JP5977555B2 - 使い捨て紙おむつの製造方法 - Google Patents

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本発明は、上層不織布と下層不織布との間に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って複数の弾性伸縮部材が配置された使い捨て紙おむつの製造方法に関する。
従来より、パンツ式の使い捨て紙おむつとして、吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートとからなり、製品状態で前記外装シートの前身頃と後身頃とを両側部において接合することによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部を形成したものが知られている。
前記外装シートとしては、上層不織布と下層不織布とがホットメルト接着剤などによって接着された2層構造の不織布シートとされ、前記上層不織布と下層不織布との間であって、前身頃および後身頃のウエスト部及び胴周り部に、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って複数の弾性伸縮部材を配置したものが用いられるのが一般的であり、これによってウエスト部及び胴周り部にシャーリングが形成され、身体へのフィット性が高められている。
前記上層不織布と下層不織布との間に配置される弾性伸縮部材の固定方法としては、前記弾性伸縮部材として糸ゴムを用い、コームガンによる塗布又はシュアラップ塗布といった、公知の直接塗布方式により糸ゴムの周面に直接ホットメルト接着剤を塗布して接着する方法や、糸ゴムの周面に直接ホットメルト接着剤を塗布するとともに、上層不織布及び下層不織布にもホットメルト接着剤を塗布して接着する方法が広く用いられている。
ところが、これらの固定方法では、ホットメルト接着剤の硬化により糸ゴムの伸縮が妨げられるとともに、外装シートの柔軟性が損なわれ手触りが硬くなるなどの問題があった。また、前記弾性伸縮部材として弾性シートを用い、この弾性シートに直接ホットメルト接着剤を塗布して接着する方法もあるが、同様にホットメルト接着剤の硬化により弾性シートの伸縮が妨げられるため、糸ゴムを併用する必要があった。
このような外装シートの柔軟性を改善することなどを目的として、種々の方法によって弾性伸縮部材を固定した使い捨て紙おむつが提案されている。例えば、下記特許文献1では、胴周り部に、胴周囲部弾性部材が配されている使い捨ておむつ等において、胴周囲部弾性部材は、吸収体が存在する部位においては、弾性伸縮性を発現しないようになされ、該吸収体の両側縁の外方においては、第1固定手段により吸収性物品の構成材に固定されて弾性伸縮性を発現するようになされており、胴周囲部弾性部材は、弾性伸縮性を発現しない部分と弾性伸縮性を発現する部分との境界部付近において、第2固定手段により吸収性物品の構成材に固定されている吸収性物品が開示されている。
また下記特許文献2には、外層シートと内層シートが、複合伸縮部の伸縮方向及びその直交方向に分散した多数の接合部において互いに接合されており、弾性部材は、接合部を通らないように配され、その両端部が外層シート及び内層シート間に固定されている吸収性物品が開示されている。
更に下記特許文献3には、シャーシのウエスト域に位置する弾性伸縮性を有する伸縮性シートが、横方向に延び縦方向に対向する接合部において接合されている着用物品が開示されている。
特開2002−95692号公報 特開2009−297096号公報 特開2010−227153号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3記載の固定方法では、弾性伸縮部材又はシート材に接着剤を塗布することによって接着するため、接着剤が硬化して柔軟性が低下し、肌当たりが悪化する問題の発生が懸念される。
また、例えば上記特許文献2記載の固定方法のように、外層シートと内層シートを多数の接合部において互いに接合し、前記接合部を通らないように弾性伸縮部材を配設した場合、図5に示されるように、弾性伸縮部材の収縮によって外層シート及び内層シートが蛇腹状に折り畳まれた複数の襞が形成され、この襞の頂部が鋭角状に折り曲げられるため、襞が直接肌に当たるとかゆみや痛み、擦れなどの肌トラブルを生じるおそれがあった。
更に、従来の外装シートでは、上層不織布と下層不織布とが直接ホットメルト接着剤によって接着されているため、素材の風合い(柔軟性)が損なわれ、肌に押し付けられたときの圧縮復元性が悪く、ごわついた硬い感じを与えていた。
そこで本発明の主たる課題は、肌当たりに優れて肌トラブルを起こすことなく、素材の風合いが良い外装シートを備えた使い捨て紙おむつの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、少なくとも吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられ、上層不織布と下層不織布との間に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って複数の弾性伸縮部材が配置された外装シートとから構成され、前記上層不織布と下層不織布との間に熱接着性繊維が介在され、前記熱接着性繊維の熱融着によって、前記上層不織布と下層不織布との間に前記弾性伸縮部材が固定されている使い捨て紙おむつを製造するための方法であって、
前記上層不織布及び下層不織布の内面側にそれぞれ、前記上層不織布、下層不織布及び弾性伸縮部材より融点の低い熱接着性繊維を配設するとともに、前記上層不織布と下層不織布との間に伸長状態の前記弾性伸縮部材を配置した状態で、前記熱接着性繊維の融点以上、前記上層不織布、下層不織布及び弾性伸縮部材の融点未満の加熱条件下で熱風処理のみを施すことによって、前記熱接着性繊維を熱融着させ、前記上層不織布と下層不織布との間に前記弾性伸縮部材を固定することを特徴とする使い捨て紙おむつの製造方法が提供される。
上記請求項1記載の発明では、上層不織布と下層不織布との間に熱接着性繊維を介在させ、この熱接着性繊維の熱融着によって、前記上層不織布と下層不織布との間に前記弾性伸縮部材を固定している。すなわち、弾性伸縮部材は、上層不織布と下層不織布との間にホットメルト接着剤を使用することなく、熱風処理のみを施し前記熱接着性繊維を熱融着させることによって固定されている。このため、接着剤の硬化による柔軟性の低下や肌当たりの悪化などの問題が生じなくなる。また、上層不織布や下層不織布にホットメルト接着剤が塗布されないため、素材の風合い(圧縮復元性)が加工によって損なわれず、柔らかい素材本来の風合いを維持することができるようになる。
更に、上層不織布と下層不織布との間に熱接着性繊維が介在するため、弾性伸縮部材の収縮によって上層不織布及び下層不織布が蛇腹状に折り畳まれるのではなく、複数の小さな曲面を形成するように縮こまるため(図4参照)、これら不織布の表面が直接肌に触れても肌トラブルが生じにくくなる。
請求項2に係る本発明として、前記熱接着性繊維は、前記上層不織布、下層不織布及び弾性伸縮部材より融点が低く設定されている請求項1記載の使い捨て紙おむつの製造方法が提供される。
上記請求項2記載の発明では、外装シートの製造工程において、熱接着性繊維によって熱融着させる際、上層不織布、下層不織布及び弾性伸縮部材を熱溶融させずに熱接着性繊維のみを熱溶融させるようにするため、熱接着性繊維として、前記上層不織布、下層不織布及び弾性伸縮部材より融点が低く設定されたものを用いるようにしている。
請求項3に係る本発明として、前記弾性伸縮部材は、ポリウレタン又はシリコン素材を用いている請求項1、2いずれかに記載の使い捨て紙おむつの製造方法が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記熱接着性繊維より融点の高い弾性伸縮部材として、ポリウレタン又はシリコン素材を使用している。
請求項4に係る本発明として、前記上層不織布及び下層不織布は、スパンボンド不織布又はSMS不織布を用いている請求項1〜3いずれかに記載の使い捨て紙おむつの製造方法が提供される。
上記請求項4記載の発明では、前記上層不織布及び下層不織布として、スパンボンド不織布又はSMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)不織布を用いることによって、表面摩擦を小さくして、より一層肌トラブルを抑制するようにしている。
以上詳説のとおり本発明によれば、肌当たりに優れて肌トラブルを起こすことなく、素材の風合いが良い外装シートを備えた使い捨て紙おむつを提供できるようになる。
本発明に係る使い捨て紙おむつ1の一部破断展開図である。 そのII−II線矢視図である。 (A)〜(C)は外装シート20の組立手順を示す断面図である。 弾性伸縮部材の収縮状態を示す外装シート20の断面図である。 従来の弾性伸縮部材の収縮状態を示す外装シートの断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1及び図2に示されるように、本使い捨て紙おむつ1(以下、単におむつともいう。)は、不織布などからなる透液性トップシート11と、ポリエチレン等からなる防水シート12との間に、不織布やクレープ紙などからなる包被シート14によって囲繞された綿状パルプなどの吸収体13を介在させるとともに、表面側の両側部にそれぞれ肌側に起立する立体ギャザーBS、BSが形成された吸収性本体10と、この吸収性本体10の外面側に一体的に設けられた外装シート20とからなり、製品状態でおむつ長手方向中央部で前記外装シート20の前身頃と後身頃とが重ね合わされ、両側端の接合縁部21、22で接合されることによりウエスト開口部23及び左右一対のレッグ開口部29が形成された構造のパンツ型おむつである。
以下、前記使い捨て紙おむつ1の構造について具体的に詳述する。
(吸収性本体10の構造)
先ず最初に、前記吸収性本体10の構造の一例について図1及び図2に基づいて詳述する。
吸収性本体10は、前述したように、不織布などからなる透液性トップシート11と、ポリエチレン等からなる防水シート12との間に、包被シート14によって囲繞された綿状パルプなどの吸収体13を介在させた構造とされ、体液を吸収保持するものである。
前記吸収体13は、図示例では平面形状を略方形状として成形されたものが使用され、その幅寸法は股間部への当たりによって着用者にゴワ付き感を与えない寸法幅となっている。この吸収体13は、形状保持と透液性トップシート11を透過した体液の拡散性向上のために包被シート14によって囲繞されている。なお、前記吸収体13としては、嵩を小さくできるエアレイド吸収体を用いるのが望ましい。
前記吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う透液性トップシート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法及びエアスルー法は嵩高でソフトである点で優れている。透液性トップシート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。前記透液性トップシート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在している。
前記吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う防水シート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの不透液性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートであり、仮にシート厚が同じであれば無孔シートよりも剛性が低下するため、柔軟性の点で勝るものとなる。
一方、前記立体ギャザーBSを形成するギャザー不織布15は、図2に示されるように、折返しによって二重シートとした不織布が用いられ、前記透液性トップシート11によって巻き込まれた吸収体13の側縁部をさらにその上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して接着されている。
前記二重シート不織布によって形成されたギャザー不織布15の内部には、起立先端側部分に複数本の糸状弾性部材16、16…と、起立基端部及び中間部にそれぞれ糸状弾性伸縮部材17、17とが配設されている。前記糸状弾性部材16、16…は、製品状態において図2に示されるように、弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものである。また、前記防水シート12は、前記二重シート状のギャザー不織布15の内部まで進入し、立体ギャザーBSにおいて防漏壁を構成するようになっている。
前述のギャザー不織布15を構成する素材繊維も前記透液性トップシート11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法によって得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらに前記ギャザー不織布15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
(外装シート20の構造)
外装シート20は、図1及び図3に示されるように、上層不織布20A及び下層不織布20Bからなる2層構造の不織布シートとされ、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に各種弾性伸縮部材24、25が配設され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々レッグ開口部29を形成するために凹状の切欠き部が形成され、全体として擬似砂時計形状を成している。
本発明に係る外装シート20においては、前記弾性伸縮部材として、図1に示されるように、前記ウエスト開口部23に配置されたウエスト部弾性伸縮部材24,24…と、前身頃F及び後身頃Bに、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰周り弾性伸縮部材25,25…とを備えるものである。
本使い捨て紙おむつ1においては、図3に示されるように、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に熱接着性繊維26が介在され、この熱接着性繊維26の熱融着によって、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとが接合されるとともに、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に前記弾性伸縮部材24、25が固定されている。
前記外装シート20の組立手順について図3に基づいて詳述すると、まずはじめに、図3(A)に示されるように、上層不織布20A及び下層不織布20Bの内面側にそれぞれ、上層不織布20A、下層不織布20B及び弾性伸縮部材24、25より相対的に融点の低い熱接着性繊維26を配設する。
次に、図3(B)に示されるように、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に伸長状態の弾性伸縮部材24、25を配置し、これら内面側に熱接着性繊維26を備えた上層不織布20A及び下層不織布20Bによって前記弾性伸縮部材24、25を挟み込んだ状態で、この積層体に対し、前記熱接着性繊維26の融点以上、上層不織布20A、下層不織布20B及び弾性伸縮部材24、25の融点未満の温度条件下で加熱処理を施すことによって、前記熱接着性繊維26を熱溶融させる。前記加熱処理の方法としては、ホットエアーを通過させる熱風処理が好ましい。ホットエアーは弾性伸縮部材24、25の配置間隔に合わせた離間幅で吹き付けることが好ましいが、積層体内部での拡散性も考慮して弾性伸縮部材24、25の配置間隔より広い間隔で吹き付けることも可能である。
これによって、図3(C)に示されるように、熱溶融した熱接着性繊維26の繊維が弾性伸縮部材24、25や上層不織布20A、下層不織布20B、更には熱接着性繊維26の繊維同士と熱融着し、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に弾性伸縮部材24、25が固定されるとともに、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとが熱接着性繊維26を介して接合されるようになる。
このように、弾性伸縮部材24、25の固定及び上層不織布20Aと下層不織布20Bとの接合が、ホットメルト接着剤を使用することなく、熱接着性繊維26の熱融着によって行われるため、ホットメルト接着剤の硬化の問題が生じなくなり、外装シート20の柔軟性の低下や肌当たりの悪化などの問題が解消できるようになる。また、上層不織布20Aや下層不織布20Bにホットメルト接着剤を塗布しないため、素材の風合い(圧縮復元性)が加工によって損なわれず、柔らかい素材本来の風合いを維持することができるようになる。
更に、上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に熱接着性繊維26が介在するため、弾性伸縮部材24、25の収縮によって上層不織布20A及び下層不織布20Bが縮こまった場合の表面の形状が柔らかとなる。すなわち、従来の外装シートでは、図5に示されるように、弾性伸縮部材に沿って上層不織布、下層不織布が間欠的な接着部で接着されているため、弾性伸縮部材の収縮によって上層不織布、下層不織布が蛇腹状に折り畳まれ、表面側に突出した襞の頂部が鋭角状に形成される結果、襞の頂部が直接肌に当たってかゆみや痛み、擦れなどの肌トラブルを引き起こす場合があった。これに対して、本発明に係る外装シート20では、図4に示されるように、熱接着性繊維26を介して上層不織布20A、下層不織布20Bが弾性伸縮部材24、25に沿って連続的に接合しているため、弾性伸縮部材24、25の収縮によって上層不織布20A、下層不織布20Bは複数の小さな曲面を形成するように変形する結果、外装シート20が直接肌に触れても肌トラブルが生じ難くなる。
前記熱接着性繊維26としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などによって構成することができるし、これら2種以上を混合したものであっても良い。特に、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維などの複合繊維を用いることが好ましい。かかる複合繊維としては、チッソ株式会社製の「インタック」などが好適である。この「インタック」は、相対的に高融点のポリプロピレンを芯とし、相対的に低融点のポリエチレンを鞘とした芯鞘型の複合繊維であり、加熱により鞘のポリエチレンが溶融し、接触する繊維と熱融着する。鞘部のポリエチレンの融点は115℃程度で、芯部のポリプロピレンの融点は165℃であるから、加熱温度を115℃を超え165℃未満の温度に設定することにより、熱接着性繊維26の鞘部のみが溶融するようになる。
前記熱接着性繊維26は、短繊維または長繊維のいずれでもよい。短繊維の場合にはエアスルー不織布などの製造工程と同様にしてシート状にすることができるし、長繊維の場合には長繊維をエアーで解繊してシート状にすることができる。このシート状にした熱接着性繊維26を前記上層不織布20A及び下層不織布20Bの内面側に配設する。前記熱接着性繊維26を構成する短繊維の長さは3〜30mmが好ましい。熱接着性繊維26として長繊維を用いた場合、ライン搬送時に不織布の繊維が脱落しにくく、ライン上にあるホットメルトの塗布口に脱落した繊維片が付着することが少なくなる。また、上層不織布20A又は下層不織布20Bから繊維端部が突出することによる毛羽立ちが抑えられる。一方、熱接着性繊維26として短繊維を用いた場合、分割型ポリエステル複合繊維など、2.2dtexの繊維をさらに4〜16分割した極細の繊維を用いることができ、弾性伸縮部材24、25が伸縮しやすくなるとともに、弾性伸縮部材24、25が収縮した場合により圧縮されやすくなる。前記熱接着性繊維26としては、前記弾性伸縮部材24、25によって収縮しやすいように、捲縮繊維や1.0dtex〜2.0dtexの細い繊維を用いてもよい。
前記熱接着性繊維26は、上層不織布20A側に配置するものと下層不織布20B側に配置するものが同じものでもよいし、違えてもよい。例えば、上層不織布20A側に長繊維の熱接着性繊維26を配置し、下層不織布20B側に短繊維の熱接着性繊維26を配置してもよい。この場合には、肌側となる上層不織布20Aに熱接着性繊維26の端部が突出するのが抑えられ、着用者にとって肌ざわりが向上するとともに、弾性伸縮部材24、25の伸縮性が良好になりフィット性が向上するようになる。また、これとは逆に上層不織布20A側に短繊維の熱接着性繊維26を配置し、下層不織布20B側に長繊維の熱接着性繊維26を配置してもよい。この場合には、肌側の上層不織布20A側の方が、外側の下層不織布20B側より弾性伸縮部材24、25の収縮が良く作用するため、外装シート20自体が腹回りに沿って湾曲しやすくなり、おむつのフィット性が向上するようになる。
前記上層不織布20A及び下層不織布20Bは、表面平滑性に優れ、表面摩擦が小さい素材を使用することが好ましい。これにより、外装シート20の肌ざわりが良好になり、より一層肌トラブルが生じ難くなる。このような性質を有する不織布としては、スパンボンド不織布又はSMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)不織布を用いることができる。また、上層不織布20A、下層不織布20Bとして、表面摩擦を小さくするために、通常より繊維の細い不織布、具体的には繊維の太さが1.0dtex〜2.0dtexからなる不織布を用いてもよい。
前記ウエスト部弾性伸縮部材24、24…は、前身頃Fと後身頃Bとが接合された接合縁部21、22の範囲の内、ウエスト開口縁23近傍に上下方向に間隔をおいて配設された複数本の糸ゴム状弾性伸縮部材であり、身体のウエスト部周りを締め付けるように伸縮力を与えることによりおむつを身体に装着するためのものである。
前記腰周り弾性伸縮部材群25、25…は、接合縁部21、22のウエスト開口縁23を除く上部位置から下部位置まで、あるいは図示されるように、脇部接合縁21よりも股下側に及ぶ範囲に亘り、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配設された糸ゴム状弾性伸縮部材であり、前身頃F及び後身頃Bの腰周り部分に夫々、水平方向の伸縮力を与え腰周りシャーリングゾーンを形成するためのものである。なお、前記ウエスト部弾性伸縮部材24、24…と腰周り弾性伸縮部材群25、25…との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃F及び後身頃Bに上下方向に間隔をおいて水平方向に配置された弾性伸縮部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト部弾性伸縮部材24として機能し、残りの弾性伸縮部材が腰周り弾性伸縮部材25として機能していればよい。
前記弾性伸縮部材24、25は、熱接着性繊維26より融点が高い素材が用いられ、具体的にはポリウレタン又はシリコン素材を用いることが好ましい。ポリウレタンゴムの融点としては150℃〜270℃程度のものが市販されているので、熱接着性繊維26の融点より高く弾性伸縮部材24、25の融点より低い温度条件で加熱することによって、熱接着性繊維26を弾性伸縮部材24、25に熱融着させることができる。
1…使い捨て紙おむつ、10…吸収性本体、11…透液性トップシート、12…防水シート、13…吸収体、14…包被シート、15…ギャザー不織布、16・17…糸状弾性伸縮部材、20…外装シート、20A…上層不織布、20B…下層不織布、24…弾性伸縮部材(ウエスト部弾性伸縮部材)、25…弾性伸縮部材(腰周り弾性伸縮部材)、26…熱接着性繊維

Claims (4)

  1. 少なくとも吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられ、上層不織布と下層不織布との間に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って複数の弾性伸縮部材が配置された外装シートとから構成され、前記上層不織布と下層不織布との間に熱接着性繊維が介在され、前記熱接着性繊維の熱融着によって、前記上層不織布と下層不織布との間に前記弾性伸縮部材が固定されている使い捨て紙おむつを製造するための方法であって、
    前記上層不織布及び下層不織布の内面側にそれぞれ、前記上層不織布、下層不織布及び弾性伸縮部材より融点の低い熱接着性繊維を配設するとともに、前記上層不織布と下層不織布との間に伸長状態の前記弾性伸縮部材を配置した状態で、前記熱接着性繊維の融点以上、前記上層不織布、下層不織布及び弾性伸縮部材の融点未満の加熱条件下で熱風処理のみを施すことによって、前記熱接着性繊維を熱融着させ、前記上層不織布と下層不織布との間に前記弾性伸縮部材を固定することを特徴とする使い捨て紙おむつの製造方法
  2. 前記熱接着性繊維は、前記上層不織布、下層不織布及び弾性伸縮部材より融点が低く設定されている請求項1記載の使い捨て紙おむつの製造方法
  3. 前記弾性伸縮部材は、ポリウレタン又はシリコン素材を用いている請求項1、2いずれかに記載の使い捨て紙おむつの製造方法
  4. 前記上層不織布及び下層不織布は、スパンボンド不織布又はSMS不織布を用いている請求項1〜3いずれかに記載の使い捨て紙おむつの製造方法
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