JP5329295B2 - アウター付使い捨ておむつ - Google Patents

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本発明は、スカート無しにも、スカート付にもなるアウター付使い捨ておむつに関するものである。
一般に、使い捨ておむつは、インナーとして衣服の下に装着することが多いため、装着状態でブリーフやトランクス等の下着に似た形状を有するものが殆どであり、機能・価格重視の面からも飾り等は極力避ける傾向がある。その一方、乳幼児用の使い捨ておむつはアウターとして使用することもある。例えばプール等での水遊び時等においては、おむつをアウターとして使用することが考えられる。よって、乳幼児用のおむつにおいては、アウターとして利用したときの見栄えを良くするために、スカート付のもの等が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
特表平10−503686号公報 特表平10−503400号公報
しかしながら、従来のアウター付使い捨ておむつは、使用者の所望によりスカート付にもスカート無しにもできるものではなかった。
そこで、本発明の主たる課題は、使用者の所望によりスカート付にもスカート無しにもできる、アウター付使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前後方向中央よりも前側に延在する腹側部分と、前後方向中央よりも後側に延在する背側部分とを有するとともに、身体側表面を形成する透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体とを有する本体部と、
この本体部の外面を前記腹側部分から背側部分にかけて一体的に被覆するアウターシートを備えた、アウター付使い捨ておむつであって、
前記アウターシートは、前後のウエスト側端部に本体部と固定されたウエスト固定部を有するとともに、股間部にその前後両側を切り離して前スカート部及び後スカート部を形成するための前後分離用ミシン目を有している、
ことを特徴とするアウター付使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、前後分離用ミシン目の切り離しにより前スカート部及び後スカート部が形成され、スカート付の外観となる構造を採用することによって、おむつをアウターとして使用する場合等のように使用者がスカート付の外観を望む場合にのみ、スカート付の外観を得ることができ、おむつをインナーとして使用する場合等のように使用者がスカート無しの外観を望む場合には前後分離用ミシン目を切り離さずに、アウターシートが腹側部分から股間部をとおり背側部分まで連続する状態を維持することで、スカート無しの外観で使用することができる。
<請求項2記載の発明>
前記アウターシートにおける股間部の幅方向中央部に、前記本体部と剥離可能に仮止めされた股間仮止め部が設けられている、請求項1記載のアウター付使い捨ておむつ。
(作用効果)
アウターシートの股間部は、本体部に対して自由に移動できても良いが、スカート無しで使用する場合に、アウターシートが移動して邪魔になるおそれがあるため、上述のように本体部に対して剥離可能に仮止めし、スカート付の外観に変更する場合に、仮止め部を剥がして前後スカート部を形成するのが好ましい。
<請求項3記載の発明>
前記アウターシートは、その股間部の幅方向中央部に、前記本体部と固定された股間固定部を有するとともに、この股間固定部を周囲から切り離すための固定部切離用ミシン目を有している、請求項1記載のアウター付使い捨ておむつ。
(作用効果)
このようにアウターシートの股間部が固定されていると、アウターシートが移動して邪魔になることがない。スカート付の外観に変更する場合は、固定部切離用ミシン目によりアウターシートの股間固定部以外の部分を股間固定部から切り離し、前後スカート部を形成することができる。アウターシートの股間固定部は本体部に残される。
<請求項4記載の発明>
前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
前記アウターシートの股間部に、幅方向両側縁から前記吸収体の両側縁又はその近傍まで延在する一対の切り込み部が形成されるとともに、これら切り込み部の先端部を繋ぐように前記前後分離用ミシン目が形成されており、且つ
少なくとも各切り込み部と前記ウエスト固定部との間の領域が前記本体部に固定されていない又は剥離可能に仮止めされた非固定領域とされている、
請求項2記載のアウター付使い捨ておむつ。
(作用効果)
アウターシートの股間部幅が吸収体の股間部幅よりも広いと、スカート付でない場合のアウターシートの外観がショートパンツに似た外観になり、インナーとして使用するには裾から側部に至る角部分が邪魔になる。これに対して、上述のような切り込み部および非固定領域を設けることにより、角部分を折り畳んで本体部との間に収納することにより、アウターシートの外観をブリーフのようにすることができ、インナーとして使用する場合に邪魔になり難く、しかもその状態から角部分を引き出し、さらに前後分離用ミシン目で前後スカート部に分割すればスカート付外観とすることができる。よって、例えばおむつの上に着用していた衣服のみを汚して着替えが無い場合にも対応できる。
<請求項5記載の発明>
前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
前記アウターシートにおける前記股間固定部に、股間弾性伸縮部材が幅方向に伸長した状態で固定され、この股間弾性伸縮部材の収縮力により、前記アウターシートの股間部の幅が縮小されている、
請求項3記載のアウター付使い捨ておむつ。
(作用効果)
アウターシートの股間部幅が吸収体の股間部幅よりも広いと、スカート付でない場合のアウターシートの外観がショートパンツに似た外観になり、インナーとして使用するには股間部の側部部分が邪魔になる。これに対して、上述のようにアウターシートの股間部の幅を股間弾性伸縮部材を利用して縮小することにより、股間部の側部部分が邪魔になり難くなる。なお、この形態においてスカート付の外観にするために、単にアウターシートを前後に切り離すだけであると、前後スカート部の少なくとも一方に股間弾性伸縮部材が残り、スカートの外観が損なわれるおそれがあるが、上述のように、股間弾性伸縮部材を有する部分を周囲から切り離すことができると、そのような問題は解消される。
<請求項6記載の発明>
前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
前記アウターシートにおける少なくとも股間部に、前後方向に沿うプリーツが形成され、このプリーツにより前記アウターシートの股間部の幅が収縮されている、
請求項3記載のアウター付使い捨ておむつ。
(作用効果)
アウターシートの股間部幅が吸収体の股間部幅よりも広いと、スカート付でない場合のアウターシートの外観がショートパンツに似た外観になり、インナーとして使用するには股間部の側部部分が邪魔になる。これに対して、上述のようにアウターシートの股間部の幅をプリーツ形成により縮小することによって、股間部の側部部分が邪魔になり難くなる。
<請求項7記載の発明>
前記背側部分の両側部にそれぞれ取り付けられたファスニングテープを有し、前記背側部分の両側部を前記腹側部分の両側部と重ねた状態で、前記背側部分の両ファスニングテープを前記腹側部分のアウターシートの外面にそれぞれ係止することによって装着する、アウター付使い捨ておむつであって、この装着状態で、前記前スカート部の両側部と後スカート部の両側部とが重なるように構成された、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアウター付使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明のアウターシートは、スカート付外観とする場合に前スカート部及び後スカート部に分離されるため、スカートとしての周方向の連続性を求める場合、このようなアウター付使い捨ておむつの汎用構造を利用し、前スカート部の両側部と後スカート部の両側部とが重なるように構成するのが好ましい。
以上のとおり、本発明によれば、使用者の所望によりスカート付にもスカート無しにもできる、アウター付使い捨ておむつとなる、等の利点がもたらされる。
スカート無し外観のアウター付使い捨ておむつを示す斜視図である。 スカート付外観のアウター付使い捨ておむつを示す斜視図である。 アウター付使い捨ておむつの内面を示す、展開状態における平面図である。 アウター付使い捨ておむつの外面を示す、展開状態における平面図である。 本体部の外面を示す、展開状態における平面図である。 図3の6−6線断面図である。 図3の7−7線断面図である。 図3の8−8線断面図である。 図3の5−5線断面図である。 図3の9−9線断面図である。 他の形態のアウター付使い捨ておむつの外面を示す、展開状態における平面図である。 図11の5−5線断面図である。 図11の形態のスカート無し外観を示す斜視図である。 図11の形態のスカート付外観を示す斜視図である。 他の形態のアウター付使い捨ておむつの外面を示す、展開状態における平面図である。 図15の5−5線断面図である。 図15の形態のスカート無し外観を示す斜視図である。 他の形態のアウター付使い捨ておむつの外面を示す、展開状態における平面図である。 図18の4−4線断面図である。 図18の形態のスカート無し外観を示す斜視図である。 製造方法の要部を概略的に示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
以下の説明において、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向(縦方向)」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側部分両側部と背側部分量側部を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
図1〜図10は本発明に係るアウター付使い捨ておむつの一例を示しており、このアウター付使い捨ておむつは、本体部100と、アウターシート200とを主要構成とするものである。
<本体部>
本体部100は、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部までを覆うように延在する部分であって、且つ身体側表面を形成する透液性表面シートと、外面側に位置する液不透過性シートとの間に吸収要素50が介在する部分である吸収性本体部10と、この吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分である腹側エンドフラップ部FE及び背側エンドフラップ部BEとを有している。
また、この本体部100は、腹側Fの上縁F1側部分の両側において、それぞれ股間部Cよりも幅方向外側まで延在する一対の腹側サイドフラップ部FF,FFと、背側Bの上縁B1側部分の両側において、それぞれ股間部Cよりも幅方向外側まで延在する一対の背側サイドフラップ部BF,BFとを備えている。また、背側サイドフラップ部BF,BFには、係止部材としてのファスニングテープ130がそれぞれ設けられている。
より詳細には、吸収性本体部10ならびに背側および腹側の各サイドフラップ部BF,FFの外面全体が外装シート12により形成されている。特に、吸収性本体部10においては、外装シート12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収要素50、中間シート40、および表面シート30がこの順に積層されている。表面シート30および液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収要素50よりも前後方向および幅方向において若干大きい寸法を有しており、表面シート30における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。また液不透過性シート11は透湿性のポリエチレンフィルム等からなり、表面シート30よりも若干幅広に形成されている。
さらに、この吸収性本体部10の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する側部バリヤーカフス60,60が設けられており、この側部バリヤーカフス60,60を形成するバリヤーシート62,62が、背側および腹側の各サイドフラップ部BF,FFの内面を含め、吸収性本体部10の幅方向外側の全体にわたり延在されている。
以下では、先ず本体部100の各部について順に説明する
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(表面シート)
表面シート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(中間シート)
表面シート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、表面シート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、表面シート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材を用いることができる。中間シート40は表面シート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材は表面シート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、表面シート30における液残りが多くなる。これに対して、中間シート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、表面シート30の液残りは発生し難いが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(側部バリヤーカフス)
表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する側部バリヤーカフス60、60を設けるのは好ましい。
この側部バリヤーカフス60は、実質的に幅方向に連続するバリヤーシート62と、このバリヤーシート62に前後方向に沿って伸張状態で固定された細長状弾性伸縮部材63とにより構成されている。このバリヤーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材は、図3及び図4に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
バリヤーシート62の内面は、表面シート30の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート11の側部およびその幅方向外側に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。この固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、バリヤーシート62と外装シート12とが対向する部分のシート間に、前後方向に沿って糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材64がそれぞれ設けられている。
脚周りにおいては、側部バリヤーカフス60の固着始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部では表面シート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が糸ゴム63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして糸ゴム63の収縮力が作用するので、糸ゴム63の収縮力により側部バリヤーカフス60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、バリヤーシート62の幅方向内側の部分における前後方向両端部を、幅方向外側の部分から幅方向内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート58上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図5に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
(ファスニングテープ)
図3及び図4に示されるように、ファスニングテープ130は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるファスニング基材130Cの基部がおむつに取り付けられており、おむつから突出する先端側部分に腹側に対する係止部として、メカニカルファスナーのフック材130Aが設けられている。フック材130Aはファスニング基材130Cに接着剤により剥離不能に接合されている。
乳幼児用おむつにおいては、ファスニングテープ130の取り付け部分の寸法のうち、おむつの幅方向の長さX1は10〜50mm、特に20〜40mmであるのが好ましく、前後方向長さY1は、20〜100mm、特に40〜80mmであるのが好ましい。また、ファスニングテープ130の先端側部分の寸法のうち、おむつの幅方向の長さは30〜80mm、特に40〜60mmであるのが好ましく、前後方向の長さ(高さ)は20〜70mm、特に25〜50mmであるのが好ましい。なお、ファスニングテープ130の一部または全部が例えば略テーパ形状をなし、前後方向長さや幅方向長さが一定でない場合は、上記数値範囲は平均値にて定める。ファスニングテープ130の形状は、矩形形状などの左右対称形状でもよいが、幅広の取り付け部分と細長状の先端側部分からなる凸型形状であると、先端側部分の摘み部が摘みやすく、かつ左右の基部間の張力が広範囲に作用するため、好ましい。フック材130Aは、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。フック材130Aに代えて、ファスニングテープ130の係止部として粘着材層を設けることもできる。
ファスニングテープ130は、背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線上にファスニングテープ130の取り付け部分が重なるように取り付けられていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ130の取り付け部分間に働く張力により、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。また、ファスニングテープ130の取り付け部分が、おむつの背側端部(後端部)と離れすぎていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ130の取り付け部分間に働く張力がおむつの背側端部にまで及ばないため、おむつの背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすい。従って、背側エンドフラップBEの前後方向長さは、ファスニングテープ130の基部の前後方向長さと同じか又は短いことが好ましい。
(エンドフラップ部)
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部FEであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部BEである。
背側エンドフラップBEの前後方向長さは、前述の理由によりファスニングテープ130の取り付け部分の前後方向長さと同じか短い寸法とすることが好ましく、また、おむつ背側端部と吸収要素50とが近接しすぎると、吸収要素50の厚みとコシによりおむつ背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすいため、10mm以上とすることが好ましい。
腹側エンドフラップ部FE及び背側エンドフラップ部BEの前後方向長さは、おむつ全体の前後方向長さLの5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
(背側伸縮シート)
図示形態では、両ファスニングテープ130間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ130の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ130の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の寸法差はあってもよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図8に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸張した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸張率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
また、図示のように弾性伸縮部材72の一部が吸収要素50を横断するように配置すると、吸収要素50のフィット性が向上するため好ましいが、この場合は、弾性伸縮部材72が吸収要素50と重なる部分の一部又は全部を、切断等の手段により収縮力が働かないようにすると、吸収要素50の背側端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
なお、弾性伸縮部材72は、シートの長手方向(おむつの幅方向)にシート基材71の全長にわたって固定されていてもよいが、おむつ本体への取り付け時の縮みやめくれ防止のため、シートの前後方向(おむつの幅方向)端部の5〜20mm程度の範囲においては、収縮力が働かないように、または弾性伸縮部材72が存在しないようにするとよい。
背側伸縮シート70は、図示形態では、液不透過性シート11の幅方向両側ではバリヤーシート62と外装シート12との間に挟まれ、且つ液不透過性シート11と重なる部位では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に挟まれるように設けられているが、液不透過性シート11と外装シート12との間に設けても良いし、外装シート12の外面に設けても良く、また表面シート30と吸収要素50との間に設けてもよい。また、外装シート12を複数枚のシート基材を重ねて形成する場合には、背側伸縮シート70全体を、外装シート12のシート基材間に設けても良い。
<アウターシート>
本体部100の外面は、腹側部分Fから背側部分Bにかけて一体的なアウターシート200により被覆されている。アウターシート200の寸法・形状は適宜定めることができるが、全長は本体部100と同じで、本体部100の全幅の0.9〜2.0倍、特に1.2〜1.5倍の幅を有する略矩形状のシートが好適である。アウターシート200の素材としては外装シート12と同様のものを用いることができ、必要に応じて内面や外面に印刷等により模様等の着色を行うことができる。これに合わせて、ファスニングテープ130にも、内面や外面に印刷等により模様等の着色を行うと、装着時に外部に露出するファスニングテープ130の見栄えが良好となる。
アウターシート200は、前後のウエスト側端部に本体部100と固定されたウエスト固定部201を有している。このウエスト固定部201はホットメルト接着剤や素材の溶着により形成することができ、幅方向に連続的に固定することも、間欠的に固定することもできる。
アウターシート200の股間部(図示例では前後方向中央部。以下同じ。)には、幅方向両側縁から吸収体56の両側縁又はその近傍まで延在する一対の切り込み部202が形成され、これら切り込み部202の先端部を繋ぐように、アウターシート200の前後両側を切り離して前スカート部210及び後スカート部211を形成するための前後分離用ミシン目203が幅方向に沿って形成されるとともに、少なくとも各切り込み部202とウエスト固定部201との間の領域が本体部100に固定されていない(又は弱い接着や溶着により剥離可能に仮止めされていても良い)非固定領域とされている。切り込み部202の形状は、スリット状(線状)の他、矩形状、台形状、先端を頂点とする三角形状等、適宜の形状とすることができる。切り込み部202は設けなくても良く、その場合はアウターシート200の一方の側縁から他方の側縁まで前後分離用ミシン目203が形成される。
さらに、アウターシート200における股間部の幅方向中央部、図示例の場合は両切り込み部202間に位置する領域には、弱い接着や溶着により本体部100と剥離可能に仮止めされた股間仮止め部204が設けられており、この股間仮止め部204とウエスト固定部201との間の領域も、本体部100に固定されていない(又は弱い接着や溶着により剥離可能に仮止めされていても良い)非固定領域とされている。
おむつの装着に際しては、背側サイドフラップ部BFを腹側サイドフラップ部FFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープを腹側部分Fのアウターシート200外面のあるいは(腹側部分Fのアウターシート200をめくって、その裏側の)本体部100の外面の適所に係止する。ファスニングテープ130の係止箇所の位置及び寸法は任意に定めることができる。乳幼児用おむつにおいては、係止箇所は、前後方向20〜80mm、幅方向150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
腹側部分Fのアウターシート200外面におけるファスニングテープ130の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット印刷を有するターゲットテープ74を設けるのが好ましい。ターゲットテープ74は、係止部がフック材130Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。
また、腹側部分Fにおけるファスニングテープ130の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態のアウターシート200の外面が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ130の係止部がフック材130Aの場合には、ターゲットテープ74を省略し、フック材130Aをアウターシート200の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットテープ74をアウターシート200の裏面に張り付けて、アウターシート200を通してターゲットテープ74による係止位置表示を透視できるようにしてもよい。
そして、以上のように構成された使い捨ておむつは、インナーとして使用する場合等、スカート無しで使用する際には、前後分離用ミシン目203を切り離さずに使用する。この際、アウターシート200の股間部における幅が吸収体56の幅よりも広いと、スカート付でない場合のアウターシート200の外観がショートパンツに似た外観になり、インナーとして使用するには裾から側部に至る角部分205が邪魔になる。これに対して、上述のような切り込み部202および非固定領域を設けることにより、角部分205を折り畳んで本体部100との間に収納することにより、アウターシート200の外観をブリーフのようにすることができ、インナーとして使用する場合に邪魔になり難い。しかもこの状態から角部分205を引き出し、さらに前後分離用ミシン目203で前後スカート部211に分割すれば、図2に示すように、ウエスト固定部201以外は自由に移動可能なスカート210,211付の外観とすることができる。よって、例えばおむつの上に着用していた衣服のみを汚して着替えが無い場合にも対応できる。
このように、前後分離用ミシン目203の切り離しにより前スカート部210及び後スカート部211が形成され、スカート付の外観となる構造を採用することによって、おむつをアウターとして使用する場合等のように使用者がスカート付の外観を望む場合にのみ、スカート付の外観を得ることができ、おむつをインナーとして使用する場合等のように使用者がスカート無しの外観を望む場合には前後分離用ミシン目203を切り離さずに、アウターシート200が腹側部分Fから股間部をとおり背側部分まで連続する状態を維持することで、スカート無しの外観で使用することができる。
なお、アウターシート200の股間部は、本体部100に対して自由に移動できても良いが、スカート210,211無しで使用する場合に、アウターシート200が移動して邪魔になるおそれがあるため、上述の股間仮止め部204により本体部100に対して剥離可能に仮止めし、スカート付の外観に変更する場合に、股間仮止め部204を剥がして前後スカート部210,211を形成するのが好ましい。
また、図11〜図14に示すように、アウターシート200の股間部の幅方向中央部に、本体部100と固定された股間固定部206を設けるとともに、この股間固定部206を周囲から切り離すための固定部切離用ミシン目207を形成することもできる。図示形態では、切り込み部202を矩形状に設けるとともに、両切り込み部202間に帯状の股間固定部206を設けるとともに、その前後両側にそれぞれ幅方向に沿って延在する固定部切離用ミシン目207を設けている。この固定部切離用ミシン目207は両切り込み部202を繋ぐように形成されており、前後分離用ミシン目203を兼ねるミシン目となっている(この例のようにミシン目は単機能とする他、他の機能を兼ねることができる)。このようにアウターシート200の股間部が固定されていると、アウターシート200が移動して邪魔になることがない。
スカート付の外観に変更する場合は、図13に示す状態から、固定部切離用ミシン目207によりアウターシート200の股間固定部206以外の部分を股間固定部206から切り離す。これにより、図14に示すように前後スカート部210,211を形成することができる。アウターシート200の股間固定部206は本体部100に残される。なお、これに倣って、前述の股間仮止め部204においても、周囲から股間仮止め部204を切り離すための仮止め部切離用ミシン目を設けることができる。
他方、前述のとおり、アウターシート200の股間部幅が吸収体56の股間部幅よりも広いと、スカート無しのアウターシート200の外観がショートパンツに似た外観になり、インナーとして使用するには裾から側部に至る角部分205が邪魔になる。これに対して、上述のように、角部分205を折り畳んで収納することも可能であるが、製造が困難であり、また製造時に収納せずに使用者が収納作業を行うとしてもその作業は煩雑である。
そこで、図15〜図17に示すように、アウターシート200における股間部に、股間弾性伸縮部材208を幅方向に伸長した状態で固定し、この股間弾性伸縮部材208の収縮力によりアウターシート200の股間部の幅を縮小するのも好ましい形態である。縮小の程度は適宜定めれば良いが、アウターシート200の股間部の両側縁が吸収体56の両側縁の近傍に位置する程度まで縮小するのが好適である。図示形態は前述の股間固定部206を設けるとともに、その固定部206の領域内に股間部弾性伸縮部材を設けているが、股間固定部206を設けなくても良い。
股間弾性伸縮部材208としては、細長状(糸状又は紐状等)、有孔のシート状、網状等の弾性伸縮部材を用いることができる。股間弾性伸縮部材208はアウターシート200へ直に取り付けても良いが、図16に示すように、二枚の不織布等のシート基材をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材間に弾性伸縮部材208を幅方向に沿って伸張した状態で固定した帯状の弾性伸縮シート209を形成し、この帯状の弾性伸縮シート209を伸長状態でアウターシート200に貼り付けるのが好ましい。
アウターシート200の股間部の幅を股間弾性伸縮部材208を利用して縮小することにより、スカート付で無い場合の装着時に、股間部がすっきりとした見栄えになる。また、切り込み部202を設ける必要が無いため、邪魔な角部分205が形成されることがない。(もちろん、切り込み部202を設ける形態を組み合わせてもよい。)ただし、この形態においてスカート付の外観にするために、単にアウターシート200を前後に切り離すだけであると、前後スカート部211の少なくとも一方に股間弾性伸縮部材208が残り、スカートの外観が損なわれるおそれがある。よって、アウターシート200に、股間弾性伸縮部材208を有する部分を周囲から切り離すための弾性伸縮部材切離用ミシン目218を形成し、股間弾性伸縮部材208を有する部分を周囲から切り離し可能に構成するのが好ましい。図示例では、股間弾性伸縮部材208を有する部分に股間固定部206が設けられ、その前後両側に、幅方向に沿う弾性伸縮部材切離用ミシン目218が設けられており、これが前述の固定部切離用ミシン目及び前後分離用ミシン目を兼ねる構造となっている。
また、図18〜図20に示すように、アウターシート200における少なくとも股間部に、前後方向に沿うプリーツ220(断面Z字状の折り襞)を形成し、このプリーツ220によりアウターシート200の股間部の幅を縮小するのも好ましい形態である。プリーツ220の前後方向中央では、襞同士が接合されることにより、プリーツ形状が維持されるようになっている。縮小の程度は適宜定めれば良いが、アウターシート200の股間部の両側縁が吸収体56の両側縁の近傍に位置する程度まで縮小するのが好適である。図示形態は前述の股間固定部206を設けるとともに、その固定部206の領域がプリーツ220の襞同士の接合部分を含むように予めプリーツ220を幅方向に複数本設けている。このようにアウターシート200の股間部の幅をプリーツ220形成により縮小することによって、スカート付で無い場合の装着時に、股間部がすっきりとした見栄えになる。また、切り込み部202を設ける必要が無いため、邪魔な角部分205が形成されることがない。(もちろん、切り込み部202を設ける形態を組み合わせてもよい。)股間固定部206は設けなくてもよいが、スカート付外観とした場合にスカートの裾が広がるよう、プリーツ220の襞同士の接合部分は、ミシン目によってアウターシート200から切り離されるように構成されるのが好ましい。
なお、この例からも判るように、プリーツ220を股間部だけに設けるのではなく、アウターシート200の前後方向全体にわたるように設けることによって、スカートの縦方向略全体にわたるプリーツ220を設けることもできる。この場合、プリーツ220の襞同士の接合部分は、前後のウエスト側端部近傍にも設けることにより、前後方向全体にわたるプリーツ220を形成することができる。このように構成することにより、単にアウターシート200を前後に切り離すだけで、プリーツ220付スカートの外観にすることができる。
他方、図1、図2及び図4に示すように、アウターシート200の幅が本体部100の幅よりも広い場合、アウターシート200のウエスト側端部(前後端部の少なくとも一方)に、ウエスト弾性伸縮部材230を幅方向に伸長した状態で固定し、アウターシート200のウエスト側端部における幅を本体部100の幅に合わせるようにするのが好ましい。もちろん、ウエスト弾性伸縮部材230の収縮力により、ウエストのフィット性も向上する。よって、ウエスト弾性伸縮部材230をアウターシート200の後端部に設ける場合には、前述した背側伸縮シート70を省略することも可能である。
ウエスト弾性伸縮部材230を設ける場合、アウターシート200のウエスト固定部201は、伸長状態で本体部100に固定したり完全に収縮した自然状態で本体部100に固定したりすることができるが、アウターシート200の幅が本体部100の幅よりも広い場合には、ある程度まで収縮した状態(完全に収縮した自然状態と完全に伸張した状態との間の状態)で本体部100に固定するのが好ましい。なお、完全に収縮した自然状態を0%、完全に伸張した状態を100%とすると、「ある程度収縮した状態とは」10〜90%程度の状態を含むが、30〜70%程度の状態であることがより好ましい。
また、アウターシート200の幅が本体部100の幅よりも広い場合は、アウターシート200のウエスト側端部にウエスト弾性伸縮部材230を固定する以外に、前述のようにアウターシート200にプリーツ220を形成し、プリーツ220の襞同士の固定部をウエスト側端部に設けることにより、アウターシート200のウエスト側端部における幅を本体部100の幅に合わせるようにしてもよい。
ウエスト弾性伸縮部材230としては、細長状(糸状又は紐状等)、有孔のシート状、網状等の弾性伸縮部材を用いることができる。ウエスト弾性伸縮部材230はアウターシート200へ直に取り付けても良いが、図8及び図10に示すように二枚の不織布等のシート基材をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材間に弾性伸縮部材を幅方向に沿って伸張した状態で固定した帯状の弾性伸縮シート231を形成し、この帯状の弾性伸縮シート231を伸長状態でアウターシート200に貼り付けるのが好ましい。
おむつの製造ラインにおいては、おむつとなる単位部分がライン流れ方向に連続した状態で製造が進行し、最終段階で所定の間隔で個々のおむつに切断分離される。図示例のようなテープタイプの使い捨ておむつを製造する場合、図21に示すように、おむつとなる単位部分のライン上の向きは前後方向がライン流れ方向とし、隣接するおむつの前端と後端との境界250を切断することにより個々のおむつに分離するのが一般的である。よって、製造に際して、隣接するおむつの境界250を跨いで両側にはみ出すように一枚の弾性伸縮シート232を張り付け、これを個々のおむつへの切断を利用して切断し、隣接するおむつの前端部及び後端部のそれぞれに、切断した弾性伸縮シート231を配置すると、製造が容易となる。もちろん、帯状の弾性伸縮シート231を隣接するおむつの境界の各側にそれぞれ貼り付けることもでき、その場合にはおむつの前端部と後端部としてウエスト弾性伸縮部材230の伸縮率や素材を異ならせることができる利点がある。
また、ターゲットテープを、前述の帯状弾性伸縮シートのように弾性伸縮するように構成し、これを伸長状態でアウターシート200に取り付けることによって、腹周りのフィット性を向上させることもできる。この構造は、ウエスト弾性伸縮部材230とともに採用しても良いが、腹側のウエスト弾性伸縮部材230に代えて採用するのが好ましい。
本発明は、アウター付の使い捨ておむつに利用可能なものであり、本体部100は上述のようなテープタイプの他、腹側部分及び背側部分の両側部が接合されてウエスト開口部及び脚開口部が予め形成されているパンツタイプであっても良い。ただし、本発明のアウターシートは、スカート付外観とする場合に前スカート部及び後スカート部に分離されるため、スカートとしての周方向の連続性を求める場合、本体部100をテープタイプとし、身体への装着時には、前スカート部の両側部と後スカート部の両側部とが重なるように構成するのが好ましい。
11…液不透過性シート、12…外装シート、30…表面シート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部バリヤーカフス、62…バリヤーシート、70…背側伸縮シート、74…ターゲットテープ、130…ファスニングテープ、100…本体部、200…アウターシート、201…ウエスト固定部、203…前後分離用ミシン目。

Claims (7)

  1. 前後方向中央よりも前側に延在する腹側部分と、前後方向中央よりも後側に延在する背側部分とを有するとともに、身体側表面を形成する透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体とを有する本体部と、
    この本体部の外面を前記腹側部分から背側部分にかけて一体的に被覆するアウターシートを備えた、アウター付使い捨ておむつであって、
    前記アウターシートは、前後のウエスト側端部に本体部と固定されたウエスト固定部を有するとともに、股間部にその前後両側を切り離して前スカート部及び後スカート部を形成するための前後分離用ミシン目を有している、
    ことを特徴とするアウター付使い捨ておむつ。
  2. 前記アウターシートにおける股間部の幅方向中央部に、前記本体部と剥離可能に仮止めされた股間仮止め部が設けられている、請求項1記載のアウター付使い捨ておむつ。
  3. 前記アウターシートは、その股間部の幅方向中央部に、前記本体部と固定された股間固定部を有するとともに、この股間固定部を周囲から切り離すための固定部切離用ミシン目を有している、請求項1記載のアウター付使い捨ておむつ。
  4. 前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
    前記アウターシートの股間部に、幅方向両側縁から前記吸収体の両側縁又はその近傍まで延在する一対の切り込み部が形成されるとともに、これら切り込み部の先端部を繋ぐように前記前後分離用ミシン目が形成されており、且つ
    少なくとも各切り込み部と前記ウエスト固定部との間の領域が前記本体部に固定されていない又は剥離可能に仮止めされた非固定領域とされている、
    請求項2記載のアウター付使い捨ておむつ。
  5. 前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
    前記アウターシートにおける前記股間固定部に、股間弾性伸縮部材が幅方向に伸長した状態で固定され、この股間弾性伸縮部材の収縮力により、前記アウターシートの股間部の幅が縮小されている、
    請求項3記載のアウター付使い捨ておむつ。
  6. 前記アウターシートは股間部の最大幅が、前記吸収体の股間部の幅よりも広いものであり、
    前記アウターシートにおける少なくとも股間部に、前後方向に沿うプリーツが形成され、このプリーツにより前記アウターシートの股間部の幅が収縮されている、
    請求項3記載のアウター付使い捨ておむつ。
  7. 前記背側部分の両側部にそれぞれ取り付けられたファスニングテープを有し、前記背側部分の両側部を前記腹側部分の両側部と重ねた状態で、前記背側部分の両ファスニングテープを前記腹側部分のアウターシートの外面にそれぞれ係止することによって装着する、アウター付使い捨ておむつであって、この装着状態で、前記前スカート部の両側部と後スカート部の両側部とが重なるように構成された、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアウター付使い捨ておむつ。
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