JP4459775B2 - シート状パック材 - Google Patents

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本発明は、パック用化粧料などの液状化粧料の含浸率の高いシート状パック材に関する。
また、本発明は、複数枚のセルロース系繊維及び合成繊維からなる不織布を非圧縮状態で部分溶着で接合することにより、柔軟性、フィット性に優れ、多量の液状化粧料の含浸保持性に優れたシート状パック材に関する。なお、「部分溶着」とは、接合部が、シート面全体にわたって、パターン状に分散している状態を意味する。
従来、肌の保湿等を目的とした基礎化粧の代表的なものとして、パック材を皮膚表面にパックすることが汎用されており、最近では、肌の美白、アンチエージング等の機能を有したパック材の需要が増加している。
従来のパック材は、パック剤を単独で塗布した後に拭き取ったり、洗い流したりするタイプ、パック剤自体の塗布後に形成した皮膜を皮膚から剥離する、いわゆるピールオフタイプが使用されているが、いずれも皮膚に塗布する作業が煩雑であった。その後、パック剤を含むゲル層をシート基材に設けたゲルシートタイプのパック材やシート状基材にパック剤を含浸させた含浸タイプのパック材が開発され、その簡便さから商品需要が拡大している。
しかしながら、ゲルシートタイプの製品は、製造時の工程が煩雑で経済性が良くない上、製造に際してゲルの粘度調整や基材への均一な塗工が困難であるとの欠点を有する。また、ゲルシートタイプの製品の厚みが厚いことから、使用時には剛軟性が高くなって、顔面へのフィット性が悪く、蒸れ易くなり、長時間の使用や広範囲の皮膚面への使用、特に顔面全体に用いる大型パック材として不向きであった。さらに、有効成分のゲル層から皮膚への浸透率も良いとは言えず、使用後の皮膚からの剥離時に痛みが伴う等の欠点を有している。
他方、含浸タイプのパック材は、不織布等の比較的薄いシート基材に美容液等の液体を含浸させたもので、ゲルシートタイプに比して、比較的製造が容易であり、経済的に有利である。また、不織布等の薄いシートを用いるので、柔軟であり、使用感が良い。さらに、有効成分の皮膚への浸透率が高く、使用後の皮膚からの剥離も安易であることから、現在では、顔面全体に用いる大型パック材として汎用されている。しかし、含浸タイプのパック材は、使用感を高めるため不織布等のシート基材の厚みが薄いから、美容液等の含浸保持量が十分ではなく、肌への美容液等の供給に限界もあった。
さらに、含浸保持量向上のために、比較的厚地の不織布やメッシュ状の不織布を用いる方法があるが、前者の方法では剛軟性が高くなるので、使用感が悪く、また使用時に液垂れが起こることがあった。
これらの問題点を解決するものとして、本発明者らは、シート基材の剛軟度等を特定することによって使用時のフィット性や使用感に優れたフェイスマスク(特許文献1)を報告したが、液保持性の点では未だ十分なものではなかった。
また、不織布等のシート基材表面にエンボス加工によって凹部を多数形成させて含浸保持量を高める技術(特許文献2)や二枚以上の不織布等をエンボス加工等により溶着し、接合することによって十分な液保持性を得る技術(特許文献3)が提案されたが、溶着加工時に不織布の圧縮された凹部の域は硬くなるために、シートの剛軟度が高まり、パック材として使用したときのソフト感やフィット感が損なわれ、保液性もよくなかった。
特開2004−097785号公報 特開2003−292421号公報 特開2000−290899号公報
そこで、本発明では、液体化粧料の十分な含浸保持力を有し、かつ柔軟性、フィット性に優れた含浸タイプのシート状パック材を提供することを課題とする。
本発明のシート状パック材は、2枚又は2枚以上の不織布を部分的に加熱溶着して接合した基材にパック材を含浸させたものを基本構造とする。
すなわち、本発明は以下の構成に特徴がある。
(1)セルロース系繊維及び合成繊維からなる2枚以上の不織布の積層物を非圧縮状態で部分溶着されてなる接合部を有するシート状パック基材に液状化粧料が含浸されていることを特徴とする含浸タイプのシート状パック材。
(2)前記接合部は、高周波又は超音波により部分溶着されてなるものであることを特徴とする上記(1)に記載のシート状パック材。
なお、本発明でいう「接合」とは、重ね合わせた不織布同士の接触面全体を接着することによるものではなく、重ね合わせた不織布同士の間を熱溶着により、0.05〜20mm2、好ましくは0.1〜10 mm2、さらに好ましくは0.5〜5 mm2の面積の接合部をもって熱溶着により接着することをいう。
本発明のシート状パック材における複数の不織布の間の接合は、超音波又は高周波による熱溶融接着によるものであるので、非圧縮の状態で接合することができる。結果的に、シート状パック材の使用時には不織布の柔らかな風合いを損ねることなく、ソフト感やフィット感を生かして使用できる。
また、超音波又は高周波を利用した不織布の熱溶融接着によるものであるので、不織布の柔らかな風合いを壊すことなく、ソフト感及びフィット感の良好なシート状パック材が得られる。さらに、得られたシート状パック材は、積層構造により適度の「コシ」を有しているため製品における折りたたみ状態からの展開が容易であり、保液性に優れるため使用中に液垂れを起こすことがないので髪や洋服を濡らすことがなく、ハンドリング性も向上する。
しかもシート基材に用いる不織布を非圧縮状態で複数枚接合したことにより、従来のエンボス加工によるもののように圧縮状態の硬くなった凹部も形成されないので、エンボス加工のものに比して含浸量も増量できる。例えば、本発明で得られたシート状パック材は、乾燥重量の10倍以上の含浸液を保持することができるので、使用時にも十分量の美容液等を含浸保持し、皮膚に対して有効成分を長時間にわたって供給し続けることができる。
本発明では、セルロース系繊維及び合成繊維からなる2枚以上の不織布の積層物を高周波又は超音波により部分溶着することによって、非圧縮状態の接合部を有するシート状パック基材に液状化粧料が含浸された含浸タイプのシート状パック材を特徴とする。
本発明のシート状パック材を図面で説明すると、図1、図2は本発明のシート状パック材の平面図、図3は、セルロース系繊維及び合成繊維からなる2枚以上の不織布の積層物を高周波又は超音波により部分溶着したときの断面図、図4は、従来例でシート状パック基材をエンボス加工の溶着部の断面図を示す。
本発明のシート状パック材1は、図1に示すように摘み部2及び切り込み6を持つシート状基材4の各所に部分溶着された接合部3を有している。この接合部3は、図3に示すように不織布等の基材シート4の各部において高周波又は超音波によって溶融接合されるが、非圧縮状態で固く接合されている。接合部3は、平面的にみると、規則的又は不規則的な接合のいずれでもよい。規則的接合の場合には、図1に示すように線接合されていてもよいし、図2に示すように点接合されていてもよいが、高周波又は超音波によって溶融接合するときには、図1に示すような線接合が形成し易い。
他方、従来のシート状パック材の接合状態の断面は、シート状パック基材4をエンボスによって接合するから、図4に示すように圧縮されて接合部5を形成することとなる。この部分は、不織布が圧縮状態で接合されるので、硬くなっており、この状態で液状化粧料を含浸させて使用しても、ごわごわしてソフト感がないし、液状化粧料の含浸量も少ない。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、具体的に説明する。
本発明では、不織布を2枚以上、好ましくは、2〜3枚接合してシート状パック材を作製する。4枚以上の不織布を接合すると、含水保持力は向上するものの、硬くなりすぎるために柔軟性及び、フィット感が悪くなる。2枚以上の不織布が接合した基材の剛軟性は、JIS L1913(1998)カンチレバー法による剛軟度5mN・cm以下が好ましい。剛軟度5mN・cmを超えると、シート基材は硬すぎてフィット性が悪く、使用感が低下する。
本発明で用いる上記不織布は、セルロース系繊維であるコットン又はレーヨン等と合成繊維であるポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル繊維、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン繊維又はポリアミド繊維からなるものを使用するのがよい。
セルロース系繊維としては、一般的に親水性であり、吸水性を有するため化粧液を含有させておくために必要であり、PET、PE又はPP等の合成繊維はその熱溶融性により、熱接着機能を付与するために必要である。
これは、セルロース系繊維だけでは、湿潤時の機械的強度に劣るので、合成繊維を配合することによって補強し、耐変形性を向上させる効果がある。
セルロース系繊維と合成繊維の配合量は、含水保持力及び加熱接着力のバランスを考慮して配合する必要があり、セルロース系繊維と合成繊維との重量比率は、セルロース系繊維/合成繊維=10/90〜90/10、好ましくは20/80〜80/20である。親水性セルロース繊維が10wt%未満であると含水保持力が十分ではなく、また90wt%を超えると、十分に加熱溶着せず、シート基材間の接合力が弱くなり、シートの形状を保つことができなくなるからである。
不織布の厚さは、ソフト感、フィット感等の使用感と含水保持力のバランスを考慮して0.01〜5.0mm、好ましくは0.05〜3.0mm、さらに好ましくは0.1〜2.0mmである。
不織布の目付けは、10〜100g/m2、好ましくは15〜80g/m2、さらに好ましくは20〜50g/m2である。10 g/m2未満では、含液量の不足と保形が困難となることより実用的ではなく、100g/m2を超えると硬くなりすぎるために柔軟性及び、フィット感が悪くなるからである。不織布の密度は0.05〜0.5g/cm3、好ましくは0.07〜0.4g/cm3、さらに好ましくは0.1〜0.3g/cm3である。
また、このような不織布の製法としては、例えば、インターレース、スパンボンド、スパンレース又は、ニードルパンチなどのものが挙げられるが、特にスパンレース品が好ましい。
上記接合部の平面的な形状は、線状であっても、点状であってもよく、場合によっては長方形、正方形、丸型、楕円形、菱形等適宜の形状等任意の形状でよい。
また、接合部は0.5〜100個/cm2、好ましくは1〜50個/cm2、さらに好ましくは2〜20個/cm2の密度でシート面全体に分散している。接合部が、シート面全体にわたって、パターン状に分散した部分溶着となっている。このパターンは、並列、千鳥型、菱形格子等、どのような配列でもよい。接合部を一箇所に集中させず、分散させることとしたのは、シート状パック材において不織布の風合い及び形状を維持するためである。例えば、アウトラインに沿って接合部を集中させた場合、アウトラインの部分は硬くなりすぎ、またそれ以外の部分はよれてしまうことにより変形しやすくなる等の不具合が生じる。接合部の総面積は、0.05〜20mm2が好ましい。0.05mm2未満であると接着力不足により基材が破壊されやすくなり、20mm2を超えると、柔らかな風合いや嵩高性を維持することができなくなる。
さらに、全ての接合部の全体に占める面積比率は、1〜40%である。1%未満であると、接合が維持できずシート基材が破壊されやすくなり、40%を超えると、使用感が悪くなるだけでなく、含水保持力も低下することになるからである。
前記接合部は、高周波又は超音波を用いた内部加熱による熱溶着による手段で形成する。高周波又は超音波による内部加熱の手段によれば、溶着時の接合部断面の温度分布が均一であるので、不織布表面の繊維が激しく溶融することはなく、また加圧は伴わずに溶着されるので、接合部全体の繊維がフィルム様の状態になることがなく、不織布の繊維形状を一部残すことが可能である。このような状態での溶着を「非圧縮状態」での溶着という。非圧着状態の溶着であれば、柔軟性を損なうことなく、良好な使用感を維持することができ、化粧液の含浸保持量の低下も起こらない。また、均一に加熱されるので、エンボス加工等による熱溶着よりも、強固な接着力が得られる。
これに対して、インパルスシール、レーザー、赤外線、ホットジェット等の外部加熱による手段では、熱伝導によるものであるため、溶着時には接合部断面の温度分布は表面が最も高くなり、不織布表面の繊維が激しく溶融することにより不織布の風合いが損なわれる。
特に加圧を伴うエンボス加工では、接合部の繊維が内部までフィルム様の状態となるので、柔軟性が損なわれるだけでなく、含浸保持量も低下する。
セルロース系繊維としてコットン20重量%、合成繊維としてPET繊維80重量%からなるスパンレース不織布(目付40g/m2)である基材シート2枚を重ね合わせ、超音波発信機を用いた超音波融着装置によりパターンロール上で超音波を用いてヒートシールによって接合し、二層のシート状パック材用基材シートを製造した。ヒートシール接合部の列パターンは並列パターンが左右から120度の角度で交差したもの(図1)であり、接合部の個々の形状は長方形である。また接合部の密度は3個/cm2、一個あたりの面積は2mm2、全ての接合部の全体に占める面積比率は6.5%である。
上記基材シートをJIS L1913(1998制定)に定められた方法により、湿潤状態とし、カンチレバー法により湿潤時の曲げ硬さ(試料サイズ2.5cm×25cm)を測定したところ、2.5mN・cmであり、非常にソフトであった。
さらに得られた基材シートをトムソン刃によって打ち抜き加工を行い、左右両側に摘み部を有するフェイスマスクを作製した。該フェイスマスクを六つ折に折りたたみ、ビーカー中で蒸留水に1分間浸漬し、引き上げた後、1分間空中で放置したものについての乾燥重量に対する吸水率を飽和含水率として、測定したところ1092重量%であり、吸水率のこのような数値は従来のパック材では到底得られない高いものであった。
<実用評価試験>
化粧料を含浸させた上記フェイスマスクについて、女性被験者10名を対象に使用時の装用感、特に、顔面の凹凸に対するフィット感について5段階(5点:非常に良い、4点:良い、3点:普通、2点:悪い、1点:非常に悪い)の実用評価試験を行った。
評価試験結果は、平均値4.4点であった。また、適度の「コシ」を有しているので、使用時における折りたたみ状態からの展開が容易であり、シート間の接着が強固であるため、展開などの取扱い時に層間剥離を起こさなかった。
さらに、十分な量の化粧料を含浸保持することができるので、フェイスマスク使用時において液垂れを起こすことなく、皮膚に対して有効成分を長時間にわたって供給し続けることができた。
セルロース系繊維としてコットン50重量%、合成繊維としてPET繊維50重量%からなるスパンレース不織布(目付20g/m2)である基材シート3枚を重ね合わせ、超音波発信機を用いた超音波融着装置によりパターンロール上で超音波を用いてヒートシールして接合し、二層のシート状パック材用基材シートを製造した。
ヒートシール接合部の列パターンは並列パターンが、左右から120度の角度で交差したものであり、接合部の個々の形状は長方形である。
また接合部の密度は、3個/cm2、一個あたりの面積は2mm2、全ての接合部の全体に占める面積比率は6.5%である。
該基材シートをJIS L1913(1998制定)に定められた方法により、湿潤状態とし、カンチレバー法により湿潤時の曲げ硬さ(試料サイズ2.5cm×25cm)を測定したところ、4.2mN・cmであり、非常にソフトであった。
<実用評価試験>
上記基材シートをトムソン刃によって打ち抜き加工を行い、ネックケア用シートを作製した。該ネックケア用シートを四つ折に折りたたみ、ビーカー中で蒸留水に1分間浸漬し、引き上げた後一分間空中で放置したものについての乾燥重量に対する吸水率を飽和含水率として、測定したところ1452重量%であった。これは、従来になく高い値である。
次に、化粧料を含浸させたネックケア用シートについて実際に使用してみたところ適度の「コシ」を有しているため使用時における折りたたみ状態からの展開が容易であり、シート間の接着が強固であるため、展開などの取扱い時に層間剥離を起こさなかった。
またソフトなシートであるので、装用感も良好であった。さらに十分な量の化粧料を含浸保持することができるので、使用時において液垂れを起こすことなく、皮膚に対して有効成分を長時間にわたって供給し続けることができた。
セルロース系繊維としてコットン60重量%、合成繊維としてPP繊維40重量%からなるスパンレース不織布(目付40g/m2)である基材シート2枚を重ね合わせ、高周波ミシンを用いて高周波誘電ヒートシールをすることで接合し、二層のシート状パック材用基材シートを製造した。ヒートシール接合部の列パターンは格子状(図2)であり、接合部の個々の形状は丸型である。また接合部の密度は5個/cm2、1個あたりの面積は0.8mm2、全ての接合部の全体に占める面積比率は4.3%である。
上記基材シートをJIS L1913(1998制定)に定められた方法により、湿潤状態とし、カンチレバー法により湿潤時の曲げ硬さ(試料サイズ2.5cm×25cm)を測定したところ、2.7mN・cmであり、非常にソフトであった。
上記基材シートをトムソン刃によって打ち抜き加工を行い、左右両側に摘み部を有するフェイスマスクを作製した。実施例1記載の方法により該フェイスマスクの飽和含水率を測定したところ1293重量%であった。これは、従来になく高い値である。
<実用評価試験>
化粧料を含浸させたフェイスマスクについて、女性被験者10名を対象に使用時の装用感、特に、顔面の凹凸に対するフィット感について5段階(5点:非常に良い、4点:良い、3点:普通、2点:悪い、1点:非常に悪い)の実用評価試験を行ったところ、評価結果は4.1点(平均値)であった。また、適度の「コシ」を有しているため使用時における折りたたみ状態からの展開が容易であり、シート間の接着が強固であるため、展開などの取扱い時に層間剥離を起こさなかった。さらに、十分な量の化粧料を含浸保持することができるので、フェイスマスク使用時において液垂れを起こすことなく、皮膚に対して有効成分を長時間にわたって供給し続けることができた。
セルロース系繊維としてレーヨン70重量%、合成繊維としてPET繊維30重量%からなるスパンレース不織布(目付30g/m2)である基材シート3枚を重ね合わせ、高周波ミシンを用いて高周波誘電ヒートシールをすることで接合し、二層のシート状パック材用基材シートを製造した。ヒートシール接合部の列パターンは格子状(図2)であり、接合部の個々の形状は正方形である。また接合部の密度は5個/cm2、一個あたりの面積は1mm2、全ての接合部の全体に占める面積比率は5.4%である。
上記基材シートをJIS L1913(1998制定)に定められた方法により、湿潤状態とし、カンチレバー法により湿潤時の曲げ硬さ(試料サイズ2.5cm×25cm)を測定したところ、3.8mN・cmであり、非常にソフトであった。
<実用評価試験>
上記基材シートをトムソン刃によって打ち抜き加工を行い、レッグケア用シートを作製した。該レッグケア用シートを八つ折に折りたたみ、ビーカー中で蒸留水に1分間浸漬し、引き上げた後一分間空中で放置したものについての乾燥重量に対する吸水率を飽和含水率として、測定したところ1308重量%であった。これは、従来になく高い値である。
次に、化粧料を含浸させたレッグケア用シートについて実際に使用してみたところ適度の「コシ」を有しているため使用時における折りたたみ状態からの展開が容易であり、シート間の接着が強固であるため、展開などの取扱い時に層間剥離を起こさなかった。
またソフトなシートであるので、装用感も良好であった。さらに十分な量の化粧料を含浸保持することができるので、使用時において液垂れを起こすことなく、皮膚に対して有効成分を長時間にわたって供給し続けることができた。
[比較例1]
セルロース系繊維としてコットン70重量%、合成繊維としてPET繊維30重量%からなるスパンレース不織布(目付40g/m2)であるシート状パック材用基材シートを製造した。該基材シートをJIS L1913(1998制定)に定められた方法により、湿潤状態とし、カンチレバー法により湿潤時の曲げ硬さ(試料サイズ2.5cm×25cm)を測定したところ、1.4mN・cmであった。
上記基材シートをトムソン刃によって打ち抜き加工を行い、左右両側に摘み部を有するフェイスマスクを作製した。実施例1記載の方法により該フェイスマスクの飽和含水率を測定したところ693重量%であった。
<実用評価比較試験>
化粧料を含浸させたフェイスマスクについて、女性被験者10名を対象に使用時の装用感、特に、顔面の凹凸に対するフィット感について5段階(5点:非常に良い、4点:良い、3点:普通、2点:悪い、1点:非常に悪い)の実用評価試験を行ったところ、評価結果は4.5点(平均値)であった。しかし「コシ」がないため折りたたみ状態からの展開が困難であった。
以上の結果から比較例1の製品は、柔軟性及びフィット性については良好であるが、含浸性が不十分であることから十分な量の美容液等を皮膚に対して供給することが困難であった。また、使用時の取扱い性が悪いという欠点を有していた。
[比較例2]
セルロース系繊維としてレーヨン20重量%、合成繊維としてPET繊維80重量%からなるスパンレース不織布(目付40g/m2)であるシート基材2枚を重ね合わせエンボス機による熱接着を施して、二層のシート状パック材用基材シートを製造した。エンボス加工により形成された熱接着点の凹部は深さ0.15mm、開口形状は1mmの円形であり、密度8個/cm2で分布している。
上記基材シートをJIS L1913(1998制定)に定められた方法により、湿潤状態とし、カンチレバー法により湿潤時の曲げ硬さ(試料サイズ2.5cm×25cm)を測定したところ、6.7mN・cmであった。さらに、上記基材シートをトムソン刃によって打ち抜き加工を行い、左右両側に摘み部を有するフェイスマスクを作製した。実施例1記載の方法により該フェイスマスクの飽和含水率を測定したところ328重量%であった。
<実用評価比較試験>
上記化粧料を含浸させたフェイスマスクについて、女性被験者10名を対象に使用時の装用感、特に、顔面の凹凸に対するフィット感について5段階(5点:非常に良い、4点:良い、3点:普通、2点:悪い、1点:非常に悪い)の実用評価試験を行ったところ、評価結果は1.8点(平均値)であった。
以上の結果から比較例2の製品は、シートが硬いことから柔軟性、フィット性が悪く、また含浸性も十分ではないことから美容液等を皮膚に対して十分供給することが困難である。
本発明のシート状パック材平面図(線接合) 本発明のシート状パック材平面図(点接合) 本発明のシート状パック材の断面図 従来のシート状パック材の断面図
符号の説明
1 シート状パック材
2 摘み部
3 超音波又は高周波による非圧縮接合部
4 シート状基材
5 従来の圧縮接合部
6 切り込み

Claims (2)

  1. セルロース系繊維及び合成繊維からなる不織布を2枚以上積層してなる積層物が非圧縮状態で部分溶着されてなる接合部を有するシート状パック基材に液体化粧料が含浸されていることを特徴とするシート状パック材。
  2. 前記接合部は、高周波又は超音波により部分溶着されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載のシート状パック材。
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