JP2006311939A - 吸収性物品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生理用ナプキン1は、液保持性の吸収層12及び液不透過性の裏面層13を具備する実質的に縦長の吸収性本体11と、長手方向の両側縁部から延出する一対のウイング部2、2とを有し、ナプキン1の肌当接面側の長手方向の両側部に、一対のサイド防漏部3、3が、それぞれ該ナプキン1の長手方向に沿って且つ吸収層12の表面側を覆うように設けられており、ウイング部2とサイド防漏部3とが、一枚の伸縮性シート4から形成されている。
【選択図】図1
Description
この種の生理用ナプキンにおけるウイング部は、その片面に粘着層が設けられており、ナプキンの使用の際にショーツ等の下着(以下、単にショーツともいう)における股下部の縁部に沿って折り曲げられ、該粘着層を介して該下着の外表面に固定されるものである。
例えば、特開2002−272786号公報(特許文献1)には、生理用ナプキンの表面がわ両側部にそれぞれ長手方向に沿って、かつ生理用ナプキンのほぼ全長に亘ってサイド不織布を設けるとともに、前記サイド不織布の一部を側方に延在させることによりウイング部が形成されており、サイド不織布の内方側においては表面シートに接着されない所定幅の自由縁部を有するとともに、その先端部分が二重に折り返され、この折返し内部に2本の弾性伸縮部材が配設され、製品状態では表面側に起立する立体ギャザーが形成されている生理用ナプキンが開示されている。
吸収体15は、図2に示すように、表面シート14と裏面シート13との間に介在されており、表面シート14と裏面シート13とは、長手方向の両端部において互いに接合されてシール部が形成されている。
尚、吸収性本体11の表面側には、図1に示すように、防漏溝16が設けられている。該防漏溝16は、長手方向に延びる一対のエンボス溝、及び該エンボス溝の長手方向の両端部において、幅方向に延びる円弧状の2重のエンボス溝とから形成されている。また、長手方向に延びる一対の前記エンボス溝は、それぞれ内側に括れた形状を有している。該防漏溝16によって、表面シート14及び吸収体15が接合されている。
また、一対のサイド防漏部3、3は、図1に示すように、幅方向の内側縁部であって、防漏溝16の長手方向の両端部において幅方向に延びる2重の円弧状のエンボス溝の両脇において、第1エンボス部B1、B1…が設けられており、吸収性本体11と接合されている。
更に、一対のサイド防漏部3、3は、図1に示すように、幅方向の内側縁部であって、防漏溝16の長手方向の両端部と吸収性本体11の長手方向の両端部との間において、第2エンボス部B2、B2…が設けられており、吸収性本体11と接合されている。
接合部5、5の形状は、それらと連設している一対のウイング部2、2が、ショーツ股下部の縁部に沿って折り曲げられた時に、該ショーツ股下部の縁部とフィットし易いように、長手方向の中央部において、それぞれ内側に括れた形状を有している。ここで、接合部5は、ホットメルト接着剤等による接着でも、ヒートシール等の溶着により形成されるものであっても良い。
また、自然状態における生理用ナプキン1は、一対のサイド防漏部3、3の収縮力によって、図1に示すように、長手方向において、該生理用ナプキン1の肌当接面側に向けて湾曲している。
一枚の伸縮性シート4は、前記接合部5を境にして、サイド防漏部3とウイング部2とに分かれている。
本実施形態の生理用ナプキン1の一対のサイド防漏部3、3において、第1エンボス部B1、B1…と長手方向端縁との距離は、ナプキン1の自然状態において、それぞれ50〜150mmであることが好ましい。第2エンボス部B2、B2…は、その延長線上の長手方向端縁から15〜20mmの位置に形成されている。第1エンボス部B1、B1…及び第2エンボス部B2、B2…それぞれが、図1のようにポイント固定である場合、B1−B2間でも伸縮性シートの収縮性によって前方側部及び/又は後方側部のサイド防漏効果を高めることができる。また、生理用ナプキン1の長手方向において、ウイング部2の領域に第1エンボス部B1がないため、サイド防漏部の内側の立ち上がり性が良好である。
また、ウイング部2の脇におけるサイド防漏部3において、長手方向に直交する方向におけるサイド防漏部3が吸収体15と重なっている部分の長さを、サイド防漏部3の表面に沿って測定した長さは、0〜20mmであることが好ましい。
本実施形態の生理用ナプキン1の一対のウイング部2、2が、接合部5、5を介して一対のサイド防漏部3、3と連接している部分の長さは、それぞれ吸収性本体11の長手方向の両側縁の全長に対して、50〜100%であることが好ましく、70〜100%が更に好ましい。
熱融着部8は、積層した第1及び第2繊維層6、7に対して、ヒートエンボス又は超音波エンボス等の部分的な加熱加圧処理を施すことによって形成されている。
第1繊維層6は、ウイング部2及びサイド防漏部3の裏面を形成しており、第2繊維層7は、ウイング部2及びサイド防漏部3の表面を形成している。尚、サイド防漏部3の折り返し部においては、前記裏面とは、前記折り返し部の内側の面をいい、前記表面とは、該折り返し部の外側の面をいう。
前記捲縮性繊維としては、熱可塑性ポリマー材料からなり且つ熱処理により螺旋状の捲縮を発現する潜在捲縮性繊維を用いることが好ましい。
潜在捲縮性繊維は、加熱される前は、従来の不織布用の繊維と同様に取り扱うことができ、且つ所定温度での加熱によって螺旋状の捲縮が発現して収縮する性質を有する繊維である。潜在捲縮性繊維を用いると、不織布製造時の第1繊維層の熱収縮と、収縮後の弾性伸縮性(エラストマー的挙動)の両者を同時に実現することができる。
潜在捲縮性繊維は、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。その例としては、特開平9−296325号公報や特許2759331号明細書に記載のものが挙げられる。熱可塑性ポリマー材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。
本実施形態における前記熱融着部8は、第1繊維層6と第2繊維層7とが、第1及び/又は第2繊維層に含まれる熱融着性繊維の溶融及び固化によって厚み方向に一体化されている部分であり、ヒートエンボス、超音波エンボス等の部分的な加熱加圧処理を施すことによって形成されている。尚、単一の繊維層からなる不織布によってウイング部2及びサイド防漏部3が構成されている場合の熱融着部は、その繊維層に、ヒートエンボス又は超音波エンボス等の部分的な加熱加圧処理を施すことによって形成されるものであり、該繊維層中の熱融着性繊維同士が溶融及び固化により熱融着している部分である。
前記不織布(第1及び/又は第2繊維層)に含まれる熱融着性繊維としては、熱可塑性ポリマー材料からなる繊維が好適に用いられる。熱可塑性ポリマー材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。また、これらの熱可塑性ポリマー材料の組み合わせからなる芯鞘型複合繊維(特に同心型)又はサイド・バイ・サイド型複合繊維を用いることもできる。
第1及び/又は第2繊維層6、7には、前記以外の繊維、例えばレーヨン、コットン、親水化アクリル系繊維などの吸水性繊維を混綿することもできる。
即ち、第1繊維層中の捲縮性繊維及び熱融着性繊維は混合状態とされており、不織布の製造工程において、熱融着性繊維同士が相互に熱融着されてネットワーク構造が形成されると共に、該ネットワーク構造を構成する繊維の一部が捲縮を発現した捲縮性繊維のコイル構造内に取り込まれる。該ネットワーク構造は、コイル構造内に複数の熱融着性繊維が取り込まれるため、ネットワーク構造が収縮し、ネットワーク構造自体が、弾性機能を示す(ネットワーク構造に伸ばされようとする力が働く場合、コイル状繊維は、そのコイル径が広がったり、コイルの長さが伸びる動きを示し、力の解放とともに、コイル状繊維が元に戻ろうとして、ネットワーク構造を収縮する)。
尚、第2繊維層中には、第1繊維層中の熱融着性繊維と同じ又は異なる熱融着繊維が、例えば40〜100重量%程度含まれていることが好ましい。また、第2繊維層中にも、捲縮性繊維を若干量(例えば5〜20重量%)含ませても良い。
また、一対のウイング部2、2は、伸縮性を有する伸縮性シート4から形成されているため、例えば繊維が生理用ナプキン1の長手方向に配向した伸縮性シート4を用いることによって、生理用ナプキン1の長手方向には伸張性があり、生理用ナプキン1幅方向の伸張性が抑えられたウイング部2を形成することも可能である。
このように形成することで、ショーツへの装着による生理用ナプキン1の湾曲や動きによる歪み(生理用ナプキン1幅方向側部に働く剪断力)に対して長手方向にウイング部2が伸縮し、ウイング部(生理用ナプキン1側部)2に働く各種歪みを緩和できると共に、ウイング部2をショーツを固定する際に伸びが抑えられているため操作性に特に優れたものとなる。
更に、一対のサイド防漏部3、3の幅方向内方の端部は自由端を形成していたが、内方向端縁まで表面シート14に接合されていても良い。
更に説明すると、本実施態様は、長尺状部材44を、ウイング部2以外の部分がナプキン1の肌当接面側の長手方向両側部を覆うように該ナプキン1に固定し、ウイング部2以外の部分が覆う部分がサイド防漏部3として機能するものである。
上述のように形成された一対の連続部材44、44は、サイド防漏部形成部43、43…の長手方向の側縁部を、それぞれ折り返し線18、18(図5(b)参照)において、裏面側に折り返した後、連続部材44と吸収性本体連続体17とを接合する接合工程に送られる。
伸張させる手段は、公知の方法を用いうるが、製造工程においてサイド防漏部形成部43をテンションをコントロールすることにより伸張させることが好ましい。
次いで、一対のサイド防漏部形成部43、43の幅方向の内側縁部であって、前記シール部端縁からの距離が好ましくは20〜60mmの位置に、それぞれ第1エンボス部B1、B1…を設け、また、延長線上長手方向端部前記シール部端縁からの距離が好ましくは5〜10mmの位置に、それぞれ第2エンボス部B2、B2…を設け、一対のサイド防漏部形成部43、43と吸収性本体連続体17とを上記8箇所にて接合した後、前記生理用ナプキン1の連続体は、切断工程に送られる。尚、第1エンボス部B1、B1…を設ける際には、前記生理用ナプキン1の連続体は伸張状態にある。
例えば、本実施形態のナプキン1におけるサイド防漏部3において、第1エンボス部B1と第2エンボス部B2との間を固定しても良いし、さらに第2エンボス部B2を超えて長手方向の端縁までエンボス部を形成しても良い。これらの場合には、伸縮性シートの収縮性を抑えることによって、生理用ナプキン1長手方向の湾曲形状を適度に制御して調整することができ、身体へのフィット性を向上させることができる。第1エンボス部B1から第2エンボス部B2あるいは第2エンボス部B2を越えたエンボス部は、連続的な固定部でも良いし、不連続的な固定部でも良いが、伸縮性シートの収縮抑制の観点からは連続的な固定部の方がフィット性向上効果を得易いためより好ましい。
第1エンボス部B1から第2エンボス部B2あるいは第2エンボス部B2を越えたエンボス部は、収縮性の抑制効果の観点から、サイド防漏部3の幅方向内側縁部だけでなく、幅方向外側縁部に至るまで形成していても良い。
サイド防漏部3を固定するための前述したエンボス部は、直線状や曲線状に形成したり、その組合せによって図柄を構成することや、独立した(非連続な)図柄で形成して印象性を高めても良い。
また、伸縮性シートの好ましい材料である不織布は、3層以上の繊維層からなるものであっても良い。例えば、第1発明の本実施形態で用いた前記不織布における第1繊維層の第2繊維層が積層された面とは反対側の面側に、第2繊維層と同一又は異なる材料からなる第3繊維層を積層し、これらが部分的な熱融着部で厚み方向に一体化されていても良い。
また、本発明の実施態様においては、伸縮性シートの原反41から、一対の連続部材44、44を形成したが、一つの連続部材44を形成しても良いし、三つ以上の連続部材44、44…を形成しても良い。
11 吸収性本体
12 吸収層
13 裏面シート(裏面層)
14 表面シート
15 吸収体
16 防漏溝
17 吸収性本体連続体
18 折り返し線
2 ウイング部
3 サイド防漏部
31 サイド防漏部の自由端
4 伸縮性シート(不織布)
41 伸縮性シートの原反(不織布の原反)
42 ウイング部形成部
43 サイド防漏部形成部
44 連続部材(長尺状部材)
5 接合部
6 第1繊維層
7 第2繊維層
8 熱融着部
9 隆起部
B1 第1エンボス部
B2 第2エンボス部
Claims (7)
- 長手方向の両側縁部から延出する一対のウイング部を有する吸収性物品において、
前記吸収性物品の肌当接面側の長手方向両側部を覆うように、一対のサイド防漏部が設けられており、前記ウイング部と前記サイド防漏部とが、一枚の伸縮性シートから形成されている吸収性物品。 - 一対の前記サイド防漏部は、それぞれの内側縁部側が、自然状態において、肌当接面から離間する請求項1記載の吸収性物品。
- 自然状態における前記吸収性物品は、長手方向において、該吸収性物品の肌当接面側に向けて湾曲している請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 一対の前記サイド防漏部を形成する部分の前記伸縮性シートは、丸みを帯びた自由端が形成されるように折り返されている請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
- 前記伸縮性シートが、捲縮した捲縮性繊維及び熱融着性繊維を含む不織布から形成されている請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
- 伸縮性シートの原反を切断してウイング部が間欠的に形成された長尺状部材を得、一対の該長尺状部材を、それぞれ吸収性物品の長手方向に伸張させた状態で、前記ウイング部が該吸収性物品の肌当接面側の長手方向の両側縁部から延出するように該吸収性物品に固定した後、個々の吸収性物品に切断する吸収性物品の製造方法。
- 前記長尺状部材を、前記ウイング部以外の部分が前記吸収性物品の肌当接面側の長手方向両側部を覆うように、該吸収性物品に固定し、前記ウイング部以外の部分が覆う部分がサイド防漏部として機能する吸収性物品を得る請求項6記載の吸収性物品の製造方法。
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