JP2021095447A - 変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2021095447A
JP2021095447A JP2019225589A JP2019225589A JP2021095447A JP 2021095447 A JP2021095447 A JP 2021095447A JP 2019225589 A JP2019225589 A JP 2019225589A JP 2019225589 A JP2019225589 A JP 2019225589A JP 2021095447 A JP2021095447 A JP 2021095447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
natural rubber
modified natural
rubber
mass
same
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019225589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7427438B2 (ja
Inventor
大樹 中嶋
Daiki Nakajima
大樹 中嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Toyo Tire Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd, Toyo Tire Corp filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2019225589A priority Critical patent/JP7427438B2/ja
Priority to US17/102,745 priority patent/US11655357B2/en
Publication of JP2021095447A publication Critical patent/JP2021095447A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7427438B2 publication Critical patent/JP7427438B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L15/00Compositions of rubber derivatives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/04Oxidation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/22Incorporating nitrogen atoms into the molecule
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F136/00Homopolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds
    • C08F136/02Homopolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
    • C08F136/04Homopolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated
    • C08F136/08Isoprene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F236/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds
    • C08F236/02Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
    • C08F236/04Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated
    • C08F236/08Isoprene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L7/00Compositions of natural rubber

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】未変性天然ゴムよりも優れた低燃費性及び引張強度を有する変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤの提供。【解決手段】2つ以上の第一級アミノ基を有するアミノ化合物と結合してなる、一般式(C)で表される連結構造を有し、分岐度が0.4〜0.7である、変性天然ゴム。【選択図】なし

Description

本発明は、変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
ゴムポリマーの物性を高める手段が、従来から種々検討されている。例えば、特許文献1には、安価に製造することができ、かつゴム組成物の低ロス性及び耐摩耗性を向上させることを目的として、ジエン系ゴムラテックスを酸化した後、極性基含有ヒドラジド化合物をジエン系ゴムの分子鎖の末端に付加させてなる変性ジエン系ゴムが記載されている。
また、特許文献2には、耐摩耗性に優れる重合体組成物を得ることを目的として、共役ジエンに基づく単量体単位と窒素原子等で置換されたベンゼン環を有する特定構造の単量体に基づく単量体単位とを有する共役ジエン系重合体であって、特定構造の有機ケイ素化合物によって重合体の少なくとも一端が変性されている共役ジエン系重合体等が記載されている。
また、特許文献3には、ゴム成分に対するフィラーの相溶性を向上させることを目的として、所定構造を有する連結基を分子内に有してジエン系ポリマー鎖が連結基を介して連結されてなる変性ジエン系ゴムを含有するタイヤ用ゴム組成物が記載されている。
しかしながら、天然ゴムポリマーの物性の向上、特に低燃費性や引張強度の向上についてさらなる改善の余地があった。
WO2009/104555号公報 特開2011−195802号公報 特開2013−163759号公報
本発明は、以上の点に鑑み、未変性天然ゴムよりも優れた低燃費性及び引張強度を有する変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る変性天然ゴムは、上記課題を解決するために、一般式(A)及び/又は一般式(B)で表される構造を有するポリイソプレンが、これらの構造部分において2つ以上の第一級アミノ基を有するアミノ化合物と結合してなる、一般式(C)で表される連結構造を有し、分岐度が0.4〜0.7であるものとする。
Figure 2021095447
Figure 2021095447
ただし、式(A)及び式(B)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Pはポリイソプレンユニットを示し、各式におけるPはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 2021095447
式(C)中、Wは上記アミノ化合物から末端のアミノ基を除いた残基を示し、Qは次の一般式(Q−1)〜(Q−4)からなる群より選択される少なくとも一つを示し、mは2〜4の整数を示す。また、一般式(Q−1)〜(Q−4)において、*はポリイソプレンユニットの炭素原子と結合していることを示し、*はWで表される残基の炭素原子と結合していることを示す。
Figure 2021095447
上記ポリイソプレンの絶対分子量は20万〜60万であり、変性天然ゴムの絶対分子量は100万〜300万であるものとすることができる。
上記アミノ化合物は3つ以上の第一級アミノ基を有するアミノ化合物を含むものとすることができる。
上記アミノ化合物はトリス(2−アミノエチル)アミンを含むものとすることができる。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分100質量部中、上記変性天然ゴムを5〜50質量部含有するものとする。
本発明に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて作製したものとする。
本発明によれば、未変性天然ゴムよりも優れた低燃費性及び引張強度を有する変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係る変性天然ゴムは、一般式(A)及び/又は一般式(B)の構造を有するポリイソプレンが、これらの構造部分において2つ以上の第一級アミノ基を有するアミノ化合物と結合してなる、一般式(C)で表される連結構造を有し、分岐度が0.4〜0.7であるものである。
Figure 2021095447
Figure 2021095447
ただし、式(A)及び式(B)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Pはポリイソプレンユニットを示し、各式におけるPはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 2021095447
式(C)中、Wは上記アミノ化合物から末端のアミノ基を除いた残基を示し、Qは次の一般式(Q−1)〜(Q−4)からなる群より選択される少なくとも一つを示し、mは2〜4の整数を示す。また、一般式(Q−1)〜(Q−4)において、*はポリイソプレンユニットの炭素原子と結合していることを示し、*はWのエチレン基と結合していることを示す。
Figure 2021095447
上記変性天然ゴムの分岐度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により分離した各成分について多角度光散乱検出器(MALS)を用いてRMS(二乗平均平方根:Root Mean Square)半径を測定し、これを次の式に代入することにより求めることができる。
分岐度=(RMS半径(分岐))/(RMS半径(直線))
本実施形態に係る変性天然ゴムの製造方法は、特に限定するものではないが、天然ゴムポリマーに酸化剤を添加し、炭素−炭素二重結合を酸化開裂させて酸化分解天然ゴムポリマーを得る工程と、得られた酸化分解天然ゴムポリマーに、2つ以上の第一級アミノ基を有するアミノ化合物を添加して、再結合反応させる工程とを有するものとすることができる。すなわち、本実施形態に係る変性天然ゴムは、天然ゴムポリマーを、その主鎖中に存在する炭素−炭素二重結合を酸化開裂させることで分解して分子量を低下させ、該分解したポリマーを含む系をアミノ化合物と反応させて再結合させることにより得られる。
変性対象となる天然ゴムポリマーとしては、溶媒に溶解したものであれば良く、プロトン性溶媒である水中にミセル状になった水系エマルション、すなわちラテックスを用いることが好ましい。水系エマルションを用いることにより、ポリマーを分解させた後に、その状態のまま、アミノ化合物を配合することで再結合反応を生じさせることができる。水系エマルションの濃度(ポリマーの固形分濃度)は、特に限定されないが、5〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。固形分濃度が高くなりすぎるとエマルション安定性が低下してしまい、固形分濃度が小さすぎる場合は反応速度が遅くなり、実用性に欠ける。
アミノ化合物としては、2つ以上の第一級アミノ基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、NH(CHCHNH)Hや、N(CHCHNHで表される化合物を挙げることができ、nは1〜4の整数であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。すなわち、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、トリス(2−アミノエチル)アミンを好適に用いることができ、この中でも、トリス(2−アミノエチル)アミンであることがより好ましい。
上記酸化開裂により天然ゴムポリマーが分解し、末端にカルボニル基(>C=O)やホルミル基(−CHO)を持つポリマーが得られる。詳細には、下記式(A)で表される構造を末端に持つポリマーと、下記式(B)で表される構造を分子鎖中に持つポリマーが生成される。なお、本明細書において、ポリイソプレンユニットとは、天然ゴム由来のポリイソプレンのことであり、詳細には、シス−1,4−ポリイソプレンのことをいう。
Figure 2021095447
Figure 2021095447
式(A)中、Xは、水素原子又はメチル基であり、イソプレンユニットが開裂した場合、一方の開裂末端ではXがメチル基、他方の開裂末端ではXが水素原子となる。
天然ゴムポリマーの炭素−炭素二重結合を酸化開裂させるためには、酸化剤を用いることができ、例えば、天然ゴムポリマーの水系エマルションに酸化剤を添加し攪拌することにより酸化開裂させることができる。酸化剤としては、例えば、過マンガン酸カリウム、酸化マンガンなどのマンガン化合物、クロム酸、三酸化クロムなどのクロム化合物、過酸化水素などの過酸化物、過ヨウ素酸などの過ハロゲン酸、オゾン、酸素などの酸素類などが挙げられる。これらの中でも、過ヨウ素酸を用いることが好ましい。酸化開裂に際しては、コバルト、銅、鉄などの金属の塩化物や有機化合物との塩や錯体などの金属系酸化触媒を併用してもよく、例えば、該金属系酸化触媒の存在下で空気酸化してもよい。
上記酸化開裂によりポリマーを分解することで、分子量が低下する。分解後のポリマーの絶対分子量は、特に限定されないが、20万〜60万であることが好ましく、より好ましくは25万〜60万である。なお、分解後の分子量の大きさにより、再結合後の官能基量を調節することができるが、分解時の分子量が小さすぎると、同一分子内での結合反応が生じやすくなる。ここで、本明細書において、絶対分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により分離した各成分について多角度光散乱検出器(MALS)を用いて測定した値とする。
以上のようにしてポリマーを分解させた後、分解したポリマーを含む反応系を上記アミノ化合物と反応させることにより再結合させる。結合反応させた後、水系エマルションを凝固乾燥させることにより、常温で固形状の変性天然ゴムが得られる。得られた変性天然ゴムは、再結合反応により上記式(C)で表される連結構造が主鎖中に導入され、主鎖構造が変性される。
具体的には、一般式(A)で表される構造のカルボニル基又はホルミル基に対して、アミノ化合物の第一級アミノ基が求核付加反応することにより、一般式(Q−1)で表される連結構造となり、さらに脱水反応が起こると一般式(Q−2)で表される連結構造となる。また、一般式(B)で表される構造のカルボニル基に対して、アミノ化合物の第一級アミノ基が求核付加反応することにより、一般式(Q−3)で表される連結構造となり、さらに脱水反応が起こると一般式(Q−4)で表される連結構造となる。
すなわち、本実施形態で用いる変性天然ゴムは、上記式(C)で表される連結構造の少なくとも1つを分子内に有し、イソプレンユニットの繰り返し構造からなるポリイソプレン鎖が該連結構造を介して直接連結された構造を有する。
上記一般式(C)で表される連結構造の含有率(2種以上の連結構造を有する場合、それらの合計の含有率)は、特に限定されないが、0.1〜1.0モル%であることが好ましく、0.1〜0.7モル%であることがより好ましく、0.1〜0.6モル%であることがさらに好ましい。ここで、連結構造の含有率とは、変性天然ゴムを構成する全構成ユニットのモル数に対する連結構造のモル数の比率であり、NMRにより測定した値とする。NMRスペクトルは、BRUKER社製「400ULTRASHIELDTM PLUS」によりTMSを標準とし測定した。
上記変性天然ゴムの絶対分子量は、特に限定されないが、100万〜300万であることが好ましく、110万〜280万であることがより好ましい。酸化分解した天然ゴムポリマーを再結合させることにより、分子量が高くなることで、分子鎖の絡み合いが増え、引張強度が増大する。
また、本実施形態によれば、二重結合を解離させる薬剤である酸化剤の種類や量、反応時間などを調整することにより酸化開裂させる反応を制御できる。また、再結合させる際のアミノ化合物の配合量、反応時間などを調整することにより結合反応を制御できる。これらの制御によって変性天然ゴムの分子量を制御することができる。そのため、変性天然ゴムの絶対分子量を元のポリマーと同等に設定することができ、また元のポリマーよりも低く設定することもできる。
酸化剤の配合量は特に限定されないが、天然ゴムポリマー(固形分量)100質量部に対して、0.1〜1.0質量部であることが好ましく、0.2〜0.5質量部であることがより好ましい。
アミノ化合物の配合量は特に限定されないが、酸化分解天然ゴムポリマー1モルに対して、0.01〜1.0モルであることが好ましく、0.1〜0.5モルであることがより好ましい。
また、ポリマー主鎖を分解し再結合させる際に、主鎖とは異なる構造として上記式(C)で表される連結構造が挿入され、主鎖構造のセグメントの結合点が官能基化する。すなわち、反応性の高い構造が分子主鎖中に導入され、元のポリマーの特性を変化させることができる。このように、本実施形態は、グラフトでも直接付加でもなく開環でもなく、天然ゴムの主鎖構造そのものを変化させるものであり、主鎖構造に簡易的に官能基を導入することができる。
詳細には、上記変性天然ゴムであると、そのポリマーとフィラーとの間での相互作用(分子間力、極性や反応性)が変化することや、ポリマーの組成が変化することにより、フィラーとの相溶性ないし分散性が向上する。その効果により、低燃費性の向上が見られる。
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分として、上記変性天然ゴム以外のジエン系ゴムを含有していてもよく、その種類は特に限定されないが、例えば、未変性天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらジエン系ゴムは、いずれか1種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。
本実施形態に係るゴム組成物において、ゴム成分100質量部中の変性天然ゴムの含有量は、特に限定されないが、10〜50質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがさらに好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物には、無機充填剤として、カーボンブラック、シリカ等の補強性充填剤を用いることができる。すなわち、無機充填剤は、シリカ単独でも、カーボンブラックとシリカの併用でもよい。好ましくは、カーボンブラックとシリカの併用である。無機充填剤の含有量は、特に限定されず、例えばゴム成分100質量部に対して、10〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜100質量部であり、さらに好ましくは30〜80質量部である。
シリカとしては、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。シリカの含有量は、ゴムのtanδのバランスや補強性などの観点からゴム成分100質量部に対して、10〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは15〜100質量部であり、さらに好ましくは20〜80質量部である。
シリカを含有する場合、スルフィドシラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤をさらに含有してもよい。シランカップリング剤を含有する場合、その含有量はシリカ100質量部に対して2〜20質量部であることが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1〜70質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物では、上記した各成分に加え、通常のゴム工業で使用されているプロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、ワックス、老化防止剤などの添加剤や、加硫剤、加硫促進剤などの加硫系配合剤を通常の範囲内で適宜配合することができる。
加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄成分が挙げられる。また、加硫剤の含有量はゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて作製することができる。
得られるゴム組成物は、タイヤ用として用いることができ、乗用車用、トラックやバスの大型タイヤなど、各種用途・サイズの空気入りタイヤのトレッド部やサイドウォール部などタイヤの各部位に適用することができる。ゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせた後、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤの種類としては、特に限定されず、上述の通り、乗用車用タイヤ、トラックやバスなどに用いられる重荷重用タイヤなどの各種のタイヤが挙げられる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
変性ジエン系ゴムに関する各測定方法は、以下の通りである。
[絶対分子量(Mw)・分岐度]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により分離した各分子量成分について多角度光散乱検出器(MALS)を用いて絶対分子量、及びRMS半径を求めた。詳細には、測定試料10mgをTHF10mLに浸漬させて1週間静置し、上澄み液を用いた。(株)島津製作所製「LC−20A」を使用し、試料をフィルター透過後、温度40℃、流量1.0mL/分でカラム(昭和電工社製「GPC KF−807L×2」)を通し、昭光サイエンス社製「DAWN8+」で検出した。得られたRMS半径を、次式に代入し、分岐度を求めた。
分岐度=(RMS半径(分岐))/(RMS半径(直線))
[合成例A:酸化分解天然ゴム1の合成]
DRC(Dry Rubber Content)を30質量%に調整した天然ゴムラテックス(レジテックス社製、高アンモニア含有天然ゴムラテックス「HA−NR」)中のポリマー質量100gに対し過硫酸カリウム0.5g、リン酸三ナトリウム0.34gを加え、30℃で3時間撹拌することで酸化分解天然ゴム1を得た。絶対分子量は、59万であった。
[合成例B:酸化分解天然ゴム2の合成]
反応温度を60℃に変更した以外は合成例Aと同様に調整し、酸化分解天然ゴム2を得た。絶対分子量は、25万であった。
[合成例1:変性天然ゴム1の合成(再結合反応工程)]
得られた酸化分解天然ゴム中のポリマー質量100g(1.5モル)に対しエチレンジアミン8.8g(0.15モル)を加え、30℃で2時間撹拌した。次に、メタノールに反応溶液を注ぎ凝固させた。固形物を真空乾燥させることで変性天然ゴム1を得た。絶対分子量は、120万であり、分岐度は0.79であった。
[合成例2,3:変性天然ゴム2,3の合成(再結合反応工程)]
エチレンジアミンに代えて、トリス(2-アミノエチル)アミンを表1に示す配合に従い添加した以外は合成例1と同様に調製し、変性天然ゴム2〜3を得た。それぞれの絶対分子量と分岐度は、表1に示した。
[合成例4,5:変性天然ゴムの合成(再結合反応工程)]
酸化分解天然ゴム1に代えて、酸化分解天然ゴム2を使用した以外は合成例2,3と同様に行い、変性天然ゴム4,5を得た。それぞれの絶対分子量と分岐度は、表1に示した。
Figure 2021095447
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合(質量部)に従い、まず、ノンプロ練り工程で、加硫促進剤及び硫黄を除く成分を添加混合し(排出温度=150℃)、プロ練り工程で、加硫促進剤及び硫黄を添加混合して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。
表2中の各成分の詳細は以下の通りである。
・未変性NR:レジテックス社製、高アンモニア含有天然ゴムラテックス「HA−NR」
・変性天然ゴム1:合成例1で合成した変性天然ゴム1
・変性天然ゴム2:合成例2で合成した変性天然ゴム2
・変性天然ゴム3:合成例3で合成した変性天然ゴム3
・変性天然ゴム4:合成例4で合成した変性天然ゴム4
・変性天然ゴム5:合成例5で合成した変性天然ゴム5
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」(BET=200m/g)
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックジャパン(株)製「Si69」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・プロセスオイル:株式会社ジャパンエナジー製「X−140」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・硫黄:細井化学工業(株)製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」
得られた各ゴム組成物について、低燃費性、及び引張強度を評価した。評価方法は次の通りである。
・低燃費性:USM社製レオスペクトロメーターE4000を用いて、周波数50Hz、静歪み10%、動歪み2%、温度60℃の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。60℃でのtanδは、タイヤ用ゴム組成物において、低発熱性の指標として一般に用いられているものであり、上記指数が大きいほどtanδが小さく、従って、発熱しにくく、タイヤとしての低燃費性能に優れることを示す。
・引張強度:JIS K6251に準拠した引張試験(ダンベル状3号形)を行って破断時の強度を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、引張強度が高く、良好であることを示す。
Figure 2021095447
結果は、表2に示す通りであり、比較例1と実施例1〜4との対比から、本発明の変性天然ゴムを用いた場合、優れた低燃費性及び引張強度が得られることがわかる。
比較例1と比較例2との対比から、分岐度が所定範囲外である変性天然ゴムを用いた場合、引張強度の向上効果が得られないことがわかる。
本発明の変性天然ゴムを用いたゴム組成物は、乗用車、ライトトラック・バス等の各種タイヤに用いることができる。

Claims (6)

  1. 一般式(A)及び/又は一般式(B)で表される構造を有するポリイソプレンが、これらの構造部分において2つ以上の第一級アミノ基を有するアミノ化合物のアミノ基と結合してなる、一般式(C)で表される連結構造を有し、
    分岐度が0.4〜0.7である、変性天然ゴム。
    Figure 2021095447
    Figure 2021095447
    ただし、式(A)及び式(B)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Pはポリイソプレンユニットを示し、各式におけるPはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    Figure 2021095447
    式(C)中、Wは前記アミノ化合物から末端のアミノ基を除いた残基を示し、Qは次の一般式(Q−1)〜(Q−4)からなる群より選択される少なくとも一つを示し、mは2〜4の整数を示す。また、一般式(Q−1)から(Q−4)において、*はポリイソプレンユニットの炭素原子と結合していることを示し、*はWで表される残基の炭素原子と結合していることを示す。
    Figure 2021095447
  2. 前記ポリイソプレンの絶対分子量が20万〜60万であり、変性天然ゴムの絶対分子量が100万〜300万である、請求項1に記載の変性天然ゴム。
  3. 前記アミノ化合物が3つ以上の第一級アミノ基を有するアミノ化合物を含む、請求項1又は2に記載の変性天然ゴム。
  4. 前記アミノ化合物がトリス(2−アミノエチル)アミンを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変性天然ゴム。
  5. ゴム成分100質量部中、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変性天然ゴムを5〜50質量部含有する、ゴム組成物。
  6. 請求項5に記載のゴム組成物を用いて作製した、空気入りタイヤ。

JP2019225589A 2019-12-13 2019-12-13 変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤ Active JP7427438B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019225589A JP7427438B2 (ja) 2019-12-13 2019-12-13 変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤ
US17/102,745 US11655357B2 (en) 2019-12-13 2020-11-24 Modified natural rubber, rubber composition using the rubber, and pneumatic tire using the composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019225589A JP7427438B2 (ja) 2019-12-13 2019-12-13 変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021095447A true JP2021095447A (ja) 2021-06-24
JP7427438B2 JP7427438B2 (ja) 2024-02-05

Family

ID=76317650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019225589A Active JP7427438B2 (ja) 2019-12-13 2019-12-13 変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US11655357B2 (ja)
JP (1) JP7427438B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MY150517A (en) 2008-02-18 2014-01-30 Bridgestone Corp Modified diene rubber, production method thereof, and rubber composition and tire using the rubber
JP2011195802A (ja) 2010-02-25 2011-10-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 共役ジエン系重合体、共役ジエン系重合体組成物及び共役ジエン系重合体の製造方法
JP5802569B2 (ja) 2012-02-10 2015-10-28 東洋ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
TR201808199T4 (tr) * 2013-03-29 2018-07-23 Kuraray Co Kauçuk bileşen, vulkanize kauçuk ve lastik.
TW201602198A (zh) 2014-06-10 2016-01-16 三菱瓦斯化學股份有限公司 輪胎用改質橡膠、利用該改質橡膠之輪胎用橡膠組成物及輪胎
WO2016039276A1 (ja) 2014-09-12 2016-03-17 三菱瓦斯化学株式会社 変性ゴム、ゴム組成物、及びタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP7427438B2 (ja) 2024-02-05
US20210179824A1 (en) 2021-06-17
US11655357B2 (en) 2023-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6161510B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2013118496A1 (ja) 変性ポリマーの製造方法、並びにジエン系ポリマー、ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5802569B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2014136458A1 (ja) 変性ポリマーの製造方法及びゴム組成物
JP6320884B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2014108958A1 (ja) 変性ジエン系ポリマー及びその製造方法、並びにゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6205204B2 (ja) 変性天然ゴム及びそれを用いたゴム組成物
JP6026320B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7427438B2 (ja) 変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤ
JP6125283B2 (ja) 変性ポリマーの製造方法及びジエン系ポリマー
JP6946574B2 (ja) 変性天然ゴム、それを用いたゴム組成物、並びに変性天然ゴムの製造方法
JP7365852B2 (ja) 末端変性ジエン系ポリマー、及びその製造方法
JP6242719B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2015015679A1 (ja) ゴム-シリカ複合体及びその製造方法、並びにゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6242720B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6026269B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5968794B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2023063829A (ja) 末端変性ジエン系ポリマー、及びその製造方法
JP6062772B2 (ja) 変性ポリマー組成物
JP2023063831A (ja) 末端変性ジエン系ポリマー、及びその製造方法
JP5968793B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2014141579A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6091918B2 (ja) シリカマスターバッチ及びその製造方法
JP6047460B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6047459B2 (ja) ゴム−シリカ複合体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221013

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20230830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7427438

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150