JP6222687B2 - 吸収性物品の伸縮構造 - Google Patents
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第1シート材と、この第1シート材の一方の面に対向する第2シート材と、これら第1シート材及び第2シート材の間に、伸縮方向に沿ってかつ互いに間隔を空けて設けられた複数本の細長状の弾性伸縮部材とを備えており、
前記第1シート材及び第2シート材が、伸縮方向に間欠的に配された、伸縮方向と交差する方向に連続する接着剤により接合されて、シート接合部が形成されており、
前記シート接合部と前記弾性伸縮部材とが交差する部分のうち、前記弾性伸縮部材の第1シート材側で接着剤が伸縮方向と交差する方向に連続することにより前記弾性伸縮部材が前記接着剤により前記第1シート材に固定されるとともに、前記弾性伸縮部材の第2シート材側では前記接着剤が伸縮方向と交差する方向に不連続となっており、
前記弾性伸縮部材の収縮に伴い前記第1シート材及び第2シート材が収縮することにより、前記第1シート材及び第2シート材におけるシート接合部間に位置する部分が互いに反対向きに膨らんでそれぞれ襞が形成されている、
吸収性物品の伸縮構造であって、
前記吸収性物品は、前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、胴周り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであり、
前記伸縮構造は、前記外装体における少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に、前記弾性伸縮部材が幅方向となるように設けられており、
前記外装体における前記内装体の幅方向両側の領域を、前記内装体側の端部領域、前記サイドシール部の端部領域、及びこれらの間に位置する中間領域に分割したとき、
前記内装体側の端部領域におけるシート接合部の間隔が、前記サイドシール部側の端部領域及び中間領域におけるシート接合部間の間隔よりも狭い条件、及び前記内装体側の端部領域におけるシート接合部の伸縮方向の幅が、前記サイドシール部側の端部領域及び中間領域における前記シート接合部の伸縮方向の幅よりも広い条件、の少なくとも一方の条件を満たす、
ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。
本発明は、縦方向連続接合形態を基本とし、襞が真直ぐに延び、見栄え、通気性に優れるものである。また、溶着ではなく接着坐剤によりシート接合部を形成することにより、より柔軟性に優れたものとなる。しかも単にそれだけではなく、第2シート材においては接着剤が間欠的に存在することより第2シート材の柔軟性の低下、ひいては第1シート材及び第2シート材の全体としての柔名性の低下を抑制できる。また、弾性伸縮部材はシート接合部と交差する部分では第1シート材側だけ接着剤が連続するとはいえ、弾性伸縮部材の両側はシート接合部により第1シート材及び第2シート材が一体化しているから、弾性伸縮部材の収縮力は第1シート材及び第2シート材の実質的に同一に作用し、第1シート材及び第2シート材の両者に均等な皺を形成することができる。
前記第2シート材が装着者の肌に接触する面を有するものであり、前記第1シート材が前記第2シート材における装着者の肌に接触する面と反対側の面に接合されている、請求項1記載の吸収性物品の伸縮構造。
第1シート材及び第2シート材のいずれか一方を肌に接触する部分に採用する場合、接着剤が連続する方のシート材を肌に接触させる構造とすると、シート材そのものの柔軟性の低下だけでなく、その柔軟性の低下部分が弾性伸縮部材により肌に押し付けられるため、装着感の悪化はより一層のものとなる。よって、上述のように接着剤が連続しない方の第2シート材を肌に接触する面とすることが望ましい。
各シート接合部の伸縮方向の幅が1〜4mmであり、隣り合うシート接合部の間隔が4〜8mmである、請求項1又は2記載の吸収性物品の伸縮構造。
本発明者は鋭意研究した結果、次のような知見(ここで説明する原理及びその相違についての知見は、特許文献1〜4のいずれにも探究されておらず、特に特許文献4はシート接合部の線の間隔について記載があるものの、その変更がどのような影響を及ぼすか全く不明である。)を得た。
隣り合う弾性伸縮部材の間隔が10mm以下である、請求項3記載の吸収性物品の伸縮構造。
本発明の場合、隣り合う弾性伸縮部材の間隔が10mmを超えると、縦方向間欠接合形態ほどではないが、襞の厚みが伸縮方向と交差する方向に変化し、もこもことした雲形又は波形となる。よって、本発明では、隣り合う弾性伸縮部材の間隔は10mm以下とすることが好ましい。
前記伸縮構造を完全に展開した状態における前記弾性伸縮部材の伸長率が200〜350%である、請求項3又は4記載の吸収性物品の伸縮構造。
上述の寸法を採用した場合、このような伸長率を組み合わせることにより、上述の本発明の作用効果がより顕著なものとなる。なお、伸長率とは自然長を100%としたときの値を意味する。
図1〜図8は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品外面(裏面)をなす外装体12と、外装体12の内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。符号Yはおむつの全長を示しており、符号Xはおむつの全幅を示している。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
外装体12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fを構成する部分と、股間部から背側に延在する後身頃Bを構成する部分とを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されて、図8に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、展開状態における前身頃Fのウエスト縁から後身頃Bのウエスト縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装体12により連続的に覆っているが、腹側部分の外装体と背側部分の外装体とが股間側で連続しておらず、離間されている形態とすることもでき(図示略)、その場合、内装体の外面のうち、腹側部分の外装体と背側部分の外装体との間に露出する部分を覆う股間部外装体を貼り付けることもできる。股間部外装体としては、前述した外装体に用いられるものと同様の資材を用いることができる。
本パンツタイプ使い捨ておむつにおいては、ウエスト下部Uから中間部Lにかけての領域に本発明の伸縮構造が採用されている。すなわち、当該部分は、図6に示すように、第1シート材12S及び第2シート材12Hが、伸縮方向に間欠的に配された、伸縮方向と交差(図示形態では直交)する方向に所定の幅で連続する接着剤71(ホットメルト接着剤71等)により接合されて、シート接合部70が形成されている。
上記例は、パンツタイプ使い捨ておむつのウエスト下部Uから中間部Lまでの部分への適用例であるが、ウエスト縁部Wまでを含めて適用しても良く、また中間部Lの弾性伸縮部材16を省略しても良い。
Claims (5)
- 第1シート材と、この第1シート材の一方の面に対向する第2シート材と、これら第1シート材及び第2シート材の間に、伸縮方向に沿ってかつ互いに間隔を空けて設けられた複数本の細長状の弾性伸縮部材とを備えており、
前記第1シート材及び第2シート材が、伸縮方向に間欠的に配された、伸縮方向と交差する方向に連続する接着剤により接合されて、シート接合部が形成されており、
前記シート接合部と前記弾性伸縮部材とが交差する部分のうち、前記弾性伸縮部材の第1シート材側で接着剤が伸縮方向と交差する方向に連続することにより前記弾性伸縮部材が前記接着剤により前記第1シート材に固定されるとともに、前記弾性伸縮部材の第2シート材側では前記接着剤が伸縮方向と交差する方向に不連続となっており、
前記弾性伸縮部材の収縮に伴い前記第1シート材及び第2シート材が収縮することにより、前記第1シート材及び第2シート材におけるシート接合部間に位置する部分が互いに反対向きに膨らんでそれぞれ襞が形成されている、
吸収性物品の伸縮構造であって、
前記吸収性物品は、前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、胴周り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであり、
前記伸縮構造は、前記外装体における少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に、前記弾性伸縮部材が幅方向となるように設けられており、
前記外装体における前記内装体の幅方向両側の領域を、前記内装体側の端部領域、前記サイドシール部の端部領域、及びこれらの間に位置する中間領域に分割したとき、
前記内装体側の端部領域におけるシート接合部の間隔が、前記サイドシール部側の端部領域及び中間領域におけるシート接合部間の間隔よりも狭い条件、及び前記内装体側の端部領域におけるシート接合部の伸縮方向の幅が、前記サイドシール部側の端部領域及び中間領域における前記シート接合部の伸縮方向の幅よりも広い条件、の少なくとも一方の条件を満たす、
ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。 - 前記第2シート材が装着者の肌に接触する面を有するものであり、前記第1シート材が前記第2シート材における装着者の肌に接触する面と反対側の面に接合されている、請求項1記載の吸収性物品の伸縮構造。
- 各シート接合部の伸縮方向の幅が1〜4mmであり、隣り合うシート接合部の間隔が4〜8mmである、請求項1又は2記載の吸収性物品の伸縮構造。
- 隣り合う弾性伸縮部材の間隔が10mm以下である、請求項3記載の吸収性物品の伸縮構造。
- 前記伸縮構造を完全に展開した状態における前記弾性伸縮部材の伸長率が200〜350%である、請求項3又は4記載の吸収性物品の伸縮構造。
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