JP2019182811A - 組成物、膜、膜付き基材、膜付き基材の製造方法、スプレー、及びウェットワイパー - Google Patents

組成物、膜、膜付き基材、膜付き基材の製造方法、スプレー、及びウェットワイパー Download PDF

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Abstract

【課題】 粒子の分散性に優れ、且つ、抗菌性及び消臭性に優れる組成物、並びに上記組成物により形成される膜を提供する。また、抗菌性及び消臭性に優れる膜付き基材及びその製造方法、並びにウェットワイパー及びスプレーを提供する。【解決手段】 無機粒子と、ノニオン系界面活性剤及びノニオン系分散剤からなる群から選ばれる1種以上の成分Aと、包接化合物、ポリフェノール系化合物、アニオン系界面活性剤、及びカチオン系界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の成分Bと、を含む組成物であり、上記無機粒子は、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子を含み、上記成分Aの含有量は、上記組成物中に含まれる全無機粒子の合計含有量に対して、15質量%以上である、組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、膜、膜付き基材、膜付き基材の製造方法、スプレー、及びウェットワイパーに関する。
抗菌性又は消臭性等の作用を示す成分として金属担持無機粒子を含んだ組成物が知られている。例えば、特許文献1では、実施例欄において、銀担持シリカゲルと銅担持合成ゼオライトとを含む機能性コーティング組成物を開示している。
特開平10−279885号公報
本発明者は、特許文献1に記載された組成物を調製して検討したところ、銀担持シリカゲル及び銅担持合成ゼオライトが沈降し易く、その分散性を改善する余地があることを知見した。また、上記組成物は、抗菌性及び消臭性に関しても、昨今要求される水準を満たしていないことを明らかとした。
そこで、本発明は、粒子の分散性に優れ、且つ、抗菌性及び消臭性に優れる組成物、並びに上記組成物により形成される膜を提供することを課題とする。
また、本発明は、抗菌性及び消臭性に優れる膜付き基材及びその製造方法、並びにウェットワイパー及びスプレーを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、組成物が、ノニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上を所定含有量含むことにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
〔1〕 無機粒子と、
ノニオン系界面活性剤及びノニオン系分散剤からなる群から選ばれる1種以上の成分Aと、
包接化合物、ポリフェノール系化合物、アニオン系界面活性剤、及びカチオン系界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の成分Bと、
溶媒と、を含む組成物であり、
上記無機粒子は、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子を含み、
上記成分Aの含有量は、上記組成物中に含まれる全無機粒子の合計含有量に対して、15質量%以上である、組成物。
〔2〕 上記銀担持無機粒子が、銀担持ガラスである、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕 上記銅担持無機粒子が、銅担持ガラスである、〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕 上記銀担持無機粒子の平均粒径が、0.05μm以上1.0μm未満である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔5〕 上記銅担持無機粒子の平均粒径が、0.05〜15μmである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物。
〔6〕 上記銅担持無機粒子の平均粒径が、0.05〜0.40μmである、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔7〕 上記銅担持無機粒子の含有量が、上記組成物の全質量に対して、0.01〜1.0質量%である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の組成物。
〔8〕 更に、バインダー前駆体及びバインダーからなる群から選択される成分Cを含む、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の組成物。
〔9〕 上記バインダー前駆体が、親水性バインダー前駆体であり、上記バインダーが、親水性バインダーである、〔8〕に記載の組成物。
〔10〕 上記成分Cが、シリケート系化合物、親水性基を有するモノマー、及び、親水性基を有するポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、〔8〕に記載の組成物。
〔11〕 上記溶媒が、水を含む、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の組成物。
〔12〕 〔8〕〜〔11〕のいずれかに記載の組成物を用いて形成される膜。
〔13〕 基材と、〔12〕に記載の膜と、を有する、膜付き基材。
〔14〕 上記バインダー前駆体を含む〔8〕〜〔11〕のいずれかに記載の組成物を基材の表面に塗布して、組成物層を形成する工程と、
上記組成物層を硬化させて、膜を得る工程と、を含む、膜付き基材の製造方法。
〔15〕 上記バインダーを含む〔8〕〜〔11〕のいずれかに記載の組成物を、基材の表面に塗布して、膜を形成する工程を含む、膜付き基材の製造方法。
〔16〕 スプレー容器と、上記スプレー容器に収納された〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の組成物と、を有するスプレー。
〔17〕 基布と、上記基布に含浸させた〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の組成物と、を有する、ウェットワイパー。
本発明によれば、粒子の分散性に優れ、且つ、抗菌性及び消臭性に優れる組成物、並びに上記組成物により形成される膜を提供できる。
また、本発明によれば、抗菌性及び消臭性に優れる膜付き基材及びその製造方法、並びにウェットワイパー及びスプレーを提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に制限されるものではない。
なお本明細書における基(原子群)の表記において、置換、及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート、及びメタクリレートの双方、又はいずれかを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル、及びメタクリルの双方、又はいずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル、及びメタクリロイルの双方、又はいずれかを表す。
また、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値、及び上限値として含む範囲を意味する。
[組成物]
本発明の組成物は、
無機粒子と、
ノニオン系界面活性剤及びノニオン系分散剤からなる群から選ばれる1種以上の成分Aと、
包接化合物、ポリフェノール系化合物、アニオン系界面活性剤、及びカチオン系界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の成分Bと、を含む組成物であり、
上記無機粒子は、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子を含み、
上記成分Aの含有量は、上記組成物中に含まれる全無機粒子の合計含有量に対して、15質量%以上である。
銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子は優れた抗菌作用を示し、なかでも、銅担持無機粒子は、優れた抗菌作用と消臭作用(悪臭を減少させる又は悪臭を消す作用)とを示す。
しかしながら、今般、本発明者は、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子は、組成物中に含まれる他の成分との凝集に起因して沈降し易いことを知見している。特に、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子は、消臭効果及び/又は抗菌効果が期待される成分である、包接化合物、ポリフェノール系化合物、アニオン系界面活性剤、及びカチオン系界面活性剤等と凝集して沈降する傾向が著しく高いことを明らかとした。凝集の原因は詳細には明らかではないが、例えば、組成物が、アニオン系界面活性剤又はカチオン系界面活性剤を含む場合、これらの成分が担持無機粒子及び銅担持無機粒子に化学吸着して表面電荷を中和し、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子の沈降が生じると推測される。また、組成物が、包接化合物又はポリフェノール系化合物を含む場合、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子にこれらの成分が物理吸着し、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子の沈降が生じることが考えられる。
更に、組成物中における銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子の分散性が悪いと、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子による本来の抗菌作用及び消臭作用が発現しにくい。このことは、本明細書の実施例欄(特に、比較例1〜6)からも明らかである。
これに対して、本発明の組成物は、ノニオン系界面活性剤及びノニオン系分散剤からなる群から選ばれる1種以上の成分を、組成物中の全無機粒子の合計含有量に対して15質量%以上含む。ノニオン系界面活性剤及びノニオン系分散剤は、組成物中の無機粒子の周囲に薄い保護膜を形成して、無機粒子(なかでも、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子)と、組成物中の他の成分との凝集を抑制する作用を示すと推測される。この結果として、組成物は、粒子の分散性に優れ、且つ、優れた抗菌性及び消臭性を示す。
一方で、ノニオン系界面活性剤及びノニオン系分散剤からなる群から選ばれる1種以上の成分の含有量が、組成物中の全無機粒子の合計含有量に対して15質量%未満である場合、組成物は、粒子の分散性が悪く、結果として所望の抗菌性及び消臭性が発揮されにくい。
上記組成物の用途は特に制限されないが、例えば、介護現場にて用いられるオムツに適用でき、尿臭に対して高い消臭効果を発揮する。
尿臭は、尿に含まれているアンモニア及びトリメチルアミン等の物質により生じる。オムツに吸収された尿を長時間放置すると、尿臭の原因である上記物質が、細菌による酵素分解によって更に増えるため、オムツの臭気がより強くなる。
これに対し、上記組成物により形成される膜がオムツ中の尿便が触れる部位に形成された場合、主として銀担持無機粒子の作用により、細菌の増殖及び細菌による尿便物質の酵素分解が抑制されるため、上述のアンモニア及びトリメチルアミン等の物質の増加が抑制される。つまり、臭気の増加が抑制される。さらに、主として銅担持無機粒子の作用により、オムツに尿が吸収された時から長期間にわたって、安定して消臭効果が持続される。また、膜中の上述した成分Bも、膜中において消臭効果及び/又は抗菌効果に寄与する。
以下に、上記組成物に含まれる各成分について詳述する。
〔無機粒子〕
上記組成物中、無機粒子は、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子を含む。
上記組成物中、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子の合計含有量の下限値は、組成物中の全無機粒子の合計含有量に対して、例えば、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。その上限値は特に制限されないが、例えば100質量%以下である。
以下において、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子について各々詳述する。
<銀担持無機粒子>
銀担持無機粒子は、無機担体と、無機担体上に担持された銀とを含む。銀担持無機粒子は、抗菌剤として機能し得る成分である。
銀担持無機粒子中に含まれる銀の形態としては特に制限されないが、金属銀、銀イオン、及び銀塩等の形態が挙げられる。なお、本明細書では、銀錯体は銀塩の範囲に含まれる。
銀塩としては、例えば、酢酸銀、アセチルアセトン酸銀、アジ化銀、銀アセチリド、ヒ酸銀、安息香酸銀、フッ化水素銀、臭素酸銀、臭化銀、炭酸銀、塩化銀、塩素酸銀、クロム酸銀、クエン酸銀、シアン酸銀、シアン化銀、(cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)−1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン酸銀、ジエチルジチオカルバミン酸銀、フッ化銀(I)、フッ化銀(II)、7,7−ジメチル−1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−4,6−オクタンジオン酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、ヘキサフルオロヒ酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、イソチオシアン酸銀、シアン化銀カリウム、乳酸銀、モリブデン酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(II)、シュウ酸銀、過塩素酸銀、ペルフルオロ酪酸銀、ペルフルオロプロピオン酸銀、過マンガン酸銀、過レニウム酸銀、リン酸銀、ピクリン酸銀一水和物、プロピオン酸銀、セレン酸銀、セレン化銀、亜セレン酸銀、スルファジアジン銀、硫酸銀、硫化銀、亜硫酸銀、テルル化銀、テトラフルオロ硼酸銀、テトラヨードムキュリウム酸銀、テトラタングステン酸銀、チオシアン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、トリフルオロ酢酸銀、バナジン酸銀、ヒスチジン銀錯体、メチオニン銀錯体、システイン銀錯体、アスパラギン酸銀錯体、ピロリドンカルボン酸銀錯体、オキソテトラヒドロフランカルボン酸銀錯体、及びイミダゾール銀錯体等が挙げられる。
銀担持無機粒子中に含まれる無機担体としては特に制限されないが、例えば、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、リン酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ガラス(酸化ケイ素)、ゼオライト、アパタイト、ヒドロキシアパタイト、リン酸チタン、チタン酸カリウム、含水酸化ビスマス、含水酸化ジルコニウム、及びハイドロタルサイト等が挙げられる。
銀担持無機粒子としては、なかでも、銀担持ゼオライト、銀担持アパタイト、銀担持ガラス、銀担持リン酸ジルコニウム、又は銀担持ケイ酸カルシウムが好ましく、銀担持アパタイト、又は銀担持ガラスがより好ましく、銀担持ガラスが更に好ましい。
銀担持無機粒子の平均粒径は特に制限されないが、一般に、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.20μm以上が更に好ましく、0.30μm以上が更に好ましく、0.50μm以上が特に好ましい。なお、その上限としては、3.0μm以下が好ましく、1.0μm未満がより好ましい。
なお、銀担持無機粒子の沈降性、及び組成物の透明性を考慮する場合、銀担持無機粒子の平均粒径がより小さいほど、銀担持無機粒子の分散性がよく、結果として、組成物の透明性が高くなる。つまり、銀担持無機粒子の沈降性及び組成物の透明性がより優れる点で、銀担持無機粒子の平均粒径は、1.0μm未満が好ましく、0.50μm以下がより好ましく、0.40μm以下が更に好ましい。
銀担持無機粒子の平均粒径は、電子顕微鏡を用いて銀担持無機粒子を観察することにより測定できる。具体的には、上記平均粒径は、銀担持無機粒子について、一次粒子及び二次粒子(なお、「二次粒子」とは、一次粒子同士が融合あるいは接触して構成される集合体と定義する。)の直径を電子顕微鏡の画像から計測し、全粒子数の中の最も直径が小さい側の粒子数5%と、最も直径が大きい側の粒子数5%を除いた、90%の範囲の粒子の直径を平均した値である。つまり、平均粒径は、一次粒子及び二次粒子から求められる値である。また、直径とは、粒子の外接円相当直径のことをいう。また、粒子形状に大きく違いがない場合、すなわち、粒子の形状のばらつきが少ない場合、堀場製作所社製のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて50%体積累積径(D50)を3回測定して、3回測定した値の平均値を平均粒径として代用してもよい。
銀担持無機粒子の平均粒径を上記数値範囲とすることにより、組成物が後述する成分Cを含む場合、組成物を用いて形成された膜において、銀担持無機粒子がバインダーから露出した状態で固定しやすくなる。このため、銀イオンが無機担体から、より放出され易くなり、結果として組成物はより優れた抗菌性を有する。
銀担持無機粒子の平均粒径は、従来公知の方法により調節でき、例えば、乾式粉砕及び湿式粉砕等の方法を採用できる。乾式粉砕においては、例えば、乳鉢、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、及び、ビーズミル等が適宜用いられる。また、湿式粉砕においては、各種ボールミル、高速回転粉砕機、ジェットミル、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、及び高圧ホモジナイザー等が適宜用いられる。
例えば、ビーズミルにおいては、メディアとなるビーズの径、種類、及び混合量等を調節することで平均粒径を制御できる。
組成物中における銀担持無機粒子の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全固形分に対して、その下限値は、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、1.0質量%以上が特に好ましい。また、その上限値は、50.0質量%以下が好ましく、20.0質量%以下がより好ましく、10.0質量%以下が更に好ましい。
銀担持無機粒子は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の銀担持無機粒子を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、固形分とは、溶媒以外の成分(膜を形成し得る成分)を意図する。
<銅担持無機粒子>
銅担持無機粒子は、無機担体と、無機担体上に担持された銅とを含む。銅担持無機粒子は、抗菌剤及び消臭剤として機能し得る成分である。
銅担持無機粒子中に含まれる銅の形態としては特に制限されないが、銅粒子、銅イオン、及び銅化合物(特に、銅酸化物)等が挙げられる。
銅担持無機粒子中に含まれる無機担体としては特に制限されないが、銀担持無機担体の無機担体として既に説明したものが使用できる。
銅担持無機粒子としては、なかでも、組成物の抗菌性がより優れる点で、銅担持ガラスが好ましい。
銅担持無機粒子の平均粒径は特に制限されないが、一般に、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.2μm以上が更に好ましく、0.5μm以上が特に好ましい。なお、その上限としては、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、8.0μm以下が更に好ましく、3.0μm以下が特に好ましい。
なお、銅担持無機粒子の沈降性、及び組成物の透明性を考慮する場合、銅担持無機粒子の平均粒径がより小さいほど、銅担持無機粒子の分散性がよく、結果として、組成物の透明性が高くなる。つまり、組成物中の粒子沈降性及び組成物の透明性がより優れる点で、銅担持無機粒子の平均粒径は、1.0μm以下が好ましく、0.50μm以下がより好ましく、0.40μm以下が更に好ましい。
なお、銅担持無機粒子の平均粒径の測定方法としては、銀担持無機粒子の平均粒径として既に説明した方法が適用できる。
銅担持無機粒子の平均粒径は、従来公知の方法により調節でき、例えば、乾式粉砕及び湿式粉砕等の方法を採用できる。乾式粉砕においては、例えば、乳鉢、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、及び、ビーズミル等が適宜用いられる。また、湿式粉砕においては、各種ボールミル、高速回転粉砕機、ジェットミル、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、及び高圧ホモジナイザー等が適宜用いられる。
例えば、ビーズミルにおいては、メディアとなるビーズの径、種類、及び混合量等を調節することで平均粒径を制御できる。
組成物中における銅担持無機粒子の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の全固形分に対して、その下限値は、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。また、その上限値は、80.0質量%以下が好ましく、50.0質量%以下がより好ましく、40.0質量%以下が更に好ましい。
なお、銅担持無機粒子の含有量は、組成物が、優れた消臭性を有し、且つ着色をより抑制できる点では、組成物の全質量に対して、0.01〜1.0質量%が好ましく、0.1〜0.8質量%がより好ましく、0.1〜0.6質量%が更に好ましい。
銅担持無機粒子は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の銅担持無機粒子を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<その他の無機粒子>
上記組成物は、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子以外のその他の無機粒子を含んでいてもよい。無機粒子としては、例えば、活性炭、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、リン酸ガラス、及び、ハイドロキシアパタイト等が挙げられる。これらは消臭剤として機能し得る成分である。
〔成分A〕
上記組成物は、ノニオン系界面活性剤及びノニオン系分散剤からなる群から選ばれる1種以上の成分Aを含む。
以下、ノニオン系界面活性剤及びノニオン系分散剤について説明する。
(ノニオン系界面活性剤)
ノニオン系界面活性剤としては特に制限されず、例えば、(1)炭素数8〜22の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状の高級アルコール、多価アルコール、又は芳香族アルコールに、アルキレンオキシド(アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドが挙げられる。)を付加したポリオキシアルキレンのアルキルエーテル、アルケニルエーテル、アルキニルエーテル、又はアリールエーテル、(2)炭素数8〜22の飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を有する高級アルコールと多価脂肪酸とのエステル、(3)炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を有する、ポリオキシアルキレン脂肪族アミン、(4)炭素数8〜22の高級脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物又はそれにアルキレンオキシドを付加した化合物、(4)アセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。
具体的には、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、及びポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリエチレングリコールジラウレート、及びポリエチレングリコールジステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレンアルキルアミド等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤の市販品としては、例えば、日本エマルジョン社製のエマレックス715;川研ファインケミカル株式会社製のアセチレノールシリーズ及びビスコセーフLMPE;花王株式会社製のエマルゲン120(ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物);エアープロダクツ社製のサーフィノールシリーズ;第一工業製薬社製のノイゲンEA−157等が挙げられる。
(ノニオン系分散剤)
ノニオン系界面活性剤としては特に制限されず、例えば、フィトステロールのエチレンオキサイド付加物、コレスタノールのエチレンオキサイド付加物、ポリアクリル酸部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、スチレン−アクリル酸共重合物、及びビニルナフタレン−マレイン酸共重合物等の高分子分散剤が使用できる。
ノニオン系分散剤の市販品としては、例えば、日本ルーブリゾール社製のソルスパース27000及び54000;BYK社製のDISPERBYK−190;松尾産業社製のBorchi Gen DFN等が挙げられる。
組成物中における成分Aの含有量(複数種含まれる場合にはその合計含有量)としては特に制限されないが、一般に、組成物の全固形分に対して、その下限値は、0.001質量%以上が好ましく、0.10質量%以上がより好ましい。また、その上限値は、50.0質量%以下が好ましく、40.0質量%以下がより好ましく、37.0質量%以下が更に好ましく、20.0質量%以下が特に好ましい。
組成物中、成分Aの含有量は、上記組成物中の全無機粒子の合計含有量に対して、その下限値は、15質量%以上であり、40質量%以上が好ましい。その上限値は、例えば200質量%以下であり、粒子同士の結合を抑制する観点から、160質量%以下が好ましい。
〔成分B〕
上記組成物は、包接化合物、ポリフェノール系化合物、アニオン系界面活性剤、及びカチオン系界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の成分Bを含む。成分Bは、主として、消臭作用を示すと考えられる材料である。
以下、包接化合物、ポリフェノール系化合物、アニオン系界面活性剤、及びカチオン系界面活性剤について説明する。
<包接化合物>
包接化合物は、内部に空洞を有し、この空洞の形状及び/又は物理的・化学的特性によって、その空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部を吸収できる化合物を意図する。包接化合物は、上記作用機序により、消臭作用を発現し得る。
包接化合物としては特に制限されないが、例えば、シクロデキストリンが挙げられ、なかでも、可溶化された水溶性の非錯化シクロデキストリンが好ましい。
シクロデキストリンとしては、6〜12個のグルコース単位を含む非置換型シクロデキストリン又はこれらの誘導体が好ましく、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、又はγ−シクロデキストリンがより好ましい。α−シクロデキストリンは、6個のグルコース単位からなり、β−シクロデキストリンは、7個のグルコース単位からなり、γ−シクロデキストリンは、ドーナツ状の環に配置された8個のグルコース単位からなる。これらのグルコース単位の特異結合及びコンホメーションにより、シクロデキストリンは、特定の体積の空洞を内部に有する、剛性の円錐形分子構造を有する。内部空洞の「内張り」は、水素原子とグリコシド結合の酸素原子によって形成されているので、この表面はかなりの疎水性を有する。この空洞の独自の形と物理的・化学的特性によって、シクロデキストリン分子は、その空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部を吸収する(その空洞に収まることのできる有機分子又は有機分子の一部と包接錯体を形成する)ことができる。
また、シクロデキストリンとしては、例えば、米国特許第5,714,137号及び同第5,942,217号に記載のものも使用できる。
包接化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<ポリフェノール系化合物>
ポリフェノール系化合物とは、分子内に複数のフェノール性水酸基を含む化合物を意図し、その配糖体も含む。
ポリフェノール系化合物としては特に制限されないが、例えば、アピゲニン、アピゲニン配糖体、アカセチン、イソラムネチン、イソラムネチン配糖体、イソクエルシトリン、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エスキュレチン、エチルプロトカテキュ酸塩、エラグ酸、カテコール、ガンマ酸、カテキン、ガルデニン、ガロカテキン、カフェ酸、カフェ酸エステル、クロロゲン酸、ケンフェロール、ケンフェロール配糖体、ケルセチン、ケルセチン配糖体、ケルセタゲニン、ゲニセチン、ゲニセチン配糖体、ゴシペチン、ゴシペチン配糖体、ゴシポール、4−ジヒドロキシアントラキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、シアニジン、シアニジン配糖体、シネンセチン、ジオスメチン、ジオスメチン配糖体、3,4’−ジフェニルジオール、シナピン酸、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、スピナセチン、タンゲレチン、タキシホリン、タンニン酸、ダフネチン、チロシン、デルフィニジン、デルフィニジン配糖体、テアフラビン、テアフラビンモノガレート、テアフラビンビスガレート、トリセチニジン、ドーパ、ドーパミン、ナリンゲニン、ナリンジン、ノルジヒドログアヤレチック酸、ノルアドレナリン、ヒドロキノン、バニリン、パチュレチン、ハーバセチン、バニリルアルコール、バニトロープ、バニリンプロピレングリコールアセタール、バニリン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン酸、ビスフェノールA、ピロカテコール、ビテキシン、4,4’−ビフェニルジオール、4−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノン、プロトカテキュ酸、フロログルシノール、フェノール樹脂、プロシアニジン、プロデルフィニジン、フロレチン、フロレチン配糖体、フィゼチン、フォリン、フェルバセチン、フラクセチン、フロリジン、ペオニジン、ペオニジン配糖体、ペルオルゴニジン、ペルアグゴニジン配糖体、ペチュニジン、ペチュニジン配糖体、ヘスペレチン、ヘスペレジン、没食子酸、没食子酸エステル(没食子酸ラウリル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチル)、マンジフェリン、マルビジン、マルビジン配糖体、ミリセチン、ミリセチン配糖体、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、メチルアトラレート、4−メチルカテコール、5−メチルカテコール、4−メトキシカテコール、5−メトキシカテコール、メチルカテコール−4−カルボン酸、2−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、モリン、リモシトリン、リモシトリン配糖体、リモシトロール、ルテオリン、ルテオリン配糖体、ルテオリニジン、ルテオリニジン配糖体、ルチン、レゾルシン、レスベラトロール、レゾルシノール、ロイコシアニジン、及びロイコデルフィニジン等が挙げられる。
ポリフェノール系化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<アニオン系界面活性剤>
アニオン系界面活性剤としては特に制限されないが、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、及びアルキルリン酸塩等が挙げられる。アニオン系界面活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<カチオン系界面活性剤>
カチオン系界面活性剤としては特に制限されないが、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、及びジアルキルジメチルアンモニウム塩等の四級カチオン界面活性剤、並びに、ステアラミドプロピルジメチルアミン等の三級カチオン界面活性剤等が挙げられる。カチオン系界面活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
成分Bとしては、抗菌作用及び消臭作用のいずれか少なくとも一方の効果がより優れる点で、包接化合物、又はポリフェノール系化合物を含むことが好ましく、シクロデキストリン、又はカテキンを含むことがより好ましい。
また、成分Bとしては、粒子の分散性がより優れる点、並びに抗菌作用及び消臭作用のいずれか少なくとも一方の効果がより優れる点で、アニオン系界面活性剤と、包接化合物又はポリフェノール系化合物とを含むことが好ましく、アニオン系界面活性剤と、シクロデキストリン又はカテキンとを含むことがより好ましい。
組成物中における成分Bの含有量(複数種含まれる場合にはその合計含有量)としては特に制限されないが、一般に、組成物の全固形分に対して、その下限値は、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。
成分Bがポリフェノール系化合物を含む場合、組成物中におけるポリフェノール系化合物の含有量の上限値は、組成物の全固形分に対して2.0質量%以下が好ましい。
また、成分Bが包接化合物を含む場合、組成物中における包接化合物の含有量の上限値は、組成物の全固形分に対して1.0質量%以下が好ましい。
アニオン系界面活性剤又はカチオン系界面活性剤を含む場合、アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤の含有量(複数種含まれる場合にはその合計含有量)の上限値は、組成物の全固形分に対して5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下が更に好ましい。
<溶媒>
上記組成物は、溶媒を含む。
上記組成物中における溶媒の含有量としては特に制限されないが、組成物がより優れた塗布性を有する点で、組成物の固形分が、0.001〜80質量%に調整されるのが好ましく、0.01〜10質量%に調整されるのがより好ましく、0.1〜5.0質量%に調整されるのが更に好ましい。
溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の溶媒を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
溶媒としては特に制限されず、水及び/又は有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、フェニルエチルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、及びミリスチルアルコール等のアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、及びエチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びエチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、及びジ−n−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチル、及びプロピオン酸ブチル等のエステル系溶媒;10%安息香酸デナトニウムアルコール溶液、ゲラニオール、八アセチル化ショ糖、ブルシン、リナロール、リナリールアセテート、及び酢酸等の親水性溶媒;が挙げられる。
組成物が抗菌性に優れる点で、溶媒として、水を含むことが好ましい。溶媒中に水が含まれる場合、溶媒中における水の含有量としては特に制限されないが、溶媒の全質量に対して、0.001〜70質量%が好ましく、0.01〜60質量%がより好ましく、5〜50質量%が更に好ましい。
また、一方で、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子中の金属原子の溶媒への過度な溶出を抑制しやすい点で、溶媒として、アルコールを含むことが好ましく、エタノール又はイソプロピルアルコールを含むことが好ましい。
上記組成物中、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子の沈降を抑制する観点から、アルコールの含有量は、組成物全質量に対して、10質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。上限は特に限定されないが、例えば、99質量%以下が好ましい。
また、溶媒中におけるアルコールの含有量としては特に制限されないが、溶媒の全質量に対して、0.001〜100質量%が好ましく、0.01〜90質量%がより好ましく、5〜90質量%が更に好ましく、5〜80質量%が特に好ましい。
〔その他の成分〕
上記組成物は本発明の効果を奏する範囲内において、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、バインダー前駆体、バインダー、紫外線吸収剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、重合開始剤、触媒、光触媒性材料、充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、艶消し剤、光安定剤、染料、顔料、香料、及び分散安定剤等の公知の添加剤が挙げられる。
上記組成物は、なかでも、バインダー前駆体及びバインダーからなる群から選択される成分C、並びに溶媒を含むことが好ましい。
<成分C>
上記組成物は、バインダー前駆体及びバインダーからなる群から選択される成分Cを含むことが好ましい。なお、バインダー前駆体とは、縮合及び重合等の硬化反応によりバインダーを形成可能な材料を意味する。また、バインダーは、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子を支持可能な膜を形成できる材料を意味する。
上記組成物が成分Cを含む場合、上記組成物により形成される膜において、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子は、バインダーに固定化されて抗菌作用及び/又は消臭作用を示す。
上記組成物中における成分Cの含有量としては特に制限されないが、組成物の全固形分に対して、その下限値は1.0質量%以上が好ましく、20.0質量%以上がより好ましく、30.0質量%以上が更に好ましい。また、その上限値は、99.8質量%以下が好ましく、90.0質量%以下がより好ましく、80.0質量%以下が更に好ましい。
なお、成分Cは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の親水性成分を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
成分Cは、なかでも、親水性成分であることが好ましい。言い換えると、上記バインダー前駆体は、親水性バインダー前駆体であることが好ましく、上記バインダーは、親水性バインダーであることが好ましい。
親水性バインダーとしては、ガラス基板上に上記親水性バインダーからなる膜を形成した場合、例えば、水接触角が60°以下となるもの好ましく、50°以下となるものが好ましい。水接触角の下限については特に制限されないが、一般に5°以上が好ましい。なお、水接触角は、JIS R 3257:1999の静滴法に基づいて測定を行う。測定には、協和界面科学株式会社製FAMMS DM−701を用いる。
親水性バインダーは、例えばアンモニア及びトリメチルアミン等の臭気物質と親和性が高い。このため、上記親水性バインダーは、臭気物質を膜表面に保持及び拡散して、臭気物質と消臭作用を示す銅担持無機粒子等の成分との接触機会を増やす作用も有している。上記作用機序が相乗することにより、上記組成物を用いれば優れた抗菌性と優れた消臭性を有する膜を形成できる。
成分Cとしては特に制限されないが、堅牢性により優れる点で、シリケート系化合物、親水性基を有するモノマー(以下、「親水性モノマー」ともいう。)、及び親水性基を有するポリマー(以下、「親水性ポリマー」ともいう。)からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
なお、親水性基を有するモノマーとは、親水性基と重合性基とを有する化合物を意味する。親水性モノマーは、上記組成物が後述する重合開始剤を含有する場合、重合して親水性ポリマーを形成する。
以下に、シリケート系化合物、親水性モノマー、及び、親水性ポリマーについて、それぞれ説明する。
(シリケート系化合物)
本明細書において、シリケート系化合物とは、ケイ素原子に加水分解性基が結合した化合物、その加水分解物、及び、その加水分解縮合物からなる群から選択される化合物であり、例えば、下記式(1)で表される化合物、その加水分解物、及び、その加水分解縮合物からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
式(1) Si−(OR)
上記式(1)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一でも異なってもよい。
上記式(1)で表わされる化合物としては、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラ−n−プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリケート、テトラ−n−ブチルシリケート、テトラ−i−ブチルシリケート、テトラ−t−ブチルシリケート、メチルエチルシリケート、メチルプロピルシリケート、メチルブチルシリケート、エチルプロピルシリケート、及び、プロピルブチルシリケート等が挙げられる。
式(1)で表される化合物の加水分解物とは、式(1)で表される化合物中のOR基が加水分解して得られる化合物を意図する。なお、上記加水分解物は、OR基のすべてが加水分解されているもの(完全加水分解物)であっても、OR基の一部が加水分解されているもの(部分加水分解物)であってもよい。つまり、上記加水分解物は、完全加水分解物、若しくは、部分加水分解物、又は、これらの混合物であってもよい。
また、式(1)で表される化合物の加水分解縮合物とは、式(1)で表される化合物中のOR基が加水分解し、得られた加水分解物を縮合して得られる化合物を意図する。なお、上記加水分解縮合物としては、すべてのOR基が加水分解され、かつ、加水分解物がすべて縮合されているもの(完全加水分解縮合物)であっても、一部のOR基が加水分解され、一部の加水分解物が縮合しているもの(部分加水分解縮合物)であってもよい。つまり、上記加水分解縮合物は、完全加水分解縮合物、若しくは、部分加水分解縮合物、又は、これらの混合物であってもよい。
なお、加水分解縮合物の縮合度としては、1〜100が好ましく、1〜20がより好ましく、3〜15が更に好ましい。
式(1)で表される化合物は、水成分とともに混合されることにより、少なくとも一部が加水分解された状態となる。式(1)で表される化合物の加水分解物は、式(1)で表される化合物を水成分と反応させ、ケイ素に結合したOR基をヒドロキシ基に変化させることにより得られる。加水分解に際しては必ずしも全てのOR基が反応する必要はないが、塗布後に親水性を発揮するためにはなるべく多くのOR基が加水分解されることが好ましい。また、加水分解に際して最低限必要な水成分の量は式(1)で表される化合物のOR基と等しいモル量となるが、反応を円滑に進めるには大過剰の量の水が存在することが好ましい。
なお、上記シリケート系化合物の加水分解反応は室温でも進行するが、反応促進のために加温してもよい。また反応時間は長い方がより反応が進むため好ましい。また、触媒の存在下であれば半日程度でも加水分解物を得ることが可能である。
なお、一般に加水分解反応は可逆反応であり、系から水が除かれると上記シリケート系化合物の加水分解物はヒドロキシ基間で縮合を開始してしまう。従って、上記シリケート系化合物に大過剰の水を反応させて加水分解物の水溶液を得た場合、そこから加水分解物を無理に単離せずに水溶液のまま用いることが好ましい。
上記シリケート系化合物の好適態様としては、式(X)で表される化合物が挙げられる。
ここで、式(X)中、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。また、nは2〜100の整数を表す。
nは、3〜15が好ましく、5〜10がより好ましい。
上記シリケート系化合物の市販品としては、例えば、コルコート社製「エチルシリケート48」、及び三菱化学社製「MKCシリケート MS51」等が挙げられる。
なお、シリケート系化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(親水性を有するモノマー(親水性モノマー))
親水性基としては特に制限されず、例えば、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基)、アミノ基、カルボキシ基、カルボキシ基のアルカリ金属塩、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホン酸基、及びスルホン酸基のアルカリ金属塩等が挙げられる。親水性モノマー中における親水性基の数は特に制限されないが、得られる膜がより親水性を示す点より、2個以上が好ましく、2〜6個がより好ましく、2〜3個が更に好ましい。
重合性基としては特に制限されず、例えば、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、及び、アニオン重合性基等が挙げられる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、及び、アリル基等が挙げられる。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基、及び、オキセタニル基等が挙げられる。なかでも、重合性基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
親水性モノマー中における重合性基の数は特に制限されないが、得られる膜の機械的強度がより優れる点で、2個以上が好ましく、2〜6個がより好ましく、2〜3個が更に好ましい。
親水性モノマーの重合により形成される親水性ポリマーの主鎖の構造は特に制限されず、例えば、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、及び、ポリウレア等が挙げられる。
親水性モノマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(親水性を有するポリマー(親水性ポリマー))
親水性ポリマーとしては特に制限されず、公知のものを使用できる。なお、親水性基の定義は、上述したとおりである。
親水性ポリマーとしては、上記親水性モノマーを重合して得られるポリマーが挙げられる。それ以外にも、例えば、セルロース系化合物が挙げられる。セルロース系化合物とは、セルロースを母核とする化合物を意図し、例えば、カルボキシメチルセルロースのほか、トリアセチルセルロースを原料とするナノファイバー等が挙げられる。
親水性ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、溶解性等取扱い性がより優れる点で、1,000〜1,000,000が好ましく、10,000〜500,000がより好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定でのポリスチレン換算値として定義される。
親水性ポリマーは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(その他のバインダー)
また、成分Cとしては、上述した、シリケート系化合物、親水性モノマー、及び親水性ポリマー以外のものであってもよく、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、最低造膜温度が0〜35℃の樹脂が好ましく、公知の熱可塑性樹脂が使用できる。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマーからなる樹脂、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、及びフルオレン環変性ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル樹脂、又はウレタン樹脂が好ましい。
なお、熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。上記組成物が、成分Cとして熱可塑性樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂の種類等に応じて適宜調節すればよいが、例えば、組成物の全固形分に対して、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
(重合開始剤)
上記組成物が親水性モノマーを含む場合、上記組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては特に制限されず、公知の重合開始剤が使用できる。
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、及び、光重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、及び、フェニルフォスフィンオキシド等の芳香族ケトン類;α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物(BASF社製、IRGACURE184、127、2959、及び、DAROCUR1173等);フェニルフォスフィンオキシド系化合物(モノアシルフォスフィンオキサイド:BASF社製 IRGACURE TPO、ビスアシルフォスフィンオキサイド:BASF社製 IRGACURE 819);等が挙げられる。
なかでも、反応効率の観点で、光重合開始剤が好ましい。
上記組成物中における重合開始剤の含有量としては特に制限されないが、親水性モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、1〜6質量部がより好ましい。
なお、重合開始剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合開始剤を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(触媒)
上記組成物がシリケート系化合物を含有する場合、組成物は、シリケート系化合物の縮合を促進する触媒(以下「反応触媒」ともいう。)を含んでいてもよい。
触媒としては特に制限されないが、アルカリ触媒及び有機金属触媒等が挙げられる。
アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
有機金属触媒としては、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、及びアルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート等のアルミキレート化合物、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、及びジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウムキレート化合物、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、及びチタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のチタンキレート化合物、並びに、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、及びジブチルスズジオクチエート等の有機スズ化合物等が挙げられる。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する組成物が得られる点で、触媒としては、有機金属触媒が好ましく、なかでも、アルミキレート化合物、又はジルコニウムキレート化合物がより好ましく、アルミキレート化合物が更に好ましい。
触媒の含有量は、組成物の全固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.2〜15質量部がより好ましく、0.3〜10質量部が更に好ましい。
なお、触媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の触媒を併用する場合、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(香料)
上記組成物は、香料を含んでいてもよい。
香料として、長谷川香料社製のフレーバーH−1、H−2、H−3、H−4、H−6、H−9、H−10、H−11、H−12、H−13、H−14、高砂香料工業社製のフレーバーT−100、T−101、T−102、T−103、T−104、T−105、T−106、T−107、EDA−171、曽田香料社製フレーバーS−201、理研香料工業社製フレーバーDA−40等を含んでもよい。
香料の含有量は、組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%が好ましい。
〔組成物のpH〕
上記組成物のpHは特に制限されないが、実使用環境で使用者の手荒れ等を考慮した場合、pHを適切な範囲に調整することが好ましい。
上記組成物のpHは、一般的に、2.0〜12.0が好ましく、銅担持無機粒子が酸又はアルカリにより溶解しにくい又は変質しにくい点で、3.0〜11.0がより好ましく、6.0〜8.0が更に好ましい。なお、組成物のpHの調整方法としては、上記組成物に、酸又はアルカリを配合する方法が挙げられる。
なお、pHは、市販のpH測定メータ(例えば、東亜ディーケーケー社製のpHメータ HM−30R等)を用いて測定できる。
〔組成物の比重〕
上記組成物の比重は特に制限されないが、0.5〜1.2が好ましい。
〔組成物の粘度〕
上記組成物の粘度は特に制限されず、用途に応じて調整すればよい。
例えば、塗布性又はスプレー等に適用する場合、組成物の25℃における粘度は、300cP(センチポアズ:1cp=1mPa・s)以下が好ましく、200cP以下がより好ましく、0.1〜150cPが更に好ましい。
また、抗菌性及び消臭性の効果を長時間持続させる場合は、組成物の25℃における粘度は、250cP以上が好ましく、300cP以上がより好ましく、400cP以上が更に好ましい。なお、その上限は、例えば、500cP以下である。
なお、粘度は、東機産業社製VISCOMETER TUB−10、又は、セコニック社製SEKONIC VISCOMETERを用いて測定できる。
〔ゼータ電位〕
上記組成物のゼータ電位は、特に限定されないが、組成物中において、粒状物が適度に分散して耐沈降性により優れることを考慮すると、適切な範囲に調整することが好ましい。上記組成物のゼータ電位は、80mV〜−80mVが好ましく、70mV〜−70mVがより好ましく、60mV〜−60mVが更に好ましい。
なお、ゼータ電位は、公知の方法を用いて測定することができ、分散液をガラス製の専用測定セルに所定量導入し、大塚電子社製 ELSZ1EASを用いて測定することができる。
〔組成物の製造方法〕
なお、上記組成物は、更に、本発明の効果を奏する範囲において、必要に応じてその他の添加剤を含有することができる。
上記組成物は、上述した必須成分及び任意成分を、適宜混合することによって調製できる。なお、上記成分の混合の順番は特に制限されない。
〔組成物の用途〕
上記組成物を用いて膜を形成できる。
上記膜の形成方法は特に制限されないが、上記組成物を所望の基材、又は物品に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥又は硬化して膜とする方法(塗布法)が好ましい。
上記組成物を所望の基材、又は物品に塗布する方法は特に制限されない。例えば、スプレー、ロールコータ、グラビアコータ、スクリーン、スピンコータ、フローコータ、インクジェット、静電塗装、及びワイプが挙げられる。なかでも、既存の物品の表面に、需要に応じて膜を形成して処理(オンデマンド処理)ができる点で、スプレー、又はワイプが好ましく、ワイプがより好ましい。
ワイプによる膜の形成方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、以下の方法が挙げられる。まず、上記組成物を不織布等の基布に含浸させ、その後、上記基布で基材、又は物品の表面を拭く。これにより、基材、又は物品表面に上記組成物による塗膜が形成される。その後、形成された塗膜を乾燥又は硬化して膜を得る。
[膜]
本発明の膜は、上述した組成物を用いて形成される膜である。
本発明の膜は、言い換えると、無機粒子と、ノニオン系界面活性剤及びノニオン系分散剤からなる群から選ばれる1種以上の成分Aと、包接化合物、ポリフェノール系化合物、アニオン系界面活性剤、及びカチオン系界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の成分Bと、バインダーと、を含み、
上記無機粒子は、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子を含み、
上記成分Aの含有量は、上記組成物中に含まれる全無機粒子の合計含有量に対して、15質量%以上である。
以下に、上記膜に含まれる各成分について詳述する。
〔無機粒子〕
無機粒子としては、上記組成物中に含まれる無機粒子と同様であり、好ましい形態も同様である。
<銀担持無機粒子>
上記無機粒子が含む銀担持無機粒子としては、上記組成物中に含まれる銀担持無機粒子と同様であり、好ましい形態も同様である。
<銅担持無機粒子>
上記無機粒子が含む銅担持無機粒子としては、上記組成物中に含まれる銅担持無機粒子と同様であり、好ましい形態も同様である。
〔成分A〕
成分Aとしては、上記組成物中に含まれる成分Aと同様であり、好ましい形態も同様である。
〔成分B〕
成分Bとしては、上記組成物中に含まれる成分Bと同様であり、好ましい形態も同様である。
〔バインダー〕
膜は、バインダーを含む。
バインダーとしては、親水性バインダーが好ましい。親水性バインダーとしては特に制限されないが、例えば、ケイ素原子に加水分解性基が結合した化合物の加水分解物、及びその加水分解縮合物;親水性基を有するポリマー等が挙げられ、ケイ素原子に加水分解性基が結合した化合物の加水分解物、及び、その加水分解縮合物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
なお、ケイ素原子に加水分解性基が結合した化合物の好ましい形態、及び、親水性基を有するポリマーの好ましい形態については、既に説明したとおりである。
〔膜の製造方法〕
本発明の膜は、例えば、上記組成物を乾燥又は硬化して得られる。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
なお、上記組成物がバインダー前駆体を含む場合、上記膜は、組成物の塗膜(組成物層)を硬化して得られる。言い換えると、上記膜は、上記組成物層の硬化処理によって、組成物層中のバインダー前駆体をバインダーとすることにより得られる。
これに対して、上記組成物が成分Cとしてバインダーのみを含む場合、組成物に対して硬化処理を実施する必要はない。
〔膜の膜厚〕
膜の膜厚としては特に制限されないが、0.001〜50μmが好ましく、0.01〜10μmがより好ましい。
なお、上記膜厚とは、膜のサンプル片を樹脂に包埋して、ミクロトームで断面を削り出し、削り出した断面を走査電子顕微鏡で観察し測定する。膜の任意の10点の位置における厚みを測定し、それらを算術平均した値を意図する。
〔膜のpH〕
膜の膜面pHは、典型的には7.0以下が好ましく、特にアンモニア及びトリメチルアミン等の尿及び便等に由来する臭気物質に対する消臭性により優れる点で、6.5以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、4.5以下が更に好ましい。膜の膜面pHの下限は、特に制限されないが、1.0以上が好ましい。
なお、本明細書において、膜の膜面pHは、膜面に0.02mLの液滴(純水)を滴下し、1分間経過した後、その液滴のpHを、堀場製作所社製のpHメータ LAQUA F−72を用いて測定することにより求めたときの値である。
上述したように、膜は、オムツ等の用途に適用できる。このとき、尿等の臭気物質含有液体が膜面に付着した際に、膜面pHが上記数値範囲(好ましくは膜面pH6.5以下)となるようにすると、膜に含まれる銅担持無機粒子及び銀担持無機粒子がより変質しにくく、膜はより優れた抗菌作用及び/又は消臭作用を示す。
[膜付き基材]
本発明の実施形態に係る膜付き基材は、基材と、上記膜と、を有する。膜付き基材としては、基材と、膜とを有する積層体であればよく、基材の片側の表面上に膜を有してもよいし、基材の両側の表面上に膜を有してもよい。
〔基材〕
基材は、膜を支持する役割を果たし、その種類は特に制限されない。
基材の形状は特に制限されないが、板状、フィルム状、シート状、チューブ状、繊維状、及び粒子状等が挙げられる。
基材を構成する材料としては特に制限されず、例えば、金属、ガラス、セラミックス、及び、プラスチック(樹脂)等が挙げられる。なかでも、取り扱い性の点から、プラスチックが好ましい。言い換えれば、基材としては、樹脂基材が好ましい。
〔膜付き基材の製造方法〕
本発明の膜の製造方法は、上述の組成物を用いて膜を製造する方法に該当し、以下の工程を有する。
(1)組成物が、成分Cとしてバインダー前駆体を含む場合、下記工程Aと、下記工程Bとを有する。
(2) 組成物が、成分Cとしてバインダーを含む場合、下記工程Aを有する。
(工程A)基材の表面に、組成物を塗布して、組成物層を形成する工程
(工程B)組成物層を硬化処理させて、膜を得る工程
以下に、工程A及び工程Bについて説明する。
(工程A)
工程Aは、基材の表面に、組成物を塗布して、組成物層を形成する工程である。基材の表面に組成物を塗布する方法としては特に制限されず、公知の塗布法を用いることができる。
基材の表面に組成物を塗布する方法としては、上述した方法が挙げられる。
組成物層の膜厚としては特に制限されないが、乾燥膜厚として、0.001〜10μmが好ましい。
また、組成物を塗布した後、溶媒を除去するために加熱処理を行ってもよい。その場合の加熱処理の条件としては特に制限されず、例えば、加熱温度としては、50〜200℃が好ましく、加熱時間としては、15〜600秒が好ましい。
なお、工程Aにおいて用いることができる基材としては、既に説明した基材の形態と同様である。
(工程B)
工程Bは、組成物層を硬化させて、膜を得る工程である。つまり、組成物層中に含まれるバインダー前駆体を縮合又は重合等の硬化反応によりバインダーとする工程である。
組成物層を硬化させる方法としては特に制限されないが、室温にて硬化反応が進行しない場合、例えば、加熱処理及び/又は露光処理が挙げられる。
露光処理としては、特に制限されないが、例えば、紫外線ランプにより100〜600mJ/cmの照射量の紫外線を照射して組成物層を硬化する形態が挙げられる。
紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、及び、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
加熱処理の温度としては特に制限されないが、例えば、50〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
[ウェットワイパー]
本発明実施形態に係るウェットワイパーは、基布と、上記基布に含浸させた組成物と、を有する。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
上記基布としては、特に制限されず、天然繊維で形成されたものであっても、化学繊維で形成されたものであってもよい。
天然繊維としては、例えば、パルプ、綿、麻、亜麻、羊毛、キヤメル、カシミヤ、モヘヤ、及び、絹等が挙げられる。
化学繊維の材料としては、レーヨン、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート、及び、ポリクラール等が挙げられる。
なかでも、これらの基布のうち、組成物が含浸しやすい点で、親水性の基布が好ましい。親水性の基布とは、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、アミド基、及び、スルホニル基等の親水性基を有する繊維を含む基布である。親水性の基布としては、具体的には、植物性繊維、綿、パルプ、動物性繊維、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、及び、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
上記ウェットワイパーの基布としては、不織布、布、タオル、ガーゼ、及び、脱脂綿等を使用してもよく、不織布が好ましい。
また、基布の目付(単位面積当たりの質量)は、100g/m以下が好ましい。上記組成物を基布に含浸させる際の含浸量は、基布の質量に対して1倍以上の量が好ましい。
[スプレー]
本発明の実施形態に係るスプレーは、スプレー容器と、上記スプレー容器に収納された組成物と、を有する。上記組成物としては、既に説明したとおりである。
本発明のスプレーとしては、上記組成物と噴射剤とを所定の容器に充填した形態が一例として挙げられる。用いられる噴射剤としては、特に制限されないが、例えば液化石油ガス等が挙げられる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により制限的に解釈されるべきものではない。
[各種成分]
以下に、実施例及び比較例で使用する各種成分について説明する。
〔銀担持無機粒子〕
・バクテライトMP−103D(銀担持ガラスに該当する。平均粒径;340nm、エタノール希釈:固形分濃度25質量%、富士ケミカル社製)
〔銅担持無機粒子〕
・ケスモンNS−20C(銅担持ガラスに該当する。平均粒径;3.0μm、固形分濃度100質量%、東亜合成社製)
・ケスモンNS−20C(250nm)(銅担持ガラスに該当する。平均粒径;250nm、下記手順により調製したもの。)
<ケスモンNS−20C(250nm)の調製手順>
60%エタノール水溶液中に、ケスモンNS−20Cを0.3質量%となるように添加し、溶液を調製した。次いで、得られた溶液1.8gを、φ0.1mmのZrビーズを0.5g入れたセントチューブ内に添加し、試験管ミキサー(デルタミキサーSe−08)で100時間撹拌し、0.3質量%のケスモンNS−20C(250nm)とした。
〔成分A〕
・エマレックス715(ノニオン系界面活性剤に該当する。純水希釈:固形分濃度0.5質量%、日本エマルジョン社製)
・ビスコセーフLMPE(ノニオン系界面活性剤に該当する。純水希釈:固形分濃度0.5質量%、川研ファインケミカル社製)
・エマルゲン120(ノニオン系界面活性剤に該当する。純水希釈:固形分濃度0.5質量%、花王ケミカル社製)
・ノイゲンEA−157(ノニオン系界面活性剤に該当する。純水希釈:固形分濃度0.5質量%、第一工業製薬社製)
・シリコーン系レベリング剤(ノニオン系界面活性剤に該当する。固形分濃度100質量%、日信化学工業社製、商品名:サーフィノール420)
・ソルスパース54000(ノニオン系分散剤に該当する。固形分濃度100質量%、ルーブリゾール社製)
・ソルスパース27000(ノニオン系分散剤に該当する。固形分濃度100質量%、ルーブリゾール社製)
・DISPERBYK−190(ノニオン系分散剤に該当する。固形分濃度100質量%、BYK社製)
・Borchi Gen DFN(ノニオン系分散剤に該当する。固形分濃度100質量%、松尾産業社製)
〔成分B〕
・ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(アニオン系界面活性剤に該当する。純水希釈:固形分濃度0.2質量%、東京化成工業社製)
・ステアラミドエチルジメチルアミン(カチオン系界面活性剤に該当する。純水希釈:固形分濃度0.2質量%、東邦化学工業社製、商品名:チナールAEAS)
・ヒドロキシプロピル−β−デキストリン(包接化合物であるシクロデキストリンに該当する。純水希釈:固形分濃度100質量%、富士フイルム和光純薬社製)
・(−)−カテキン(ポリフェノール系化合物に該当する。固形分濃度100質量%、富士フイルム和光純薬社製)
〔成分C〕
・シリケート系バインダー(親水性バインダー前駆体に該当する。「MKC(登録商標)シリケートMS51」、三菱化学社製)
〔触媒〕
・アルミキレートD(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、エタノール希釈:固形分濃度1質量%、川研ファインケミカル社製)
〔溶媒〕
・エタノール(富士フイルム和光純薬社製)
・IPA(イソプロパノール、富士フイルム和光純薬社製)
・水
[実施例1:組成物の調製]
容器中でエタノール91.1gを攪拌しながら、シリケート系バインダー(三菱化学社製「MKC(登録商標)シリケート MS51」)0.4g、アルミキレートD(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、エタノール希釈:固形分濃度1質量%)1.3g、アニオン性界面活性剤(ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、純水希釈:固形分濃度0.2質量%)1.6g、を順次加えた後、イソプロパノール2.7g、ノニオン系分散剤(BYK社製「DISPERBYK(登録商標)−190」)0.04g、銀担持無機粒子(「バクテライトMP−103D」、銀担持ガラスに該当する。平均粒径;340nm、エタノール希釈:固形分濃度25質量%、富士ケミカル社製)0.06gを加え、銅担持無機粒子(「ケスモンNS−20C」、銅担持ガラスに該当する。平均粒径;3.0μm、固形分濃度100質量%、東亜合成社製)0.25gを加え、20分間攪拌し、組成物を得た。
[実施例2:組成物の調製]
容器中でエタノール53.2gを攪拌しながら、純水37.9g、シリケート系バインダー(三菱化学社製「MKC(登録商標)シリケート MS51」)0.4g、アルミキレートD(アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノ(アセチルアセトネート)、エタノール希釈:固形分濃度1質量%)1.3g、アニオン性界面活性剤(ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、純水希釈:固形分濃度0.2質量%)1.6g、を順次加えた後、イソプロパノール2.7g、ノニオン系分散剤(BYK社製「DISPERBYK(登録商標)−190」)0.04g、銀担持無機粒子(「バクテライトMP−103D」、銀担持ガラスに該当する。平均粒径;340nm、エタノール希釈:固形分濃度25質量%、富士ケミカル社製)0.06gを加え、銅担持無機粒子(「ケスモンNS−20C」、銅担持ガラスに該当する。平均粒径;3.0μm、固形分濃度100質量%、東亜合成社製)0.25gを加え、20分間攪拌し、組成物を得た。
[実施例3〜31、比較例1〜6]
上記実施例と同様の方法により、表1に記載した成分を混合し、各実施例及び各比較例に係る組成物を得た。
[各種評価]
次いで、得られた組成物に対して下記の評価を実施した。
<粒子の分散性(粒子沈降性)評価>
上記組成物を、調液直後からスターラーで3時間撹拌した後、スターラーを停止から沈殿物が目視で観察できるまでの時間を測定した。得られた測定結果に基づいて、下記評価基準により沈降性を評価した。結果は、表1の「粒子沈降性」欄に示した。
「4」:スターラー停止後、60分超えても沈殿しない。
「3」:スターラー停止後、15分超から60分以内に沈殿する。
「2」:スターラー停止後、15分超から30分以内に沈殿する。
「1」:スターラー停止後、15分以内に沈殿する。
<抗菌性評価>
5cm×3cmの抗菌試験用標準布(一般財団法人 繊維評価技術協会)に上記組成物を0.1g塗布し、室温で1日間乾燥させることで抗菌試験用サンプルを作製した。
作製したサンプルを用いて、JIS Z2801:2010に準拠して抗菌試験を実施し、下記評価基準により抗菌性を評価した。結果は、表1の「抗菌性」欄に示した。
「3」:抗菌活性値が3.0以上である。
「2」:抗菌活性値が2.5以上、3.0未満である。
「1」:抗菌活性値が2.0以上、2.5未満である。
<消臭性評価>
「リリーフ パンツタイプたっぷり長時間 M〜Lサイズ」(花王社製)の尿吸水面にスプレーを用いて上記組成物20gを噴霧する。次いで、上記組成物を噴霧した面に人尿を150ml垂らし、消臭試験用サンプルを作製した。上記消臭試験用サンプルを密封タッパーに入れて室温で6時間放置した後、消臭試験用サンプルの臭いを、3人のパネラーに嗅がせ、下記評価基準で評価させた(3人のパネラー間で評価結果に差はなかった)。結果は、表1の「消臭性」欄に示した。
なお、尿中(とりわけ尿路感染症患者の尿)には複数の菌を含んでおり、代表的な菌である大腸菌、ブドウ球菌に加えて、クレブシエラ属、シトロバクター属、エンテロバクター属、プロテウス属、シュードモナス属、モルガネラ属、及び、セラチア属等の細菌が混在しており、本評価試験で採用した尿も同様に複数の菌が存在している。
従って、本評価において、6時間後の評価結果は、尿中に存在する上記細菌に由来する悪臭物質に対する消臭効果の程度を表しているものと考えられる。
「3」:臭いが感じとれない。
「2」:臭いがするが尿だと分からない。
「1」:尿の臭いがする。
以下に表1を示す。
なお、表1中、「組成物の全無機粒子の含有量に対する成分Aの含有量(質量%)」は、下記実施例1〜31及び比較例1〜6においては、組成物中の銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子の合計含有量に対する成分Aの合計含有量(質量%)に相当する。
また、表1中の実施例1の抗菌性欄の「1」とは、評価結果は「1」であったものの、比較例1〜6よりも抗菌性がより優れていたことを意図する。
また、表1中、銅担持無機粒子欄において、ケスモンNS−20C(250nm)は、平均粒径250nmの銅担持無機粒子であり、ケスモンNS−20Cは、平均粒径3.0μmの銅担持無機粒子である。
表1の結果から、実施例の組成物は、粒子の分散性に優れ、且つ、抗菌性及び消臭性に優れていることが確認された。
また、実施例1〜31の結果から、成分Aの含有量が、上記組成物中に含まれる全無機粒子の合計含有量に対して40〜160質量%である場合、組成物は、粒子の分散性により優れ、且つ、抗菌性及び消臭性により優れていることが確認された。
また、実施例1と実施例2との対比から、組成物が水を含む場合、抗菌性がより優れることが確認された。
また、実施例16と実施例17との対比、及び実施例27と実施例28との対比から、銅担持無機粒子の平均粒径が、0.05〜0.40μmである場合、組成物は、粒子の分散性により優れることが確認された。

Claims (17)

  1. 無機粒子と、
    ノニオン系界面活性剤及びノニオン系分散剤からなる群から選ばれる1種以上の成分Aと、
    包接化合物、ポリフェノール系化合物、アニオン系界面活性剤、及びカチオン系界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の成分Bと、
    溶媒と、を含む組成物であり、
    前記無機粒子は、銀担持無機粒子及び銅担持無機粒子を含み、
    前記成分Aの含有量は、前記組成物中に含まれる全無機粒子の合計含有量に対して、15質量%以上である、組成物。
  2. 前記銀担持無機粒子が、銀担持ガラスである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記銅担持無機粒子が、銅担持ガラスである、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記銀担持無機粒子の平均粒径が、0.05μm以上1.0μm未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記銅担持無機粒子の平均粒径が、0.05〜15μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記銅担持無機粒子の平均粒径が、0.05〜0.40μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記銅担持無機粒子の含有量が、前記組成物の全質量に対して、0.01〜1.0質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 更に、バインダー前駆体及びバインダーからなる群から選択される成分Cを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記バインダー前駆体が、親水性バインダー前駆体であり、前記バインダーが、親水性バインダーである、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記成分Cが、シリケート系化合物、親水性基を有するモノマー、及び、親水性基を有するポリマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項8に記載の組成物。
  11. 前記溶媒が、水を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載の組成物を用いて形成される膜。
  13. 基材と、請求項12に記載の膜と、を有する、膜付き基材。
  14. 前記バインダー前駆体を含む請求項8〜11のいずれか1項に記載の組成物を基材の表面に塗布して、組成物層を形成する工程と、
    前記組成物層を硬化させて、膜を得る工程と、を含む、膜付き基材の製造方法。
  15. 前記バインダーを含む請求項8〜11のいずれか1項に記載の組成物を、基材の表面に塗布して、膜を形成する工程を含む、膜付き基材の製造方法。
  16. スプレー容器と、前記スプレー容器に収納された請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物と、を有するスプレー。
  17. 基布と、前記基布に含浸させた請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物と、を有する、ウェットワイパー。
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