JP6767175B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、いわゆるテープタイプの使い捨ておむつに関するものである。
使い捨ておむつには、主にテープタイプ、パンツタイプ、パッドタイプの三種類がある。このうち、テープタイプの使い捨ておむつは、展開状態で身体にあてがった後、背側部分の両側部から突出するファスニングテープを腹側部分の外面に係止することにより装着を行うものである。
一般的なテープタイプの使い捨ておむつは、腹側部分から背側部分にかけて幅方向中央部に設けられた吸収体と、この吸収体の表面側を覆う液透過性トップシートと、吸収体の裏面側を覆う液不透過性シートとを備えており、背側部分における吸収体の側方に延在するサイドフラップ部にファスニングテープが取り付けられており、ファスニングテープの先端部には腹外面に対する係止部として、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)や粘着剤を有している。
このようなテープタイプの使い捨ておむつにおいては、胴周りのフィット性を向上させるために、幅方向(胴周り方向)に弾性伸縮するファスニングテープをサイドフラップ部のシート間に内蔵したものが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特開2013−070735号公報 特開2003−275246号公報
しかしながら、弾性伸縮するファスニングテープは柔軟で向きが変化しやすいものであるため、特許文献1記載のもののように、ファスニングテープの係止部の全体がサイドフラップの側方に離間する配置になっていると、製造の際、ファスニングテープを取り付けるのと同時に係止部を仮止めすることができず、例えば取付け後にファスニングテープを折り返して仮止めするとしても、それまでの間にファスニングテープの向きが変化し、製品の見栄えが悪化したりするおそれがある。
これに対して、特許文献2記載のものでは、ファスニングテープの係止部の全体がサイドフラップのシート間に隠れる配置になっており、例えば特許文献2の図1や図2に示される形態では、製造の際、ファスニングテープを取り付けるのと同時に係止部をサイドフラップのシートに仮止めすることはできるが、係止部の全体が仮止めされるため、製品使用時にファスニングテープを取り出すのは困難となる。
そこで、本発明の主たる課題は、ファスニングテープを弾性伸縮可能なものとしつつ、ファスニングテープの仮止めの安定性と、製品使用時のファスニングテープの取り出し容易性とを両立することにある。
上記課題を解決した本発明の代表的態様は次記のとおりである。
<第1の態様>
前後方向中央よりも前側に延在する腹側部分と、前後方向中央よりも後側に延在する背側部分とを有し、
腹側部分から背側部分にかけて設けられた吸収要素と、この吸収要素の表面側を覆う液透過性のトップシートと、吸収要素の裏面側を覆う液不透過性シートとを備え、
前記背側部分は、前記吸収要素の幅方向一方側及び他方側にそれぞれ延在する一対のサイドフラップ部を有し、このサイドフラップ部は表面側に位置する表側シートと、この表側シートの裏面側に積層された裏側シートとを有しており、
前記背側部分の一対のサイドフラップ部には、当該サイドフラップ部の側方に突出する突出部分と、当該サイドフラップ部における前記表側シート及び裏側シートの間を通り当該サイドフラップ部の側縁から幅方向中央側に延びる内蔵部分とを有するファスニングテープがそれぞれ設けられており、
前記内蔵部分は、前記突出部分側における前記表側シート及び裏側シートの間に位置し、前記表側シート及び裏側シートの両者に固定されていない自由部分と、この自由部分の幅方向中央側に位置し、その表裏少なくとも一方側の部材に固定された固定部分とを有しており、
前記サイドフラップ部は、少なくとも前記自由部分を含む領域で前記表側シート及び前記裏側シートが接合されておらず、
前記ファスニングテープの表面に、腹側部分の外面及び前記表側シートの裏面に対して係止可能な係止部を有しており、
前記係止部は、基端側の端部が前記内蔵部分に位置するとともに前記表側シートの裏面に係止され、かつこれよりも先端側が前記突出部分に位置しており、
前記ファスニングテープにおける、前記係止部より基端側の少なくとも一部は幅方向に弾性伸縮可能である、
ことを特徴とする、使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明では、ファスニングテープの係止部は、基端側の端部が内蔵部分に位置するとともに表側シートの裏面に係止されているため、ファスニングテープを取り付けるのと同時に係止部をサイドフラップ表側シートに仮止めすることができる。よって、ファスニングテープの向きが変化し、製品の見栄えが悪化したりするおそれがないものとなる。また、ファスニングテープの係止部は、基端側の端部のみが内蔵部分に位置している(これよりも先端側が突出部分に位置している)ため、特許文献2記載のもののように係止部の全体が内蔵部分に位置しているものと比べて、製品使用時のファスニングテープの取り出しが容易である。
<第2の態様>
前記サイドフラップ部における前記係止部よりも幅方向中央側の位置で、前記サイドフラップ部及びファスニングテープが幅方向中央側に折り返され、かつこの状態で前記係止部における前記突出部分に位置する部分が前記突出部分に対向する面に係止されている、第1の態様の使い捨ておむつ。
(作用効果)
テープタイプの使い捨ておむつは、サイドフラップ部が幅方向中央側に折り返された後、前後方向に二つ折りされた折り畳み状態で包装袋内に多数重ねて詰め込まれ、販売されることが一般的である。このような場合、包装袋に詰め込むまでの過程で折り畳み状態がしっかりと維持されることが好ましい。特に、本発明のようにファスニングテープの内蔵部分に自由部分を設ける場合、表側シートにおける自由部分と重なる部分も裏側部分に対して移動可能となるため、この表側シートにおける移動可能な部分が捲れたり、しわがよったりするおそれがあるが、本第2の態様では、サイドフラップ部が折り返された状態で、係止部の内蔵部分に位置する部分が表側シートに係止されており、かつ係止部における突出部分に位置する部分が前記突出部分に対向する面に係止されているため、表側シートにおける移動可能な部分が捲れたり、しわがよったりするおそれが少ないものとなる。
<第3の態様>
前記ファスニングテープは、幅方向両側にわたり連続して背側部分の両側縁から突出する帯状シートにおける幅方向両側の部分であり、
この帯状シートの表面には、その幅方向両端からその幅方向中央側に延在するようにメカニカルファスナーのフック材が取り付けられており、このフック材は側方の端部が係止機能を有しないつまみ部としての非機能部分となっており、かつこの非機能部分より基端側が前記係止部となっている、
第1又は2の態様の使い捨ておむつ。
(作用効果)
このような帯状シートにより一体的に左右のファスニングテープを構成すると製造が容易となる。すなわち、本第3の態様は、連続帯状の弾性伸縮シートを製造し、その連続方向に間隔を空けてフック材を貼り付けた後、係止部となる部分を残し、フック材の幅方向中間部におけるフックを溶融させて潰す等により非機能領域を形成し、これと同時又はその後に、当該非機能領域の連続方向中央で切断することにより、つまみ部としての非機能部分及び係止部を有する個々の帯状シートを形成し、この帯状シートを使い捨ておむつの組み立て工程に供給することにより製造することができる。
<第4の態様>
前記表側シートは、前記サイドフラップ部の側縁で裏側に折り返された折り返し部分と、この折り返し部分とその表側に対向する部分とが溶着された多数の溶着部を有する溶着領域とを有しており、この溶着領域が少なくとも前記係止部の基端側の端部と重なる位置に設けられている、
第1〜3のいずれか1つの態様の使い捨ておむつ。
(作用効果)
このような折り返し部分及び溶着部を有すると、表側シートの剛性が向上してサイドフラップ部の型崩れを防止できるだけでなく、係止部の内蔵部分に位置する部分を表側シートから剥離する際、表側シートの痛みを防止することができる。
本発明によれば、ファスニングテープを弾性伸縮可能なものとしつつ、ファスニングテープの仮止めの安定性と、製品使用時のファスニングテープの取り出し容易性とを両立できる、等の利点がもたらされる。
使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3線断面図である。 図1の4−4線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 図1の6−6線断面図である。 図1の7−7線断面図である。 図1の8−8線断面図である。 帯状シートの(a)(c)平面図、及び(b)(d)断面図である。 装着状態の斜視図である。 他の形態の、使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図11の8−8線断面図である。 使い捨ておむつの折り畳み方法を概略的に示す平面図である。 図13の9−9線矢示図である。 帯状シートの製造方法を概略的に示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。なお、以下の説明において、「前後方向LD(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向WD」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
図1〜図6は使い捨ておむつ10の一例を示している。図3及び図4は、図1における6−6線断面及び7−7線断面をそれぞれ示した図であり、図5及び図6は、図1における8−8線断面及び9−9線断面をそれぞれ示した図である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤の塗布や、ヒートシール、超音波シール等による溶着により形成されるものである。
この使い捨ておむつ10は、腹側部分Fから背側部分Bにかけて幅方向WDの中間部に設けられた吸収要素50と、この吸収要素50の表面側を覆う液透過性のトップシート30と、吸収要素50の裏面側を覆う液不透過性シート11とを備えており、吸収要素50の前側及び後側にはエンドフラップ部EFがそれぞれ延出し、吸収要素50の幅方向WDの両側にはサイドフラップ部SFがそれぞれ延出しているものである。
エンドフラップ部EFの前後方向LDの長さは、帯状シート90の幅(上下方向長さ)と同じか又は短くするのが好ましく、エンドフラップ部EFの前後方向LDの長さは、おむつ全長Lの5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。また、おむつ背側端部と吸収要素50とが近接しすぎると、吸収要素50の厚みとコシによりおむつ背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすいため、両者の離間距離は10mm以上とすることが好ましい。
図示例では、おむつの外面全体が外装シート12により形成されており、その内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収要素50、中間シート40、及びトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30及び液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収要素50よりも前後方向LD及び幅方向WDにおいて若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収要素50の側縁よりはみ出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収要素50の側縁よりはみ出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。この部分はエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SFの一部となる。また液不透過性シート11は透湿性のポリエチレンフィルム等からなり、トップシート30よりも若干幅広に形成されている。
さらに、おむつ10の内面の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する側部立体ギャザー60,60が設けられており、この側部立体ギャザー60,60を形成するギャザーシート62,62が、トップシート30の両側部から各サイドフラップ部SF,SFの内面全体を覆うように延在されている。
以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向LDの中央部がくびれた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、この他にも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(中間シート)
トップシート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートともいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材を用いることができる。中間シート40はトップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材はトップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、トップシート30における液残りが多くなる。これに対して、中間シート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、トップシート30の液残りは発生しにくいが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
また、中間シートはポリエチレンなどのフィルム素材に多数の細孔を設けたメッシュフィルムなどで構成することも可能で、素材の選択を制限するものではない。
(側部立体ギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する側部立体ギャザー60、60を設けるのは好ましい。
この側部立体ギャザー60は、実質的に幅方向WDに連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向LDに沿って伸張状態で固定された細長状弾性伸縮部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性伸縮部材は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向WDの固着始端を有し、この固着始端から幅方向WDの外側の部分は、液不透過性シート11の側部及びその幅方向WDの外側に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。この固着部分のうち固着始端近傍の幅方向WDの外側において、ギャザーシート62と外装シート12とが対向する部分のシート間に、前後方向LDに沿って糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材64がそれぞれ設けられている。
脚周りにおいては、側部立体ギャザー60の固着始端より幅方向WDの内側は、製品前後方向LDの両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が糸ゴム63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして糸ゴム63の収縮力が作用するので、糸ゴム63の収縮力により側部立体ギャザー60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、ギャザーシート62の幅方向WDの内側の部分における前後方向LDの両端部を、幅方向WDの外側の部分から幅方向WDの内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向WDの中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向WDの外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とはいえない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態の他、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート58上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまういわゆる逆戻りを発生しやすくなる。また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。高吸収性ポリマー粒子の目付量は、吸収体56の面積に含まれるポリマーの量を1平米あたりの重さで算出する。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止しにくいので望ましい形態ではない。
(ファスニングテープ)
少なくとも背側部分Bのサイドフラップ部SFは表面側に位置する表側シートS1と、この表側シートS1の裏面側に貼り合わされた裏側シートS2とを有する部分となっており、この部分に当該サイドフラップ部SFの側方に突出する突出部分75と、当該サイドフラップ部SFにおける表側シートS1及び裏側シートS2の間を通り当該サイドフラップ部SFの側縁から幅方向WDの中央側に延びる内蔵部分76とを有するファスニングテープ70がそれぞれ設けられている。図示形態では、表側シートS1はギャザーシート62からなっており、裏側シートS2は外装シート12からなる部分と液不透過性シート11からなる部分とを有しているが、これに限定されず、表側シートS1がトップシート30からなる部分を有していたりする等、他のおむつの構成素材により表側シートS1及び裏側シートS2が構成されていてもよい。
ファスニングテープ70の内蔵部分76は、突出部分75側における表側シートS1及び裏側シートS2の間に位置し、表側シートS1(図示例ではギャザーシート62)及び裏側シートS2(図示例では外装シート12)の両者に固定されていない自由部分77と、この自由部分77の幅方向WDの中央側に位置し、その表裏少なくとも一方側の部材に固定された固定部分78とを有している。結果的に、サイドフラップ部SFは、少なくとも自由部分77を含む領域で表側シートS1及び裏側シートS2が接合されていない非接合部分15を有することになるが、この非接合部分15の前後方向LDの長さは自由部分77の前後方向LDの長さに一致させても、図示形態のように前後方向LDにある程度、例えば1.07〜1.50倍程度大きくしてもよい。この非接合部分15はサイドフラップ部SFの側縁に達して側方に開口しており、この開口からファスニングテープ70の突出部分75が突出することとなる。ファスニングテープ70の固定部分78は、図示例のように液不透過性シート11と吸収要素50との間を通過させる他、外装シート12と液不透過性シート11との間を通過させることもできる。
ファスニングテープ70は、基材における先端側の表面に、腹側部分Fの外面及び表側シートS1の裏面に対して係止可能な係止部73を有している。係止部73としては、使い捨ておむつ10の腹側部分Fの外面(図示例では外装シート12)及び表側シートS1(図示例ではギャザーシート62)と係止可能である限り特に限定されず、メカニカルファスナーのフックテープ(面ファスナーの雄材)が好適であるが、粘着剤層を設けることもできる。フックテープは、その外面側に多数の係合突起を有するものであり、係合突起の形状としては、レ字状、J字状、マッシュルーム状、T字状、ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。フックテープはホットメルト接着剤やヒートシールにより、ファスニングテープ70の基材に固定することができる。
ファスニングテープ70は、係止部73より基端側の少なくとも一部が幅方向WDに弾性伸縮可能となっている。したがって、ファスニングテープ70の伸縮時、自由部分77はその伸縮を伴いつつ一部がサイドフラップ部SFの表側シートS1及び裏側シートS2間の袋状部分から出入りすることとなる。ファスニングテープ70の伸長率は特に限定されないが、150〜250%程度であるのが好ましい。
弾性伸縮可能なファスニングテープ70の構造は特に限定されるものではないが、例えば、図9(a),(b)に示すように、ゴムシートや伸縮不織布等のようにそれ自体で弾性を有するシートを用いて、ファスニングテープ70の少なくとも弾性伸縮部分を形成することが考えられる。また、図5、図7、及び図9(c),(d)に示すように、二枚の不織布等のシート基材91をホットメルト接着剤等の接着剤により貼り合わせるとともに、両シート基材91間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材92を幅方向WDに沿って伸張した状態で固定したものを用いて、ファスニングテープ70の少なくとも弾性伸縮部分を形成するのも好適である。このようにシート基材91に複数本の細長状弾性伸縮部材92を間隔を空けて取り付けたものは、使い捨ておむつの技術分野では汎用されているため製造が容易であるだけでなく、細長状弾性伸縮部材92の太さ、本数、伸長率、間隔、及び素材の種類を異ならしめることにより、ファスニングテープ70の収縮特性を容易に調整できる利点もある。この場合におけるシート基材91としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。また、弾性伸縮部材92として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、例えば太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔92dで5〜15本程度設けることができる。
図8に示すように、係止部73は、基端側の端部73eが内蔵部分76に位置するとともに表側シートS1の裏面に係止されており、これよりも先端側が突出部分75に位置している。係止部73の、ファスニングテープ70の内蔵部分76に位置する部分73eの幅は適宜定めることができるが、係止部73の全幅の25〜75%程度とすることが好ましく、通常の場合、5〜18mm程度とすることが好ましい。このように、ファスニングテープ70の係止部73における基端側の端部73eが内蔵部分76に位置するとともに表側シートS1の裏面に係止されていると、ファスニングテープ70を取り付けるのと同時に係止部73をサイドフラップ表側シートS1に仮止めすることができる。よって、ファスニングテープ70の向きが変化し、製品の見栄えが悪化したりするおそれがないものとなる。また、ファスニングテープ70の係止部73は、基端側の端部73eのみが内蔵部分76に位置している(これよりも先端側が突出部分75に位置している)ため、特許文献2記載のもののように係止部73の全体が内蔵部分76に位置しているものと比べて、製品使用時のファスニングテープ70の取り出しが容易である。使用時には、使い捨ておむつ10を自然に展開した状態で身体にあてがった後、背側部分Bに設けられたファスニングテープ70の両端部内面の係止部73を腹側部分Fの外面に係止することにより、図10に示すように装着を行うことができる。装着状態では、図10に示すように、ファスニングテープ70が幅方向WDに弾性伸縮可能であるため、使い捨ておむつ10の胴周りを弾性的にフィットさせることができる。
テープタイプの使い捨ておむつ10は、図13(a)(b)に示すように、サイドフラップ部SFが幅方向WDの中央側に折り返された後、図13(c)に示すように前後方向LDに二つ折りされた折り畳み状態で包装袋内に多数重ねて詰め込まれ、販売されることが一般的である。このような場合、包装袋に詰め込むまでの過程で折り畳み状態がしっかりと維持されることが好ましい。特に、ファスニングテープ70の内蔵部分76に自由部分77を設ける場合、表側シートS1における自由部分77と重なる部分も裏側部分に対して移動可能となるため、この表側シートS1における移動可能な部分が捲れたり、しわがよったりするおそれがある。しかし、図13に示すように折り畳み、図14に示すようにサイドフラップ部SFにおける係止部73よりも幅方向WDの中央側の位置で、サイドフラップ部SF及びファスニングテープ70が幅方向WDの中央側に折り返され、かつこの状態で係止部73における突出部分75に位置する部分が突出部分に対向する面に係止されていると、表側シートS1における移動可能な部分が捲れたり、しわがよったりするおそれが少ないものとなる。
ファスニングテープ70は、特許文献2記載のように左右個別に設ける他、図示形態のように、幅方向WDの両側にわたり連続して背側部分Bの両側縁から突出する帯状シート90を設け、その幅方向WDの両側の部分をファスニングテープ70とすることもできる。このような帯状シート90にすることで、背中から脇部まで一体で伸縮するためフィット性が向上し、着用者の動きによってずれたり隙間ができにくくなる。また、このような帯状シート90にすることで、左右のファスニングテープ70が一体となるため、部材点数を減らすことができる。帯状シート90の寸法は適宜定めることができるが、幅(上下方向長さ)90Yは、本体部10の全長Lの4〜25%程度とするのが好ましく、長さ90Xは伸張状態で本体部10の全長Lの110〜300%程度とするのが好ましい。帯状シート90の通過位置は適宜定めることができるが、図示のように帯状シート90が吸収要素50からエンドフラップEFにかけて重なるように構成されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため好ましい。
帯状シート90は、自由部分77だけでなく、固定部分78も弾性伸縮可能な部分とすることができ、左右の係止部73間の全体、又は帯状シート90の全体を弾性伸縮可能とすることもできる。帯状シート90の一部を弾性伸縮可能とするには、例えば図9(b)に示す構造において、弾性伸縮部材92を部分的に設ける他、シートの長手方向(おむつの幅方向WD)にシート基材91の全長にわたって弾性伸縮部材92を取り付けた後に、非収縮部分では弾性伸縮部材92を収縮力が働かないように切断することもできる。帯状シート90の固定部分78が幅方向WDに弾性伸縮するように構成されている場合、当該固定部分78は幅方向WDに伸長した状態で背側部分Bに固定するのが好ましいが、帯状シート90の固定部分78が幅方向WDに弾性伸縮しない場合等、必要に応じて、帯状シート90の固定部分78を伸長せずに(つまり自然長の状態で)背側部分Bに固定することも可能である。
帯状シート90により一体的に左右のファスニングテープ70を構成すると種々の利点があるが、帯状シート90の幅方向WDの両端からその幅方向WDの中央側に延在するように係止部73としてのメカニカルファスナーのフック材が取り付けられており、このフック材の側方の端部が係止機能を有しないつまみ部としての非機能部分73tとなっており、かつこの非機能部分より基端側が係止部73となっていると、特におむつの製造が容易となるため好ましい。すなわち、図15に示すように、連続帯状の弾性伸縮シート100を製造し、その連続方向に間隔を空けてフック材101を貼り付けた後、係止部73となる部分を残し、フック材101の幅方向WDの中間部におけるフックを溶融させて潰す等により非機能領域101tを形成し、これと同時又はその後に、当該非機能領域101tの連続方向中央で切断することにより、前述の非機能部分73t及び係止部73を有する個々の帯状シート90を形成し、この帯状シート90を90度回転させ使い捨ておむつ10の組み立て工程に供給することにより、帯状シート90を有する使い捨ておむつ10を容易に製造することができる。通常、ファスニングテープ70は装着の際に掴みやすくするために、剛性の高い不織布を使用しているため、着用者が足を動かしたときにファスニングテープ70と脚がすれて肌が傷つくおそれがある。これに対して、帯状シート90の左右両端にフック材を取り付け、フック材の左右端部のフックを潰す形態で、帯状シート90に剛性の低く柔軟な不織布を使用し、かつ両端に厚みと剛性のあるフック材を取り付けると、柔らかさと掴みやすさを両立することができる。図15に示す形態では、外装シート12上に液不透過性シート11を張り付けた裏側要素の内面上に、同じく順次供給される帯状シート90を90度回転して貼り付け、その上に吸収要素50を貼り付け、更にその上に表側要素(トップシート30、中間シート、立体ギャザー等)を貼り付け、CD方向両側縁を流れ方向に間欠的に脚周りに沿う曲線状に切断した後、ライン流れ方向に間欠的に切断し、個別の使い捨ておむつ10を製造する形態となっているが、製品厚み方向における帯状シート90の取り付け位置や、製造ラインの工程に応じて、適宜の変更が可能である。
他方、前述のようにサイドフラップ部SFに非接合部分15を設ける場合、非接合部分15の剛度が低下し、型崩れを起こすおそれがある。よって、このような型崩れを防止するために、図1及び図8(b)に示すように、表側シートS1は、サイドフラップ部SFの側縁で裏側に折り返された折り返し部分と、この折り返し部分とその表側に対向する部分とが溶着された多数の溶着部を有する溶着領域とを有しており、この溶着領域が少なくとも係止部73の基端側の端部と重なる位置に設けられているのは好ましい。これにより、表側シートS1の剛性が向上してサイドフラップ部SFの型崩れを防止できるだけでなく、係止部73の内蔵部分76に位置する部分を表側シートS1から剥離する際、表側シートS1の痛みを防止することができるため好ましい。
また、図11及び図12に示すように、バリヤーシート62及び外装シート12の少なくとも一方を非接合部分15の幅方向WDの中央側までとし、その側部から側方に延びるように補強シート80を継ぎ足しても良い。この補強シート80としては、周囲のシート、つまりバリヤーシート62や外装シート12よりも剛度の高いシートを用いるのが好ましい。具体的には、クラーク法(JISL1096 C法)によって測定される剛軟度の、シートのMD方向とCD方向との和が100mm以上、好ましくは150mm以上のシートを用いると良く、より具体的には繊維目付が30〜70g/m2程度、厚みが0.1〜0.4mm程度の不織布、中でも撥水性のスパンボンド不織布が好ましい。
また、本発明では、ファスニングテープ70は幅方向WDに弾性伸縮するものであるため、図1に示すように、腹側部分F及び背側部分Bの胴周り部の幅が股間部の幅より広くなる(換言すればおむつの股間部がくびれた形状となる)形態とせずに、図11に示すように、おむつの全長にわたりおむつの幅が股間部の幅と同じとなる形態とし、素材使用量を抑えるのも好ましい。
(ターゲットシート)
腹側部分Fにおけるファスニングテープ70の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲットシート74を設けるのが好ましい。ターゲットシート74は、ファスニングテープ70の係止部73がフック材(面ファスナーの雄材)の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。
また、腹側部分Fにおけるファスニングテープ70の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ70の係止部73がフック材の場合には、ターゲットシート74を省略し、フック材を外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート74を外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
ファスニングテープ70の係止部73の係止箇所の位置及び寸法は任意に定めることができる。乳幼児用おむつにおいては、係止箇所は、前後方向LDの長さが20〜80mm、幅方向WDの長さが150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「展開状態」とは自然長の状態から、収縮や弛み無く完全に完全に平坦に伸ばし広げた状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「人工尿」は、尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したものであり、特に記載の無い限り、温度37度で使用される。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
本発明は、使い捨ておむつに利用可能なものである。
10…使い捨ておむつ、11…液不透過性シート、12…外装シート、15…ベルトホール、16…滑り止め部、30…トップシート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部立体ギャザー、62…ギャザーシート、70…ファスニングテープ、73…係止部、73t…非機能部分、75…突出部分、76…内蔵部分、77…自由部分、78…固定部分、80…補強シート、90…帯状シート、91…シート基材、92…弾性伸縮部材、B…背側部分、F…腹側部分、S1…表側シート、S2…裏側シート、SF…サイドフラップ部、LD…前後方向、WD…幅方向。

Claims (4)

  1. 前後方向中央よりも前側に延在する腹側部分と、前後方向中央よりも後側に延在する背側部分とを有し、
    腹側部分から背側部分にかけて設けられた吸収要素と、この吸収要素の表面側を覆う液透過性のトップシートと、吸収要素の裏面側を覆う液不透過性シートとを備え、
    前記背側部分は、前記吸収要素の幅方向一方側及び他方側にそれぞれ延在する一対のサイドフラップ部を有し、このサイドフラップ部は表面側に位置する表側シートと、この表側シートの裏面側に積層された裏側シートとを有しており、
    前記背側部分の一対のサイドフラップ部には、当該サイドフラップ部の側方に突出する突出部分と、当該サイドフラップ部における前記表側シート及び裏側シートの間を通り当該サイドフラップ部の側縁から幅方向中央側に延びる内蔵部分とを有するファスニングテープがそれぞれ設けられており、
    前記内蔵部分は、前記突出部分側における前記表側シート及び裏側シートの間に位置し、前記表側シート及び裏側シートの両者に固定されていない自由部分と、この自由部分の幅方向中央側に位置し、その表裏少なくとも一方側の部材に固定された固定部分とを有しており、
    前記サイドフラップ部は、少なくとも前記自由部分を含む領域で前記表側シート及び前記裏側シートが接合されておらず、
    前記ファスニングテープの表面に、腹側部分の外面及び前記表側シートの裏面に対して係止可能な係止部を有しており、
    前記係止部は、基端側の端部が前記内蔵部分に位置するとともに前記表側シートの裏面に係止され、かつこれよりも先端側が前記突出部分に位置しており、
    前記ファスニングテープは、幅方向両側にわたり連続して背側部分の両側縁から突出する帯状シートにおける幅方向両側の部分であり、
    前記固定部分は、前記帯状シートにおける前記吸収要素の幅方向一方側に位置する部分から他方側に位置する部分にかけて延在する部分であり、
    前記帯状シートにおける、左右の前記係止部の間の全体が幅方向に弾性伸縮可能である、
    ことを特徴とする、使い捨ておむつ。
  2. 前記サイドフラップ部における前記係止部よりも幅方向中央側の位置で、前記サイドフラップ部及びファスニングテープが幅方向中央側に折り返され、かつこの状態で前記係止部における前記突出部分に位置する部分が前記突出部分に対向する面に係止されている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
  3. この帯状シートの表面には、その幅方向両端からその幅方向中央側に延在するようにメカニカルファスナーのフック材が取り付けられており、このフック材は側方の端部が係止機能を有しないつまみ部としての非機能部分となっており、かつこの非機能部分より基端側が前記係止部となっている、
    請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
  4. 前後方向中央よりも前側に延在する腹側部分と、前後方向中央よりも後側に延在する背側部分とを有し、
    腹側部分から背側部分にかけて設けられた吸収要素と、この吸収要素の表面側を覆う液透過性のトップシートと、吸収要素の裏面側を覆う液不透過性シートとを備え、
    前記背側部分は、前記吸収要素の幅方向一方側及び他方側にそれぞれ延在する一対のサイドフラップ部を有し、このサイドフラップ部は表面側に位置する表側シートと、この表側シートの裏面側に積層された裏側シートとを有しており、
    前記背側部分の一対のサイドフラップ部には、当該サイドフラップ部の側方に突出する突出部分と、当該サイドフラップ部における前記表側シート及び裏側シートの間を通り当該サイドフラップ部の側縁から幅方向中央側に延びる内蔵部分とを有するファスニングテープがそれぞれ設けられており、
    前記内蔵部分は、前記突出部分側における前記表側シート及び裏側シートの間に位置し、前記表側シート及び裏側シートの両者に固定されていない自由部分と、この自由部分の幅方向中央側に位置し、その表裏少なくとも一方側の部材に固定された固定部分とを有しており、
    前記サイドフラップ部は、少なくとも前記自由部分を含む領域で前記表側シート及び前記裏側シートが接合されておらず、
    前記ファスニングテープの表面に、腹側部分の外面及び前記表側シートの裏面に対して係止可能な係止部が設けられており、
    前記係止部は、基端側の端部が前記内蔵部分に位置するとともに前記表側シートの裏面に係止され、かつこれよりも先端側が前記突出部分に位置しており、
    前記ファスニングテープにおける、前記係止部より基端側の少なくとも一部は幅方向に弾性伸縮可能であり、
    前記係止部は、前記ファスニングテープの表面に取り付けられたメカニカルファスナーのフック材であり、
    前記表側シートは、前記サイドフラップ部の側縁で裏側に折り返された折り返し部分と、この折り返し部分とその表側に対向する部分とが溶着された多数の溶着部を有する溶着領域とを有しており、前記ファスニングテープは前記折り返し部分と前記裏側シートとの間に通されており、前記溶着領域が少なくとも前記係止部の基端側の端部と重なる位置に設けられている、
    ことを特徴とする、使い捨ておむつ。
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