JP2011224100A - パンツタイプおむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】腹側における圧迫感を解消し、かつ着用者からのずれ落ち又は所要のフィット性を図ることができるパンツタイプおむつを提供する。
【解決手段】前身頃F;ウエスト開口部WO始端から脚開口部LOの始端までの前後方向胴周り部のうち、少なくとも吸収要素50と重なる前後方向の範囲の1/3以上の範囲に、かつ吸収要素の幅方向全体を覆う位置に、伸縮部材シート自体が幅方向に伸縮性を示す第1伸縮性シート21を吸収要素の裏面側に配置し、後身頃B;ウエスト開口部WO始端から脚開口部LOの始端までの前後方向胴周り部のうち、吸収要素と重なる前後方向の範囲の1/3以上の範囲に、かつ吸収要素の幅方向全体を覆い両脇部に延在する位置に基材シートが位置しており、基材シートに幅方向に沿いかつ前後方向に間隔を置いて複数本の弾性伸縮部材15を付加することにより幅方向に伸縮性を示す第2伸縮性シート22を吸収要素の裏面側に配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、パンツタイプおむつに関するものである。特に詳しくは、腹側に複数本の弾性伸縮部材が付加されるものではなく伸縮部材シート自体が少なくとも幅方向に伸縮性を示す第1伸縮性シートを、背側に基材シートに幅方向に沿いかつ前後方向に間隔をおいて複数本の弾性伸縮部材を付加することにより幅方向に伸縮性を示す第2伸縮性シートを有するパンツタイプおむつに関するものである。
テープ式使い捨て紙おむつは、テープにより固定した後は、基本的に胴周りに伸縮しない構成が基本であるのに対し、パンツタイプおむつは、装着時において着用者の動きに応じて胴周りに伸縮し、収縮力により着用者からのずれ落ち又は所要のフィット性を担保している。
この種のパンツタイプおむつにおける収縮力を確保する手段として、一般的なものは基材シートに複数本の糸ゴムなどの弾性伸縮部材を付加することにより幅方向に伸縮性を示すようにしたものである。そのうち、代表的の構造は、特許文献1に示されているように、単にウエスト部分のみならず、吸収体の端部が設けられている腰下部にも弾性伸縮部材を設けて、着用者からのずれ落ち又は所要のフィット性を担保したものである。
他方、他の構造例としては、特許文献2、3などがある。
特許第4198313号公報 特表2006−525857号公報 特開2008−245884号公報
しかし、特許文献1〜3のタイプのパンツタイプおむつは、フィット性はウエスト部分のみならず、吸収体の端部に対応する位置においても(腰下部においても)、弾性伸縮部材を分散配置してあるので、着用者からのずれ落ち又は所要のフィット性を担保できるものの、その担保を図るための必要な伸長応力を、弾性伸縮部材の収縮力によって発現させようとすると、着用者には、特に腹側において圧迫感を与えがちであることが知見された。
そこで、本発明の主たる課題は、腹側への着用者への特に腹側における圧迫感を解消し、かつ、それにもかかわらず着用者からのずれ落ち又は所要のフィット性を図ることができるパンツタイプおむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前身頃と後身頃とが一体化され、装着者の胴を通すためのウエスト開口部及び脚を通すための左右一対の脚開口部がそれぞれ形成され、体液を吸収する吸収要素を有するパンツタイプおむつにおいて、
前記前身頃においては;前記ウエスト開口部始端から前記脚開口部の始端までの前後方向胴周り部のうち、少なくとも前記吸収要素と重なる前後方向の範囲の1/3以上の範囲に、かつ少なくとも前記吸収要素の幅方向全体を覆う位置に、
複数本の弾性伸縮部材が付加されるものではなく伸縮部材シート自体が少なくとも幅方向に伸縮性を示す第1伸縮性シートを前記吸収要素の裏面側に配置し、
前記後身頃においては;前記ウエスト開口部始端から前記脚開口部の始端までの前後方向胴周り部のうち、少なくとも前記吸収要素と重なる前後方向1/3以上の範囲に、かつ少なくとも前記吸収要素の幅方向全体を覆い両脇部に延在する位置に基材シートが位置しており、
前記基材シートに幅方向に沿いかつ前後方向に間隔を置いて複数本の弾性伸縮部材を付加することにより幅方向に伸縮性を示す第2伸縮性シートを前記吸収要素の裏面側に配置し、
前記第1伸縮性シート及び前記第2伸縮性シートを、製品の裏面側構成要素としたことを特徴とするパンツタイプおむつ。
(作用効果)
前掲の特許文献1〜3のパンツタイプおむつにおいては、ウエスト部分のみならず、吸収体の端部に対応する位置においても、弾性伸縮部材を分散配置してあるので、ずれ落ち防止効果が高くかつ所要のフィット性に発揮する。そして、各弾性伸縮部材の本数が多くかつ前後方向の間隔が小さいので、一本当たりの弾性伸縮部材の伸長応力としては比較的小さいものが使用され、結果として、着用者の肌への圧迫あるいは食い込みは少ない。
しかし、本発明者らは、着用者の腹側の感覚は、背側の感覚より敏感であるために、基材シートに幅方向に沿いかつ前後方向に間隔を置いて複数本の弾性伸縮部材、代表的は糸ゴムを付加することにより幅方向に伸縮性を示す伸縮性シート(以下、これを「糸ゴムシート」と称することがある。)を腹側に配置する限り、着用者は肌への圧迫感を解消することができ難く、また、弾性伸縮部材の肌への食い込みを解消し得ないことを知見した。
これに対し、本発明に従って、前身頃においては;ウエスト開口部始端から前記脚開口部の始端までの前後方向胴周り部のうち、少なくとも吸収要素と重なる前後方向の範囲の1/3以上の範囲に、かつ少なくとも前記吸収要素の幅方向全体を覆う位置に、複数本の弾性伸縮部材が付加されるものではなく伸縮部材シート自体が少なくとも幅方向に伸縮性を示す第1伸縮性シートを吸収要素の裏面側に配置すると、第1伸縮性シートの伸長応力が全体に均等に分散して作用するので、糸ゴムシートを使用する場合に比較して、肌にとっては圧迫感が小さいものとなる。そして、肌が敏感な幼児であっても、弾性伸縮部材の肌への食い込みを解消できる。
しかるに、腹側において第1伸縮性シートを配置することによる前掲の利点があるならば、背側においても同様のシートを配置することが考えられる。しかし、背側においても第1伸縮性シートと同様のシートを配置すると、第1伸縮性シートは、いわゆる糸ゴムシートと比較して、伸び性(伸長倍率の上限で代表的に示すことができる。)が悪く、そのために、着用者がしゃがむ姿勢などを取ったときなどにおいて、かえって圧迫感を感じさせる要因となることを知見した。また、第1伸縮性シートは伸縮に対する追従性が良好ではないために、不意の部分的な力の作用による歪みを残留させる傾向があり、ずれ落ちの要因を招き易い。
これに対し、本発明によれば、第2伸縮性シートを使用しているので、背側における圧迫感を軽減又は解消し、ずれ落ち防止効果が高い。
さらに、腹側及び背側の両者に、たとえば伸縮性を発揮させるために繊維密度を高めた第1伸縮性シートを配置すると、通気性を悪化させるのでムレが生じ易い。これに対し、本発明においては、背側には第2伸縮性シートを使用するので、ムレ防止効果が高い。
<請求項2記載の発明>
前記第1伸縮性シートの伸長応力より、前記第2伸縮性シートの伸長応力が大きい請求項1記載のパンツタイプおむつ。
(作用効果)
第1伸縮性シートの伸長応力より、第2伸縮性シートの伸長応力が大きくすると、ずり落ち防止を図りながら、腹側への圧迫感を軽減できる。
<請求項3記載の発明>
前記第1伸縮性シートと前記第2伸縮性シートとの上下方向位置が少なくとも一部において重なっている請求項1または2記載のパンツタイプおむつ。
(作用効果)
腹側と背側との共通の胴周り帯域に沿って伸縮力が作用すると、共通でない場合に比較して、ずれ落ち防止効果が高い。
<請求項4記載の発明>
前後方向に関し;前記第2伸縮性シートの基材シート自体又はこれと連結される他の第2副シートが、股間部又は前身頃に延在し、前記第1伸縮性シートと連結され、
横方向に関し;前記第2伸縮性シートの基材シート自体又はこれと連結される他の第2副シートの両側部が、前記第1伸縮性シートと連結されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
(作用効果)
第1伸縮性シートと第2伸縮性シートとは、通常は、その形態からして、個別に形成しておくことが望ましく、生産ラインで両者を連結するのが好ましい。この場合、第1伸縮性シートはムレ防止やコスト低減などの観点から小面積とするのが望ましい。そこで、第2伸縮性シートの基材シート自体又はこれと連結される他の第2副シートを、股下部又は前身頃に延在させ、第1伸縮性シートと連結する形態が好適である。
そして、必要により 前後方向に関し第2副シートを、横方向に関し第1副シートを中間的に介在させることができる。
<請求項5記載の発明>
透液性トップシートと不透液性トップシートとこれらの間に介在される前記吸収要素とを有する内装要素が、前記第1伸縮性シート及び前記第2伸縮性シートの内面側に設けられている請求項4記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
<請求項6記載の発明>
前後方向に関し;前記第2伸縮性シートの基材シート自体又はこれと連結される他の第2副シートが、前記第1伸縮性シートと離間し、
横方向に関し;前記第1伸縮性シートの基材シート自体又はこれと連結される他の第1副シートの両側部が、前記第1伸縮性シートと連結され、
透液性トップシートと不透液性トップシートとこれらの間に介在される前記吸収要素とを有する内装要素の前後端部が、前記第1伸縮性シート及び前記第2伸縮性シートの内面側に設けられて固定され、
前記内装要素を介して前記第1伸縮性シートと前記第2伸縮性シートとが前後方向に連なっている請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
(作用効果)
基材シート自体又はこれと連結される他の第2副シートを介して前後方向に連なる形態の請求項4記載の発明に対して、内装要素を介して第1伸縮性シートと第2伸縮性シートとを前後方向に連結できる発明を提供できる。
<請求項7記載の発明>
前身頃と後身頃とが一体化され、装着者の胴を通すためのウエスト開口部及び脚を通すための左右一対の脚開口部がそれぞれ形成され、体液を吸収する吸収要素を有するパンツタイプおむつにおいて、
前記前身頃においては;前記ウエスト開口部始端から前記脚開口部の始端までの前後方向胴周り部のうち、少なくとも前後方向の範囲の1/3以上の範囲に、かつ少なくとも幅方向中央を跨いで左右に延在し、
複数本の弾性伸縮部材が付加されるものではなく伸縮部材シート自体が少なくとも幅方向に伸縮性を示す第1伸縮性シートを前記吸収要素の裏面側に配置し、
前記後身頃においては;前記ウエスト開口部始端から前記脚開口部の始端までの前後方向胴周り部のうち、少なくとも前後方向の範囲の1/3以上の範囲に、かつ少なくとも幅方向中央を跨いで左右に延在する位置に基材シートが位置しており、
前記基材シートに幅方向に沿いかつ前後方向に間隔をおいて複数本の弾性伸縮部材を付加することにより幅方向に伸縮性を示す第2伸縮性シートを前記吸収要素の裏面側に配置し、
前記第1伸縮性シート及び前記第2伸縮性シートを、製品の裏面側構成要素としたことを特徴とするパンツタイプおむつ。
(作用効果)
この態様においても、ずれ落ち防止効果が高くかつ所要のフィット性に発揮する利点と、着用者の肌への圧迫あるいは食い込みが少ない利点との相反する傾向のある利点を同時に達成できるものである。
本発明によれば、要すれば、ずれ落ち防止効果が高くかつ所要のフィット性に発揮する利点と、着用者の肌への圧迫あるいは食い込みが少ない利点との相反する傾向のある利点を同時に達成できる。
パンツタイプおむつの内面(使用面)側を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプおむつの外面側を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツタイプおむつの斜視図である。 図1に対応する説明用平面図である。 他の例を示し(a)は要部平面図、(b)は要部縦断面図である。 さらに別の例を示す内面側平面図である。 第3の例を示す外面側平面図である。 第4の例を示す内面側平面図である。 第2伸縮性シートの他の配置形態のおむつを展開した状態における平面図である。 (a)〜(c)はおむつを展開した状態における配置関係の説明用の平面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図6は、パンツタイプおむつDyの一例を示している。このパンツタイプおむつDyは、製品外面(裏面)側に配置された裏面側構成要素10と、裏面側構成要素の内面に貼り付けられた内面側要素としての内装要素100とから構成されているものである。内装要素100は、尿等の排泄物等を吸収し保持する部分であり、裏面側構成要素10は、裏面側にあって主に着用者に装着する機能を発揮する部分である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。なお、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつDyの装着状態、すなわちおむつDyの前身頃と後身頃を重ね合わせるようにおむつDyを前後方向中央で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向を意味する。
(内装要素)
内装要素100は任意の形状を採ることができるが、図示の形態ではほぼ長方形である。内装要素100は、図3〜図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、不透液性バックシート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。吸収要素50は、前後方向中央の左右が括れた形状の吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装要素100の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装要素100の両側に設けられた、身体側に起立するバリヤーカフス60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
バリヤーカフス60を設ける場合、トップシート30の両側部は、不透液性バックシート11とバリヤーカフス60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、不透液性バックシート11及びバリヤーカフス60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(不透液性バックシート)
不透液性バックシート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。不透液性バックシート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、不透液性バックシート11として用いることができる。
不透液性バックシート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、不透液性バックシート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(バリヤーカフス)
本発明においてバリヤーカフス60を設けることを必須ではないが、内装要素100の両側部に沿って前後方向全体にわたり帯状に延在し、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態のバリヤーカフス60は、図3が参照されるように、内装要素100の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、バリヤーカフス60は、内装要素100の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のバリヤーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返しシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸張状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。バリヤーカフス60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装要素100の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66のうち前後方向両端部は、図4が参照されるように、取付部分65から内装要素100の側部を通りトップシート30の側部表面まで延在し、且つこのトップシート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67で固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる。突出部分のうち前後方向中間部は非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸張状態で固定されている。
バリヤーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたバリヤーシートの間に防水フィルムを介在させることもできる。
バリヤーカフス60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
バリヤーカフス60の取付部分65の固定対象は、内装要素100におけるトップシート30、不透液性バックシート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成されたバリヤーカフス60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装要素100の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍においてバリヤーカフス60が幅方向外側に開くように起立するため、バリヤーカフス60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
バリヤーカフス60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、バリヤーカフス60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、バリヤーカフス60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装要素100の左右各側においてバリヤーカフスを二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。吸収体56は、前記可撓性を示す各シートに対し、通常はそれより剛性のある半剛性を示す。
繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体とバリヤーカフス60の、脚回りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装要素の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(本発明の裏面側構成要素の具体例)
さて、本発明は、パンツタイプおむつDyの裏面側にあって主に着用者に装着する機能を発揮する部分としての裏面側構成要素10に係るものであり、内装要素100との位置関係も重要である。以下、いくつかの本発明の具体例について説明する。
図1〜図6の例において、裏面側構成要素10は、股間部Lから腹側に延在する前身頃Fと、股間部Lから背側に延在する後身頃Bとを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが超音波熱シールなどによって接合されて、前身頃Fと後身頃Bとが一体化され、図6に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12は接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。この例では、前身頃Fと後身頃Bとの一体化を、それらの側部相互をシール接合することにより行なっているが、後に実施の形態をもって説明するように、第1副シートを介して連結される態様も含むものである。そして、連結手段も超音波熱シールのほかメカニカルファスナーや金具などの連結手段を採用することもできる。
裏面側構成要素10は、図1及び図2を参照すると、ウエスト開口部WOから脚開口部LOの始端に至る前後方向範囲として定まる胴周り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向範囲として定まる股間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的に着用者のウエスト相当位置に対応する「ウエスト部」Wと、それより下方の「胴周り下部」Uとに分けることができる。これらの前後方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15〜40mm、胴周り下部Uは65〜120mmとすることができる。
一方、股間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うように括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。そのために実施の形態では、裏面側構成要素10が全体としては略砂時計形状をなしている。裏面側構成要素10の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図6に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装要素100の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装要素100の幅以上となるように定めてもよい。
さて、本発明における裏面側構成要素10の第1の実施の形態では、前身頃Fにおいては;前記ウエスト開口部WO始端から前記脚開口部LOの始端までの前後方向胴周り部Tのうち、少なくとも吸収要素50と重なる前後方向の範囲の1/3以上の範囲(図1に示される第1の実施の形態では、約3/5程度の範囲)に、かつ少なくとも前記吸収要素50の幅方向全体を覆う位置(図1に示される第1の実施の形態では、吸収要素50の幅方向全体を覆いかつ製品の幅方向全体に延在する位置)に、糸ゴムなどの複数本の弾性伸縮部材が付加されるものではなく伸縮部材シート自体が少なくとも幅方向に伸縮性を示す(必要により前後方向にも伸縮性をもたせることができる。)第1伸縮性シート21を前記吸収要素50の裏面側に配置したものである。
これに対し、後身頃Bにおいては;前記ウエスト開口部WO始端から前記脚開口部LOの始端までの前後方向胴周り部Tのうち、少なくとも吸収要素50と重なる前後方向の範囲の1/3以上の範囲(図1に示される第1の実施の形態では、吸収要素50と重なる前後方向全体の範囲を占め、かつ一端は前記ウエスト開口部WO始端に延在し、他端は股間部Lまで長く延在し、第1伸縮性シート21との接合まで延在する範囲)に、かつ少なくとも前記吸収要素50の幅方向全体を覆い両脇部に延在する位置(図1に示される第1の実施の形態では、吸収要素50の幅方向全体を覆いかつ製品の幅方向全体に延在する位置)に基材シート22Aが位置しており、この基材シート22Aに幅方向に沿いかつ前後方向に間隔をおいて複数本の弾性伸縮部材を付加することにより幅方向に伸縮性を示す第2伸縮性シート22を前記吸収要素50の裏面側に配置したものである。ここに「脇部」とは、吸収要素50より外方に位置し、着用者の側部に対応する部位を意味する。
実施の形態の裏面側構成要素10の第2伸縮性シート22は、図3〜図5に示されるように、内外二枚のシート基材22Ai,22Aoをホットメルト接着剤等の接着剤により貼り合わせて形成されており、内側に位置する内側シート基材22Aiはウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側シート基材22Aoは内側シート基材22Aiのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装要素100のウエスト部上までを被覆するように延在されている。
シート基材22Ao,22Aiとしては、シート基材であれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
また、裏面側構成要素10を通して後述する印刷シート25のデザインを製品外面から良好に視認できるように、裏面側構成要素10の総目付けは20〜60g/m2程度であるのが好ましく、裏面側構成要素10のJIS K 7105に規定される全光線透過率が40%以上、特に50%以上となっているのが好ましい。
そして、裏面側構成要素10には、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シート基材22Ao,22Ai間に糸ゴム等の細長状の胴周り下部弾性伸縮部材15、股間部弾性伸縮部材16及びウエスト部弾性伸縮部材17が所定の伸長率で設けられている。
ここに「伸長率」とは弾性伸縮部材とは、自然状態での長さを(a)、その長さ方向に最大伸長させた長さを(b)とし、(b)に対する(a)の割合 ((b)/(a))×100で示される値を意味する。胴周り下部弾性伸縮部材15、股間部弾性伸縮部材16及びウエスト部弾性伸縮部材17の伸長率は、180〜350%が望ましく、より好ましくは200〜240%である。
弾性伸縮部材の伸張応力は、150%伸長時に4〜17gが好ましい。ここで言う伸張応力とは、弾性伸縮部材1本について、引張試験機にチャック間距離が80mm、荷重が0gfとなるように固定し、500mm/minの引張りスピードで160mm(200%)まで伸長させた後元の長さ80mmまで戻す過程での所要の伸長時、戻り時の荷重を意味する。
弾性伸縮部材が裏面側構成要素のシート基材22Ao、22Aiの間に貼付けられた状態での伸長率とは、製品幅方向の自然状態の長さを(a)、製品を幅方向の最大の長さまで伸長させた時の最大伸長時の長さをb)とし、(b)に対する(a)の割合 ((b)/(a))×100で示される値を意味する。伸長率は、160〜330%が望ましく、より好ましくは180〜230%である。また伸張応力は、150%伸長時、及び戻り時の伸張応力が、0.8〜2.5N/40mmが好ましい。ここで言う伸張応力とは、製品において、第2伸縮シートを伸縮する方向に100〜120mm、伸縮する方向と直行する方向に40mmの長さで切り取った試験片を引張試験機にチャック間距離が80mm、荷重が0gfとなるように固定し、500mm/minの引張りスピードで160mm(200%)まで伸長させた後元の長さ80mmまで戻す過程での所要の伸長時、戻り時の荷重 を意味する。
第1伸縮シートの伸長率とは、製品幅方向の自然状態の長さを(a)、製品を幅方向の最大の長さまで伸長させた時の最大伸長時の長さを(b)とし、(b)に対する(a)の割合 ((b)/(a))×100で示される値を意味する。第1伸縮シートの伸長率は、130〜250%、好ましくは150〜240%である。
また第1伸縮シートの伸張応力は、150%伸長時、及び戻り時の伸張応力が、0.5〜2N/幅40mmが好ましい。ここで言う伸張応力とは、製品において、第1伸縮シートを伸縮する方向に100〜120mm、伸縮する方向と直行する方向に40mmの長さで切り 取った試験片を引張試験機にチャック間距離が80mm、荷重が0gfとなるように固定し、500mm/minの引張りスピードで160mm(200%)まで伸長させた後元の長さ80mmまで戻す過程での所要の伸長時、戻り時の荷重を意味する。
弾性伸縮部材15,16,17としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。裏面側構成要素10の両シート基材22Ao,22Aiの貼り合せや、その間に挟まれる弾性伸縮部材15,16,17の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。裏面側構成要素10全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、細長状弾性伸縮部材15,16,17の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
より詳細には、後身頃Bのウエスト端部(上端部)Wにおける内側シート基材22Aiの内側面と外側シート基材22Aoの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。また、ウエスト部弾性伸縮部材17のうち、胴周り下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、吸収要素50と重なっていてもよいし、吸収要素50の幅方向中央部には重ならず、その側外方にそれぞれ設けてもよい。後者の場合、内装要素100と重なっておいてもあるいは重ならなくともよい。このウエスト部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、後身頃Bの胴周り下部Uにおける内側シート基材22Aiの外側面と外側シート基材22Aoの内側面との間には、吸収要素50の幅方向中央部を除いて、幅方向両側の各部位に、複数の胴周り下部弾性伸縮部材15が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
胴回り下部弾性伸縮部材15としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
第1の実施の形態では、後身頃Bの胴回り下部弾性伸縮部材15が、吸収要素50の幅方向のほぼ全体において存在しない、あるいは、製造時点で切断又は細かく分断されて伸縮性を発揮しないように形成されているが、必要ならば吸収要素50を横断して連続する(たとえばウエスト部弾性伸縮部材17と同様に幅方向全体に連続する)ものであってもよい。
また、後身頃Bから前身頃Fの一部にかかる股間部Lにおける内側シート基材22Aiの外側面と外側シート基材22Aoの内側面との間には、吸収要素50の幅方向中央部を除いて、その幅方向両側外方の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数本の股間部弾性伸縮部材16が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
股間部Lの股間部弾性伸縮部材16としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、胴回り下部U及び股間部Lの細長状弾性伸縮部材15,16が、吸収要素50の幅方向中央部を除いてその幅方向両側外方にそれぞれ設けられていると、吸収要素50が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがないため好ましい。この形態には、吸収要素50の幅方向中央部を除いてその幅方向両側外方にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、吸収要素50又は内装要素100を横切ってその製品の幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、吸収要素50又は内装要素100と重なる幅方向中央部では当該弾性伸縮部材が切断され、伸縮力が作用しない(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)ように構成されている形態も含まれる。もちろん弾性伸縮部材15,16,17の配設形態は上記例に限るものではなく、胴回り下部Uの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,16の一部または全部が、吸収要素50又は内装要素100を横切って製品の幅方向一方側から他方側まで延在する形態とすることもできる。
また、弾性伸縮部材15,16,17が後述する印刷シート25を横切る場合において、弾性伸縮部材15,16,17として酸化チタンを含有するゴムを用いる場合には、酸化チタンの含有量が低い(例えば2%以下の)ものあるいは酸化チタンを含有しないものを用いるのが好ましい。
(第1伸縮性シートについて)
本発明の第1伸縮性シート21は、糸ゴムなどの複数本の弾性伸縮部材が付加されるものではなく伸縮部材シート自体が少なくとも幅方向に伸縮性を示すものである。前述のように、必要により前後方向にも伸縮性をもたせることができる。
しかし、本発明における第1伸縮性シート21は、伸縮部材シート自体が少なくとも幅方向に伸縮性を示すものである限り、たとえば、図1に示すように、ウエスト部Wに糸ゴムなどの弾性伸縮部材18を適宜本数設けることができることに注意されたい。
この第1伸縮性シートは、たとえば特開2008−156785号公報に記載のように、不織布を一対のギヤの間を通す過程で延伸する、いわゆる「ギヤ延伸」加工法を利用して製造する方法、特開2001−200460号公報の請求項4に記載のように、第1ウェブと第2ウェブとを間欠的に接合し、伸長加工及び収縮加工を行なうことにより製造する方法、特開2006−27089号公報のように、中間の弾性伸縮シートの表裏に表面シート材及び裏面シート材を、少なくとも伸長方向に繰り返し凸条の隆起部が形成されるように間欠的に接合することにより製造する方法などにより得ることができる。特開2006−27089号公報例の伸縮性シートは、中間に弾性伸縮シートが設けられるが、本発明でいう「複数本の弾性伸縮部材が付加されるものではなく伸縮部材シート自体が幅方向に伸縮性を示す」の定義に該当しないことは判るであろう。
(第1伸縮性シートの前後方向配置について)
本発明の第1伸縮性シートは、前身頃Fに配置される。そして、ウエスト開口部WO始端から前記脚開口部LOの始端までの前後方向胴周り部Tのうち、少なくとも吸収要素50と重なる前後方向の範囲(図7のRf範囲)の1/3以上の範囲に、好適には1/2以上の範囲に、かつ少なくとも前記吸収要素50の幅方向全体を覆う位置に配置することが必要である。
内装要素100の吸収要素50の前後方向両端部は、股間部Lから前後胴周り部T,Tに延在し、その延在部において、吸収要素50を裏面側から内面側(使用面側)に押し付けて着用者にフィットさせることが、ずれ落ち防止及び過度の圧迫感を与えないために必要である。
したがって、本発明においては、前身頃Fの胴周り部Tのうち、少なくとも吸収要素50と重なる前後方向の範囲(図7のRf範囲)の1/3以上の範囲に、好適には1/2以上の範囲に第1伸縮性シート21が配置されている。なお、図7においては、胴周り下部弾性伸縮部材15及び股間部弾性伸縮部材16の図示を一部省略してある。
既述の第1実施の形態では、図1及び図7に典型的に図示されているように、第1伸縮性シート21は、吸収要素50と重なる前後方向の範囲(図7のRf範囲)の1/3以上の範囲を覆うほか、ウエスト開口部WO始端まで延在し、しかも、股間部Lの一部にも延在している。
本発明の上記の前後方向の条件を満足する限り、第1伸縮性シート21がウエスト開口部WO始端まで延在することを条件とはされず、たとえば図8のように、ウエスト開口部WO始端側には、別の第1付加シート21Sを設けて、第1伸縮性シート21と連結、たとえばヒートシール接合により連結する形態でもよい。
他方、第1伸縮性シート21は幅方向全体に亘る必要はなく、前述のように、少なくとも吸収要素50の幅方向全体を覆う位置に設ければよい。たとえば、図12に示すように、前身頃Fにおいて、幅方向中間に第1伸縮性シート21を配置し、両側に第2伸縮性シート22と同様のサイドシート(基材シートに幅方向に沿いかつ前後方向に間隔をおいて複数本の弾性伸縮部材を付加することにより幅方向に伸縮性を示す)22S、22Sを設け、これらを超音波熱シールなどの接合部Zによって連結することができる。図12における右方のサイドシート22Sにおいては、弾性伸縮部材の図示を省略してある。また、サイドシート22S、22Sが伸縮性を示さなくともよい。
図12に示すように、第1伸縮性シート21は、その吸収要素50の側縁から延在するのが望ましく、その延在長P1としては、吸収要素50の側縁から接合部分12までの長さP2に対し、P1/P2が1/3以上、特に1/2以上であるのが望ましい。
図12の例においては、第1伸縮性シート21が、前後方向胴周り部Tのうち、吸収要素50と重なる前後方向の範囲(Rf範囲)を越えてウエスト開口部WO側に延在しており、その第1伸縮性シート21がウエスト開口部WOを形成するようにしてもよいが、図示例のように、第2伸縮性シート22と同様のエンドシート(基材シートに幅方向に沿いかつ前後方向に間隔をおいて複数本の弾性伸縮部材を付加することにより幅方向に伸縮性を示す)22Eを設け、これらを超音波熱シールなどの接合部Zによって連結することができる。
このように、第1伸縮性シート21とウエスト開口部WOとの間は複数本の弾性伸縮部材を使用したシートによってウエスト伸縮部を設けるのが望ましい態様であり、第1伸縮性シート21はウエスト開口部WOから離間距離Q1を保持するのが望ましい。この離間距離Q1としては25mm以上である。
他方、第1伸縮性シート21は、前後方向胴周り部Tのうち、少吸収要素50と重なる前後方向の範囲の1/3以上の範囲をカバーする限り、脚開口部LOの始端まで延在しなくともよいが、脚開口部LOの始端から延在長Q2をもって延在するのが望ましい。延在長Q2としては5mm以上であるのが、股間部Lのシート22の側縁部がペラペラするのを防止する上で望ましい。
(第1伸縮性シートの前後方向配置について)
本発明における第1伸縮性シートにおいては、後身頃Bの胴周り部Tのうち、少なくとも吸収要素50と重なる前後方向の範囲(図7のRb範囲)の1/3以上の範囲に、好適には1/2以上の範囲に第1伸縮性シート21が配置されている。既述の第1実施の形態では、図1及び図7に典型的に図示されているように、第1伸縮性シート21は、吸収要素50と重なる前後方向の範囲(図7のRb範囲)の1/3以上の範囲を覆うほか、ウエスト開口部WO始端まで延在し、しかも、股間部Lの一部にも延在している。そして、第1伸縮性シート21の他端部は股間部を前身頃F側に延在し、第1伸縮性シート21と、たとえばヒートシール接合により連結されている。
本発明の上記の前後方向の条件を満足する限り、第1伸縮性シート21と同様に、第2伸縮性シート22の基材シート22Ao及び又は22Aiウエスト開口部WO始端まで延在することを条件とはされず、図示しないが、ウエスト開口部WO始端側には、別の第2付加シートを設けて、第2伸縮性シート22と連結、たとえばヒートシール接合により連結する形態でもよい。
(第1伸縮性シート及び第2伸縮性シートの横方向の配置について)
第1伸縮性シート21及び第2伸縮性シート22の基材シート22Ao及び又は22Aiのそれぞれは、少なくとも吸収要素50の幅方向全体(図8の符合Pで示す範囲)を覆う位置に位置している。
第1の実施の形態においては、第1伸縮性シート21が前身頃Fの両側縁、第2伸縮性シート22の基材シートが後身頃Bの両側縁に延在し、伸縮力を吸収要素50の着用者の肌への密着力として作用させている。
この形態に対し、図9に示すように、第2伸縮性シート22の基材シートと、他の第2副シート22B,22Bを連結し、その第2副シート22B,22B端部が、第1伸縮性シート21とたとえばヒートシール接合により連結することもできる。
この場合、第1伸縮性シート1の両側に副シートを連結することも可能であるが、ムレ防止の観点が好ましい態様ではない。
(第1伸縮性シートと第2伸縮性シートの前後方向の連結について)
図10に示すように、第2伸縮性シート22の基材シート22Ao及び又は22Aiに対して、他の第2副シート22Cをたとえばヒートシール接合により連結し、この第2副シート22Cに第1伸縮性シート21をたとえばヒートシール接合により連結することもできる。
(裏面側構成要素の前後方向分割構造)
第1の実施の形態及び図10の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な裏面側構成要素10により連続的に覆っている。これに対し、図11に示すように、裏面側構成要素10が、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側の裏面側構成要素(すなわち第1伸縮性シート21)と背側を覆う背側の裏面側構成要素(すなわち第2伸縮性シート22)とに分割されており、第1伸縮性シート21の幅方向中央部内面に内装要素100の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、第2伸縮性シート22の幅方向中央部内面に内装要素100の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、第1伸縮性シート21と第2伸縮性シート22とが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。
(吸収要素との重なりのない形態)
上記各例は、図13(a)に概要と示したように、第1シート21及び第2シート22のそれぞれが吸収要素50と重なる形態である。
しかし、大人用などの場合には、体液の排出部位とウエスト位置とが大きく離れるので、第1シート21及び第2シート22のそれぞれが吸収要素50と重ならなくともよい。たとえば、(b)に示すように、第1シート21は、吸収要素50と離れていてもよい。さらに、(c)に示すように、第1シート21及び第2シート22のそれぞれが吸収要素50と重ならなくともよい。
ただし、第1シート21及び第2シート22のそれぞれは、前後方向胴周り部Tのうち、少なくとも前後方向の範囲の1/3以上の範囲に設けて、胴周り部Tに伸縮性を付与することは必要である。
さらに、第1シート21及び第2シート22のそれぞれは、製品の幅方向中央を跨いで左右に延在する必要がある。そして、(b)又は(c)の態様であっても、吸収要素50の左右側縁を越えた位置まで延在することが望ましい。
(後処理テープ)
裏面側構成要素10の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつDyをトップシート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が裏面側構成要素10の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
廃棄時には、おむつDyをトップシート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70の折り重なり部分を剥離して展ばし、丸めた若しくは折り畳んだおむつDyの後身頃Bからウエスト開口部WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして接着剤により固定する。後処理テープ70は、不使用時にはコンパクトに折り畳まれ、使用時には長尺状に展開できる三つ折り形状のものが特に好適である。
後処理テープ70等の固定手段は、前身頃Fに設けてもよく、後身頃Bと前身頃Fの両方に設けてもよい。
(印刷シート)
不透液性バックシート11と裏面側構成要素10との間(裏面側構成要素10の層間を含む)には、印刷によりデザインの施された印刷シート25が必要により設けられている。裏面側構成要素10を省略し、印刷シート25が外面に露出する形態とすることもできる。また、図示例の印刷シート25は、それが配置される身頃よりも小さい面積を有しており、前身頃F及び後身頃Bに個別に設けられているが、前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで一体的に連続するように設けることもできる。
印刷シート25の寸法・形状は特に限定されないが、機能を十分なものとするためには十分に面積を大きくするのが好ましく、例えば、印刷シート25の幅は吸収体56の幅の50〜120%程度であるのが好ましく、印刷シート25の長さは少なくとも腹側及び背側の片側で物品全長Yの15〜30%程度であるのが好ましい。また、印刷シート25の形状はトリムロスが発生しない点では図示例のような矩形であるのが好ましいが、円形や楕円形、三角形、六角形等の幾何学形状、若しくはデザインの周囲に沿う形状にカットしても良い。
印刷シート25のシート基材としては、プラスチックフィルムや不織布、紙などを用いることができるが、嵩高く通気性の高い素材が好ましい。プラスチックフィルムを用いる場合は、ムレ防止のため透湿性を有することが望ましい。不織布や紙は透湿性を有するため好ましく、デザイン印刷を施す場合、不織布にあっては平滑性が高く印刷しやすいもの、紙にあっては強度が高くインクの滲み難いものを用いるのが好ましい。特に好ましいものとしては、目付け15〜35g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度のクレープ紙(薄葉紙)や、目付け10〜25g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度の不織布(特にスパンボンド部の繊度が1.0〜3.0dtex程度のスパンボンド不織布やSMS不織布)を挙げることができる。クレープ紙を用いる場合は、クレープ率は5〜20%程度、特に5〜15%程度のものを用いるのが好ましい。クレープ率が20%以上であると、インクの定着量は大きくなるが滲みが生じてデザイン印刷には適さない。クレープ率が5%以下であるとインクが浸透しにくいため定着量が少ない。
本発明は、上記例のようなパンツタイプおむつに利用できるものである。
Dy…パンツタイプおむつ、10…裏面側構成要素、100…内装要素、11…不透液性バックシート、12…接合部分、15,16,17…弾性伸縮部材、21…第1伸縮性シート、22…第2伸縮性シート、22Ao…基材シート、22Ai…基材シート、22S…サイドシート、22E…エンドシート、25…印刷シート、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部バリヤーカフス、62…バリヤーシート、WO…ウエスト開口部、LO…脚開口部、W…ウエスト部、U…胴周り下部、T…胴周り部、L…股間部。

Claims (7)

  1. 前身頃と後身頃とが一体化され、装着者の胴を通すためのウエスト開口部及び脚を通すための左右一対の脚開口部がそれぞれ形成され、体液を吸収する吸収要素を有するパンツタイプおむつにおいて、
    前記前身頃においては;前記ウエスト開口部始端から前記脚開口部の始端までの前後方向胴周り部のうち、少なくとも前記吸収要素と重なる前後方向の範囲の1/3以上の範囲に、かつ少なくとも前記吸収要素の幅方向全体を覆う位置に、
    複数本の弾性伸縮部材が付加されるものではなく伸縮部材シート自体が少なくとも幅方向に伸縮性を示す第1伸縮性シートを前記吸収要素の裏面側に配置し、
    前記後身頃においては;前記ウエスト開口部始端から前記脚開口部の始端までの前後方向胴周り部のうち、少なくとも前記吸収要素と重なる前後方向1/3以上の範囲に、かつ少なくとも前記吸収要素の幅方向全体を覆い両脇部に延在する位置に基材シートが位置しており、
    前記基材シートに幅方向に沿いかつ前後方向に間隔をおいて複数本の弾性伸縮部材を付加することにより幅方向に伸縮性を示す第2伸縮性シートを前記吸収要素の裏面側に配置し、
    前記第1伸縮性シート及び前記第2伸縮性シートを、製品の裏面側構成要素としたことを特徴とするパンツタイプおむつ。
  2. 前記第1伸縮性シートの伸長応力より、前記第2伸縮性シートの伸長応力が大きい請求項1記載のパンツタイプおむつ。
  3. 前記第1伸縮性シートと前記第2伸縮性シートとの上下方向位置が少なくとも一部において重なっている請求項1または2記載のパンツタイプおむつ。
  4. 前後方向に関し;前記第2伸縮性シートの基材シート自体又はこれと連結される他の第2副シートが、股間部又は前身頃に延在し、前記第1伸縮性シートと連結され、
    横方向に関し;前記第2伸縮性シートの基材シート自体又はこれと連結される他の第2副シートの両側部が、前記第1伸縮性シートと連結されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  5. 透液性トップシートと不透液性トップシートとこれらの間に介在される前記吸収要素とを有する内装要素が、前記第1伸縮性シート及び前記第2伸縮性シートの内面側に設けられている請求項4記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  6. 前後方向に関し;前記第2伸縮性シートの基材シート自体又はこれと連結される他の第2副シートが、前記第1伸縮性シートと離間し、
    横方向に関し;前記第1伸縮性シートの基材シート自体又はこれと連結される他の第1副シートの両側部が、前記第1伸縮性シートと連結され、
    透液性トップシートと不透液性トップシートとこれらの間に介在される前記吸収要素とを有する内装要素の前後端部が、前記第1伸縮性シート及び前記第2伸縮性シートの内面側に設けられて固定され、
    前記内装要素を介して前記第1伸縮性シートと前記第2伸縮性シートとが前後方向に連なっている請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツ型使い捨て紙おむつ。
  7. 前身頃と後身頃とが一体化され、装着者の胴を通すためのウエスト開口部及び脚を通すための左右一対の脚開口部がそれぞれ形成され、体液を吸収する吸収要素を有するパンツタイプおむつにおいて、
    前記前身頃においては;前記ウエスト開口部始端から前記脚開口部の始端までの前後方向胴周り部のうち、少なくとも前後方向の範囲の1/3以上の範囲に、かつ少なくとも幅方向中央を跨いで左右に延在し、
    複数本の弾性伸縮部材が付加されるものではなく伸縮部材シート自体が少なくとも幅方向に伸縮性を示す第1伸縮性シートを前記吸収要素の裏面側に配置し、
    前記後身頃においては;前記ウエスト開口部始端から前記脚開口部の始端までの前後方向胴周り部のうち、少なくとも前後方向の範囲の1/3以上の範囲に、かつ少なくとも幅方向中央を跨いで左右に延在する位置に基材シートが位置しており、◇
    前記基材シートに幅方向に沿いかつ前後方向に間隔をおいて複数本の弾性伸縮部材を付加することにより幅方向に伸縮性を示す第2伸縮性シートを前記吸収要素の裏面側に配置し、
    前記第1伸縮性シート及び前記第2伸縮性シートを、製品の裏面側構成要素としたことを特徴とするパンツタイプおむつ。
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