JP2021175864A - 木製構造部材の補強構造及び木造建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】挿通ロッドに生じた引張力によりプレートが第1木製構造部材に押し付けられた場合に、プレートが第1木製構造部材にめり込み、第1木製構造部材が塑性変形し損傷するのを防止する。【解決手段】第1構造部材である梁1に当てがわれるプレート13と、第2木製構造部材である柱2に固定されるU型ホルダー11と、構造部材挿通孔1aとプレート挿通孔13aに挿通される挿通ロッド12と、挿通ロッド12の一端側に取り付けられ、プレート13に押し付けられるナット14aと、挿通ロッド12の他端側に取り付けられ、挿通ロッド12をU型ホルダー11に接続するナット15aとを備え、梁1には、構造部材挿通孔1aの周囲近傍に、挿通ロッド12の軸方向に沿って、プレート13が梁1にめり込むのを防止するラグスクリュー21〜24がねじ込まれ、ラグスクリュー21〜24の頭部はプレート13の下面に当接するようになっている木製構造部材の補強構造とする。【選択図】図1

Description

本発明は、プレートを木製構造部材に当てがって木製構造部材同士を固定するのを補強する木製構造部材の補強構造及び木造建築物に関するものである。
木造軸組構造等の建築物においては、水平方向に配置された土台、梁(横架材)に柱を鉛直方向に組み付けて骨組みが形成されるが、地震や強風により柱が土台等から抜けるのを防ぐため、柱脚(柱の下部)や柱頭(柱の上部)には、引き寄せ金物(ホールダウン金物)が取り付けられ、また、柱の近傍において土台と梁を長尺のボルト等で連結する構造が提案されている。
例えば、特許文献1(特開2000−110241号公報)には、下端側を基礎に埋設した垂直引付けボルトの上半部側を軒桁及び各階の桁梁に挿通して螺子力で締付け引付けて固定し、軒桁及び各階の桁梁には平面視X,Y方向に、各々X方向水平引付けボルトとY方向水平引付けボルトを挿通、横架して螺子力で締付け引付けて固定し、平面視X,Y方向と垂直方向の三方向共に半固定構造に螺子力で締付け引付けて固定している耐震軸組みが開示されている。
しかしながら、特許文献1の耐震軸組みでは、垂直引付けボルトの中間軸である両ネジボルトの上端部に継設された軒桁抑止ボルトが、軒桁に鉛直方向に挿通して、締付けナットで締付けて軒桁9を鉛直方向に引付けて強力に固定していることから、強い地震等により通し柱が傾き、軒桁を持ち上げようする大きな力が作用した場合、軒桁抑止ボルトに大きな引張力が作用して締付けナットが軒桁にめり込み、軒桁の上面が塑性変形し損傷するという問題がある。
また、特許文献2(特開2013−87543号公報)には、基礎1の上に土台2および柱3を固定し、柱3の上に梁4を固定して構成され、アンカーボルト6、ジョイントナット7(接続金具)、タイロッド8、ターンバックル10(接続金具)および通しボルト9により土台2と梁4とを連結し、柱頭部3bの両側には、それぞれ、通しボルト9の上端部9bが座金92を介してナット91により梁4の上側面に固定されている木造家屋の補強構造(引用文献2の図1)や、土台2および梁4に固定されたアンカーボルト6および通しボルト9を、ジョイントナット7やタイロッド8およびターンバックル10を使用せずに、それぞれ引き寄せ金物14を使用して、柱3の柱脚部3aおよび柱頭部3bの両側において土台2と梁4に連結した木造家屋の補強構造(引用文献2の図6)が開示されている。
しかしながら、特許文献2の木造家屋の補強構造においても、特許文献1と同様に、強い地震等により柱3が傾いて梁4を持ち上げようとする強い力が作用し、通しボルト9に大きな引張力が作用すると、ナット91が座金92を梁4の上面に強く押し付け、座金92が梁4の上面にめり込み、梁4の上面が塑性変形し損傷するという問題が生ずる。
この場合、座金92の底面積を大きくして、座金92の底面が梁4の上面を押し付ける単位面積当たりの力の低減することも考えられるが、座金92の底面積を大きくすると、梁4の上面に設置する柱(柱4の真上に設置される柱)と干渉するという問題が生ずる。
また、座金92においては、ナット91が座金92を強く押し付けることから、ナット91と接している部分に大きな力が作用して、その周辺、すなわち、ナット91が螺合する通しボルト9が挿通する孔の周辺がへこみ、座金92と梁4の上面が接している部分のうち、通しボルト9が挿通する孔の周辺のめり込みは、座金92の外周部分のめり込みより大きくなり、座金92の底面積を大きくしても、通しボルト9が挿通する孔の周辺において、座金92の梁4の上面へのめり込みによる塑性変形や損傷を防ぐことはできない。
ところで、特許文献3(特許第4764908号公報)には、一方の木質構造部材の長手方向に形成された接合面に直交して柱材としての他方の木質構造部材の端面を対向させて接合する木質構造部材の接合構造において、前記一方の構造部材の接合面内に埋設され、その頭部を接合面に面一に表出させた複数本の頭部を有する線状支持体よりなる支持具と、前記他方の構造部材の接合端面と、前記一方の構造部材の接合面との間に介在される所定厚みの補強プレートとを具備した木質構造部材の接合構造が開示されている。
この特許文献3の木質構造部材の接合構造は、柱材とそれに直交する土台や梁等の接合面に適用されるもので、柱と土台等の接合面に介在される補強プレートは、柱からの加圧力を土台等に均等に分散して接合面を押し付けることから(特許文献3の段落[0030]参照)、柱が補強プレートを介して土台等にめり込むのを防止するための支持具(線状支持体)は、接合面内に均等に配置する必要がある。
このため、特許文献2の通しボルト9に螺合するナット91と梁4の上面の間に介在する座金92のように、ボルトが挿通され、そのボルトと螺合するナットからの大きな力が作用し、ボルトの挿通孔の周辺が梁の上面等に大きくめり込むプレートが取り付けられた構造に対して、特許文献3の補強プレートと接合面内に埋設された支持具の構造では、プレートが梁の上面等にめり込み、梁の上面等を塑性変形させ損傷させるのを防止できない。
特開2000−110241号公報 特開2013−87543号公報 特許第4764908号公報
本発明が解決しようとする課題は、第1木製構造部材とこの第1木製構造部材に当てがわれたプレートを挿通する挿通ロッドに生じた引張力により、プレートを第1木製構造部材に押し付け、第1木製構造部材と第2木製構造部材の固定を補強する補強構造において、第1木製構造部材と第2木製構造部材の固定部が変形し、挿通ロッドに生じた引張力によりプレートが第1木製構造部材に押し付けられた場合に、プレートが第1木製構造部材にめり込み、第1木製構造部材が塑性変形し損傷するのを防止することである。
請求項1の発明は、第1木製構造部材を第2木製構造部材に固定するのを補強する補強構造であって、前記第1構造部材に当てがわれるプレートと、前記第2木製構造部材又は他の構造部材に固定される構造部材用固定部材と、前記第1構造部材に設けられた構造部材挿通孔と前記プレートに設けられたプレート挿通孔に挿通される挿通ロッドと、前記挿通ロッドの一端側に取り付けられ、前記プレートに押し付けられる押付部材と、前記挿通ロッドの他端側に取り付けられ、前記挿通ロッドを前記構造部材用固定部材に接続する接続部材とを備え、前記第1木製構造部材には、前記構造部材挿通孔の周囲近傍に、前記挿通ロッドの軸方向に沿って、前記プレートが前記第1木製構造部材にめり込むのを防止するめり込み防止線状部材がねじ込まれ、該めり込み防止線状部材の頭部は前記プレートの下面に当接するようになっている木製構造部材の補強構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項2の発明は、前記めり込み防止線状部材は、複数のラグスクリュー又はグルードインロッドである木製構造部材の補強構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項3の発明は、前記プレート挿通孔は前記プレートの中心位置に設けられ、前記めり込み防止線状部材は前記構造部材挿通孔の中心に対して点対称の位置に配置されている木製構造部材の補強構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項4の発明は、前記めり込み防止線状部材は、隣り合う該めり込み防止線状部材の距離が同じとなるように配置されている木製構造部材の補強構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項5の発明は、前記第2木製構造部材は、基礎又は横架材に固定された柱であり、第1木製構造部材は、前記柱に固定された梁であり、前記プレート、前記第1押付部材、前記挿通ロッド、前記構造部材用固定部材及び前記第2押付部材は、前記梁を前記柱に引き寄せる柱頭金物を構成する木製構造部材の補強構造。を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項6の発明は、第1木製構造部材と、該第1木製構造部材が固定される第2木製構造部材と、前記第1木製構造部材が前記第2木製構造部材に固定されるのを補強する補強構造を備えた木造建築物であって、前記第1構造部材に当てがわれるプレートと、前記第2木製構造部材又は他の構造部材に固定される構造部材用固定部材と、前記第1構造部材に設けられた構造部材挿通孔と前記プレートに設けられたプレート挿通孔に挿通される挿通ロッドと、前記挿通ロッドの一端側に取り付けられ、前記プレートに押し付けられる押付部材と、前記挿通ロッドの他端側に取り付けられ、前記挿通ロッドを前記構造部材用固定部材に接続する接続部材とを備え、前記第1木製構造部材には、前記構造部材挿通孔の周囲近傍に、前記挿通ロッドの軸方向に沿って、前記プレートが前記第1木製構造部材にめり込むのを防止するめり込み防止線状部材がねじ込まれ、該めり込み防止線状部材の頭部は前記プレートの下面に当接するようになっている木造建築物を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項1に記載の発明の木製構造部材の補強構造においては、第1木製構造部材と第2木製構造部材の固定部が変形し、挿通ロッドに生じた引張力によりプレートが第1木製構造部材に押し付けられた場合に、めり込み防止線状部材が強い抵抗力を示し、プレートが下方に湾曲して第1木製構造部材にめり込み、第1木製構造部材が塑性変形し損傷するのを防止するという効果を奏する。
請求項2に記載の発明の木製構造部材の補強構造においては、さらに、プレートの第1木製構造部材への押し付けに対して、ラグスクリューのネジ部又はグルードインロッドがより強い抵抗力を示し、プレートの第1木製構造部材にめり込みをより抑制できるという効果を奏する。
請求項3に記載の発明の木製構造部材の補強構造においては、さらに、めり込み防止線状部材の抵抗力が同じとなり、より効果的にプレートが第1木製構造部材にめり込むのを防止できるという効果を奏する。
請求項4に記載の発明の木製構造部材の補強構造おいては、さらに、プレートからのめり込み防止線状部材に対する押付力が同じとなり、より効果的にプレートが第1木製構造部材にめり込むのを防止できるという効果を奏する。
請求項5に記載の発明の木製構造部材の補強構造においては、柱が傾き梁を持ち上げようとし、挿通ロッドに引張力が生じてプレートが梁に押し付けられた場合に、めり込み防止線状部材が強い抵抗力を示し、プレートが下方に湾曲して梁にめり込み、梁が塑性変形し損傷するのを防止するという効果を奏する。という効果を奏する。
請求項6に記載の発明の木造建築物においては、第1木製構造部材と第2木製構造部材の固定部が変形し、挿通ロッドに生じた引張力によりプレートが第1木製構造部材に押し付けられた場合に、めり込み防止線状部材が強い抵抗力を示し、プレートが下方に湾曲して第1木製構造部材にめり込み、第1木製構造部材が塑性変形し損傷するのを防止するという効果を奏する。
本発明の実施形態の木製構造部材の補強構造の構成を示す斜視図である。 図1に示す木製構造部材の補強構造の平面図である。 図1に示す木製構造部材の補強構造の正面図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 図1に示す木製構造部材の補強構造の分解斜視図である。 ラグスクリュー21の拡大斜視図である。 図4のC部拡大図である。 ラグスクリュー21〜24と構造部材挿通孔1aの位置関係を説明する説明図である。 ラグスクリューの他の配置を説明する説明図である。 図1に示す木製構造部材の補強構造において、挿通ロッドに鉛直下向きの大きな引張力が作用した場合、プレート13と梁1に作用する力を説明する説明図である。 プレート13から梁1のプレート領域PRに分布荷重wが作用した場合のプレート13と梁1の変形状態を説明する説明図である。 木製構造部材の補強構造の他の例の構成を示す斜視図である。 図13に示す木製構造部材の補強構造の正面図である。
[木製構造部材の補強構造の構成]
図1は、本発明の実施形態の木製構造部材の補強構造の構成を示す斜視図、図2は、図1に示す木製構造部材の補強構造の平面図、図3は、図1に示す木製構造部材の補強構造の正面図であり、図4は、図2のA−A断面図、図5は、図2のB−B断面図、図6は、図1に示す木製構造部材の補強構造の分解斜視図である。
図中、1は梁、1aは構造部材挿通孔、1haはホゾ(ほぞ)穴、1m1〜1m4はラグスクリュー穴、2、3は柱、2hz、3hzはホゾ(ほぞ)、2nはネジ穴、10は柱頭金物、11はU型ホルダー、11aは固定板、11bは筒部、11cは貫通孔、11dは木ネジ、12は挿通ロッド、13はプレート、13aはプレート挿通孔、14a、15aはナット、14b、15bは座金、21〜24はラグスクリューであり、図において、Xは梁1の軸方向(長手方向)に沿った方向(左右方向)、YはX方向と水平方向に垂直な方向(前後方向)、Zは水平面(XY面)と垂直な方向(上下方向)である。
図に示すように、梁1は、本発明の第1木製構造部材となるものであり、柱2は、本発明の第2木製構造部材となるものであり、基礎または土台や梁等の横架材(いずれも図示せず)に固定され、柱2の上面に設けられたホゾ2hzが梁1の下面に設けられたホゾ穴にはめ込まれて、梁1が柱2の上面に固定される。
柱3は、下面に設けられたホゾ3hzが梁1の上面に設けられたホゾ穴1haにはめ込まれて、梁1の上面に固定される。
また、梁1には、挿通ロッド12が挿通する構造部材挿通孔1aが上下方向(Z方向)に貫通して設けられ、構造部材挿通孔1aの周囲近傍には、ラグスクリュー21〜24によって、ラグスクリュー穴1m1〜1m4が形成され、柱2の左側面には、木ネジ11dによって、ネジ穴2nが形成されている。
そして、梁1、柱2、3には、木製の材料、例えば、ヒノキ(桧)、ヒバ(桧葉)、スギ(杉)等の木材が使用され、 梁1と柱2、3により、木造建築物の骨格の一部が形成される。
柱頭金物10は、U型ホルダー11、挿通ロッド12、プレート13、ナット14a、15a、座金14b、15b等から構成され、柱頭金物10とラグスクリュー21〜24により、本発明の木製構造部材の補強構造が構成される。
U型ホルダー11は、本発明の構造部材用固定部材となるもので、鋼板からなる固定板11aと、固定板11aの上部に溶接等により接合されたU字型の鋼板からなる筒部11bから構成され、固定板11aには下部から中央部にかけて4個の貫通孔11cが設けられ、4個の木ネジ11dが貫通孔11cから挿通されて柱2の左側面にねじ込まれ、これにより、U型ホルダー11が柱2の左側面に固定される。
挿通ロッド12は、両端部に雄螺子が設けられた鋼棒であり、下側部分がU型ホルダー11の筒部11bに挿通され、上側部分が梁1の構造部材挿通孔1aに挿通される。
プレート13は、鋼板等の金属板であり、中心部にプレート挿通孔13aが設けられ、プレート挿通孔13aが構造部材挿通孔1aの位置にくるように、梁1の上面に当てがわれる。
ナット14aは、本発明の押付部材となるもので、挿通ロッド12の一端側である上端側の雄螺子に螺合して取り付けられ、プレート13の上面に座金14bを介して押し付けられる。
ナット15aは、本発明の接続部材となるもので、挿通ロッド12の他端側である下端側の雄螺子に螺合して取り付けられ、U型ホルダー11の筒部11bの下面に座金15bを介して押し付けられ、挿通ロッド12をU型ホルダー11に接続する。
そして、U型ホルダー11の固定板11aを柱2の左側面に固定し、プレート13をプレート挿通孔13aが構造部材挿通孔1aの位置にくるように梁1の上面に当てがい、 挿通ロッド12を、プレート挿通孔13a、構造部材挿通孔1a、筒部11bに挿通し、挿通ロッド12の両端部に座金14b、15bをはめ込んでナット14a、15aを螺合させて締め付けることにより、梁1と柱2の固定が補強され、地震等によって柱2が左右方向(X方向)に傾き、柱2から梁1が浮き上がるのが防止される。
[めり込み防止線状部材]
ラグスクリュー21〜24は、本発明のめり込み防止線状部材となるもので、炭素鋼等の金属材料からなり、梁2の構造部材挿通孔1aの周囲近傍に挿通ロッド12の軸方向に沿ってネジ込まれる。
図7は、ラグスクリュー21の拡大斜視図、図8は、図4のC部拡大図であり、図中、21a、23aは頭部、21b、23bは軸部、21c、23cはネジ山である。
図7に示すように、ラグスクリュー21は、六角形の頭部21a、細長い軸部21bと軸部21bの周面から突出するネジ山21c(ネジ部)からなり、軸部21bの先端部は尖った円錐形となっている。他のラグスクリュー22〜24も、ラグスクリュー21と同様の構造である。
図8に示すように、ラグスクリュー21、23は、梁1に、頭部21a、23aの上面と梁2の上面が面一となるようにねじ込まれて埋設される。他のラグスクリュー22、24も同様にして梁1にねじ込まれて埋設される。
そして、梁1にねじ込まれたラグスクリュー21は、ネジ山21cが軸部21bを覆う梁2の内部に深く食い込み、軸方向の力(押付力又は引抜力)に対して通常の木ネジ等より強い抵抗力を示し、他のラグスクリュー22〜24も同様である。
この場合、ラグスクリュー21の山径Drは、Dr=5〜25mmであり、挿通ロッド12の軸径Dsより小さく、ラグスクリュー21の長さLrは、Lr=50〜500mmであり、構造部材挿通孔1aの長さ(梁2のZ方向の長さ)の1/2以上とすることが望ましく、頭部21aのX方向、Y方向の長さは、1.2Dr〜1.8Drであり、ラグスクリュー21の他のラグスクリュー22〜24の山径、長さ等も同様である。
また、本発明のめり込み防止線状部材は、グルードインロッドであってもよい。グルードインロッドは、木材に穴をあけ、そこに挿入された棒状の接合具との空隙に注入・充填された接着剤の硬化により、応力を接着剤の付着力と接合具を介して伝達して接合耐力を発生させるものであり。
本発明においては、梁1のラグスクリュー21〜24がねじ込まれる位置に穴をあけ、そこに棒状の接合具を挿入し、接合具と穴の内壁の空隙に接着剤を注入・充填して硬化させ、これにより梁1にグルードインロッドが埋設される。
なお、挿通ロッド12の軸径Dsは、Ds=10〜50mmであり、構造部材挿通孔1aとプレート挿通孔13aの孔径は、軸径Dsよりわずかに大きくなっている。
図9は、ラグスクリュー21〜24と構造部材挿通孔1aの位置関係を説明する説明図であり、図中、22c、24cはネジ山、CEは構造部材挿通孔1aの中心、PRはプレート13が梁1に当てがわれるプレート領域、網点で示すKBは構造部材挿通孔1aの周囲近傍となる領域、二点鎖線で示すR1は、ラグスクリュー21〜24の中心位置を通る円周、二点鎖線で示すR2は、領域KBの外縁(最も外側の円周)で、xは中心CEを通るX方向の軸、yは中心CEを通るY方向の軸である。
構造部材挿通孔1aの外周(外縁)から領域KBの外縁R2までの距離k2は、k2=Dr〜8Drであり、ラグスクリュー21〜24の中心位置は、領域KB内にあればよい。
この場合、ラグスクリュー21〜24の中心位置は、図9に示すように中心CEの円の円周R1上にあることが望ましく、構造部材挿通孔1aの外周(外縁)から円周R1までの距離k1は、k1=Dr〜2Drであることが望ましい。
また、ラグスクリュー21〜24の中心位置は、構造部材挿通孔1aの中心CEと点対称であり、隣り合うラグスクリュー21〜24の距離は、同じであることが望ましい。
図9では、ラグスクリュー21〜24の山径Dr=12mm、挿通ロッド12の軸径Ds=20mm、プレート領域PRのX方向の長さLx(プレート13の長手方向の長さ)=200mm、プレート領域PRのY方向の長さLy(プレート13の短手方向の長さ)=100mm、k1=20mm、k2=40mmで、ラグスクリュー21、23は、x軸上にあり、ラグスクリュー22、24は、y軸上にある場合を示している。
図10は、ラグスクリューの他の配置を説明する説明図であり、図中、25a〜28aはラグスクリューの頭部、F1はx軸と45度の角度をなす左上がりの線、F2はx軸と45度の角度をなす右上がりの線、G1は頭部24a(ラグスクリュー24)の中心を通りx軸に平行な線、G2は頭部22a(ラグスクリュー22)の中心を通りx軸に平行な線、G3は頭部21a(ラグスクリュー21)の中心を通りy軸に平行な線、G4は頭部23a(ラグスクリュー23)の中心を通りy軸に平行な線である。
ラグスクリュー21〜24は、図10(a)に示すように、頭部21a(ラグスクリュー21)と頭部23a(ラグスクリュー23)が線F1上にあり、頭部22a(ラグスクリュー22)と頭部24a(ラグスクリュー24)が線F2上にあるように配置してもよい。
また、図10(b)に示すように、図9のラグスクリュー21〜24に加えて、頭部25a〜28aをもつ新たなラグスクリューを、頭部25aが線G1と線G3の交点上にあり、頭部26aが線G2と線G3の交点上にあり、頭部25aが線G2と線G4の交点上にあり、頭部28aが線G1と線G4の交点上にあるように配置してもよい。
[木製構造部材の補強構造の作用]
図11は、図1に示す木製構造部材の補強構造において、挿通ロッドに鉛直下向きの大きな引張力が作用した場合、プレート13とプレート13が当てがわれている梁1の面に作用する力を説明する説明図であり、図では、構造部材挿通孔1aの中心CEを通るX方向の縦断面を表している。
今、地震等により柱2が傾いて梁1が柱2により持ち上げられようとし、それに抵抗して挿通ロッド12に鉛直下向きの大きな引張力Pvが作用した場合、プレート13の上面には、座金14bからの引張力Pvによる圧力pが作用する。すなわち、プレート13の上面には、座金14bが当接しているプレート孔13aの近傍のみ圧力pが作用する。
この圧力pにより、プレート13の下面は梁1の上面を押し付けるが、その押付力は均等ではなく、プレート孔13aに近いほど大きくなる。すなわち、梁1のプレート領域PR(図9参照)には、プレート13から等分布荷重が作用するのではなく、図11に示すようにプレート孔13aに近いほど大きくなる分布荷重wが作用する。
図12は、プレート13から梁1のプレート領域PRに分布荷重wが作用した場合のプレート13と梁1の変形状態を説明する説明図であり、同図(a)は梁1にラグスクリュー21〜24が埋め込まれていない場合、同図(b)は梁1にラグスクリュー21〜24が埋め込まれている場合を示し、図中、Hmはプレート13のX方向の両縁を通る水平面である。
挿通ロッド12に作用する鉛直下向きの大きな引張力Pvにより、プレート13から梁1のプレート領域PRに分布荷重wが作用した場合、梁1にラグスクリュー21〜24が埋め込まれていないと、図12(a)に示すように、プレート13は下方に湾曲し、これにより梁1のプレート領域PRは凹み、その凹み深さは、構造部材挿通孔1aに近いほど大きくなる。すなわち、プレート領域PRのうち、領域KB(構造部材挿通孔1aの周囲近傍)の凹みは、領域KBの外側の領域の凹みより大きくなる。
この場合、領域KBの凹み深さをδとし、δが梁1の弾性変形を超えて塑性変形となると、梁1にプレート13によるめり込みが生じて、梁1の領域KBが損傷する。
これに対して梁1の領域KBにラグスクリュー21〜24が埋め込まれていると、プレート13が下方に湾曲しようとして梁1のプレート領域PRを押し付けるが(特に領域KBを強く押し付けるが)、プレート13の下面がラグスクリュー21〜24の頭部21a〜24aに当接していることから、ラグスクリュー21〜24のネジ山21c〜24c(ネジ部)が強い抵抗力(上からの押付力に対する抵抗力)を示し、プレート13の下方への湾曲が抑制され、図12(b)に示すように、プレート領域PR(特に領域KB)は、ほとんど凹まず、プレート13のめり込みによる梁1のプレート領域PR(特に領域KB)の損傷が防止される。
[木製構造部材の補強構造の他の例]
図13は、木製構造部材の補強構造の他の例の構成を示す斜視図、図14は、図13に示す木製構造部材の補強構造の正面図である。
図中、31は梁、32、33は柱、34は土台、35は基礎、40は棒状固定部材、42aは挿通ロッド、42bは長尺ロッド、42cはアンカーボルト、43はプレート、44aはナット、44bは座金、45a、46aはカップラー(長ナット)、45b、46bはナット、51〜54はラグスクリューである。
図に示すように、梁31は、本発明の第1木製構造部材となるものであり、柱32は、本発明の第2木製構造部材となるものであり、基礎35に固定された土台34に固定され、図1等に示す柱2と同様に柱32の上面に設けられたホゾ(図示せず)が梁31の下面に設けられたホゾ穴にはめ込まれて、梁31が柱32の上面に固定される。
柱33は、図1等に示す柱3と同様に下面に設けられたホゾ(図示せず)が梁31の上面に設けられたホゾ穴(図示せず))にはめ込まれて、梁32の上面に固定される。
また、梁31には、梁1と同様に挿通ロッド42aが挿通する構造部材挿通孔が上下方向(Z方向)に貫通して設けられ、この構造部材挿通孔の周囲近傍には、ラグスクリュー51〜54によって、ラグスクリュー穴が形成されている。
そして、梁31、柱32、33、土台34には、木製の材料、例えば、ヒノキ(桧)、ヒバ(桧葉)、スギ(杉)等の木材が使用され、 梁31、柱32、33、土台34、基礎35により、木造建築物の骨格の一部が形成される。
棒状固定部材40は、挿通ロッド42a、長尺ロッド42b、アンカーボルト42c、プレート43、ナット44a、座金44b、カップラー(長ナット)45a、46a、ナット45b、46bから構成され、棒状固定部材40とラグスクリュー51〜54により、本発明の木製構造部材の補強構造が構成される。
挿通ロッド42aは、挿通ロッド12と同様に両端部に雄螺子が設けられた鋼棒であり、上側部分が梁31の構造部材挿通孔に挿通される。
プレート43は、プレート13と同様に鋼板等の金属板であり、中心部にプレート挿通孔が設けられ、プレート挿通孔が構造部材挿通孔の位置にくるように、梁31の上面に当てがわれる。
ナット44aは、本発明の押付部材となるもので、挿通ロッド42の一端側である上端側の雄螺子に螺合して取り付けられ、プレート43の上面に座金44bを介して押し付けられる。
長尺ロッド42b、アンカーボルト42c、カップラー(長ナット)45a、46a、ナット45b、46bは、本発明の構造部材用固定部材となるもので、アンカーボルト42cは、土台34に挿通され、下側部分が本発明の他の構造部材となる基礎35に埋め込まれて固定される。
カップラー45aは、本発明の接続部材となるもので、挿通ロッド42aと長尺ロッド42bを連結する長ナットであり、カップラー45aのネジ部の上側部分が挿通ロッド42aのネジ部と螺合し、カップラー45aのネジ部の下側部分が長尺ロッド42bの上側のネジ部と螺合し、これにより、挿通ロッド42aと長尺ロッド42bが連結され、長尺ロッド42bの上側のネジ部に螺合するナット45bが締め付けられてカップラー45aが固定される。
カップラー46aは、アンカーボルト42cと長尺ロッド42bを連結する長ナットであり、カップラー46aのネジ部の下側部分がアンカーボルト42cのネジ部と螺合し、カップラー46aのネジ部の上側部分が長尺ロッド42bの下側のネジ部と螺合し、これによりアンカーボルト42cと長尺ロッド42bが連結され、アンカーボルト42bのネジ部に螺合するナット46bが締め付けられてカップラー46aが固定される。
そして、アンカーボルト42cの下側部分を基礎35に固定し、アンカーボルト42cの上端部をカップラー46aとナット46bにより長尺ロッド42bの下端部と連結し、プレート43をプレート挿通孔が構造部材挿通孔の位置にくるように梁31の上面に当てがい、挿通ロッド42aを、プレート挿通孔、構造部材挿通孔に挿通し、挿通ロッド42aの上端部に座金44bをはめ込んでナット44aを螺合させて締め付け、挿通ロッド42aの下端部をカップラー45aとナット45bにより長尺ロッド42bの上端部と連結することにより、梁31と柱32の固定が補強され、地震等によって柱32が左右方向(X方向)に傾き、柱32から梁31が浮き上がるのが防止される。
なお、図13、14に示す木製構造部材の補強構造において、挿通ロッド42aのナット44aから上方に突出している部分を伸ばし、柱33の上面に取り付けられる梁と梁32との間に、挿通ロッド42a、長尺ロッド42b、プレート43、ナット44a、座金44b、カップラー(長ナット)45a、46a、ナット45b、46bと同じ構成の棒状固定部材(棒状固定部材40からアンカーボルト42cを除いた構成のもの)を取り付け、挿通ロッド42aの上端部分とこの固定部材の長尺ロッドの下端部分をカップラー(長ナット)で連結するようにしてもよい。
ラグスクリュー51〜54は、ラグスクリュー21〜24と同じ構成であり、梁32の構造部材挿通孔の周囲近傍に挿通ロッド42aの軸方向に沿ってネジ込まれる。
そして、地震等により柱32が傾いて梁11が柱32により持ち上げられようとし、それに抵抗して挿通ロッド42aに鉛直下向きの大きな引張力が作用し、プレート43の上面に座金44bからの圧力が作用しても、梁32の構造部材挿通孔の周囲近傍にラグスクリュー51〜54が埋め込まれているため、プレート43の下方への湾曲が抑制され、プレート43のめり込みによる梁31の損傷が防止される。
本発明の木製構造部材の補強構造は、第1木製構造部材とこの第1木製構造部材に当てがわれたプレートを挿通する挿通ロッドに生じた引張力により、プレートを第1木製構造部材に押し付け、第の木製構造部材と第2木製構造部材の固定を補強する補強構造において、第1木製構造部材と第2木製構造部材の固定部が変形し、挿通ロッドに生じた引張力によりプレートが第1木製構造部材に押し付けられた場合に、プレートが第1木製構造部材にめり込み、第1木製構造部材が塑性変形し損傷するのを防止でき、木造建築物の柱と梁の固定を補強する柱頭金物や各種ホールダウン金物(引き寄せ金物)に利用することができる。
1 梁
1a 構造部材挿通孔
1ha ホゾ(ほぞ)穴
1m1〜1m4 ラグスクリュー穴
2、3 柱
2hz、3hz ホゾ(ほぞ)
2n ネジ穴
10 柱頭金物
11 U型ホルダー
11a 固定板
11b 筒部
11c 貫通孔
11d 木ネジ
12 挿通ロッド
13 プレート
13a プレート挿通孔
14a、15a ナット
14b、15b 座金
21〜24 ラグスクリュー
21a、23a 頭部
21b、23b 軸部
21c〜24c ネジ山
25a〜28a ラグスクリューの頭部
31 梁
32、33 柱
34 土台
35 基礎
40 棒状固定部材
42a 挿通ロッド
42b 長尺ロッド
42c アンカーボルト
43 プレート
44a ナット
44b 座金
45a、46a カップラー(長ナット)
45b、46b ナット
51〜54 ラグスクリュー
CE 構造部材挿通孔1aの中心
PR プレート領域
KB 構造部材挿通孔1aの周囲近傍となる領域
R1 ラグスクリュー21〜24の中心位置を通る円周
R2 領域KBの外縁(最も外側の円周)
Hm プレート13のX方向の両縁を通る水平面

請求項1の発明は、第1木製構造部材を該第1木製構造部材と垂直な方向に配置された第2木製構造部材に固定するのを補強する補強構造であって、前記第1木製構造部材に当てがわれるプレートと、前記第2木製構造部材又は前記第2木製構造部材に固定される他の構造部材に固定される構造部材用固定部材と、前記第1木製構造部材に設けられた構造部材挿通孔と前記プレートに設けられたプレート挿通孔に挿通される挿通ロッドと、前記挿通ロッドの一端側に取り付けられ、前記プレートに押し付けられる押付部材と、前記挿通ロッドの他端側に取り付けられ、前記挿通ロッドを前記構造部材用固定部材に接続する接続部材とを備え、前記第1木製構造部材には、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域に、前記挿通ロッドの軸方向に沿って、前記プレートが前記第1木製構造部材にめり込むのを防止するめり込み防止線状部材が埋設され、該めり込み防止線状部材の頭部は前記プレートの下面に当接するようになっており、前記第1木製構造部材の前記プレートが当てがわれるプレート領域は、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域を含み、該周囲近傍となる領域よりも前記第1木製構造部材の長手方向に広く、前記補強構造から前記めり込み防止線状部材を除く構造は、前記挿通ロッドに軸方向の大きな引張力が作用し、前記プレートが前記第1木製構造部材を押し付けた場合、前記プレート領域のうち、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域の凹みの深さは、該近傍となる領域の外側の領域の凹みより大きくなる構造であり、前記プレート挿通孔は前記プレートの中心位置に設けられ、前記めり込み防止線状部材は、前記構造部材挿通孔の中心に対して点対称の位置に配置されている木製構造部材の補強構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項の発明は、前記めり込み防止線状部材は、隣り合う該めり込み防止線状部材の距離が同じとなるように配置されている木製構造部材の補強構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項の発明は、前記第2木製構造部材は、基礎又は横架材に固定された柱であり、第1木製構造部材は、前記柱に固定された梁であり、前記プレート、前記押付部材、前記挿通ロッド、前記構造部材用固定部材及び前記接続部材は、前記梁を前記柱に引き寄せる柱頭金物を構成する木製構造部材の補強構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項の発明は、第1木製構造部材と、該第1木製構造部材と垂直方向に配置された第2木製構造部材と、前記第1木製構造部材が前記第2木製構造部材に固定されるのを補強する補強構造を備えた木造建築物であって、前記第1木製構造部材に当てがわれるプレートと、前記第2木製構造部材又は前記第2木製構造部材に固定される他の構造部材に固定される構造部材用固定部材と、前記第1木製構造部材に設けられた構造部材挿通孔と前記プレートに設けられたプレート挿通孔に挿通される挿通ロッドと、前記挿通ロッドの一端側に取り付けられ、前記プレートに押し付けられる押付部材と、前記挿通ロッドの他端側に取り付けられ、前記挿通ロッドを前記構造部材用固定部材に接続する接続部材とを備え、前記第1木製構造部材には、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域に、前記挿通ロッドの軸方向に沿って、前記プレートが前記第1木製構造部材にめり込むのを防止するめり込み防止線状部材が埋設され、該めり込み防止線状部材の頭部は前記プレートの下面に当接するようになっており、前記第1木製構造部材の前記プレートが当てがわれるプレート領域は、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域を含み、該周囲近傍となる領域よりも前記第1木製構造部材の長手方向に広く、前記補強構造から前記めり込み防止線状部材を除く構造は、前記挿通ロッドに軸方向の大きな引張力が作用し、前記プレートが前記第1木製構造部材を押し付けた場合、前記プレート領域のうち、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域の凹みの深さは、該近傍となる領域の外側の領域の凹みより大きくなる構造であり、前記プレート挿通孔は前記プレートの中心位置に設けられ、前記めり込み防止線状部材は、前記構造部材挿通孔の中心に対して点対称の位置に配置されている木造建築物を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項1に記載の発明の木製構造部材の補強構造においては、第1木製構造部材と第2木製構造部材の固定部が変形し、挿通ロッドに生じた引張力によりプレートが第1木製構造部材に押し付けられた場合に、めり込み防止線状部材が強い抵抗力を示し、プレートが下方に湾曲して第1木製構造部材にめり込み、第1木製構造部材が塑性変形し損傷するのを防止し、さらに、めり込み防止線状部材の抵抗力が同じとなり、より効果的にプレートが第1木製構造部材にめり込むのを防止できるという効果を奏する。
請求項に記載の発明の木製構造部材の補強構造おいては、さらに、プレートからのめり込み防止線状部材に対する押付力が同じとなり、より効果的にプレートが第1木製構造部材にめり込むのを防止できるという効果を奏する。
請求項に記載の発明の木製構造部材の補強構造においては、柱が傾き梁を持ち上げようとし、挿通ロッドに引張力が生じてプレートが梁に押し付けられた場合に、めり込み防止線状部材が強い抵抗力を示し、プレートが下方に湾曲して梁にめり込み、梁が塑性変形し損傷するのを防止するという効果を奏する。という効果を奏する。
請求項に記載の発明の木造建築物においては、第1木製構造部材と第2木製構造部材の固定部が変形し、挿通ロッドに生じた引張力によりプレートが第1木製構造部材に押し付けられた場合に、めり込み防止線状部材が強い抵抗力を示し、プレートが下方に湾曲して第1木製構造部材にめり込み、第1木製構造部材が塑性変形し損傷し、さらに、めり込み防止線状部材の抵抗力が同じとなり、より効果的にプレートが第1木製構造部材にめり込むのを防止できるという効果を奏する。
請求項1の発明は、第1木製構造部材を該第1木製構造部材と垂直な方向に配置された第2木製構造部材に固定するのを補強する補強構造であって、前記第1木製構造部材に当てがわれるプレートと、前記第2木製構造部材又は前記第2木製構造部材に固定される他の構造部材に固定される構造部材用固定部材と、前記第1木製構造部材に設けられた構造部材挿通孔と前記プレートに設けられたプレート挿通孔に挿通される挿通ロッドと、前記挿通ロッドの一端側に取り付けられ、前記プレートに押し付けられる押付部材と、前記挿通ロッドの他端側に取り付けられ、前記挿通ロッドを前記構造部材用固定部材に接続する接続部材とを備え、前記第1木製構造部材には、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域に、前記挿通ロッドの軸方向に沿って、前記プレートが前記第1木製構造部材にめり込むのを防止するめり込み防止線状部材が埋設され、該めり込み防止線状部材の頭部は前記プレートの下面に当接するようになっており、前記第1木製構造部材の前記プレートが当てがわれるプレート領域は、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域を含み、該周囲近傍となる領域よりも前記第1木製構造部材の長手方向に広く、前記補強構造から前記めり込み防止線状部材を除く構造は、前記挿通ロッドに軸方向の大きな引張力が作用し、前記プレートが前記第1木製構造部材を押し付けた場合、前記プレート領域のうち、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域の凹みの深さは、該周囲近傍となる領域の外側の領域の凹みより大きくなる構造であり、前記プレート挿通孔は前記プレートの中心位置に設けられ、前記めり込み防止線状部材は、前記構造部材挿通孔の中心に対して点対称の位置に配置されている木製構造部材の補強構造を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項5の発明は、第1木製構造部材と、該第1木製構造部材と垂直方向に配置された第2木製構造部材と、前記第1木製構造部材が前記第2木製構造部材に固定されるのを補強する補強構造を備えた木造建築物であって、前記第1木製構造部材に当てがわれるプレートと、前記第2木製構造部材又は前記第2木製構造部材に固定される他の構造部材に固定される構造部材用固定部材と、前記第1木製構造部材に設けられた構造部材挿通孔と前記プレートに設けられたプレート挿通孔に挿通される挿通ロッドと、前記挿通ロッドの一端側に取り付けられ、前記プレートに押し付けられる押付部材と、前記挿通ロッドの他端側に取り付けられ、前記挿通ロッドを前記構造部材用固定部材に接続する接続部材とを備え、前記第1木製構造部材には、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域に、前記挿通ロッドの軸方向に沿って、前記プレートが前記第1木製構造部材にめり込むのを防止するめり込み防止線状部材が埋設され、該めり込み防止線状部材の頭部は前記プレートの下面に当接するようになっており、前記第1木製構造部材の前記プレートが当てがわれるプレート領域は、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域を含み、該周囲近傍となる領域よりも前記第1木製構造部材の長手方向に広く、前記補強構造から前記めり込み防止線状部材を除く構造は、前記挿通ロッドに軸方向の大きな引張力が作用し、前記プレートが前記第1木製構造部材を押し付けた場合、前記プレート領域のうち、前記構造部材挿通孔の周囲近傍となる領域の凹みの深さは、該周囲近傍となる領域の外側の領域の凹みより大きくなる構造であり、前記プレート挿通孔は前記プレートの中心位置に設けられ、前記めり込み防止線状部材は、前記構造部材挿通孔の中心に対して点対称の位置に配置されている木造建築物を提供して、上記課題を解決するものである。

Claims (6)

  1. 第1木製構造部材を第2木製構造部材に固定するのを補強する補強構造であって、
    前記第1構造部材に当てがわれるプレートと、
    前記第2木製構造部材又は他の構造部材に固定される構造部材用固定部材と、
    前記第1構造部材に設けられた構造部材挿通孔と前記プレートに設けられたプレート挿通孔に挿通される挿通ロッドと、
    前記挿通ロッドの一端側に取り付けられ、前記プレートに押し付けられる押付部材と、
    前記挿通ロッドの他端側に取り付けられ、前記挿通ロッドを前記構造部材用固定部材に接続する接続部材と
    を備え、
    前記第1木製構造部材には、前記構造部材挿通孔の周囲近傍に、前記挿通ロッドの軸方向に沿って、前記プレートが前記第1木製構造部材にめり込むのを防止するめり込み防止線状部材が埋設され、該めり込み防止線状部材の頭部は前記プレートの下面に当接するようになっていることを特徴とする木製構造部材の補強構造。
  2. 前記めり込み防止線状部材は、複数のラグスクリュー又はグルードインロッドであることを特徴とする請求項1記載の木製構造部材の補強構造。
  3. 前記プレート挿通孔は前記プレートの中心位置に設けられ、前記めり込み防止線状部材は前記構造部材挿通孔の中心に対して点対称の位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の木製構造部材の補強構造。
  4. 前記めり込み防止線状部材は、隣り合う該めり込み防止線状部材の距離が同じとなるように配置されていることを特徴とする請求項3記載の木製構造部材の補強構造。
  5. 前記第2木製構造部材は、基礎又は横架材に固定された柱であり、第1木製構造部材は、前記柱に固定された梁であり、前記プレート、前記第1押付部材、前記挿通ロッド、前記構造部材用固定部材及び前記第2押付部材は、前記梁を前記柱に引き寄せる柱頭金物を構成することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載した木製構造部材の補強構造。
  6. 第1木製構造部材と、該第1木製構造部材が固定される第2木製構造部材と、前記第1木製構造部材が前記第2木製構造部材に固定されるのを補強する補強構造を備えた木造建築物であって、
    前記第1構造部材に当てがわれるプレートと、
    前記第2木製構造部材又は他の構造部材に固定される構造部材用固定部材と、
    前記第1構造部材に設けられた構造部材挿通孔と前記プレートに設けられたプレート挿通孔に挿通される挿通ロッドと、
    前記挿通ロッドの一端側に取り付けられ、前記プレートに押し付けられる押付部材と、
    前記挿通ロッドの他端側に取り付けられ、前記挿通ロッドを前記構造部材用固定部材に接続する接続部材と
    を備え、
    前記第1木製構造部材には、前記構造部材挿通孔の周囲近傍に、前記挿通ロッドの軸方向に沿って、前記プレートが前記第1木製構造部材にめり込むのを防止するめり込み防止線状部材がねじ込まれ、該めり込み防止線状部材の頭部は前記プレートの下面に当接するようになっていることを特徴とする木造建築物。

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