JP5329295B2 - アウター付使い捨ておむつ - Google Patents
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そこで、本発明の主たる課題は、使用者の所望によりスカート付にもスカート無しにもできる、アウター付使い捨ておむつを提供することにある。
<請求項1記載の発明>
前後方向中央よりも前側に延在する腹側部分と、前後方向中央よりも後側に延在する背側部分とを有するとともに、身体側表面を形成する透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体とを有する本体部と、
この本体部の外面を前記腹側部分から背側部分にかけて一体的に被覆するアウターシートを備えた、アウター付使い捨ておむつであって、
前記アウターシートは、前後のウエスト側端部に本体部と固定されたウエスト固定部を有するとともに、股間部にその前後両側を切り離して前スカート部及び後スカート部を形成するための前後分離用ミシン目を有している、
ことを特徴とするアウター付使い捨ておむつ。
このように、前後分離用ミシン目の切り離しにより前スカート部及び後スカート部が形成され、スカート付の外観となる構造を採用することによって、おむつをアウターとして使用する場合等のように使用者がスカート付の外観を望む場合にのみ、スカート付の外観を得ることができ、おむつをインナーとして使用する場合等のように使用者がスカート無しの外観を望む場合には前後分離用ミシン目を切り離さずに、アウターシートが腹側部分から股間部をとおり背側部分まで連続する状態を維持することで、スカート無しの外観で使用することができる。
前記アウターシートにおける股間部の幅方向中央部に、前記本体部と剥離可能に仮止めされた股間仮止め部が設けられている、請求項1記載のアウター付使い捨ておむつ。
アウターシートの股間部は、本体部に対して自由に移動できても良いが、スカート無しで使用する場合に、アウターシートが移動して邪魔になるおそれがあるため、上述のように本体部に対して剥離可能に仮止めし、スカート付の外観に変更する場合に、仮止め部を剥がして前後スカート部を形成するのが好ましい。
前記アウターシートは、その股間部の幅方向中央部に、前記本体部と固定された股間固定部を有するとともに、この股間固定部を周囲から切り離すための固定部切離用ミシン目を有している、請求項1記載のアウター付使い捨ておむつ。
このようにアウターシートの股間部が固定されていると、アウターシートが移動して邪魔になることがない。スカート付の外観に変更する場合は、固定部切離用ミシン目によりアウターシートの股間固定部以外の部分を股間固定部から切り離し、前後スカート部を形成することができる。アウターシートの股間固定部は本体部に残される。
前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
前記アウターシートの股間部に、幅方向両側縁から前記吸収体の両側縁又はその近傍まで延在する一対の切り込み部が形成されるとともに、これら切り込み部の先端部を繋ぐように前記前後分離用ミシン目が形成されており、且つ
少なくとも各切り込み部と前記ウエスト固定部との間の領域が前記本体部に固定されていない又は剥離可能に仮止めされた非固定領域とされている、
請求項2記載のアウター付使い捨ておむつ。
アウターシートの股間部幅が吸収体の股間部幅よりも広いと、スカート付でない場合のアウターシートの外観がショートパンツに似た外観になり、インナーとして使用するには裾から側部に至る角部分が邪魔になる。これに対して、上述のような切り込み部および非固定領域を設けることにより、角部分を折り畳んで本体部との間に収納することにより、アウターシートの外観をブリーフのようにすることができ、インナーとして使用する場合に邪魔になり難く、しかもその状態から角部分を引き出し、さらに前後分離用ミシン目で前後スカート部に分割すればスカート付外観とすることができる。よって、例えばおむつの上に着用していた衣服のみを汚して着替えが無い場合にも対応できる。
前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
前記アウターシートにおける前記股間固定部に、股間弾性伸縮部材が幅方向に伸長した状態で固定され、この股間弾性伸縮部材の収縮力により、前記アウターシートの股間部の幅が縮小されている、
請求項3記載のアウター付使い捨ておむつ。
アウターシートの股間部幅が吸収体の股間部幅よりも広いと、スカート付でない場合のアウターシートの外観がショートパンツに似た外観になり、インナーとして使用するには股間部の側部部分が邪魔になる。これに対して、上述のようにアウターシートの股間部の幅を股間弾性伸縮部材を利用して縮小することにより、股間部の側部部分が邪魔になり難くなる。なお、この形態においてスカート付の外観にするために、単にアウターシートを前後に切り離すだけであると、前後スカート部の少なくとも一方に股間弾性伸縮部材が残り、スカートの外観が損なわれるおそれがあるが、上述のように、股間弾性伸縮部材を有する部分を周囲から切り離すことができると、そのような問題は解消される。
前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
前記アウターシートにおける少なくとも股間部に、前後方向に沿うプリーツが形成され、このプリーツにより前記アウターシートの股間部の幅が収縮されている、
請求項3記載のアウター付使い捨ておむつ。
アウターシートの股間部幅が吸収体の股間部幅よりも広いと、スカート付でない場合のアウターシートの外観がショートパンツに似た外観になり、インナーとして使用するには股間部の側部部分が邪魔になる。これに対して、上述のようにアウターシートの股間部の幅をプリーツ形成により縮小することによって、股間部の側部部分が邪魔になり難くなる。
前記背側部分の両側部にそれぞれ取り付けられたファスニングテープを有し、前記背側部分の両側部を前記腹側部分の両側部と重ねた状態で、前記背側部分の両ファスニングテープを前記腹側部分のアウターシートの外面にそれぞれ係止することによって装着する、アウター付使い捨ておむつであって、この装着状態で、前記前スカート部の両側部と後スカート部の両側部とが重なるように構成された、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアウター付使い捨ておむつ。
本発明のアウターシートは、スカート付外観とする場合に前スカート部及び後スカート部に分離されるため、スカートとしての周方向の連続性を求める場合、このようなアウター付使い捨ておむつの汎用構造を利用し、前スカート部の両側部と後スカート部の両側部とが重なるように構成するのが好ましい。
以下の説明において、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向(縦方向)」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側部分両側部と背側部分量側部を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
本体部100は、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部までを覆うように延在する部分であって、且つ身体側表面を形成する透液性表面シートと、外面側に位置する液不透過性シートとの間に吸収要素50が介在する部分である吸収性本体部10と、この吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分である腹側エンドフラップ部FE及び背側エンドフラップ部BEとを有している。
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
表面シート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
表面シート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、表面シート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、表面シート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する側部バリヤーカフス60、60を設けるのは好ましい。
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
図3及び図4に示されるように、ファスニングテープ130は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるファスニング基材130Cの基部がおむつに取り付けられており、おむつから突出する先端側部分に腹側に対する係止部として、メカニカルファスナーのフック材130Aが設けられている。フック材130Aはファスニング基材130Cに接着剤により剥離不能に接合されている。
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部FEであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部BEである。
図示形態では、両ファスニングテープ130間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ130の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ130の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の寸法差はあってもよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図8に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸張した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸張率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
本体部100の外面は、腹側部分Fから背側部分Bにかけて一体的なアウターシート200により被覆されている。アウターシート200の寸法・形状は適宜定めることができるが、全長は本体部100と同じで、本体部100の全幅の0.9〜2.0倍、特に1.2〜1.5倍の幅を有する略矩形状のシートが好適である。アウターシート200の素材としては外装シート12と同様のものを用いることができ、必要に応じて内面や外面に印刷等により模様等の着色を行うことができる。これに合わせて、ファスニングテープ130にも、内面や外面に印刷等により模様等の着色を行うと、装着時に外部に露出するファスニングテープ130の見栄えが良好となる。
Claims (7)
- 前後方向中央よりも前側に延在する腹側部分と、前後方向中央よりも後側に延在する背側部分とを有するとともに、身体側表面を形成する透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体とを有する本体部と、
この本体部の外面を前記腹側部分から背側部分にかけて一体的に被覆するアウターシートを備えた、アウター付使い捨ておむつであって、
前記アウターシートは、前後のウエスト側端部に本体部と固定されたウエスト固定部を有するとともに、股間部にその前後両側を切り離して前スカート部及び後スカート部を形成するための前後分離用ミシン目を有している、
ことを特徴とするアウター付使い捨ておむつ。 - 前記アウターシートにおける股間部の幅方向中央部に、前記本体部と剥離可能に仮止めされた股間仮止め部が設けられている、請求項1記載のアウター付使い捨ておむつ。
- 前記アウターシートは、その股間部の幅方向中央部に、前記本体部と固定された股間固定部を有するとともに、この股間固定部を周囲から切り離すための固定部切離用ミシン目を有している、請求項1記載のアウター付使い捨ておむつ。
- 前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
前記アウターシートの股間部に、幅方向両側縁から前記吸収体の両側縁又はその近傍まで延在する一対の切り込み部が形成されるとともに、これら切り込み部の先端部を繋ぐように前記前後分離用ミシン目が形成されており、且つ
少なくとも各切り込み部と前記ウエスト固定部との間の領域が前記本体部に固定されていない又は剥離可能に仮止めされた非固定領域とされている、
請求項2記載のアウター付使い捨ておむつ。 - 前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
前記アウターシートにおける前記股間固定部に、股間弾性伸縮部材が幅方向に伸長した状態で固定され、この股間弾性伸縮部材の収縮力により、前記アウターシートの股間部の幅が縮小されている、
請求項3記載のアウター付使い捨ておむつ。 - 前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
前記アウターシートにおける少なくとも股間部に、前後方向に沿うプリーツが形成され、このプリーツにより前記アウターシートの股間部の幅が収縮されている、
請求項3記載のアウター付使い捨ておむつ。 - 前記背側部分の両側部にそれぞれ取り付けられたファスニングテープを有し、前記背側部分の両側部を前記腹側部分の両側部と重ねた状態で、前記背側部分の両ファスニングテープを前記腹側部分のアウターシートの外面にそれぞれ係止することによって装着する、アウター付使い捨ておむつであって、この装着状態で、前記前スカート部の両側部と後スカート部の両側部とが重なるように構成された、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアウター付使い捨ておむつ。
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