JP2021069526A - パウダー化粧用パフおよび、その製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合部の肌あたりが良好で使用感に優れ、縫製による化粧用パフと同じ形状のパイルを有するパウダー化粧用パフおよび、その製造方法を提供すること。【解決手段】ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなる中芯(a)の両面に、ポリウレタンからなる接着層(b)を介して、繊維長1.0mm以上のパイル(d)を有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなる立毛織編層(c)が積層され、周縁部に毛羽を備えるダイカット圧着部を有することを特徴とする、パウダー化粧用パフ。【選択図】図4
Description
本発明は、パウダー化粧用パフ、詳しくは、毛羽を備えるダイカット圧着部を有するパウダー化粧用パフおよび、その製造方法に関する。
パウダー化粧料の塗布具として、パイルパフからなる化粧用パフは、縫製パフが多く用いられてきている。縫製パフは、塗布母材である立毛織布や植毛シートを所望の形状とし、2枚のシートを塗布面となる立毛面あるいは植毛面同志が内側となるようにして(すなわち中表として)重ね合せ、ミシンによりその周縁部を縫製して袋状とする。その際に、周縁部の一部は、塗布母材を裏返すための開口部として未縫製のまま残しておき、中芯体を塗布母材上に添えて、袋状に縫った塗布母材を中芯体とともに前記開口部を潜り抜けさせて裏返し、塗布面を表にする手法により製造されている。しかしながら、この製造方法は、ミシンで縫製することが必須であるため、生産性が悪いという問題があった。さらに、縫製する縫い代部分を5mm以上大きく確保するため、化粧用パフの大きさ以上に塗布母材である立毛織布や植毛シートが必要となり、製造コストが上昇するという問題もあった。
一方、液状化粧料の塗布具として、スポンジ等の基材シートを溶断・溶着して化粧用接合パフを得る手法が知られている。しかしながら、加熱金型を使用した溶断・溶着タイプの従来の化粧用パフは、熱溶融したときに生じるスポンジ等の基材材料の熱溶融残渣が外側に突出した状態となり、この突出した部分が突起、または筋状に盛り上がって固くなる、いわゆる「バリ」となり、この接合部が肌にあたると異物感を与え、使用者に著しい不快感を与えるという問題があった。この問題に対して、本発明者は、超音波や高周波の利用による内部加熱手段と感電センサーとを組み合わせて、スポンジ等の基材シートの溶融量を必要かつ十分な量とすることにより、熱溶融による溶着部が溶着接合部に内包された化粧用接合パフを得る方法を提案している(特許文献1、2等)。
この製造方法は、化粧用パフの少なくとも片面にスポンジシートを使用している液状化粧料の塗布具の製造方法としては、非常に有用な方法であるものの、パイルを有する立毛織布や植毛シートを両面に使用する場合は、立毛織布や植毛シートの素材が熱溶融時に樹脂化し、それが肌にあたると非常に痛く、使用感が著しく悪いという問題があった。
このような状況において、パウダー化粧料の塗布具として、縫製パフに代わる、肌あたりの良好なパウダー化粧用パフおよび、生産性が良好な新たな製造方法の提案が望まれている。
この製造方法は、化粧用パフの少なくとも片面にスポンジシートを使用している液状化粧料の塗布具の製造方法としては、非常に有用な方法であるものの、パイルを有する立毛織布や植毛シートを両面に使用する場合は、立毛織布や植毛シートの素材が熱溶融時に樹脂化し、それが肌にあたると非常に痛く、使用感が著しく悪いという問題があった。
このような状況において、パウダー化粧料の塗布具として、縫製パフに代わる、肌あたりの良好なパウダー化粧用パフおよび、生産性が良好な新たな製造方法の提案が望まれている。
本発明は、接合部の肌あたりが良好で使用感に優れており、縫製による化粧用パフと同じ形状のパイルを有するパウダー化粧用パフおよび、その製造方法を提供することを課題としている。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、接着層となる熱溶融ポリウレタンの溶融温度より高い温度、好ましくはパイルを有する織編層素材の軟化温度程度において、圧着・切断(ダイカット)し、さらに、圧着部をほぐすことにより、該圧着部は毛羽を備えるものとなることを見出し、上記課題を解決したものである。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなる中芯(a)の両面に、ポリウレタンからなる接着層(b)を介して、繊維長1.0mm以上のパイル(d)を有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなる立毛織編層(c)が積層され、
周縁部に毛羽を備えるダイカット圧着部を有することを特徴とする、パウダー化粧用パフ。
2.下記工程(i)〜工程(iv)からなる、1.に記載のパウダー化粧用パフの製造方法。
工程(i):ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなる中芯(a)の両面に、ポリウレタンからなる接着剤の層を設け、さらに前記接着剤からなる層の外側に、繊維長1.0mm以上のパイル(d)を有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなる立毛織編物を配置して、五層の配置物を準備する工程。
工程(ii):上記五層の配置物を、ポリウレタンからなる接着剤により上記中芯(a)と上記立毛織編物とを接着させて、五層構造の積層体シートを得る工程。
工程(iii):上記五層構造の積層体シートを、上記立毛織編物の融点以下の温度の金属刃体で押圧し、その押圧周縁部を圧着して切断するダイカット工程。
工程(iv):上記工程(iii)により形成されたダイカット圧着部をほぐして、毛羽を発生させるガラ掛け工程。
1.ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなる中芯(a)の両面に、ポリウレタンからなる接着層(b)を介して、繊維長1.0mm以上のパイル(d)を有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなる立毛織編層(c)が積層され、
周縁部に毛羽を備えるダイカット圧着部を有することを特徴とする、パウダー化粧用パフ。
2.下記工程(i)〜工程(iv)からなる、1.に記載のパウダー化粧用パフの製造方法。
工程(i):ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなる中芯(a)の両面に、ポリウレタンからなる接着剤の層を設け、さらに前記接着剤からなる層の外側に、繊維長1.0mm以上のパイル(d)を有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなる立毛織編物を配置して、五層の配置物を準備する工程。
工程(ii):上記五層の配置物を、ポリウレタンからなる接着剤により上記中芯(a)と上記立毛織編物とを接着させて、五層構造の積層体シートを得る工程。
工程(iii):上記五層構造の積層体シートを、上記立毛織編物の融点以下の温度の金属刃体で押圧し、その押圧周縁部を圧着して切断するダイカット工程。
工程(iv):上記工程(iii)により形成されたダイカット圧着部をほぐして、毛羽を発生させるガラ掛け工程。
本発明のパウダー化粧用パフは、接合部であるダイカット圧着部が毛羽を備えることから、肌に異物感を与えることなく、優れた使用感を得ることができる。また、接合部が毛羽により被覆された状態となるため、化粧用パフ側面もパウダー化粧料を十分に保持することができ、顔面の凹凸が大きい部分でもきめ細かな作業により化粧料の塗り斑を生じることがなくなるため、化粧料塗布具として非常に有用である。
本発明のパウダー化粧用パフは、中芯(a)と立毛織編層(c)とが接着層(b)を介して確実に積層され、かつ、ダイカット圧着部が高い接合強度を有するため、洗濯性に優れるのみならず、長期耐久性にも優れている。
さらに、本発明は、従来の縫製による化粧用パフと同じ素材を使用して、同じ形状の化粧用パフを、簡便かつ大量に製造することができ、生産性に極めて優れている。
本発明のパウダー化粧用パフは、中芯(a)と立毛織編層(c)とが接着層(b)を介して確実に積層され、かつ、ダイカット圧着部が高い接合強度を有するため、洗濯性に優れるのみならず、長期耐久性にも優れている。
さらに、本発明は、従来の縫製による化粧用パフと同じ素材を使用して、同じ形状の化粧用パフを、簡便かつ大量に製造することができ、生産性に極めて優れている。
本発明は、周縁部に、毛羽を備えるダイカット圧着部を有するパウダー化粧用パフに関する。
ここで、本発明における周縁部の毛羽は、立毛織編物が備える繊維長1.0mm以上のパイル(d)由来のもの、および/または、立毛織編物の織編物部分がほぐれることによる織編物由来のもの、すなわち、立毛織編物由来のものであり、下記に説明するとおり、工程(iv)において、ダイカット圧着部がほぐされることにより発生するものを意味する。そのため、本発明における周縁部の毛羽は、立毛織編物が備えるパイル、および/または、立毛織編物の織編物部分と概略同等のものであり、毛羽の繊維長は、本発明のパウダー化粧用パフが備えるパイルとほぼ同程度の長さであるか、短い場合が多い。
以下、本発明について詳細に説明する。
ここで、本発明における周縁部の毛羽は、立毛織編物が備える繊維長1.0mm以上のパイル(d)由来のもの、および/または、立毛織編物の織編物部分がほぐれることによる織編物由来のもの、すなわち、立毛織編物由来のものであり、下記に説明するとおり、工程(iv)において、ダイカット圧着部がほぐされることにより発生するものを意味する。そのため、本発明における周縁部の毛羽は、立毛織編物が備えるパイル、および/または、立毛織編物の織編物部分と概略同等のものであり、毛羽の繊維長は、本発明のパウダー化粧用パフが備えるパイルとほぼ同程度の長さであるか、短い場合が多い。
以下、本発明について詳細に説明する。
<中芯(a)>
本発明のパウダー化粧用パフにおける中芯(a)は、ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなるものである。
ポリエステル繊維は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)などポリエステル類の織物、編物、不織布などが挙げられる。
ポリウレタン発泡体の気泡構造は、独立気泡、連続気泡またはこれらの混在型等種々形態があるが、密度(または空隙率)と共に、目的に応じて製造工程での発泡倍率の制御により所定のものに設定すればよい。また、低反発弾性を有するものであってもよい。
中芯(a)の厚み、大きさ等は、目的に応じて適宜設定すればよい。
本発明のパウダー化粧用パフにおける中芯(a)としては、ポリウレタン発泡体からなるものが好ましい。
本発明のパウダー化粧用パフにおける中芯(a)は、ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなるものである。
ポリエステル繊維は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)などポリエステル類の織物、編物、不織布などが挙げられる。
ポリウレタン発泡体の気泡構造は、独立気泡、連続気泡またはこれらの混在型等種々形態があるが、密度(または空隙率)と共に、目的に応じて製造工程での発泡倍率の制御により所定のものに設定すればよい。また、低反発弾性を有するものであってもよい。
中芯(a)の厚み、大きさ等は、目的に応じて適宜設定すればよい。
本発明のパウダー化粧用パフにおける中芯(a)としては、ポリウレタン発泡体からなるものが好ましい。
<接着層(b)>
本発明のパウダー化粧用パフにおける接着層(b)は、ポリウレタンからなるものであり、ポリウレタンからなる接着剤により構成されるものである。ポリウレタンからなる接着剤は、どの様な形態であってもよいが、シート状または液状何れかの接着剤であることが好ましい。
シート状の接着剤としては、例えば、ポリウレタンからなる熱溶融フィルムまたは熱溶融繊維不織布等が挙げられる。ポリウレタンからなる熱溶融フィルムまたは熱溶融繊維不織布の形状は、特に限定されないが、中芯(a)と下記に説明する立毛織編層(c)と同じ大きさであることが、本発明のパウダー化粧用パフの洗濯性と長期耐久性が向上する点において好ましい。また、ポリウレタンからなる熱溶融フィルムまたは熱溶融繊維不織布の厚みは、接着強度に影響しない程度に薄い、例えば、0.05〜0.5mm程度であることが、本発明のパウダー化粧用パフの使用感が向上する点において好ましい。熱溶融フィルムは、パンチングフィルム、穿孔フィルム、メッシュフィルムなど穴あきフィルムであっても良い。また、熱溶融繊維不織布は、スパンボンド、メルトブロー、スパンレース、カーディングウェブ、ニードルパンチフェルトなどの形状があり、目付量は10〜100g/m2程度であるとよい。
液状の接着剤としては、例えば、ポリウレタンからなる熱溶融型水溶性エマルジョン接着剤等が挙げられる。この熱溶融型水溶性エマルジョン接着剤は、中芯(a)の両面に塗布し、温風乾燥して使用する。
上記接着剤として好適な熱溶融ポリウレタンは、その溶融温度が150℃以下のものが好ましく、140℃以下のものがより好ましく、130℃以下のものがさらに好ましい。溶融温度が150℃を超えると、ダイカット圧着部の強度を向上させることが難しい。一方、溶融温度の下限値は60℃以上であることが好ましい。溶融温度が60℃より低い温度である場合は、常温における粘着性が大きくなり加工性や取扱性が悪化する。
本発明のパウダー化粧用パフにおける接着層(b)は、ポリウレタンからなるものであり、ポリウレタンからなる接着剤により構成されるものである。ポリウレタンからなる接着剤は、どの様な形態であってもよいが、シート状または液状何れかの接着剤であることが好ましい。
シート状の接着剤としては、例えば、ポリウレタンからなる熱溶融フィルムまたは熱溶融繊維不織布等が挙げられる。ポリウレタンからなる熱溶融フィルムまたは熱溶融繊維不織布の形状は、特に限定されないが、中芯(a)と下記に説明する立毛織編層(c)と同じ大きさであることが、本発明のパウダー化粧用パフの洗濯性と長期耐久性が向上する点において好ましい。また、ポリウレタンからなる熱溶融フィルムまたは熱溶融繊維不織布の厚みは、接着強度に影響しない程度に薄い、例えば、0.05〜0.5mm程度であることが、本発明のパウダー化粧用パフの使用感が向上する点において好ましい。熱溶融フィルムは、パンチングフィルム、穿孔フィルム、メッシュフィルムなど穴あきフィルムであっても良い。また、熱溶融繊維不織布は、スパンボンド、メルトブロー、スパンレース、カーディングウェブ、ニードルパンチフェルトなどの形状があり、目付量は10〜100g/m2程度であるとよい。
液状の接着剤としては、例えば、ポリウレタンからなる熱溶融型水溶性エマルジョン接着剤等が挙げられる。この熱溶融型水溶性エマルジョン接着剤は、中芯(a)の両面に塗布し、温風乾燥して使用する。
上記接着剤として好適な熱溶融ポリウレタンは、その溶融温度が150℃以下のものが好ましく、140℃以下のものがより好ましく、130℃以下のものがさらに好ましい。溶融温度が150℃を超えると、ダイカット圧着部の強度を向上させることが難しい。一方、溶融温度の下限値は60℃以上であることが好ましい。溶融温度が60℃より低い温度である場合は、常温における粘着性が大きくなり加工性や取扱性が悪化する。
<立毛織編層(c)>
本発明のパウダー化粧用パフにおける立毛織編層(c)は、繊維長1.0mm以上のパイル(d)を有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなるものである。この立毛織編層(c)は、極細ポリエステル繊維または極細ナイロン繊維からなるものであることが、肌あたりが良いなど使用感を向上させる点において好ましい。その単繊維繊度は、0.1〜5.0デシテックスが好ましく、0.2〜1.0デシテックスがより好ましい。また、パイル(d)の繊維長は1.5mm以上であると、肌あたりが良いなど使用感を向上させるほか、化粧料の保持力を向上させる点においても好ましい。繊維長の上限値は、5mm以下がより好ましい。パイル(d)の繊維長が5mmを超えるとパイル(d)同士が絡まり、肌あたりが悪くなる場合があるほか、化粧料の保持力が低下する場合もある。さらに、目付量は200〜400g/m2の範囲であることが、パイル(d)の密度は2000〜20000本/cm2の範囲であることが好ましい。
本発明のパウダー化粧用パフは、この立毛織編層(c)のパイル(d)を有する面においてパウダー化粧料を保持し、そのパウダー化粧料を肌へ塗布する機能を発揮する。
本発明のパウダー化粧用パフにおける立毛織編層(c)は、繊維長1.0mm以上のパイル(d)を有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなるものである。この立毛織編層(c)は、極細ポリエステル繊維または極細ナイロン繊維からなるものであることが、肌あたりが良いなど使用感を向上させる点において好ましい。その単繊維繊度は、0.1〜5.0デシテックスが好ましく、0.2〜1.0デシテックスがより好ましい。また、パイル(d)の繊維長は1.5mm以上であると、肌あたりが良いなど使用感を向上させるほか、化粧料の保持力を向上させる点においても好ましい。繊維長の上限値は、5mm以下がより好ましい。パイル(d)の繊維長が5mmを超えるとパイル(d)同士が絡まり、肌あたりが悪くなる場合があるほか、化粧料の保持力が低下する場合もある。さらに、目付量は200〜400g/m2の範囲であることが、パイル(d)の密度は2000〜20000本/cm2の範囲であることが好ましい。
本発明のパウダー化粧用パフは、この立毛織編層(c)のパイル(d)を有する面においてパウダー化粧料を保持し、そのパウダー化粧料を肌へ塗布する機能を発揮する。
「本発明の製造方法」
本発明のパウダー化粧用パフは、工程(i)〜工程(iv)からなる製造方法により製造される。工程(i)〜工程(iv)について、詳しく説明する。
<工程(i)>
工程(i)は、ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなる中芯(a)の両面に、ポリウレタンからなる接着剤の層を設け、さらに前記接着剤からなる層の外側に、繊維長1.0mm以上のパイルを有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなる立毛織編物を配置して、五層の配置物を準備する工程である。
この工程(i)では、各層をたわみや隙間がないように配置することが好ましい。
この工程(i)において、パイルの繊維長が1.0mm以上3.0mm未満の立毛織編物を使用する場合は、シート状または液状何れの接着剤を使用してもよいが、シート状のポリウレタンからなる接着剤を使用した方が、接着層(b)の構築がより簡便であり、生産性向上の点において好ましい。また、パイルの繊維長が3.0mm以上の立毛織編物を使用する場合は、液状のポリウレタンからなる接着剤を使用した方が、接着層(b)を設ける際に押圧する必要がないため、パイルの倒伏を防ぐことができて好ましい。パイルの繊維長が3.0mmを超えると、押圧によるパイルの倒伏の回復に時間や手間がかかる場合があるので、液状の接着剤が好適である。
本発明のパウダー化粧用パフは、工程(i)〜工程(iv)からなる製造方法により製造される。工程(i)〜工程(iv)について、詳しく説明する。
<工程(i)>
工程(i)は、ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなる中芯(a)の両面に、ポリウレタンからなる接着剤の層を設け、さらに前記接着剤からなる層の外側に、繊維長1.0mm以上のパイルを有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなる立毛織編物を配置して、五層の配置物を準備する工程である。
この工程(i)では、各層をたわみや隙間がないように配置することが好ましい。
この工程(i)において、パイルの繊維長が1.0mm以上3.0mm未満の立毛織編物を使用する場合は、シート状または液状何れの接着剤を使用してもよいが、シート状のポリウレタンからなる接着剤を使用した方が、接着層(b)の構築がより簡便であり、生産性向上の点において好ましい。また、パイルの繊維長が3.0mm以上の立毛織編物を使用する場合は、液状のポリウレタンからなる接着剤を使用した方が、接着層(b)を設ける際に押圧する必要がないため、パイルの倒伏を防ぐことができて好ましい。パイルの繊維長が3.0mmを超えると、押圧によるパイルの倒伏の回復に時間や手間がかかる場合があるので、液状の接着剤が好適である。
<工程(ii)>
工程(ii)は、上記工程(i)により得られた五層の配置物を、ポリウレタンからなる接着剤により上記中芯(a)と上記立毛織編物とを接着させて、五層構造の積層体シートを得る工程である。
この工程(ii)は、接着剤としてシート状のもの、中でも、ポリウレタンからなる熱溶融フィルムまたは熱溶融繊維不織布を使用する場合は、加熱圧着機を用いて行うことが好ましく、その加熱温度は、使用する熱溶融ポリウレタンの溶融温度にもよるが、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。また、接着剤として液状のもの、中でも、ポリウレタンからなる熱溶融型水溶性エマルジョン接着剤を使用する場合は、概略80℃程度の温風により乾燥させて、押圧することなく接着させることが好ましい。
図1に、この工程(ii)により得られた五層構造の積層体シートの断面図を示す。図1に示すとおり、この工程(ii)により得られた積層体シートは、中芯(a)の両面に、接着層(b)を介してパイル(d)を有する立毛織編層(c)が積層された、五層構造を有するものである。
工程(ii)は、上記工程(i)により得られた五層の配置物を、ポリウレタンからなる接着剤により上記中芯(a)と上記立毛織編物とを接着させて、五層構造の積層体シートを得る工程である。
この工程(ii)は、接着剤としてシート状のもの、中でも、ポリウレタンからなる熱溶融フィルムまたは熱溶融繊維不織布を使用する場合は、加熱圧着機を用いて行うことが好ましく、その加熱温度は、使用する熱溶融ポリウレタンの溶融温度にもよるが、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。また、接着剤として液状のもの、中でも、ポリウレタンからなる熱溶融型水溶性エマルジョン接着剤を使用する場合は、概略80℃程度の温風により乾燥させて、押圧することなく接着させることが好ましい。
図1に、この工程(ii)により得られた五層構造の積層体シートの断面図を示す。図1に示すとおり、この工程(ii)により得られた積層体シートは、中芯(a)の両面に、接着層(b)を介してパイル(d)を有する立毛織編層(c)が積層された、五層構造を有するものである。
<工程(iii)>
工程(iii)は、上記工程(ii)により得られた五層構造の積層体シートを、上記立毛織編物の融点以下の温度の金属刃体で押圧し、その押圧周縁部を圧着して切断するダイカット工程である。
図2に、この工程(iii)によりダイカットされたものの断面図(A)と、形成されたダイカット圧着部の拡大断面図(B)を示す。この工程(iii)は、ダイカット抜型を使用して行う。このダイカット抜型は、打ち抜く枠体に、積層体シートを切断して打ち抜くための金属刃体を備えたものである。この金属刃体は、先端面と斜面とを有し、例えば120度程度の角度で傾斜したテーパー面になっており、また、先端面の幅が数mm、例えば0.6〜1.5mm程度の薄い平面になっている。さらに、この先端面は、外側が内側よりも少し高く設定された形状であると、ダイカット圧着部をより短くする点において好ましい。この金属刃体部分の形状と、当該部分の温度を上記立毛織編物の融点以下の温度とすることにより、積層体シートを圧着して切断(ダイカット)することができる。また、この金属刃体部分の温度は、上記立毛織編物の軟化点温度程度であり、かつ、上記接着剤の融点以上の温度であると、下記工程(iv)においてダイカット圧着部がほぐれやすく、周縁部に毛羽を設けやすくなり好ましい。一方、この金属刃体部分の温度が上記立毛織編物の融点温度より高くなると、下記工程(iv)においてダイカット圧着部がほぐれ難くなり、接合部により肌を傷つけるパウダー化粧用パフとなる懸念がある。圧着時は、5000Kg/個以上の圧力とすることが、高い接合強度を有するダイカット圧着部が得られる点において好ましい。工程(iii)により形成されるダイカット圧着部の幅の上限値は、1.0mm以下であることが好ましく、0.7mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。また、このダイカット圧着部の幅の下限値は、0.3mm程度とすることが、本発明のパウダー化粧用パフの肌あたりを良好なものとし、かつ、接合強度を維持できる点において好ましい。
工程(iii)は、上記工程(ii)により得られた五層構造の積層体シートを、上記立毛織編物の融点以下の温度の金属刃体で押圧し、その押圧周縁部を圧着して切断するダイカット工程である。
図2に、この工程(iii)によりダイカットされたものの断面図(A)と、形成されたダイカット圧着部の拡大断面図(B)を示す。この工程(iii)は、ダイカット抜型を使用して行う。このダイカット抜型は、打ち抜く枠体に、積層体シートを切断して打ち抜くための金属刃体を備えたものである。この金属刃体は、先端面と斜面とを有し、例えば120度程度の角度で傾斜したテーパー面になっており、また、先端面の幅が数mm、例えば0.6〜1.5mm程度の薄い平面になっている。さらに、この先端面は、外側が内側よりも少し高く設定された形状であると、ダイカット圧着部をより短くする点において好ましい。この金属刃体部分の形状と、当該部分の温度を上記立毛織編物の融点以下の温度とすることにより、積層体シートを圧着して切断(ダイカット)することができる。また、この金属刃体部分の温度は、上記立毛織編物の軟化点温度程度であり、かつ、上記接着剤の融点以上の温度であると、下記工程(iv)においてダイカット圧着部がほぐれやすく、周縁部に毛羽を設けやすくなり好ましい。一方、この金属刃体部分の温度が上記立毛織編物の融点温度より高くなると、下記工程(iv)においてダイカット圧着部がほぐれ難くなり、接合部により肌を傷つけるパウダー化粧用パフとなる懸念がある。圧着時は、5000Kg/個以上の圧力とすることが、高い接合強度を有するダイカット圧着部が得られる点において好ましい。工程(iii)により形成されるダイカット圧着部の幅の上限値は、1.0mm以下であることが好ましく、0.7mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。また、このダイカット圧着部の幅の下限値は、0.3mm程度とすることが、本発明のパウダー化粧用パフの肌あたりを良好なものとし、かつ、接合強度を維持できる点において好ましい。
<工程(iv)>
工程(iv)は、上記工程(iii)により形成されたダイカット圧着部をほぐして、倒伏したパイルを起毛させ、さらに立毛織編物の織編物部分をほぐして、毛羽を発生させるガラ掛け工程である。
ここで、本発明におけるガラ掛けとは、上記工程(iii)後のダイカット圧着部を有するパフ100〜500個以上を、排気可能な穴あきドラム(約200リットル)に入れて回転させ、排気して余剰パイルを除去する構造としてパフ同士を強制的に接触・衝突させることを意味する。このガラ掛けにおけるパフ同士の接触・衝突により、圧縮により固まった状態のダイカット圧着部が柔らかくなり、立毛織編物のパイルが起毛し、立毛織編物の織編物部分がほぐれるなど、ダイカット圧着部に毛羽を発生させることが可能となる。
工程(iii)により形成されたダイカット圧着部の表面は、立毛織編物のパイルが倒伏し扁平な状態となっているが、ガラ掛けにより倒伏したパイルが起毛し、ダイカット圧着部が毛羽により被覆された状態へと変化する。特に、上記工程(iii)における圧着・切断(ダイカット)温度を、パイルを有する織編層素材の軟化温度程度とすることが、倒伏パイルを起毛させる効果を向上させる点において好ましい。
工程(iv)は、上記工程(iii)により形成されたダイカット圧着部をほぐして、倒伏したパイルを起毛させ、さらに立毛織編物の織編物部分をほぐして、毛羽を発生させるガラ掛け工程である。
ここで、本発明におけるガラ掛けとは、上記工程(iii)後のダイカット圧着部を有するパフ100〜500個以上を、排気可能な穴あきドラム(約200リットル)に入れて回転させ、排気して余剰パイルを除去する構造としてパフ同士を強制的に接触・衝突させることを意味する。このガラ掛けにおけるパフ同士の接触・衝突により、圧縮により固まった状態のダイカット圧着部が柔らかくなり、立毛織編物のパイルが起毛し、立毛織編物の織編物部分がほぐれるなど、ダイカット圧着部に毛羽を発生させることが可能となる。
工程(iii)により形成されたダイカット圧着部の表面は、立毛織編物のパイルが倒伏し扁平な状態となっているが、ガラ掛けにより倒伏したパイルが起毛し、ダイカット圧着部が毛羽により被覆された状態へと変化する。特に、上記工程(iii)における圧着・切断(ダイカット)温度を、パイルを有する織編層素材の軟化温度程度とすることが、倒伏パイルを起毛させる効果を向上させる点において好ましい。
<本発明のパウダー化粧用パフ>
図3に、本発明のパウダー化粧用パフの断面図(A)と、毛羽を備えるダイカット圧着部の拡大断面図(B)を、図4に、本発明のパウダー化粧用パフの毛羽を備えるダイカット圧着部の断面写真図を示す。
本発明のパウダー化粧用パフは、図3(B)と図4に示すとおり、周縁部に毛羽を備えるダイカット圧着部を有することを特徴とするものである。本発明のパウダー化粧用パフは、融着した部分が外側に露出することが全くなく、ダイカット圧着部全体が毛羽により被覆された状態となるため、パウダー化粧料を塗布する立毛織編層(c)と同等のソフトな感触を肌に与えるものであり、柔らかな肌の人にも違和感を与えることはなく、使用に適している。
本発明のパウダー化粧用パフは、化粧料塗布時に肌とパフとの密着性を高めるために、指を挿入できる帯状の付属物や、指で摘める突起物など、利便性を高める付属物を有してもよい。
本発明のパウダー化粧用パフは、パウダー化粧料、例えば、パウダーファンデーション、おしろい等のパウダー化粧料、プレスファンデーション等のプレス化粧料を肌に塗布する化粧料塗布具として好適である。
図3に、本発明のパウダー化粧用パフの断面図(A)と、毛羽を備えるダイカット圧着部の拡大断面図(B)を、図4に、本発明のパウダー化粧用パフの毛羽を備えるダイカット圧着部の断面写真図を示す。
本発明のパウダー化粧用パフは、図3(B)と図4に示すとおり、周縁部に毛羽を備えるダイカット圧着部を有することを特徴とするものである。本発明のパウダー化粧用パフは、融着した部分が外側に露出することが全くなく、ダイカット圧着部全体が毛羽により被覆された状態となるため、パウダー化粧料を塗布する立毛織編層(c)と同等のソフトな感触を肌に与えるものであり、柔らかな肌の人にも違和感を与えることはなく、使用に適している。
本発明のパウダー化粧用パフは、化粧料塗布時に肌とパフとの密着性を高めるために、指を挿入できる帯状の付属物や、指で摘める突起物など、利便性を高める付属物を有してもよい。
本発明のパウダー化粧用パフは、パウダー化粧料、例えば、パウダーファンデーション、おしろい等のパウダー化粧料、プレスファンデーション等のプレス化粧料を肌に塗布する化粧料塗布具として好適である。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の技術範囲はこれらにより限定されるものではない。
<実施例1:本発明のパウダー化粧用パフの製造例1>
「工程(i)」
中芯(a)であるポリエステル綿不織布(アライ社製、厚さ:10mm)の両面に、ポリウレタン系ホットメルトフィルム(日本マタイ社製、UH−203、厚さ:50μ)を配置して、さらにその外側に繊維長2mmのパイルを有するポリエステル繊維立毛織編物(紀昌針紡績品有限公司製、FDY75dTex/144F、300g±10g/m2)を配置して、五層の配置物を準備した。
「工程(ii)」
上記工程(i)で得られた五層の配置物を、あらかじめ130℃に加温した加熱圧着機でラミネートして、五層構造の積層体シートを得た。
「工程(iii)」
ダイカット抜型(金属刃体温度130℃、リボン縫製部付き)の上に、上記工程(ii)で得られた五層構造の積層体シートを載置して、押圧(5000Kg以上/個)して、その押圧周縁部を圧着して切断(ダイカット)した。
「工程(iv)」
上記工程(iv)で得られたもの約500個を、200リットルのドラムに入れ、5分間回転させることにより、ダイカット圧着部をほぐして、本発明のパウダー化粧用パフを得た。
「工程(i)」
中芯(a)であるポリエステル綿不織布(アライ社製、厚さ:10mm)の両面に、ポリウレタン系ホットメルトフィルム(日本マタイ社製、UH−203、厚さ:50μ)を配置して、さらにその外側に繊維長2mmのパイルを有するポリエステル繊維立毛織編物(紀昌針紡績品有限公司製、FDY75dTex/144F、300g±10g/m2)を配置して、五層の配置物を準備した。
「工程(ii)」
上記工程(i)で得られた五層の配置物を、あらかじめ130℃に加温した加熱圧着機でラミネートして、五層構造の積層体シートを得た。
「工程(iii)」
ダイカット抜型(金属刃体温度130℃、リボン縫製部付き)の上に、上記工程(ii)で得られた五層構造の積層体シートを載置して、押圧(5000Kg以上/個)して、その押圧周縁部を圧着して切断(ダイカット)した。
「工程(iv)」
上記工程(iv)で得られたもの約500個を、200リットルのドラムに入れ、5分間回転させることにより、ダイカット圧着部をほぐして、本発明のパウダー化粧用パフを得た。
得られた本発明のパウダー化粧用パフは、洗濯機で洗浄しても剥離することがなく、同じ形状の縫製パフと同等の耐久性を有することが確認された。また、得られた本発明のパウダー化粧用パフは、従来公知の縫製パフと同様に、肌あたりが良好で使用感に優れること、特に、接合部の肌あたりも良好であることが確認された。
<実施例2:本発明のパウダー化粧用パフの製造例2>
「工程(i)」
中芯(a)であるポリウレタン発泡体(イノアック社製、厚さ:5mm)の両面に、ポリウレタン系ホットメルトフィルム(日本マタイ社製、UH−203、厚さ:50μ)を配置して、さらにその両面に繊維長2mmのパイルを有するポリエステル繊維立毛織編物(紀昌針紡績品有限公司製、FDY75dTex/144F、300g±10g/m2)を配置して、五層の配置物を準備した。
「工程(ii)」
上記工程(i)で得られた五層の配置物を、あらかじめ130℃に加温した加熱圧着機でラミネートして、五層構造の積層体シートを得た。
「工程(iii)」
ダイカット抜型(金属刃体温度130℃、リボン縫製部付き)の上に、上記工程(ii)で得られた五層構造の積層体シートを載置して、押圧(5000Kg以上/個)して、その押圧周縁部を圧着して切断(ダイカット)した。
「工程(iv)」
上記工程(iv)で得られたもの約500個を、200リットルのドラムに入れ、5分間回転させることにより、ダイカット圧着部をほぐして、本発明のパウダー化粧用パフを得た。
「工程(i)」
中芯(a)であるポリウレタン発泡体(イノアック社製、厚さ:5mm)の両面に、ポリウレタン系ホットメルトフィルム(日本マタイ社製、UH−203、厚さ:50μ)を配置して、さらにその両面に繊維長2mmのパイルを有するポリエステル繊維立毛織編物(紀昌針紡績品有限公司製、FDY75dTex/144F、300g±10g/m2)を配置して、五層の配置物を準備した。
「工程(ii)」
上記工程(i)で得られた五層の配置物を、あらかじめ130℃に加温した加熱圧着機でラミネートして、五層構造の積層体シートを得た。
「工程(iii)」
ダイカット抜型(金属刃体温度130℃、リボン縫製部付き)の上に、上記工程(ii)で得られた五層構造の積層体シートを載置して、押圧(5000Kg以上/個)して、その押圧周縁部を圧着して切断(ダイカット)した。
「工程(iv)」
上記工程(iv)で得られたもの約500個を、200リットルのドラムに入れ、5分間回転させることにより、ダイカット圧着部をほぐして、本発明のパウダー化粧用パフを得た。
得られた本発明のパウダー化粧用パフは、洗濯機で洗浄しても剥離することがなく、同じ形状の縫製パフと同等の耐久性を有することが確認された。また、得られた本発明のパウダー化粧用パフは、従来公知の縫製パフと同様に、肌あたりが良好で使用感に優れること、特に、接合部の肌あたりも良好であることが確認された。
<比較例1:パウダー化粧用パフの製造例>
上記実施例1の「工程(iii)」におけるダイカットを、超音波加熱を利用して行う、すなわち、ポリエステル繊維立毛織編物の融点以上の温度で圧着して切断する以外は、同じ手順によりパウダー化粧用パフを製造した。
上記実施例1の「工程(iii)」におけるダイカットを、超音波加熱を利用して行う、すなわち、ポリエステル繊維立毛織編物の融点以上の温度で圧着して切断する以外は、同じ手順によりパウダー化粧用パフを製造した。
得られた比較例1のパウダー化粧用パフは、ダイカット圧着部が工程(iv)においてほぐれず、硬い状態であった。そのため、比較例1のパウダー化粧用パフの接合部は、肌あたりが非常に悪く、肌を傷つけることが懸念されるものであった。
この結果より、ダイカットする金属刃体温度は、立毛織編物の融点以下の温度であることが、周縁部に毛羽を備えるパウダー化粧用パフとする上で、重要なポイントであることが明らかとなった。
この結果より、ダイカットする金属刃体温度は、立毛織編物の融点以下の温度であることが、周縁部に毛羽を備えるパウダー化粧用パフとする上で、重要なポイントであることが明らかとなった。
本発明のパウダー化粧用パフは、接合部であるダイカット圧着部が毛羽を備えることから、肌に異物感を与えることなく、優れた使用感を得ることができる。また、接合部に毛羽を有するため、化粧用パフ側面もパウダー化粧料を十分に保持することができ、顔面の凹凸が大きい部分でもきめ細かな作業により化粧料の塗り斑を生じることがないため、化粧料塗布具として非常に有用である。
さらに、本発明は、従来の縫製による化粧用パフと同じ素材を使用して、同じ形状の化粧用パフを、簡便かつ大量に製造することができ、生産性において極めて優れている。
さらに、本発明は、従来の縫製による化粧用パフと同じ素材を使用して、同じ形状の化粧用パフを、簡便かつ大量に製造することができ、生産性において極めて優れている。
(a):中芯
(b):接着層
(c):立毛織編層
(d):パイル
(b):接着層
(c):立毛織編層
(d):パイル
Claims (2)
- ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなる中芯(a)の両面に、ポリウレタンからなる接着層(b)を介して、繊維長1.0mm以上のパイル(d)を有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなる立毛織編層(c)が積層され、
周縁部に毛羽を備えるダイカット圧着部を有することを特徴とする、パウダー化粧用パフ。 - 下記工程(i)〜工程(iv)からなる、請求項1に記載のパウダー化粧用パフの製造方法。
工程(i):ポリエステル繊維またはポリウレタン発泡体からなる中芯(a)の両面に、ポリウレタンからなる接着剤の層を設け、さらに前記接着剤からなる層の外側に、繊維長1.0mm以上のパイル(d)を有する、ポリエステル繊維またはナイロン繊維からなる立毛織編物を配置して、五層の配置物を準備する工程。
工程(ii):上記五層の配置物を、ポリウレタンからなる接着剤により上記中芯(a)と上記立毛織編物とを接着させて、五層構造の積層体シートを得る工程。
工程(iii):上記五層構造の積層体シートを、上記立毛織編物の融点以下の温度の金属刃体で押圧し、その押圧周縁部を圧着して切断するダイカット工程。
工程(iv):上記工程(iii)により形成されたダイカット圧着部をほぐして、毛羽を発生させるガラ掛け工程。
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JPH0451908A (ja) * | 1990-06-15 | 1992-02-20 | Nippon Pafu Seizo Kk | 化粧用パフおよびその製造方法 |
JP2006288468A (ja) * | 2005-04-06 | 2006-10-26 | Kenji Nakamura | 化粧用パフ |
-
2019
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