JP2021147436A - エチレン系重合体粒子の製造方法および延伸成形体の製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体粒子の製造方法および延伸成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】(A)少なくとも下記の工程1〜3を経由して得られる微粒子と、 (工程1)金属ハロゲン化物と、アルコールとを炭化水素溶媒中で接触させる工程、(工程2)(工程1)で得られた成分と電子供与性化合物とを接触させる工程、 (工程3)(工程2)で得られた成分と有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物とを接触させる工程、(B)特定の遷移金属化合物とを含むオレフィン重合用触媒の存在下、エチレンの単独重合、またはエチレンと炭素原子数3〜20の直鎖状もしくは分岐状のα−オレフィンとを共重合させる、下記(E)を満たすエチレン系重合体粒子の製造方法。(E)デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度[η]が5〜50dl/g【効果】本発明に係るエチレン系重合体粒子の製造方法は、特定の工程を経て得られる微粒子をオレフィン重合用触媒の必須の構成成分として含むことにより、エチレン系重合体粒子の重合槽壁や攪拌翼などへのファウリングを極少に抑えることができ、かさ密度の高いエチレン系重合体粒子を得ることができ、さらに、当該方法により得られたエチレン系重合体粒子を延伸成形した際に、高強度の成形体を得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、延伸成形性に優れた超高分子量エチレン系重合体粒子を得ることができ、さらに工業上ハンドリングよく当該粒子を得ることができる製造方法に関する。また、当該粒子を用いた延伸成形体の製造方法に関する。
分子量が極めて高い、いわゆる超高分子量エチレン系重合体は、汎用のエチレン系重合体に比して耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、強度などに優れており、エンジニアリングプラスチックとして優れた特徴を有している。
しかし、超高分子量エチレン系重合体は、その分子量の高さ故に一般的な樹脂の成形法である溶融成形を行うことが困難といわれている。このため、超高分子量エチレン系重合体を成形する方法として、超高分子量エチレン系重合体を溶剤に溶解させて成形する方法や、超高分子量エチレン系重合体粒子を融点以下の温度で圧着させた後に延伸させる固相延伸成形法などが開発されている。
特許文献1には、特許文献2に記載のポストメタロセン触媒([3−t−Bu−2−O−C63CH=N(C65)]2TiCl2)を用いて得られた超高分子量ポリエチレンを固相延伸成形法によって成形した成形体の強度が3GPa以上となる旨の開示がなされている。しかしながら、特許文献1に記載されている重合方法では、上述した触媒成分を担持するための無機固体成分などの担体を使用していないため、重合反応時に重合槽壁や攪拌翼などに重合体が付着する現象、いわゆるファウリングの発生が予想される。このため、特許文献1に記載のエチレン系重合体の製造方法では、工業的な安定生産が非常に困難であると想定される。さらに、当該方法では、触媒活性を発現させるため、助触媒として高価な有機アルミニウムオキシ化合物が大量に必要であり、このため重合体中に含まれる無機成分を除くための脱灰工程が別途必要となり、工業的な生産ではコストが非常に高くなることが予想される。
一方、超高分子量エチレン系重合体の製造において、特許文献3、4などに記載されているようなマグネシウム化合物を担体として用いるチタン系の担持型触媒や、特許文献5などに記載された有機アルミニウムオキシ化合物で処理したSiO2からなる無機固体成分などの担体に遷移金属化合物を担持した担持型触媒を用いるとファウリングを抑制することができるため、工業的な生産が可能となることが知られている。しかしながら、このような担持型触媒を用いて製造された超高分子量エチレン系重合体粒子では、固相延伸成形を行っても十分な強度の成形体が得られていない(特許文献6など)。
国際公開第2009/007045号パンフレット 特開平11−315109号公報 特開平3−130116号公報 特開平7−156173号公報 特開2000−297114号公報 特開平9−254252号公報
前記背景技術から鑑みた、本発明が解決しようとする課題は、延伸成形性に優れた超高分子量エチレン系重合体粒子を工業上ハンドリングよく、さらに低コストで得ることができる製造方法を提供すること、および、当該粒子を用いた延伸成形体の製造方法を提供することである。
前記課題を解決する本発明は、例えば下記[1]〜[7]に関する。
[1]
(A)少なくとも下記の工程1〜3を経由して得られる微粒子と、
(工程1)金属ハロゲン化物と、アルコールとを炭化水素溶媒中で接触させる工程、
(工程2)(工程1)で得られた成分と電子供与性化合物とを接触させる工程、
(工程3)(工程2)で得られた成分と有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物とを接触させる工程、
(B)下記一般式(I)または一般式(II)で表される遷移金属化合物
とを含むオレフィン重合用触媒の存在下、エチレンの単独重合、またはエチレンと炭素原子数3〜20の直鎖状もしくは分岐状のα−オレフィンとを共重合させる、下記(E)を満たすエチレン系重合体粒子の製造方法。
(E)デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度[η]が5〜50dl/g
Figure 2021147436
(式(I)中、Mは周期表第4、5族の遷移金属原子を示し、
mは1〜4の整数を示し、
1〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
6は、水素原子、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン原子から選ばれ、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 2021147436
(式(II)中、Mは、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムを示し、
11〜R18は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの隣接する2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
1およびX2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、水素原子またはハロゲン原子を示し、
Yは、2価の炭化水素基、2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NR−、−P(R)−、−P(O)(R)−、−BR−または−AlR−〔ただし、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基である。〕)
[2]
前記電子供与性化合物が、アルデヒド類、カルボン酸類およびその無水物、ケトン類、有機酸ハライド、有機酸エステル、エーテル類、エポキシド類から選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載のエチレン系重合体粒子の製造方法。
[3]
前記工程3における接触温度が20℃以下である、[1]または[2]に記載のエチレン系重合体粒子の製造方法。
[4]
前記(B)遷移金属化合物が、前記一般式(I)で表される遷移金属化合物であり、
Mが、周期表第4族の遷移金属原子であり、
mは2であり、
1は、炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基、炭素原子数3〜20の脂環族炭化水素基、または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基から選ばれる基を示し、
2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、または炭化水素基を示し、
6は、炭素原子数5以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基、および芳香族炭化水素基から選ばれ、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、または炭化水素基を示す、[1]〜[3]のいずれかに記載のエチレン系重合体粒子の製造方法。
[5]
前記エチレンの単独重合、またはエチレンと炭素原子数3〜20の直鎖状もしくは分岐状のα−オレフィンとの共重合が、多段重合で行われる、[1]〜[4]のいずれかに記載のエチレン系重合体粒子の製造方法。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法により得られたエチレン系重合体粒子を延伸成形する延伸成形体の製造方法。
[7]
前記エチレン系重合体粒子を固相延伸成形する[6]に記載の延伸成形体の製造方法。
本発明に係るエチレン系重合体粒子の製造方法は、特定の工程を経て得られる微粒子をオレフィン重合用触媒の必須の構成成分として含むことにより、エチレン系重合体粒子の重合槽壁や攪拌翼などへのファウリングを極少に抑えることができ、かさ密度の高いエチレン系重合体粒子を得ることができ、さらに、当該方法により得られたエチレン系重合体粒子を延伸成形した際に、高強度の成形体を得ることができる。このように、本発明は、エチレン系重合体粒子の製造時における工業上の有利性およびエチレン系重合体粒子の物性上の優位性という2つの効果が高度にバランスしたものである。
以下、本発明に係るエチレン系重合体粒子の製造方法、および、延伸成形体の製造方法についてさらに詳細に説明する。なお、本発明においてエチレン系重合体粒子とはエチレンを主成分とする重合体粒子を意味し、エチレン単独重合体粒子およびエチレンとα−オレフィンとの共重合体粒子を包含する。
<オレフィン重合用触媒>
本発明に係るエチレン系重合体粒子の製造方法に用いるオレフィン重合用触媒は、
(A)特定の工程により得られる微粒子と、
(B)一般式(I)または一般式(II)で表される遷移金属化合物
とを含むことを特徴とする。
以下、上記(A)、(B)成分、および、必要に応じて用いることのできるその他の成分について詳述する。
[(A)特定の工程により得られる微粒子]
本発明で用いられる微粒子は、少なくとも下記の工程1〜3を経由して得られる。
(工程1)金属ハロゲン化物と、アルコールとを炭化水素溶媒中で接触させる工程、
(工程2)(工程1)で得られた成分と電子供与性化合物とを接触させる工程、
(工程3)(工程2)で得られた成分と有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物とを接触させる工程、
以下、各工程の内容および各工程において用いられる化合物について説明する。
○工程1
工程1は、金属ハロゲン化物とアルコールとを炭化水素溶媒中で接触させて、金属ハロゲン化物のアルコール錯体を形成させ、液状状態とする工程である。
工程1は、通常金属ハロゲン化物が液状状態となる反応条件であれば特に制限はないが、通常、常圧加熱下、または加圧加熱下で行われる。常圧加熱下で行う場合は、使用する炭化水素溶媒の沸点までの温度を任意に選択することができ、加圧加熱下で行う場合は、使用する炭化水素溶媒またはアルコールの加圧下での沸点までの温度を任意に選択することができる。
工程1で金属ハロゲン化物とアルコールとを炭化水素溶媒中で接触させるに当たっては、通常の撹拌混合で実行可能である。撹拌に用いる機器としては、一般に用いられる公知の攪拌機などを挙げることができる。
・金属ハロゲン化物
本発明で用いられる金属ハロゲン化物の好ましい例としては、CdCl2型またはCdI2型の層状結晶構造を有するイオン結合性化合物が挙げられる。CdCl2型結晶構造を有する化合物として具体的には、例えばCdCl2、MnCl2、FeCl2、CoCl2、NiI2、NiCl2、MgCl2、ZnBr2、CrCl3などが挙げられる。CdI2型結晶構造を有する化合物として具体的には、例えばCdBr2、FeBr2、CoBr2、NiBr2、CdI2、MgI2、CaI2、ZnI2、PbI2、MnI2、FeI2、CoI2、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Cd(OH)2、Mn(OH)2、Fe(OH)2、Co(OH)2、Ni(OH)2、ZrS4、SnS4、TiS4、PtS4などが挙げられる。
これらのうち好ましくは、CdBr2、FeBr2、CoBr2、NiBr2、CdI2、MgI2、CaI2、ZnI2、PbI2、MnI2、FeI2、CoI2、CdCl2、MnCl2、FeCl2、CoCl2、NiI2、NiCl2、MgCl2、ZnBr2であり、より好ましくは、MnCl2、FeCl2、CoCl2、NiCl2、MgCl2であり、最も好ましくは、MgCl2である。
上記のようなイオン結合性化合物は、最終的に触媒中に含まれていればよく、必ずしもイオン結合性化合物自体を用いなければならないわけではない。したがって、触媒の調製時に、イオン結合性化合物を形成しうる化合物を用いてイオン結合性化合物を形成させて最終的に触媒中に存在させるようにしてもよい。つまり、CdCl2型またはCdI2型の結晶構造のいずれにも属さない化合物を用いて、触媒の調製の途中で、該化合物とハロゲン含有化合物または水酸基含有化合物とを接触反応させ、最終的に得られる触媒中においてイオン結合性化合物としてもよい。
例えば、MgCl2またはMgI2を形成させて最終的に触媒成分中に存在させる場合には、これらを形成しうる化合物として、還元能を有するマグネシウム化合物および還元能を有しないマグネシウム化合物を出発物質として用いることができる。還元能を有するマグネシウム化合物としては、例えば下式で表される有機マグネシウム化合物が挙げられる。
nMgR2-n
(式中、nは0≦n<2であり、Rは水素または炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜21のアリール基または炭素原子数5〜20のシクロアルキル基であり、nが0である場合2個のRは同一でも異なっていてもよい。Xはハロゲンである。)
このような還元能を有する有機マグネシウム化合物として具体的には、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、オクチルブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどのジアルキルマグネシウム化合物;エチル塩化マグネシウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化マグネシウムなどのアルキルマグネシウムハライド;ブチルエトキシマグネシウム、エチルブトキシマグネシウム、オクチルブトキシマグネシウムなどのアルキルマグネシウムアルコキシド;その他エチルマグネシウムハイドライド、プロピルマグネシウムハイドライド、ブチルマグネシウムハイドライドなどのアルキルマグネシウムハイドライドが挙げられる。
還元能を有しない有機マグネシウム化合物の具体的な例としては、メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムなどのアリロキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n−オクトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;ジフェノキシマグネシウム、メチルフェノキシマグネシウムなどのアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などが挙げられる。
その他マグネシウム金属、水素化マグネシウムなどを用いることもできる。これら還元能を有さないマグネシウム化合物は、上述した還元能を有するマグネシウム化合物から誘導した化合物、または触媒の調製時に誘導した化合物であってもよい。還元能を有さないマグネシウム化合物を、還元能を有するマグネシウム化合物から誘導するには、例えば、還元能を有するマグネシウム化合物を、ポリシロキサン化合物、ハロゲン含有シラン化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、エステル、アルコール、ハロゲン含有化合物、またはOH基や活性な炭素−酸素結合を有する化合物と接触させればよい。
なお、上記の還元能を有するマグネシウム化合物および還元能を有さないマグネシウム化合物は、例えばアルミニウム、亜鉛、ホウ素、ベリリウム、ナトリウム、カリウムなどの他の有機金属化合物との錯化合物、複化合物を形成していてもよく、または混合物であってもよい。さらに、マグネシウム化合物は単独であってもよく、上記の化合物を2種以上組み合わせてもよく、また液状状態で用いても固体状態で用いてもよい。還元能を有するマグネシウム化合物または還元能を有さないマグネシウム化合物が固体である場合、後述するアルコールを用いて液状状態にすることが好ましい。
・アルコール
本発明で用いられるアルコールとしては、炭素原子数1〜25のアルコールが挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ヘキシルドデカノール、2−オクチルデカノール、2−オクチルドデカノール、イソヘキサデカノール、イソエイコサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素原子数1〜25のアルコール類;トリクロロメタノール、トリクロロエタノール、トリクロロヘキサノールなどの炭素原子数1〜25のハロゲン含有アルコール類;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなどの低級アルキル基を有してもよい炭素原子数6〜25のフェノール類などが挙げられる。
これらのアルコールは1種単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
金属ハロゲン化物を液状状態にするに当たり、用いるアルコールの量は、金属ハロゲン化物が溶解する量であれば特に制限はないが、金属ハロゲン化物1モル当たり、0.1〜50モルであり、好ましくは0.5〜30モルであり、より好ましくは1〜20モルであり、さらに好ましくは2〜15モルである。
・炭化水素溶媒
本発明で用いられる炭化水素溶媒には、特に制限がないが、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができる。
これらのうち、溶解性と反応温度の観点からデカン、ドデカン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンが好ましく用いられる。
金属ハロゲン化物を液状状態にするに当たり、用いられる炭化水素溶媒の量は、金属ハロゲン化物が溶解する量であれば特に制限はないが、金属ハロゲン化物1モル当たり、0.1〜100モルであることが好ましく、より好ましくは0.2〜50モルであり、さらに好ましくは0.3〜40モルであり、特に好ましくは0.5〜30モルである。
〇工程2
工程2は、工程1で得られた成分と電子供与性化合物とを接触させる工程である。
工程1の後に工程2を行い、その後工程3を行うと、工程1の後に工程2を行わずに工程3を行う場合よりも、粒径の大きい微粒子が得られる。これは、工程1で得られた成分と電子供与性化合物とを接触させることで、工程3における金属ハロゲン化物の析出および凝集が促進され、その結果、金属ハロゲン化物の粒子が大きくなるからであると考えられる。このときの粒子は、一次粒子か、またはその凝集物かは明らかではない。
工程2で使用する電子供与性化合物としては、例えば、アルデヒド類、カルボン酸類およびその無水物、ケトン類、有機酸ハライド、有機酸エステル、エーテル類、エポキシド類からなる群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
前記電子供与性化合物として、より具体的には、
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素原子数2〜15のアルデヒド類;
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、安息香酸、トルイル酸、フタル酸、テレフタル酸などの炭素原子数1〜20のカルボン酸類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭素原子数3〜15のケトン類;
アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素原子数2〜15の酸ハライド類;
ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、トリクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチレンなどの有機酸エステル類;
メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素原子数2〜20のエーテル類;
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロロヒドリンなどのエポキシド類;
無水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物類
などを例示することができる。
これらの中でも、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、トリクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチレンなどの有機酸エステル類と無水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物類が特に好ましい。
工程2を含む本発明の製造方法においては、かさ密度の高いエチレン系重合体粒子を得ることができる。かさ密度の高いエチレン系重合体粒子を得るという観点からは、工程2で用いられる電子供与性化合物の量としては、電子供与性化合物と工程1で得られた成分中の金属ハロゲン化物とのモル比(電子供与性化合物/金属ハロゲン化物)が0.01以上となる量であることが好ましく、0.05〜0.5となる量であることがより好ましい。工程2で用いられる電子供与性化合物の量が前記範囲であると、かさ密度の高いエチレン系重合体粒子を得ることができ、さらに、エチレン系重合体粒子の生産性が向上する。
工程1で得られた成分と電子供与性化合物との接触は、工程1で用いた炭化水素溶媒と同様の溶媒中で行うことができる。
工程1で得られた成分と電子供与性化合物との接触温度は、特に制限はなく、例えば0〜200℃であり、好ましくは20〜150℃である。
工程1で得られた成分と電子供与性化合物との接触時間は、特に制限はなく、例えば1分〜3時間であり、好ましくは5分〜2時間である。
〇工程3
工程3は、工程2で得られた液状状態の金属ハロゲン化物のアルコール錯体に有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物を接触させて、溶解した金属ハロゲン化物を析出させ、微粒子を製造する工程である。
工程3は、通常溶解した金属ハロゲン化物が析出する反応条件で行われるが、好ましくは、温度−50〜200℃、より好ましくは、−40〜150℃、さらに好ましくは−30〜120℃で行われる。
前述のとおり、工程2を含む本発明の製造方法においては、かさ密度の高いエチレン系重合体粒子を得ることができる。かさ密度の高いエチレン系重合体粒子を得るという観点からは、工程2で得られた成分と、有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物との接触温度は20℃以下であることが好ましく、−30〜10℃であることがより好ましい。この接触温度で、工程2で得られた成分と、有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物との接触を行い、その後上記温度範囲で金属ハロゲン化物を析出させることが好ましい。
また、かさ密度の高いエチレン系重合体粒子を得るという観点からは、工程3における金属ハロゲン化物の合成濃度を0.01モル/L以上にすることが好ましく、0.02〜0.2モル/Lとすることがより好ましい。
また、工程3の進行においては、有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物を溶液中に添加するに当たり、反応器内の溶液を攪拌混合しながら行う。攪拌混合は、通常の撹拌条件であってもよいが、高速で攪拌混合することを要することもある。
高速攪拌に用いる機器としては、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)、ナショナルクッキングミキサー(松下電器産業社製)などのバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(日本精機社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)などの連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業社製)などのバッチまたは連続両用乳化機、マイクロフルイダイザー(みづほ工業社製)、ナノメーカー、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVゴーリン(ゴーリン社製)などの高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)などの膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)などの振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)などの超音波乳化機などを挙げることができる。また、高速で攪拌混合する場合、攪拌速度としては5000rpm以上が好ましい。
・有機アルミニウム化合物
本発明で用いることのできる有機アルミニウム化合物としては、下記式(Al−1)、(Al−2)または(Al−3)で表される化合物が挙げられる。
a nAlX3-n (Al−1)
(式(Al−1)中、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
炭素原子数1〜12の炭化水素基は、例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には以下のような化合物が挙げられる。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
また、下記式で表される有機アルミニウム化合物を用いることもできる。
a nAlY3-n (Al−2)
(式(Al−2)中、Raは上記式(Al−1)と同様であり、Yは−ORb基、−OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiRf 3基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2であり、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Reは水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基などである。)
式(Al−2)で表される有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が用いられる。
(i)Ra nAl(ORb3-nで表される化合物、例えば
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウム−2−エチルヘキソキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド。
(ii)Ra nAl(OSiRc 33-nで表される化合物、例えば
Et2Al(OSiMe3)、(iso−Bu)2Al(OSiMe3)、(iso−Bu)2Al(OSiEt3)など。
(iii)Ra nAl(OAlRd 23-nで表される化合物、例えば
Et2AlOAlEt2、(iso−Bu)2AlOAl(iso−Bu)2など。
(iv)Ra nAl(NRe 23-nで表される化合物、例えば
Me2AlNEt2、Et2AlNHMe、Me2AlNHEt、Et2AlN(Me3Si)2、(iso−Bu)2AlN(Me3Si)2など、
(v)Ra nAl(SiRf 33-n で表される化合物、例えば
(iso−Bu)2AlSiMe3など。
(vi)Ra nAl〔N(Rg)−AlRh 23-nで表される化合物、例えば
Et2AlN(Me)−AlEt2、(iso−Bu)2AlN(Et)Al(iso−Bu)2など。
また、有機アルミニウム化合物として、第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物である下記式(Al−3)で表される化合物を用いることができる。
1AlRj 4 (Al−3)
(式(Al−3)中、M1はLi、Na、Kであり、Rjは炭素原子数1〜15の炭化水素基である。)
具体的には、LiAl(C254、LiAl(C7154などが挙げられる。
上述した有機アルミニウム化合物のうち、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドが特に好ましい。
溶解した金属ハロゲン化物を析出させ、微粒子を製造するに当たり、用いられる有機アルミニウム化合物の量は、金属ハロゲン化物1モル当たり、0.1〜50モルであることが好ましく、より好ましくは0.2〜30モルであり、さらに好ましくは0.5〜20モルであり、特に好ましくは1.0〜10モルである。
・有機アルミニウムオキシ化合物
本発明で用いることのできる有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。有機アルミニウムオキシ化合物としては、具体的には、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサンなどが挙げられる。
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお前記アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有していてもよい。また、回収された上記のアルミノキサン溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、得られたアルミノキサンを溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物、とりわけ塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
また、本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であることが好ましい。
本発明で用いることのできる有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物も例として挙げることができる。
Figure 2021147436
(一般式(III)中、R21は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示し、4つのR22は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。)
前記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(IV)で表されるアルキルボロン酸と、有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
22−B(OH)2 ・・・(IV)
(一般式(IV)中、R22は前記一般式(III)におけるR22と同じ基を示す。)
前記一般式(IV)で表されるアルキルボロン酸の具体的な例としては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。前記有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
上記のような有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶解した金属ハロゲン化物を析出させ、微粒子を製造するに当たり、用いられる有機アルミニウムオキシ化合物の量は、金属ハロゲン化物1モル当たり、0.1〜50モルであることが好ましく、より好ましくは0.2〜30モルであり、さらに好ましくは0.5〜20モルであり、特に好ましくは1.0〜10モルである。
なお、金属ハロゲン化物を析出させる場合に使用する有機アルミニウムオキシ化合物の量は、特許文献1に記載されている有機アルミニウムオキシ化合物を助触媒として用いている量と比べると微量である。
○微粒子
少なくとも上記の工程1〜3を経て得られる微粒子は、一次粒子であっても、その凝集物であっても良い。
一次粒子の場合、動的光散乱法で測定した平均粒径が好ましくは1nm以上、500nm以下、より好ましくは1nm以上、400nm以下、さらに好ましくは1nm以上、300nm以下、特に好ましくは1nm以上、250nm以下である。
凝集物は上記の平均粒径を有する一次粒子が凝集したものである。凝集物の平均粒径は特に限定されない。
このような粒子を用いることが好ましい理由としては、以下の様なことが考えられる。前記の微粒子を触媒の担体として用いることで、担体の比表面積が大きくなるため、後述する(B)遷移金属化合物を担持した場合に生成されるエチレン重合時の活性点間の距離が長くなる。このように活性点間距離が長くなると、活性点廻りの発熱が少なくなり、生成するエチレン系重合体の結晶化温度が低くなり、ラメラ厚みが薄くなる。また、生成するエチレン系重合体の重合体分子鎖の絡み合いを少なくすることも可能となる。このような特徴から、本発明における微粒子を触媒の担体として用いると、得られるエチレン系重合体粒子は、延伸時に結晶部の破砕が容易となるため、延伸性が高くなり、結果として配向度が高くなり高強度が発現すると予想される。
また、このような微粒子を触媒の担体として用いることで、上述の通り担体の比表面積が大きくなるため、既存の担体と同様の活性点間距離を確保する場合、担体粒子当たりの遷移金属化合物の担持量を増やすことが可能となり、触媒重量当たりのオレフィン重合活性を高くできる。さらに、重合時にモノマーの拡散が良好となり、また、後述する(C)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物や、(D)有機アルミニウムオキシ化合物をオレフィン重合用触媒の成分として用いた場合には、これらの化合物と担体に担持した(B)遷移金属化合物との接触確率が高まるため、効率よく活性点が形成されると考えられる。このような特徴から、本発明における微粒子を触媒の担体として用いると、触媒活性を向上させることも可能となるものと予想される。
[(B)遷移金属化合物]
本発明で用いられる遷移金属化合物は、後述するエチレン系重合体粒子の極限粘度や結晶化度などを実現できる限り、公知のメタロセン化合物や、いわゆるポストメタロセンなどの特定の有機遷移金属錯体化合物を制限なく使用することができる。
本発明におけるオレフィン重合用触媒に含まれる(B)遷移金属化合物としては、特に特許文献2に記載の、いわゆるフェノキシイミン配位子を有する有機遷移金属錯体が好ましい。具体的には、下記一般式(I)の様な構造式を有する有機遷移金属錯体が好ましい態様として挙げられる。
Figure 2021147436
上記一般式(I)において、Mは周期表第4、5族の遷移金属原子を示し、好ましくは4族の遷移金属原子である。具体的には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどであり、より好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはチタンまたはジルコニウムである。
なお、一般式(I)においてNとMとを繋ぐ点線は、一般的にはNがMに配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。
上記一般式(I)において、mは1〜4の整数、好ましくは2〜4の整数、さらに好ましくは2を示す。
上記一般式(I)において、R1〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記炭化水素基としては、炭素原子数1〜30の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜30の環状炭化水素基、または炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;
エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜10の直鎖状または分岐状のアルキニル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20、さらに好ましくは3〜10の環状飽和炭化水素基;
シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基などの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜10のアリール基;
トリル基、iso−プロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基などのアルキル置換アリール基;
などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、そのような水素原子がハロゲンで置換された炭化水素基として、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、クロロフェニル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、そのような炭化水素基で置換された炭化水素基として、例えば、ベンジル基、クミル基などのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;
アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;
アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;
ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;
メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;
ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基;
ケイ素含有基;ゲルマニウム含有基;またはスズ含有基を有していてもよい。
前記ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
前記ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基などが挙げられ、より具体的には、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などが挙げられる。これらの中では、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基などが好ましく、特にトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基が好ましい。前記炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシ基などが挙げられる。
前記ゲルマニウム含有基または前記スズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムまたはスズに置換した基が挙げられる。
上記炭化水素基が有していてもよい基として挙げた基のうち、
アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられ、
アリーロキシ基として具体的には、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基などが挙げられ、
エステル基として具体的には、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基などが挙げられ、
アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基などが挙げられ、
アミノ基として具体的には、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられ、
イミノ基として具体的には、メチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、ブチルイミノ基、フェニルイミノ基などが挙げられ、
アミド基として具体的には、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基などが挙げられ、
イミド基として具体的には、アセトイミド基、ベンズイミド基などが挙げられ、
チオエステル基として具体的には、アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基、メチルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基などが挙げられ、
アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられ、
アリールチオ基として具体的には、フェニルチオ基、メチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基などが挙げられ、
スルホンエステル基として具体的には、スルホン酸メチル基、スルホン酸エチル基、スルホン酸フェニル基などが挙げられ、
スルホンアミド基として具体的には、フェニルスルホンアミド基、N−メチルスルホンアミド基、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド基などが挙げられる。
上記炭化水素基としては、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基もしくはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基が好ましい。
1〜R5は、前述のようにヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基になり得るが、これらの例としては、上記炭化水素基の説明にて例示したものと同様のものが挙げられる。
上記一般式(I)のR1〜R5のうちR1については、オレフィン重合触媒活性の観点および高分子量のエチレン系重合体を与えるという観点から、炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基、炭素原子数3〜20の脂環族炭化水素基、または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基から選ばれる基であることが好ましい。
上記一般式(I)において、R6は、水素原子、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン原子から選ばれる。これらのうち、オレフィン重合触媒活性の観点、高分子量のエチレン重合体を与えるという観点および重合時の水素耐性の観点から、炭素原子数4以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基から選ばれる基であることが好ましく、より好ましくはt−ブチル基などの分岐型炭化水素基;ベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基(クミル基)、1−メチル−1,1−ジフェニルエチル基、1,1,1−トリフェニルメチル基(トリチル基)などのアリール置換アルキル基;1位に炭化水素基を有するシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデシル基などの炭素数6〜15の脂環族または複式環構造を有する脂環族炭化水素基が挙げられる。
上記一般式(I)においてnは、Mの価数を満たす数であり、
上記一般式(I)においてXは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
Xにおいて、前記ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、上記R1〜R5の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。これらのうち、好ましくはハロゲン原子や炭化水素基である。
本発明において一般式(I)で表される遷移金属化合物は、前述した特許文献3に記載の製造方法により制限なく製造することができる。
また、本発明におけるオレフィン重合用触媒に含まれる遷移金属化合物としては、下記一般式(II)で表されるメタロセン系化合物も挙げられる。
Figure 2021147436
一般式(II)中、Mは、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムを示す。
一般式(II)において、R11〜R18は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの隣接する2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
11〜R18において、前記ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、上記一般式(I)のR1〜R5の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
一般式(II)において、X1およびX2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、水素原子またはハロゲン原子を示す。
一般式(II)において、Yは、2価の炭化水素基、2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NR−、−P(R)−、−P(O)(R)−、−BR−または−AlR−〔ただし、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基である〕を示す。Yにおいて、前記炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ハロゲン原子としては、上記一般式(I)のR1〜R5の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
上記のようなメタロセン系化合物の好ましい例示としては、国際公開第01/27124号パンフレットや、国際公開第2004/029062号パンフレットなどに記載された構造の化合物が挙げられる。
これらのうち、本発明に特に好ましく用いることのできるメタロセン系化合物の例示としては、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
さらには、上記記載化合物の「ジルコニウム」を「ハフニウム」や「チタニウム」に変えた化合物や、「シクロペンタジエニル」を「3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル」、「3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル」、「3−tert−ブチル−シクロペンタジエニル」、「3−メチル−シクロペンタジエニル」などに変えた化合物なども好ましい例として挙げられる。
[オレフィン重合用触媒に用いることのできるその他の成分]
本発明に係るエチレン系重合体粒子の製造方法に用いるオレフィン重合用触媒は、上述した(A),(B)成分を含むことを必須とする。
当該エチレン系重合体粒子の製造方法をより高活性で行うことや、得られるエチレン系重合体粒子の物性を調整する目的において、当該オレフィン重合用触媒に(A),(B)成分以外のその他の成分を追加で用いることもできる。
当該その他の成分は、(A),(B)成分を含むオレフィン重合用触媒の性能を阻害させない限りにおいて、特に制限することなく用いることができる。それらのうち、代表的に用いられ得る、(C):(B)成分と反応してイオン対を形成する化合物、および(D)有機アルミニウムオキシ化合物について、以下に説明する。
[(C):(B)成分と反応してイオン対を形成する化合物]
本発明において、オレフィン重合用触媒の成分として用いることのできる、(B)成分と反応してイオン対を形成する化合物(C)としては、有機アルミニウム化合物、ハロゲン化ホウ素化合物、ハロゲン化リン化合物、ハロゲン化イオウ化合物、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化シラン化合物、ハロゲン化ゲルマニウム化合物、ハロゲン化錫化合物などが挙げられる。
これらのうち、有機アルミニウム化合物としては、上述した(A)微粒子の製造に用いられる有機アルミニウム化合物を好ましい化合物として例示できる。
また、ハロゲン化ホウ素化合物、ハロゲン化リン化合物、ハロゲン化イオウ化合物、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化シラン化合物、ハロゲン化ゲルマニウム化合物、ハロゲン化錫化合物としては、具体的には以下の化合物などが用いられる。
三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素などのハロゲン化ホウ素化合物;
三塩化リン、三臭化リン、三ヨウ化リン、五塩化リン、五臭化リン、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、メチルジクロロホスフィン、エチルジクロロホスフィン、プロピルジクロロホスフィン、ブチルジクロロホスフィン、シクロヘキシルジクロロホスフィン、フェニルジクロロホスフィン、メチルジクロロホスフィンオキシド、エチルジクロロホスフィンオキシド、ブチルジクロロホスフィンオキシド、シクロヘキシルジクロロホスフィンオキシド、フェニルジクロロホスフィンオキシド、メチルフェニルクロロホスフィンオキシド、ジブロモトリフェニルホスホラン、テトラエチルホスホニウムクロリド、ジメチルジフェニルホスホニウムヨージド、エチルトリフェニルホスホニウムクロリド、アリルトリフェニルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、アリルトリフェニルホスホニウムブロミド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドなどのハロゲン化リン化合物;
二塩化イオウ、塩化チオニル、塩化スルフリル、臭化チオニルなどのハロゲン化イオウ化合物;
四フッ化チタン、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、メトキシトリクロロチタン、エトキシトリクロロチタン、ブトキシトリクロロチタン、エトキシトリブロモチタン、ブトキシトリブロモチタン、ジメトキシジクロロチタン、ジエトキシジクロロチタン、ジブトキシジクロロチタン、ジエトキシジブロモチタン、トリメトキシクロロチタン、トリエトキシクロロチタン、トリブトキシクロロチタン、トリエトキシブロモチタンなどのハロゲン化チタン化合物;
四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、メトキシトリクロロシラン、エトキシトリクロロシラン、ブトキシトリクロロシラン、エトキシトリブロモシラン、ブトキシトリブロモシラン、ジメトキシジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、ジブトキシジクロロシラン、ジエトキシジブロモシラン、トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリブトキシクロロシラン、トリエトキシブロモシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリフェニルクロロシランなどのハロゲン化シラン化合物;
四フッ化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、四ヨウ化ゲルマニウム、メトキシトリクロロゲルマニウム、エトキシトリクロロゲルマニウム、ブトキシトリクロロゲルマニウム、エトキシトリブロモゲルマニウム、ブトキシトリブロモゲルマニウム、ジメトキシジクロロゲルマニウム、ジエトキシジクロロゲルマニウム、ジブトキシジクロロゲルマニウム、ジエトキシジブロモゲルマニウム、トリメトキシクロロゲルマニウム、トリエトキシクロロゲルマニウム、トリブトキシクロロゲルマニウム、トリエトキシブロモゲルマニウムなどのハロゲン化ゲルマニウム化合物;
四フッ化錫、四塩化錫、四臭化錫、四ヨウ化錫、メトキシトリクロロ錫、エトキシトリクロロ錫、ブトキシトリクロロ錫、エトキシトリブロモ錫、ブトキシトリブロモ錫、ジメトキシジクロロ錫、ジエトキシジクロロ錫、ジブトキシジクロロ錫、ジエトキシジブロモ錫、トリメトキシクロロ錫、トリエトキシクロロ錫、トリブトキシクロロ錫、トリエトキシブロモ錫、メチルトリクロロ錫、エチルトリクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、フェニルトリクロロ錫、ジメチルジクロロ錫、ジエチルジクロロ錫、ジブチルジクロロ錫、ジフェニルジクロロ錫、トリメチルクロロ錫、トリエチルクロロ錫、トリブチルクロロ錫、トリフェニルクロロ錫などのハロゲン化錫化合物。
これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、炭化水素、ハロゲン化炭化水素に希釈してもよい。
これらの(C)成分として例示される化合物の具体例のうち、好ましくは、トリアルキルアルミニム、アルケニルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、アルキルアルミニウムアルコキシド、(iso−Bu)2Al(OSiMe3)、(iso−Bu)2Al(OSiEt3)、Et2AlOAlEt2、(iso−Bu)2AlOAl(iso−Bu)2、LiAl(C254、ハロゲン化シラン化合物およびハロゲン化チタン化合物であり、より好ましくは、トリアルキルアルミニウム、アルケニルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、アルキルアルミニウムアルコキシドが挙げられ、より好ましくは、トリアルキルアルミニウムおよびアルキルアルミニウムハライドであり、さらに好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドである。
[(D)有機アルミニウムオキシ化合物]
本発明において、オレフィン重合用触媒の成分として用いることのできる(D)有機アルミニウムオキシ化合物としては、上述した(A)微粒子を製造する際の(工程3)で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物として説明したものと同様のものを用いることができる。
<エチレン系重合体粒子の製造方法>
本発明に係るエチレン系重合体粒子の製造方法は、上記のような(A)微粒子、(B)遷移金属化合物を含むオレフィン重合用触媒の存在下、エチレンを単独重合、もしくはエチレンと炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンとを共重合させる。
本発明に係るエチレン系重合体粒子の製造方法では、重合は、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して(B)成分は、反応容積1リットル当り、(B)成分中の金属原子として、通常10-11〜10ミリモル、好ましくは10-9〜1ミリモルとなるような量で用いられる。(A)成分1g当たり、(B)成分は、通常10-4〜100ミリモル、好ましくは10-3〜50ミリモルとなるような量で用いられる。
また、(C)成分を用いる場合には、(C)成分と(B)成分中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(C)/M〕が通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となるような量で用いられる。
また、(D)成分を用いる場合には、(D)成分と(B)成分中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(D)/M〕が通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となるような量で用いられる。
このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合温度の下限は−20℃、好ましくは0℃、さらに好ましくは20℃、特に好ましくは30℃であり、オレフィンの重合温度の上限は、150℃、好ましくは120℃、さらに好ましくは100℃、特に好ましくは80℃である。
特に本発明において得られたエチレン系重合体粒子を固相延伸成形する場合、重合温度の上記範囲は、触媒活性と重合体分子鎖の絡み合い抑制とのバランスの観点から特に好ましいと考えられる。
重合圧力は、通常、常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜5MPaの条件下である。
前述のとおり、本発明に係るエチレン系重合体粒子の製造方法は前記工程(2)を含むことから、かさ密度が高いエチレン系重合体粒子を製造することができ、エチレン系重合体粒子の生産性を向上させることができる。さらには、エチレン系重合体粒子製造時のファウリングをより効果的に抑制することもできる。
本発明において、かさ密度の高いエチレン系重合体粒子を得るためには、前述のとおり、
(i)工程2において、電子供与性化合物と工程1で得られた成分中の金属ハロゲン化物とのモル比(電子供与性化合物/金属ハロゲン化物)を調整すること
(ii)工程3における金属ハロゲン化物の合成濃度を調整すること
(iii)工程3において、工程2で得られた成分と、有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物との接触温度を調整すること
を行うことが好ましい。
本発明のエチレン系重合体の製造方法は、重合反応の条件を変えて二段以上に分けて反応を行う、いわゆる多段重合方法であってもよい。
本発明においてエチレン系重合体の重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。上記のような多段階の重合工程で製造する場合は、回分式を採用することが好ましい。回分式プロセスで得られるエチレン系重合体は、組成物粒子毎の一段目の重合工程と二段目の重合工程で得られるエチレン系重合体のバラツキが少なく、均一分散構造により有利であると考えられるためである。
得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度や重合圧力を変化させることによって調節することができる。さらに、オレフィン重合用触媒中に存在させる(C)成分または(D)成分の量により調節することもできる。
本発明において重合するオレフィンとしては、少なくともエチレンを含む炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン;炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン;極性モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などのα,β−不飽和カルボン酸、これらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのα,β−不飽和カルボン酸金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジルエステルなどが挙げられる。また、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなどを用いることもできる。ジエンまたはポリエンとしては、炭素原子数4〜30、好ましくは4〜20の2個以上の二重結合を有する環状または鎖状の化合物が用いられる。具体的には、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン;7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン;さらに芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどのモノまたはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
<エチレン系重合体粒子>
本発明に係るエチレン系重合体粒子の製造方法により得られるエチレン系重合体粒子は、以下の特徴を有することが好ましい。
(i)極限粘度[η]が、5〜50dl/gの範囲であり、
(ii)結晶化度が、70%以上である。
上記の極限粘度[η]は、デカリン溶媒中、135℃で測定した値である。極限粘度[η]の範囲は、5〜50dl/g、好ましくは10〜50dl/g、より好ましくは15〜50dl/gである。5dl/g未満では、延伸繊維の強度が不足し、50dl/gを超えるとプレス、延伸でポリオレフィン粉体の粒界の接合が不十分で、均一な延伸が困難となる。
上記エチレン系重合体粒子の結晶化度は、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いてその融解熱量から算出される値である。エチレン系重合体粒子の結晶化度の下限は、通常は70%、好ましくは75%、より好ましくは80%である。結晶化度の上限については、高ければ高いほど高強度の成形体を得ることができ、体積収縮などの歪みや変形が起こり難い傾向にあるため、当該数値を設定することに意味はないが、あえて設定するのであれば、99%、好ましくは97%、より好ましくは95%である。
上記エチレン系重合体粒子は微小粒子の集合体で形成されており、微小粒子の平均粒径は走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行うことで決定される。
エチレン系重合体粒子の微小粒子の平均粒径は10nm以上、5000nm未満、好ましくは10nm以上、4000nm未満、より好ましくは10nm以上、3000nm未満である。このような平均粒径の範囲の構造を有するエチレン系重合体粒子は、比表面積が大きいためエチレン系重合体粒子同士を接触させたとき接触面積が広くなり、固相延伸成形法で成形する際の粒子同士の圧着が起こり易くなる。その結果、延伸時に粒子同士の界面破断が起こり難くなり、高い延伸倍率での成形が可能となる。
また、上記エチレン系重合体粒子は、微小粒子の集合体から形成されているため微小粒子間に空間が広く存在することにより、圧着成形時に均一な圧着履歴を受け、欠陥の少ない均一な構造を形成することができる。その結果、延伸時に欠陥による破断が起こり難くなり、高い延伸倍率での成形が可能となる。
さらに、前述のとおり、上記エチレン系重合体粒子においては、前記工程(2)を経て製造されていることから、かさ密度を高くすることができる。
本発明に係るエチレン系重合体粒子は、上述したオレフィン重合用触媒の存在下、例示されたオレフィン類を重合もしくは共重合することにより得ることができる。
これらの中でも、本発明に係るエチレン系重合体粒子は、エチレンの単独重合体、エチレンと少量のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどとを共重合して得られるエチレンを主体とした結晶性の共重合体が好ましく挙げられるが、結晶化度を高める観点や後述する固相延伸成形における延伸性の観点からは、エチレンの単独重合体であることが好ましい。一方、成形品に耐クリープ性などが必要とされる場合には、プロピレンなどが共重合されていることが好ましい。エチレンの単独重合体であっても使用するオレフィン重合用触媒によっては、分岐構造を有するエチレン系重合体が得られることがあるが、本発明のエチレン系重合体は、特定の遷移金属化合物を含む担持型オレフィン重合用触媒を用いているため、このような分岐が極めて少ないと考えられる。このような重合体が得られる重合法であれば、分子構造制御の自由度がより高くなり、後述する固相延伸成形体などの性能向上に有利である。
<エチレン系重合体から得られる延伸成形体およびその製造方法>
本発明に係るエチレン系重合体から得られる延伸成形体は、上記のエチレン系重合体粒子を公知のポリエチレン用延伸成形法で成形することによって得られる。本発明の延伸成形体は、上記の(A)成分である、特定の工程を経て得られる微粒子をオレフィン重合用触媒の必須の構成成分として含んでいるものを用いて重合されたエチレン系重合体粒子から得られるものであるため、エチレン系重合体の重合体分子鎖の絡み合いが少なく、高い延伸倍率での成形が可能となる。その結果、得られる成形体の配向度が高くなり、高強度が発現する。また、該エチレン系重合体粒子は、微小粒子の集合体で形成されているため微小粒子間に空間が広く存在することにより、圧着成形時に均一な圧着履歴を受け、欠陥の少ない均一な構造を形成することができる。したがって、延伸時に欠陥による破断が起こり難くなり、高い延伸倍率での成形が可能となる。その結果、得られる成形体の配向度が高くなり、高強度が発現する。
また、本発明の延伸成形体は、極限粘度[η]が高いエチレン系重合体粒子を用いているので、高強度の成形体が得られる傾向にある。さらに、本発明の延伸成形体は、平均粒径が小さいエチレン系重合体粒子を用いているので、比表面積が大きく、延伸成形時にエチレン系重合体粒子同士の接触面積が広くなり、粒子同士の圧着が起こり易くなる。そのため、延伸時に粒子同士の界面破断が起こり難くなり、高い延伸倍率での成形が可能となる。その結果、得られる成形体の配向度が高くなり、高強度が発現する。
本発明の延伸成形体の中でも特に好ましくは、固相延伸成形法で得られる延伸成形体である。固相延伸成形は溶媒を用いずに成形する方法であるため、成形設備が比較的シンプルであり、また環境への悪影響も少ない成形法である。このような方法で延伸成形体を提供することは、社会への貢献度が高いと考えられる。
本発明に係るエチレン系重合体粒子は、固相延伸成形を行う場合、極めて高い延伸性能を示すので、高い強度を有する繊維、フィルム、シート、フィルター、骨代替材料などの生体材料などを得ることができる。
固相延伸成形条件は、上記のエチレン系重合体を用いること以外は、公知の条件を制限することなく用いることができる。例えば、本発明のエチレン系重合体を、1MPa以上の圧力で圧着してシート状に成形し、これを比較的高温で引張延伸したり、ロールなどを用いて圧力をかけながら延伸したりする方法が挙げられる。この圧着工程、延伸工程などの成形の温度は、エチレン系重合体の粒子の融点以下であることが好ましいが、実質的に溶融流動が起こらなければ融点以上での成形となっても構わない。好ましくは本発明に係るエチレン系重合体の融点プラス5℃程度を上限とし、融点マイナス30℃程度を下限とする温度範囲であることが好ましい。
本発明に係るエチレン系重合体を用いた成形体の延伸性、すなわち延伸倍率や得られる延伸成形体の物性は、後述する実施例に記載の方法(延伸倍率、延伸時最大応力、延伸成形体の強度および弾性率)で決定される。
本発明に係るエチレン系重合体粒子を用いると上記の延伸倍率が50倍以上の延伸成形体を得ることができる。より好ましくは80倍以上、さらに好ましくは100倍以上、特に好ましくは120倍以上である。
本発明に係るエチレン系重合体粒子を用いることにより、延伸時の引張応力は、従来の重合体に比して低い。したがって、より均一な延伸が可能となる傾向がある。延伸時の応力は30MPa以下であることが好ましく、25MPa以下であることがより好ましく、23MPa以下であることがさらに好ましく、20MPa以下であることがさらに好ましく、16MPa以下であることが特に好ましい。
本発明の延伸成形体は、高い延伸倍率での成形が可能であるので高い引張弾性率および引張強度を有することが期待される。得られる延伸成形体の引張弾性率は、80GPa以上であることが好ましく、120GPa以上であることがさらに好ましく、140GPa以上であることが特に好ましい。また、得られる延伸成形体の強度は、2GPa以上であることが好ましく、2.5GPa以上であることがさらに好ましく、3GPa以上であることが特に好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り下記の実施例に限定されないことはいうまでもない。
以下の実施例において、エチレン系重合体粒子のかさ密度および極限粘度[η]は、下記の方法に拠って測定した。
(かさ密度)
超高分子量エチレン系重合体粒子のかさ密度は、規格形カサ比重測定器(筒井理化学機器製 JIS K−6720 塩化ビニール用)を用いて測定した。予め重量を測定した付属の100mLSUS容器をセットし、規格形カサ比重測定器(筒井理化学機器製 JIS K−6720 塩化ビニール用)のロートからパウダーを充填した。SUS容器上の余分なパウダーをヘラで落として正確に100mLに調製して再度重量を測定し、かさ密度を算出した。
(極限粘度[η])
極限粘度[η]は、超高分子量エチレン系重合体粒子をデカリンに溶解させ、温度135℃のデカリン中で測定した。
[実施例1]
[工程1:成分(I−1)の調製]
充分に窒素置換した撹拌機付き1Lガラス容器に、無水塩化マグネシウム66.1g(0.694mol)、脱水デカン246gおよび2−エチルヘキシサノール271g(2.08mol)を装入し、145℃で4時間反応を行い、均一透明溶液とした。次いで、この均一透明溶液を脱水デカンで希釈し、Mg原子換算で0.80mol/Lの均一透明な成分(I−1)を得た。
[工程2:成分(I’−1)の調製]
充分に窒素置換した撹拌機付き300mLガラス容器に、脱水デカンを109mL、成分(I−1)をMg原子換算で29.2mmol装入し、次いで安息香酸エチルを0.44g(2.92mmol)装入し、50℃で1時間反応を行い、均一透明な成分(I’−1)を合成した。
[工程3:成分(II−1)の調製]
充分に窒素置換した撹拌機付き200mLガラス容器に、脱水デカンを12.4mL、1.0mol/Lのトリイソブチルアルミニウムデカン溶液をAl原子換算で15.9mmol装入し、−24℃で成分(I’−1)をMg原子換算で5.0mmolをゆっくり滴下し、液温を−24℃に保持しながら15分間反応させた。次いで、液温を50℃に昇温し15分間反応させることで、微粒子成分(II−1)を合成した。
[エチレン重合]
充分に窒素置換した撹拌機付き1Lオートクレーブに脱水デカン500mLを装入し、エチレンを吹き込み、液相および気相をエチレンで飽和させた。次いで、トリイソブチルアルミニウムをAl原子換算で0.06mmol、前記成分(II−1)をMg原子換算で0.428mmol、下記式(B−1)で表される遷移金属化合物(B−1)をTi原子換算で0.00214mmolを装入し、水素を5mL装入した後、全圧が0.5MPaとなるようにエチレンガスを供給しながら、50℃で120分間重合反応を行った。重合終了後、得られたポリマーをヘキサンで洗浄した後、80℃で10時間減圧乾燥した。得られたポリエチレンは、19.7gであり、触媒活性は4.6kg/mmol−Ti・h、[η]は24.9dl/g、かさ密度は0.113g/ccであった。また、重合槽の状態を確認したところ、ポリマーの付着は見られなかった。
Figure 2021147436
(B−1)
[比較例1]
[工程1:成分(I−1)の調製]
実施例1における工程1と同様の調製を行い、成分(I−1)を得た。
[工程3:成分(II−2)の調製]
充分に窒素置換した撹拌機付き400mLガラス容器に、脱水デカンを119.1mL、1.0mol/Lのトリイソブチルアルミニウムデカン溶液をAl原子換算で15.9mmol装入し、20℃で成分(I−1)をMg原子換算で5.0mmolをゆっくり滴下し、液温を20℃に保持しながら15分間反応させた。次いで、液温を50℃に昇温し15分間反応させることで、微粒子成分(II−2)を合成した。
[エチレン重合]
充分に窒素置換した撹拌機付き1Lオートクレーブに脱水デカン500mLを装入し、エチレンを吹き込み、液相および気相をエチレンで飽和させた。次いで、トリイソブチルアルミニウムをAl原子換算で0.06mmol、前記成分(II−2)をMg原子換算で0.428mmol、遷移金属化合物(B−1)をTi原子換算で0.00214mmolを装入し、水素を5mL装入した後、全圧が0.5MPaとなるようにエチレンガスを供給しながら、50℃で120分間重合反応を行った。重合終了後、得られたポリマーをヘキサンで洗浄した後、80℃で10時間減圧乾燥した。得られたポリエチレンは、29.3gであり、触媒活性は6.9kg/mmol−Ti・h、[η]は28.0dl/g、かさ密度は0.064g/ccであった。また、重合槽の状態を確認したところ、ポリマーの付着は見られなかった。

Claims (7)

  1. (A)少なくとも下記の工程1〜3を経由して得られる微粒子と、
    (工程1)金属ハロゲン化物と、アルコールとを炭化水素溶媒中で接触させる工程、
    (工程2)(工程1)で得られた成分と電子供与性化合物とを接触させる工程、
    (工程3)(工程2)で得られた成分と有機アルミニウム化合物、および/または、有機アルミニウムオキシ化合物とを接触させる工程、
    (B)下記一般式(I)または一般式(II)で表される遷移金属化合物
    とを含むオレフィン重合用触媒の存在下、エチレンの単独重合、またはエチレンと炭素原子数3〜20の直鎖状もしくは分岐状のα−オレフィンとを共重合させる、下記(E)を満たすエチレン系重合体粒子の製造方法。
    (E)デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度[η]が5〜50dl/g
    Figure 2021147436
    (式(I)中、Mは周期表第4、5族の遷移金属原子を示し、
    mは1〜4の整数を示し、
    1〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
    6は、水素原子、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン原子から選ばれ、
    nは、Mの価数を満たす数であり、
    Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
    Figure 2021147436
    (式(II)中、Mは、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムを示し、
    11〜R18は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの隣接する2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
    1およびX2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、水素原子またはハロゲン原子を示し、
    Yは、2価の炭化水素基、2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NR−、−P(R)−、−P(O)(R)−、−BR−または−AlR−〔ただし、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基である。〕)
  2. 前記電子供与性化合物が、アルデヒド類、カルボン酸類およびその無水物、ケトン類、有機酸ハライド、有機酸エステル、エーテル類、エポキシド類から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のエチレン系重合体粒子の製造方法。
  3. 前記工程3における接触温度が20℃以下である、請求項1または2に記載のエチレン系重合体粒子の製造方法。
  4. 前記(B)遷移金属化合物が、前記一般式(I)で表される遷移金属化合物であり、
    Mが、周期表第4族の遷移金属原子であり、
    mは2であり、
    1は、炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基、炭素原子数3〜20の脂環族炭化水素基、または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基から選ばれる基を示し、
    2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、または炭化水素基を示し、
    6は、炭素原子数5以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基、および芳香族炭化水素基から選ばれ、
    Xは、水素原子、ハロゲン原子、または炭化水素基を示す、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエチレン系重合体粒子の製造方法。
  5. 前記エチレンの単独重合、またはエチレンと炭素原子数3〜20の直鎖状もしくはは分岐状のα−オレフィンとの共重合が、多段重合で行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン系重合体粒子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により得られたエチレン系重合体粒子を延伸成形する延伸成形体の製造方法。
  7. 前記エチレン系重合体粒子を固相延伸成形する請求項6に記載の延伸成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023145924A1 (ja) * 2022-01-31 2023-08-03 三井化学株式会社 エチレン系重合体粒子、エチレン系重合体粒子の製造方法、延伸成形体、延伸成形体の製造方法、およびその用途

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