JP2021078308A - 開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット - Google Patents

開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】負荷によって出力軸が傾斜することがない開閉部材駆動装置を提供すること。
【解決手段】開閉部材駆動装置1は、ケース9の内側に、ケース9よりも剛性の高い補強部材35を備える。出力軸7は、−Z方向でケース9内に位置する基部12と、+Z方向でケース9から突出する突出部と、を備える。伝達機構8は、出力軸7の基部12に同軸に固定された出力歯車43を備える。ケース9は、補強部材35を+Z方向から被う第2ケース23に、出力軸7を貫通させるケース開口部10と同軸でケース9内をZ軸方向に延びる筒状の軸受部19を備える。出力軸7は、基部12における出力歯車43の+Z方向に、円形外周面を有する被軸受部64を備える。軸受部19は、被軸受部64を外周側から回転可能に支持する。補強部材35は、軸受部19を包囲して軸受部19に外周側から接触する軸受補強部24を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、開閉部材を駆動する開閉部材駆動装置、および開閉部材としてトイレユニットの便蓋を開閉する便蓋開閉ユニットに関する。
便蓋などの開閉部材を開閉する開閉部材駆動装置は特許文献1に記載されている。特許文献1の開閉部材駆動装置は、モータと、開閉部材が接続される出力軸と、モータの駆動力を出力軸に伝達する伝達機構と、モータおよび伝達機構を収容するケースと、を備える。出力軸はケースに設けられた開口部から外部に突出する。ケースは樹脂製である。
特開2016−77396号公報
出力軸は、開閉部材の端部に接続されて、開閉部材を片持ち状態で開閉する。従って、出力軸には、開閉部材を開閉する際に、負荷がかかる。ここで、出力軸を回転可能に支持する支持部をケースに設けた場合には、出力軸にかかる負荷よって、ケースが撓み、出力軸が傾斜する場合がある。出力軸が傾斜すると、開閉部材へのトルクの伝達効率が劣化する。
本発明の課題は、かかる点に鑑みて、開閉部材を開閉する際に、負荷によって出力軸が傾斜することを防止或いは抑制できる開閉部材駆動装置および便蓋開閉ユニットを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の開閉部材駆動装置は、モータと、開閉部材が接続される出力軸と、前記モータの駆動力を前記出力軸に伝達する伝達機構と、前記モータおよび前記伝達機構を収容するケースと、前記ケースよりも剛性が高く、前記ケースの内側に固定された補強部材と、を有し、前記出力軸の軸線に沿った方向を軸線方向、軸線方向の一方側を第1方向、他方側を第2方向とした場合に、前記出力軸は、前記ケース内に位置する基部と、前記基部の前記第2方向で前記ケースから突出する突出部と、を備え、前記伝達機構は、前記出力軸の基部に同軸に固定された出力歯車を備え、前記ケースは、前記補強部材を前記第2方向の側から被うケース部分を備え、前記ケース部分は、前記出力軸を前記ケースの内側から外側に突出させる開口部と、前記ケースの内側を前記開口部と同軸に延びる筒状の軸受部と、を備え、前記出力軸は、前記基部における前記出力歯車の前記第2方向に、円形外周面を有する被軸受部を備え、前記軸受部は、前記被軸受部を外周側から回転可能に支持し、前記補強部材は、前記軸受部を包囲して当該軸受部に外周側から接触する軸受補強部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ケース内にケースよりも剛性の高い補強部材を有する。また、補強部材は、出力軸を支持するケースの軸受部に外周側から接触する軸受補強部を備える。これにより、軸受部は、補強部材によって補強される。従って、出力軸に負荷がかかった場合でも、ケースの変形を防止あるいは抑制できる。よって、出力軸が傾斜することを防止或いは抑制できる。
本発明において、前記軸受補強部は、筒状であり、前記軸受部は、前記軸受補強部から前記第1方向に突出する環状の第1突出部分を備えるものとすることができる。軸受補強部を筒状とすれば、ケースの軸受部が変形することを抑制しやすいので、軸受部に支持された出力軸の傾斜を抑制しやすい。また、ケースの軸受部が、軸受補強部よりも第1方向に突出する第1突出部分を備えるので、軸受部を軸線方向で長くすることが容易である。よって、軸受部に支持された出力軸の傾斜を抑制しやすい。
本発明において、前記出力歯車は、中心穴に前記基部を貫通させた状態で前記出力軸に固定され、前記出力軸の外周側で前記第2方向を向く環状端面を備え、前記環状端面は、前記軸受部と前記軸線方向で対向するものとすることができる。このようにすれば、出力軸が軸線方向を第2方向に移動した場合に、出力軸に固定された出力歯車の環状端面と軸受部とが干渉して、出力軸が第2方向に過度に移動することを防止できる。
本発明において、前記出力軸は、前記第1方向の端面に前記第2方向に窪む円形凹部を備え、前記ケースは、前記円形凹部に挿入されて前記出力軸を回転可能に支持する支柱部を備え、前記支柱部は、前記軸線と直交する方向から見た場合に、前記軸受部および前記軸受補強部と重なるものとすることができる。このようにすれば、出力軸の傾斜を防止しやすい。
本発明において、前記伝達機構は、前記出力歯車に噛合する前段歯車と、前記軸線方向に延びて前記前段歯車を回転可能に支持する支軸と、を有し、前記補強部材は、前記支軸の前記第2方向の端部を支持する軸保持部を備えるものとすることができる。このようにすれば、補強部材は、出力歯車が固定された出力軸を支持する軸受部を補強するとともに、出力歯車と噛み合う前段歯車の支軸を支持する。従って、外部からの負荷によって前段歯車と出力歯車とが互いに離間する方向に変位することを防止できる。これにより、前段歯車と出力歯車の噛合を正常な状態で維持できるので、開閉部材へのトルクの伝達効率が劣化することがない。
本発明において、前記出力軸および前記ケースは、樹脂製であり、前記補強部材は、金属製であるものとすることができる。このようにすれば、出力軸およびケースの形状を所望の形状とすることが容易である。また、補強部材の剛性をケースよりも高くすることが容易である。さらに、樹脂製のケースの軸受部によって、樹脂製の出力軸の被軸受部を支持する。従って、金属製の補強部材が出力軸を支持する場合と比較して、摺動ロスを低く抑えることができる。
本発明において、前記出力歯車は、金属製であるものとすることができる。このようにすれば、出力軸を介して出力歯車に負荷がかかった場合でも、出力歯車が変形することを防止できる。
次に、本発明の便蓋開閉ユニットは、上記の開閉部材駆動装置を有し、前記開閉部材は、便蓋であることを特徴とする。
本発明によれば、便蓋が接続される開閉部材駆動装置の出力軸が傾斜することを防止できる。従って、便蓋を正常に開閉できる状態を維持できる。
本発明によれば、ケースよりも剛性の高い補強部材によって、出力軸を支持するケースの軸受部が補強されている。従って、出力軸に負荷がかかった場合でも、ケースの変形を防止或いは抑制できる。よって、出力軸が傾斜することを防止或いは抑制できる。
開閉部材駆動装置の外観斜視図である。 便蓋開閉ユニットの説明図である。 開閉部材駆動装置の断面図である。 開閉部材駆動装置の分解斜視図である。 モータ、伝達機構、出力軸を軸線方向の他方側から見た場合の斜視図である。 モータ、伝達機構、出力軸を軸線方向の一方側から見た場合の斜視図である。 出力軸、出力歯車、第1アシストばねおよび第2アシストばねを軸線方向の他方側から見た場合の分解斜視図である。 出力軸、出力歯車、第1アシストばねおよび第2アシストばねを軸線方向の一方側から見た場合の分解斜視図である。 中間ケースを軸線方向の斜視図である。 第2ケース、補強部材、出力軸、および出力歯車の斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の便蓋開閉ユニットの実施の形態を説明する。
(全体構成)
図1は、開閉部材駆動装置の外観斜視図である。図2は、便蓋開閉ユニットの説明図である。図3は、開閉部材駆動装置の断面図である。図4は、開閉部材駆動装置の分解斜視図である。図5は、モータ、伝達機構および出力軸を軸線方向の一方側から見た場合の斜視図である。図6は、モータ、伝達機構および出力軸を軸線方向の他方側から見た場合の斜視図である。図7は、出力軸、出力歯車、第1アシストばねおよび第2アシストばねを軸線方向の一方側から見た場合の分解斜視図である。図8は、出力軸、出力歯車、第1アシストばねおよび第2アシストばねを軸線方向の他方側から見た場合の分解斜視図である。図9は、中間ケースを軸線方向の一方側から見た場合の斜視図である。図10は、第2ケース、補強部材、出力軸、および出力歯車の分解斜視図である。
図1に示す開閉部材駆動装置1は、蓋や扉などの開閉部材を回動させて開閉する。便蓋開閉ユニット3は、開閉部材駆動装置1に、開閉部材としてトイレユニット200の便蓋201が接続されたものである。具体的には、図2に示すように、トイレユニット200は、便器本体202、便座203、便蓋201、およびタンク204を有する。便蓋201は、タンク204の側の端部分が開閉部材駆動装置1の出力軸7に連結される。便蓋201は、出力軸7の回転により、平伏して便器本体202に被さる閉位置と、便器本体202から立ち上がる開位置と、の間を移動する。なお、トイレユニット200に第2の開閉部材駆動装置1を設け、第2の開閉部材駆動装置1の出力軸7に、開閉部材として、便座203を連結することもできる。
開閉部材駆動装置1は、図3に示すように、モータ6と、便蓋201が接続される出力軸7と、モータ6の駆動力を出力軸7に伝達する伝達機構8と、モータ6および伝達機構8を収容するケース9と、を有する。
出力軸7は、ケース9のケース開口部10から突出する突出部11と、ケース9に収容された基部12と、を備える。出力軸7の突出部11には、便蓋201の端部が接続される。従って、開閉部材駆動装置1は、片持ち状態で便蓋201を開閉する。図1に示すように、ケース9は、出力軸7の軸線Lに沿った方向から見た場合に、一方向に細長い形状を備える。出力軸7は、ケース9における長手方向の端部分からケース9の外側に突出する。
以下の説明では、互いに直交する3方向を、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向とする
。Z軸方向は、出力軸7の軸線Lに沿った軸線方向であり、Y軸方向はケース9の長手方向であり、X軸方向は、ケース9の短手方向である。Z軸方向において、出力軸7が突出している側を+Z方向、その反対側を−Z方向とする。また、X軸方向の一方側を−X方向、他方側を+X方向とする。Y軸方向の一方側を−Y方向、他方側を+Y方向とする。出力軸7は、ケース9におけるY軸方向の+Y方向の端部分からケース9の外側に突出する。また、軸線L周りの方向を周方向、軸線Lと直交する方向を径方向とする。
(ケースおよび補強部材)
ケース9は樹脂製である。図1に示すように、ケース9は、Y軸方向に平行に延びる第1側壁13および第2側壁14を備える。また、ケース9は、X軸方向に延びて第1側壁13の−Y方向の端および第2側壁14の−Y方向の端を接続する第3側壁15を備える。さらに、ケース9は、+Y方向の端を接続する第4側壁16を備える。第4側壁16は、第1側壁13と第2側壁14との間が+Y方向に突出する形状を備える。
また、ケース9は、図1、図3に示すように、Z軸方向に沿って配列された第1ケース21、中間ケース22および第2ケース23を備える。第1ケース21は中間ケース22の−Z方向に位置し、第2ケース23は中間ケース22の+Z方向に位置する。
図4に示すように、第1ケース21は、ケース9の−Z方向の端面となる底壁部25と、底壁部25の外周縁から+Z方向に延びる第1枠部26とを備える。第1枠部26は、ケース9の第1側壁13、第2側壁14、第3側壁15、および第4側壁16の−Z方向の端側部分を構成する。第1ケース21にはモータ6が固定されている。モータ6は、モータ本体28と、モータ本体28から突出する回転軸27と、モータ本体28から回転軸27とは反対側に突出する一対のモータ端子29を備える。出力軸7は、モータ本体28の−Y方向に位置する。回転軸27は、出力軸7の軸線Lと交差する方向を向く。本例では、回転軸27は、出力軸7の軸線Lと直交する方向を向く。また、回転軸27は、Z軸方向から見た場合に、Y軸方向(ケース9の長手方向)に対して傾斜している。回転軸27の先端は、軸受部材30によって回転可能に支持されている。
中間ケース22は、中間底部31と、中間底部31の外周縁から+Z方向に延びる中間枠部32とを備える。中間枠部32は、ケース9の第1側壁13、第2側壁14、第3側壁15、および第4側壁16のZ軸方向の中間部分を構成する。中間ケース22には、伝達機構8を構成する複数の歯車のうちの一部の歯車が収容されている。
中間ケース22における第2ケース23の側の端部分には、板状の補強部材35が固定されている。補強部材35は、金属製であり、ケース9よりも剛性が高い。本例において、補強部材35は板金である。補強部材35には、補強部材側開口部36が設けられている。補強部材側開口部36には、出力軸7がZ軸方向に貫通している。補強部材側開口部36と、出力軸7との間には、出力軸7の径方向に隙間が設けられている。また、補強部材35は、補強部材側開口部36の開口縁から+Z方向に突出する軸受補強部24を備える。軸受補強部24は筒状である。補強部材35には、ポテンショメータ37が取り付けらえている。ポテンショメータ37は、Y軸方向において、出力軸7とは反対側の端部分に位置する。
第2ケース23(ケース部分)は、板状であり、+Z方向から補強部材35に被せられて、中間ケース22に固定される。第2ケース23は、+Z方向から補強部材35を被う。第2ケース23は、ケース9の+Z方向の端面を構成する。
第2ケース23は、ケース9の+Z方向の端面となる板部17を備える。図3、図4に示すように、板部17は、出力軸7を貫通させる板部貫通孔17aを備える。また、第2
ケース23は、板部17における板部貫通孔17aの開口縁から+Z方向に突出する軸支持部18と、板部17における板部貫通孔17aの開口縁から−Z方向に突出する軸受部19と、を備える。板部貫通孔17a、軸支持部18、および軸受部19は、同軸に設けられている。出力軸7は、ケース9の内側において、板部貫通孔17a、軸支持部18および軸受部19を貫通し、軸支持部18の+Z方向の端であるケース開口部10からケース9の外側に突出する。
(出力軸)
出力軸7は、樹脂製である。出力軸7の基部12は第2ケース23および中間ケース22に収容されている。図7、図8に示すように、基部12は、−Z方向の側から+Z方向の側に向かって、歯車固定部63、径方向外側を向く円形外周面を有する被軸受部64、および、径方向外側を向く円形外周面を有する被支持部68を、この順に備える。被軸受部64の外径は、歯車固定部63および被支持部68の外径よりも大きい。歯車固定部63には、伝達機構8の出力歯車43が同軸に固定される。被支持部68は、Z軸方向の途中に環状溝70を備える。環状溝70には、Oリング71が取り付けられている。
また、出力軸7は、図8に示すように、−Z方向の端面に、+Z方向に窪む円形凹部62を備える。円形凹部62の底面は(円形凹部62の+Z方向の円形内壁面)は、軸線Lと直交する方向から見た場合に、被軸受部64と重なる。
(伝達機構)
図5、図6に示すように、伝達機構8は、モータ6から出力軸7に至る駆動力伝達経路の上流側から下流側に向かって、ウォーム38、第1歯車39、第2歯車40、第3歯車41、第4歯車42(前段歯車)、および出力歯車43を備える。ウォーム38は、回転軸27の外周側に固定されている。ウォーム38および第1歯車39は第1ケース21内に位置する。第2歯車40、第3歯車41、第4歯車42、および出力歯車43は中間ケース22内に位置する。
第1歯車39は、モータ6の回転軸27の+X方向に位置する。第1歯車39は、ウォーム38に噛合する第1大径歯車39aと、第1大径歯車39aと同軸で第1大径歯車39aよりも外径寸法が小さい第1小径歯車39bと、を備える。第1大径歯車39aは、第1小径歯車39bの−Z方向に位置する。第1歯車39は、Z軸方向に延びる第1支軸45に回転可能に支持されている。第1支軸45は、−Z方向の端部分が第1ケース21の底壁部25に保持され、+Z方向の端部分が中間ケース22の中間底部31に保持されている。図3に示すように、第1歯車39は、第1大径歯車39aと第1小径歯車39bとの間に駆動力の伝達を継断するトルクリミッタ46を備える。
第2歯車40は、第1小径歯車39bに噛合する第2大径歯車40aと、第2大径歯車40aと同軸で第2大径歯車40aよりも外径寸法が小さい第2小径歯車40bを備える。第2大径歯車40aは、第2小径歯車40bの−Z方向に位置する。第2大径歯車40aは、中間ケース22の中間底部31に設けられた中間ケース開口部33を介して第1小径歯車39bに噛合する(図3、図9参照)。第2歯車40は、Z軸方向に延びる第2支軸48に回転可能に支持される。第2支軸48は、−Z方向の端部分が中間ケース22の中間底部31に保持され、+Z方向の端部分が補強部材35に保持されている。
第3歯車41は、第2小径歯車40bに噛合する第3大径歯車41aと、第3大径歯車41aと同軸で第3大径歯車41aよりも外径寸法が小さい第3小径歯車41bを備える。第3大径歯車41aは、第3小径歯車41bの−Z方向に位置する。第3歯車41は、Z軸方向に延びる第3支軸49に回転可能に支持される。第3支軸49は、−Z方向の端部分が中間ケース22の中間底部31に保持され、+Z方向の端部分が第2ケース23に
保持されている。第3支軸49は、補強部材35を貫通している。
第4歯車42は、第3小径歯車41bおよび出力歯車43に噛合する平歯車である。第4歯車42と出力歯車43とはY軸方向に配列されている。第4歯車42は、第2歯車40と同軸に配置されて、第2支軸48に回転可能に支持されている。図3に示すように、第2支軸48は、−Z方向の端部分が中間ケース22に保持され、+Z方向の端部分が補強部材35に保持されている。すなわち、図9に示すように、中間ケース22の中間底部31は、第2歯車40および第4歯車42を支持する第2支軸48を保持する軸保持部34を備える。図4に示すように、補強部材35は、第2歯車40および第4歯車42を支持する第2支軸48を保持する軸保持部47を備える。
出力歯車43は、金属製である。出力歯車43は、出力軸7の歯車固定部63に同軸に固定される。すなわち、図7、図8に示すように、出力歯車43は、環状であり、その中心穴に出力軸7の歯車固定部63が挿入される。出力歯車43の内周面には周方向に複数の凹部51が設けられており、出力軸7の歯車固定部63の外周面には、出力歯車43の内周面の凹部51に嵌る複数の凸部52が設けられている。これにより、出力歯車43と出力軸7とは、軸線L回りに相対回転不能な状態で、連結されている。
ここで、伝達機構8は、第1アシストばね53および第2アシストばね54を備える。第1アシストばね53および第2アシストばね54は、いずれもコイルばねである。
第1アシストばね53は、出力歯車43の−Z方向に位置する。第1アシストばね53は、中間ケース22の中間底部31に載せられている。第1アシストばね53の−Z方向の端部分53aは、−Z方向に延びている。第1アシストばね53の−Z方向の端部分53aは、中間ケース22の中間底部31に設けられた貫通穴55から−Z方向に突出し、第1ケース21に設けられた第1アシストばね第1係止部56に係止されている(図4参照)。第1アシストばね53の+Z方向の端部分53bは、+Z方向に延びており、出力歯車43の外周面に設けられた第1アシストばね第2係止部57に係止可能に挿入される。第1アシストばね第2係止部57は、出力歯車43の歯部に設けた切欠き部である。第1アシストばね53の+Z方向の端部分53bは、出力歯車43に対して、周方向から可能である。第1アシストばね53の断面は、矩形である。
第2アシストばね54は、第1アシストばね53の内周側に位置する。第2アシストばね54は、中間ケース22の中間底部31に載せられている。第2アシストばね54は、出力軸7の−Z方向に位置する。第2アシストばね54の−Z方向の端部分54aは、当該第2アシストばね54の内周側に向かって延びている。第2アシストばね54の−Z方向の端部分54aは、中間ケース22の中間底部31から+Z方向に突出する支柱部61に設けられた第2アシストばね第1係止部58(図9参照)に係止されている。第2アシストばね54の+Z方向の端部分54bは、+Z方向に延びており、出力軸7のZ軸方向の他方の端面に設けられた第2アシストばね第2係止部59に係止されている(図8参照)。第2アシストばね第2係止部59は、歯車固定部63の−Z方向の端面に形成された丸穴である。
(出力軸の支持構造)
ここで、図3に示すように、出力軸7は、中間ケース22の中間底部31から+Z方向に突出する支柱部61によって回転可能に支持される。支柱部61は、第1アシストばね53および第2アシストばね54の内周側に位置する。また、支柱部61は、第1アシストばね53および第2アシストばね54よりも+Z方向に突出する。支柱部61は、その先端側が出力軸7の円形凹部62に挿入される。支柱部61の先端は、円形凹部62の底面(円形凹部62の+Z方向の円形内壁面)に接触する。
また、出力軸7は、図3、図10に示すように、被軸受部64が第2ケース23の軸受部19によって外周側から回転可能に支持される。軸線Lと直交する方向から見た場合に、支柱部61の+Z方向の端61aは、軸受部19と重なる。さらに、出力軸7は、被支持部68が、第2ケース23の軸支持部18によって外周側から回転可能に支持される。被支持部68に固定されたOリング71は、出力軸7と軸支持部18との間で、径方向に圧縮される。
第2ケース23の軸受部19は、補強部材35の軸受補強部24により外周側から包囲される。軸受補強部24は、軸受部19の外周側から当該軸受部19の全周に亘って接触する。軸線Lと直交する方向から見た場合に、支柱部61の+Z方向の端部分は、軸受部19および軸受補強部24と重なる。本例では、図3に示すように、軸受補強部24が軸受部19に接触している状態で、軸受部19は、軸受補強部24から−Zに突出する環状の第1突出部分19aと、軸受補強部24から+Z方向の突出する環状の第2突出部分19bと、を備える。第1突出部分19aは、基部12の外周側で+Z方向を向く出力歯車43の環状端面とZ軸方向で対向する。
(補強部材の固定構造)
ここで、補強部材35は、Y軸方向における軸受補強部24と軸保持部47との間で中間ケース22に固定されている。
すなわち、図9に示すように、中間ケース22は、中間枠部32において、Y軸方向に平行に延びる第1枠部分32aおよび第2枠部分32bに、それぞれ内周側に突出する第1突部73および第2突部74を備える。第1突部73および第2突部74のそれぞれには、ねじ穴が設けられている。また、第1枠部分32aは第1突部73が設けられた位置に矩形の第1切欠き部32cを備える。第2枠部分32bは第2突部74が設けられた位置に矩形の第2切欠き部32dを備える。第1突部73と第2突部74とは、X軸方向で対向する。
これに対して補強部材35は、図4に示すように、Y軸方向における軸受補強部24と軸保持部47との間に、X軸方向の両側に突出する一対の突出部35b、35cを備える。各突出部35b、35cには貫通溝が設けられている。補強部材35は、−X方向の突出部35bが、第1枠部分32aの第1切欠き部32cに+Z方向から挿入されて、第1突部73に当接する。また、補強部材35は、+X方向の突出部35cが、第2枠部分32bの第2切欠き部32dに+Z方向から挿入されて第2突部74に当接する。そして、補強部材35は、第2ケース23を貫通し、さらに、突出部35bの貫通溝を貫通して第1突部73のねじ穴に捩じ込まれるねじ75により、中間ケース22に固定される。また、補強部材35は、第2ケース23および突出部35cの貫通溝を貫通して第2突部74のねじ75穴に捩じ込まれるねじ75により、中間ケース22に固定される。
補強部材35が中間ケース22に固定された状態で、補強部材35と第1枠部分32aとの間には、部分的に隙間76が設けられ、補強部材35と第2枠部分32bとの間には、部分的に隙間77が設けられる。すなわち、補強部材35がケース9に固定された状態で、補強部材35と第1側壁13との間には、互いに接触していない部分(隙間76)が設けられている。また、補強部材35と第2側壁14との間には、互いに接触しない部分(隙間77)が設けられている。
(ポテンショメータ)
次に、ポテンショメータ37は、図5に示すように、伝達機構8を構成する複数の歯車のうちのいずれかの歯車に噛合するポテンショ歯車81を備える。また、ポテンショメー
タ37は、図4に示すように、ポテンショ歯車81の回転角度位置を検出する検出部82を備える。ポテンショ歯車81は、補強部材35の−Z方向に位置して、第3歯車41の第3小径歯車41bに噛合する。検出部82は、検出部82は、基板83を介して補強部材35に固定される。ここで、基板83と一対のモータ端子29との間には、モータ6に電力を供給するための配線(不図示)が接続されている。基板83には配線およびポテンショメータ37に接続された複数の端子ピン86が固定されている。中間ケース22は、中間枠部32のY軸方向の一方側Y1の端に、端子ピン保持部87を備える。
(動作)
端子ピン86を介した電力の供給によってモータ6が正方向、或は、逆方向に、駆動されると、モータ6の駆動力が伝達機構8を介して出力軸7に伝達される。従って、出力軸7に固定された便蓋201は、図2に示すように、閉位置に向かう閉方向A、或は、開位置に向かう開方向Bに回転する。便蓋201が回転すると、ポテンショメータ37からは、便蓋201の回転角度位置に対応する信号が出力される。
また、出力軸7に接続された便蓋201が閉方向Aに回転すると、第1アシストばね53および第2アシストばね54は、出力軸7を軸線L回りで開方向Bに回転させる付勢力を蓄える。従って、第1アシストばね53および第2アシストばね54は、便蓋201を開方向Bに回転する際に、開方向Bに駆動される出力軸7を開方向Bに付勢する。さらに、伝達機構8は、第1歯車39にトルクリミッタ46を備える。従って、便蓋201から出力軸7を介して伝達機構8に過大な負荷が加わった場合には、トルクリミッタ46が機能して、伝達機構8による駆動力の伝達を遮断する。これにより、外部からの過大な負荷に起因して、伝達機構8が破損することを防止する。
(作用効果)
本例によれば、ケース9内にケース9よりも剛性の高い補強部材35を有する。また、補強部材35は、出力軸7を支持するケース9の軸受部19に外周側から接触する軸受補強部24を備える。これにより、ケース9の軸受部19は、補強部材35によって補強される。従って、出力軸7に負荷がかかった場合でも、ケース9の変形を防止或いは抑制できる。よって、ケースの軸受部19に支持された出力軸7が傾斜することを防止或いは抑制できる。
また、本例では、軸受補強部24は、筒状であり、軸受部19は、軸受補強部24から−Z方向に突出する環状の第1突出部分19aを備える。軸受補強部24を筒状とすれば、ケース9の軸受部19が変形することを抑制しやすいので、軸受部19に支持された出力軸7の傾斜を抑制しやすい。また、軸受部19が、軸受補強部24よりもZ軸方向に突出するので、軸受部19をZ軸方向で長くすることが容易である。よって、軸受部19に支持された出力軸7の傾斜を抑制しやすい。
また、軸受部19の第1突出部分19aは、基部12の外周側で+Z方向を向く出力歯車43の環状端面とZ軸方向で対向する。従って、出力軸7が+Z方向に移動した場合に、出力軸7に固定された出力歯車43の環状端面と軸受部19とが干渉して、出力軸7が+Z方向に過度に移動することを防止できる。
さらに、本例では、剛性の高い補強部材35が、出力歯車43が固定された出力軸7を支持する軸受部19を補強するとともに、出力歯車43と噛み合う第4歯車42の第2支軸48を支持する。これにより、外部からの負荷によって第4歯車42と出力歯車43とが互いに離間する方向に変位することを防止できるので、第4歯車42と出力歯車43の噛合を正常な状態で維持できる。よって、便蓋201へのトルクの伝達効率が劣化することがない。
また、出力軸7は、−Z方向の端面に他方側に窪む円形凹部62を備え、ケース9は、円形凹部50に挿入されて出力軸7および出力歯車43を回転可能に支持する支柱部61を備える。そして、支柱部61の+Z方向の端部分は、軸線Lと直交する方向から見た場合に、軸受部19および軸受補強部24と重なる。従って、出力軸7の傾斜を防止しやすい。
さらに、出力軸7およびケース9は、樹脂製であり、補強部材35は、金属製である。従って、ケース9に対して補強部材35の剛性が高くなる。また、出力軸7およびケース9が樹脂製なので、これらの形状を所望の形状とすることが容易である。さらに、樹脂製のケース9の軸受部19によって、樹脂製の出力軸7の被軸受部64を回転可能に支持するので、例えば、金属製の補強部材35によって、直接、出力軸7を支持する場合と比較して、摺動ロスを低く抑えることができる。
さらに、出力歯車43は、金属製である。従って、出力軸7を介して出力歯車43に負荷がかかった場合でも、出力歯車43が変形することを防止できる。
また、本例では、出力歯車43と第4歯車42とは、Y軸方向に沿って配列されており、補強部材35は、Y軸方向における軸受補強部24と軸保持部47との間でケース9に固定されている。すなわち、補強部材35は、Y軸方向で軸受補強部24と軸保持部47との間に位置する一対の突出部35b、35cがケース9に固定されている。これにより、補強部材35は、出力歯車43に近い位置でケース9に固定される。従って、出力軸7を介して出力歯車43に負荷がかかった場合に、補強部材35が撓むことを防止できる。
さらに、ケース9は、X軸方向に配列されてY軸方向に平行に延びる第1壁部および第2側壁14、を備える。補強部材35は、第1側壁13と第2側壁14との間に配置されており、補強部材35と第1側壁13との間には、部分的に隙間76が設けられ、補強部材35と第2側壁14との間には、部分的に隙間77が設けられている。このようにすれば、補強部材35とケース9とが、互いに接触していない部分を備えるので、出力軸7を介して出力歯車43から補強部材35にかかった負荷が、ケース9に伝搬することを抑制できる。
ここで、本例の便蓋201開閉ユニットによれば、便蓋201が接続される開閉部材駆動装置1の出力軸7が傾斜することがない。従って、便蓋201を正常に開閉できる状態を維持できる。
1…開閉部材駆動装置、3…便蓋開閉ユニット、6…モータ、7…出力軸、8…伝達機構、9…ケース、10…ケース開口部、11…突出部分、12…基部、13…第1側壁、14…第2側壁、15…第3側壁、16…第4側壁、17…板部、18…軸支持部、19…軸受部、21…第1ケース、22…中間ケース、23…第2ケース、24…軸受補強部、25…底壁部、26…枠部、27…回転軸、28…モータ本体、29…モータ端子、30…軸受部材、31…中間底部、32…中間枠部、32a…第1枠部分、32b…第2枠部分、32c…第1切欠き部、32d…第2切欠き部、33…中間ケース開口部、34…軸保持部、35…補強部材、35a…端面、35b,35c…突出部、36…補強部材側開口部、37…ポテンショメータ、38…ウォーム、39…第1歯車、39a…第1大径歯車、39b…第1小径歯車、40…第2歯車、40a…第2大径歯車、40b…第2小径歯車、41…第3歯車、41a…第3大径歯車、41b…第3小径歯車、42…第4歯車、43…出力歯車、43a…環状部、45…第1支軸、46…トルクリミッタ、47…軸保持部、48…第2支軸、49…第3支軸、50…円形凹部、51…凹部、52…凸部、
53…第1アシストばね、53a…第1アシストばねの一方側の端部分、53b…第1アシストばねの他方側の端部分、54…第2アシストばね、54a…第2アシストばねの一方側の端部分、54b…第2アシストばねの他方側の端部分、55…貫通穴、56…第1アシストばね第1係止部、57…第1アシストばね第2係止部、58…第2アシストばね第1係止部、59…第2アシストばね第2係止部、61…支柱部、62…円形凹部、68…被支持部、70…環状溝、71…Oリング、73…第1突部、74…第2突部、76…隙間、77…隙間、81…ポテンショ歯車、82…検出部、83…基板、86…端子ピン、87…端子ピン保持部、200…トイレユニット、201…便蓋、202…便器本体、203…便座、204…タンク、X…第3方向(ケースの短手方向)、Y…第2方向(ケースの長手方向)、Z…第1方向(軸線方向)

Claims (8)

  1. モータと、
    開閉部材が接続される出力軸と、
    前記モータの駆動力を前記出力軸に伝達する伝達機構と、
    前記モータおよび前記伝達機構を収容するケースと、
    前記ケースよりも剛性が高く、前記ケースの内側に固定された補強部材と、を有し、
    前記出力軸の軸線に沿った方向を軸線方向、軸線方向の一方側を第1方向、他方側を第2方向とした場合に、前記出力軸は、前記ケース内に位置する基部と、前記基部の前記第2方向で前記ケースから突出する突出部と、を備え、
    前記伝達機構は、前記出力軸の基部に同軸に固定された出力歯車を備え、
    前記ケースは、前記補強部材を前記第2方向の側から被うケース部分を備え、
    前記ケース部分は、前記出力軸を前記ケースの内側から外側に貫通させる開口部と、前記ケースの内側を前記開口部と同軸に延びる筒状の軸受部と、を備え、
    前記出力軸は、前記基部における前記出力歯車の前記第2方向に、円形外周面を有する被軸受部を備え、
    前記軸受部は、前記被軸受部を外周側から回転可能に支持し、
    前記補強部材は、前記軸受部を包囲して当該軸受部に外周側から接触する軸受補強部を備えることを特徴とする開閉部材駆動装置。
  2. 前記軸受補強部は、筒状であり、
    前記軸受部は、前記軸受補強部から前記第1方向に突出する環状の第1突出部分を備えることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材駆動装置。
  3. 前記出力歯車は、中心穴に前記基部を貫通させた状態で前記出力軸に固定され、前記出力軸の外周側で前記第2方向を向く環状端面を備え、
    前記環状端面は、前記軸受部と前記軸線方向で対向することを特徴とする請求項2に記載の記載の開閉部材駆動装置。
  4. 前記出力軸は、前記第1方向の端面に前記第2方向に窪む円形凹部を備え、
    前記ケースは、前記円形凹部に挿入されて前記出力軸を回転可能に支持する支柱部を備え、
    前記支柱部は、前記軸線と直交する方向から見た場合に、前記軸受部および前記軸受補強部と重なることを特徴とする請求項2または3に記載の開閉部材駆動装置。
  5. 前記伝達機構は、前記出力歯車に噛合する前段歯車と、前記軸線方向に延びて前記前段歯車を回転可能に支持する支軸と、を有し、
    前記補強部材は、前記支軸の前記第2方向の端部を支持する軸保持部を備えることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の開閉部材駆動装置。
  6. 前記出力軸および前記ケースは、樹脂製であり、
    前記補強部材は、金属製であることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の開閉部材駆動装置。
  7. 前記出力歯車は、金属製であることを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の開閉部材駆動装置。
  8. 請求項1から7うちのいずれか一項に記載の開閉部材駆動装置を有し、
    前記開閉部材は、便蓋であることを特徴とする便蓋開閉ユニット。
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