JP5356145B2 - スカート付使い捨ておむつ - Google Patents
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この例からも判るように、使い捨ておむつにおいては交換の容易性は、製品選択基準の一つとなるほど重要である。
そこで、本発明の主たる課題は、下半身の露出を避けつつ容易に穿くことができる使い捨ておむつを提供することにある。
<請求項1記載の発明>
股間部から前側に延在する腹側部分と、股間部から後側に延在する背側部分とを有し、排泄物を吸収する部分である内装体と、
前記内装体の周囲を覆う筒状のスカート体とを備え、
前記内装体は、前後いずれか一方の端部が前記スカート体の対応部分に固定された固定部とされるとともに、他方の端部が前記スカート体の対応部分に着脱自在に取り付けられる着脱部とされており、
前記内装体は、前記着脱部が前記スカート体の対応部分から取り外され、且つ前後方向中間の所定位置を折目として折り畳まれるとともに、この折り畳まれた状態が維持されるように前記他方の端部を前記着脱部によって前記一方の端部に仮止めされている、
ことを特徴とするスカート付使い捨ておむつ。
このスカート付使い捨ておむつを装着者に穿かせる場合、使用済みのおむつを穿いたまま、内装体の着脱部を取り外した状態のスカート体に両脚を通し、腰まで引き上げた後、あるいは、内装体の着脱部を取り外した状態のスカート体を頭から被って、腰まで引き下げた後、使用済みのおむつを取り外し、次いで、内装体を装着者の股間を通してスカート体に取り付ける、といった手順を取ることができる。よって、被覆範囲が大きくかつ身体への密着部分が少ないスカート体により下半身を隠しつつ交換作業を行うことができるとともに、装着者の足を一本ずつおむつの脚開口部に通す必要が無く、交換時に脚を激しく動かすような子供であっても容易に穿かせることができるようになる。
なお、スカート付の使いすておむつは従来も提案されている(例えば特許文献4〜6参照)が、本発明のように内装体の端部が着脱自在であるものは提案されていない。
前記スカート体における前記内装体の着脱部に対する対応部分に、幅方向に沿うスリットが形成されており、前記内装体の着脱部は前記スリットを通してスリットの外側に引き出された状態で隣接部材に対して取り付けられるように構成されるとともに、
前記スカート体に、周方向に縮められて形成されたギャザー部分と、このギャザー部分から外方に突出する波打ち部分とを有し、周方向に沿って延在するフリルが設けられており、
前記スリットの外側に引き出された前記内装体の着脱部、及び前記スリット上に、前記フリルの波打ち部分が被さるように構成されている、
請求項1記載のスカート付使い捨ておむつ。
このように、内装体の着脱部は、スカート体に形成したスリットを通してスリットの外側に引き出した状態で隣接部材に取り付ける構造とすることで、取り付け位置が適切な位置に定まり、吸収本体の着脱部を強固に取り付けることができる。また、単にこのようなスリットによる固定構造を採用すると、見栄えが悪くなるが、上述のようにフリルを設けて着脱部及びスリットを隠蔽することによって、スカートらしさを維持しつつ見栄えの悪化を防止できる。
前記スリット及びこれに被さるフリルが複数組設けられている、請求項2記載のスカート付使い捨ておむつ。
このようにスリットを複数設けておけば、内装体の着脱部の取り付け位置を自由に調整でき、スカート体に対する内装体の股間部の位置、つまり股上を自由に調整することができるため好ましい。
前記スカート体は、周方向に延在する帯状のフリル部材が縦方向に複数並設されてなるものであり、
縦方向に隣接するフリル部材のうち、ウエスト側に位置する方のフリル部材の先端部が、反対側のフリル部材のウエスト側端部上に被さるように構成され、
これら縦方向に隣接するフリル部材は、前記内装体の着脱部と対応する幅方向中央部では相互に重なり合う部分が接合されておらず、且つこの非接合部の幅方向両側で接合されており、
各フリル部材のウエスト側端部に、ギャザー弾性伸縮部材が周方向に沿って伸長状態で取り付けられており、
各フリル部材により前記フリルが形成されるとともに、前記ギャザー弾性伸縮部材による周方向の収縮により各フリル部材に前記ギャザー部が形成されており、
前記縦方向に隣接するフリル部材間の非接合部分が前記スリットをなしている、
請求項3記載のスカート付使い捨ておむつ。
このように、外装シートを縦方向に複数に分割してフリル及びスリットを形成することにより、簡素な形態で前述のスリットとフリルとの組み合わせ構造を実現することができる。また、既存の製造技術を応用することにより容易に製造することができる。また、このような構造を採用することにより、フリル部材のギャザー弾性伸縮部材が胴回りの締め付けを行う機能を兼ねるため、外観はフリルの存在により広がりのあるスカート状をなしていながら、フィット性にも優れるようになる。
図1〜図10は、スカート付使い捨ておむつの一例100を示している。このスカート付使い捨ておむつ100は、スカート体をなす外装シート12F,12Bと、外装シートの内面に取り付けられた内装体200とから構成されているものである。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装シート12F,12Bは内装体200を支持して着用者にあてがうための部分である。断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。なお、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向(縦方向)」とはおむつ100の装着状態、すなわちおむつ100の前身頃両側部と後身頃量側部を重ね合わせるようにおむつ100を股間部で2つに折った際に胴周り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。また、股間部とは、展開状態における前身頃のウエスト端縁から後身頃のウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、不透液性バックシート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立するバリヤーカフス60を示している。
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
不透液性バックシート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。不透液性バックシート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、不透液性バックシート11として用いることができる。
バリヤーカフス60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態のバリヤーカフス60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
外装シート12F,12Bは、装着者の胴周りのうち腹側を覆う腹側外装シート12Fと背側を覆う背側外装シート12Bとに分割されており、これら腹側外装シート12Fの両側部と背側外装シート12Bの両側部とがそれぞれ接合されて、筒状のスカート体12が形成され、その上端開口が図8に示すように装着者の胴を通すためのウエスト開口部WOとして形成されている。符号12Aは接合部分であるサイドシールを示している。
特徴的には、内装体200の前端部が腹側外装シート12Fの幅方向中央部内面にホットメルト接着剤等により固定された固定部80とされるとともに、内装体200の後端部が背側外装シート12Bの幅方向中央部に対して着脱自在に取り付け可能な着脱部201とされている。逆に、内装体200の後端部を固定部分とし、前端部を着脱部とすることも可能である(図示せず)。
フリルは周方向の一部、例えばスリット12Sを有する領域のみや、前身頃F若しくは後身頃Bのみにフリルを設けることもできる。
Claims (4)
- 股間部から前側に延在する腹側部分と、股間部から後側に延在する背側部分とを有し、排泄物を吸収する部分である内装体と、
前記内装体の周囲を覆う筒状のスカート体とを備え、
前記内装体は、前後いずれか一方の端部が前記スカート体の対応部分に固定された固定部とされるとともに、他方の端部が前記スカート体の対応部分に着脱自在に取り付けられる着脱部とされており、
前記内装体は、前記着脱部が前記スカート体の対応部分から取り外され、且つ前後方向中間の所定位置を折目として折り畳まれるとともに、この折り畳まれた状態が維持されるように前記他方の端部を前記着脱部によって前記一方の端部に仮止めされている、
ことを特徴とするスカート付使い捨ておむつ。 - 前記スカート体における前記内装体の着脱部に対する対応部分に、幅方向に沿うスリットが形成されており、前記内装体の着脱部は前記スリットを通してスリットの外側に引き出された状態で隣接部材に対して取り付けられるように構成されるとともに、
前記スカート体に、周方向に縮められて形成されたギャザー部分と、このギャザー部分から外方に突出する波打ち部分とを有し、周方向に沿って延在するフリルが設けられており、
前記スリットの外側に引き出された前記内装体の着脱部、及び前記スリット上に、前記フリルの波打ち部分が被さるように構成されている、
請求項1記載のスカート付使い捨ておむつ。 - 前記スリット及びこれに被さるフリルが複数組設けられている、請求項2記載のスカート付使い捨ておむつ。
- 前記スカート体は、周方向に延在する帯状のフリル部材が縦方向に複数並設されてなるものであり、
縦方向に隣接するフリル部材のうち、ウエスト側に位置する方のフリル部材の先端部が、反対側のフリル部材のウエスト側端部上に被さるように構成され、
これら縦方向に隣接するフリル部材は、前記内装体の着脱部と対応する幅方向中央部では相互に重なり合う部分が接合されておらず、且つこの非接合部の幅方向両側で接合されており、
各フリル部材のウエスト側端部に、ギャザー弾性伸縮部材が周方向に沿って伸長状態で取り付けられており、
各フリル部材により前記フリルが形成されるとともに、前記ギャザー弾性伸縮部材による周方向の収縮により各フリル部材に前記ギャザー部が形成されており、
前記縦方向に隣接するフリル部材間の非接合部分が前記スリットをなしている、
請求項3記載のスカート付使い捨ておむつ。
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