JP2021070217A - 感熱記録体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、バリア性に優れた感熱記録体を提供することを主な目的とする。【解決手段】支持体上にロイコ染料、呈色剤及び接着剤を含有する感熱記録層、感熱記録層上に接着剤を含有する保護層を有する感熱記録体において、接着剤がポリビニルアルコール系樹脂を含有し、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度が1500以上である。ポリビニルアルコール系樹脂が部分鹸化もしくは完全鹸化の未変性ポリビニルアルコール、または部分鹸化もしくは完全鹸化の変性ポリビニルアルコールのいずれか一方のみからなることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、感熱記録体に関するものである。
無色または淡色のロイコ染料と、フェノール類または有機酸との加熱発色反応を利用して発色画像を記録する感熱記録体は、広く実用化されている。このような感熱記録体は、単に加熱するだけで発色画像が形成されるため、記録装置をコンパクトにでき、記録装置の保守も容易で、騒音の発生が少ないなどの利点を有している。そのため感熱記録体は、ラベルプリンタ等の発行機、自動券売機、CD・ATM、飲食店等の注文伝票出力機、科学研究用機器のデータ出力機等における各種情報記録材料として広範囲に使用されている。
感熱記録体の用途の拡大に伴い、各種バリア性に優れた感熱記録体の需要が高まっている。耐油性、耐可塑剤性等のバリア性耐油性、耐可塑剤性等のバリア性に優を高めるために、保護層の結着樹脂がジアセトン変性ポリビニルアルコール樹脂を含有し、保護層の結着樹脂の重合度が1,000〜1,800であり、かつ結着樹脂の鹸化度が90%以上98%未満である感熱記録材料が提案されている(特許文献1参照)。また、耐水性及び耐水ブロッキング特性を高めるために、保護層中にアセトアセチル変性ポリビニルアルコールと重合度が3000〜5000の完全鹸化ポリビニルアルコールを接着剤として含有する感熱記録体が提案されている(特許文献2参照)。さらに、保護層中に接着剤としてジアセトン変性ポリビニルアルコールと重合度が3000〜5000の完全鹸化ポリビニルアルコールを含有させた感熱記録体が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、これらの提案では感熱記録層と保護層に含有されるポリビニルアルコールの種類が限られており、バリア性については必ずしも満足すべき結果が得られていないのが現状である。
本発明は、バリア性に優れた感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記従来技術に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、上記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は下記の感熱記録体に係る。
項1:支持体上にロイコ染料、呈色剤及び接着剤を含有する感熱記録層、前記感熱記録層上に接着剤を含有する保護層を有する感熱記録体において、前記接着剤がポリビニルアルコール系樹脂を含有し、前記ポリビニルアルコール系樹脂の重合度が1500以上であることを特徴とする感熱記録体。
項2:前記ポリビニルアルコール系樹脂が部分鹸化もしくは完全鹸化の未変性ポリビニルアルコール、または部分鹸化もしくは完全鹸化の変性ポリビニルアルコールのいずれか一方のみからなる、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の重合度に対する保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の重合度の比が1.0倍以上であるか、または前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度に対する保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度の比が1.0倍以上である、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記重合度の比が1.1倍以上である、項3に記載の感熱記録体。
項5:前記鹸化度の比が1.1倍以上である、項3に記載の感熱記録体。
項6:前記変性ポリビニルアルコールがジアセトン変性ポリビニルアルコール及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項7:前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂が部分鹸化もしくは完全鹸化の未変性ポリビニルアルコールである、項1〜6のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項8:前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の含有割合が感熱記録層の全固形量中2〜7質量%である、項1〜7のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項9:前記保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の含有割合が保護層の全固形量中15〜45質量%である、項1〜8のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項10:項1〜9のいずれか一項に記載の感熱記録体の製造方法であって、感熱記録層用塗料または保護層用塗料を用いて、カーテン塗布法によって塗布及び乾燥して、感熱記録層または保護層を形成することを特徴とする感熱記録体の製造方法。
項2:前記ポリビニルアルコール系樹脂が部分鹸化もしくは完全鹸化の未変性ポリビニルアルコール、または部分鹸化もしくは完全鹸化の変性ポリビニルアルコールのいずれか一方のみからなる、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の重合度に対する保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の重合度の比が1.0倍以上であるか、または前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度に対する保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度の比が1.0倍以上である、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記重合度の比が1.1倍以上である、項3に記載の感熱記録体。
項5:前記鹸化度の比が1.1倍以上である、項3に記載の感熱記録体。
項6:前記変性ポリビニルアルコールがジアセトン変性ポリビニルアルコール及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項7:前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂が部分鹸化もしくは完全鹸化の未変性ポリビニルアルコールである、項1〜6のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項8:前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の含有割合が感熱記録層の全固形量中2〜7質量%である、項1〜7のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項9:前記保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の含有割合が保護層の全固形量中15〜45質量%である、項1〜8のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項10:項1〜9のいずれか一項に記載の感熱記録体の製造方法であって、感熱記録層用塗料または保護層用塗料を用いて、カーテン塗布法によって塗布及び乾燥して、感熱記録層または保護層を形成することを特徴とする感熱記録体の製造方法。
本発明の感熱記録体は、バリア性に優れている。
本明細書中において、「含む、含有する」なる表現については、「含む」、「実質のみからなる」、及び「のみからなる」旨の概念を含む。
本発明における感熱記録層と保護層は、それぞれ接着剤を含有し、かかる接着剤としてポリビニルアルコール系樹脂を含有する。
ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、1500以上であり、1700以上が好ましい。重合度が1500未満であるとバリア性が劣る。重合度の上限は、特に限定されず、5000以下が好ましく、4000以下がより好ましい。5000以下とすることにより、溶解された水溶液の粘性を減少し、感熱記録層用塗料または保護層用塗料の塗布適性を向上して、均一な感熱記録層または保護層を形成することができる。ここで、重合度とは、JIS K 6726−1994に準拠して測定した平均重合度である。なお、本発明において、ロイコ染料及び呈色剤等の分散剤として使用される重合度500程度の部分鹸化ポリビニルアルコール、重合度300程度のスルホン変性ポリビニルアルコールなどは、接着剤には該当しないものとする。
ポリビニルアルコール系樹脂は、部分鹸化もしくは完全鹸化の未変性ポリビニルアルコール、または部分鹸化もしくは完全鹸化の変性ポリビニルアルコールのいずれか一方のみからなる。感熱記録層と保護層に含有されるポリビニルアルコール系樹脂の種類は、同一であってもよく、また異なっていてもよい。以下、部分鹸化の未変性ポリビニルアルコールを単に部分鹸化ポリビニルアルコール、完全鹸化の未変性ポリビニルアルコールを単に完全鹸化ポリビニルアルコールともいう。
ポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度は、部分鹸化としては80モル%以上が好ましく、85モル%以上がより好ましい。一方、部分鹸化としては97モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましい。完全鹸化としては98モル%以上が好ましく、99モル%以上がより好ましい。
本発明では、保護層に含有されるポリビニルアルコール系樹脂の重合度と鹸化度を、感熱記録層に含有されるポリビニルアルコール系樹脂の重合度と鹸化度に対して一定の比率となるように調整することにより、バリア性を効果的に高めることができる。具体的には、感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の重合度に対する保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の重合度の比が1.0倍以上であるか、または感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度に対する保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度の比が1.0倍以上であることが好ましい。これにより、複数種類のポリビニルアルコールを混合して含有させるといった煩雑な工程を省くことができ、水溶液の粘性が異なる樹脂同士の混合が不十分でバリア性を低下させるといったおそれがない。かかる重合度の比または鹸化度の比は、より好ましくは1.1倍以上である。重合度の比については、さらに好ましくは1.5倍以上、特に好ましくは2.0倍以上である。
変性ポリビニルアルコールの具体例としては、例えば、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、バリア性を向上する観点から、ジアセトン変性ポリビニルアルコール及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ジアセトン変性ポリビニルアルコールにおけるジアセトン変性基、またはアセトアセチル変性ポリビニルアルコールにおけるアセトアセチル変性基は、0.5〜10モル%程度であることが好ましい。かかる変性基を0.5モル%以上含有することにより、耐水性をより一層高めることができる。一方、10モル%以下とすることにより、水への溶解性を高めて、塗布適性を向上させることができる。
本発明では、感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂が部分鹸化もしくは完全鹸化の未変性ポリビニルアルコールであることが好ましい。
本発明における感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂に対する保護層中のポリビニルアルコール系樹脂は、好ましい第一の態様としては、重合度の比が2.0倍以上、または鹸化度の比が1.0倍以上の場合である。具体例としては、感熱記録層中に重合度1700で鹸化度98〜99モル%の完全鹸化ポリビニルアルコールを含有し、保護層中に重合度4000で鹸化度99モル%以上の完全鹸化ポリビニルアルコールを含有する態様が挙げられる。また、好ましい第二の態様としては、重合度の比が1.0倍以上、または鹸化度の比が1.1倍以上の場合である。具体例としては、感熱記録層中に重合度1700で鹸化度87〜89モル%の部分鹸化ポリビニルアルコールを含有し、保護層中に重合度1700で鹸化度98〜99モル%以上の完全鹸化ポリビニルアルコールを含有する態様が挙げられる。さらに、好ましい第三の態様としては、重合度の比が1.1倍以上、または鹸化度の比が1.1倍以上の場合である。具体例としては、感熱記録層中に重合度1700で鹸化度87〜89モル%の部分鹸化ポリビニルアルコールを含有し、保護層中に重合度2000で鹸化度98.5モル%のジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有する態様が挙げられる。これらの態様によって、バリア性をより一層向上することができる。
本発明における感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂に対する保護層中のポリビニルアルコール系樹脂は、好ましい第一の態様としては、重合度の比が2.0倍以上、または鹸化度の比が1.0倍以上の場合である。具体例としては、感熱記録層中に重合度1700で鹸化度98〜99モル%の完全鹸化ポリビニルアルコールを含有し、保護層中に重合度4000で鹸化度99モル%以上の完全鹸化ポリビニルアルコールを含有する態様が挙げられる。また、好ましい第二の態様としては、重合度の比が1.0倍以上、または鹸化度の比が1.1倍以上の場合である。具体例としては、感熱記録層中に重合度1700で鹸化度87〜89モル%の部分鹸化ポリビニルアルコールを含有し、保護層中に重合度1700で鹸化度98〜99モル%以上の完全鹸化ポリビニルアルコールを含有する態様が挙げられる。さらに、好ましい第三の態様としては、重合度の比が1.1倍以上、または鹸化度の比が1.1倍以上の場合である。具体例としては、感熱記録層中に重合度1700で鹸化度87〜89モル%の部分鹸化ポリビニルアルコールを含有し、保護層中に重合度2000で鹸化度98.5モル%のジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有する態様が挙げられる。これらの態様によって、バリア性をより一層向上することができる。
本発明における感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の含有割合は、特に限定されないが、感熱記録層の全固形量中2〜7質量%であることが好ましい。この範囲で使用することにより、塗工適性とバリア性のバランスを調節し易い。
本発明における保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の含有割合は、特に限定されないが、保護層の全固形量中15〜45質量%であることが好ましい。この範囲で使用することにより、塗工適性とバリア性のバランスを調節し易い。
本発明は、感熱記録層と保護層に接着剤として特定のポリビニルアルコール系樹脂を含有させるものであるが、本発明の所望の効果を損なわない限りにおいて、その他の接着剤も使用できる。その他の接着剤としては、例えば澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性接着剤、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリル化ウレタン、アクリル−シリコン複合体、アクリル−シリコン−ウレタン複合体等の疎水性接着剤が挙げられる。なお、感熱記録層用塗料または保護層用塗料の媒体が水の場合は、疎水性接着剤はラテックスの形態で使用される。これらの接着剤は、1種単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における感熱記録層には、無色又は淡色の各種公知のロイコ染料及び呈色剤が含有されている。そのようなロイコ染料の具体例を以下に挙げる。
ロイコ染料の具体例としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、ローダミンB−アニリノラクタム等の緑発色性染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、3−ジエチルアミノ−7−ブチルアミノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシル−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプロピル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。もちろん、これらに制限されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
かかるロイコ染料の含有割合は、特に制限されず、感熱記録層の全固形量中、3〜30質量%程度が好ましく、5〜25質量%程度がより好ましく、7〜20質量%程度が更に好ましい。3質量%以上とすることにより発色能力を高めて、印字濃度を向上できる。30質量%以下とすることにより、耐熱性を向上できる。
呈色剤の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェニル、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ビス(p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、又は安息香酸、p−クロロ安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸、4−{3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン等のウレア化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−クミルフェニルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−ベンジルオキシフェニルエステル、N−[2−(3−フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、N−(o−トルオイル)−p−トルエンスルホアミド等の分子内に−SO2NH−結合を有する有機化合物、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質等が挙げられる。
呈色剤としては、さらに、下記一般式(1)で表される4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4,4’−ビス〔(2−メチル−5−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4−(2−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド−4’−(4−メチル−5−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイドジフェニルスルホン等のウレアウレタン誘導体、下記一般式(2)で表されるジフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。
(式中、nは1〜6の整数を表す。)
呈色剤は、もちろん、これらに制限されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
呈色剤は、もちろん、これらに制限されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
かかる呈色剤の含有量は、特に制限されず、使用されるロイコ染料に応じて調整すればよく、一般にロイコ染料1質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましく、1.2質量部以上がより一層好ましく、1.5質量部以上が特に好ましい。また、呈色剤の含有量はロイコ染料1質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、4質量部以下が更に好ましく、3.5質量部以下が特に好ましい。0.5質量部以上とすることにより、記録性能を高めることができる。一方、10質量部以下とすることにより、高温環境下での地肌カブリを効果的に抑えることができる。
本発明では、感熱記録層中に、主に発色像の保存性をより一層高めるために、保存性改良剤を更に含有させることができる。このような保存性改良剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール等のフェノール化合物;4−ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物;並びに1,3,5−トリス(2,6−ジメチルベンジル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸化合物から選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。もちろん、これらに制限されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
保存性改良剤を使用する場合、その使用量は、保存性改良のために有効な量とすればよく、通常は、感熱記録層の全固形量中、1〜30質量%程度が好ましく、5〜20質量%程度がより好ましい。
本発明における感熱記録層中には増感剤を含有させることもできる。これにより、記録感度を高めることができる。増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミルド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、ジフェニルスルホン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン、アジピン酸ジ−o−クロルベンジル、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1,3−ビス(2−ナフトキシ)プロパン、ジフェニル、ベンゾフェノン等が挙げられる。これらは支障のない範囲で併用できる。増感剤の含有割合は、増感のために有効な量とすればよく、通常は、感熱記録層の全固形量中、2〜40質量%程度が好ましく、5〜25質量%程度がより好ましい。
感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のため、白色度が高く、平均粒子径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることができる。例えば、軽質または重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウム、シリカ等の無機顔料、並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。顔料の含有割合は、発色濃度を低下させない程度の量、すなわち、感熱発色層の全固形量中50質量%以下であることが好ましい。
感熱記録層には助剤として、パラフィンワックス等のワックス類、金属石鹸、耐水化剤、分散剤、有色染料、蛍光染料等を用いることができる。耐水化剤としては、例えばグリオキザール、ホルマリン、グリシン、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、ジメチロール尿素、ケテンダイマー、ジアルデヒド澱粉、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、ケトン−アルデヒド樹脂、硼砂、硼酸、炭酸ジルコニウムアンモニウム、エポキシ系化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン系化合物、オキサゾリン基含有化合物、グリオキシル酸ナトリウム、ジ(グリオキシル酸)カルシウム、グリオキシル酸アンモニウム等のグリオキシル酸塩等が挙げられる。
感熱記録層は、一般に水を分散媒体とし、ロイコ染料と呈色剤、必要により増感剤と保存性改良剤を一緒に、又は別々にボールミル、コボールミル、アトライター、縦型及び横型のサンドミル等の各種撹拌・湿式粉砕機によりポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩等のような水溶性合成高分子化合物、その他界面活性剤と共に分散して分散液とした後、平均粒子径が2μm以下となるように分散して得た分散液を用いて、特定の接着剤、必要によりその他の接着剤、顔料、助剤等を混合することにより調製された感熱記録層用塗料を塗布した後、乾燥されて支持体上、あるいは必要により設けた下塗り層上に形成される。感熱記録層の塗布量は、特に制限されず、乾燥後の塗布量で1〜12g/m2程度が好ましく、2〜10g/m2がより好ましく、2.5〜8g/m2が更に好ましく、3〜5.5g/m2が特に好ましい。なお、感熱記録層は必要に応じて2層以上に分けて形成することができ、各層の組成と塗布量は、同一であってもよく、また異なっていてもよい。
本発明の感熱記録体は、感熱記録上に保護層を有している。保護層は、上述のとおり接着剤として特定のポリビニルアルコール系樹脂を含有している。
本発明における保護層は、顔料を含有することもできる。顔料としては、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、無定形シリカ、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン等の無機顔料、スチレン樹脂フィラー、ナイロン樹脂フィラー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料が挙げられる。なかでも、カオリンまたは水酸化アルミニウムは可塑剤、油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため好ましく用いられる。顔料の含有割合としては、特に限定されず、保護層の全固形量中5〜70質量%程度が好ましい。
保護層には、サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のような滑剤を含有させることが好ましく、紫外線吸収剤を含有させることもできる。また、光沢を有する保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。
保護層は、一般に水を分散媒体とし、特定の接着剤、必要によりその他の接着剤、顔料、助剤等を混合することにより調製された保護層用塗料を用いて塗布した後、乾燥されて感熱記録層上に形成される。保護層用塗料の塗布量は、特に制限されず、乾燥重量で0.3〜15g/m2程度が好ましく、0.3〜10g/m2程度がより好ましく、0.5〜8g/m2程度が更に好ましく、1〜8g/m2程度が特に好ましく、1〜5g/m2程度がより一層好ましい。なお、保護層は、必要に応じて2層以上に分けて形成することができ、各層の組成と塗工量は、同一であってもよく、また異なっていてもよい。
本発明では、保護層用塗料のポットライフに影響のない範囲内で、ポリビニルアルコール系樹脂と反応する耐水化剤を保護層に配合することができる。また、保護層に隣接する層、例えば感熱記録層、感熱記録層と保護層との間に形成し得る中間層、または保護層上に形成し得る最上層に配合しても良い。本発明では、感熱記録層中に耐水化剤を含有させた態様が、感熱記録層中または保護層中にポリビニルアルコール系樹脂と耐水化剤との反応生成物を効果的に含有させることができ、バリア性を向上できるため好ましい。
本発明では、支持体と感熱記録層との間に、有機顔料及び無機顔料から選ばれる少なくとも1種を含有する下塗り層を有していてもよい。これにより、記録感度及び記録走行性をより高めることができる。
無機顔料としては、サーマルヘッドへの粕付着とスティッキングを抑制する観点から、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性無機顔料が好ましく用いられる。ここで、吸油量は、JIS K 5101の方法に従い、求めることができる。吸油性無機顔料としては、各種のものが使用できるが、例えば、焼成カオリン、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。これら吸油性無機顔料の一次粒子の平均粒子径は、0.01〜5μm程度が好ましく、0.02〜3μm程度がより好ましい。吸油性無機顔料の使用割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量中2〜90質量%程度が好ましく、5〜85質量%程度がより好ましい。
有機顔料としては、例えば、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に気体を含有して既に中空状となっている非発泡性の有機中空粒子、あるいは内部に低沸点溶媒の発泡剤を含有して加熱により発泡状態となる熱膨張性の有機中空粒子を用いることが好ましい。これにより、記録感度を向上することができる。
有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できる。ここで中空率は、(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。有機中空粒子の平均粒子径は0.5〜20μm程度、特に1〜10μm程度であるのが好ましい。有機中空粒子の使用割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量中2〜90質量%程度が好ましく、5〜70質量%程度がより好ましい。
なお、吸油性無機顔料を有機中空粒子と併用する場合、吸油性無機顔料と有機中空粒子とは前記の使用割合の範囲で使用し、且つ吸油性無機顔料と有機中空粒子の合計量は、下塗り層の全固形量中5〜90質量%程度が好ましく、10〜85質量%程度がより好ましい。
下塗り層に用いる接着剤としては、特に限定されず、感熱記録層及び保護層で使用できるものの中から適宜選択することができる。これらの中でも、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。接着剤の使用割合は、広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層の全固形量中5〜30質量%程度が好ましく、10〜25質量%程度がより好ましい。
下塗り層は、一般に水を媒体として、無機または有機顔料、接着剤、助剤等を混合することにより調製された下塗り層用塗料を、支持体上に塗布及び乾燥することにより形成される。下塗り層用塗料の塗布量は、特に限定するものではないが、乾燥重量で3〜20g/m2程度が好ましく、5〜12g/m2程度がより好ましい。
本発明は、感熱記録層用塗料または保護層用塗料を用いて、カーテン塗布法によって塗布及び乾燥して、感熱記録層または保護層を形成する感熱記録体の製造方法である。これにより、特定の接着剤を含有する塗料の塗工適性に優れ、バリア性に優れた感熱記録体を得ることができる。カーテン塗布法は、塗液を流下して自由落下させ中間層に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。感熱記録層または保護層のいずれか一方がカーテン塗布法によって形成されていればよく、残りの他の層を形成する塗布方法としては、特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、ダイコーティング等の既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。また、各塗料は1層ずつ塗布及び乾燥して各層を形成してもよく、同一の塗料を2層以上に分けて塗布してもよい。更に2つ以上の層を同時に塗布する同時多層塗布を行ってもよい。本発明では、本発明では、各層を形成し終えた後、また、全ての層を形成し終えた後の任意の過程でスーパーカレンダー等による平滑化処理を施すこともできる。
本発明における支持体は、種類、形状、寸法等に格別の限定はなく、例えば、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等の他、各種透明支持体等の中から適宜選択して使用することができる。支持体の厚みは特に制限されず、通常、20〜200μm程度である。また、支持体の密度は特に制限されず、0.60〜0.85g/cm3程度が好ましい。
本発明では、感熱記録体の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等による塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙などとすることができる。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット記録用紙、ノーカーボン用紙、静電記録用紙、ゼオグラフィー用紙などとしての機能を付与し、両面記録が可能な記録紙とすることもできる。もちろん、両面感熱記録体とすることもできる。また、感熱記録体裏面からの油及び可塑剤の浸透を抑制したり、カールコントロール及び帯電防止のためにバック層を設けることもできる。保護層上にシリコーンを含有した剥離層を塗布加工し、裏面に粘着剤を塗布加工することにより、剥離紙を必要としないライナーレスラベルとすることも可能である。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。実施例及び比較例で使用したものの粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所製)を用いて体積基準の平均粒子径、メジアン径を測定した。
実施例1
(1)下塗り層用塗料の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス、BASF社製)40部、有機中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、ダウケミカル社製、固形分濃度26.5%、中空率55%)150.9部、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:L−1571、固形分濃度48%、旭化成製)31.3部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の15%水溶液30部、及び水75.5部からなる組成物を混合撹拌して、下塗り層用塗料を得た。
(1)下塗り層用塗料の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス、BASF社製)40部、有機中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、ダウケミカル社製、固形分濃度26.5%、中空率55%)150.9部、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:L−1571、固形分濃度48%、旭化成製)31.3部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の15%水溶液30部、及び水75.5部からなる組成物を混合撹拌して、下塗り層用塗料を得た。
(2)ロイコ染料分散液(A液)調製
3−ジ−(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、メジアン径が0.5μmになるまで粉砕してロイコ染料分散液(A液)を得た。
3−ジ−(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、メジアン径が0.5μmになるまで粉砕してロイコ染料分散液(A液)を得た。
(3)顕色剤分散液(B液)調製
4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン (日本曹達社製、 D8)40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、メジアン径が0.7μmになるまで粉砕して呈色剤分散液(B液)を得た。
4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン (日本曹達社製、 D8)40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、メジアン径が0.7μmになるまで粉砕して呈色剤分散液(B液)を得た。
(4)増感剤分散液(C液)調製
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル(商品名:HS−3520、DIC社製)40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、メジアン径が1.0μmになるまで粉砕して増感剤分散液(C液)を得た。
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル(商品名:HS−3520、DIC社製)40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、メジアン径が1.0μmになるまで粉砕して増感剤分散液(C液)を得た。
(5)感熱記録層用塗料の調製
A液29.5部、B液59.1部、C液45.4部、ヒドロキシメチルセルロースの5%水溶液20部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液37.5部、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:L−1571、旭化成社製、固形分濃度48%)9.4部、軽質炭酸カルシウム(商品名:Brilliant−15、白石工業社製)17.1部、パラフィンワックス(商品名:ハイドリンL−700、中京油脂社製、固形分濃度30%)11.7部、アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製)2部、及び水120部からなる組成物を混合撹拌して感熱記録層用塗料を得た。なお、水の量は実施例により適宜調整した。
A液29.5部、B液59.1部、C液45.4部、ヒドロキシメチルセルロースの5%水溶液20部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液37.5部、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:L−1571、旭化成社製、固形分濃度48%)9.4部、軽質炭酸カルシウム(商品名:Brilliant−15、白石工業社製)17.1部、パラフィンワックス(商品名:ハイドリンL−700、中京油脂社製、固形分濃度30%)11.7部、アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製)2部、及び水120部からなる組成物を混合撹拌して感熱記録層用塗料を得た。なお、水の量は実施例により適宜調整した。
(6)保護層用塗料の調製
完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部、カオリン(商品名:HYDRAGLOSS90、KaMin LLC社製)19部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42M、昭和電工社製)35部、シリカ(商品名:ミズカシルP−527、水澤化学社製)4部、ポリエチレンワックス(商品名:ケミパールW−400、三井化学社製、固形分濃度40%)2.5部、及び水114.5部からなる組成物を混合撹拌して保護層用塗料を得た。なお、水の量は実施例により適宜調整した。
完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部、カオリン(商品名:HYDRAGLOSS90、KaMin LLC社製)19部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42M、昭和電工社製)35部、シリカ(商品名:ミズカシルP−527、水澤化学社製)4部、ポリエチレンワックス(商品名:ケミパールW−400、三井化学社製、固形分濃度40%)2.5部、及び水114.5部からなる組成物を混合撹拌して保護層用塗料を得た。なお、水の量は実施例により適宜調整した。
(7)感熱記録体の作製
坪量60g/m2の上質紙の片面上に、下塗り層用塗料、感熱記録層用塗料、及び保護層用塗料を乾燥後の塗布量がそれぞれ6.0g/m2、4.0g/m2、2.0g/m2となるように塗布及び乾燥して、下塗り層、感熱記録層及び保護層を順次形成した後、スーパーカレンダーで表面を平滑化して感熱記録体を得た。ここで感熱記録層及び保護層は、カーテン塗布法により塗布及び乾燥して形成した。
坪量60g/m2の上質紙の片面上に、下塗り層用塗料、感熱記録層用塗料、及び保護層用塗料を乾燥後の塗布量がそれぞれ6.0g/m2、4.0g/m2、2.0g/m2となるように塗布及び乾燥して、下塗り層、感熱記録層及び保護層を順次形成した後、スーパーカレンダーで表面を平滑化して感熱記録体を得た。ここで感熱記録層及び保護層は、カーテン塗布法により塗布及び乾燥して形成した。
実施例2
実施例1の保護層用塗液の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部に代えて、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:JC−40、重合度4000、鹸化度99.0モル%以上、日本酢ビ・ポバール社製)の8%水溶液450部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の保護層用塗液の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部に代えて、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:JC−40、重合度4000、鹸化度99.0モル%以上、日本酢ビ・ポバール社製)の8%水溶液450部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)に代えて、部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA22−88、重合度1700、鹸化度87.0〜89.0モル%、クラレ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)に代えて、部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA22−88、重合度1700、鹸化度87.0〜89.0モル%、クラレ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)に代えて、部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA22−88、重合度1700、鹸化度87.0〜89.0モル%、クラレ社製)を用い、保護層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部に代えて、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(製品名:DF−20、重合度2000、鹸化度98.5モル%、日本酢ビ・ポバール製)の8%水溶液450部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)に代えて、部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA22−88、重合度1700、鹸化度87.0〜89.0モル%、クラレ社製)を用い、保護層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部に代えて、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(製品名:DF−20、重合度2000、鹸化度98.5モル%、日本酢ビ・ポバール製)の8%水溶液450部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液37.5部に代えて、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(製品名:DF−20、重合度2000、鹸化度98.5モル%、日本酢ビ・ポバール製)の8%水溶液56.3部を用い、保護層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部に代えて、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(製品名:DF−20、重合度2000、鹸化度98.5モル%、日本酢ビ・ポバール製)の8%水溶液450部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液37.5部に代えて、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(製品名:DF−20、重合度2000、鹸化度98.5モル%、日本酢ビ・ポバール製)の8%水溶液56.3部を用い、保護層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部に代えて、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(製品名:DF−20、重合度2000、鹸化度98.5モル%、日本酢ビ・ポバール製)の8%水溶液450部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1の保護層用塗料において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部に代えて、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(製品名:ゴーセファイマ−Z410、重合度2400、鹸化度98.0モル%、日本合成化学工業製)8%水溶液450部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の保護層用塗料において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部に代えて、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(製品名:ゴーセファイマ−Z410、重合度2400、鹸化度98.0モル%、日本合成化学工業製)8%水溶液450部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液37.5部に代えて、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(製品名:ゴーセファイマ−Z410、重合度2400、鹸化度98.0%、日本合成化学工業製)8%水溶液56.3部を用い、保護層用塗料において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部に代えて、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(製品名:ゴーセファイマ−Z410、重合度2400、鹸化度98.0モル%、日本合成化学工業製)8%水溶液450部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液37.5部に代えて、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(製品名:ゴーセファイマ−Z410、重合度2400、鹸化度98.0%、日本合成化学工業製)8%水溶液56.3部を用い、保護層用塗料において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)の12%水溶液300部に代えて、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(製品名:ゴーセファイマ−Z410、重合度2400、鹸化度98.0モル%、日本合成化学工業製)8%水溶液450部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録層用塗料において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)に代えて、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA11−98、重合度1000、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗料において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)に代えて、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA11−98、重合度1000、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の保護層用塗料において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)に代えて、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA11−98、重合度1000、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の保護層用塗料において、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA29−98、重合度1700、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)に代えて、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA11−98、重合度1000、鹸化度98.0〜99.0モル%、クラレ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
以上の実施例及び比較例で作製した感熱記録体を下記の評価に供し、その結果を表1に示す。
(バリア性)
100%エタノールを感熱記録体の保護層表面に塗布し、地肌部かぶり(地発色)を目視評価した。
◎:地肌部かぶりが全く見られない。
○:地肌部かぶりが微小な点状として若干見られるが実用上問題ない。
△:地肌かぶりが広い面積で見られ実用上問題である。
×:地肌かぶりが著しく全体に発色濃度が高い。
100%エタノールを感熱記録体の保護層表面に塗布し、地肌部かぶり(地発色)を目視評価した。
◎:地肌部かぶりが全く見られない。
○:地肌部かぶりが微小な点状として若干見られるが実用上問題ない。
△:地肌かぶりが広い面積で見られ実用上問題である。
×:地肌かぶりが著しく全体に発色濃度が高い。
Claims (10)
- 支持体上にロイコ染料、呈色剤及び接着剤を含有する感熱記録層、前記感熱記録層上に接着剤を含有する保護層を有する感熱記録体において、前記接着剤がポリビニルアルコール系樹脂を含有し、前記ポリビニルアルコール系樹脂の重合度が1500以上であることを特徴とする感熱記録体。
- 前記ポリビニルアルコール系樹脂が部分鹸化もしくは完全鹸化の未変性ポリビニルアルコール、または部分鹸化もしくは完全鹸化の変性ポリビニルアルコールのいずれか一方のみからなる、請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の重合度に対する保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の重合度の比が1.0倍以上であるか、または前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度に対する保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の鹸化度の比が1.0倍以上である、請求項1または2に記載の感熱記録体。
- 前記重合度の比が1.1倍以上である、請求項3に記載の感熱記録体。
- 前記鹸化度の比が1.1倍以上である、請求項3に記載の感熱記録体。
- 前記変性ポリビニルアルコールがジアセトン変性ポリビニルアルコール及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂が部分鹸化もしくは完全鹸化の未変性ポリビニルアルコールである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層中のポリビニルアルコール系樹脂の含有割合が感熱記録層の全固形量中2〜7質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記保護層中のポリビニルアルコール系樹脂の含有割合が保護層の全固形量中15〜45質量%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の感熱記録体の製造方法であって、感熱記録層用塗料または保護層用塗料を用いて、カーテン塗布法によって塗布及び乾燥して、感熱記録層または保護層を形成することを特徴とする感熱記録体の製造方法。
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JP2019197760A JP2021070217A (ja) | 2019-10-30 | 2019-10-30 | 感熱記録体及びその製造方法 |
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2019
- 2019-10-30 JP JP2019197760A patent/JP2021070217A/ja active Pending
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