JPH06136654A - 積層不織布及びその製造方法 - Google Patents

積層不織布及びその製造方法

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JPH06136654A
JPH06136654A JP4309379A JP30937992A JPH06136654A JP H06136654 A JPH06136654 A JP H06136654A JP 4309379 A JP4309379 A JP 4309379A JP 30937992 A JP30937992 A JP 30937992A JP H06136654 A JPH06136654 A JP H06136654A
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fibers
woven fabric
short
nonwoven fabric
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JP4309379A
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Masaru Kadota
優 門田
Yosuke Kudo
洋輔 工藤
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 見かけ密度が低く、感触の柔らかい積層不織
布及びその製造方法を提供する。 【構成】 この積層不織布は、短繊維不織布層1と長繊
維不織布層2とが積層接合されてなる。層1は、繊度1
〜5デニールの短繊維が集積されてなり、目付が5〜50g
/m2である。層2は、繊度1〜5デニールの長繊維が集
積されてなり、目付5〜50g/m2である。層2には、間
隔を置いて配置された融着区域3が存在する。区域3
は、長繊維相互間が融着することによって形成されてい
る。区域3の厚みは、その他の区域の厚みよりも薄くな
っている。区域3外の区域は、長繊維相互間が融着され
ていない非融着区域4となっている。非融着区域4に存
在する長繊維は、自由に運動しうるので、層1に存在す
る短繊維と交絡しており、この交絡によって層1及び2
が接合しているのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、見かけ密度が低く、感
触の良好な積層不織布及びその製造方法に関し、特に使
い捨ておむつや生理用ナプキン等の衛生材料の表面材、
手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等として好適に使
用しうる積層不織布及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、使い捨ておむつや生理用ナプ
キン等の衛生材料の表面材として、長繊維不織布又は短
繊維不織布が用いられている。長繊維不織布としては、
一般的にスパンボンド不織布と言われるものが用いられ
ている。スパンボンド不織布は、長繊維が集積され、且
つその長繊維相互間がなんらかの手段で結合されてなる
ものである。このスパンボンド不織布を衛生材料の表面
材として使用した場合、手触り等による感触が悪くて、
肌触りが悪いという欠点があった。スパンボンド不織布
の感触が悪い理由は、構成繊維である長繊維に捲縮が発
現しておらず、見かけ密度が高くて含有空気量が少ない
ためである。従って、この長繊維に捲縮を発現させれ
ば、感触の良好なスパンボンド不織布が得られると考え
られるが、長繊維に捲縮を発現させると、以下の理由に
よって、均質なスパンボンド不織布が得られないという
ことがあった。即ち、長繊維に捲縮を発現させた後、そ
れを開繊させようとしても、長繊維相互間が絡み合って
均一に開繊しにくく、得られるスパンボンド不織布の地
合いが悪く、均質性が低下するという欠点を惹起する。
また、長繊維として潜在捲縮性繊維を使用し、長繊維を
開繊して集積した後に、捲縮を発現させた場合において
も、捲縮発現によって長繊維がその長手方向に移動し
て、長繊維量の多い部分と少ない部分とが生じ、得られ
るスパンボンド不織布の均質性が低下することになるの
である。
【0003】一方、短繊維不織布は、繊維長が30〜70mm
程度の捲縮発現した短繊維を、ローラーカードやランダ
ムウェッバー等の紡績用開繊機を使用し、開繊して得ら
れるものであるため、捲縮した繊維を構成繊維としなが
ら、均質性に優れた不織布とすることができる。ここ
で、短繊維が捲縮している理由は、ローラーカード等に
植え付けられた針で短繊維を梳るようにして開繊するた
め、短繊維は針にひっかかりやすくなっている必要があ
るからである。従って、このようにして得られる短繊維
不織布は、手触り等の感触に優れており、衛生材料の表
面材として肌触りの良好なものである。しかしながら、
短繊維不織布は、繊維長の短い短繊維の集合体であるた
め、長繊維不織布に比べて引張強度が低く、衛生材料の
表面材として使用した場合、破れやすいという欠点があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、長繊維
不織布にも短繊維不織布にも一長一短があり、引張強度
が高く且つ肌触りの良好な衛生材料の表面材を得ること
は困難であった。このため、本発明者等は、長繊維不織
布と短繊維不織布を積層した不織布を採用すれば、高引
張強度で肌触りの良い衛生材料の表面材を得ることがで
きると考えた。しかしながら、両不織布を積層した積層
不織布は、引張強度についてはほぼ満足のゆくものであ
ったが、肌触りが満足のゆくほど良好とはならなかっ
た。この原因は、長繊維不織布の見かけ密度の高さが積
層不織布にも影響し、積層不織布の見かけ密度が十分に
低下しないからである。また、積層の仕方によっては、
さらに肌触りが悪くなるようなこともあった。例えば、
両不織布を接着剤を用いて積層接合したような場合に
は、この接着剤の硬さの影響で、さらに肌触りが悪くな
るということがあったのである。
【0005】そこで、本発明は、ある特定の長繊維不織
布と短繊維不織布とを特定の方法で積層接合することに
より、長繊維不織布の見かけ密度の高さに拘らず、積層
不織布の見かけ密度を十分に低下させ、引張強度が高く
且つ肌触りの良好な積層不織布を提供しようとするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、繊度1
〜5デニールの短繊維が集積されてなる目付5〜50g/m
2の短繊維不織布層と、繊度1〜5デニールの長繊維が集
積されてなる目付5〜50g/m2の長繊維不織布層とが積
層されてなる積層不織布であって、該長繊維不織布層は
間隔を置いて配置された融着区域を持ち、且つ、該融着
区域においては、長繊維相互間が融着されると共に該長
繊維不織布層の厚みが減少しており、一方該融着区域外
の非融着区域においては長繊維相互間が融着されておら
ず、該非融着区域に存在する長繊維は、該短繊維不織布
中の短繊維と交絡していることを特徴とする積層不織布
及びその製造方法に関するものである。
【0007】本発明に係る積層不織布は、短繊維不織布
層1と長繊維不織布層2とを具備するものである。短繊
維不織布層1は、短繊維が集積されてなるもので、従来
公知の方法で得られる短繊維不織布を使用して、この層
1とすることができる。使用される短繊維の繊度は、1
〜5デニールである。短繊維の繊度が1デニール未満であ
ると、短繊維をローラーカード等で梳る際、短繊維間に
ローラーカード等の針が通りにくくなって、開繊性が悪
くなり、いわゆるネップが存在する不均質な短繊維不織
布しか得られないので好ましくない。逆に、短繊維の繊
度が5デニールを超えると、短繊維の剛性が高くなっ
て、柔軟性に富む短繊維不織布が得られにくくなり、積
層不織布を衛生材料の表面材として使用しにくくなるの
で好ましくない。また、この短繊維不織布層1の目付は
5〜50g/m2である。短繊維不織布層1の目付が5g/
2未満になると、短繊維不織布の厚みが薄くなりすぎ
て、長繊維不織布と積層する際等において、取り扱いに
くくなるので好ましくない。逆に、短繊維不織布層1の
目付が50g/m2を超えると、短繊維不織布自体の剛性
が高くなって、柔軟性が低下し、積層不織布を衛生材料
の表面材として使用しにくくなるので好ましくない。
【0008】短繊維不織布層1を構成している短繊維と
しては、従来公知のポリオレフィン系短繊維,ポリエス
テル系短繊維,ポリアミド系短繊維等を使用することが
できる。また、この短繊維には、ローラーカード等で開
繊するのに必要な程度の捲縮が付与されている。更に、
この短繊維の断面は、円形であっても異型であってもよ
く、また一成分よりなる非複合型であってもよいし、低
融点成分と高融点成分とよりなる複合型であってもよ
い。特に、複合型短繊維を使用した場合には、低融点成
分によって短繊維相互間を熱融着して、短繊維不織布を
製造することができる。短繊維不織布は、上記した種々
の短繊維を単独で又は混合して、従来公知の方法で製造
することができる。本発明において、特に好ましい短繊
維不織布としては、熱融着性複合型短繊維を短繊維不織
布中に5重量%以上含有し、且つこの熱融着性複合型短
繊維の低融点成分によって短繊維相互間が結合されたも
のである。また、主たる構成短繊維に、この構成短繊維
よりも低融点の熱融着性短繊維を5重量%以上混合し
て、この熱融着性短繊維によって主たる構成短繊維を結
合した短繊維不織布を使用するのも好ましい。このよう
に、熱融着性複合型短繊維や熱融着性短繊維の如く繊維
状のもので繊維相互間を結合させると、繊維の接触点の
みで結合し、面状の結合ではないため、得られる短繊維
不織布の風合いが良好となり、また柔軟性にも富むから
である。
【0009】以上の如き短繊維不織布は、例えば、以下
のようにして製造される。即ち、熱融着性複合型短繊維
と、この複合型短繊維の低融点成分が軟化又は溶融する
温度では実質的に影響を受けない短繊維とを混綿し、こ
れをローラーカードに供給して開繊し、シート状の繊維
ウェブを得る。この繊維ウェブを加熱気体流の中に導入
し、複合型短繊維の低融点成分を軟化又は溶融させて、
この低融点成分によって短繊維相互間を結合して短繊維
不織布を得るのである。
【0010】一方、長繊維不織布層2は、長繊維が集積
されてなるもので、後述する如く、特定の構成を持つも
のである。長繊維の繊度は、1〜5デニールである。ま
た、長繊維不織布層2の目付は、5〜50g/m2である。
長繊維の繊度及び長繊維不織布層2の目付をこの範囲と
したのは、短繊維及び短繊維不織布層1の場合と同様の
理由である。また、長繊維の種類としては、従来公知の
ものを使用することができ、例えばポリオレフィン系長
繊維,ポリエステル系長繊維,ポリアミド系長繊維等を
使用することができる。更に、この長繊維の断面は、短
繊維の場合と同様に、円形であっても異型であってもよ
く、また一成分よりなる非複合型であってもよいし、低
融点成分と高融点成分とよりなる複合型であってもよ
い。
【0011】本発明で使用する長繊維不織布層2の特徴
は、間隔を置いて配置された融着区域3とこの融着区域
3外の区域である非融着区域4とを持つことである。こ
の融着区域3は、長繊維不織布層2を構成する長繊維相
互間が融着されて形成されるものである。即ち、長繊維
が熱可塑性である場合には、加熱及び加圧を施して、該
当箇所に存在する長繊維を溶融して相互に融着させて形
成させるのである。また、長繊維が溶剤溶解性である場
合には、該当箇所に存在する長繊維に溶剤を付与し、長
繊維を溶解させて加圧することによって、長繊維相互間
を融着させて形成することができる。更に、この融着区
域3の厚みは、その他の区域の厚みよりも減少して、薄
くなっていることが必要である。融着区域3は、一般的
に加圧して形成されるものであるため、その区域の厚み
は非常に薄くなっている。この厚みが減少している融着
区域3の存在が、本発明においては重要であって、短繊
維不織布層1と積層した際、この融着区域3と短繊維不
織布層1との間に多量の空気が保持され、積層不織布の
見かけ密度が低下する要因となるのである。また、この
融着区域3によって、長繊維相互間が結合固定され、長
繊維不織布に高引張強度を与えるのである。
【0012】融着区域3は、間隔を置いて形成されてお
り、融着区域3外の区域は非融着区域4となっている。
非融着区域4においては、長繊維相互間が融着されてお
らず、長繊維は結合固定されていないのである。従っ
て、非融着区域4に存在する長繊維は、自由な状態即ち
動きやすい状態で存在する。本発明において、非融着区
域4に存在する長繊維が自由な状態であることは、短繊
維不織布との積層接合する際に重要なことである。即
ち、この自由な長繊維を、短繊維不織布中の短繊維と交
絡させ、これによって長繊維不織布と短繊維不織布とを
積層接合させるからである。一個一個の融着区域3の面
積は、任意に決定しうる事項であり、また長繊維不織布
層2に対する融着区域3の総面積も、任意に決定しうる
事項である。本発明においては、一個一個の融着区域3
の面積が小さく、且つ融着区域3の総面積が長繊維不織
布層2に対して3〜10面積%程度であるのが好ましい。
【0013】以上の如き構成を持つ長繊維不織布は、例
えば、以下のようにして製造されるものである。即ち、
従来公知の溶融紡糸法によって長繊維を製造した後、こ
の長繊維を帯電法等を用いて開繊し、捕集コンベア上に
集積させてシート状の長繊維フリースを得る。そして、
加熱された凹凸ロールと平滑ロールとの間に、この長繊
維フリースを導入し、凹凸ロールの凸部が当接した箇所
において、長繊維を溶融又は軟化させ、長繊維相互間を
融着させて融着区域3を形成するのである。また、凹部
に対応する箇所においては、長繊維が溶融又は軟化せず
に、長繊維相互間は融着されず、非融着区域4となるの
である。
【0014】本発明に係る積層不織布は、上記した短繊
維不織布層1と長繊維不織布層2とが積層されてなるも
のである。そして、短繊維不織布層1と長繊維不織布層
2との接合は、長繊維不織布層2中の非融着区域4に存
在する自由な長繊維が、短繊維不織布層1中の短繊維と
交絡することによって達成されるのである。この交絡
は、短繊維不織布と長繊維不織布とを積層した後、高圧
水流を施すことによって、長繊維不織布中の自由な長繊
維が運動し、この長繊維が短繊維不織布中に侵入すると
共に短繊維と交絡するのである。
【0015】
【実施例】
実施例 繊度2デニールの高融点ポリプロピレン短繊維85重量%
と、繊度2デニールの低融点ポリプロピレン短繊維15重
量%とを混綿した後、これをローラーカードに供給して
開繊し、目付8g/m2の繊維ウェブを形成した。この繊
維ウェブを、130℃に加熱した回転ドラム式熱風乾燥機
に導入し、低融点ポリプロピレン短繊維のみを溶融さ
せ、短繊維相互間を結合させて短繊維不織布を得た。
【0016】一方、メルトフローレート40のポリプロピ
レン樹脂を、温度230℃に加熱して溶融し、溶融紡糸装
置に導入して、長繊維群を紡糸した。その後、直ちに長
繊維の繊度が2デニールとなるように延伸した。そし
て、この長繊維群を帯電法で開繊して、捕集コンベア上
に集積して、長繊維フリースを得た。この長繊維フリー
スを、多数の点状の凸部を持つ加熱された凹凸ロールと
平滑ロールの間に導入して長繊維不織布を得た。この長
繊維不織布は、多数の融着区域を持ち、且つ融着区域外
の区域は非融着区域よりなるものであり、融着区域の総
面積は、長繊維不織布面積に対して5面積%であった。
また、この長繊維不織布の目付は、18g/m2であっ
た。なお、凹凸ロールに設けられている凸部の先端は丸
型で、直径が0.6mmであり、凹凸ロールの温度は130℃で
あった。更に、凹凸ロールと平滑ロール間の線圧は、50
kg/cmであった。
【0017】以上のようにして得られた短繊維不織布と
長繊維不織布とを積層して、高圧水流処理を行なった。
高圧水流は、ノズル径0.15mmφ,ノズルピッチ1.0mm,
水圧50kg/cm2の条件で噴出させた。この高圧水流処理
によって、長繊維不織布中の非融着区域に存在する長繊
維が運動し、短繊維不織布中の短繊維と交絡して、短繊
維不織布と長繊維不織布とが積層接合された。その後、
不織布中の水を乾燥させるため、温度120℃の熱風が充
満している乾燥機に導入し、積層不織布を得た。この積
層不織布の厚み等を測定し、その結果を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】なお、表1中の厚み等の項目の測定方法
は、以下のとおりである。 [引張強度]:東洋精密工業株式会社製のテンシロン万
能引張試験機PTM-100を用いて、試料長80mmで試料幅100
mmの試料片を、引張速度300mm/minで引張試験を行な
い、破断点強度を3倍して、試料幅300mm当たりの引張強
度(kg/30cm)で示した。 [厚み]:カトーテック株式会社製の圧縮試験機KES-FB
3を用いて、試料面積2cm2で、0.5g/cm2の荷重を与え
て、そのときの厚みを測定した。 [見かけ密度]:上記で測定した厚みをDmmとし、この
厚みの試料の目付をMg/m2としたとき、M/(D×1
000)なる式で算出されるものである。見かけ密度の単
位は、g/cm3である。 [柔らかさ]:モニター20人による触感テストで柔らか
さを判定した。テストの方法は、試料を手指で把持して
もらい、柔らかいと感じるか否かを判定し、柔らかいと
判定された試料に1点/人づつ加点していった。 [表面強度]:摩擦堅牢度試験機を用いて、試験荷重50
0g,摩擦回数20往復/40秒の摩擦試験を試料に与え、
表2に示す評価基準により、目視評価にて表面強度を判
定した。なお、試料の大きさは30mm幅×250mm長とし、
また試料が積層不織布の場合は、短繊維不織布層面を摩
擦面とし、試料が長繊維不織布である場合には、凹凸ロ
ールに当接した面を摩擦面とした。
【0020】比較例1 実施例と同様の方法で長繊維不織布を得た。この長繊維
不織布は、目付が26g/m2である以外は、実施例の長
繊維不織布と同様のものである。この長繊維不織布の厚
み等を測定し、その結果を表1に示した。
【0021】比較例2 実施例と同様の方法で短繊維不織布を得た。この短繊維
不織布は、目付が26g/m2である以外は、実施例の短
繊維不織布と同様のものである。この短繊維不織布の厚
み等を測定し、その結果を表1に示した。
【0022】表1の結果より明らかなとおり、実施例に
係る積層不織布は、比較例1に係る長繊維不織布に比べ
て、引張強度は同等であり、また同目付でありながら、
厚みが厚く、見かけ密度が小さく、柔らかさに優れ、更
に表面強度に優れている。また、比較例2に係る短繊維
不織布に比べて、柔らかさ及び表面強度は同等でありな
がら、引張強度が高く、厚みが厚く、更に見かけ密度も
低いものである。従って、実施例に係る積層不織布は、
引張強度に優れると共に、厚みが厚くて見かけ密度の低
い結果、手触りに優れている。即ち、従来の不織布では
両立させるのが困難であった、高引張強度と手触りの良
さを持つものであり、衛生材料の表面材として好適に使
用しうるものである。
【0023】
【作用】本発明に係る積層不織布は、短繊維不織布層と
長繊維不織布層とが積層されてなるものであり、そし
て、長繊維不織布層には厚みの薄くなった融着区域が設
けられている。従って、融着区域と短繊維不織布層面と
の間に、空気が含有されてなる小室が形成されることに
なる。従って、積層不織布には、このような小室が層間
に形成されるため、全体としての見かけ密度が低下する
ことになる。また、長繊維不織布層の非融着区域に存在
する、自由な長繊維は厚み方向に運動して、短繊維不織
布中の短繊維と交絡する。即ち、長繊維がある程度厚み
方向に再配列することによって、積層不織布の厚みが若
干厚くなるのである。以上の見かけ密度の低下及び厚み
の増加の相乗作用によって、見かけ密度の低下率をより
大きくすることができるのである。更に、短繊維不織布
層と長繊維不織布層とは、接着剤によって積層接合され
ておらず、長繊維と短繊維間の交絡によって積層接合さ
れている。従って、接着剤による柔軟性の低下を防止し
うる。
【0024】
【発明の効果】以上の見かけ密度の十分な低下によっ
て、及び柔軟性の低下の防止によって、本発明に係る積
層不織布は、手触りが良好で、衛生材料の表面材として
使用した場合、肌触りに優れるという効果を奏するもの
である。また、本発明に係る積層不織布は、高引張強度
の長繊維不織布層が存在するため、短繊維不織布層の引
張強度が弱くとも、長繊維不織布層が補強材としての役
割を果たし、衛生材料の表面材として使用した場合であ
っても、破れにくいという効果を奏するものである。ま
た、本発明に係る積層不織布の製造方法は、短繊維相互
間が熱融着性短繊維等によって結合された短繊維不織布
と、融着区域によって長繊維相互間が結合された長繊維
不織布とを用いるものであるため、各々の不織布は形態
が十分に固定されており、製造工程中に不織布の形態が
崩れにくく、積層不織布を製造しやすいという効果を奏
する。なお、以上主として、本発明に係る積層不織布が
衛生材料の表面材として使用される場合について説明し
たが、本発明で係る積層不織布は、前述したように、手
術用着衣や掛け布等としても好適に使用しうるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層不織布の断面の一例を示した
ものである。
【符号の説明】
1 短繊維不織布層 2 長繊維不織布層 3 融着区域 4 非融着区域
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度1〜5デニールの短繊維が集積されて
    なる目付5〜50g/m2の短繊維不織布層と、繊度1〜5デ
    ニールの長繊維が集積されてなる目付5〜50g/m2の長
    繊維不織布層とが積層されてなる積層不織布であって、
    該長繊維不織布層は間隔を置いて配置された融着区域を
    持ち、且つ、該融着区域においては、長繊維相互間が融
    着されると共に該長繊維不織布層の厚みが減少してお
    り、一方該融着区域外の非融着区域においては長繊維相
    互間が融着されておらず、該非融着区域に存在する長繊
    維は、該短繊維不織布層中の短繊維と交絡していること
    を特徴とする積層不織布。
  2. 【請求項2】 繊度1〜5デニールの短繊維が集積されて
    なる目付5〜50g/m2の短繊維不織布と、繊度1〜5デニ
    ールの長繊維が集積されてなる目付5〜50g/m2の長繊
    維不織布であって、融着区域が間隔を置いて配置され、
    且つ、該融着区域においては、長繊維相互間が融着され
    ると共に該長繊維不織布の厚みが減少しており、一方該
    融着区域外の非融着区域においては長繊維相互間が融着
    されていない長繊維不織布とを積層した積層体に、高圧
    水流を施すことにより、該非融着区域に存在する長繊維
    を、該短繊維不織布中の短繊維と交絡させることを特徴
    とする積層不織布の製造方法。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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AU750241B2 (en) * 2000-05-30 2002-07-11 Uni-Charm Corporation Disposable diaper and process for making the same
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