JP2021106280A - 保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合部における応力緩和性を確保しつつ、接合部における断熱性を向上させる。【解決手段】保持装置は、板状部材と、ベース部材と、板状部材とベース部材とを接合する接合部と、を備える。接合部は、少なくとも第1の接合層と第2の接合層とを含んでいる。第1の接合層は、金属および無機材料の少なくとも一種により形成された繊維を含有し、かつ、断熱性が第2の接合層の断熱性より高い。第2の接合層は、第1の接合層とベース部材との間に配置され、柔軟性が第1の接合層の柔軟性より高い。【選択図】図2

Description

本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置に関する。
例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、例えばセラミックス製の板状部材と、例えば金属製のベース部材と、板状部材とベース部材とを接合する接合部と、板状部材の内部に設けられたチャック電極とを備えており、チャック電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、板状部材の表面(吸着面)にウェハを吸着して保持する。
このような静電チャックにおいて、例えば、板状部材の吸着面の温度を所定の温度(例えば250℃以上の高温)に維持してウェハを加熱する場合や、ウェハの加工中に反応熱などにより板状部材の温度が上昇する場合、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力が接合部等に生じて、静電チャックが破損するおそれがある。また、板状部材の温度を所定の温度に効率よく維持するためには、板状部材からベース部材への放熱を抑制することが好ましい。そこで、従来、静電チャックの板状部材とベース部材とを接合する接合部に、板状部材側に配置され、有機材料により形成され、耐熱性を有する第1の接合層と、ベース部材側に配置され、柔軟性が第1の接合層の柔軟性より高い第2の接合層とが含まれた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特表2018−510496号公報
上記従来の構成では、第1の接合層における断熱性が十分に確保できず、その結果、例えば、第2の接合層が高温となり劣化したり、板状部材からベース部材への放熱を効果的に抑制できず、板状部材の温度が低下し易くなったりする、という課題がある。
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、板状部材と、ベース部材と、接合部とを備え、板状部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状部材と、第3の表面を有し、前記第3の表面が前記板状部材の前記第2の表面側に位置するように配置され、前記板状部材の熱膨張係数とは異なる熱膨張係数を有するベース部材と、前記板状部材の前記第2の表面と前記ベース部材の前記第3の表面との間に配置されて前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記接合部は、少なくとも第1の接合層と第2の接合層とを含んでおり、前記第1の接合層は、金属および無機材料の少なくとも一種により形成された繊維を含有し、かつ、断熱性が前記第2の接合層の断熱性より高く、前記第2の接合層は、前記第1の接合層と前記ベース部材との間に配置され、柔軟性が前記第1の接合層の柔軟性より高い。
本保持装置では、前記接合部は、少なくとも第1の接合層と第2の接合層とを含んでいる。第1の接合層は、金属および無機材料の少なくとも一種により形成された繊維を含有し、かつ、断熱性が第2の接合層の断熱性より高い。このため、第1の接合層により、板状部材から第2の接合層への放熱が抑制され、例えば、第2の接合層の熱による劣化を抑制することができる。また、第2の接合層は、第1の接合層とベース部材との間に配置され、柔軟性が第1の接合層の柔軟性より高い。このため、第2の接合層により、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力を緩和することができる。従って、本保持装置によれば、接合部における応力緩和性を確保しつつ、接合部全体としての耐熱性を向上させることができる。
(2)上記保持装置において、さらに、前記接合部における前記第1の接合層の外周面を覆い、かつ、気密性が前記第1の接合層の気密性より高い保護部を備える構成としてもよい。本保持装置では、接合部における第1の接合層の外周面を覆い、かつ、気密性が第1の接合層の気密性より高い保護部が備えられている。そのため、保護部の存在により、半導体製造装置内部(チャンバ内部)へガスや異物が入ることや、ガスが相互に混合することを抑制することができる。
(3)上記保持装置において、前記第1の接合層に対して、前記第1の方向に隣接する他の接合層は、樹脂を含有しており、前記第1の接合層には、前記他の接合層が含有する前記樹脂の一部が前記第1の接合層の前記繊維間に入り込んでいる構成としてもよい。本保持装置では、第1の接合層には、他の接合層が含有する樹脂の一部が第1の接合層の前記繊維間に入り込んでいる。そのため、本保持装置によれば、第1の接合層と他の接合層との接合性を向上させることができる。
(4)上記保持装置において、前記ベース部材には、冷媒流路が形成されており、前記接合部のせん断接着ひずみは、15%以上である構成としてもよい。本保持装置によれば、接合部の破断に起因して、破断部分で板状部材とベース部材との間の熱伝導性(熱引き特性)が低下し、板状部材の第1の表面の温度分布の均一性が低下することを抑制することができる。
(5)上記保持装置において、前記接合部のヤング率は、10MPa以下である構成としてもよい。本保持装置では、接合部は、ある程度以上の柔軟性を有する。そのため、本保持装置では、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力によって反りなどの変形が発生することを抑制することができる。従って、本保持装置によれば、該反りに起因して対象物に対する処理速度(例えば、エッチング速度)が不均一となることや、加工深さに制限が出ることを抑制することができる。
(6)上記保持装置において、前記接合部の剛性率は、4MPa以下である構成としてもよい。接合部は、ある程度以上の柔軟性を有する。そのため、本保持装置では、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力によって反りなどの変形が発生することを抑制することができる。従って、本保持装置によれば、該反りに起因して対象物に対する処理速度(例えば、エッチング速度)が不均一となることや、加工深さに制限が出ることを抑制することができる。
(7)上記保持装置において、前記第2の接合層は、シリコーン樹脂を含む構成としてもよい。樹脂材料の中でもシリコーン樹脂は、耐寒性と断熱性と柔軟性に優れる。そのため、第2の接合層が含有する樹脂材料としてシリコーン樹脂を用いれば、第2の接合層の耐寒性および断熱性を向上させることができ、保持装置を広い温度範囲で使用することができるとともに、第2の接合層によって板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力を極めて効果的に緩和することができ、部材間の剥離や部材の変形や割れが発生することを極めて効果的に抑制することができる。
(8)上記保持装置において、前記ベース部材には、冷媒流路が形成されており、前記シリコーン樹脂は、付加硬化型シリコーン樹脂である、ことを特徴とする構成としてもよい。シリコーン樹脂の中でも付加硬化型シリコーン樹脂は、硬化の際に揮発性の副生成物を発生しない。そのため、第2の接合層が含有する樹脂材料として付加硬化型シリコーン樹脂を用いれば、該副生成物に起因して、気泡部分で接合部に気泡が生じることを抑制することができ、その結果、該気泡の存在に起因して板状部材とベース部材との間の熱伝導性(熱引き特性)が低下し、板状部材の第1の表面の温度分布の均一性が低下することを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、静電チャック、真空チャック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 接合部30における第1の接合層31と第2の接合層32との境界部分の構成を模式的に示す説明図である。 せん断接着ひずみの特定方法を模式的に示す説明図である。 第1の接合層31に関する性能評価結果を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図3には、図2のIII−IIIの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
静電チャック100は、対象物(例えば半導体ウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置された板状部材10およびベース部材20を備える。板状部材10とベース部材20とは、板状部材10の下面S2(図2参照)とベース部材20の上面S3とが、後述する接合部30を挟んで上記配列方向に対向するように配置される。すなわち、ベース部材20は、ベース部材20の上面S3が板状部材10の下面S2側に位置するように配置される。
板状部材10は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略円形平面状の上面(以下、「吸着面」という)S1を有する部材であり、例えばセラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。板状部材10の直径は例えば50mm〜500mm程度(通常は200mm〜350mm程度)であり、板状部材10の厚さは例えば1mm〜10mm程度である。板状部材10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、板状部材10の下面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当し、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を「面方向」という。
図2に示すように、板状部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極40が配置されている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示せず)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWが板状部材10の吸着面S1に吸着固定される。
板状部材10の内部には、また、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)を含む抵抗発熱体により構成されたヒータ電極50が配置されている(図2参照)。ヒータ電極50に電源(図示せず)から電圧が印加されると、ヒータ電極50が発熱することによって板状部材10が温められ、板状部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが温められる。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
ベース部材20は、例えば板状部材10と同径の、または、板状部材10より径が大きい円形平面の板状部材である。ベース部材20の熱膨張係数(熱膨張率)は、板状部材10の熱膨張係数とは異なる。例えば、ベース部材20は、金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成され、板状部材10は、セラミックスにより形成されている。この場合には、ベース部材20の熱膨張係数は、板状部材10の熱膨張係数より大きい。ベース部材20の直径は例えば220mm〜550mm程度(通常は220mm〜350mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm〜40mm程度である。ベース部材20の上面S3は、特許請求の範囲における第3の表面に相当する。
ベース部材20は、板状部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置された接合部30によって、板状部材10に接合されている。接合部30は、例えば樹脂材料(接着材料)を含んでいる。接合部30の厚さは、例えば0.1mm〜1mm程度である。接合部30の構成については、後に詳述する。
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている(図2参照)。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、接合部30を介したベース部材20と板状部材10との間の伝熱(熱引き)により板状部材10が冷却され、板状部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
また、図2に示すように、静電チャック100には、ベース部材20の下面S4から板状部材10の吸着面S1にわたって上下方向に延びるピン挿通孔140が形成されている。すなわち、ピン挿通孔140は、ベース部材20をZ軸方向に貫通する孔26と、接合部30をZ軸方向に貫通する孔36と、板状部材10をZ軸方向に貫通する孔16とが互いに連通した一体の孔である。ピン挿通孔140は、板状部材10の吸着面S1上に保持されたウェハWを押し上げて吸着面S1から離間させるためのリフトピン(図示せず)を挿通するための孔である。
また、図2に示すように、静電チャック100は、板状部材10とウェハWとの間の伝熱性を高めてウェハWの温度分布の制御性をさらに高めるため、板状部材10の吸着面S1とウェハWの表面との間に存在する空間に不活性ガス(例えば、ヘリウムガス)を供給する構成を備えている。すなわち、静電チャック100には、ベース部材20の下面S4から接合部30の上面にわたって上下方向に延びる第1のガス流路孔131と、第1のガス流路孔131に連通すると共に板状部材10の吸着面S1に開口する第2のガス流路孔132とが形成されている。第1のガス流路孔131は、ベース部材20をZ軸方向に貫通する孔25と、接合部30をZ軸方向に貫通する孔35とが互いに連通した一体の孔である。また、第2のガス流路孔132の下端部は、径が拡大された拡径部134となっており、拡径部134内には、通気性を有する充填部材(通気性プラグ)160が充填されている。また、板状部材10の内部には、第2のガス流路孔132と連通すると共に面方向に環状に延びる横流路133が形成されている。ヘリウムガス源(図示しない)から供給されたヘリウムガスが、第1のガス流路孔131内に流入すると、流入したヘリウムガスは、第1のガス流路孔131から拡径部134内に充填された通気性を有する充填部材160の内部を通過して板状部材10の内部の第2のガス流路孔132内に流入し、横流路133を介して面方向に流れつつ、吸着面S1に形成されたガス噴出孔から噴出する。このようにして、吸着面S1とウェハWの表面との間に存在する空間に、ヘリウムガスが供給される。
A−2.接合部30の詳細構成:
次に、板状部材10とベース部材20とを接合する接合部30の詳細構成について説明する。図2に示すように、本実施形態の静電チャック100では、接合部30が、第1の接合層31と、第2の接合層32とを含んでいる。本実施形態では、第1の接合層31は、板状部材10の下面S2に接触するように配置されており、第2の接合層32は、ベース部材20の上面S3に接触するように配置されており、第1の接合層31と第2の接合層32とは、上下方向に隣接するように配置されている。
(第1の接合層31):
図4は、接合部30における第1の接合層31と第2の接合層32との境界部分の構成を模式的に示す説明図である。第1の接合層31は、金属および無機材料の少なくとも一種により形成された繊維321を含有する。また、第1の接合層31の断熱性は、第2の接合層32の断熱性より高い。ここで、繊維とは、細い糸状の物体であり、より詳細には、平均径(略円形断面の場合は直径、矩形断面の場合は該矩形断面と同じ断面積を有する円の直径)に対する平均長さの比(アスペクト比)が10以上の物体である。繊維321の径は、例えば、2μm以上、200μm以下であることが好ましく、接着シートとするためにさらに好ましくは、2μm以上、100μm以下である。繊維321の長さは、例えば、20μm以上、30mm以下であることが好ましい。また、繊維321の素材としては、例えば、無機系繊維、金属系繊維、カーボン系繊維を用いることができる。無機系繊維としては、例えば、炭酸カルシウム、アルミナ、ソーダガラス、石英ガラス等の繊維やロックウール(二酸化ケイ素と酸化カルシウムとから構成された人造鉱物繊維)等を用いることができる。金属系繊維としては、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅、黄銅、チタン等の繊維を用いることができる。カーボン系繊維としては、例えば、カーボンファイバーや、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラファイトなどのカーボン類を繊維状に成形したもの等を用いることができる。
また、第1の接合層31において、繊維321は、上下方向(Z軸方向)に配向しておらず、面方向に配向していることが好ましい。また、第1の接合層31における繊維321の含有量は、2%以上、30%以下であることが好ましい。なお、第1の接合層31における繊維321の含有量の測定方法は次の通りである。まず、静電チャック100の第1の接合層31における繊維部分を剥がし、その繊維部分のかさ密度を測定する。次に、その繊維部分を構成する繊維の形成材料を分析し、その分析結果から、その形成材料により緻密体を形成した場合における該緻密体の密度を調べる。次に、求めた繊維部分のかさ密度と緻密体の密度とから、次の式1により、第1の接合層31における繊維321の含有量を求める。
含有量(%)=(繊維321のかさ密度)/(繊維321と同じ形成材料からなる緻密体の密度)×100 ・・・(1)
なお、繊維321を形成する主な材料の素材としての、すなわち、繊維の集合体ではなく緻密体としての熱伝導率(W/(m・K))は以下の通りである。
アルミナ:21
ソーダガラス:0.55〜0.75
石英ガラス:1.4
ステンレス:12
アルミニウム:230
銅:403
黄銅:106
チタン:22
グラファイト:80〜230
第1の接合層31の外周側に存在する第1の保護部62に含まれる樹脂材料としては、後述の第2の接合層32に含まれる樹脂材料322と同様に、シリコーン樹脂やアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の種々の樹脂材料を用いることができるが、シリコーン樹脂を用いることが好ましく、シリコーン樹脂の中でも付加硬化型シリコーン樹脂を用いることがさらに好ましい。
なお、接合部30の第1の接合層31は、繊維321に加えて、例えばセラミックスの充填材(フィラー)を含んでいてもよい。セラミックスの充填材としては、例えば、アルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
図2および図3に示すように、本実施形態の静電チャック100では、Z軸方向視で、接合部30における第1の接合層31の外周面側には、第1の保護部62が配置されている。第1の保護部62は、第1の接合層31の外周面全体を全周にわたって覆っている。また、第1の保護部62の気密性は、第1の接合層31の気密性より高い。すなわち、第1の保護部62は、繊維に加え、後述の第2の接合層32と同様に、樹脂材料を主成分として含んでいる。本実施形態では、第1の保護部62に含まれている樹脂材料は、第2の接合層32に含まれる樹脂材料322と異種であってもよいが、同種である方が好ましい。第2の接合層32に対する濡れ性が高く接着性が向上するからである。
また、図2に示すように、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のうち、ピン挿通孔140の一部である孔36の内周面側には、第2の保護部64が配置されている。第2の保護部64は、孔36の内周面全体を全周にわたって覆っている。また、接合部30のうち、第1のガス流路孔131の一部である孔35の内周面側には、第3の保護部66が配置されている。第3の保護部66は、孔35の内周面全体を全周にわたって覆っている。なお、図3では、接合部30に形成された各貫通孔(孔36や孔35)および各保護部(第2の保護部64、第3の保護部66)の図示を省略している。また、第2の保護部64および第3の保護部66の気密性は、第1の接合層31の気密性より高い。すなわち、第2の保護部64および第3の保護部66は、繊維に加え、後述の第2の接合層32と同様に、樹脂材料を主成分として含んでいる。本実施形態では、第2の保護部64および第3の保護部66に含まれている樹脂材料は、第2の接合層32に含まれる樹脂材料322と異種であってもよいが、同種である方が好ましい。第2の接合層32に対する濡れ性が高く接着性が向上するからである。
(第2の接合層32):
第2の接合層32は、第1の接合層31とベース部材20との間に配置されている。第2の接合層32の柔軟性が第1の接合層31の柔軟性より高い。本実施形態では、第2の接合層32は、樹脂材料322を主成分として含んでいる。なお、本明細書において、主成分とは、体積含有率が50vol%より大きい成分を意味する。第2の接合層32に含まれる樹脂材料322としては、シリコーン樹脂やアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の種々の樹脂材料を用いることができるが、シリコーン樹脂を用いることが好ましく、シリコーン樹脂の中でも付加硬化型シリコーン樹脂を用いることがさらに好ましい。また、上述したように、第1の接合層31の下面S5には、第2の接合層32が上下方向に隣接するように配置されており、第2の接合層32が含有する樹脂材料322の一部が、第1の接合層31における繊維321同士の間に入り込んでいる。
なお、第2の接合層32は、樹脂材料322に加えて、例えばセラミックスの充填材(フィラー)を含んでいてもよい。ただし、第2の接合層32は、第1の接合層31とは異なり、繊維321を含んでいない。
(接合部30の全体):
本実施形態の静電チャック100では、接合部30のせん断接着ひずみは、15%以上である。すなわち、接合部30は、ある程度以上のせん断破断のしにくさを有する。なお、接合部30のせん断接着ひずみは、より好ましくは40%以上である。また、樹脂材料は、繊維材料や充填材を添加し、その添加量の増加に伴い、ヤング率や剛性率が大きくなると同時に、破断に至るまでの歪み、すなわち、せん断接着歪みが小さくなる場合が多い。このため、接合部30のうち、繊維321を含有していない第2の接合層32のせん断接着ひずみは、第1の接合層31のせん断接着ひずみより大きく、柔軟性が高い。
接合部30のせん断接着ひずみは、以下のように特定することができる。図5は、せん断接着ひずみの特定方法を模式的に示す説明図である。まず、図5のA欄およびB欄に示すように、せん断接着ひずみの特定対象である試料SA(初期厚さt)によって、2つの略平板状の被着体201,202(例えば、アルミニウム板)を接合する。例えば、被着体201,202の大きさは、幅12.5mm×長さ100mm×厚さ1mmであり、接合部は、各被着体201,202の端の幅12.5mm×長さ12.5mmの部分である。次に、図5のC欄に示すように、試料SAにせん断力が作用するように、2つの被着体201,202を相対移動させる。例えば、公知の引張試験機(例えば、島津製作所製のオートグラフAG−IS)を用いて、一方の被着体201を接着面に平行な一方の方向(例えば、図5のC欄における上方向)に所定速度(例えば、2mm/分)で移動させながら、荷重と移動距離とを測定する。荷重を試験前の接合部の面積で除すことにより、せん断応力を算出する。このような被着体201,202の相対移動を試料SAが破断するまで継続し、せん断応力が最大になったときの距離ΔLを測定する。最後に、以下の式(2)の通り、距離ΔLを試料SAの初期厚さtで除して、試料SAのせん断ひずみ(%)を算出する。
せん断接着ひずみ(%)=(ΔL/t)×100 ・・・(2)
また、被着体に接合済みの接合材料のせん断ひずみを測定する場合は、例えば以下のように行う。まず、レーザーカット等の加工方法により、接合部を被着体ごと切り出す。切り出す試験片の形状は、引張試験機の治具で保持することができ、かつ、接合されている2つの被着体を、図5に示されるように互いに逆方向に引っ張ることができる形状であればよい。引張試験を行う前に、切り出した試験片における接合部の面積と、接合部の厚さとを測定する。その後は、上述した方法と同様に引っ張り試験を行い、せん断応力が最大になったときの距離ΔLを接合部の初期厚さtで除すことにより、せん断ひずみ(%)を算出する。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のヤング率は、10MPa以下である。すなわち、接合部30は、ある程度以上の柔軟性を有する。なお、接合部30の第2の接合層32は、繊維321を含有していないため、第2の接合層32のヤング率は、第1の接合層31のヤング率より低い。
接合部30のヤング率は、公知の特定方法(例えば、下記のように、公知の引張試験機(例えば、島津製作所製のオートグラフAG−IS)による引張試験を行う方法)を用いて特定することができる。試験片は、シート状に成形し、材料に応じて加熱・硬化した後、所定の大きさに切り出すことにより作製することができる。試験片の大きさは、例えば、幅10mm×長さ70mmである。試験片の両端の長さ20mmの部分を治具で保持し、中間の長さ30mmの部分をサンプル長とする。試験片が破断するまで、例えば50mm/分の速度で長さ方向に引っ張りながら、移動距離とその時の荷重とを測定する。荷重を、試験前の試験片の断面積で除すことにより、引張応力を算出し、引張応力−ひずみ線図の原点付近の傾きからヤング率(弾性率)を算出する。なお、試験片の形状は、JIS K 6251:2010で定められたダンベル形状としてもよい。
また、被着体に接合済みの接合材料のヤング率を測定する場合には、ナイフ等を用いて被着体から接合材料をそぎ落とし、例えば上記と同じ幅10mm×長さ70mmに切り出して試験片を作製し、上記と同様の方法でヤング率を算出することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30の剛性率は、4MPa以下である。すなわち、接合部30は、特にせん断方向に対して、ある程度以上の柔軟性を有する。なお、接合部30の第2の接合層32は、繊維321を含有していないため、第2の接合層32の剛性率は、第1の接合層31の剛性率より低い。
接合部30の剛性率は、以下のように特定することができる。すなわち、上述したせん断接着ひずみの特定方法と同様に、剛性率の特定対象である試料SA(初期厚さt)によって、2つの略平板状の被着体201,202(例えば、アルミニウム板)を接合し(図5のA欄およびB欄参照)、次に、試料SAにせん断力が作用するように、2つの被着体201,202を相対移動させる(図5のC欄参照)。例えば、公知の引張試験機(例えば、島津製作所製のオートグラフAG−IS)を用いて、一方の被着体201を接着面に平行な一方の方向(例えば、図5のC欄における上方向)に所定速度(例えば、2mm/分)で移動させながら、荷重と移動距離ΔL’とを測定する。荷重を試験前の接合部の面積で除すことにより、せん断応力を算出する。以下の式(3)の通り、移動距離ΔL’を試料SAの初期厚さtで除すことにより、ひずみ(%)を算出する。せん断接着応力−ひずみ線図における原点付近の傾きから剛性率を算出する。
ひずみ(%)=(ΔL’/t)×100 ・・・(3)
また、被着体に接合済みの接合材料の剛性率を測定する場合は、例えば以下のように行う。まず、レーザーカット等の加工方法により、接合部を被着体ごと切り出す。切り出す試験片の形状は、引張試験機の治具で保持することができ、かつ、接合されている2つの被着体を、図5に示されるように互いに逆方向に引っ張ることができる形状であればよい。引張試験を行う前に、切り出した試験片における接合部の面積と、接合部の厚さとを測定する。その後は、上述した方法と同様に引っ張り試験を行い、せん断接着応力−ひずみ線図における原点付近の傾きから剛性率を算出する。
(第1の接合層31の熱伝導率および厚さ):
第1の接合層31の熱伝導率は、0.2W/(mK)以下であることが好ましく、0.1W/(mK)以下であることがより好ましく、0.05W/(mK)以下であることがさらに好ましい。
熱伝導率は、JIS R1611、JIS A1412−1、JIS A1412−2、JIS A1412−3等を参考にして測定することができ、第1の接合層31等の熱伝導率は、例えば、レーザフラッシュ法により求めることができる。具体的には、例えば、第1の接合層31を切り出して、第1の接合層31におけるZ軸方向(厚み方向)および面方向が分かるように、縦10mm×横10mm×厚さ1mmの略直方体の試料を作製する。レーザフラッシュ法では、当該作製された試料の表面をパルスレーザ光により瞬間的に均一加熱し、試料の裏面の温度変化を放射温度計で測定することにより、厚み方向の熱拡散率を得る。レーザのエネルギーの吸収および輻射率を良くするために、試料の表面に前処理としてカーボンスプレーによる黒化処理や金蒸着またはそれらの両方を施してもよい。第1の接合層31の面方向における熱伝導率は、第1の接合層31から縦10mm×幅1mm×厚さ1mmの試料を10本切り出し、幅1mmの部分がレーザフラッシュ測定における厚み方向になるように10本を配置し束ねることで、縦10mm×横10mm×厚さ1mmの略直方体の試料を作製する。その後、上記厚み方向における測定方法と同様の方法で測定することにより、面方向の熱拡散率を得る。レーザフラッシュ法による測定は、測定温度 室温、大気中にて行うことができる。以下の式(4)の通り、上記得られた比熱および熱拡散率と、試料の密度とを乗算して熱伝導率(W/(m・K))を算出する。密度は、例えば、アルキメデス法により、比熱は公知の示差走査熱量計(DSC)により測定できる。
K=Cp×α×ρ ・・・(4)
(ここで、Kは試料の熱伝導率(W/(m・K))、Cpは試料の比熱(J/(kg・K))、αは試料の熱拡散率(m/s)、ρは試料の密度(kg/m)を表す。)
なお、レーザフラッシュ法以外に、熱拡散率・熱伝導率測定装置 ai−Phase Mobile 1u(株式会社 日立ハイテクサイエンス製)や熱伝導率測定装置 TCi(株式会社リガク製)を用いて測定してもよい。
また、第1の接合層31の上下方向(Z軸方向)の厚さ(以下、単に「厚さ」という)は、接合部30の厚さ(第1の接合層31の厚さと第2の接合層32の厚さとの合計)の20%以上であることが好ましく、接合部30の厚さの50%以上であることがより好ましい。以下、具体的に説明する。
静電チャック100を対象として、以下に説明する性能評価を行った。図6は、第1の接合層31に関する性能評価結果を示す説明図である。同図中の「第1の接合層31の厚さ割合」は、接合部30の厚さに対する、第1の接合層31の厚さの割合を意味する。性能評価には、静電チャック100の3つのグループのサンプルを用いた。第1のグループに属するサンプルは、接合部30の厚さが1mmであり(図6の上段参照)、第2のグループに属するサンプルは、接合部30の厚さが0.5mmであり(図6の中段参照)、第3のグループに属するサンプルは、接合部30の厚さが0.25mmである(図6の下段参照)。各グループに属する複数のサンプルは、第1の接合層31の熱伝導率と第1の接合層31の厚さとの少なくとも1つが互いに異なる。
そして、以下の共通の条件の下で、各サンプルにおける第1の接合層31と第2の接合層32との間の温度(第2の接合層32の最高温度)を測定し、その測定結果に基づき、第1の接合層31に関する性能評価を行った。
<共通の条件>
・ヒータ電極50の温度が250℃であり、ベース部材20の冷媒流路21に流す冷媒の温度が150℃である。
・ヒータ電極50から第1の接合層31までの距離(ヒータ電極50と板状部材10の下面S2との上下方向の距離)が1mmである。
・冷媒流路21から第2の接合層32までの距離(ベース部材20の上面S3と、冷媒流路21の上下方向の中心位置との上下方向の距離)が15mmである。
・板状部材10の熱伝導率が30W/(mK)であり、第2の接合層32の熱伝導率が0.9W/(mK)であり、ベース部材20の熱伝導率が160W/(mK)である。
図6における各温度は、各サンプルにおける第2の接合層32の最高温度の測定結果である。また、各温度に付された「◎」「○」「X」は、判定結果を示す。「◎」は、第2の接合層32の最高温度が180℃未満であることを意味する。第2の接合層32の最高温度が180℃未満であれば、第1の接合層31により、第2の接合層32に対して十分な断熱性が確保されており、第2の接合層32が、通常のシリコーン樹脂によって形成されている場合でも、接合部30全体として劣化せず、静電チャックとして使用できる。「○」は、第2の接合層32の最高温度が、180℃以上、200℃未満であることを意味する。第2の接合層32の最高温度が、180℃以上、200℃未満であれば、第1の接合層31により、第2の接合層32に対してある程度の断熱性が確保されており、第2の接合層32が、耐熱性の高いシリコーン樹脂や、より耐熱性が高いポリイミド、ポリベンズイミダゾール、フッ素系ポリマ―等の樹脂材料によって形成されている場合に、接合部30全体としての耐熱性が確保されており、静電チャックとして使用できる。「X」は、第2の接合層32の最高温度が200℃以上であることを意味する。第2の接合層32の最高温度が200℃以上である場合、第1の接合層31により、第2の接合層32に対して十分な断熱性が確保されず、第2の接合層32が200℃以上の高温に晒され、長期間使用される中で劣化してしまうため、接合部30全体としての耐熱性がなく、静電チャックとして使用できない。
図6の上段に示すように、第1のグループの評価結果によれば、第1の接合層31の厚さが、接合部30の厚さの10%以下である場合、第1の接合層31の熱伝導率は、0.05W/(mK)以下であることが好ましく、0.02W/(mK)以下であることがより好ましい。また、第1の接合層31の厚さが、接合部30の厚さの10%より高く、かつ、接合部30の厚さの20%以下である場合、第1の接合層31の熱伝導率は、0.2W/(mK)以下であることが好ましく、0.05W/(mK)以下であることがより好ましい。また、第1の接合層31の厚さが、接合部30の厚さの20%より高く、かつ、接合部30の厚さの50%以下である場合、第1の接合層31の熱伝導率は、0.2W/(mK)以下であることがより好ましい。なお、第1の接合層31の厚さが、接合部30の厚さの90%以上であれば、第1の接合層31の熱伝導率は、0.4W/(mK)以上であってもよい。また、接合部30の厚さが1mmである場合、第1の接合層31の厚さは、0.2mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。
図6の中段に示すように、第2のグループの評価結果によれば、第1の接合層31の厚さが、接合部30の厚さの20%以下である場合、第1の接合層31の熱伝導率は、0.1W/(mK)以下であることが好ましく、0.05W/(mK)以下であることがより好ましい。また、第1の接合層31の厚さが、接合部30の厚さの20%より高く、かつ、接合部30の厚さの40%以下である場合、第1の接合層31の熱伝導率は、0.2W/(mK)以下であることがより好ましい。なお、第1の接合層31の厚さが、接合部30の厚さの80%以上であれば、第1の接合層31の熱伝導率は、0.4W/(mK)以上であってもよい。また、接合部30の厚さが0.5mmである場合、第1の接合層31の厚さは、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。
図6の下段に示すように、第3のグループの評価結果によれば、第1の接合層31の厚さが、接合部30の厚さの40%以下である場合、第1の接合層31の熱伝導率は、0.1W/(mK)以下であることがより好ましい。なお、第1の接合層31の厚さが、接合部30の厚さの80%以上であれば、第1の接合層31の熱伝導率は、0.4W/(mK)以上であってもよい。また、接合部30の厚さが0.25mmである場合、第1の接合層31の厚さは、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。なお、コストや実際的に実現可能性を考慮した組合せは、第1の接合層31の熱伝導率が0.1W/(mK)、第1の接合層31の厚さが0.5mm、接合部30の厚さが0.6mm以上、0.9mm以下である。
A−3.静電チャック100の製造方法:
本実施形態の静電チャック100の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、公知の方法により、板状部材10を作製する。例えば、セラミックスグリーンシートを複数枚作製し、所定のセラミックスグリーンシートに所定の加工を行う。所定の加工としては、例えば、チャック電極40やヒータ電極50等の形成のためのメタライズペーストの印刷、各種ビアの形成のための孔空けおよびメタライズペーストの充填等が挙げられる。これらのセラミックスグリーンシートを積層して熱圧着し、切断等の加工を行うことにより、セラミックスグリーンシートの積層体を作製する。作製されたセラミックスグリーンシートの積層体を焼成することにより、セラミックス焼成体である板状部材10を作製する。また、公知の方法により、ベース部材20を作製する。
また、接合部30の各部分(第1の接合層31、第2の接合層32、各保護部62〜66)を形成するためのシート状接着剤を作製する。具体的には、第1の接合層31は、繊維321を積層しプレスするなどしてシート状に成形した繊維シートを使用する。繊維321を溶媒中に分散させた後、ろ過、乾燥してシート状に成形してもよい。第1の接合層31を形成する各繊維321は部分的に互いに絡まっていてもよい。各繊維321を絡ませる方法としては繊維シートを叩いたり、繊維シートに細いピンや針を何度も通したりする方法などがある。第2の接合層32は、例えば液状の樹脂材料を、例えば離型シート上に膜状に載置した後、所定の硬化処理によって半硬化させることにより作製できる。液状の樹脂材料にはあらかじめ充填材を加えておいてもよい。もしくは、必要に応じて充填材を加えた液状の樹脂材料層のペーストを、第1の接合31となる繊維シートの上に膜状に塗布した後、所定の硬化処理によって半硬化させることにより、接合部30となる積層されたシート状接着剤を作製してもよい。繊維321の含有量、ペーストの粘度、硬化処理の条件など種々の条件を調整することによって、第1の接合層31の厚さ方向からみて部分的に樹脂材料を含ませることができる。また、液状の樹脂材料に充填材を加えて作製したペーストを、繊維シートに平面方向に見て部分的に浸透させることにより、各保護部62〜66となる部分を備えた樹脂シートを作製することができる。各シート状接着剤に対して、例えば打ち抜き加工を行うことにより、各シート状接着剤の形状を所望の形状(例えば、略円環状および略円形)にする。
その後、第1の接合層31用、第2の接合層32用および保護部62〜66用のシート状接着剤を用いて、板状部材10とベース部材20とを接合する。具体的には、板状部材10の下面S2に、第1の接合層31用および保護部62〜66用のシート状接着剤を所定の位置関係で面方向に並べて配置する。所定の位置関係は、例えば、略円環状の第1の保護部62用のシート状接着剤が外周側に位置し、その内側に、略円形の第1の接合層31用のシート状接着剤が位置し、第2の保護部64と第3の保護部66とが、それぞれ、第1の接合層31用のシート状接着剤に形成された各孔内に位置する位置関係である。また、ベース部材20の上面S3上に、第2の接合層32用のシート状接着剤を配置する。なお、板状部材10の下面S2上に配置された第1の接合層31用および保護部62〜66用のシート状接着剤の上に、さらに、第2の接合層32用のシート状接着剤を配置してもよいし、ベース部材20の上面S3上に配置された第2の接合層32用のシート状接着剤の上に、さらに、第1の接合層31用および保護部62〜66用のシート状接着剤を配置してもよい。次に、板状部材10とベース部材20とを各シート状接着剤を介して貼り合わせ、各シート状接着剤を硬化させる硬化処理を行うことにより、接合部30(第1の接合層31、第2の接合層32および保護部62〜66)を形成する。主として以上の工程により、本実施形態の静電チャック100が製造される。
なお、板状部材10(セラミックス)と第1の接合層31(繊維)とを、合金や無機系接着材(セラミックス系接着剤)を用いて接合することができる。ただし、無機系接着材を用いることが好ましい。無機系接着剤は、合金や半田等の金属材料に比べて、半導体製造装置内のプラズマへの影響が小さく、高温やプラズマに対する耐久性が高いからである。無機系接着剤としては、例えばセラミックスと無機ポリマーとを主成分とした接着剤があり、より具体的には、例えば、株式会社スリーボンド製耐熱性無機接着剤3713B、3732、東亜合成株式会社製アロンセラミックC、アロンセラミックD,アロンセラミックE、旭化学工業株式会社製スミセラムSなどがある。合金としては、公知の共晶はんだや鉛フリーはんだのような合金、すなわちSn−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Bi、Sn、Au−SnなどSnやAgを主体とした合金、AgやCuなどの微粉末からなる金属ペーストなどが使用できる。合金を用いる場合、合金の濡れ性を高めるため、板状部材10と第1の接合層31とのそれぞれの表面にめっきやスパッタなど公知の方法でNi膜やCu膜を形成し、その上にAu膜を形成する。Ni膜やCu膜の厚さは通常5um以下、Au膜の厚さは通常1um以下であることが好ましい。その後、公知のはんだや合金材料で接合できる。Ni膜、Cu膜と板状部材10や繊維321との接合強度を高めるため、必要に応じてNi膜やCu膜と板状部材10や繊維321との間にTi、Cr、Pdなどの膜を形成してもよい。板状部材10と第1の接合層31とを接合するための部分は、厚みが100um以下の膜状であることが好ましい。板状部材10と合金の濡れ性を高めるために、板状部材10の表面に導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)を形成してもよい。ヒータ電極50の形成と同様に塗布し、同時焼成することで形成できる。その後、めっきなどの方法により導電性材料の上にAu膜を形成してもよい。
A−4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100は、板状部材10と、ベース部材20と、接合部30とを備える。板状部材10は、Z軸方向に略直交する吸着面S1と、吸着面S1とは反対側の下面S2とを有する。ベース部材20は、上面S3を有し、上面S3が板状部材10の下面S2側に位置するように配置されている。ベース部材20の熱膨張係数は、板状部材10の熱膨張係数と異なる。接合部30は、板状部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置されて板状部材10とベース部材20とを接合する。また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30は、少なくとも第1の接合層31と第2の接合層32とを含んでいる。
第1の接合層31は、金属および無機材料の少なくとも一種により形成された繊維321を含有している。第1の接合層31の断熱性は、第2の接合層の断熱性より高い。このため、第1の接合層31により、板状部材10から第2の接合層32への放熱が抑制され、例えば、第2の接合層32の熱による劣化を抑制することができる。また、第2の接合層32は、第1の接合層31とベース部材20との間に配置されている。第2の接合層32の柔軟性は、第1の接合層31の柔軟性より高い。このため、第2の接合層32により、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力を緩和することができる。従って、本保持装置によれば、接合部30全体における応力緩和性を確保しつつ、接合部30全体としての耐熱性を向上させることができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30の第1の接合層31が、金属および無機材料の少なくとも一種を、繊維(不織布でもよい)の形態で含有している。そのため、接合部30の第1の接合層31は、ある程度の柔軟性を有する。すなわち、第1の接合層31では、各繊維321が樹脂材料322の変形に追随してスライドできるため、第1の接合層31全体として柔軟性と、加熱・冷却の繰り返しによる膨張や収縮の繰り返しの変形に対する耐久性を有する。この点で、接合部30の第1の接合層31は、変形しにくく、繰り返しの変形により疲労破壊しやすい金属多孔体とは異なる。従って、本実施形態の静電チャック100では、接合部30により、板状部材10とベース部材20との接合性を確保しつつ、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力を効果的に緩和することができ、熱応力により板状部材10に反りなどの変形が発生することを抑制することができ、また、部材間の剥離や部材の割れが発生することを抑制することができる。本静電チャック100によれば、該反りに起因して対象物に対する処理速度(例えば、エッチング速度)が不均一となることや、加工深さに制限が出たりすることを抑制することができる。また、部材間の剥離に伴い、その部分の熱伝導性が低下することによる温度分布の均一性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30における第1の接合層31の外周面を覆い、かつ、気密性が第1の接合層31の気密性より高い第1の保護部62が備えられている。そのため、第1の保護部62の存在により、半導体製造装置内部(チャンバー内部)にガス(ヘリウムガス)や異物が入ることを抑制することができる。また、仮に、静電チャック100が、第1の保護部62を備えない構成である場合、チャンバー内部の真空状態を効果的に維持できなくなるおそれがある。具体的には、第1の接合層31は、比較的に緻密性が低い。このため、真空状態のチャンバー内部とベース部材20に形成され孔25,26とが第1の接合層31を介して連通し、チャンバー内に第1の接合層31および孔25,26を介して、ベース部材20の下面S4側の大気が漏れ出て、チャンバー内部の真空度が低下するおそれがある。これに対して、本実施形態の静電チャック100によれば、第1の保護部62の存在により、ガスが緻密性の低い第1の接合層31を通過することが抑制されることにより、チャンバー内部の真空状態を効果的に維持することができる。なお、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のうち、接合部30をZ軸方向に貫通する孔35,36であって、板状部材10における吸着面S1と下面S2とに開口する孔132,16と連通している孔35,36の内周面側には、繊維321を含有しない第2の保護部64や第3の保護部66が配置されている。これにより、半導体製造装置内部(チャンバー内部)にガス(ヘリウムガス)や異物が入ることや、異なる役割の孔の間で、異なるガスすなわち大気やヘリウムガスなどが相互に混合してしまうことを、より確実に抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、第1の接合層31には、該第1の接合層31に隣接する第2の接合層32が含有する樹脂材料322の一部が第1の接合層31の繊維321間に入り込んでいる。そのため、本実施形態の静電チャック100によれば、第1の接合層31と第2の接合層32との接合性を向上させることができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、ベース部材20に冷媒流路21が形成されている。また、接合部30のせん断接着ひずみは、15%以上である。すなわち、接合部30は、ある程度以上のせん断破断のしにくさを有する。このような高いせん断接着ひずみの値は、上述したように、第1の接合層31において、各繊維321が樹脂材料322の変形に追随してスライドでき、第1の接合層31全体として十分な柔軟性を有するために実現することができる。しかも、第1の接合層31とベース部材20との間には、第2の接合層32が配置されており、第2の接合層32の柔軟性は第1の接合層31の柔軟性より高い。そのため、本実施形態の静電チャック100では、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力によって接合部30が破断することを抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック100によれば、接合部30の破断に起因して板状部材10とベース部材20との間の熱伝導性(熱引き特性)が低下し、板状部材10の吸着面S1の温度分布の均一性が低下することを抑制することができる。例えば、板状部材10の直径が360mmであり、接合部30の厚さが1mmであり、板状部材10がアルミナ(熱膨張係数:8.2ppm/K)により形成され、ベース部材20がアルミニウム(熱膨張係数:23ppm/K)により形成され、応力ゼロとなる温度を100℃(硬化温度)とし、使用時温度を板状部材10では250℃、ベース部材20では150℃としたとき、接合部30のせん断接着ひずみが15%以上であれば、接合部30が破断することがない。また、使用時温度を板状部材10では150℃、ベース部材20では20℃としたとき、接合部30のせん断接着ひずみが40%以上であれば、接合部30が破断することがない。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のヤング率は、10MPa以下である。すなわち、接合部30は、ある程度以上の柔軟性を有する。このような低いヤング率の値は、上述したように、第1の接合層31において、各繊維321が樹脂材料322の変形に追随してスライドでき、第1の接合層31全体として十分な柔軟性を有するために実現することができる。しかも、第1の接合層31とベース部材20との間には、第2の接合層32が配置されており、第2の接合層32の柔軟性は第1の接合層31の柔軟性より高い。そのため、本実施形態の静電チャック100では、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力によって反りなどの変形が発生することを抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック100によれば、該反りに起因してウェハWに対する処理速度(例えば、エッチング速度)が不均一となったり、加工深さに制限が出たりすることを抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30の剛性率は、4MPa以下である。すなわち、接合部30は、特にせん断方向に対して、ある程度以上の柔軟性を有する。このような低い剛性率の値は、上述したように、第1の接合層31において、各繊維321が樹脂材料322の変形に追随してスライドでき、第1の接合層31全体として十分な柔軟性を有するために実現することができる。しかも、第1の接合層31とベース部材20との間には、第2の接合層32が配置されており、第2の接合層32の柔軟性は第1の接合層31の柔軟性より高い。そのため、本実施形態の静電チャック100では、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力によって反りなどの変形が発生することを抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック100によれば、該反りに起因してウェハWに対する処理速度(例えば、エッチング速度)が不均一となったり、加工深さに制限が出たりすることを抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30が樹脂材料を含んでいる。そのため、本実施形態の静電チャック100によれば、接合部30により、板状部材10とベース部材20との間の接合性を効果的に確保しつつ、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力を効果的に緩和することができ、部材間の剥離や部材の割れが発生することを効果的に抑制することができる。
なお、接合部30(第2の接合層32や保護部62〜66)が含有する樹脂材料は、シリコーン樹脂であることが好ましい。樹脂材料の中でもシリコーン樹脂は、耐寒性と耐熱性と柔軟性に優れる。そのため、接合部30が含有する樹脂材料としてシリコーン樹脂を用いれば、接合部30の耐寒性および耐熱性を向上させることができ、静電チャック100を広い温度範囲で使用することができるとともに、接合部30によって板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力を極めて効果的に緩和することができ、部材間の剥離や部材の割れが発生することを極めて効果的に抑制することができる。
また、接合部30が含有する樹脂材料は、付加硬化型シリコーン樹脂であることがさらに好ましい。シリコーン樹脂の中でも付加硬化型シリコーン樹脂は、硬化の際に揮発性の副生成物を発生しない。そのため、接合部30が含有する樹脂材料として付加硬化型シリコーン樹脂を用いれば、該副生成物に起因して接合部30に気泡が生じることを抑制することができ、その結果、該気泡の存在に起因して板状部材10とベース部材20との間の熱伝導性(熱引き特性)が低下し、板状部材10の吸着面S1の温度分布の均一性が低下することを抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、板状部材10と接合部30との間における第1の接合層31と第2の接合層32との上下方向の配置はあくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態において、板状部材10と第1の接合層31との間に、他の接合層(例えば無機系若しくは金属系の接合層)が配置された構成であってもよいし、第1の接合層31と第2の接合層32との間に、他の接合層が配置された構成であってもよいし、第2の接合層32とベース部材20との間に、他の接合層が配置された構成であってもよい。
上記実施形態では、接合部30のせん断接着ひずみは15%以上であり、接合部30のヤング率は10MPa以下であり、接合部30の剛性率は4MPa以下であるとしているが、これらの物性値の数値範囲は好ましい範囲であり、これらの物性値の数値範囲を満たすことは必ずしも必須ではない。
上記実施形態では、板状部材10の内部にヒータ電極50が配置されているが、必ずしも板状部材10の内部にヒータ電極50が配置されている必要はない。また、上記実施形態では、ベース部材20に冷媒流路21が形成されているが、必ずしもベース部材20に冷媒流路21が形成されている必要はない。
上記実施形態では、板状部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、板状部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。
上記実施形態の静電チャック100における各部材の形成材料は、あくまで一例であり、任意に変更可能である。例えば、上記実施形態では、板状部材10が、セラミックスにより形成されているが、板状部材10が、セラミックス以外の材料(例えば、樹脂材料)により形成されるとしてもよい。また、上記実施形態において、第1の接合層31が、金属により形成された繊維と無機材料により形成された繊維との両方を含有する構成であってもよい。また、上記実施形態において、接合部30の第1の保護部62、第2の保護部64や第3の保護部66に含まれる樹脂材料と第2の接合層32に含まれる樹脂材料とは、同種でも異種でもよい。ただし、それらの樹脂材料が同種であれば、熱膨張係数が互いに近くなることや、相互の濡れ性が高まり接着性が良好となるため、好ましい。また、上記実施形態では、接合部30の32、第1の保護部62、第2の保護部64や第3の保護部66が樹脂材料を主成分として含んでいるが、接合部30の32、第1の保護部62、第2の保護部64や第3の保護部66の少なくとも1つが樹脂材料を副成分として含むとしてもよい。
上記実施形態の静電チャック100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
本発明は、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、板状部材と、ベース部材と、接合部とを備え、板状部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、真空チャック等)にも同様に適用可能である。
10:板状部材 16:孔 20:ベース部材 21:冷媒流路 25,26:孔 30:接合部 31:第1の接合層 32:第2の接合層 35,36:孔 40:チャック電極 50:ヒータ電極 62:第1の保護部 64:第2の保護部 66:第3の保護部 100:静電チャック 131:第1のガス流路孔 132:第2のガス流路孔 133:横流路 134:拡径部 140:ピン挿通孔 160:充填部材 201,202:被着体 321:繊維 322:樹脂材料 L:距離Δ S1:吸着面 S2:下面 S3:上面 S4:下面 S5:下面 W:ウェハ t:初期厚さ

Claims (8)

  1. 第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状部材と、
    第3の表面を有し、前記第3の表面が前記板状部材の前記第2の表面側に位置するように配置され、前記板状部材の熱膨張係数とは異なる熱膨張係数を有するベース部材と、
    前記板状部材の前記第2の表面と前記ベース部材の前記第3の表面との間に配置されて前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、
    を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記接合部は、少なくとも第1の接合層と第2の接合層とを含んでおり、
    前記第1の接合層は、金属および無機材料の少なくとも一種により形成された繊維を含有し、かつ、断熱性が前記第2の接合層の断熱性より高く、
    前記第2の接合層は、前記第1の接合層と前記ベース部材との間に配置され、柔軟性が前記第1の接合層の柔軟性より高い、
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載の保持装置において、さらに、
    前記接合部における前記第1の接合層の外周面を覆い、かつ、気密性が前記第1の接合層の気密性より高い保護部を備える、
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保持装置において、
    前記第1の接合層に対して、前記第1の方向に隣接する他の接合層は、樹脂を含有しており、
    前記第1の接合層には、前記他の接合層が含有する前記樹脂の一部が前記第1の接合層の前記繊維間に入り込んでいる、
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記ベース部材には、冷媒流路が形成されており、
    前記接合部のせん断接着ひずみは、15%以上である、
    ことを特徴とする保持装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記接合部のヤング率は、10MPa以下である、
    ことを特徴とする保持装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記接合部の剛性率は、4MPa以下である、
    ことを特徴とする保持装置。
  7. 請求項6に記載の保持装置において、
    前記第2の接合層は、シリコーン樹脂を含む、
    ことを特徴とする保持装置。
  8. 請求項7に記載の保持装置において、
    前記ベース部材には、冷媒流路が形成されており、
    前記シリコーン樹脂は、付加硬化型シリコーン樹脂である、
    ことを特徴とする保持装置。
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