JP6865201B2 - 保持装置 - Google Patents

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Description

本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置に関する。
例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、例えばセラミックス製の板状部材と、例えば金属製のベース部材と、板状部材とベース部材とを接合する接合部と、板状部材の内部に設けられたチャック電極とを備えており、チャック電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、板状部材の表面(吸着面)にウェハを吸着して保持する。
半導体製造装置の真空チャンバー内におけるプラズマの分布が所望の分布にならないと、例えばウェハに対するエッチング速度が不均一になるなど、ウェハに対する各種処理の精度が低下するおそれがある。従来、静電チャックの板状部材とベース部材との間に、強磁性体により形成された部材(マグネティックシャント)を配置することにより、磁場を補正し、これによりプラズマの分布を補正する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−172785号公報
上記従来の構成では、強磁性体により形成された部材が、十分な柔軟性を有さない。上記従来の構成では、そのような十分な柔軟性を有さない部材が板状部材とベース部材との間に配置されているため、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力を効果的に緩和することができず、部材間の剥離や部材の割れが発生するおそれがある、という課題がある。
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、板状部材と、ベース部材と、接合部とを備え、板状部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状部材と、第3の表面を有し、前記第3の表面が前記板状部材の前記第2の表面側に位置するように配置され、前記板状部材の熱膨張係数とは異なる熱膨張係数を有するベース部材と、前記板状部材の前記第2の表面と前記ベース部材の前記第3の表面との間に配置されて前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記接合部のうち、前記第1の方向に直交する第2の方向における少なくとも一部分は、硬磁性体の繊維を含有している。本保持装置では、接合部のうち、第2の方向における少なくとも一部分が、硬磁性体の繊維を含有しているため、硬磁性体の繊維を含有する部分の存在により磁場を補正することができ、これによりプラズマの分布を補正することができる。これにより、プラズマの分布に起因して、例えば対象物に対するエッチング速度が不均一になるなど、対象物に対する各種処理の精度が低下することを抑制することができる。また、本保持装置では、接合部の少なくとも一部分が、硬磁性体を、繊維の形態で含有している。そのため、接合部は、硬磁性体を含有しつつも十分な柔軟性を有する。従って、接合部により、板状部材とベース部材との接合性を確保しつつ、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力を効果的に緩和することができ、部材間の剥離や部材の割れが発生することを抑制することができる。このように、本保持装置によれば、部材間の剥離や部材の割れが発生することを抑制しつつ、磁場を補正することによってプラズマの分布を補正することができる。
(2)上記保持装置において、前記接合部のうち、前記接合部の外周面を構成する部分と、前記接合部を前記第1の方向に貫通する第1の孔であって、前記板状部材における前記第1の表面と前記第2の表面とに開口する第2の孔と連通している第1の孔の内周面を構成する部分と、の少なくとも一方は、前記硬磁性体の繊維を含有しない構成としてもよい。本保持装置では、接合部のうち、プラズマに晒されるおそれのある部分に硬磁性体の繊維が配置されることを抑制することができる。そのため、本保持装置によれば、硬磁性体の繊維がプラズマ中に漏出することを抑制することができ、漏出した硬磁性体の繊維によってプラズマの状態が変化して対象物に対する各種処理の精度が低下することを抑制することができる。
(3)上記保持装置において、前記ベース部材には、冷媒流路が形成されており、前記接合部のせん断接着ひずみは、40%以上である構成としてもよい。本保持装置では、接合部は、ある程度以上のせん断破断のしにくさを有する。そのため、本保持装置では、接合部における繊維を含有する部分中の繊維の存在により磁場を補正しつつ、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力によって接合部が破断することを抑制することができる。従って、本保持装置によれば、接合部の破断に起因して板状部材とベース部材との間の熱伝導性(熱引き特性)が低下し、板状部材の第1の表面の温度分布の制御性が低下することを抑制することができる。
(4)上記保持装置において、前記接合部のヤング率は、10MPa以下である構成としてもよい。本保持装置では、接合部は、ある程度以上の柔軟性を有する。そのため、本保持装置では、接合部における繊維を含有する部分中の繊維の存在により磁場を補正しつつ、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力によって反りが発生することを抑制することができる。従って、本保持装置によれば、該反りに起因して対象物に対する処理速度(例えば、エッチング速度)が不均一となったり、加工深さに制限が出たりすることを抑制することができる。
(5)上記保持装置において、前記接合部の剛性率は、4MPa以下である構成としてもよい。本保持装置では、接合部は、特にせん断方向に対して、ある程度以上の柔軟性を有する。そのため、本保持装置では、接合部における繊維を含有する部分中の繊維の存在により磁場を補正しつつ、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力によって反りが発生することを抑制することができる。従って、本保持装置によれば、該反りに起因して対象物に対する処理速度(例えば、エッチング速度)が不均一となったり、加工深さに制限が出たりすることを抑制することができる。
(6)上記保持装置において、前記接合部は、樹脂材料を含む構成としてもよい。本保持装置によれば、接合部により、板状部材とベース部材との間の接合性を効果的に確保しつつ、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力を効果的に緩和することができ、部材間の剥離や部材の割れが発生することを効果的に抑制することができる。また、本保持装置によれば、上記接合部が樹脂材料を含んでいることにより、当該接合部に孔が形成されている場合において、当該孔と真空チャンバー内との気密性が確保される。このため、当該孔内の気体が、保持装置が載置された真空チャンバー内に漏れ出ることにより当該真空チャンバー内の真空度が低下することを抑制することができる。また、上記接合部に複数の上記孔が形成されている場合において、当該各孔の間の気密性が確保されるため、各孔内の間で気体が相互に混合することを抑制することができる。
(7)上記保持装置において、前記樹脂材料は、シリコーン樹脂である構成としてもよい。樹脂材料の中でもシリコーン樹脂は、耐寒性と耐熱性と柔軟性に優れる。そのため、接合部が含有する樹脂材料としてシリコーン樹脂を用いれば、接合部の耐寒性および耐熱性を向上させることができ、保持装置を広い温度範囲で使用することができるとともに、接合部によって板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力を極めて効果的に緩和することができ、部材間の剥離や部材の割れが発生することを極めて効果的に抑制することができる。
(8)上記保持装置において、前記ベース部材には、冷媒流路が形成されており、前記樹脂材料は、付加硬化型シリコーン樹脂である構成としてもよい。シリコーン樹脂の中でも付加硬化型シリコーン樹脂は、硬化の際に揮発性の副生成物を発生しない。そのため、接合部が含有する樹脂材料として付加硬化型シリコーン樹脂を用いれば、該副生成物に起因して接合部に気泡が生じることを抑制することができ、その結果、該気泡の存在に起因して板状部材とベース部材との間の熱伝導性(熱引き特性)が低下し、板状部材の第1の表面の温度分布の制御性が低下することを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、静電チャック、真空チャック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
第1実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 第1実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 第1実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 接合部30の繊維含有部分32の構成を模式的に示す説明図である。 せん断接着ひずみの特定方法を模式的に示す説明図である。 接合部30の繊維含有部分32によるプラズマの分布の補正について概念的に示す説明図である。 第2実施形態の静電チャック100aのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 第3実施形態の静電チャック100bのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、第1実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、第1実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、第1実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図3には、図2のIII−IIIの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
静電チャック100は、対象物(例えば半導体ウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置された板状部材10およびベース部材20を備える。板状部材10とベース部材20とは、板状部材10の下面S2(図2参照)とベース部材20の上面S3とが、後述する接合部30を挟んで上記配列方向に対向するように配置される。すなわち、ベース部材20は、ベース部材20の上面S3が板状部材10の下面S2側に位置するように配置される。
板状部材10は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略円形平面状の上面(以下、「吸着面」という)S1を有する部材であり、例えばセラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。板状部材10の直径は例えば50mm〜500mm程度(通常は200mm〜350mm程度)であり、板状部材10の厚さは例えば1mm〜10mm程度である。板状部材10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、板状部材10の下面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当し、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を「面方向」という。面方向は、特許請求の範囲における第2の方向に相当する。
図2に示すように、板状部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極40が配置されている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示せず)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWが板状部材10の吸着面S1に吸着固定される。
板状部材10の内部には、また、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)を含む抵抗発熱体により構成されたヒータ電極50が配置されている。ヒータ電極50に電源(図示せず)から電圧が印加されると、ヒータ電極50が発熱することによって板状部材10が温められ、板状部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが温められる。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
ベース部材20は、例えば板状部材10と同径の、または、板状部材10より径が大きい円形平面の板状部材であり、例えば金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材20の熱膨張係数(熱膨張率)は、板状部材10の熱膨張係数とは異なる。例えば、ベース部材20は、金属により形成され、板状部材10は、セラミックスにより形成されている。この場合には、ベース部材20の熱膨張係数は、板状部材10の熱膨張係数より大きい。ベース部材20の直径は例えば220mm〜550mm程度(通常は220mm〜350mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm〜40mm程度である。ベース部材20の上面S3は、特許請求の範囲における第3の表面に相当する。
ベース部材20は、板状部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置された接合部30によって、板状部材10に接合されている。接合部30は、例えば樹脂材料(接着材料)を含んでいる。接合部30の厚さは、例えば0.1mm〜1mm程度である。接合部30の構成については、後に詳述する。
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、接合部30を介したベース部材20と板状部材10との間の伝熱(熱引き)により板状部材10が冷却され、板状部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
また、図2に示すように、静電チャック100には、ベース部材20の下面S4から板状部材10の吸着面S1にわたって上下方向に延びるピン挿通孔140が形成されている。すなわち、ピン挿通孔140は、ベース部材20をZ軸方向に貫通する孔26と、接合部30をZ軸方向に貫通する孔36と、板状部材10をZ軸方向に貫通する孔16とが互いに連通した一体の孔である。ピン挿通孔140は、板状部材10の吸着面S1上に保持されたウェハWを押し上げて吸着面S1から離間させるためのリフトピン(図示せず)を挿通するための孔である。接合部30に形成された孔36は、特許請求の範囲における第1の孔に相当し、板状部材10に形成された孔16は、特許請求の範囲における第2の孔に相当する。
また、図2に示すように、静電チャック100は、板状部材10とウェハWとの間の伝熱性を高めてウェハWの温度分布の制御性をさらに高めるため、板状部材10の吸着面S1とウェハWの表面との間に存在する空間に不活性ガス(例えば、ヘリウムガス)を供給する構成を備えている。すなわち、静電チャック100には、ベース部材20の下面S4から接合部30の上面にわたって上下方向に延びる第1のガス流路孔131と、第1のガス流路孔131に連通すると共に板状部材10の吸着面S1に開口する第2のガス流路孔132とが形成されている。第1のガス流路孔131は、ベース部材20をZ軸方向に貫通する孔25と、接合部30をZ軸方向に貫通する孔35とが互いに連通した一体の孔である。また、第2のガス流路孔132の下端部は、径が拡大された拡径部134となっており、拡径部134内には、通気性を有する充填部材(通気性プラグ)160が充填されている。また、板状部材10の内部には、第2のガス流路孔132と連通すると共に面方向に環状に延びる横流路133が形成されている。ヘリウムガス源(図示しない)から供給されたヘリウムガスが、第1のガス流路孔131内に流入すると、流入したヘリウムガスは、第1のガス流路孔131から拡径部134内に充填された通気性を有する充填部材160の内部を通過して板状部材10の内部の第2のガス流路孔132内に流入し、横流路133を介して面方向に流れつつ、吸着面S1に形成されたガス噴出孔から噴出する。このようにして、吸着面S1とウェハWの表面との間に存在する空間に、ヘリウムガスが供給される。接合部30に形成された孔35は、特許請求の範囲における第1の孔に相当し、板状部材10に形成された第2のガス流路孔132は、特許請求の範囲における第2の孔に相当する。
A−2.接合部30の詳細構成:
次に、板状部材10とベース部材20とを接合する接合部30の詳細構成について説明する。図2および図3に示すように、本実施形態の静電チャック100では、接合部30が、通常部分31と、繊維含有部分32とから構成されている。
図4は、接合部30の繊維含有部分32の構成を模式的に示す説明図である。接合部30の繊維含有部分32は、樹脂材料321を含んでいる。本実施形態では、繊維含有部分32は、樹脂材料321を主成分として含んでいる。なお、本明細書において、主成分とは、体積含有率が50vol%より大きい成分を意味する。繊維含有部分32に含まれる樹脂材料321としては、シリコーン樹脂やアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の種々の樹脂材料を用いることができるが、シリコーン樹脂を用いることが好ましく、シリコーン樹脂の中でも付加硬化型シリコーン樹脂を用いることがさらに好ましい。
また、接合部30の繊維含有部分32は、樹脂材料321に加えて、硬磁性体繊維322を含んでいる。硬磁性体繊維322は、硬磁性体により形成された繊維である。ここで、繊維とは、細い糸状の物体であり、より詳細には、平均径(略円形断面の場合は直径、矩形断面の場合は該矩形断面と同じ断面積を有する円の直径)に対する平均長さの比(アスペクト比)が10以上の物体である。硬磁性体繊維322の径は、例えば、2μm以上、0.2mm以下であることが好ましく、接着シートとするためにさらに好ましくは、2μm以上、100μm以下である。硬磁性体繊維322の長さは、例えば、20μm以上、30mm以下であることが好ましい。また、硬磁性体は、磁性体のうち、保磁力が高く、磁場を与えることによって永久磁石化できる磁性体である。硬磁性体繊維322を形成する硬磁性体としては、例えば、ステンレス等の鉄系合金、純鉄、各種フェライト、マグネタイト、ニッケル、クロム、ネオジム、サマリウムコバルト、アルニコ等を用いることができる。上記ステンレスとしては、例えば、SUS430系統、SUS420系統、SUS329系統等、フェライト系およびマルテンサイト系のステンレス鋼を用いることができる。上記フェライトとしては、スピルネルフェライト、六方晶フェライト、ガーネットフェライト等を用いることができる。上記スピルネルフェライト(M・Fe、ただし、Mは、Mn、Co、Ni、Cu、Zn等)としては、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、銅亜鉛フェライト等が挙げられる。上記六方晶フェライト(M・Fe1219、ただし、Mは、Ba、Sr、Pb等)としては、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等が挙げられる。上記ガーネットフェライト(R・Fe12、ただし、Rは希土類元素)としては、イットリウム鉄ガーネット等が挙げられる。
接合部30の繊維含有部分32は、樹脂材料321および硬磁性体繊維322に加えて、例えばセラミックスの充填材(フィラー)を含んでいてもよい。セラミックスの充填材としては、例えば、アルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
一方、接合部30の通常部分31は、樹脂材料321を含んでいる。本実施形態では、通常部分31は、樹脂材料321を主成分として含んでいる。通常部分31に含まれる樹脂材料321としては、繊維含有部分32に含まれる樹脂材料321と同様に、シリコーン樹脂やアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の種々の樹脂材料を用いることができるが、シリコーン樹脂を用いることが好ましく、シリコーン樹脂の中でも付加硬化型シリコーン樹脂を用いることがさらに好ましい。
また、接合部30の通常部分31は、樹脂材料321に加えて、例えばセラミックスの充填材(フィラー)を含んでいてもよい。ただし、通常部分31は、繊維含有部分32と異なり、硬磁性体繊維322を含んでいない。
図2および図3に示すように、本実施形態の静電チャック100では、Z軸方向視で、接合部30における外周側の略円環状の部分は、硬磁性体繊維322を含有する繊維含有部分32となっており、繊維含有部分32の内側の略円形状の部分は、硬磁性体繊維322を含有しない通常部分31となっている。すなわち、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のうち、面方向における一部分(繊維含有部分32)が、硬磁性体繊維322を含有しており、面方向における他の一部分(通常部分31)が、硬磁性体繊維322を含有していないと言える。
また、図2に示すように、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のうち、ピン挿通孔140の一部である孔36の内周面を構成する部分や、第1のガス流路孔131の一部である孔35の内周面を構成する部分は、硬磁性体繊維322を含有しない通常部分31となっている。なお、図3では、接合部30に形成された各貫通孔(孔36や孔35)の図示を省略している。
本実施形態の静電チャック100では、接合部30のせん断接着ひずみは、40%以上である。すなわち、接合部30は、ある程度以上のせん断破断のしにくさを有する。なお、接合部30の通常部分31は、硬磁性体繊維322を含有していないため、通常部分31のせん断接着ひずみは、繊維含有部分32のせん断接着ひずみより高い。
接合部30のせん断接着ひずみは、以下のように特定することができる。図5は、せん断接着ひずみの特定方法を模式的に示す説明図である。まず、図5のA欄およびB欄に示すように、せん断接着ひずみの特定対象である試料SA(初期厚さt)によって、2つの略平板状の被着体201,202(例えば、アルミニウム板)を接合する。例えば、被着体201,202の大きさは、幅12.5mm×長さ100mm×厚さ1mmであり、接合部は、各被着体201,202の端の幅12.5mm×長さ12.5mmの部分である。次に、図5のC欄に示すように、試料SAにせん断力が作用するように、2つの被着体201,202を相対移動させる。例えば、公知の引張試験機(例えば、島津製作所製のオートグラフAG−IS)を用いて、一方の被着体201を接着面に平行な一方の方向(例えば、図5のC欄における上方向)に所定速度(例えば、2mm/分)で移動させながら、荷重と移動距離とを測定する。荷重を試験前の接合部の面積で除すことにより、せん断応力を算出する。このような被着体201,202の相対移動を試料SAが破断するまで継続し、せん断応力が最大になったときの距離ΔLを測定する。最後に、以下の式(1)の通り、距離ΔLを試料SAの初期厚さtで除して、試料SAのせん断ひずみ(%)を算出する。
せん断接着ひずみ(%)=(ΔL/t)×100 ・・・(1)
また、被着体に接合済みの接合材料のせん断ひずみを測定する場合は、例えば以下のように行う。まず、レーザーカット等の加工方法により、接合部を被着体ごと切り出す。切り出す試験片の形状は、引張試験機の治具で保持することができ、かつ、接合されている2つの被着体を、図5に示されるように互いに逆方向に引っ張ることができる形状であればよい。引張試験を行う前に、切り出した試験片における接合部の面積と、接合部の厚さとを測定する。その後は、上述した方法と同様に引っ張り試験を行い、せん断応力が最大になったときの距離ΔLを接合部の初期厚さtで除すことにより、せん断ひずみ(%)を算出する。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のヤング率は、10MPa以下である。すなわち、接合部30は、ある程度以上の柔軟性を有する。なお、接合部30の通常部分31は、硬磁性体繊維322を含有していないため、通常部分31のヤング率は、繊維含有部分32のヤング率より低い。
接合部30のヤング率は、公知の特定方法(例えば、下記のように、公知の引張試験機(例えば、島津製作所製のオートグラフAG−IS)による引張試験を行う方法)を用いて特定することができる。試験片は、シート状に成形し、材料に応じて加熱・硬化した後、所定の大きさに切り出すことにより作製することができる。試験片の大きさは、例えば、幅10mm×長さ70mmである。試験片の両端の長さ20mmの部分を治具で保持し、中間の長さ30mmの部分をサンプル長とする。試験片が破断するまで、例えば50mm/分の速度で長さ方向に引っ張りながら、移動距離とその時の荷重とを測定する。荷重を、試験前の試験片の断面積で除すことにより、引張応力を算出し、引張応力−ひずみ線図の原点付近の傾きからヤング率(弾性率)を算出する。なお、試験片の形状は、JIS K 6251:2010で定められたダンベル形状としてもよい。
また、被着体に接合済みの接合材料のヤング率を測定する場合には、ナイフ等を用いて被着体から接合材料をそぎ落とし、例えば上記と同じ幅10mm×長さ70mmに切り出して試験片を作製し、上記と同様の方法でヤング率を算出することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30の剛性率は、4MPa以下である。すなわち、接合部30は、特にせん断方向に対して、ある程度以上の柔軟性を有する。なお、接合部30の通常部分31は、硬磁性体繊維322を含有していないため、通常部分31の剛性率は、繊維含有部分32の剛性率より低い。
接合部30の剛性率は、以下のように特定することができる。すなわち、上述したせん断接着ひずみの特定方法と同様に、剛性率の特定対象である試料SA(初期厚さt)によって、2つの略平板状の被着体201,202(例えば、アルミニウム板)を接合し(図5のA欄およびB欄参照)、次に、試料SAにせん断力が作用するように、2つの被着体201,202を相対移動させる(図5のC欄参照)。例えば、公知の引張試験機(例えば、島津製作所製のオートグラフAG−IS)を用いて、一方の被着体201を接着面に平行な一方の方向(例えば、図5のC欄における上方向)に所定速度(例えば、2mm/分)で移動させながら、荷重と移動距離ΔL’とを測定する。荷重を試験前の接合部の面積で除すことにより、せん断応力を算出する。以下の式(2)の通り、移動距離ΔL’を試料SAの初期厚さtで除すことにより、ひずみ(%)を算出する。せん断接着応力−ひずみ線図における原点付近の傾きから剛性率を算出する。
ひずみ(%)=(ΔL’/t)×100 ・・・(2)
また、被着体に接合済みの接合材料の剛性率を測定する場合は、例えば以下のように行う。まず、レーザーカット等の加工方法により、接合部を被着体ごと切り出す。切り出す試験片の形状は、引張試験機の治具で保持することができ、かつ、接合されている2つの被着体を、図5に示されるように互いに逆方向に引っ張ることができる形状であればよい。引張試験を行う前に、切り出した試験片における接合部の面積と、接合部の厚さとを測定する。その後は、上述した方法と同様に引っ張り試験を行い、せん断接着応力−ひずみ線図における原点付近の傾きから剛性率を算出する。
A−3.静電チャック100の製造方法:
本実施形態の静電チャック100の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、公知の方法により、板状部材10を作製する。例えば、セラミックスグリーンシートを複数枚作製し、所定のセラミックスグリーンシートに所定の加工を行う。所定の加工としては、例えば、チャック電極40やヒータ電極50等の形成のためのメタライズペーストの印刷、各種ビアの形成のための孔空けおよびメタライズペーストの充填等が挙げられる。これらのセラミックスグリーンシートを積層して熱圧着し、切断等の加工を行うことにより、セラミックスグリーンシートの積層体を作製する。作製されたセラミックスグリーンシートの積層体を焼成することにより、セラミックス焼成体である板状部材10を作製する。また、公知の方法により、ベース部材20を作製する。
また、接合部30の各部分(通常部分31および繊維含有部分32)を形成するためのシート状接着剤を作製する。具体的には、液状の樹脂材料に充填材を加えて作製したペーストを、例えば離型シート上に膜状に塗布した後、所定の硬化処理によって半硬化させることにより、通常部分31を形成するためのシート状接着剤を作製する。また、硬磁性体からなる繊維シートを液状の樹脂材料に含浸させた後、例えば離型シート上に膜状に載置した後、所定の硬化処理によって半硬化させることにより、繊維含有部分32を形成するためのシート状接着剤を作製する。繊維含有部分32を形成するためのシート状接着剤においては、各硬磁性体繊維322は部分的に互いに絡まっており、各硬磁性体繊維322により構成された連続的な空間に樹脂材料が充填されている。液状の樹脂材料にはあらかじめ充填材を加えておいてもよい。もしくは、繊維や充填材を液状の樹脂材料に加えて作製したペーストを、例えば離型シート上に膜状に塗布した後、所定の硬化処理によって半硬化させることにより、繊維含有部分32を形成するためのシート状接着剤を作製してもよい。各シート状接着剤に対して、例えば打ち抜き加工を行うことにより、各シート状接着剤の形状を所望の形状(例えば、略円環状および略円形)にする。
その後、通常部分31用および繊維含有部分32用のシート状接着剤を用いて、板状部材10とベース部材20とを接合する。具体的には、板状部材10とベース部材20との一方の表面(接合面)に、通常部分31用および繊維含有部分32用のシート状接着剤を所定の位置関係(例えば、略円環状の繊維含有部分32用のシート状接着剤が外周側に位置し、その内側に、略円形の通常部分31用のシート状接着剤が位置する位置関係)で面方向に並べて配置し、板状部材10とベース部材20とを各シート状接着剤を介して貼り合わせ、各シート状接着剤を硬化させる硬化処理を行うことにより、接合部30(通常部分31および繊維含有部分32)を形成する。主として以上の工程により、本実施形態の静電チャック100が製造される。
なお、所定のタイミングにおいて、接合部30の繊維含有部分32に含まれる硬磁性体繊維322に磁場を与えて着磁することにより、永久磁石化する処理を行う。硬磁性体繊維322を磁化するタイミングは、特に限定されず、例えば、繊維含有部分32用のシート状接着剤の作製直後や、該シート状接着剤の打ち抜き等の加工直後、該シート状接着剤を介した板状部材10とベース部材20との貼り合わせ直後、該シート状接着剤の硬化処理直後等のいずれでもよい。ただし、硬磁性体繊維322の磁化は、できるだけ後ろの工程で行うことが好ましい。これは、硬磁性体繊維322を磁化すると、その後の工程で使用する装置に強磁性体が使用されている場合、硬磁性体繊維322が引き付けられてしまい、ハンドリングしにくくなるためである。
A−4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100は、板状部材10と、ベース部材20と、接合部30とを備える。板状部材10は、Z軸方向に略直交する吸着面S1と、吸着面S1とは反対側の下面S2とを有する。ベース部材20は、上面S3を有し、上面S3が板状部材10の下面S2側に位置するように配置されている。ベース部材20の熱膨張係数は、板状部材10の熱膨張係数と異なる。接合部30は、板状部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置されて板状部材10とベース部材20とを接合する。また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のうち、面方向(Z軸方向に直交する方向)における一部分(繊維含有部分32)は、硬磁性体繊維322を含有している。
このように、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のうち、面方向における一部分(繊維含有部分32)が、硬磁性体繊維322を含有しているため、硬磁性体繊維322を含有する繊維含有部分32の存在により、磁場を補正することができ、これによりプラズマの分布を補正することができる。図6は、接合部30の繊維含有部分32によるプラズマの分布の補正について概念的に示す説明図である。図6のA欄には、半導体製造装置の真空チャンバー内において、比較例の静電チャック100Xに保持されたウェハWと、該静電チャック100Xの上方に設けられたシャワーヘッド電極ELとの間に生成されたプラズマPLの分布が模式的に示されている。比較例の静電チャック100Xの接合部30Xは、硬磁性体繊維322を含有する部分を有さない。そのため、プラズマPLの分布が所望の分布ではない場合(例えば、ウェハWの外周付近におけるプラズマPLの密度が他の位置に比べて低い場合)にも、磁場を補正することによってプラズマPLの分布を補正することができない。一方、図6のB欄には、半導体製造装置の真空チャンバー内において、本実施形態の静電チャック100に保持されたウェハWと、該静電チャック100の上方に設けられたシャワーヘッド電極ELとの間に生成されたプラズマPLの分布が模式的に示されている。本実施形態の静電チャック100の接合部30は、硬磁性体繊維322を含有する繊維含有部分32を有する。例えば、本実施形態の静電チャック100では、Z軸方向視で、接合部30における外周側の略円環状の部分が繊維含有部分32となっている。そのため、繊維含有部分32に含まれる硬磁性体繊維322によって磁場が補正され、ウェハWの外周付近にプラズマPLが誘引されることによって、プラズマPLの分布を補正することができる。これにより、プラズマPLの分布に起因して、例えばウェハWに対するエッチング速度が不均一になるなど、ウェハWに対する各種処理の精度が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30の繊維含有部分32が、硬磁性体を、繊維の形態で含有している。そのため、接合部30の繊維含有部分32は、硬磁性体を含有しつつも十分な柔軟性を有する。すなわち、繊維含有部分32では、各硬磁性体繊維322が樹脂材料321の変形に追随してスライドできるため、繊維含有部分32全体として十分な柔軟性を有する。この点で、接合部30の繊維含有部分32は、変形しにくい金属多孔体とは異なる。従って、本実施形態の静電チャック100では、接合部30により、板状部材10とベース部材20との接合性を確保しつつ、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力を効果的に緩和することができ、部材間の剥離や部材の割れが発生することを抑制することができる。
このように、本実施形態の静電チャック100によれば、部材間の剥離や部材の割れが発生することを抑制しつつ、磁場を補正することによってプラズマの分布を補正することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のうち、接合部30をZ軸方向に貫通する孔35,36であって、板状部材10における吸着面S1と下面S2とに開口する孔132,16と連通している孔35,36の内周面を構成する部分は、硬磁性体繊維322を含有しない。接合部30のうち、上記孔35,36の内周面を構成する部分は、板状部材10における吸着面S1と下面S2とに開口する孔132,16に入り込んだプラズマに晒されるおそれのある部分である。本実施形態の静電チャック100では、接合部30のうち、プラズマに晒されるおそれのある部分である孔35,36の内周面を構成する部分に硬磁性体繊維322が存在しない。そのため、本実施形態の静電チャック100によれば、硬磁性体繊維322がプラズマ中に漏出することを抑制することができ、漏出した硬磁性体繊維322によってプラズマの状態が変化してウェハWに対する各種処理の精度が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、ベース部材20に冷媒流路21が形成されている。また、接合部30のせん断接着ひずみは、40%以上である。すなわち、接合部30は、ある程度以上のせん断破断のしにくさを有する。このような高いせん断接着ひずみの値は、上述したように、繊維含有部分32において、各硬磁性体繊維322が樹脂材料321の変形に追随してスライドでき、繊維含有部分32全体として十分な柔軟性を有するために実現することができる。そのため、本実施形態の静電チャック100では、接合部30の繊維含有部分32中の硬磁性体繊維322の存在により磁場を補正しつつ、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力によって接合部30が破断することを抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック100によれば、接合部30の破断に起因して板状部材10とベース部材20との間の熱伝導性(熱引き特性)が低下し、板状部材10の吸着面S1の温度分布の制御性が低下することを抑制することができる。例えば、板状部材10の直径が360mmであり、接合部30の厚さが1mmであり、板状部材10がアルミナ(熱膨張係数:8.2ppm/K)により形成され、ベース部材20がアルミニウム(熱膨張係数:23ppm/K)により形成され、応力ゼロとなる温度を100℃(硬化温度)とし、使用時温度を板状部材10では150℃、ベース部材20では20℃としたとき、接合部30のせん断接着ひずみが40%以上であれば、接合部30が破断することがない。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30のヤング率は、10MPa以下である。すなわち、接合部30は、ある程度以上の柔軟性を有する。このような低いヤング率の値は、上述したように、繊維含有部分32において、各硬磁性体繊維322が樹脂材料321の変形に追随してスライドでき、繊維含有部分32全体として十分な柔軟性を有するために実現することができる。そのため、本実施形態の静電チャック100では、接合部30の繊維含有部分32中の硬磁性体繊維322の存在により磁場を補正しつつ、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力によって反りが発生することを抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック100によれば、該反りに起因してウェハWに対する処理速度(例えば、エッチング速度)が不均一となったり、加工深さに制限が出たりすることを抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30の剛性率は、4MPa以下である。すなわち、接合部30は、特にせん断方向に対して、ある程度以上の柔軟性を有する。このような低い剛性率の値は、上述したように、繊維含有部分32において、各硬磁性体繊維322が樹脂材料321の変形に追随してスライドでき、繊維含有部分32全体として十分な柔軟性を有するために実現することができる。そのため、本実施形態の静電チャック100では、接合部30の繊維含有部分32中の硬磁性体繊維322の存在により磁場を補正しつつ、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力によって反りが発生することを抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック100によれば、該反りに起因してウェハWに対する処理速度(例えば、エッチング速度)が不均一となったり、加工深さに制限が出たりすることを抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、接合部30が樹脂材料を含んでいる。そのため、本実施形態の静電チャック100によれば、接合部30により、板状部材10とベース部材20との間の接合性を効果的に確保しつつ、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力を効果的に緩和することができ、部材間の剥離や部材の割れが発生することを効果的に抑制することができる。また、本実施形態の静電チャック100によれば、接合部30が樹脂材料を含んでいることにより、接合部30に形成された第1のガス流路孔131およびピン挿通孔140の各孔と真空チャンバー内との気密性が確保される。このため、第1のガス流路孔131内のヘリウムガスやピン挿通孔140内の大気が、静電チャック100が載置された真空チャンバー内に漏れ出ることにより当該真空チャンバー内の真空度が低下することを抑制することができる。また、接合部30に形成された第1のガス流路孔131およびピン挿通孔140の各孔の間の気密性が確保されるため、第1のガス流路孔131内のヘリウムガスとピン挿通孔140内の大気とが相互に混合することを抑制することができる。
なお、接合部30が含有する樹脂材料は、シリコーン樹脂であることが好ましい。樹脂材料の中でもシリコーン樹脂は、耐寒性と耐熱性と柔軟性に優れる。そのため、接合部30が含有する樹脂材料としてシリコーン樹脂を用いれば、接合部30の耐寒性および耐熱性を向上させることができ、静電チャック100を広い温度範囲で使用することができるとともに、接合部30によって板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力を極めて効果的に緩和することができ、部材間の剥離や部材の割れが発生することを極めて効果的に抑制することができる。
また、接合部30が含有する樹脂材料は、付加硬化型シリコーン樹脂であることがさらに好ましい。シリコーン樹脂の中でも付加硬化型シリコーン樹脂は、硬化の際に揮発性の副生成物を発生しない。そのため、接合部30が含有する樹脂材料として付加硬化型シリコーン樹脂を用いれば、該副生成物に起因して接合部30に気泡が生じることを抑制することができ、その結果、該気泡の存在に起因して板状部材10とベース部材20との間の熱伝導性(熱引き特性)が低下し、板状部材10の吸着面S1の温度分布の制御性が低下することを抑制することができる。
また、接合部30における繊維含有部分32と通常部分31との熱伝導率は、略同一であることが好ましい。そのようにすれば、板状部材10からベース部材20への熱伝達が略均等になり、板状部材10の吸着面S1の温度分布が略均一になるためである。各材料の熱伝導率の調整は、例えば、上述した充填材の配合を調整する等、公知の方法により実現可能である。
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態の静電チャック100aのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。以下では、第2実施形態の静電チャック100aの構成の内、上述した第1実施形態の静電チャック100の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図7に示すように、第2実施形態の静電チャック100aは、第1実施形態の静電チャック100と比較して、接合部30(通常部分31および繊維含有部分32)の構成が異なっている。具体的には、第2実施形態の静電チャック100aでは、接合部30のうち、接合部30の外周面を構成する部分は、硬磁性体繊維322を含有する繊維含有部分32ではなく、硬磁性体繊維322を含有しない通常部分31となっている。
接合部30のうち、接合部30の外周面を構成する部分は、プラズマに晒されるおそれのある部分である。第2実施形態の静電チャック100aでは、接合部30のうち、プラズマに晒されるおそれのある部分である外周面を構成する部分に硬磁性体繊維322が存在しない。そのため、第2実施形態の静電チャック100aによれば、硬磁性体繊維322がプラズマ中に漏出することを抑制することができ、漏出した硬磁性体繊維322によってプラズマの状態が変化してウェハWに対する各種処理の精度が低下することを抑制することができる。
C.第3実施形態:
図8は、第3実施形態の静電チャック100bのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。以下では、第3実施形態の静電チャック100bの構成の内、上述した第1実施形態の静電チャック100の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図8に示すように、第3実施形態の静電チャック100bは、第1実施形態の静電チャック100と比較して、接合部30の構成が異なっている。具体的には、第3実施形態の静電チャック100bでは、接合部30が、第1の層33と、第1の層33に対してベース部材20側(下側)に位置する第2の層34とから構成されている。
接合部30の第1の層33は、第1実施形態における接合部30と同様に、通常部分31と繊維含有部分32とから構成されている。通常部分31は、樹脂材料321を含み、かつ、硬磁性体繊維322を含まない部分であり、繊維含有部分32は、樹脂材料321を含み、かつ、硬磁性体繊維322を含む部分である。一方、接合部30の第2の層34は、面方向の全体にわたって、通常部分31と同様に、樹脂材料321を含み、かつ、硬磁性体繊維322を含まない。
このように、第3実施形態の静電チャック100bでは、第1実施形態の静電チャック100と同様に、接合部30の第1の層33のうち、面方向における一部分(繊維含有部分32)が、硬磁性体繊維322を含有しているため、硬磁性体繊維322を含有する繊維含有部分32の存在により、磁場を補正することができ、これによりプラズマの分布を補正することができる。また、第3実施形態の静電チャック100bでは、第1実施形態の静電チャック100と同様に、接合部30の第1の層33の繊維含有部分32が、硬磁性体を繊維の形態で含有しているため、接合部30により、板状部材10とベース部材20との接合性を確保しつつ、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力を緩和することができ、部材間の剥離や部材の割れが発生することを抑制することができる。特に、第3実施形態の静電チャック100bでは、接合部30が、第1の層33に加えて、面方向の全体にわたって硬磁性体繊維322を含まない第2の層34を含むため、接合部30により、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力を極めて効果的に緩和することができ、部材間の剥離や部材の割れが発生することを極めて効果的に抑制することができる。
D.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態における接合部30の繊維含有部分32の配置はあくまで一例であり、種々変形可能である。より具体的には、上記第1実施形態では、接合部30における外周側の略円環状の部分が繊維含有部分32となっているが、接合部30の中心側の一部分が繊維含有部分32となっていてもよい。また、上記実施形態では、接合部30の繊維含有部分32におけるZ軸方向の全体にわたって硬磁性体繊維322が含まれているが、繊維含有部分32におけるZ軸方向の一部分のみに硬磁性体繊維322が含まれているとしてもよい。また、上記実施形態では、接合部30のうち、面方向における一部分(繊維含有部分32)は硬磁性体繊維322を含有しているが、接合部30のうち、面方向における全部分が硬磁性体繊維322を含有しているとしてもよい。このような構成であっても、例えば、接合部30の部分毎に硬磁性体繊維322を磁化させるか否かを異ならせることにより、磁場を補正することができる。
また、上記第1実施形態では、接合部30のうち、接合部30の外周面を構成する部分は、硬磁性体繊維322を含有する繊維含有部分32となっているが、この部分が、硬磁性体繊維322を含有しない通常部分31となっていてもよい。また、上記第1実施形態では、接合部30のうち、ピン挿通孔140の一部である孔36の内周面を構成する部分や、第1のガス流路孔131の一部である孔35の内周面を構成する部分は、硬磁性体繊維322を含有しない通常部分31となっているが、この部分が、硬磁性体繊維322を含有する繊維含有部分32となっていてもよい。
また、上記第3実施形態では、面方向の全体にわたって硬磁性体繊維322を含まない第2の層34が、第1の層33の下側に配置されているが、第2の層34が、第1の層33の上側に配置されていてもよいし、第2の層34が、第1の層33の上側と下側との両方に配置されていてもよい。また、上記第3実施形態において、上記第2実施形態と同様に、接合部30の第1の層33のうち、接合部30の外周面を構成する部分は、硬磁性体繊維322を含有する繊維含有部分32ではなく、硬磁性体繊維322を含有しない通常部分31となっているとしてもよい。
上記実施形態では、接合部30のせん断接着ひずみは40%以上であり、接合部30のヤング率は10MPa以下であり、接合部30の剛性率は4MPa以下であるとしているが、これらの物性値の数値範囲は好ましい範囲であり、これらの物性値の数値範囲を満たすことは必ずしも必須ではない。
上記実施形態では、板状部材10の内部にヒータ電極50が配置されているが、必ずしも板状部材10の内部にヒータ電極50が配置されている必要はない。また、上記実施形態では、ベース部材20に冷媒流路21が形成されているが、必ずしもベース部材20に冷媒流路21が形成されている必要はない。
上記実施形態では、板状部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、板状部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。
上記実施形態の静電チャック100における各部材の形成材料は、あくまで一例であり、任意に変更可能である。例えば、上記実施形態では、板状部材10が、セラミックスにより形成されているが、板状部材10が、セラミックス以外の材料(例えば、樹脂材料)により形成されるとしてもよい。また、上記実施形態において、接合部30の通常部分31に含まれる樹脂材料321と繊維含有部分32に含まれる樹脂材料321とは、同種でも異種でもよい。ただし、それらの樹脂材料321が同種であれば、相互の濡れ性が高く接着性が良好となるため、好ましい。また、上記実施形態では、接合部30の通常部分31および繊維含有部分32が樹脂材料321を主成分として含んでいるが、通常部分31および/または繊維含有部分32が樹脂材料321を副成分として含むとしてもよいし、接合部30が樹脂材料321を含まないとしてもよい。
上記実施形態の静電チャック100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、接合部30の通常部分31を形成するためのシート状接着剤と繊維含有部分32を形成するためのシート状接着剤とを作製し、それらを面方向に並べて配置しているが、これに代えて、硬磁性体繊維322を含有しない2枚のシート状接着剤と、硬磁性体繊維322を含有する1枚の有孔シート状接着剤とを作製し、上下方向において2枚のシート状接着剤によって1枚の有孔シート状接着剤を挟むように配置するとしてもよい。この場合には、接合部30のうち、上下方向視で有孔シート状接着剤における孔に重なる部分が通常部分31となり、他の部分が繊維含有部分32となる。
本発明は、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、板状部材と、ベース部材と、接合部とを備え、板状部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、真空チャック等)にも同様に適用可能である。
10:板状部材 16:孔 20:ベース部材 21:冷媒流路 25:孔 26:孔 30:接合部 31:通常部分 32:繊維含有部分 33:第1の層 34:第2の層 35:孔 36:孔 40:チャック電極 50:ヒータ電極 100:静電チャック 131:第1のガス流路孔 132:第2のガス流路孔 133:横流路 134:拡径部 140:ピン挿通孔 160:充填部材 201,202:被着体 321:樹脂材料 322:硬磁性体繊維 EL:シャワーヘッド電極 PL:プラズマ S1:吸着面 S2:下面 S3:上面 S4:下面 SA:試料 W:半導体ウェハ

Claims (7)

  1. 第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状部材と、
    第3の表面を有し、前記第3の表面が前記板状部材の前記第2の表面側に位置するように配置され、前記板状部材の熱膨張係数とは異なる熱膨張係数を有するベース部材と、
    前記板状部材の前記第2の表面と前記ベース部材の前記第3の表面との間に配置されて前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、
    を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記接合部のうち、前記第1の方向に直交する第2の方向における少なくとも一部分は、硬磁性体の繊維を含有しており、
    前記接合部のうち、前記接合部の外周面を構成する部分と、前記接合部を前記第1の方向に貫通する第1の孔であって、前記板状部材における前記第1の表面と前記第2の表面とに開口する第2の孔と連通している第1の孔の内周面を構成する部分と、の少なくとも一方は、前記硬磁性体の繊維を含有しない、
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載の保持装置において、
    前記ベース部材には、冷媒流路が形成されており、
    前記接合部のせん断接着ひずみは、40%以上である、
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保持装置において、
    前記接合部のヤング率は、10MPa以下である、
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記接合部の剛性率は、4MPa以下である、
    ことを特徴とする保持装置。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記接合部は、樹脂材料を含む、
    ことを特徴とする保持装置。
  6. 請求項に記載の保持装置において、
    前記樹脂材料は、シリコーン樹脂である、
    ことを特徴とする保持装置。
  7. 請求項に記載の保持装置において、
    前記ベース部材には、冷媒流路が形成されており、
    前記樹脂材料は、付加硬化型シリコーン樹脂である、
    ことを特徴とする保持装置。
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