JP3583668B2 - 化粧パフおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧または化粧を落とし、あるいはマニキュア落しなどに使用される化粧パフ(化粧綿)およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
従来の化粧パフ(化粧綿)としては、例えば実開昭60−151424号公報や特開平2−26969号公報などに記載されたものが存在する。
【0003】
前記実開昭60−151424号公報に記載された化粧パフは、内層の繊維ウエブ(中綿)を表面材で被覆したものであり、中綿の繊維抜けを防止するため、化粧綿の長手方向と平行する縁端部を圧着又は熱融着等して接合したものである。
【0004】
しかし、前記公報に記載されたものでは、化粧綿の長手方向の両端部分が開放状態であるため、中綿が前記両端部から抜け落ちやすい。また化粧パフの縁端部が熱融着されているため、この熱融着のシール部が硬くなり、この硬い部分が肌に当たって化粧パフを使用する者に違和感を与えるという問題がある。
【0005】
また特開平2−26969号公報に記載されるものは、化粧綿の両端部において、シート状綿帯を圧縮して、木綿繊維相互表面に露出したセルロース分子のOH基間に水素結合を生じさせて、繊維抜けを防止している。
【0006】
しかし、圧縮による水素結合によって木綿繊維どうしを水素結合させた場合も、圧縮して水素結合させた部分のエッジがかなり硬くなる。しかも、水素結合された部分を切断して個々の化粧パフに切断する際に、刃先により生じる圧力によって水素結合がさらに強固になる。このため、切断後の化粧パフのエッジ部が非常に硬く、熱溶着の場合と同様に、化粧パフを使用する者の肌に当たると違和感を与える。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、水素結合による封止部や切断後の端部に接合による硬い部分が形成されることなく、化粧パフを使用する者に違和感を与えないようにした化粧パフおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、使用時に肌に接する親水性繊維からなる表面シートと、親水性繊維からなる中綿とからなり、前記表面シートで前記中綿が包まれた状態で、前記表面シートと前記中綿とが加圧状態で水素結合された封止部が形成されている化粧パフにおいて、少なくとも前記封止部の部分では、前記表面シートと中綿のいずれか一方に水素結合を緩和する疎水性繊維が含まれていることを特徴とするものである。
【0009】
上記本発明では、表面シートと中綿の少なくとも一方に水素結合を緩和する疎水性繊維が含まれているため、加圧状態で水素結合された封止部そのものが比較的柔軟になる。よって、前記封止部が使用者の肌に当たったときの違和感を少なくできる。
【0010】
また、本発明では、前記封止部の外側に加圧されていない領域が設けられ、この加圧されていない領域で、前記表面シートおよび前記中綿が、前記封止部の外縁と間隔を開けた位置で切断されているものとすることが好ましい。
【0011】
前記のように、封止部の外側に加圧されていない領域を設けておくと、この加圧されていない部分が肌に当たるようになり、前記封止部が硬くなっていても使用者の違和感を減少できる。また、前記の加圧されていない領域が切断されるときにも、刃先の圧力で表面シートと中綿とが加圧されて親水性繊維が水素結合を生じようとする。しかし、この切断部分に疎水性繊維が含まれていると、前記切断による水素結合が緩和され、切断エッジが柔らかくなる。
【0012】
なお本発明では、前記封止部での水素結合そのものが緩和されており、封止部自体が比較的柔軟である。よって、前記加圧されていない領域を残すことなく、前記封止部の部分で切断されていても、この切断されたエッジ部を軟質にでき、肌への当りが柔らかくなる。
【0013】
また、前記疎水性繊維は、前記封止部における前記表面シートおよび前記中綿の質量に対し5質量%ないし40質量%の範囲で含まれていることが好ましい。例えば、前記中綿は、親水性繊維内に前記疎水性繊維が混合されたものである。
【0014】
または、前記中綿は、親水性繊維と前記疎水性繊維とが交互に層を成したものである。この場合、前記疎水性繊維の層は織布又は不織布であってもよい。
【0015】
また、前記表面シートは、親水性繊維と前記疎水性繊維とからなる不織布である。
【0016】
前記不織布を形成する場合に、前記不織布は、表面層と裏面層とを有し、前記表面層が親水性繊維のみで、且つ裏面層が疎水性繊維のみで形成され、あるいは前記表面層が前記裏面層よりも多くの親水性繊維を含み、且つ前記裏面層が前記表面層よりも多くの疎水性繊維を含むものであってもよいし、
あるいは前記不織布は、表面層と中間層と裏面層とを有し、前記表面層と前記裏面層が親水性繊維のみで、且つ中間層が疎水性繊維のみで形成され、あるいは前記表面層と前記裏面層が前記中間層よりも多くの親水性繊維を含み、且つ前記中間層が前記表面層と前記裏面層よりも多くの疎水性繊維を含むものであってもよい。
【0017】
または、前記表面シートは、親水性繊維で形成された不織布と前記疎水性繊維で形成された不織布とが重ねられたものである。
【0018】
前記疎水性繊維は、例えばポリエステル繊維、アクリル繊維又はポリオレフィン系繊維の少なくとも1種である。
【0019】
次に、本発明の化粧パフの製造方法は、
(a)共に親水性繊維を主体とし少なくとも一方に疎水性繊維を含んだ表面シートおよび中綿を用い、帯状の前記表面シートに所定の坪量の前記中綿を前記表面シートの長手方向に沿って連続するように重ねる工程、
(b)帯状の前記表面シートの幅方向の両縁部が重なるようにして、前記表面シートで前記中綿を包む工程、
(c)前記中綿を前記表面シートで包んだものを表面シートの長手方向へ所定寸法の間隔を開けて加圧し且つ前記疎水性繊維の融点よりも低い温度で加圧して、前記表面シートと中綿を形成する親水性繊維を水素結合させた封止部を形成する工程、
(d)前記封止部で前後が挟まれた個々の化粧パフに分離する工程、
を有することを特徴とするものである。
【0020】
上記において、前記(c)の工程では、前記所定寸法の間隔を開けた位置で2つの前記封止部を隙間を開けて形成して封止部と封止部との間に加圧しない領域を設け、前記(d)の工程では、前記加圧しない領域で切断して、個々の化粧パフに分離することが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の化粧パフの第1の実施の形態を示す斜視図、図2は図1のII−II線断面図である。
【0023】
図1および図2に示す化粧パフ1は、表面シート2で中綿3が包まれている。前記表面シート2および中綿3は、図示Y1およびY2方向の両端部の封止部1a,1aで封止されている。
【0024】
前記表面シート2は、親水性繊維であるコットン、またはコットンにシルクが含まれたウエッブから形成されたスパンレース不織布である。または前記コットン、またはコットンとシルクから成る織布であってもよい。前記コットンまたはコットンとシルクで形成されているため表面シート2はソフトで肌触りがよい。
【0025】
中綿3は、主にレーヨン又はコットンなどの親水性で且つ保水性の繊維4に、水素結合を生じない疎水性繊維5が適量混綿(混合)された繊維ウエッブである。
【0026】
前記封止部1a,1aでは、前記表面シート2と中綿3とが一緒に加圧され且つ加熱されている。その結果、表面シート2を形成している前記コットンなどの親水性繊維と、中綿3を形成している前記親水性で且つ保水性の繊維4とのセルロース分子のOH基間に水素結合が生じ、この水素結合により封止部1aが確実に閉じられ、表面シート2が袋体形状に保持されている。
【0027】
第1の実施の形態では、前記封止部1a,1aにおいて、表面シート2を形成している親水性繊維と、前記中綿3を形成している親水性で且つ保水性の繊維4のみならず、さらに水素結合を生じない疎水性繊維5が含まれているため、前記封止部1a,1aでの前記水素結合が緩和される。よって前記封止部1a,1aは親水性繊維のみで形成されたものに比べて柔軟性がある。よって肌に当たったときに、肌への刺激が少ない。
【0028】
また図1に示す実施の形態では、前記封止部1a,1aの外縁1a1の外側に加圧されていない領域1cが微小幅Wだけ残されており、この領域1cの外縁が切断部1c1となっている。
【0029】
前記の加圧されていない領域1cが封止部1aの外側に残されているため、前記加圧された封止部1a,1aが直接に肌に当たるのを防ぐことができ、肌への当りが柔らかくなっている。
【0030】
また、前記領域1cの縁部が切断部1c1で切断されるときに、カッターの刃先により、前記切断部1c1において表面シート2と中綿3が加圧される。この加圧によっても前記親水性繊維が水素結合を生じ易い。しかし、この切断部1c1においても前記親水性繊維に疎水性繊維5含まれているため、刃先の加圧による水素結合が緩和され、前記切断部1c1に硬いエッジが残りにくい。
【0031】
このように、本発明の実施の形態では、親水性繊維のみで形成されたものに比較して、封止部1a,1aそのものが柔軟である。また封止部1a,1aの周囲に加圧されず封止されていない領域1c,1cが残り、さらにこの領域1cの切断部1c1に硬いエッジが形成されにくくなっている。よって、封止部1a,1aの部分や切断部1c1の部分が肌に当たっても、比較的柔軟であり、使用者に違和感を与えにくい。
【0032】
なお、前記のように封止部1a,1aそのものが柔軟であるので、本発明では、前記の領域1c,1cを形成せず、封止部1a,1aの縁部が切断部とされているものであってもよい。切断部1c1,1c1そのものが柔軟であるため、切断部1c1,1c1が直接に肌に当たっても違和感が少ない。
【0033】
前記疎水性繊維5の混率は、表面シート2と中綿を形成する繊維の総質量に対して5質量%以上で40質量%以下であることが好ましい。疎水性繊維5の混率が40質量%を超えると、封止部1a,1aでの水素結合が弱くなり、表面シート2の開口端を確実に封止できず、中綿3の繊維抜けのおそれが生じる。また疎水性繊維5の混率が5質量%未満の場合には、封止部1a,1aでの水素結合が強くなり過ぎ、封止部1a,1aが硬くなりすぎる。さらに混率が5質量%未満であると、図1に示すように領域1cを切断したときに、切断部1c1が硬くなってエッジ状になりやすい。また疎水性繊維5の混率のさらに好ましい範囲は10質量%〜30質量%である。
【0034】
また中綿3の坪量(目付け)は、50g/m2〜120g/m2が好ましい。前記範囲未満であると、化粧パフ1が薄くなり、また化粧水などの保水量が低下する。また前記範囲を超えると、化粧パフ1が嵩高になりすぎ、また前記封止部1a,1aを形成する際に、加圧し加熱する部分の繊維量が多くなりすぎ、封止部1a,1aの密閉度が低下する。
【0035】
前記疎水性繊維5としては、封止部1a,1aを形成するときに加圧および加熱時に熱融着を生じにくいようにするための、高融点のものが好ましく使用され、例えばポリエステル繊維特に好ましくはPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維や、ポリプロピレン繊維、あるいは前記ポリエステルとポリプロピレンとによりサイドバイサイド型短繊維構造又は芯鞘型短繊維構造とされたものが好ましく使用される。またはアクリル繊維やポリオレフィン系繊維を用いても良い。
【0036】
中綿3に使用される前記親水性で且つ保水性の繊維4であるレーヨン、および疎水性繊維5の繊度は1〜10デニールであるが、化粧パフ1に使用する場合は、ソフト感、肌触りの観点より1.5〜3.0デニールの範囲のものが好ましい。また繊維長は10〜50mm程度が好ましい。
【0037】
図3は本発明の第2の実施の形態を示す化粧パフの断面図である。
図3に示す化粧パフ1Aでは、中綿3が、上方の親水性且つ保水性の繊維層4aと、下方の親水性且つ保水性の繊維層4bと、前記繊維層4a,4bの間に位置する疎水性繊維層5Aとで構成されている。前記疎水性繊維層5Aは、前記ポリエステル繊維などの疎水性繊維の繊維ウエッブであってもよいし、前記疎水性繊維で形成された不織布や織布であってもよい。
【0038】
この実施の形態でも、前記封止部1a,1aおよび前記切断部1c1の部分に、表面シート2および中綿3を構成する親水性繊維と共に前記疎水性繊維層5Aが存在するため、封止部1a,1aでの水素結合を緩和でき、また切断部1c1においても刃先の加圧により生じる水素結合を緩和できる。
【0039】
図4は本発明の第3の実施の形態の化粧パフを示す部分拡大断面図である。
本発明の化粧パフでは、上記表面シート2が多層構造であってもよいが、図4では3層構造の表面シート2Aを用いた例を示している。
【0040】
図4に示す表面シート2Aは、直接肌に触れる外層不織布2aと中綿3と対向する内層不織布2cがコットン、またはコットンとシルクのスパンレース不織布で形成されており、外装不織布2aと内層不織布2cは、互いに独立して形成された不織布である。外層不織布2aと内層不織布2cとの間に挟まれた中間層2bが、疎水性繊維層で形成されている。この疎水性繊維層(中間層2b)は、繊維ウエッブであってもよいし、疎水性繊維で形成された不織布であってもよい。
【0041】
この実施の形態でも、前記封止部1a,1aおよび前記切断部1c1に、外層不織布2aと内層不織布2cを構成する親水性繊維と、中綿3を構成する親水性で且つ保水性の繊維4と共に、前記中間層2bに疎水性繊維層が存在しているため、前記親水性繊維どうしの水素結合を緩和できる。
【0042】
なお、前記表面シート2Aを1枚または多数枚の不織布で形成し、それぞれの不織布を親水性繊維と疎水性繊維とで構成してもよい。
【0043】
図5(A)(B)は本発明の第4の実施の形態を示している。
図5(A)では、中綿3を包む表面シート2Bが1枚構造の不織布であるが、この不織布内が表面層2B1と裏面層2B2とで、繊維組成の相違するいわゆる2層づきの不織布である。表面層2B1は親水性繊維のみで形成され、裏面層2B2は疎水性繊維のみで形成されている。あるいは表面層2B1と裏面層2B2の双方が親水性繊維と疎水性繊維を含み、表面層2B1が裏面層2B2よりも多くの親水性繊維を含み、裏面層2B2が表面層2B1よりも多くの疎水性繊維を含んでいる。
【0044】
図5(B)に示すものは、表面シート2Cが、いわゆる3層づきの1枚の不織布であり、表面層2C1、中間層2C2、裏面層2C3から構成されている。表面層2C1と裏面層2C3は親水性繊維のみ、中間層2C2は疎水性繊維のみで形成されている。あるいは、全層が親水性繊維と疎水性繊維とを含み、表面層2C1と裏面層2C3が、中間層2C2よりも多くの親水性繊維を含み、中間層2C2が、表面層2C1と裏面層2C3よりも多くの疎水性繊維を含む構造である。
【0045】
また本発明では、中綿3にのみ疎水性繊維が含まれていてもよいし、表面シート2Aのみに疎水性繊維が含まれていてもよいし、あるいは表面シート2Aと中綿3の双方に疎水性繊維が含まれていてもよい。
【0046】
次に、上記化粧パフの製造方法について説明する。
図6は、図1および図2に示す化粧パフの製造工程の概略を示す斜視図、図7は化粧パフの側部断面を示し、(A)は切断前の断面図、(B)は切断後の断面図である。
【0047】
図6に示すように、主にコットンスパンレースや、コットンスパンレースにシルクが含まれたソフトで肌触りがよい帯状の表面シート2が、図示しない送り手段により、送り方向(MD)へ送られる。
【0048】
第1の工程(I)では、表面シート2上に所定の坪量の中綿3が連続的に供給されて載せられる。ここでの中綿3は、レーヨン又はコットンなどの親水性且つ保水性の繊維4に、水素結合を生じない疎水性繊維5が適量混綿されたものである。
【0049】
第2の工程(II)では、図示しない案内手段により表面シート2の幅方向の両縁部が互いに重なるように折り曲げられて袋状シートが形成され、この袋状シートの中に中綿3が包み込まれる。
【0050】
第3の工程(III)では、図示しない加圧手段により、袋状シートが送り方向(MD)に対して一定の間隔を開けて押しつぶされる。その結果、前記一定の間隔を開けた部分で、さらに前記送り方向に微小な間隔を開けて2箇所の封止部1a,1aが形成される。この2箇所の封止部1a,1aが形成された部分で、複数の化粧パフ1が連結部1dにより連結された状態となる。ここで、前記封止部1a,1aの部分では、前記表面シート2と中綿3とが一緒に加圧されて押圧され、且つ前記疎水性繊維5の融点よりも低い温度で加熱される。その結果、前記封止部1a,1aでは、表面シート2と中綿3を構成する親水性繊維が水素結合する。ただし加熱が疎水性繊維5の融点以下であるため、疎水性繊維5は溶融せず、よって封止部1a,1aでは、熱融着されずあるいは熱融着されるとしてもわずかに繊維どうしが付着する程度である。よって前記疎水性繊維5は前記水素結合を抑制し緩和するように機能する。
【0051】
また前記連結部1dにおいて、封止部1aと封止部1aとで挟まれる領域1cは、加圧されていない領域であり、第3の工程(III)では、図7(A)に示すように、前記領域1cを構成する親水性繊維は水素結合されていない。
【0052】
第4の工程(IV)では、前記連結部1dにおいて封止部1aと封止部1aとの間の領域1cが、切断線T−Tに沿ってカッターで切断され、図1に示すような個々の化粧パフ1に分離される。
【0053】
このときカッターの刃先の圧力により、前記領域1cにおいて表面シート2と中綿3とが加圧される。このとき表面シート2と中綿3に含まれる親水性繊維が水素結合を生じようとする。ただしこの切断線T−Tの部分に疎水性繊維5が含まれているため、前記カッターで加圧されたときに前記親水性繊維の水素結合が抑制され、緩和される。
【0054】
以上の工程により、個々の化粧パフでは、図7(B)に示すように、封止部1a,1aの外側に加圧されていない領域1cが残されるが、その切断部1c1では、前記のように水素結合が緩和されているために、硬いエッジ状とならず、表面シート2の縁部どうしがやや離れた形状となる。
【0055】
なお、図3と図4に示す構造の化粧パフも、前記図6および図7に示す工程により同様に製造することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、化粧パフの封止部を柔軟なものにでき、この封止部が肌に当たったときの違和感を減少させることができる。
【0057】
さらに、前記封止部の外側に加圧されていない領域を残す場合においても、この領域が切断されるときの水素結合を緩和でき、切断部に硬いエッジが形成されず、切断部が肌に当たっても違和感を生じにくくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧パフの第1の実施の形態を示す斜視図、
【図2】図1のII−II線断面図、
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す化粧パフの断面図、
【図4】本発明の第3の実施の形態の化粧パフを示す部分拡大断面図、
【図5】(A)(B)は本発明の第4の実施の形態の化粧パフを示す拡大断面図、
【図6】図1および図2に示す化粧パフの製造工程の概略を示す斜視図、
【図7】化粧パフの側部断面を示し、(A)は切断前の断面図、(B)は切断後の断面図、
【符号の説明】
1 化粧パフ
1a 封止部
1c 加圧されていない領域
1c1 切断部
1d 連結部
2,2A,2B,2C 表面シート
3 中綿
4 親水性且つ保水性の繊維
5 疎水性繊維
T 切断線
Claims (13)
- 使用時に肌に接する親水性繊維からなる表面シートと、親水性繊維からなる中綿とからなり、前記表面シートで前記中綿が包まれた状態で、前記表面シートと前記中綿とが加圧状態で水素結合された封止部が形成されている化粧パフにおいて、少なくとも前記封止部の部分では、前記表面シートと中綿のいずれか一方に水素結合を緩和する疎水性繊維が含まれていることを特徴とする化粧パフ。
- 前記封止部の外側に加圧されていない領域が設けられ、この加圧されていない領域で、前記封止部の外縁と間隔を開けた位置で切断されており、この切断部分で前記表面シートと中綿のいずれか一方に疎水性繊維が含まれている請求項1記載の化粧パフ。
- 前記封止部および/または前記切断された部分において、前記表面シートおよび前記中綿の全質量に対し前記疎水性繊維が5質量%以上で40質量%以下の範囲で含まれている請求項1または2記載の化粧パフ。
- 前記中綿は、親水性繊維内に前記疎水性繊維が混合されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載の化粧パフ。
- 前記中綿は、親水性繊維と前記疎水性繊維とが交互に層を成したものである請求項1ないし3のいずれかに記載の化粧パフ。
- 前記疎水性繊維の層は織布又は不織布である請求項5記載の化粧パフ。
- 前記表面シートは、親水性繊維と前記疎水性繊維とで形成された不織布である請求項1ないし6のいずれかに記載の化粧パフ。
- 前記不織布は、表面層と裏面層とを有し、前記表面層が親水性繊維のみで、且つ裏面層が疎水性繊維のみで形成され、あるいは前記表面層が前記裏面層よりも多くの親水性繊維を含み、且つ前記裏面層が前記表面層よりも多くの疎水性繊維を含む請求項7記載の化粧パフ。
- 前記不織布は、表面層と中間層と裏面層とを有し、前記表面層と前記裏面層が親水性繊維のみで、且つ中間層が疎水性繊維のみで形成され、あるいは前記表面層と前記裏面層が前記中間層よりも多くの親水性繊維を含み、且つ前記中間層が前記表面層と前記裏面層よりも多くの疎水性繊維を含む請求項7記載の化粧パフ。
- 前記表面シートは、親水性繊維で形成された不織布と前記疎水性繊維で形成された不織布とが重ねられたものである請求項1ないし6のいずれかに記載の化粧パフ。
- 前記疎水性繊維が、ポリエステル繊維、アクリル繊維又はポリオレフィン系繊維の少なくとも1種である請求項1ないし10のいずれかに記載の化粧パフ。
- (a)共に親水性繊維を主体とし少なくとも一方に疎水性繊維を含んだ表面シートおよび中綿を用い、帯状の前記表面シートに所定の坪量の前記中綿を前記表面シートの長手方向に沿って連続するように重ねる工程、
(b)帯状の前記表面シートの幅方向の両縁部が重なるようにして、前記表面シートで前記中綿を包む工程、
(c)前記中綿を前記表面シートで包んだものを表面シートの長手方向へ所定寸法の間隔を開けて加圧し且つ前記疎水性繊維の融点よりも低い温度で加圧して、前記表面シートと中綿を形成する親水性繊維を水素結合させた封止部を形成する工程、
(d)前記封止部で前後が挟まれた個々の化粧パフに分離する工程、
を有することを特徴とする化粧パフの製造方法。 - 前記(c)の工程では、前記所定寸法の間隔を開けた位置で2つの前記封止部を隙間を開けて形成して封止部と封止部との間に加圧しない領域を設け、前記(d)の工程では、前記加圧しない領域で切断して、個々の化粧パフに分離する請求項12記載の化粧パフの製造方法。
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