JP2021510451A - リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有する非水系電解質組成物 - Google Patents

リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有する非水系電解質組成物 Download PDF

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Abstract

含フッ素非環状カルボン酸エステルと、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSIとも呼ばれる)と、少なくとも1種の電解質塩とを含有する電解質組成物が開示される。電解質組成物は、リチウムイオン電池などの電気化学セルに有用である。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSIとも呼ばれる)を含有する電解質組成物に関する。電解質組成物は、リチウムイオン電池などの電気化学セルに有用である。
アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はこれらの金属を含む化合物から製造された電極を含有する電池(例えば、リチウムイオン電池)は、典型的には、電解質塩と、添加剤と、電池において使用される電解質のための非水系溶媒とを包含する。添加剤は、電池の性能及び安全性を高めることができ、そのため適切な溶媒が、電解質塩だけでなく添加剤も溶解させる必要がある。溶媒は、活性電池系において一般的な条件下で安定である必要もある。
リチウムイオン電池において使用される電解質溶媒は、典型的には、有機カーボネート化合物又は混合物を含んでおり、且つ典型的には、例えば、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、若しくはジエチルカーボネートなどの1種以上の直鎖カーボネート、又は環状カーボネートを含む。しかしながら、約4.35Vを超えるカソード電位においてこれらの電解質溶媒は分解する可能性があり、これは電池性能の損失をもたらし得る。
溶媒を変更することにより、及び/又は電解質配合物に添加物を添加することにより、一般に使用される非水系電解質溶媒の制限を克服するために様々なアプローチが研究されてきた。
特許出願である米国特許出願公開第2017/0187068号明細書には、リチウムビス(フルオロスルホニル)アミドと、主鎖のアルファ位に水素、ベータ位にフッ素を有する、対応するカルボン酸から得られる特定の含フッ素鎖カルボン酸エステルとを含む二次電池用の非水系電解液が開示されている。
国際公開第2015/073419号パンフレットには、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドと、非対称ホウ酸塩、非対称リン酸塩、及びそれらの混合物とを含む二次電池に有用な電解液が開示されている。
中国特許出願公開第106025307A号明細書には、有機溶媒とリチウム塩LiFSI及びLiClOの混合物とを含むリチウムイオン電池用の電解質が開示されている。
しかしながら、リチウムイオン電池において使用された場合に、低温及び高温での高いサイクル性能、高温での貯蔵性能、並びに低温での出力を示すことができる、添加剤と溶媒とが組み合わされた配合物が依然として必要とされている。
本明細書では、
− 含フッ素溶媒、
− リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;及び
− 少なくとも1種の電解質塩;
を含有する電解質組成物が開示される。
より具体的には、本発明は、第1の態様において、
− 含フッ素溶媒、
− リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;及び
− 少なくとも1種の電解質塩;
を含有する電解質組成物であって、
含フッ素溶媒が、式:
−COO−R
により表される非環状カルボン酸エステルであり、
式中、
i)Rはアルキル基であり;
ii)Rはフルオロアルキル基であり;
iii)RとRは、一組として、少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含む;
電解質組成物に関する。
別の態様では、
(a)ハウジングと;
(b)ハウジング内互いにイオン導電接触して配置されているアノード及びカソードと;
(c)
− 上で定義した含フッ素溶媒、
− リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;及び
− 少なくとも1種の電解質塩
を含有する電解質組成物と;
を含む電気化学セルが開示される。
別の態様では、上で定義した電気化学セルを含む電子デバイス、輸送デバイス、又は電気通信デバイスが開示される。
別の態様では、上で定義した電解質組成物の形成方法が提供され、前記方法は、a)上で定義した含フッ素溶媒;b)リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、及びc)少なくとも1種の電解質塩;を混合して電解質組成物を形成することを含む。
最後に、別の態様では、リチウムイオン電池の低温及び高温でのサイクル性能、並びに/又は高温での貯蔵性能を改善するための、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの使用が提供される。
実施例によるセルの高温(45℃)でのサイクル試験の結果を示す。 実施例によるセルの貯蔵性能試験の結果(膨張)を示す。 実施例によるセルの貯蔵性能試験の結果(回復容量)を示す。
上に及び本開示の全体にわたって使用される以下の用語は、別記しない限り、以下の通り定義されるものとする。
本明細書で使用される用語「電解質組成物」は、最低でも、電解質塩のための溶媒と電解質塩とを含む化学組成物であって、電気化学セルで電解質を供給することができる組成物を意味する。電解質組成物は、他の成分、例えば、安全性、信頼性及び/又は効率における電池の性能を強化する添加剤を含むことができる。
本明細書で使用される用語「電解質塩」は、電解質組成物の溶媒に少なくとも部分的に可溶性であり、且つ電解質組成物の溶媒中で少なくとも部分的にイオンへと解離して導電性電解質組成物を形成するイオン塩を意味する。
本明細書で定義される「電解質溶媒」は、電解質組成物のための溶媒又は溶媒の混合物である。
用語「アノード」は、そこで酸化が起こる、電気化学セルの電極を意味する。二次(すなわち再充電可能)電池では、アノードは、そこで放電中に酸化が起こり、充電中に還元が起こる電極である。
用語「カソード」は、そこで還元が起こる、電気化学セルの電極を意味する。二次(すなわち再充電可能)電池では、カソードは、そこで放電中に還元が起こり、充電中に酸化が起こる電極である。
「リチウムイオン電池」という用語は、リチウムイオンが放電中にアノードからカソードに、充電中にカソードからアノードに移動する再充電可能な電池のタイプを指す。
リチウムとリチウムイオンとの間の平衡電位は、約1モル/リットルのリチウムイオン濃度を与えるのに十分な濃度でリチウム塩を含有する非水電解質と接触しているリチウム金属を使用する参照電極の電位であり、参照電極の電位がその平衡値(Li/Li)から有意に変化しないよう十分に小さい電流が流される。そのようなLi/Li参照電極の電位は、ここでは0.0Vの値が割り当てられる。アノード又はカソードの電位は、アノード又はカソードと、Li/Li参照電極のそれとの間の電位差を意味する。ここで電圧とは、セルのカソードとアノードとの間の電圧差を意味し、そのいずれの電極も0.0Vの電位で作動できない。
「エネルギー貯蔵デバイス」は、電池又はコンデンサーなどの、必要に応じて電気エネルギーを供給するように設計されている装置である。本明細書で想定されるエネルギー貯蔵デバイスは、少なくとも部分的に電気化学的供給源からエネルギーを提供する。
本明細書で使用される用語「SEI」は、電極の活物質上に形成される固体電解質界面層を意味する。リチウムイオン二次電気化学セルは、充電されていない状態で組み立てられ、使用のために充電される必要がある(形成と呼ばれるプロセス)。リチウムイオン二次電気化学セルの最初の数回の充電事象(電池形成)中に、電解質の成分は、負極活物質の表面で還元されるか、そうでない場合は分解されるか又は組み込まれ、正極活物質の表面で酸化されるか、そうでない場合は分解されるか又は組み込まれ、活物質上に固体電解質界面を電気化学的に形成する。電気絶縁性であるがイオン伝導性であるこれらの層は、電解質の分解の防止に役立ち、またサイクル寿命を延ばし、電池の性能を改善することができる。アノード上では、SEIは電解質の還元的分解を抑制することができ、カソード上では、SEIは電解質成分の酸化を抑制することができる。
本明細書で使用される用語「アルキル基」は、1〜20個の炭素、好ましくは1〜6個の炭素、より好ましくは1〜4個の炭素を含み、不飽和を含まない直鎖又は分岐、直鎖状又は環状の炭化水素基を意味する。直鎖アルキルラジカルの例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、及びドデシルが挙げられる。直鎖アルキル基の分岐鎖異性体の例としては、イソプロピル、iso−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、ネオヘキシル、及びイソオクチルが挙げられる。環状アルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。
本明細書で用いられる用語「フルオロアルキル基」は、少なくとも1個の水素がフッ素によって置換されているアルキル基を意味する。
本明細書で使用される用語「アルケニル基」は、2個の炭素原子間に少なくとも1つの二重結合が存在することを除いては本明細書で定義したアルキル基に関して記述されたような、直鎖又は分岐、直鎖状又は環状の基を意味する。アルケニル基の例としては、ビニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキサジエニル、及びブタジエニルが挙げられる。
本明細書で使用される用語「アルキニル基」は、2個の炭素原子間に少なくとも1つの三重結合が存在することを除いては本明細書で定義したアルキル基に関して記述されたような、直鎖又は分岐、直鎖状又は環状の基を意味する。
本明細書で用いられる用語「カーボネート」は、具体的には、炭酸のジアルキルジエステル誘導体である有機カーボネートを意味し、有機カーボネートは、一般式:ROCOORを有し、式中、R及びRは、各々独立に、少なくとも1個の炭素原子を有するアルキル基から選択され、アルキル置換基は、同じであっても異なっていてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換されていてもいなくてもよく、連結した原子によって環状構造を形成することができ、或いはアルキル基のいずれか又は両方の置換基として環状構造を含み得る。
別段の規定がない限り、全てのパーセンテージは重量パーセントであり、電解質組成物の総重量を基準とする。
本発明による電解質組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を含む。
LiFSIは、電解質組成物の総重量を基準として、0.1〜約30重量パーセントの範囲、好ましくは0.1〜約20重量パーセント、より好ましくは0.1〜約10重量パーセント、より好ましくは0.3〜約5.0重量パーセント、更に好ましくは0.5〜2.0重量パーセントの範囲で電解質組成物中に存在し得る。
LiFSIは、商業的に入手することができ、或いは当該技術分野で公知の方法によって調製することができる。
本発明による電解質組成物は電解質塩も含む。適切な電解質塩としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:
− ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、
− ジフルオロリン酸リチウム(LiPO)、
− ビス(トリフルオロメチル)テトラフルオロリン酸リチウム(LiPF(CF)、
− ビス(ペンタフルオロエチル)テトラフルオロリン酸リチウム(LiPF(C)、
− トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸リチウム(LiPF(C)、
− リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
− リチウムビス(ペルフルオロエタンスルホニル)イミド、
− リチウム(フルオロスルホニル)(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、
− テトラフルオロホウ酸リチウム、
− 過塩素酸リチウム、
− ヘキサフルオロヒ酸リチウム、
− トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、
− リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、
− ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム、
− ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム、
− Li1212−x(xは0〜8である)、及び
− フッ化リチウムとB(OCなどのアニオンレセプターとの混合物。
本明細書で使用される電解質塩は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドとは異なる。
これら又は同等の電解質塩の2種以上の混合物も使用することができる。好ましい実施形態によれば、電解質塩は、ヘキサフルオロリン酸リチウムLiPFを含む。或いは、電解質塩は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLiTFSIを含む。電解質塩は、約0.2M〜約2.0M、例えば約0.3M〜約1.7M、又は例えば約0.5M〜約1.2M、又は例えば0.5M〜約1.7Mの量で電解質組成物中に存在し得る。
本発明による電解質組成物は、1種以上の含フッ素溶媒も含有する。好ましい一実施形態によれば、含フッ素溶媒は、含フッ素非環状カルボン酸エステルから選択される。
適切な含フッ素非環状カルボン酸エステルは、式:
−COO−R
により表すことができ、
式中、
i)Rはアルキル基であり;
ii)Rはフルオロアルキル基であり;
iii)RとRは、一組として、少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含む。
一実施形態では、Rは1個の炭素原子を含む。一実施形態では、Rは2個の炭素原子を含む。
別の実施形態では、R及びRは本明細書の上で定義した通りであり、R及びRは、一組として、少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含み、少なくとも2個のフッ素原子を更に含むが、RもRもFCH−基又は−FCH−基を含まないことを条件とする。
一実施形態では、上の式におけるRの炭素原子の数は、1、3、4、又は5である。
別の実施形態では、上の式におけるRの炭素原子の数は1である。
適切な含フッ素非環状カルボン酸エステルの例としては、限定するものではないが、CH−COO−CHCFH(酢酸2,2−ジフルオロエチル、CAS番号1550−44−3)、CH−COO−CHCF(酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、CAS番号406−95−1)、CHCH−COO−CHCFH(プロピオン酸2,2−ジフルオロエチル、CAS番号1133129−90−4)、CH−COO−CHCHCFH(酢酸3,3−ジフルオロプロピル)、CHCH−COO−CHCHCFH(プロピオン酸3,3−ジフルオロプロピル)、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態によれば、含フッ素非環状カルボン酸エステルには、酢酸2,2−ジフルオロエチル(CH−COO−CHCFH)が含まれる。別の好ましい実施形態によれば、含フッ素非環状カルボン酸エステルには、プロピオン酸2,2−ジフルオロエチル(CHCH−COO−CHCFH)が含まれる。別の好ましい実施形態によれば、含フッ素非環状カルボン酸エステルには、酢酸2,2,2−トリフルオロエチル(CH−COO−CHCF)が含まれる。
より一般的には、本明細書では、含フッ素溶媒が、含フッ素非環状カルボン酸エステル、含フッ素非環状カーボネート、及び含フッ素非環状エーテルから選択される少なくとも1種の含フッ素溶媒であってもよいことが更に開示される。
含フッ素非環状カルボン酸エステルは、式:
−COO−R
により表され得、式中、
i)Rは、H、アルキル基、又はフルオロアルキル基であり;
ii)Rは、アルキル基又はフルオロアルキル基であり;
iii)R及びRのいずれか又は両方はフッ素を含み;
iv)R及びRは、一組とみなして少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含む。
ある実施形態では、RはHであり、Rはフルオロアルキル基である。ある実施形態では、Rはアルキル基であり、Rはフルオロアルキル基である。ある実施形態では、Rはフルオロアルキル基であり、Rはアルキル基である。ある実施形態では、Rはフルオロアルキル基であり、Rはフルオロアルキル基であり、R及びRは互いに同じであっても異なっていてもよい。ある実施形態では、Rは1つの炭素原子を含む。ある実施形態では、Rは2つの炭素原子を含む。
別の実施形態では、R及びRは上で定義した通りであり、R及びRは、一組とみなして少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含み、且つ更に少なくとも2つのフッ素原子を含むが、R及びRのいずれもFCH−基又はFCH−基を含まないことを条件とする。
ある実施形態では、上記式におけるR中の炭素原子の数は、1、3、4、又は5である。
別の実施形態では、上記式におけるR中の炭素原子の数は1である。
適切な含フッ素非環状カルボン酸エステルの例としては、限定するものではないが、CH−COO−CHCFH(2,2−ジフルオロエチルアセテート、CAS番号−1550−44−3)、CH−COO−CHCF(2,2,2−トリフルオロエチルアセテート、CAS番号406−95−1)、CHCH−COO−CHCFH(2,2−ジフルオロエチルプロピオネート、CAS番号1133129−90−4)、CH−COO−CHCHCFH(3,3−ジフルオロプロピルアセテート)、CHCH−COO−CHCHCFH(3,3−ジフルオロプロピルプロピオネート)、FCHCH−COO−CH、FCHCH−COO−CHCH、及びFCHCHCH−COO−CHCH(エチル4,4−ジフルオロブタノエート、CAS番号1240725−43−2)、H−COO−CHCFH(ジフルオロエチルホルメート、CAS番号1137875−58−1)、H−COO−CHCF(トリフルオロエチルホルメート、CAS番号32042−38−9)、並びにそれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態では、含フッ素非環状カルボン酸エステルは、2,2−ジフルオロエチルアセテート(CH−COO−CHCFH)を含む。別の好ましい実施形態では、含フッ素非環状カルボン酸エステルは、2,2−ジフルオロエチルプロピオネート(CHCH−COO−CHCFH)を含む。別の好ましい実施形態では、含フッ素非環状カルボン酸エステルは、2,2,2−トリフルオロエチルアセテート(CH−COO−CHCF)を含む。別の好ましい実施形態では、含フッ素非環状カルボン酸エステルは、2,2−ジフルオロエチルホルメート(H−COO−CHCFH)を含む。
好適な含フッ素非環状カーボネートは、式:
−OCOO−R
により表され、式中、
i)Rはフルオロアルキル基であり;
ii)Rはアルキル基又はフルオロアルキル基であり;
iii)R及びRは、一組とみなして少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含む。
ある実施形態では、Rはフルオロアルキル基であり、Rはアルキル基である。ある実施形態では、Rがフルオロアルキル基且つRがフルオロアルキル基であり、R及びRは互いに同じであっても異なっていてもよい。ある実施形態では、Rは1つの炭素原子を含む。ある実施形態では、Rは2つの炭素原子を含む。
別の実施形態では、R及びRは上で定義した通りであり、R及びRは、一組とみなして少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含み、且つ更に少なくとも2つのフッ素原子を含むが、RとRのいずれもFCH−基又はFCH−基を含まないことを条件とする。
好適な含フッ素非環状カーボネートの例としては、限定するものではないが、CH−OC(O)O−CHCFH(メチル2,2−ジフルオロエチルカーボネート、CAS番号916678−13−2)、CH−OC(O)O−CHCF
(メチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート、CAS番号156783−95−8)、CH−OC(O)O−CHCFCFH(メチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルカーボネート、CAS番号156783−98−1)、HCFCH−OCOO−CHCH(エチル2,2−ジフルオロエチルカーボネート、CAS番号916678−14−3)、及びCFCH−OCOO−CHCH(エチル2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート、CAS番号156783−96−9)が挙げられる。
好適な含フッ素非環状エーテルは、式
−O−R
によって表され、式中、
i)Rはフルオロアルキル基であり;
ii)Rはアルキル基又はフルオロアルキル基であり;
iii)R及びRは、一組とみなして少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含む。
ある実施形態では、Rはフルオロアルキル基であり、Rはアルキル基である。ある実施形態では、Rはフルオロアルキル基であり、Rはフルオロアルキル基であり、R及びRは互いに同じであっても異なっていてもよい。ある実施形態では、Rは1つの炭素原子を含む。ある実施形態では、Rは2つの炭素原子を含む。
別の実施形態では、R及びRは上で定義した通りであり、R及びRは、一組とみなして少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含み、且つ更に少なくとも2つのフッ素原子を含むが、RとRのいずれもFCH−基又はFCH−基を含まないことを条件とする。
適切な含フッ素非環状エーテルの例としては、限定されないが、HCFCFCH−O−CFCFH(CAS番号16627−68−2)及びHCFCH−O−CFCFH(CAS番号50807−77−7)が挙げられる。
含フッ素溶媒は、含フッ素非環状カルボン酸エステル、含フッ素非環状カーボネート、含フッ素非環状エーテル、又はこれらの混合物を含み得る。本明細書で使用される用語「それらの混合物」は、例えば2種以上の含フッ素非環状カルボン酸エステルの混合物、及び例えば含フッ素非環状カルボン酸エステルと含フッ素非環状カーボネートとの混合物などの、溶媒の分類の中での混合物と溶媒の分類間の混合物の両方を包含する。非限定的な例としては、2,2−ジフルオロエチルアセテートと2,2−ジフルオロエチルプロピオネートとの混合物;及び2,2−ジフルオロエチルアセテートと2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネートとの混合物が挙げられる。
ある実施形態では、含フッ素溶媒は、
a)式:R−COO−Rにより表される含フッ素非環状カルボン酸エステル;
b)式:R−OCOO−Rにより表される含フッ素非環状カーボネート;
c)式:R−O−Rにより表される含フッ素非環状エーテル;
又はこれらの混合物であり、式中、
i)Rは、H、アルキル基、又はフルオロアルキル基であり;
ii)R及びRは、それぞれ独立にフルオロアルキル基であり、これらは互いに同じであっても異なっていてもよく;
iii)R、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基又はフルオロアルキル基であり、これらは互いに同じであっても異なっていてもよく;
iv)R及びRのうちのいずれか又は両方はフッ素を含み;
v)R及びR、R及びR、並びにR及びRは、それぞれ一組とみなして少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含む。
好ましくは、R、R、R、R、R、又はRのいずれも、FCH−基又は−FCH−基を含まない。
別の実施形態では、上の式におけるR及びRはフッ素を含まず、R及びRはフッ素を含む。
本明細書に開示の電解質組成物において、含フッ素溶媒又はその混合物は、電解質組成物の望まれる特性に応じて様々な量で使用することができる。含フッ素溶媒は、電解質組成物の約5重量%〜約95重量%、好ましくは約10重量%〜約80重量%、より好ましくは約20重量%〜約75重量%、より好ましくは約30重量%〜約70重量%、更に好ましくは約50重量%〜約70重量%を占めていてもよい。別の実施形態では、含フッ素溶媒は電解質組成物の約45重量%〜約65重量%を構成する。別の実施形態では、含フッ素溶媒は電解質組成物の約6重量%〜約30重量%を構成する。別の実施形態では、含フッ素溶媒は電解質組成物の約60重量%〜約65重量%を構成する。別の実施形態では、含フッ素溶媒は電解質組成物の約20重量%〜約45重量%を構成する。
本明細書で使用するために適した含フッ素非環状カルボン酸エステル、含フッ素非環状カーボネート、及び含フッ素非環状エーテルは、公知の方法を使用して調製することができる。例えば、塩化アセチルを(塩基性触媒あり又はなしで)2,2−ジフルオロエタノールと反応させて、2,2−ジフルオロエチルアセテートを形成することができる。更に、2,2−ジフルオロエチルアセテート及び2,2−ジフルオロエチルプロピオネートは、Wiesenhoferらによって記載された方法を使用して調製することができる(国際公開第2009/040367A1号パンフレット、実施例5)。或いは、2,2−ジフルオロエチルアセテートは、本明細書の以降の実施例に記載の方法を用いて調製することができる。他の含フッ素非環状カルボン酸エステルは、異なる出発カルボキシレート塩を使用して同じ方法を使用して調製されてもよい。同様に、クロロギ酸メチルを2,2−ジフルオロエタノールと反応させてメチル2,2−ジフルオロエチルカーボネートを形成することができる。HCFCFCH−O−CFCFHの合成は、塩基(例えばNaH等)の存在下で2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールをテトラフルオロエチレンと反応させることによって行うことができる。同様に、2,2−ジフルオロエタノールとテトラフルオロエチレンとの反応により、HCFCH−O−CFCFHが得られる。或いは、これらの含フッ素溶媒のいくつかは、Matrix Scientific(Columbia SC)などの企業から購入することができる。最善の結果を得るためには、含フッ素非環状カルボン酸エステル及び含フッ素非環状カーボネートを、少なくとも約99.9%、より具体的には少なくとも約99.99%の純度レベルまで精製することが望ましい。これらの含フッ素溶媒は、真空蒸留又は回転バンド蒸留などの蒸留方法を使用して精製することができる。
電解質組成物は、フッ素化されていてもいなくてもよく、直鎖であっても環状であってもよい1種以上の有機カーボネートを更に含んでもよい。適切な有機カーボネートとしては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとしても知られているフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロエチレンカーボネートの全ての異性体;1,3−ジオキサラン−2−オンとしても知られているエチレンカーボネート;エチルメチルカーボネート;4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含むジフルオロエチレンカーボネートの全ての異性体;4,5−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン;4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン;4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン;4,4,5−トリフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン;テトラフルオロエチレンカーボネート;ジメチルカーボネート;ジエチルカーボネート;プロピレンカーボネート;ビニレンカーボネート;ジ−tert−ブチルカーボネート;2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメチルカーボネート;ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート;ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート;2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート;ビス(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート;2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート;ジプロピルカーボネート;メチルプロピルカーボネート;エチルプロピルビニレンカーボネート;メチルブチルカーボネート;エチルブチルカーボネート;プロピルブチルカーボネート;ジブチルカーボネート;ビニルエチレンカーボネート;ジメチルビニレンカーボネート;2,3,3−トリフルオロアリルメチルカーボネート;又はこれらの混合物が挙げられる。電池グレードであるか、少なくとも約99.9%、例えば少なくとも約99.99%の純度レベルを有するカーボネートを使用することが望ましい。有機カーボネートは市販されており、或いは当該技術分野において公知の方法によって調製することができる。
いくつかの実施形態では、電解質組成物は環状カーボネートを更に含む。ある実施形態では、環状カーボネートはフルオロエチレンカーボネートを含む。ある実施形態では、環状カーボネートはエチレンカーボネートを含む。ある実施形態では、環状カーボネートはプロピレンカーボネートを含む。ある実施形態では、環状カーボネートはフルオロエチレンカーボネート及びエチレンカーボネートを含む。ある実施形態では、環状カーボネートはフルオロエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートを含む。
1種以上の有機カーボネートは、電解質組成物の望まれる特性に応じて様々な量で使用することができる。1種以上の有機カーボネートは、電解質組成物の約0.5重量%〜約95重量%、好ましくは約5重量%〜約95重量%、より好ましくは約10重量%〜約80重量%、より好ましくは約20重量%〜約40重量%、更に好ましくは約25重量%〜約35重量%の範囲で電解質組成物中に存在し得る。別の実施形態では、有機カーボネートは、電解質組成物の約0.5重量%〜約10重量%、又は約1重量%〜約10重量%、又は約5重量%〜約10重量%を占める。重量パーセントは全て電解質組成物の総重量基準である。
任意選択的には、本明細書に記載の電解質組成物は、リチウムホウ素化合物、環状スルトン、環状硫酸塩、環状カルボン酸無水物、又はそれらの組み合わせなどの添加剤を更に含有していてもよい。
いくつかの実施形態では、電解質組成物は、リチウムホウ素化合物を更に含有する。適切なリチウムホウ素化合物としては、リチウムテラフルオロボレート(lithium terafluoroborate)、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート、他のリチウムホウ素塩、Li1212−x(xは0〜8である)、フッ化リチウムとB(OCなどのアニオンレセプターとの混合物、又はそれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態によれば、本発明の電解質組成物は、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート、リチウムテトラフルオロボレート、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種のリチウムボレート塩、好ましくはリチウムビス(オキサラト)ボレートを追加的に含有する。リチウムボレート化合物は、電解質組成物の総重量を基準として、0.1〜約10重量%の範囲、例えば0.1〜約5.0重量%、又は0.3〜約4.0重量%、又は0.5〜2.0重量%の範囲で電解質組成物中に存在し得る。リチウムホウ素化合物は商業的に入手することができ、或いは当該技術分野において公知の方法によって調製することができる。
いくつかの実施形態では、電解質組成物は環状スルトンを更に含有する。好適なスルトンとしては、式:
Figure 2021510451
により表されるものが挙げられ、式中の各Aは、独立して水素、フッ素、又は任意選択的にフッ素化されていてもよいアルキル、ビニル、アリル、アセチレン、又はプロパルギル基である。ビニル(HC=CH−)、アリル(HC=CH−CH−)、アセチレン(HC≡C−)、又はプロパルギル(HC≡C−CH−)基は、それぞれ無置換であってもよく、或いは部分的に又は完全にフッ素化されていてもよい。それぞれのAは、他のA基の1つ以上と同一であっても異なっていてもよく、A基のうちの2つ又は3つが一緒に環を形成していてもよい。2種以上のスルトンの混合物も使用することができる。適切なスルトンとしては、1,3−プロパンスルトン、3−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、4−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、5−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、及び1,8−ナフタレンスルトンが挙げられる。好ましい実施形態によれば、スルトンには、1,3−プロパンスルトン又は3−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、好ましくは1,3−プロパンスルトンが含まれる。
ある実施形態では、スルトンは、全電解質組成物の約0.01〜約10重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%、又は約0.5重量%〜約3重量%、又は約1重量%〜約3重量%、又は約1.5重量%〜約2.5重量%、又は約2重量%で存在する。
いくつかの実施形態では、電解質組成物は、式:
Figure 2021510451
により表される環状硫酸エステルを更に含有し、式中、各Bは、独立に水素又は任意選択的にフッ素化されていてもよいビニル、アリル、アセチレン、プロパルギル、又はC〜Cアルキル基である。ビニル(HC=CH−)、アリル(HC=CH−CH−)、アセチレン(HC≡C−)、プロパルギル(HC≡C−CH−)、又はC〜Cアルキル基は、それぞれ無置換であってもよく、或いは部分的に又は完全にフッ素化されていてもよい。2種以上の環状硫酸エステルの混合物も使用することができる。好適な環状硫酸エステルとしては、硫酸エチレン(1,3,2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド)、1,3,2−ジオキサチオラン−4−エチニル−2,2−ジオキシド、1,3,2−ジオキサチオラン−4−エテニル−2,2−ジオキシド、1,3,2−ジオキサチオラン−4,5−ジエテニル−2,2−ジオキシド、1,3,2−ジオキサチオラン−4−メチル−2,2−ジオキシド、及び1,3,2−ジオキサチオラン−4,5−ジメチル−2,2−ジオキシドが挙げられる。好ましい実施形態では、環状硫酸エステルは硫酸エチレンである。
ある実施形態では、環状硫酸エステルは、全電解質組成物の約0.1重量%〜約12重量%、又は約0.5重量%から約10重量%未満、約0.5重量%から約5重量%未満、又は約0.5重量%〜約3重量%、又は約0.5重量%〜約2重量%、又は約2重量%〜約3重量%で存在する。ある実施形態では、環状硫酸エステルは、全電解質組成物の約1重量%〜約3重量%、又は約1.5重量%〜約2.5重量%、又は約2重量%で存在する。
いくつかの実施形態では、電解質組成物は環状カルボン酸無水物を更に含有する。好適な環状カルボン酸無水物としては、式(IV)〜式(XI):
Figure 2021510451
により表される化合物からなる群から選択されるものが挙げられ、式中、R〜R14は、それぞれ独立して、H、F、任意選択的にF、アルコキシ、及び/又はチオアルキル置換基で置換されていてもよい直鎖又は分岐のC〜C10アルキルラジカル、直鎖又は分岐のC〜C10アルケンラジカル、又はC〜C10アリールラジカルである。アルコキシ置換基は、1個〜10個の炭素を有していてもよく、また直鎖であっても分岐であってもよい。アルコキシ置換基の例としては、−OCH、−OCHCH、及びOCHCHCHが挙げられる。チオアルキル置換基は、1個〜10個の炭素を有していてもよく、また直鎖であっても分岐であってもよい。チオアルキル置換基の例としては、−SCH、−SCHCH、及びSCHCHCHが挙げられる。適切な環状カルボン酸無水物の例としては、マレイン酸無水物;コハク酸無水物;グルタル酸無水物;2,3−ジメチルマレイン酸無水物;シトラコン酸無水物;1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物;2,3−ジフェニルマレイン酸無水物;3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物;2,3−ジヒドロ−1,4−ジチイオノ(dithiiono)−[2,3−c]フラン−5,7−ジオン;及びフェニルマレイン酸無水物が挙げられる。これらの環状カルボン酸無水物の2種以上の混合物も使用することができる。好ましい実施形態では、環状カルボン酸無水物は、マレイン酸無水物を含む。ある実施形態では、環状カルボン酸無水物は、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、又はそれらの混合物を含む。環状カルボン酸無水物は、Sigma−Aldrich,Inc.(Milwaukee,WI)などの特殊化学品会社から入手することができ、或いは当該技術において公知の方法を使用して調製することができる。少なくとも約99.0%、例えば、少なくとも約99.9%の純度レベルまで環状カルボン酸無水物を精製することが望ましい。精製は、当該技術において公知の方法を使用して行うことができる。
いくつかの実施形態では、電解質組成物は、電解質組成物の総重量を基準として、約0.1重量%〜約5重量%の環状カルボン酸無水物を含有する。
任意選択的に、本発明による電解質組成物は、特にリチウムイオン電池で使用するための従来の電解質組成物において有用である、当業者に公知の添加剤を更に含んでいてもよい。例えば、本明細書に開示の電解質組成物は、リチウムイオン電池の充電及び放電中に発生するガスの量を低減するために有用であるガス低減添加剤も含み得る。ガス低減添加剤は、いずれの有効量でも使用されることが可能であるが、電解質組成物の約0.05重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、より好ましくは電解質組成物の約0.5重量%〜約2重量%を構成するように含まれていてもよい。
従来知られている適切なガス低減添加剤は、例えば:フルオロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、又はハロアルキルベンゼンなどのハロベンゼン;1,3−プロパンスルトン;コハク酸無水物;エチニルスルホニルベンゼン;2−スルホ安息香酸環状無水物;ジビニルスルホン;リン酸トリフェニル(TPP);リン酸ジフェニルモノブチル(DMP);γ−ブチロラクトン;2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン;1,2−ナフトキノン;2,3−ジブロモ−1,4−ナフトキノン;3−ブロモ−1,2−ナフトキノン;2−アセチルフラン;2−アセチル−5−メチルフラン;2−メチルイミダゾール1−(フェニルスルホニル)ピロール;2,3−ベンゾフラン;2,4,6−トリフルオロ−2−フェノキシ−4,6−ジプロポキシ−シクロトリホスファゼン及び2,4,6−トリフルオロ−2−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)−6−エトキシ−シクロトリホスファゼンなどのフルオロ−シクロトリホスファゼン;ベンゾトリアゾール;ペルフルオロエチレンカーボネート;アニソール;ジエチルホスホネート;2−トリフルオロメチルジオキソラン及び2,2−ビストリフルオロメチル−1,3−ジオキソランなどのフルオロアルキル置換ジオキソラン;トリメチレンボレート;ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4,5,5−トリメチル−2(3H)−フラノン;ジヒドロ−2−メトキシ−5,5−ジメチル−3(2H)−フラノン;ジヒドロ−5,5−ジメチル−2,3−フランジオン;プロペンスルトン;ジグリコール酸無水物;シュウ酸ジ−2−プロピニル;4−ヒドロキシ−3−ペンテン酸γ−ラクトン;CFCOOCHC(CH)(CHOCOCF;CFCOOCHCFCFCFCFCHOCOCF;α−メチレン−γ−ブチロラクトン;3−メチル−2(5H)−フラノン;5,6−ジヒドロ−2−ピラノン;ジエチレングリコール,ジアセテート;トリエチレングリコールジメタクリレート;トリグリコールジアセテート;1,2−エタンジスルホン酸無水物;1,3−プロパンジスルホン酸無水物;2,2,7,7−テトラオキシド1,2,7−オキサジチエパン;3−メチル−2,2,5,5−テトラオキシド1,2,5−オキサジチオラン;ヘキサメトキシシクロトリホスファゼン;4,5−ジメチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン;2−エトキシ−2,4,4,6,6−ペンタフルオロ−2,2,4,4,6,6−ヘキサヒドロ−1,3,5,2,4,6−トリアザトリホスホリン;2,2,4,4,6−ペンタフルオロ−2,2,4,4,6,6−ヘキサヒドロ−6−メトキシ−1,3,5,2,4,6−トリアザトリホスホリン;4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン;1,4−ビス(エテニルスルホニル)−ブタン;ビス(ビニルスルホニル)−メタン;1,3−ビス(エテニルスルホニル)−プロパン;1,2−ビス(エテニルスルホニル)−エタン;エチレンカーボネート;ジエチルカーボネート;ジメチルカーボネート;エチルメチルカーボネート;及び1,1’−[オキシビス(メチレンスルホニル)]ビス−エテンである。
使用可能な他の適切な添加剤は、シラン、シラザン(Si−NH−Si)、エポキシド、アミン、(2個の炭素を含む)アジリジン、炭酸リチウムオキサレートの塩、B、ZnO、及び含フッ素無機塩などのHF捕捉剤である。
別の実施形態では、本明細書においては、ハウジングと、ハウジング内に配置され、互いにイオン伝導接触しているアノード及びカソードと、アノードとカソードとの間にイオン導電経路を付与する本明細書で上述した電解質組成物と、アノードとカソードとの間の多孔質セパレータ又は微孔質セパレータと、を含む電気化学セルが提供される。好ましい実施形態では、電気化学セルはリチウムイオン電池である。
ハウジングは、電気化学セル構成要素を収納するための任意の好適な容器であってもよい。ハウジング材料は当該技術分野でよく知られており、例えば、金属及びポリマーハウジングを含むことができる。ハウジングの形状は特に重要ではないが、好適なハウジングは、小さい又は大きい円筒、プリズムケース又はパウチの形状に製造することができる。アノード及びカソードは、電気化学セルのタイプに応じて任意の適した導電性材料からなってもよい。アノード材料の適した例には、限定されないが、リチウム金属、リチウム金属合金、リチウムチタネート、アルミニウム、白金、パラジウム、黒鉛、遷移金属酸化物、及びリチウム化酸化スズが含まれる。カソード材料の適した例には、限定されないが、黒鉛、アルミニウム、白金、パラジウムの他、リチウム又はナトリウム、インジウムスズ酸化物を含む電気活性遷移金属酸化物、及び例えばポリピロール及びポリビニルフェロセンなどの導電性ポリマーが含まれる。
多孔質セパレータは、アノードとカソードとの間の短絡を防ぐのに役立つ。多孔質セパレータは、典型的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、又はそれらの組み合わせなどの微孔性ポリマーの単層又は多層シートからなる。多孔質セパレータの孔径は、イオンの輸送がアノードとカソードとの間のイオン伝導的接触を提供できるように十分大きいが、直接、或いは粒子貫入又はアノード及びカソード上に形成し得るデンドライトからのアノード及びカソードの接触を防ぐように十分小さい。本明細書での使用のために適切な多孔性セパレータの例は、米国特許出願第12/963,927号明細書(2010年12月9日出願、米国特許出願公開第2012/0149852号明細書、現在米国特許第8,518,525号明細書)に開示されている。
アノード又はカソードとして機能することができる多くの異なるタイプの材料が知られている。いくつかの実施形態では、カソードとしては、例えばLiCoO、LiNiO、LiMn、LiCo0.2Ni0.2、LiV、LiNi0.5Mn1.5;LiFePO、LiMnPO、LiCoPO、及びLiVPOFなどのリチウム及び遷移金属を含有するカソード電気活物質を挙げることができる。他の実施形態では、カソード活物質には、例えば、
LiCoG(0.90≦a≦1.8及び0.001≦b≦0.1である);
LiNiMnCo2−f(0.8≦a≦1.2、0.1≦b≦0.9、0.0≦c≦0.7、0.05≦d≦0.4、0≦e≦0.2であり、b+c+d+eの合計は約1であり、0≦f≦0.08である);
Li1−b,R(0.90≦a≦1.8及び0≦b≦0.5である);
Li1−b2−c(0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、及び0≦c≦0.05である);
LiNi1−b−cCo2−d(0.9≦a≦1.8、0≦b≦0.4、0≦c≦0.05、及び0≦d≦0.05である);
Li1+zNi1−x−yCoAl(0<x<0.3、0<y<0.1、及び0<z<0.06である)
が含まれ得る。
上の化学式中、Aは、Ni、Co、Mn、又はそれらの組み合わせであり;Dは、O、F、S、P、又はそれらの組み合わせであり;Eは、Co、Mn、又はそれらの組み合わせであり;Gは、Al、Cr、Mn、Fe、Mg、La、Ce、Sr、V、又はそれらの組み合わせであり;Rは、Al、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、Zr、Ti、希土類元素、又はそれらの組み合わせであり;Zは、F、S、P、又はそれらの組み合わせである。好適なカソードとしては、米国特許第5,962,166号明細書;同第6,680,145号明細書;同第6,964,828号明細書;同第7,026,070号明細書;同第7,078,128号明細書;同第7,303,840号明細書;同第7,381,496号明細書;同第7,468,223号明細書;同第7,541,114号明細書;同第7,718,319号明細書;同第7,981,544号明細書;同第8,389,160号明細書;同第8,394,534号明細書;及び同第8,535,832号明細書、並びにこれらの中の参照文献の中に開示されているものが挙げられ得る。「希土類元素」とは、La〜Luのランタニド元素、並びにY及びScを意味する。
別の実施形態では、カソード材料はNMCカソード;すなわちLiNiMnCoOカソード、より詳しくは、
− Ni:Mn:Coの原子比が1:1:1であるカソード(LiNi1−b−cCo2−d、式中、0.98≦a≦1.05、0≦d≦0.05、b=0.333、c=0.333であり、RがMnを含む);又は
− Ni:Mn:Coの原子比が5:3:2であるカソード(LiNi1−b−cCo2−d、式中、0.98≦a≦1.05、0≦d≦0.05、c=0.3、b=0.2であり、RがMnを含む)である。
別の実施形態では、カソードは、式LiMn(式中、Jは、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Cu、V、Ti、Zr、Mo、B、Al、Ga、Si、Li、Mg、Ca、Sr、Zn、Sn、希土類元素又はそれらの組み合わせであり;Zは、F、S、P又はその組み合わせであり;且つ0.9≦a≦1.2、1.3≦b≦2.2、0≦c≦0.7、0≦d≦0.4である)の材料を含む。
別の実施形態では、本明細書に開示の電気化学セル又はリチウムイオン電池中のカソードは、Li/Li参照電極に対して4.6Vより高い電位範囲において30mAh/gより大きい容量を示すカソード活物質を含む。そのようなカソードの一例は、カソード活物質としてのスピネル構造を有するリチウム含有マンガン複合酸化物を含む安定化マンガンカソードである。本明細書での使用に適したカソード中のリチウム含有マンガン複合酸化物は、式LiNiMn2−y−z4−dの酸化物を含み、xは0.03〜1.0であり;xは充放電中のリチウムイオン及び電子の放出及び取り込みに従って変化し;yは0.3〜0.6であり;MはCr、Fe、Co、Li、Al、Ga、Nb、Mo、Ti、Zr、Mg、Zn、V、及びCuのうちの1つ以上を含み;zは0.01〜0.18であり;dは0〜0.3である。上の式のある実施形態では、yは0.38〜0.48であり、zは0.03〜0.12であり、dは0〜0.1である。上の式のある実施形態では、Mは、Li、Cr、Fe、Co、及びGaのうちの1つ以上である。安定化されたマンガンカソードは米国特許第7,303,840号明細書に記載されているように、マンガン含有スピネル成分とリチウムを豊富に含む層状構造とを含むスピネル層状複合材料も含み得る。
別の実施形態では、カソードは、次式の構造:
x(Li2−w1−vw+v3−e)・(1−x)(LiMn2−z4−d
により表される複合材料を含み、
式中、
xは約0.005〜約0.1であり;
AはMn又はTiのうちの1つ以上を含み;
QはAl、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Mg、Nb、Ni、Ti、V、Zn、Zr又はYのうちの1つ以上を含み;
eは0〜約0.3であり;
vは0〜約0.5であり;
wは0〜約0.6であり;
MはAl、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Li、Mg、Mn、Nb、Ni、Si、Ti、V、Zn、Zr、又はYのうちの1つ以上を含み;
dは0〜約0.5であり;
yは0〜約1であり;
zは約0.3〜約1であり;
LiMn2−z4−d成分はスピネル構造を有し、Li2−ww+v1−v3−e成分は層状構造を有する。
上の式において、xは好ましくは約0〜約0.1であってもよい。
別の実施形態では、本明細書に開示のリチウムイオン電池の中のカソードは、
Li1−xDO4−f
を含み、式中、
AはFe、Mn、Ni、Co、V、又はそれらの組み合わせであり;
RはAl、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、Zr、Ti、希土類元素、又はそれらの組み合わせであり;
DはP、S、Si、又はそれらの組み合わせであり;
ZはF、Cl、S、又はそれらの組み合わせであり;
0.8≦a≦2.2であり;
0≦x≦0.3であり;
0≦f≦0.1である。
別の実施形態では、本明細書に開示のリチウムイオン電池又は電気化学セル中のカソードは、Li/Li参照電極に対して約4.1V以上、又は4.35V以上、又は4.5V超、又は4.6V以上の電位まで充電されるカソード活物質を含む。他の例は、4.5Vを超える上限充電電位まで充電される、米国特許第7,468,223号明細書に記載されているものなどの層状−層状大容量酸素放出カソードである。
いくつかの実施形態では、カソードは、Li/Li参照電極に対して4.6Vを超える電位範囲で30mAh/gを超える容量を示すカソード活物質、又はLi/Li参照電極に対して4.35V以上の電位まで充電されるカソード活物質を含む。
本明細書での使用に適したカソード活物質は、Liuら(J.Phys.Chem.C 13:15073−15079,2009)により記載された水酸化物前駆体法などの方法を使用して調製することができる。その方法では、水酸化物前駆体が、必要量のマンガン、ニッケル及び他の望まれる金属酢酸塩を含有する溶液からKOHの添加によって析出する。得られる析出物をオーブン乾燥し、次いで、約800〜約1000℃において、酸素中、3〜24時間、必要量のLiOH・HOと一緒に焼成する。或いは、カソード活物質は、米国特許第5,738,957号明細書(Amine)に記載されているように、固相反応法又はゾル−ゲル法を使用して調製することができる。
本明細書での使用に適した、カソード活物質を含有するカソードは、有効量のカソード活物質(例えば、約70重量%〜約97重量%)と、ポリビニリデンジフルオリドなどのポリマーバインダーと、導電性カーボンとを、N−メチルピロリドンなどの適切な溶媒中で混合してペーストを生成し、その後これをアルミニウム箔のような集電体上にコーティングし、乾燥させてカソードを形成するなどの方法により調製することができる。
本明細書に開示の電気化学セル又はリチウムイオン電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができるアノード活物質を含むアノードを更に含む。好適なアノード活物質の例としては、例えば、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−鉛合金、リチウム−ケイ素合金、リチウム−スズ合金などのリチウム合金;黒鉛及びメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)などの炭素材;黒リン、MnP及びCoPなどのリン含有材料;SnO、SnO及びTiOなどの金属酸化物;例えばアンチモンを含有するナノ複合材料などのアンチモン又はスズを含有するナノ複合材料、アルミニウム、チタン、又はモリブデンの酸化物、及びYoonら(Chem.21,3898−3904,2009)によって記載されているものなどのカーボン;並びにLiTi12及びLiTiなどのリチウムチタネートが挙げられる。ある実施形態では、アノード活物質は、リチウムチタネート又は黒鉛である。別の実施形態では、アノードは黒鉛である。
アノードは、例えば、フッ化ビニル系コポリマーなどのバインダーを有機溶媒又は水に溶解又は分散させた後にこれを活物質、導電性材料と混合してペーストを得る、カソードについて上述したものと同様の方法によって製造することができる。ペーストは、集電体として使用されることになる、金属箔、好ましくはアルミ箔又は銅箔上へコーティングされる。ペーストは、活物質が集電体に結合するように、好ましくは熱を用いて乾燥される。好適なアノード活物質及びアノードは、Hitachi、NEI Inc.(Somerset,NJ)、及びFarasis Energy Inc.(Hayward,CA)などの企業から商業的に入手可能である。
本明細書に開示されるような電気化学セルは、様々な用途に使用することができる。例えば、電気化学セルは、グリッド貯蔵のために、又はコンピュータ、カメラ、ラジオ、電動工具、通信機器、若しくは輸送装置(動力車、自動車、トラック、バス又は飛行機等)などの様々な電子的に駆動する又は補助される装置(「電子デバイス」)における電源として使用することができる。本開示は、本開示の電気化学セルを含む電子デバイス、輸送装置、又は通信機器にも関する。
別の実施形態では、電解質組成物の形成方法が提供される。方法は、a)本明細書の上で定義した含フッ素溶媒;b)リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;及びc)少なくとも1種の電解質塩;を混合して電解質組成物を形成することを含む。成分は、任意の適切な順序で混合することができる。混合する工程は、順々に又は同時に電解質組成物の個々の成分を添加することによって行うことができる。いくつかの実施形態では、成分a)及びb)が混合されることで第1の溶液が製造される。第1溶液が形成された後、望みの濃度の電解質塩を有する電解質組成物を製造するために、ある量の電解質塩が第1の溶液に添加される。或いは、成分a)及びc)が混合されて第1の溶液が製造され、第1の溶液の形成後にある量の少なくとも1種のシリルオキサレートが添加されて電解質組成物が製造される。典型的には、電解質組成物は、均一な混合物を形成するために成分の添加中及び/又は添加後に撹拌される。
別の実施形態では、リチウムイオン電池の低温及び高温でのサイクル性能並びに/又は高温での貯蔵性能を改善するためにリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを使用することであって、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを本明細書の上で定義した含フッ素溶媒と組み合わせて使用することが、本発明の主題である。リチウムイオン電池の低温及び高温でのサイクル性能、並びに/又は高温での貯蔵性能を改善する方法が開示され、前記方法は、含フッ素溶媒と少なくとも1種の電解質塩とを含有する電解質組成物の中にリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを配合する工程を含む。
本明細書に引用される全ての特許出願及び刊行物の開示は、これらが本明細書の記載を補完する例示的、手順的、又はその他の詳細を提供する範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。参照によって本明細書に組み込まれる特許、特許出願及び刊行物のいずれかの開示が、用語が不明確になり得る程度まで本明細書と矛盾する場合は、本明細書が優先するものとする。
各々及び全ての特許請求の範囲は、本発明の実施形態として本明細書に組み込まれている。したがって、特許請求の範囲は、更なる説明であり、また、本発明の好ましい実施形態への追加である。
本発明の好ましい実施形態が示され且つ説明されてきたが、当業者によるその変更は、本発明の趣旨又は教示から逸脱することなく行われ得る。本明細書に記載される実施形態は、単なる例示であり、限定ではない。システム及び方法の多くの変形及び変更が可能であり、それらは本発明の範囲内である。
したがって、保護の範囲は、上で説明した記載に限定されず、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は、特許請求の範囲の主題の均等物を全て含む。
本発明を以降の実施例で詳しく定義する。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、例示の目的のみで示されていることが理解されるべきである。上の説明及びこれらの実施例から、当業者は本発明の本質的な特徴を確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなしに、様々な用途及び条件に合わせて本発明に対して様々な変更及び修正を行うことができる。
使用される略語の意味は以下の通りである:「℃」は、セルシウス度を意味し;「g」はグラムを意味し、「mg」はミリグラムを意味し、「μg」はマイクログラムを意味し、「L」はリットルを意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「μL」はマイクロリットルを意味し、「mol」はモルを意味し、「mmol」はミリモルを意味し、「M」はモル濃度を意味し、「wt%」は重量パーセントを意味し、「mm」はミリメートルを意味し、「μm」はマイクロメートルを意味し、「ppm」はパーツ・パー・ミリオンを意味し、「h」は時間を意味し、「min」は分を意味し、「psig」は平方インチゲージあたりのポンドを意味し、「kPa」はキロパスカルを意味し、「A」はアンペアを意味し、「mA」はミリアンペアを意味し、「mAh/g」はグラムあたりのミリアンペア時間を意味し、「V」はボルトを意味し、「xC」は、xと、Ahで表される電池の公称容量に数値的に等しいA単位での電流との積である定電流を指し、「rpm」は回転毎分を意味し、「Ex」は実施例を意味し、「LiPF」はヘキサフルオロリン酸リチウムを意味し、「FEC」はモノフルオロエチレンカーボネートを意味し、「DFEA」は酢酸2,2−ジフルオロエチルを意味し、「LiFSI」はリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを意味し、「NMC532」はLiNi5/10Mn3/10Co2/10を意味し、「SOC」は充電状態を意味し、「DC−IR」は直流内部抵抗を意味し、電池を通って流れる電流の抵抗を指す。
電解液の調製
電解液は、アルゴンガスをパージしたドライボックスの中で、酢酸2,2−ジフルオロエチル(DFEA、Solvay)とフルオロエチレンカーボネート(FEC、Solvay)を75:25の重量比で混合することにより調製した。モレキュラーシーブ(3A)を添加し、混合物を1ppm未満の水分まで乾燥し、0.45ミクロンのPTFEシリンジフィルターを通して濾過した。
上述した88.68gの混合物を、11.32gのLiPF(Enchem)及び可変量のLiFSIと混合した。材料を穏やかに撹拌して成分を溶解し、最終的な配合物を調製した。
表1に従って、5つの電解質配合物を調製した。
Figure 2021510451
パウチセルの作製
パウチセルはPred Materials(New York,N.Y.)から購入した。これはNMC532カソードとグラファイトアノードとを含む600mAhのセルであった。
使用の前に、ドライボックスの前室で、55℃、−100kPaの真空で、パウチセルを真空下4日間乾燥した。約2.0グラムの電解質組成物を底部から注入し、底部の縁を真空シーラーで密封した。各実施例で同じ電解質組成物を使用して2つのパウチセルを作製する。
パウチセルの組み立て及び形成
セルを環境チャンバー(BTU−433型、Espec North America,Hudsonville,Michigan)の中に保持し、形成手順(25℃、60℃)及び高温サイクリング(45℃)で電池試験機(Series4000、Maccor,Tulsa,OK)を使用して評価した。
パウチセルを、以下のサイクリング手順を使用しコンディショニングした。最初のサイクルでは、セルを0.1Cで3時間充電(約30%の充電状態に相当)し;その後、これを60℃で24時間休止する。パウチセルを真空シーラーで脱気及び再密封する。ホットプレスを使用してセルを70℃で3秒間プレスする。2回目のサイクルでは、セルを0.5Cの定電流(CC充電)で4.35Vまで充電し、その後電流が0.05C未満に低下するまで4.35VでCV電圧保持工程を行い、10分間休止する。その後、これを0.5Cで3.0VまでCC放電を行い、10分間休止する。このサイクルを3回繰り返す。これはセルの容量の確認として使用される。パウチセルの形成の最後の工程は、0.5Cの定電流でSOC30まで充電する(CC充電)。
以下に記載の25℃でのサイクリングと45℃でのサイクリングでは、セルは、各充電及び各放電工程の後に10分の休止も有する。
サイクリング方法
セルを25℃と45℃の環境チャンバーの中に置き、サイクリングした。CC充電は1Cで4.35Vまで、CV充電は0.05Cまで、CC放電は1Cで3.0Vまでであった。
貯蔵手順
セルを70℃の環境チャンバーの中に置き、SOC100で、CC充電を1Cで4.35Vまで、CV充電を0.05Cまで行い、初期厚さを確認した。1週間後、これらをオーブンから取り出し、厚さをノギスで測定し、1Cで3.0VまでのCC放電で残留容量及び回復容量を測定し、DC−IRを確認する。
イオン伝導度測定手順
電解液のイオン伝導度は、温度制御チャンバー内でLCRメーターで測定した。
結果
いくつかの結果を表2にまとめ、図1、2、及び3に示す。
Figure 2021510451
試験は、LiFSIを含む本発明による電解質を含むセルが低温及び高温で改善されたサイクル性能を有することを示している。更に、LiFSIを含む本発明による電解質を含むセルは、高温での改善された貯蔵性能を有する。

Claims (15)

  1. − 含フッ素溶媒;
    − リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;及び
    − 少なくとも1種の電解質塩;
    を含有する電解質組成物であって、
    前記含フッ素溶媒が、式:
    −COO−R
    により表される非環状カルボン酸エステルであり、
    式中、
    i)Rはアルキル基であり;
    ii)Rはフルオロアルキル基であり;
    iii)RとRは、一組として、少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含む;
    電解質組成物。
  2. LiFSIが、前記電解質組成物の総重量を基準として、0.1〜約30重量パーセントの範囲、好ましくは0.1〜約20重量パーセント、より好ましくは0.1〜約10重量パーセント、より好ましくは0.3〜約5.0重量パーセント、更に好ましくは0.5〜2.0重量パーセントの範囲で前記電解質組成物中に存在する、請求項1に記載の電解質組成物。
  3. 前記電解質塩が、ヘキサフルオロリン酸リチウム又はリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含む、請求項1又は2に記載の電解質組成物。
  4. 前記含フッ素溶媒が、酢酸2,2−ジフルオロエチル、酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、プロピオン酸2,2−ジフルオロエチル、酢酸3,3−ジフルオロプロピル、プロピオン酸3,3−ジフルオロプロピル、及びこれらの混合物からなる群から選択される含フッ素非環状カルボン酸エステルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解質組成物。
  5. 前記含フッ素溶媒が、酢酸2,2−ジフルオロエチル、プロピオン酸2,2−ジフルオロエチル、酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される含フッ素非環状カルボン酸エステルである、請求項4に記載の電解質組成物。
  6. 前記含フッ素溶媒が酢酸2,2−ジフルオロエチルである、請求項5に記載の電解質組成物。
  7. 前記含フッ素溶媒が、前記電解質組成物の約5重量%〜約95重量%、好ましくは約10重量%〜約80重量%、より好ましくは約20重量%〜約75重量%、より好ましくは約30重量%〜約70重量%、更に好ましくは約50重量%〜約70重量%を占める、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解質組成物。
  8. 1種以上の含フッ素又は非含フッ素の直鎖又は環状の有機カーボネートを更に含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電解質組成物。
  9. 前記有機カーボネートが、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロエチレンカーボネートの全ての異性体;エチレンカーボネート;エチルメチルカーボネート;4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含むジフルオロエチレンカーボネートの全ての異性体;4,5−ジフルオロ−4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン;4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン;4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン;4,4,5−トリフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン;テトラフルオロエチレンカーボネート;ジメチルカーボネート;ジエチルカーボネート;プロピレンカーボネート;ビニレンカーボネート;ジ−tert−ブチルカーボネート;2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメチルカーボネート;ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート;ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート;2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート;ビス(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート;2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート;ジプロピルカーボネート;メチルプロピルカーボネート;エチルプロピルビニレンカーボネート;メチルブチルカーボネート;エチルブチルカーボネート;プロピルブチルカーボネート;ジブチルカーボネート;ビニルエチレンカーボネート;ジメチルビニレンカーボネート;2,3,3−トリフルオロアリルメチルカーボネート;又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の電解質組成物。
  10. 前記1種以上の有機カーボネートが、前記電解質組成物の約0.5重量%〜約95重量%、好ましくは約5重量%〜約95重量%、より好ましくは約10重量%〜約80重量%、より好ましくは約20重量%〜約40重量%、更に好ましくは約25重量%〜約35重量%の範囲で前記電解質組成物中に存在する、請求項8又は9に記載の電解質組成物。
  11. リチウムホウ素化合物、環状スルトン、環状硫酸塩、環状カルボン酸無水物、又はそれらの組み合わせなどの添加剤を更に含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電解質組成物。
  12. (a)ハウジングと、
    (b)前記ハウジング内に互いにイオン導電接触して配置されているアノード及びカソードと、
    (c)請求項1〜11のいずれか1項に記載の電解質組成物と、
    を含む電気化学セル。
  13. 請求項12に記載の電気化学セルを含む電子デバイス、輸送デバイス、又は電気通信デバイス。
  14. a)含フッ素溶媒と、b)リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドと、c)少なくとも1種の電解質塩と、を混合して電解質組成物を形成することを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電解質組成物の形成方法であって、
    前記含フッ素溶媒が、式:
    −COO−R
    により表される非環状カルボン酸エステルであり、
    式中、
    i)Rはアルキル基であり;
    ii)Rはフルオロアルキル基であり;
    iii)RとRは、一組として、少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含む;
    方法。
  15. リチウムイオン電池の低温及び高温でのサイクル性能、並びに/又は高温での貯蔵性能を改善するための、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの使用であって、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドが含フッ素溶媒と組み合わせて使用され、前記含フッ素溶媒が、式:
    −COO−R
    により表される非環状カルボン酸エステルであり、
    式中、
    i)Rはアルキル基であり;
    ii)Rはフルオロアルキル基であり;
    iii)RとRは、一組として、少なくとも2個以上7個以下の炭素原子を含む;
    使用。
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