する中空複合繊維Aと、該
    中空複合繊維の捲縮数より多い捲縮数を有する熱融着複
    合繊維Bとから主として構成される繊維構造体であっ
    て、繊維Aの捲縮に繊維Bの捲縮が局部的に絡みついて
    融着している部分を有し、かつ剥離強力が160g/c
    m以上である繊維構造体。
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