JP2021063226A - 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法 - Google Patents

熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021063226A
JP2021063226A JP2020177893A JP2020177893A JP2021063226A JP 2021063226 A JP2021063226 A JP 2021063226A JP 2020177893 A JP2020177893 A JP 2020177893A JP 2020177893 A JP2020177893 A JP 2020177893A JP 2021063226 A JP2021063226 A JP 2021063226A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
shrinkable film
film
shrinkage
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020177893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7092173B2 (ja
Inventor
洋喜 三谷
Hiroki Mitani
洋喜 三谷
幸弘 田中
Yukihiro Tanaka
幸弘 田中
修二 小林
Shuji Kobayashi
修二 小林
啓太 池田
Keita Ikeda
啓太 池田
雅樹 三輪
Masaki Miwa
雅樹 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Group Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemical Holdings Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2020177893A priority Critical patent/JP7092173B2/ja
Publication of JP2021063226A publication Critical patent/JP2021063226A/ja
Priority to JP2022095919A priority patent/JP2022141636A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7092173B2 publication Critical patent/JP7092173B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Wrappers (AREA)

Abstract

【課題】被覆後の耐久性及び被覆保持性に優れた熱収縮性フィルムを提供すること。【解決手段】ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層をフィルムの少なくとも一方の面に備えた単層又は積層の熱収縮性フィルムであって、下記a)〜c)を満たす熱収縮性フィルムとする。a)前記ポリエステル樹脂が共重合ポリエステル樹脂を含むb)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向に対して直交方向における熱収縮率が4%以上15%以下c)前記熱収縮フィルムが二軸延伸フィルムであり、主収縮方向に対して直交方向の延伸倍率が1.3倍以上【選択図】なし

Description

本発明は、熱収縮性フィルム、箱状包装資材、電池セル及び熱収縮性フィルムの製造方法に関し、詳しくは、被覆後の耐久性及び被覆保持性に優れた熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セルに関する。
ハイブリッドカー及び電気自動車等に使用される車両用バッテリー、自然エネルギー及び深夜電力を充電するための電源装置等に使用されるバッテリーは、複数の角型電池セルにより構成されている。上記角型電池セルは、絶縁、防水、保護等のために熱収縮性のフィルム又はチューブによって被覆されて用いられる。
上記フィルムによって被覆された電池セルの包装体としては、一般的に、図3に示すような角型の電池セル101の胴体部102に帯状のフィルム100等を巻き付けた角型包装体(例えば、特許文献1参照)が提案されており、チューブによって被覆された電池セルの包装体としては、図4に示すようなチューブ状のフィルム200等の一端側(底)201をシールし、袋状にして角型の電池セル101を挿入する角型包装体等が提案されている。しかしながら、これらの包装体では、必ずしも充分に電池セル101を被覆できず、結露等で電池セル101を挿入する筐体の底に水がたまった際に、電池セル101が剥き出しになっている部分で短絡が発生する場合がある。
また、図4に示した例では、フィルム200によって被覆された電池セル101の底部がシール部と接触するので、フィルム200等を被覆した電池セル101が自立しない場合がある。更に、近年では、車中でのバッテリーが配置される空間の占める体積を少なくして、車の小型化を図る傾向があり、バッテリーの放熱性が問題となっている。バッテリーからの発熱を効率よく放熱する技術としては、電池セル101からの放熱を電池セル101が収納される筐体底面から行う技術が確立されている。しかしながら、図4に示した例では、電池セル101の底面が筐体に充分接触しないので、放熱性が悪い場合がある。これらの改良のために、フィルム200によって被覆された電池セル101が自立できるように底部にガゼットが設けられた角型包装体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2に記載の角型包装体では、フィルム等の厚さが薄い場合には、底部にガゼットを入れることで底部を平らにすることは可能であるが、フィルム等の厚さを薄くすると、破れる等の別の不具合が発生しやすくなる。また、一般的に電池セル被覆用として必要な厚さを有するフィルム等では、特許文献2に記載の角型包装体のように、ガゼットを設けて底部を平らにするように折り加工が多いと加工が困難となる場合がある。このような問題に対応する技術としては、図5に示すように、フィルムを断裁して山折り部301(図5の破線参照)及び切り込み部302(図5の実線参照)を設けた箱状包装資材展開体300とし、フィルムの一端側303が箱状包装体400の内側となり、フィルムの他端側304が箱状包装体400の外側となるようにしてヒートシール加工で箱状に組立てた箱状包装体400(図6参照)とすることが提案されている。
実用新案登録第3200706号公報 実用新案登録第3195394号公報
これら電池セルの絶縁被覆用のフィルム又はチューブとして、従来は、塩化ビニル製のものが多く用いられてきたが、近年、環境への配慮等の理由から非塩化ビニル化の要求がある。また、塩化ビニル製のフィルム又はチューブの場合、特に車両用途では長期に振動を与えると、筐体とフィルム等とが擦れることでフィルム等が破れる恐れがある。そこで、これらの改良のため、ポリエステル系樹脂製のフィルム又はチューブが検討されている。しかしながら、ポリエステル系樹脂製のチューブ又はフィルムは、一般にヒートシール加工が難しく、袋状及び箱状の包装体に加工する際に、ヒートシール部で接着不良及び穴開き等が起こりやすい。また、長期耐久性の観点では、塩化ビニル製のフィルム又はチューブと同様に、破れ及び擦れ等が発生する場合もある。更に、ポリエステル系樹脂製のフィルム又はチューブは、寒暖の繰り返しにより二次収縮が起こり、被覆状態不良が起こりやすいという問題もある。
上記図5に示すような箱状包装資材展開体を用いる場合は、切り込み部がL字状となっているため高い加工の精度が要求され、また搬送時等にL字状の切り込みが拡大してしまい、箱状包装資材展開体の破れ等につながる。さらにヒートシール加工で箱状に組み立てる際に、L字切り込み部を起点に内側に折込むため、高い組立精度が要求され、組立がずれやすいことによるヒートシール部のずれが生じ、ヒートシール不良となる場合がある。 このような問題に対応するには、図7に示すような箱状包装資材展開体を、ヒートシール加工で箱状に組立てた箱状包装体600(図8参照)とすることが有効である。
しかし、図7に示すような箱状包装資材展開体を、図8に示すような箱状包装体600とした場合、箱状包装体600のヒートシール部の一部において、重なるフィルムの収縮方向が主収縮方向と、主収縮方向に直交する方向とが混在することとなる。主収縮方向と、主収縮方向に直交する方向では、二次収縮の大きさが異なるためヒートシール部の際(ヒートシール部の近傍)でフィルムのズリに伴う穴開きが発生しやすいという問題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被覆後の耐久性及び被覆保持性に優れた熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セルを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂のフィルムにおいて、主収縮方向における熱収縮率、主収縮方向に対して直交方向における熱収縮率、上記主収縮方向における熱収縮率と主収縮方向に対して直交方向における熱収縮率との差を特定の範囲とすることにより、上記従来技術の課題を解決し得る熱収縮性フィルムを得ることに成功し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
本発明は以下の[1]〜[13]を提供する。
[1]ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層をフィルムの少なくとも一方の面に備えた単層又は積層の熱収縮性フィルムであって、
下記a)〜d)を満たす熱収縮性フィルム。
a)前記ポリエステル樹脂が共重合ポリエステル樹脂を含む
b)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向における熱収縮率が40%以上65%以下
c)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向に対して直交方向における熱収縮率が4%以上15%以下
d)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向の熱収縮率と主収縮方向に対して直交方向における熱収縮率との熱収縮率差(主収縮方向における熱収縮率−主収縮方向に対して直交方向における熱収縮率)が30%以上55%以下
[2]下記e)〜g)を満たす[1]に記載の熱収縮性フィルム。
e)示差走査型熱量測定により、10℃/分で昇温した際の結晶融解熱量(ΔHm)が20J/g以下
f)一方の表面同士の融着温度(FT1)と他方の表面同士の融着温度(FT2)との融着温度差(FT1−FT2)の絶対値が20℃以下
g)70℃の温水中に10秒間浸漬した後のネックイン率が5.0%以下
[3]前記共重合ポリエステル樹脂が、共重合成分としてテレフタル酸とエチレングリコールとを含み、更に1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−プロパンジオール、及びイソフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、[1]または[2]記載の熱収縮性フィルム。
[4]前記共重合ポリエステル樹脂が、共重合成分として、エチレングリコール以外のジオール成分をジオール成分総量100モル%に対して、15モル%以上含む[1]〜[3]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[5]JIS K7204に準拠したテーバー摩耗試験において、摩耗輪に規定の荷重4.9Nを加え、回転台を一定速度70回転/分で回転させた際、試験片表面の1000回転当たりの摩耗質量が25mg以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[6]体積固有抵抗が1×1014Ω・cm以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[7]絶縁破壊電圧が8kV以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[8]絶縁被覆用である、[1]〜[7]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[9]電池セル被覆用である、[1]〜[8]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。[10]箱状包装資材展開体に裁断されてなる、[1]〜[9]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[11]上記[10]に記載の熱収縮性フィルムを用いた箱状包装資材であって、折り曲げ加工部及びヒートシール部を備えたことを特徴とする、箱状包装資材。
[12]上記[11]に記載の箱状包装資材で被覆されてなることを特徴とする、電池セル。
[13]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の熱収縮性フィルムの製造方法であって、主収縮方向の延伸倍率が3.0倍以上、主収縮方向に直交する方向の延伸倍率が1.3倍以上に延伸する工程を少なくとも有する熱収縮性フィルムの製造方法。
本発明によれば、被覆後の耐久性及び被覆保持性に優れた熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セルを実現できる。
図1は、本発明の実施例に係るヒートサイクル試験における箱状包装体の寸法の説明図である。 図2は、本発明の実施例に係るヒートサイクル試験で用いられるアルミ金属塊の寸法の説明図である。 図3は、従来技術のフィルムによる電池セルの被覆の説明図である。 図4は、従来技術のチューブによる電池セルの被覆の説明図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態における箱状包装資材展開体の模式図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態における箱状包装体の模式図である。 図7は、本発明の第2の実施の形態における箱状包装資材展開体の模式図である。 図8は、本発明の第2の実施の形態における箱状包装体の模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態によって何ら限定されるものではない。
なお、本明細書において、「主成分とする」とは、主成分として含有される樹脂が有する作用及び効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する意味である。また、「主成分とする」とは、具体的な含有率を制限するものではないが、構成成分全体に対する含有率が50質量%以上を占める成分であることが好ましく、70質量%以上を占める成分であることがより好ましく、80質量%以上を占める成分であることが更に好ましく、また100質量%以下の範囲を占める成分である。以下、本実施の形態に係る熱収縮フィルムについて詳細に説明する。
<実施の形態>
本実施の形態に係る熱収縮性フィルムは、ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層をフィルムの少なくとも一方の面に備えた単層又は積層の熱収縮性フィルムであって、 下記a)〜d)を満たす熱収縮性フィルムである。
a)前記ポリエステル樹脂が共重合ポリエステル樹脂を含む
b)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向における熱収縮率が40%以上65%以下
c)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向に対して直交方向(以下、単に「直交方向」という)における熱収縮率が4%以上15%以下
d)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向の熱収縮率と直交方向における熱収縮率との熱収縮率差(主収縮方向における熱収縮率−直交方向における熱収縮率)が30%以上55%以下
〔ポリエステル樹脂〕
まず、熱収縮性フィルムの樹脂層に用いられるポリエステル樹脂について説明する。 上記ポリエステル樹脂とは、構成原料として、ジカルボン酸成分及びジオール成分を含む共重合成分を重合することにより得られる熱可塑性樹脂である。
本実施の形態に係る熱収縮性フィルムは、ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層をフィルムの少なくとも一方の面に備えた単層又は積層の熱収縮性フィルムであって、前記ポリエステル樹脂が共重合ポリエステル樹脂を含むことが必要である。
(共重合ポリエステル)
本実施の形態で用いる共重合ポリエステルとは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールを含み、更に上記テレフタル酸、エチレングリコール以外のジカルボン酸成分及びジオール成分の少なくとも一方を含む共重合成分を共重合させたものである。また、共重合ポリエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸としては、熱収縮性フィルムのヒートシール部の穴開き及び接着不良を防ぐ観点、被覆後の耐久性及び被覆保持性の観点から、芳香族ジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸及びイソフタル酸が特に好ましい。また、テレフタル酸を主成分とすることがより好ましい。
共重合成分におけるテレフタル酸の配合量は、熱収縮性フィルムのヒートシール部の穴開き及び接着不良を防ぐ観点、被覆後の耐久性及び被覆保持性の観点から、ジカルボン酸成分の総量100モル%に対し、75モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、85モル%以上が更に好ましく、また100モル%以下が好ましい。
上記ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール等が挙げられる。これらのジオール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジオール成分としては、熱収縮性フィルムのヒートシール部の穴開き及び接着不良を防ぐ観点、被覆後の耐久性及び被覆保持性の観点から、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが特に好ましい。また、エチレングリコールを主成分とすることがより好ましい。
共重合成分におけるエチレングリコールの配合量は、熱収縮性フィルムのヒートシール部の穴開き及び接着不良を防ぐ観点、被覆後の耐久性及び被覆保持性の観点から、ジオール成分総量100モル%に対して、40モル%以上が好ましく、45モル%以上がより好ましく、50モル%以上が更に好ましく、また85モル%以下が好ましく、75モル%以下がより好ましく、70モル%以下が更に好ましい。
また、共重合成分におけるエチレングリコール以外のジオール成分の配合量は、熱収縮性フィルムのヒートシール部の穴開き及び接着不良を防ぐ観点、被覆後の耐久性及び被覆保持性の観点から、ジオール成分総量100モル%に対して、15モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、また60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。
本発明で用いる共重合ポリエステル樹脂は、共重合成分としてテレフタル酸とエチレングリコールとを含み、更に結晶性の低い成分、例えば、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−プロパンジオール、及びイソフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが、熱収縮性フィルムのヒートシール部の穴開き及び接着不良を防ぐ観点、被覆後の耐久性及び被覆保持性の観点から好ましい。中でも、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸を含むことが特に好ましい。
本実施の形態で用いる共重合ポリエステル樹脂は、共重合成分としてジカルボン酸成分及びジオール成分を所定の成分量になるように調整し、この共重合成分を公知の方法に従い、まずエステル化反応を行った後、重縮合反応させることにより得ることができる。
本実施の形態で用いるポリエステル樹脂は、上記共重合ポリエステル樹脂を含むものであり、例えば、テレフタル酸とエチレングリコールのみからなるポリエチレンテレフタレート(ホモポリエステル)と1種類以上の共重合ポリエステルを含むものであってもよく、1種類の共重合ポリエステルのみからなるものであってもよく、また、異なる組成の共重合ポリエステルを2種以上含んでいてもよい。
<フィルムの層構成>
本実施の形態に係る熱収縮性フィルムは、ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層をフィルムの少なくとも一方の面(例えば、表面又は裏面)に備えていればよい。すなわち、熱収縮性フィルムは、ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層をフィルムの一方の面(表面又は裏面)に備えていてもよく、両面(表面及び裏面)に備えていてもよい。
熱収縮性フィルムの層構成は、要求品質や用途の観点等から、必要に応じて適宜選択することができ、ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層の単層フィルムであってもよく、ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層に他の樹脂層が積層された複数層の積層フィルムであってもよい。また、熱収縮性フィルムには、更に必要に応じて、蒸着層や各種コート層等を設けることもできる。
上記ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層には、上記ポリエステル樹脂以外にも、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、加水分解防止剤、安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、無機フィラー、各種樹脂等が挙げられる。また、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。
<熱収縮性フィルムの製造方法>
上記熱収縮性フィルムの製造方法は、特に限定されるものではない。熱収縮性フィルムが単層フィルムである場合は、例えば、Tダイ法、チューブラー法等公知の方法により製造することができる。また、熱収縮性フィルムが積層フィルムである場合は、例えば、複数の押出機を用いて共押出しする方法や、各層を構成する樹脂を別々にシート化した後に、プレス法、ロールニップ法等を用いて積層する方法等により製造することができる。
熱収縮性フィルムは、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法、長間隔延伸法等により、一軸又は二軸延伸される。特に本実施の形態に係る熱収縮性フィルムは、二軸延伸されたフィルムであることが好ましい。
熱収縮性フィルムの形態は特に限定されず、平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性や内面への印刷可能性等の観点から、平面状の形態であることが好ましい。 平面状フィルムの製造方法としては、例えば、単層フィルムの場合は、押出機を用いて樹脂層で使用する樹脂又は樹脂組成物を溶融し、Tダイから押出し、チルドロールで冷却固化してフィルムを得る方法が例示できる。また、積層フィルムの場合は、上記の方法において複数の押出機を用いて共押出すればよい。得られたフィルムは、縦方向にロール延伸、横方向にテンター延伸をし、その後、アニール、冷却、必要に応じてコロナ放電処理等の工程を経ることにより、一軸又は二軸方向に延伸された平面状フィルムとすることができる。また、上記のTダイによる方法以外にも、チューブラー法により一軸又は二軸方向に延伸されたフィルムを切り開いて平面状フィルムを製造する方法も適用できる。
二軸延伸は、フィルムの引き取り方向(縦方向)と、フィルムの引き取り方向に直交する方向(横方向)とを同時に行ってもよいが、いずれか一方を先に行う逐次二軸延伸が効果的である。逐次二軸延伸では、フィルムの引き取り方向、フィルムの引き取り方向に直交する方向のどちらを先に延伸してもよい。
延伸温度は、熱収縮性フィルムを構成する樹脂の軟化温度及び熱収縮性フィルムの用途によって適宜変更される。延伸温度は、ネックイン率を低減する観点から、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、85℃以上が更に好ましく、90℃以上がより更に好ましく、また130℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。
通常、二軸延伸した際にフィルムの延伸倍率の高い方向が、熱をかけて収縮させた時の熱収縮率が高い主収縮方向となる。
主収縮方向の延伸倍率は、熱収縮性フィルムの構成成分、延伸手段、延伸温度、製品形態に応じて適宜決定される。主収縮方向の延伸倍率は、3.0倍以上であり、4.0倍以上が好ましく、5.0倍以上がより好ましく、また7.0倍以下であり、6.0倍以下が好ましい。
車載バッテリーに用いられる電池セルの被覆絶縁用のように、ほぼ一方向の収縮特性を必要とする用途の場合でも、直交方向に収縮特性を阻害しない範囲で延伸をすることも効果的となる。
直交方向に延伸する場合の延伸温度は、典型的には60℃以上100℃以下の範囲である。延伸方法はロール延伸法が好ましく、かかる温度範囲であればロールへのフィルムの貼り付きがなく均一な延伸が可能である。また延伸倍率については、大きくなるほど耐破断性は向上するが、それに伴い熱収縮率が上昇し、被覆性に影響を及ぼすことがあるため、1.3倍以上であり、1.4倍以上が好ましく、また2.0倍以下であり、1.8倍以下が好ましい。
また、熱収縮性フィルムは、延伸後に延伸フィルムの分子配向が緩和しない時間内に速やかに、熱収縮性フィルムの冷却を行うことにより、収縮性を付与して保持することができる。
熱収縮性フィルムの厚さは、後述する体積固有抵抗及び絶縁破壊電圧を満足すれば特に制限はないが、耐摩耗性、絶縁性及び一般的なポリエステル系熱収縮性フィルムの特性等の観点から、フィルムの厚さ(絶対平均厚さ)が、80μm以上であることが好ましく、85μm以上であることがより好ましく、90μm以上であることが更に好ましい。また、フィルムの厚さは、折り等の加工を行う必要性及びコスト等の観点から、120μm以下であることが好ましい。絶縁性に関する特性については、フィルムの厚さ(絶対平均厚さ)との関係があり、一般的に、フィルムの厚さが厚いほど絶縁性は上がり、より絶縁性に関する特性を担保できる。
このようにして製造される本実施の形態に係る熱収縮フィルムは、下記のb)〜d)の要件を満たすものである。
b)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向における熱収縮率が40%以上65%以下
c)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の直交方向における熱収縮率が4%以上15%以下
d)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向の熱収縮率と直交方向における熱収縮率との熱収縮率差(主収縮方向における熱収縮率−直交方向における熱収縮率)が30%以上55%以下
<熱収縮率>
上記熱収縮性フィルムは、99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向における熱収縮率が40%以上であり、42%以上であることが好ましく、44%以上であることがより好ましく、65%以下であり、63%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。熱収縮性フィルムの主収縮方向における熱収縮率が上記下限値以上であれば、図6や図8に示すように、箱状包装体に加工して電池セルに被せた後、シュリンカーで収縮して電池セルに被覆する工程において、タイトに密着できずに、電池セルと熱収縮性フィルムとの間に結露等により水分が入り込むリスクが生じることもない。また、熱収縮性フィルムの主収縮方向における熱収縮率が上記上限値以下であれば、シュリンカーで収縮させた際に、直交方向に大きな引けが生じることもない。ここで、「主収縮方向」とは、99℃の温水中に10秒間浸漬した際の収縮率が最も大きい方向を意味する。
熱収縮性フィルムは、引けが生じると、収縮加工において、電池セルの一部が被覆できなくなってしまい、絶縁性が低下する場合がある。また、仮にこの段階でバッテリーを被覆できたとしても、寸法形状に余裕がないため、車のバッテリー搭載部の温度の上昇と下降の繰り返しにより、熱収縮性フィルムに二次収縮が発生し、その結果電池セルの一部が被覆できなくなってしまうリスクが高まる。また、二次収縮によりヒートシール部の際(近傍)での収縮によるズリの力が大きくなり、割れが発生するリスクが高まる。なお、熱収縮率でのコントロール以外にも、熱収縮性フィルムの高さ寸法を大きくすることで、上記リスクに対応することも可能である。しかしながら、余分な材料を多く使用することになり、コスト面で好ましくなく、電極等の被覆不要な部分まで被覆してしまうことにもなるため、熱収縮フィルムの寸法を大きくして対応するよりも、熱収縮フィルムの熱収縮率を適切なものとすることが品質設計上好ましい。
また、熱収縮性フィルムは、99℃の温水中に10秒間浸漬した際の直交方向における熱収縮率が4%以上であり、5%以上であることが好ましく、6%以上であることがより好ましく、15%以下であり、14%以下であることが好ましく、12%以下であることがより好ましい。収縮性フィルムの直交方向における熱収縮率が上記下限値以上であれば、フィルムの直交配向による直交方向の剛性が充分となり、二次収縮によりヒートシール部際での収縮によるズリの力による割れが発生しにくい。また、熱収縮性フィルムは、熱収縮性フィルムの直交方向における熱収縮率が上記上限値以下であれば、シュリンカーで収縮させた際に、直交方向に大きな引けが生じることもない。
上記熱収縮性フィルムは、99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向の熱収縮率と直交方向における熱収縮率との熱収縮率差(主収縮方向における熱収縮率−直交方向における熱収縮率)が30%以上であり、31%以上であることが好ましく、32%以上であることがより好ましく、55%以下であり、53%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。主収縮方向の熱収縮率と直交方向における熱収縮率との差が上記の上限下限の範囲内であれば、主収縮方向の熱収縮時、主収縮方向に直行する方向の収縮率による影響を受けにくく、熱収縮時にフィルムを均一に収縮させる事ができる。被覆物に収縮させた際、被覆物とのフィルムとが均一に密着させることができる。例えば、被覆物が電池セルの場合、熱収縮性フィルムとの間に結露等により水分が入り込むことがなく好ましい。
また、実施の形態に係る熱収縮性フィルムは、更に、下記e)〜g)を満たすことが好ましい。
e)示差走査型熱量測定により、10℃/分で昇温した際の結晶融解熱量(ΔHm)が20J/g以下
f)一方の表面同士の融着温度(FT1)と他方の表面同士の融着温度(FT2)との融着温度差(FT1−FT2)の絶対値が20℃以下
g)70℃の温水中に10秒間浸漬した後のネックイン率が5.0%以下
<結晶融解熱量(ΔHm)>
熱収縮性フィルムは、JIS K7122に準拠し、示差熱走査型熱量測定により、昇温速度10℃/分でフィルムを昇温した際の結晶融解熱量(ΔHm)が20J/g以下であることが好ましい。結晶融解熱量(ΔHm)が20J/g以下であれば、ヒートシールが可能な温度が場所によって異なる現象が起こらず、ヒートシールが不安定になることがない。熱収縮性フィルムの結晶融解熱量(ΔHm)は、18J/g以下が特に好ましく、16J/g以下がより好ましい。
一般的に、結晶性が低い原材料でフィルムを構成する場合は、フィルムの場所によって結晶性の高いところと低いところという分布ができにくく、フィルム加工方法及び加工条件に制約はない。これに対して、結晶性が高い原材料でフィルムを構成する場合は、フィルムの加工方法及び加工条件によって、表面及び裏面の結晶性が相互に異なり易くなるだけでなく、同一面同士でもフィルムの場所によって結晶性が異なり易いので、フィルム加工方法及び加工条件により結晶性に分布ができてしまう場合がある。そこで、熱収縮フィルムは、原材料の結晶融解熱量(ΔHm)が20J/g以下であることにより、フィルム加工方法及び加工条件による結晶性の分布の発生を防ぐことができる。
<融着温度差(FT1−FT2)>
熱収縮性フィルムは、一方の面(例えば、被覆体に対する熱収縮性フィルムの表面)同士の融着温度(FT1)と他方の面(例えば、被覆体に対する熱収縮性フィルムの裏面)同士の融着温度(FT2)との融着温度差(FT1−FT2)の絶対値が20℃以下であることが好ましく、15℃以下がより好ましく、10℃以下が更に好ましい。融着温度差(FT1−FT2)の絶対値が20℃以下であれば、熱収縮性フィルムの一方の面(例えば、表面)と他方の面(例えば、裏面)とをヒートシールする際に、融着温度を低い方の条件に合わせてヒートシール加工を行っても、ヒートシールが不充分になり接着不良が起こる等の不具合が生じない。また、融着温度を高い方に合わせてヒートシール加工を行っても、融着温度の低い面のシール部に過熱による穴開き等の不具合が発生することがない。このように、一方の面と他方の面とをヒートシールする場合であっても、融着温度差(FT1−FT2)の絶対値が20℃以下であれば、ヒートシール加工を好適に行うことができる。
本実施の形態において、融着温度とは、以下の条件で測定したものである。まず、熱収縮性フィルムを横方向60mm、縦方向30mmの大きさに切り取り、熱収縮性フィルムの各面同士を重ねた後、10mm幅のヒートシールバーを有するヒートシーラーに、ヒートシールバーの長手方向と横方向とを合わせてセットする。そして、シール温度を5℃間隔で、各所定の温度で片側より加熱し、0.1MPaの圧力で60秒間ヒートシールした後、10秒間静置してシール部を剥離し、3回繰り返し(N=3)実施して全て破れずに剥離できる最高温度が融着温度である。
<ネックイン率>
熱収縮性フィルムは、70℃の温水に10秒間浸漬した時のネックイン率が5.0%以下であることが好ましく、3.5%以下であることが特に好ましく、2.1%以下であることがより好ましい。ネックイン率が5.0%以下であれば、上述したバッテリー搭載部の温度の上昇と下降との繰り返しにより、少しずつ収縮及びネックインが進み、電池セルの一部が剥き出しになってしまうという不具合が生じることがない。上記熱収縮性フィルムは、上記熱収縮率及び上記ネックイン率をどちらも満足することで、長期間使用しても被覆不良等が起こらず、優れた絶縁性や防水性を維持することができるものとなる。なお、ネックイン率は、フィルム製造時の延伸条件等により調整することができる。
本実施の形態において、ネックイン率とは、以下により測定した値である。まず、熱収縮性フィルムを主収縮方向に140mm以上、直交方向に100mmの大きさに切り取り、内寸長さ140mm、幅120mmの固定枠治具に主収縮方向と内寸長さ方向を合わせて、主収縮方向を140mm長さで両端を固定した状態で取り付ける。そして、固定枠治具に取り付けた熱収縮性フィルムを70℃の温水バスに10秒間浸漬した後、30℃以下の冷水に10秒間浸漬して、直交方向の最大の熱収縮率を求めて得らえた熱収縮率を2で割った値がネックイン率である。
本実施の形態の収縮性フィルムは、上記b)〜d)の物性を満たすものであり、好ましくは更にe)〜g)の物性を満たすものである。このような物性を満たすフィルムは、例えば、前述のポリエステル樹脂を用いて、熱収縮性フィルムを製造する際に、主収縮方法の延伸倍率を3.0倍以上、主収縮方向に直交する方向の延伸倍率を1.3倍以上に延伸する工程を経ることにより得ることができる。
<耐摩耗性>
また、本実施の形態の熱収縮性フィルムは、下記の耐摩耗性を有することが好ましい。 熱収縮性フィルムは、JIS K7204に準拠したテーバー摩耗試験において、摩耗輪に規定の荷重4.9Nを加え、回転台を一定速度70回転/分で回転させた際、試験片表面の1000回転当たりの摩耗質量が25mg以下であることが好ましく、22mg以下であることがより好ましく、20mg以下であることが更に好ましく、18mg以下であることが特に好ましい。
熱収縮性フィルムは、摩耗質量が25mg以下であれば、電池セルが挿入される筐体と電池セルに被覆された絶縁材との振動により擦れが発生した結果、穴開きが発生して絶縁性が担保できなくなることがない。一般に、絶縁性保持の観点から、物理的な擦れによる穴開き等が発生し易い被覆材は好ましくない。特に車両用に使用されるバッテリーにおいては、電池セルを収納する筐体と、電池セルに被覆された絶縁材とが、振動により擦れが発生することがあるため、絶縁材の耐摩耗性は要求品質上重要な要素である。なお、摩耗質量は、適切な材料選択、フィルム製造時の延伸条件等により、適宜調整することができる。
<体積固有抵抗>
熱収縮性フィルムは、体積固有抵抗が、1×1014Ω・cm以上であることが好ましく、1×1015Ω・cm以上であることがより好ましい。熱収縮性フィルムは、体積固有抵抗が1×1014Ω・cm以上であれば、絶縁性能を担保可能であり、電池セルに過電圧がかかってしまった場合でも、破壊せずに耐性を有することができるので、電池セルの電気的ショートによるトラブルを防止することができる。
<絶縁破壊電圧>
熱収縮性フィルムの絶縁破壊電圧は、8kV以上であることが好ましく、10kV以上であることがより好ましく、11kV以上であることが更に好ましい。熱収縮性フィルムは、絶縁破壊電圧が8kV以上であれば、絶縁性能を担保可能であり、過電圧がかかってしまった場合でも、破壊せずに耐性を有することができるので、電池セルの電気的ショートによるトラブルを防止することができる。熱収縮性フィルムの絶縁破壊電圧の上限値に特に制限はなく、例えば、20kV以下である。
<フィルムの固有粘度>
熱収縮性フィルムの固有粘度は、0.50dl/g以上1.10dl/g以下であることが好ましい。熱収縮性フィルムの固有粘度が、0.50dl/g以上であれば、容易に製膜でき、物性、強度も充分なフィルムが得られる。また、当該固有粘度が、1.10dl/g以下であれば、安定して押出することができる。上述した効果がより一層向上する観点から、熱収縮性フィルムの固有粘度は、0.55dl/g以上であることがより好ましく、0.60dl/g以上であることが更に好ましく、また1.0dl/g以下であることがより好ましく、0.90dl/g以下であることが更に好ましい。なお、上記フィルムの固有粘度は、測定試料1gを精秤し、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(質量比1対1)の混合溶媒に溶解させて濃度が0.01g/cm3の溶液を調製し、30℃における溶媒との相対粘度ηrを測定して求めた値である。
<収縮応力>
熱収縮性フィルムの収縮応力は特に制限はないが、80℃のシリコンオイル中に1分間浸漬した際の最大収縮応力が、7.0MPa以下であることが好ましく、5.0Ma以下であることがより好ましく、また1.0MPa以上であることが好ましく、2.0MPa以上であることがより好ましい。熱収縮性フィルムは、収縮応力が7.0MPa以下であれば、被覆対象物を被覆した際にシール部が剥がれる等の不具合が生じることがなく、また収縮応力が1.0MPa以上であれば、被覆後に熱収縮性フィルムがシワになりにくく、電池セルを電気回路等に組み込む際にシワが配列の障害となることがない。
また、本実施の形態に係る熱収縮性フィルムは、適宜裁断することにより、所望形状の箱状包装資材展開体として用いることもできる。この箱状包装資材展開体は、例えば、電池セル等の絶縁包装材として好適に用いることができる。
また、熱収縮性フィルムは、裁断、折り曲げ、接着等の各種加工を施し、包装資材とすることができる。形状としては、例えば、箱状や袋状とすることができる。具体的には、熱収縮性フィルムを裁断加工して箱状展開断裁体とし、更に折り曲げ、ヒートシール等により接着加工を施すことにより、箱状包装資材とすることができる。
上記箱状包装資材展開としては、加工して箱状包装資材とすることができれば、特に限定されるものではないが、例えば、図5や図7に示すように、フィルムを裁断して山折り部(図5の301、図7の501破線参照)及び切り込み部(図5の302、図7の502実線参照)を設けた箱状包装資材展開体が挙げられる(図5の300、図7の500参照)。上記図5や図7に示す、箱状包装資材展開体は、加工することにより、図6や図8に示す箱状包装体とすることができる。
例えば、上記図7に示すような箱状包装資材展開体500は、フィルムの一端側505が箱状包装体600の内側となり、フィルムの他端側503および504が箱状包装体600の外側となるようにしてヒートシール加工することで箱状包装体600(図8参照)とすることができる。
上記箱状包装体600は、前述のようにヒートシール部の一部において、フィルムの収縮方向が主収縮方向(図7の505)と、直交方向(図7の503、504)とが重なることとなる。そのため、従来の熱収縮性フィルムを用いて上記箱状包装体600を作製した場合は、二次収縮が発生した際に、収縮率差によりズリが発生し、ヒートシール部の際に穴開き等の不具合が生じやすい。
一方、本実施の形態に係る熱収縮性フィルムは、前記a)〜d)を満たすため、二次収縮の発生を抑えることができるものである。そのため、本実施の形態に係る熱収縮性フィルムを用いて上記箱状包装体600を作製した場合は、穴開き等の不具合が発生しにくいものとなる。
以上説明したように、実施の形態によれば、主収縮方向における熱収縮率、直交方向における熱収縮率、熱収縮率差が所定範囲内となるので、被覆後の耐久性及び被覆保持性が阻害されることがなく、ヒートシール部際の穴開きを防ぐことができる。これにより、収縮フィルム内での結晶性の分布が生じることがなく、熱収縮性フィルムの一方の面(表面)と他方の面(裏面)とを接着する場合であっても、接着不良が生じることもなく、熱収縮時の裂けの発生及び急激なネックインを防ぐことができる。また、絶縁性、耐摩耗性、被覆保持性、耐久性等の全ての品質において優れたものが得られるので、ヒートシール部の穴開き及び接着不良も防ぐことができる熱収縮性フィルムを実現することが可能となる。
上記実施の形態に係る熱収縮性フィルムは、被覆後の絶縁性、耐久性、耐摩耗性及び被覆保持性に優れているので、これらの品質を要求される分野、例えば、ハイブリッドカー及び電気自動車等に使用される車両用バッテリー、自然エネルギー及び深夜電力を充電するための電源装置等に使用されるバッテリーを構成する電池セルの絶縁被覆用途等に好適に使用することができる。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例、及び比較例によって何ら限定されるものではない。また、以下の実施例では、積層フィルムの引き取り方向(流れ方向)を「縦方向」(MD:Machine Direction)、「縦方向」に直交する方向を「横方向」(TD:Transverse Direction)と記載する。
まず、本発明者らは、上述した実施の形態に係る熱収縮性フィルムを作製し、作製した熱収縮性フィルムの「主収縮方向における熱収縮率」、「直交方向における熱収縮率」、「熱収縮率差」等とヒートサイクル試験との関係を調べた。各種測定条件を以下に示す。
<評価方法>
(1)熱収縮率
実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルムをMD20mm、TD100mmの大きさに切り取り、99℃の温水バスに10秒間浸漬した後、30℃以下の冷水に10秒間浸漬して主収縮方向における収縮量を測定した。また、実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルムをTD20mm、MD100mmの大きさに切り取り、99℃の温水バスに10秒間浸漬した後、30℃以下の冷水に10秒間浸漬して直交方向における収縮量を測定した。熱収縮率は、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で示す。また、主収縮方向における熱収縮率と、直交方向における熱収縮率との差を算出した。参考値として、温水バスの温度を80℃とし、同様の方法にて80℃での主収縮方向における収縮量、直交方向における収縮量を測定し、熱収縮率を算出した。
(2)結晶融解熱量(ΔHm)
JIS K7122に準拠し、示差走査型熱量計(型番:「Diamond DSC」、パーキンエルマージャパン社製)により、昇温速度10℃/分で熱収縮性フィルムを昇温した際のサーモグラフのピーク面積から結晶融解熱量(ΔHm)を求めた。
(3)融着温度(FT)
実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルムをTD60mm、MD30mmの大きさに切り取り、熱収縮性フィルムの各面同士を2枚重ねて、10mm幅のヒートシールバーを有するヒートシーラーに、ヒートシールバーの長手方向に熱収縮性フィルムのTDを合わせセットした後、所定の温度で片側より加熱し、0.1MPaの圧力で60秒間ヒートシールした。その後、10秒間静置してシール部を剥離した。以上を3回実施(N=3)して、全て破れずに剥離できる最高温度を融着温度とした。シール温度は5℃間隔とした。熱収縮性フィルムの一方の面(表面)同士の融着温度(FT1)、他方の面(裏面)同士の融着温度(FT2)、及び融着温度差(FT1−FT2)の絶対値を測定した。
(4)ネックイン率
実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルムを主収縮方向に140mm以上、直交方向に100mmの大きさに切り取り、内寸長さ140mm、幅120mmの固定枠治具に主収縮方向と内寸長さ方向を合わせて、主収縮方向を140mm長さで両端を固定した状態で取り付けた後、70℃の温水バスに10秒間浸漬した後、30℃以下の冷水に10秒間浸漬した。その後、直交方向の最大の熱収縮率を測定し、測定した値を2で割った値をネックイン率(%)とした。
(5)耐摩耗性(摩耗質量)
実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルムについて、JIS K7204に準拠し、テーバー摩耗試験を行った。テーバー式摩耗試験機(型番:「ロータリーアブレッサーNo.410」、東洋精機製作所社製)の回転台に試験片を固定し、規定の摩耗輪CS−17を取付けた。摩耗輪に規定の荷重4.9Nを加え、回転台を一定速度70回転/分で1000回転させた際、試験片表面の1000回転当たりの摩耗質量により以下の通り評価した。評価基準を以下に示す。評価「○」および「△」が合格範囲である。
〇:摩耗質量20mg以下
△:摩耗質量20mgを超え25mg以下
×:摩耗質量25mgを超える
(6)体積固有抵抗
実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルムについて、JIS K6911に準拠し、体積固有抵抗を測定した。熱収縮性フィルムをMD100mm、TD100mmの大きさに切り取り、体積固有抵抗測定機(アドバンテスト社製)を用いて、二つの電極を表面と裏面に接触させ、500Vの直流電圧を印加し、1分後の電極間に流れる電流を測定し体積固有抵抗値を求めた。
(7)絶縁破壊電圧
実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルムについて、JIS C2110に準拠し、絶縁破壊電圧を測定した。絶縁破壊電圧試験機(原口工業社製)の2つの電極間に試験片を挟んだ後、1kV/secで電圧を上昇させ、絶縁破壊の起こる瞬間の電圧を求めた。
(8)ヒートサイクル試験評価
図1に示すように、実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルム10を、表1に記載のシール条件で、縦95mm(L1参照)、横25.5mm(L2参照)、奥行き150mm(L3参照)の箱状に加工した後、図2に示すように、角形電池セルを想定した縦90mm(L4参照)、横25mm(L5参照)、奥行き145mm(L6参照)の箱状の大きさのアルミ金属塊20に、120℃で30秒間熱風を当てて被せた。この段階でシール部に穴開きが発生したものは、下記のヒートサイクル試験を行わなかった。
次に、−40℃及び65℃にてそれぞれ0.5時間保持し、昇温、降温にそれぞれ0.5時間かけるヒートサイクルを1000回実施し、アルミ金属塊20に被覆されたフィルムにおけるヒートシール部の穴開き(耐久性)について評価した、評価基準を以下に示す。評価「○」が合格範囲である。
○:穴開きなし
△:ヒートシール部の際(近傍)に合計10mm未満の穴開き
×:ヒートシール部の際(近傍)に合計10mm以上の穴開き、又はシール部に穴開き また、アルミ金属塊20へのフィルムの被覆保持性について評価した。評価基準を以下に示す。評価「○」が合格範囲である。
○:被覆状態正常
△:電池セル一部剥き出し
×:シール部に穴開きが発生し、ヒートサイクル試験ができなかった
(9)固有粘度の測定
実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルムの固有粘度(IV:Intrinsic Viscosity)[dl/g]は、測定試料1gを精秤し、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(質量比1対1)の混合溶媒に溶解させて濃度が0.01g/cm3の溶液を調製し、30℃における溶媒との相対粘度ηrを測定して求めた。
(10)収縮応力
実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルムを主収縮方向に70mm、直交方向10mmの大きさに切り出し、チャック間距離50mmにてロードセルにタルミが無い様に固定した。その後、80±0.5℃のシリコンバスに試料片を浸漬し、1分間での最大応力を測定した。収縮応力は下記式(2)により算出した。
収縮応力(MPa)=ロードセルにかかる荷重(N)/試料片の断面積(mm2)・・・式(2)
(実施例1)
ジカルボン酸成分がテレフタル酸98モル%及びイソフタル酸2モル%、ジオール成分がエチレングリコール55モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%及び1,4−ブタンジオール15モル%である共重合成分を共重合させて得られた共重合ポリエステル樹脂を、240℃以上260℃以下で溶融混練した。その後、押出機で押出し、45℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて未延伸フィルムを得た。次に、縦延伸機を用いて、得られた未延伸フィルムを予熱73℃、延伸温度78℃で縦方向(MD)に1.45倍延伸し、縦延伸フィルムを得た。次にフィルムテンターを用いて、得られた縦延伸フィルムを予熱温度100℃、延伸温度84℃で横方向(TD)に5.0倍延伸後、100℃にて熱処理を行い、厚さ100μmの熱収縮性フィルム(固有粘度:0.77dl/g)を得た。ヒートサイクル試験のサンプル作製シール条件は、180℃にて1秒間保持とした。得られた熱収縮性フィルムの評価結果を下記表1に示す。
(実施例2)
縦延伸機を用いて、得られた未延伸フィルムを縦方向(MD)に1.6倍延伸したこと以外は、実施例1と同様に熱収縮性フィルム(固有粘度:0.77dl/g)を作製して評価した。ヒートサイクル試験のサンプル作製シール条件は、180℃にて1秒間保持とした。得られた熱収縮性フィルムの評価結果を下記表1に示す。
(実施例3)
縦延伸機を用いて、得られた未延伸フィルムを縦方向(MD)に1.6倍延伸し、フィルムテンターの熱処理温度を105℃としたこと以外は、実施例1と同様に熱収縮性フィルム(固有粘度:0.77dl/g)を作製して評価した。ヒートサイクル試験のサンプル作製シール条件は、180℃にて1秒間保持とした。得られた熱収縮性フィルムの評価結果を下記表1に示す。
(比較例1)
ジカルボン酸成分がテレフタル酸98モル%及びイソフタル酸2モル%、ジオール成分がエチレングリコール55モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%及び1,4−ブタンジオール15モル%である共重合成分を共重合させて得られた共重合ポリエステル樹脂を240℃以上260℃以下で溶融混練した。その後、押出機で押出し、55℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて未延伸フィルムを得た。次に、フィルムテンターを用いて、得られた未延伸フィルムを予熱温度100℃、延伸温度90℃で横方向(TD)に5.0倍延伸後、75℃にて熱処理を行い、厚さ100μmの熱収縮性フィルム(固有粘度:0.77dl/g)を得た。ヒートサイクル試験のサンプル作製シール条件は、180℃にて1秒間保持とした。得られた熱収縮性フィルムの評価結果を下記表1に示す。
(比較例2)
ジカルボン酸成分がテレフタル酸90モル%及びイソフタル酸10モル%、ジオール成分がエチレングリコール65モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール20モル%及び1,4−ブタンジオール15モル%である共重合成分を共重合させて得られた共重合ポリエステル樹脂を240℃以上260℃以下で溶融混練した。その後、押出機で押出し、35℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて未延伸フィルムを得た。次に、フィルムテンターを用いて、得られた未延伸フィルムを予熱温度110℃、延伸温度88℃で横方向(TD)に2.2倍延伸後、91℃にて熱処理を行い、厚さ100μmの熱収縮性フィルム(固有粘度:0.78dl/g)を得た。ヒートサイクル試験のサンプル作製シール条件は、180℃にて1秒間保持とした。得られた熱収縮性フィルムの評価結果を下記表1に示す。
(比較例3)
延伸温度を80℃としたこと以外は、比較例1と同様に熱収縮性フィルム(固有粘度:0.77dl/g)を作製して評価した。ヒートサイクル試験のサンプル作製シール条件は、180℃にて1秒間保持とした。得られた熱収縮性フィルムの評価結果を下記表1に示す。
(比較例4)
ジカルボン酸成分がテレフタル酸100モル%、ジオール成分がエチレングリコール95モル%、及び1,4−ブタンジオール5モル%である共重合成分を共重合させて得られた共重合ポリエステル樹脂を、先端に丸ダイを装着した単軸押出機を用いて溶融成形し、直ちに冷水に浸漬させ、チューブ状の成形物を得た。得られたチューブ状の成形物は連続的に次の延伸工程に供給した。延伸工程において、チューブ状の成形物は、一方の端から圧縮気体による圧力を管の内側に加えつつ一定速度で送り出された後、90℃の温水により加熱され、径方向の延伸倍率を規制するために冷却された円筒管の中を通され、縦方向(MD)1.05倍、横方向(TD)1.67倍の延伸倍率で延伸された。円筒管で冷却された延伸後のチューブは、一対のニップロールにより挟んで延伸張力を保持しながら延伸チューブ(熱収縮性フィルム)として引き取り巻き取った。フィルム厚みが、80μmとなるように延伸し、熱収縮性フィルム(固有粘度:0.72dl/g)を得た。ヒートサイクル試験のサンプル作製シール条件は、230℃にて1.5秒間保持とした。得られた熱収縮性フィルムの評価結果を下記表1に示す。
(比較例5)
ジカルボン酸成分がテレフタル酸100モル%、ジオール成分がエチレングリコール65モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%及び1,4−ブタンジオール5モル%である共重合成分を共重合させて得られた共重合ポリエステル樹脂を用いたこと、フィルム厚みが70μmとなるように延伸したこと以外は、比較例4と同様に熱収縮性フィルム(固有粘度:0.76dl/g)を作製して評価した。ヒートサイクル試験のサンプル作製シール条件は、180℃にて1秒間保持とした。得られた熱収縮性フィルムの評価結果を下記表1に示す。
(比較例6)
ジカルボン酸成分がテレフタル酸98モル%及びイソフタル酸2モル%、ジオール成分がエチレングリコール55モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール30モル%及び1,4−ブタンジオール15モル%である共重合成分を共重合させて得られた共重合ポリエステル樹脂を240℃以上260℃以下で溶融混練した。その後、押出機で押出し、55℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて未延伸フィルムを得た。次に、縦延伸機を用いて、得られた未延伸フィルムを予熱70℃、延伸温度75℃で縦方向(MD)に1.15倍延伸し、縦延伸フィルムを得た。次にフィルムテンターを用いて、得られた縦延伸フィルムを予熱温度100℃、延伸温度84℃で横方向(TD)に5.0倍延伸後、100℃にて熱処理を行い、厚さ100μmの熱収縮性フィルム(固有粘度:0.77dl/g)を得た。ヒートサイクル試験のサンプル作製シール条件は、180℃にて1秒保持とした。得られた熱収縮性フィルムの評価結果を下記表1に示す。
(参考例1)
共重合ポリエステル樹脂に代えて、ポリ塩化ビニルを用いたこと及び厚みを100μmとしたこと以外は、比較例4と同様にして熱収縮性フィルムを作製して評価した。ヒートサイクル試験のサンプル作製シール条件は、190℃にて1秒保持とした。得られた熱収縮性フィルムの評価結果を下記表1に示す。
Figure 2021063226
表1から分かるように、主収縮方向(本実施例ではTDであった)における熱収縮率及び直交方向(本実施例ではMDであった)における熱収縮率、熱収縮率差が所定範囲となる場合には、ヒートサイクル試験でヒートシール部の際(近傍)に穴開きはなく、良好な評価結果が得られた(実施例1、実施例2、実施例3)。
これに対して、熱収縮率差が大きく、直交方向における熱収縮率が小さい場合は、ヒートシール部の際(近傍)のに穴開きが発生した(比較例1、比較例3、比較例6)。この結果は、二次収縮によるヒートシールされたフィルムにズリが発生し、直交方向の剛性不足により穴開きにつながったと考えられる。
また、直交方向における熱収縮率が小さい場合には、ヒートシール部の際に軽微な穴開きが発生した(比較例2、比較例5)。この結果は、主収縮方向における熱収縮率、熱収縮率差が所定範囲であるが、直交方向の剛性不足により軽微な穴開きにつながったと考えられる。
また、結晶融解熱量(ΔHm)及び融着温度差(FT1−FT2)の絶対値が大きすぎる場合には、ヒートシール時にシール部に穴開きが生じヒートサイクル試験ができなかった(比較例4)。この結果は、結晶融解熱量(ΔHm)が大きすぎたために、熱収縮性フィルム内で結晶性に分布が生じ、ヒートシールが不安定になると共に、融着温度差(FT1−FT2)の絶対値が大きすぎたために、熱収縮性フィルムの表面と裏面とを合わせてシールした際に、接着不良が生じてヒートサイクル試験ができなかったためと考えられる。
更に、ポリ塩化ビニルを用いた場合には、ヒートサイクル試験後に電池セルの一部が剥き出しとなり、絶縁性が不充分であった(参考例1)。この結果は、ネックイン率が高すぎたためと考えられる。
このように、実施例1及び実施例2及び実施例3に係る熱収縮性フィルムは、絶縁性、耐摩耗性、被覆保持性、耐久性等の全ての品質において、比較例1〜6、参考例1に対して優れたものであった。
100,200 フィルム
101 電池セル
102 胴体部
201 一端側
300 箱状包装資材展開体
301 山折り部
303 一端側
302 切り込み部
304 他端側
400 箱状包装体
500 箱状包装資材展開体
501 山折り部
502 切り込み部
503,504 他端側
505 一端側
600 箱状包装体

Claims (16)

  1. ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層をフィルムの少なくとも一方の面に備えた単層又は積層の熱収縮性フィルムであって、
    下記a)〜c)を満たす熱収縮性フィルム。
    a)前記ポリエステル樹脂が共重合ポリエステル樹脂を含み、前記共重合ポリエステル樹脂が、共重合成分としてテレフタル酸とエチレングリコールとを含み、更に1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−プロパンジオール、及びイソフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、エチレングリコール以外のジオール成分をジオール成分総量100モル%に対して、15モル%以上含む
    b)99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向に対して直交方向における熱収縮率が4%以上15%以下
    c)前記熱収縮性フィルムが二軸延伸フィルムであり、主収縮方向に対して直交方向の延伸倍率が1.3倍以上
  2. 前記熱収縮性フィルムを99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向における熱収縮率が40%以上65%以下である請求項1に記載の熱収縮性フィルム。
  3. 前記熱収縮性フィルムを99℃の温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向の熱収縮率と主収縮方向に対して直交方向における熱収縮率との熱収縮率差(主収縮方向における熱収縮率−主収縮方向に対して直交方向における熱収縮率)が30%以上55%以下である請求項1または2記載の熱収縮性フィルム。
  4. 前記熱収縮性フィルムを示差走査型熱量測定により、10℃/分で昇温した際の結晶融解熱量(ΔHm)が20J/g以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルム。
  5. 前記熱収縮性フィルムの一方の表面同士の融着温度(FT1)と他方の表面同士の融着温度(FT2)との融着温度差(FT1−FT2)の絶対値が20℃以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルム。
  6. 前記熱収縮性フィルムを70℃の温水中に10秒間浸漬した後のネックイン率が5.0%以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルム。
  7. 主収縮方向の延伸倍率が3.0倍以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルム。
  8. JIS K7204に準拠したテーバー摩耗試験において、摩耗輪に規定の荷重4.9Nを加え、回転台を一定速度70回転/分で回転させた際、試験片表面の1000回転当たりの摩耗質量が25mg以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルム。
  9. 体積固有抵抗が1×1014Ω・cm以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルム。
  10. 絶縁破壊電圧が8kV以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルム。
  11. 絶縁被覆用である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルム。
  12. 電池セル被覆用である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルム。
  13. 箱状包装資材展開体に裁断されてなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルム。
  14. 請求項13に記載の熱収縮性フィルムを用いた箱状包装資材であって、折り曲げ加工部及びヒートシール部を備えたことを特徴とする、箱状包装資材。
  15. 請求項14に記載の箱状包装資材で被覆されてなることを特徴とする、電池セル。
  16. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の熱収縮性フィルムの製造方法であって、主収縮方向の延伸倍率が3.0倍以上、主収縮方向に直交する方向の延伸倍率が1.3倍以上に延伸する工程を少なくとも有する熱収縮性フィルムの製造方法。
JP2020177893A 2020-10-23 2020-10-23 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法 Active JP7092173B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020177893A JP7092173B2 (ja) 2020-10-23 2020-10-23 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法
JP2022095919A JP2022141636A (ja) 2020-10-23 2022-06-14 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020177893A JP7092173B2 (ja) 2020-10-23 2020-10-23 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019186852A Division JP6791335B1 (ja) 2019-10-10 2019-10-10 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022095919A Division JP2022141636A (ja) 2020-10-23 2022-06-14 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021063226A true JP2021063226A (ja) 2021-04-22
JP7092173B2 JP7092173B2 (ja) 2022-06-28

Family

ID=75487614

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020177893A Active JP7092173B2 (ja) 2020-10-23 2020-10-23 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法
JP2022095919A Pending JP2022141636A (ja) 2020-10-23 2022-06-14 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022095919A Pending JP2022141636A (ja) 2020-10-23 2022-06-14 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7092173B2 (ja)

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003170498A (ja) * 2001-09-28 2003-06-17 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールおよびその製造方法
JP2009073156A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Kazutora Yoshino スプレージェット/ミストジェット/エアブラシジェット
JP2009226940A (ja) * 2008-02-29 2009-10-08 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法、熱収縮性ポリエステル系フィルム及び包装体
JP2011056736A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Mitsubishi Plastics Inc 熱収縮性積層フィルム、該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器
JP2017007103A (ja) * 2015-06-16 2017-01-12 東洋紡株式会社 包装体、およびその製造方法、包装緩衝材用積層シート、梱包体
WO2017022703A1 (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 東洋紡株式会社 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび包装体
JP2017068130A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 東洋紡株式会社 ポリエステル系ラベルおよび包装容器
WO2018003994A1 (ja) * 2016-07-01 2018-01-04 三菱ケミカル株式会社 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル
JP6337774B2 (ja) * 2013-05-16 2018-06-06 東洋紡株式会社 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび包装体
JP2019178236A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 東洋紡株式会社 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP2019186852A (ja) * 2018-04-16 2019-10-24 キヤノン株式会社 撮像装置およびその制御方法
JP2019206639A (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 タキロンシーアイ株式会社 熱収縮性フィルムおよび熱収縮性ラベル
JP6741184B1 (ja) * 2018-10-16 2020-08-19 東洋紡株式会社 熱収縮性フィルム用ポリエステル樹脂、熱収縮性フィルム、熱収縮性ラベル、及び包装体

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003170498A (ja) * 2001-09-28 2003-06-17 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールおよびその製造方法
JP2009073156A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Kazutora Yoshino スプレージェット/ミストジェット/エアブラシジェット
JP2009226940A (ja) * 2008-02-29 2009-10-08 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法、熱収縮性ポリエステル系フィルム及び包装体
JP2011056736A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Mitsubishi Plastics Inc 熱収縮性積層フィルム、該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器
JP6337774B2 (ja) * 2013-05-16 2018-06-06 東洋紡株式会社 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび包装体
JP2017007103A (ja) * 2015-06-16 2017-01-12 東洋紡株式会社 包装体、およびその製造方法、包装緩衝材用積層シート、梱包体
WO2017022703A1 (ja) * 2015-08-05 2017-02-09 東洋紡株式会社 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび包装体
JP2017068130A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 東洋紡株式会社 ポリエステル系ラベルおよび包装容器
WO2018003994A1 (ja) * 2016-07-01 2018-01-04 三菱ケミカル株式会社 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル
JP2019178236A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 東洋紡株式会社 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP2019186852A (ja) * 2018-04-16 2019-10-24 キヤノン株式会社 撮像装置およびその制御方法
JP2019206639A (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 タキロンシーアイ株式会社 熱収縮性フィルムおよび熱収縮性ラベル
JP6741184B1 (ja) * 2018-10-16 2020-08-19 東洋紡株式会社 熱収縮性フィルム用ポリエステル樹脂、熱収縮性フィルム、熱収縮性ラベル、及び包装体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022141636A (ja) 2022-09-29
JP7092173B2 (ja) 2022-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6471833B2 (ja) 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル
JP6260314B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP3971386B2 (ja) 多層ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JPWO2018147249A1 (ja) 非晶性のフィルム用共重合ポリエステル原料、熱収縮性ポリエステル系フィルム、熱収縮性ラベル、及び包装体
KR102425314B1 (ko) 푸란디카르복실산 유닛을 갖는 폴리에스테르 필름의 제조 방법
JPWO2004108408A1 (ja) 積層フィルムおよび二軸配向ポリエステルフィルム
KR20140025301A (ko) 2축 연신 폴리부틸렌 테레프탈레이트 필름을 포함하는 냉간 성형용 전지 케이스 포장재
WO2005063485A1 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび熱収縮性ラベル
WO2017170333A1 (ja) 電池包装用積層体
JP6205868B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP6791335B1 (ja) 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法
JP7092173B2 (ja) 熱収縮性フィルム、箱状包装資材及び電池セル、熱収縮性フィルムの製造方法
JP2018001422A (ja) 積層フィルム、積層体及び包装体
JP6195765B2 (ja) 缶の内袋用ポリエステルフィルム
JP5937317B2 (ja) 二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを含むバルーン用包材
WO2020080131A1 (ja) 積層フィルム
JPS60232948A (ja) 熱収縮性ポリエステル積層フイルム
WO2020090552A1 (ja) 金属板被覆用フィルム及び樹脂被覆金属板
CN112703111A (zh) 聚酰胺系层叠膜及其制造方法
JP2004299231A (ja) 延伸ポリエステルフィルム
JP2009160788A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびその製造方法
JP2008280371A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP6290519B1 (ja) ポリアミド系積層フィルム及びその製造方法
JP2007105948A (ja) ポリエステルフィルム
JPH0679776A (ja) 柔軟性ポリエステルフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201023

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201023

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211012

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220530

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7092173

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151