JP2019178236A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 非晶質成分となりうるモノマー成分を多く含まずとも、フィルム幅方向である主収縮方向に熱収縮特性を有し、前記主収縮方向と直交する長手方向においては機械的強度が高い上、厚み斑が小さい熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供すること。【解決手段】 エチレンテレフタレートを主たる構成成分とし、全ポリエステル樹脂成分中において非晶質成分となりうるモノマー成分を0モル%以上5モル%以下含有しているとともに、主収縮方向がフィルム幅方向である熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、下記要件(1)〜(4)を満たすことを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。(1)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場合における幅方向の温湯熱収縮率が25%以上50%以下であること(2)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場合における幅方向と直交する長手方向の温湯熱収縮率が10%以上20%以下であること(3)フィルム長手方向の引張破断強度が100MPa以上200MPa以下(4)主収縮方向であるフィルム幅方向の屈折率の値より、フィルム長手方向の屈折率の値のほうが高い【選択図】なし

Description

本発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルム、及び包装体に関するものであり、詳しくは、金属性の缶容器等のラベル用途に好適で、ポリエステルを構成するモノマー成分として非晶性の成分を多量には含まない所謂結晶性ポリエステルを用いた熱収縮性ポリエステル系フィルムである。
近年、ガラス瓶やPETボトル等の保護と商品の表示を兼ねたラベル包装、キャップシール、集積包装等の用途に、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる延伸フィルム(所謂、熱収縮性フィルム)が広範に使用されるようになってきている。そのような熱収縮性フィルムの内、ポリ塩化ビニル系フィルムは、耐熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、ダイオキシンの原因となる等の問題がある。また、ポリスチレン系フィルムは、耐溶剤性に劣り、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しなければならない上、高温で焼却する必要があり、焼却時に異臭を伴って多量の黒煙が発生するという問題がある。それゆえ、耐熱性が高く、焼却が容易であり、耐溶剤性に優れたポリエステル系の熱収縮性フィルムが、収縮ラベルとして広汎に利用されるようになってきており、PET容器の流通量の増大に伴って、使用量が増加している傾向にある。
また、通常の熱収縮性ポリエステル系フィルムとしては、幅方向に大きく収縮させるものが広く利用されている。そのように幅方向が主収縮方向である熱収縮性ポリエステル系フィルムは、幅方向への収縮特性を発現させるために幅方向に高倍率の延伸が施されているが、主収縮方向と直交する長手方向に関しては、低倍率の延伸が施されているだけであることが多く、延伸されていないものもある。そのように、長手方向に低倍率の延伸を施したのみのフィルムや、幅方向のみしか延伸されていないフィルムは、長手方向の機械的強度が劣るという欠点がある。
また、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、例えば特許文献1に記載されているように、非晶性のポリエステル原料(非晶原料)を用いることが一般的である。これは、収縮率の発現には非晶分子が関与していると考えられているためである。しかし、非晶原料を用いた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、耐熱性が低い、原料コストが結晶性のポリエステル原料より高いといった問題がある。
また特許文献2に記載されている熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルム長手方向の強度を改善し、結晶性のポリエステル原料を用いた熱収縮性ポリエステル系フィルムであるが、長手方向を主収縮方向とする熱収縮フィルムであり、幅方向を主収縮方向とする熱収縮フィルムに関しては記載されていない。
ところで、熱収縮性フィルムからチューブ状ラベルを形成するには、フィルムの幅方向片端部をもう一方の端部に重ねて固定する必要がある。この固定方法としては、従来から、溶剤接着法(特許文献3)や接着剤を使用する方法(特許文献4)等が用いられてきた。それらの中でも溶剤接着法は高速でチューブ状ラベルへの加工が可能であり、広く用いられている。
この溶剤接着法で熱収縮性ポリエステルフィルムの面同士をチューブ状ラベルに加工する工程(チュービング工程)では、生産効率を向上させてコストダウンが可能なため、多くのラベルがこの方式を用いて作られている。また、このようなチュービング工程で用いられる熱収縮フィルムは、幅方向に熱収縮するフィルムが用いられている。これは、チュービングする方向と垂直する方向が主収縮方向である事が望ましいためである。またチュービングする巻長が長いと高速でのチュービングや一度にできるチュービングには長尺が必要となる。そのため、フィルム幅方向に熱収縮するフィルムが好ましい。
また、環境面からペットボトルのリサイクル原料を使用するフィルムへの要望が高い。通常の熱収縮性ポリエステルフィルムは、熱収縮特性を付与するため、非晶質成分を多く含む原料を用いるので、結晶性を示すリサイクル原料の混合比率を増やすことによりフィルムの熱収縮性が失われ、リサイクル原料を混合する比率には限界があり、リサイクル原料を多く含む熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することができていなかった。また、非晶質原料を多く用いた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、耐熱性が低く、厚み斑が悪いという問題がある。
特開2003−55485号公報 特開2016−193491号公報 特許第3075019号公報 特開2014−43520号公報
本発明の目的は、前記特許文献の有する問題点を解決し、非晶質成分となりうるモノマー成分を多く含まずとも、フィルム幅方向を主収縮方向として十分な熱収縮特性を有し、主収縮方向と直交する長手方向においては機械的強度が高い上、厚み斑が小さい熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することにある。
本発明の構成は以下のとおりである。
1.エチレンテレフタレートを主たる構成成分とし、全ポリエステル樹脂成分中において非晶質成分となりうるモノマー成分が0モル%以上5モル%以下含有しているとともに、主収縮方向が幅方向である熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、下記要件(1)〜(4)を満たすことを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(1)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場合における幅方向の温湯熱収縮率が25%以上50%以下であること
(2)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場合における幅方向と直交する長手方向の温湯熱収縮率が10%以上20%以下であること
(3)フィルム長手方向の引張破断強度が100MPa以上200MPa以下
(4)主収縮方向であるフィルム幅方向の屈折率の値より、フィルム長手方向の屈折率の値のほうが高い
2.フィルム幅方向の最大熱収縮応力が14MPa以上22MPa以下であることを特徴とする1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
3.長手方向の厚み斑と幅方向の厚み斑が共に20%以下であることを特徴とする1又は2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
4.フィルムを幅方向に10%収縮させた後のフィルム幅方向の熱収縮応力が10MPa以上18MPa以下であることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
5.未延伸フィルムを長手方向に延伸し、その後、幅方向に延伸することを特徴とする1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを製造する方法。
6.前記1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを基材とした、ラベル又はバンディングフィルムが少なくとも外周の一部に被覆されてなることを特徴とする包装体。
本発明によれば、特許文献1の有する問題点を解決し、非晶質成分となりうるモノマー成分を多く含まずとも、フィルム幅方向を主収縮方向として十分な熱収縮特性を有し、前記主収縮方向と直交する長手方向においては熱収縮率は主収縮方向である幅方向より低く、長手方向の機械的強度が高い上厚み斑が小さい熱収縮性ポリエステル系フィルムの提供を可能とした。また、原料に非晶質成分となりうるモノマー成分を多く含ませる必要がないので、ペットボトルリサイクルポリエステルや、バイオ由来原料を用いたポリエステルを多量に含ませた環境対応性の高い熱収縮性ポリエステル系フィルムの提供を可能とした。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの熱収縮応力が高いので、容器との密着性が優れている。
(熱収縮性ポリエステル系フィルムを構成するポリエステル原料)
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、エチレンテレフタレートを主たる構成成分とするものである。ここで主たる構成成分とは、フィルムを構成する全ポリエステル構成成分のうち95モル%以上がエチレンテレフタレートであることを意味している。エチレンテレフタレートを主たる構成成分として用いることにより、優れた機械的強度と透明性を有することができる。
エチレンテレフタレートがフィルムを構成するポリエステルの全構成成分であってもよく、好ましくは、エチレンテレフタレートは100モル%である。このようなポリエチレンテレフタレート(以下、単にPETということがある)の重合法としては、テレフタル酸とエチレングリコール、および必要に応じて他のジカルボン酸成分およびジオール成分を直接反応させる直接重合法、およびテレフタル酸のジメチルエステル(必要に応じて他のジカルボン酸のメチルエステルを含む)とエチレングリコール(必要に応じて他のジオール成分を含む)とをエステル交換反応させるエステル交換法等の任意の製造方法が利用され得る。
ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、0.55dl/gから0.8dl/gの範囲が好ましい。固有粘度が0.55dl/gよりも低いと、延伸により結晶化して収縮性が低下し好ましくない。また、0.8dl/gより大きいと濾圧上昇が大きくなり高精度濾過が困難となり、あまり好ましくない。
また本発明はPETの中でもペットボトルリサイクル原料を用いることができる。(以下、単にリサイクル原料と記すことがある)。リサイクル原料はペットボトルにする際の成形性を良くするために概ねPETを構成成分とするが、イソフタル酸がモノマー成分として少し含まれていることが一般的である。本発明においては、非晶質成分となりうるモノマー成分を多く含有するポリマー原料を多量に使用するものではないが、リサイクル原料にイソフタル酸が含まれていることがあるため、非晶性モノマーの含有量が0mol%以上5mol%以下の範囲で含まれていると表現している。
非晶質成分となり得るモノマーとしては、代表例はイソフタル酸であるが、例えば、ネオペンチルグリコール、1.4-シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,2-ジエチル1,3-プロパンジオール、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジ-n-ブチル-1,3-プロパンジオール、ヘキサンジオールを挙げることもでき、前記含有量の範囲で含まれていても特に差し支えない。
本発明に用いるポリエステル原料は、上述したエチレンテレフタレートや非晶質成分以外の成分として、エチレングリコール以外のジオール成分である1,4−ブタンジオールを用いても良い。1,4−ブタンジオールは、ポリエステルフィルムの融点を下げ、低Tg成分として有用であるが、本発明の趣旨から言えば出来るだけ含まないことが好ましい。全アルコール成分および全酸成分に占める1,4−ブタンジオールの好ましい含有量は10モル%以下であり、より好ましくは5モル%以下、最も好ましくは0モル%である。
また本発明は、植物由来の原料から生成したエチレングリコールをグリコール成分として用いたポリエステル原料(以下、単にバイオポリエステル原料と記すことがある)を用いることができる。
また、上記ポリエステル原料は、フィルムの作業性(滑り性)を良好にするため、滑剤として作用する微粒子を添加することが好ましい。上記微粒子としては、無機系微粒子および有機系微粒子の種類を問わず、任意のものを選択することができる。無機系微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム等が挙げられる。有機系微粒子としては、例えばアクリル系樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等が挙げられる。上記微粒子の平均粒径は、コールターカウンタにて測定した場合、約0.05〜3.0μmの範囲内であることが好ましい。
上記ポリエステル原料中に上記微粒子を配合する方法は特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂を製造する任意の段階で添加することができるが、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めるのが好ましい。また、ベント付き混練押出し機を用いてエチレングリコールまたは水等に分散させた微粒子のスラリーとポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法;または混練押出し機を用いて、乾燥させた微粒子とポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法等によって行っても良い。
(本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの特性)
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、90℃の温水中で無荷重状態で10秒間に亘って処理したときに、収縮前後の長さから、下式1により算出したフィルムの幅方向の熱収縮率(すなわち、90℃の温湯熱収縮率)が、25%以上50%以下であることが好ましい。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%)・・式1
90℃における幅方向の温湯熱収縮率が25%未満であると、熱収縮フィルムとして使用する場合に、収縮量が小さいために、熱収縮した後のラベルにシワやタルミが生じてしまうので好ましくない。一方、90℃におけるな幅方向の温湯熱収縮率は50%を上回っても特に問題は無いが、本発明においては50%が熱収縮率の上限である。なお、90℃における幅方向の温湯熱収縮率の下限値は30%であると好ましく、35%であるとより好ましい。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、90℃の温水中で無荷重状態で10秒間に亘って処理したときに、収縮前後の長さから、上式1により算出したフィルムの長手方向の温湯熱収縮率が、10%以上20%以下であることが好ましい。90℃における長手方向の温湯熱収縮率が20%を上回ると、ラベル等として用いた場合に熱収縮時に収縮方向と直交する方向のフィルムの長さが短くなるので好ましくない。一方、長手方向の収縮率はゼロに近い方が好ましいが、本発明においては10%程度が熱収縮率の下限である。なお、90℃における長手方向の温湯熱収縮率は、18%以下であると好ましく、16%以下であるとより好ましい。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルム長手方向の引張破断強度が100MPa以上200MPa以下であることが好ましい。長手方向における引張破断強度が100MPa以上であると、印刷等の加工工程においてフィルムの裂け等のトラブルを低減できるので好ましい。また、外力に対するフィルムの強度が必要とされるバンディング用途に好適に用いることができる。長手方向の引張破断強度は高いほうが好ましいが、本発明においては200MPa程度が引張破断強度の上限である。なお、長手方向の引張破断強度は110MPa以上だと好ましく、120MPa以上であるとより好ましい。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、主収縮方向であるフィルム幅方向の屈折率の値より、フィルム長手方向の屈折率の値のほうが高いことが好ましい。前記屈折率の値とすることで、前記の好ましいフィルム長手方向の引張破断強度を得ることができる。フィルム幅方向と長手方向の屈折率の差([長手方向の屈折率]―[幅方向の屈折率])は、0よりも高くなることが好ましく、0.005以上であることがより好ましい。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルム幅方向の最大熱収縮応力が14MPa以上22MPa以下であることが好ましい。最大収縮応力が22MPaより高くなると、収縮後に容器変形が生じて好ましくない。幅方向の最大熱収縮応力は低いほうが後述の収縮仕上性や収縮歪みに対して好ましいが、本発明においては14MPa程度が下限である。低すぎる場合は、後述の好適な10%収縮後の熱収縮応力が得られない場合がある。なお、幅方向の最大熱収縮応力は19MPa以下だと好ましく、18MPa以下であるとより好ましい。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルム長手方向と幅方向の厚み斑が共に20%以下であることが好ましい。厚み斑が20%より大きくなると、印刷等の加工時にシワによる印刷抜けや蛇行が生じて好ましくない。フィルム長手方向と幅方向の厚み斑は低いほうが好ましいが、本発明においては5%程度が厚み斑の下限である。なお、長手方向と幅方向の厚み斑は18%以下だとより好ましく、16%以下であるとさらに好ましい。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルム幅方向の熱収縮応力において、フィルムを10%収縮後の熱収縮応力が10MPa以上18MPa以下であることが好ましい。フィルムを10%収縮後の熱収縮応力が10MPaより小さいと、収縮後に容器への締め付けが不足し、例えば片手でボトルを保持し、もう1方の手でボトル缶のキャップを開封するさいに、ラベルと容器が空回りして開封し難くなる(フィット性が悪くなる)ので好ましくない。フィルムを10%収縮後の幅方向の熱収縮応力が18MPaより高いと、容器変形が生じて好ましくない。なお、フィルムを10%収縮後の幅方向の熱収縮応力は11MPa以上だと好ましく、12MPa以上であるとより好ましい。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、ラベル用途やバンディング用途の熱収縮性フィルムとして5〜100μmが好ましく、10〜95μmがより好ましい。
(本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの好ましい製造方法)
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、その製造方法について何ら制限される物ではないが、例えば、上記したポリエステル原料を押出機により溶融押し出しして未延伸フィルムを形成し、その未延伸フィルムを以下に示す方法により、二軸延伸することによって得ることができる。
原料樹脂を溶融押し出しする際には、ポリエステル原料をホッパードライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥するのが好ましい。そのようにポリエステル原料を乾燥させた後に、押出機を利用して、200〜300℃の温度で溶融しフィルム状に押し出す。かかる押し出しに際しては、Tダイ法、チューブラー法等、既存の任意の方法を採用することができる。
そして、押し出し後のシート状の溶融樹脂を急冷することによって未延伸フィルムを得ることができる。なお、溶融樹脂を急冷する方法としては、溶融樹脂を口金より回転ドラム上にキャストして急冷固化することにより実質的に未配向の樹脂シートを得る方法を好適に採用することができる。
さらに、得られた未延伸フィルムを、後述するように、所定の条件で幅方向に延伸した後に、所定の条件で長手方向に延伸し、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを得ることが可能となる。以下、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを得るための好ましい二軸延伸について、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムの延伸方法との差異を考慮しつつ詳細に説明する。
(本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの好ましい延伸方法)
通常の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、収縮させたい方向に未延伸フィルムを延伸することによって製造される。従来から幅方向に収縮する熱収縮性ポリエステル系フィルムについての要求は高かったものの、未延伸フィルムを単純に幅方向に延伸するだけでは、長手方向の引張破壊強さが大幅に低くなる上に、生産速度が速いフィルムが製造できないため生産性の点で好ましくない。また、通常の熱収縮性ポリエステルフィルムは、熱収縮特性を付与するため、非晶質成分を多く含む原料を用いるので、リサイクル原料を混合する比率には限界がある。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを連続的に製造するための好ましい製造方法としては、前記の方法で得たポリエステル系未延伸フィルムを、フィルム長手方向に後述の所定の延伸倍率で一軸延伸し、得られた一軸延伸フィルムを同幅方向の両端際をクリップによって把持した状態でフィルムをTg以上、Tg+40℃以下の温度で後述の所定の延伸倍率でテンターにて幅方向に延伸(横延伸)する方法を採用することができる。
本発明の熱収縮性フィルムの好ましい長手方向の延伸倍率、幅方向の延伸倍率について記述する。
本発明者は研究の結果意図的に非晶PET原料を使用しないフィルムは延伸倍率2倍前後が延伸方向の収縮率が高くなり、延伸倍率を3倍より高くすると結晶化が進行するため延伸方向の収縮率は低下することが分かった。従来の非晶質原料を用いた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、一般的にはガラス転移温度(Tg)からTg+30℃の温度で、3.5倍から5.5倍程度の延伸倍率(最終延伸倍率)で延伸して製造されている。この延伸条件によって非晶質分子が配向し、フィルムに収縮率が備わると考えられており、延伸温度が低いほど、または延伸倍率が高いほど収縮率は高くなる(すなわち非晶質分子が配向し易くなる)。一方、本発明のように非晶質成分となり得るモノマー成分(非晶質原料)が0モル%以上5モル%以下と、実質的に非晶質原料を含まない場合、上記と同じ温度、すなわちTgからTg+30℃の温度で延伸すると、2倍から2.5倍までの倍率で延伸すればフィルムは収縮するものの、上記と同じ倍率、すなわち3.5倍から5.5倍程度の延伸を施すとフィルムの収縮率は逆に低下してしまう。
この研究結果より、本発明者は二軸に延伸して幅方向に収縮させるには最初の長手方向の延伸倍率を4倍以上7倍以下で延伸することが好ましいことを見出した。4倍より低いと長手方向の収縮率が高くなり、ラベルやバンディングフィルムとして収縮させた際に、シワ等の不良が発生するため好ましくない。また、長手方向の延伸を行わず未延伸フィルムを幅方向に延伸した場合、幅方向の厚み斑が大きくなり好ましくない。長手方向の延伸倍率の上限は特に規定は無いが7倍より高いと、幅方向に延伸し難くなる(所謂、破断が生じやすくなる)ので好ましくない。より好ましくは4.3倍以上6.7倍以下であり、更に好ましくは4.6倍以上6.4倍以下である。長手方向の好ましい延伸温度は、ポリエステル系未延伸のTg以上、Tg + 40℃以下である。幅方向の延伸倍率は1.5倍以上2.5倍以下が好ましい。1.5倍以下では幅方向の熱収縮率が不足し、2.5倍以上では幅方向への延伸で生じるネックインによって縦方向へかかる応力が大きくなり、幅縮み率が高くなることにより長手方向の熱収縮率は大きくなることが原因で、ラベルやバンディングフィルムとして収縮させた際にシワ等の不良を生じさせるため好ましくない。より好ましくは1.6倍以上2.4倍以下であり、更に好ましくは1.7倍以上2.3倍以下である。幅方向の好ましい延伸温度は、ポリエステル系未延伸フィルムのTg以上、Tg+40℃以下である。幅方向の延伸を施す前Tg以上、Tg+40℃以下でポリエステル系未延伸フィルムを予熱することが好ましい。予熱時間は2秒以上10秒以下に制御することが好ましい。
前記のようにして、縦延伸及び横延伸を行った。フィルムは、必要に応じて、テンター内で幅方向の両端際をクリップで把持した状態で熱処理しても良い。ここで熱処理とは、(Tg−20℃)以上Tg以下の温度で、熱処理することを意味する。このような熱処理により、熱収縮率の低下を抑制できる他、経時保管後の寸法安定性が向上するため、好ましく用いられる。熱処理温度が(Tg−20℃)より低いと、熱処理による上記効果が有効に発揮されない。一方、熱処理温度がTgより高いと、幅方向の熱収縮率が下限の50%を下回り易くなる。
(本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを基材とした包装体)
本発明の包装体は、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムから得られたバンディングフィルム(及びラベル)が、包装対象物の少なくとも外周の一部に被覆して熱収縮させて形成されるものである。包装対象物としては、(飲料用のPETボトルを始め、各種の瓶、缶、菓子や)弁当等のプラスチック容器、紙製の箱等を挙げることができる。なお、通常、それらの包装対象物に、熱収縮性ポリエステル系フィルムから得られるラベルを熱収縮させて被覆させる場合には、当該バンディングフィルム(及びラベル)を約5〜50%程度熱収縮させて包装体に密着させる。なお、包装対象物に被覆されるバンディングフィルム(及びラベル)には、印刷が施されていても良いし、印刷が施されていなくても良い。
バンディングフィルム(及びラベル)を作製する方法としては、長方形状のフィルムのを幅方向に丸めて端部を重ね合わせて接着してラベル状にするか、あるいは、ロール状に巻き取ったフィルムをロール幅方向に丸めて端部をフィルムに重ね合わせて接着して、チューブ状体としたものをカットしてラベル状とする。フィルム同士を接着する方法は、溶断シール、溶剤接着、ホットメルト接着剤による接着、エネルギー線硬化型接着剤による接着など、既知の方法を用いて行うことができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。実施例、比較例で使用した原料の組成、実施例、比較例におけるフィルムの延伸方式、製造条件を、それぞれ表に示す。
また、フィルムの評価方法は下記の通りである。
[Tg(ガラス転移点)]
示差走査熱量分析装置(セイコー電子工業株式会社製、DSC220)を用いて、未延伸フィルム5mgをサンプルパンに入れ、パンのふたをし、窒素ガス雰囲気下で−40℃から120℃に10℃/分の昇温速度で昇温して測定した。Tg(℃)はJIS−K7121−1987に基づいて求めた。
[固有粘度 (IV)]
ポリエステル0.2gをフェノール/1,1,2,2-テトラクロルエタン(60/40(重量比))の混合溶媒50ml中に溶解し、30℃でオストワルド粘度計を用いて測定した。単位はdl/g。
[熱収縮率(温湯熱収縮率)]
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、所定温度±0.5℃に加熱された温湯の中において、無荷重状態で10秒間処理して熱収縮させた後、フィルムの長手および幅方向の寸法を測定し、下式1にしたがって、それぞれ熱収縮率を求めた。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) (式1)
[Tg(ガラス転移点)]
セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量計(型式:DSC220)を用いて、未延伸フィルム5mgを、−40℃から120℃まで、昇温速度10℃/分で昇温し、得られた吸熱曲線より求めた。吸熱曲線の変曲点の前後に接線を引き、その交点をTg(ガラス転移点)とした。
[引張破断強度の測定方法]
JIS−K7113に準拠し、所定の大きさの短冊状の試験片を作製し、万能引張試験機でその試験片の両端を把持して、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い、破断時までの強度を測定した。
[長手方向の厚み斑]
フィルムを長手方向に1m×幅方向に40mmの短冊状にサンプリングし、ミクロン測定器株式会社製の連続接触式厚み計を用いて、5(m/分)の速度でフィルム試料の長手方向に沿って連続的に厚みを測定した。下式2からフィルムの厚みムラを算出した。
厚み斑=(最大厚みー最小厚み)÷平均厚み×100 (%) (式2)
[幅方向の厚み斑]
フィルムを幅方向に0.5m×長手方向に40mmの短冊状にサンプリングし、ミクロン測定器株式会社製の連続接触式厚み計を用いて、5(m/分)の速度でフィルム試料の長手方向に沿って連続的に厚みを測定した。上式2からフィルムの厚みムラを算出した。
[溶融粘度]
キャピログラフ1D PMD−C (株)東洋精機製作所を用いて樹脂温度250℃、せん断速度6080/Sの条件でJIS K7199に準じて測定を行った。
[熱収縮応力]
熱収縮性フィルムから幅方向の長さが150mm、幅20mmの短冊状フィルムサンプルを切り出し、東洋ボールドウィン社製(現社名オリエンテック)の加熱炉付き強伸度測定機テシロン万能試験機 PTM−250(オリエンテック社の登録商標)を用いて収縮応力を測定した。強伸度測定機の加熱炉は予め炉内を90℃に加熱しておき、フィルムサンプルを把持するためのチャック間距離は100mmとした。サンプルを強伸度測定機のチャックに取り付ける際には、加熱炉の送風を一旦止めて加熱炉の扉を開け、長さ方向150mmのサンプルの両端25mmずつをチャック間に挟み、チャック間距離は100mmとして、チャック間とサンプルの長さ方向とが一致し且つサンプルが水平となるように緩みなく固定した。サンプルをチャックに取り付けた後、速やかに加熱炉の扉を閉めて、送風を再開した。加熱炉の扉を閉め送風を再開した時点を熱収縮応力の測定開始時点とし、測定開始後30秒までの間における熱収縮応力測定値の最大値を熱収縮応力の最大値(最大熱収縮応力(MPa))とした。
[10%収縮後の熱収縮応力]
熱収縮性フィルムから幅方向の長さが161mm、幅20mmの短冊状フィルムサンプルを切り出し、東洋ボールドウィン社製(現社名オリエンテック)の加熱炉付き強伸度測定機テシロン万能試験機 PTM−250(オリエンテック社の登録商標)を用いて収縮応力を測定した。強伸度測定機の加熱炉は予め炉内を90℃に加熱しておき、フィルムサンプルを把持するためのチャック間距離は100mmとした。サンプルを強伸度測定機のチャックに取り付ける際には、加熱炉の送風を一旦止めて加熱炉の扉を開け、長さ方向150mmのサンプルの両端25mmずつをチャック間に挟み、チャック間距離は100mmとして、チャック間のフィルム長さを111mmとし、10%収縮後の熱収縮応力を測定した。
[屈折率]
アタゴ社製アッベ屈折率計を用い、JIS K7142に従い光源をナトリウムランプ
として、フィルムの屈折率の測定を行った。
[収縮仕上り性]
熱収縮性フィルムに、予め東洋インキ製造(株)の草・金・白色のインキで3色印刷を施した。そして、印刷したフィルムの両端部をフェノールで接着することにより、円筒状のラベル(熱収縮性フィルムの主収縮方向を周方向としたラベル)を作製し、それを裁断した。ラベルの収縮方向の直径は77mmであった。しかる後、Fuji Astec Inc 製スチームトンネル(型式;SH−1500−L)を用い、通過時間4秒、ゾーン温度90℃で、350mlのボトル缶(胴直径70mm)に熱収縮させることにより、ラベルを装着した。なお、装着の際には、胴部のみに収縮するように調整した。収縮後の仕上がり性の評価は目視で行い、基準は下記の通りとした。
[ラベルの収縮歪み]
収縮後の仕上り性の評価として、装着されたラベル上部の360度方向の歪みをゲージを使用して測定し、歪みの最大値を求めた。以下の基準に従って評価した。
○:最大歪み 3.0mm未満
×:最大歪み 3.0mm以上
[ラベルのフィット性]
上記したラベルが装着されたボトル缶で、片方の手で缶ボトルを握り、もう一方の手でキャップを握り、キャップを開放した。
○:装着したラベルと容器が動かない。
×:ラベルと容器が動き、ラベルが回転する。
また、実施例および比較例に用いたポリエステルは以下の通りである。
・ポリエステル1:ポリエチレンテレフタレート(IV 0.7 dl/g)
・ポリエステル2:上記ポリエステル2の製造の際に、滑剤としてSiO(富士シリシア社製サイリシア266)をポリエステルに対して8,000ppmの割合で添加したポリエチレンテレフタレート(IV 0.7 dl/g)
・ポリエステル3:リサイクル原料 {よのペットボトルリサイクル(株)製 「クリアペレット」(IV 0.63 dl/g、なお、このポリエステル3は、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分に対してイソフタル酸を2 mol%含んでいる)。
・ポリエステル4 : バイオ由来のエチレングリコールを使用したバイオポリエステル原料(IV 0.62 dl / g)
ポリエステル4は下記のような製造方法にて樹脂を調製した。石油由来の原料から精製したテレフタル酸と植物由来の原料から精製したエチレングリコールの混合物中に酢酸マグネシウム四水塩をポリエステル中にMg原子として70 ppmとなるように加え常圧化にて温度255℃でエステル化反応させた。その後Sb原子としてポリエステル中に280 ppmとなるような量の三酸化アンチモンおよびP原子としてポリエステル中に40 ppmとなるような量のリン酸トリメチルを加えさらに温度260℃で反応させた。 引き続いて、反応生成物を重縮合反応層に移し加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して133 Pa(1 mmHg)の減圧下、280℃で常法により重縮合を行い、IV=0.62 dl / gのポリエステルチップを得た。バイオマス度を測定したところ、バイオマス度は17%であった。
〔実施例1〕
上記したポリエステル1とポリエステル2とを重量比93:7で混合して押出機に投入した。しかる後、その混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから押出し、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さが300μmの未延伸フィルムを得た。このときの未延伸フィルムの引取速度(金属ロールの回転速度)は、約8m/minであった。未延伸フィルムのTgは75℃であった。
しかる後、この未延伸フィルムを縦延伸装置の金属ロールでフィルム温度が80℃になるまで予備加熱した、ロールの速度差を用いて5倍で延伸し、その後 30℃の冷却ロールで冷却した。
長手方向に延伸されたフィルムを 横延伸機(テンター)でフィルム温度が100℃になるまで予備加熱後に100℃で2倍延伸し、幅方向の長さは定長にして95℃で熱処理し、フィルム温度が50℃以下になるまで冷却した。
テンター後に両縁部を裁断除去することによって、厚さ30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製膜して、幅2mの熱収縮性ポリエステル系フィルムからなるフィルムロールを得た。
そして、得られたフィルムの特性を上記の方法により評価した。評価結果を表3に示す。評価の結果、十分な収縮性を有し、収縮仕上がり性が良いフィルムであった。
〔実施例2〕
ポリエステル3とポリエステル2を重量比93:7で混合して押出機に投入した以外は、実施例1と同様の方法によって熱収縮性フィルムを連続的に製造した。未延伸フィルムのTgは75℃であった。そして、得られたフィルムの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。評価の結果、十分な収縮性を有し、縮仕上がり性が良いフィルムであった。
〔実施例3〕
ポリエステル4とポリエステル2を重量比93:7で混合して押出機に投入した以外は、実施例1と同様の方法によって熱収縮性フィルムを連続的に製造した。未延伸フィルムのTgは75℃であった。そして、得られたフィルムの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表3に示す。評価の結果、十分な収縮性を有し、縮仕上がり性が良いフィルムであった。
〔実施例4〕
縦の延伸倍率を5倍から4.5倍に変更し、横の延伸倍率を2倍から2.2倍に変更した以外は 実施例1と同様の方法によって熱収縮性フィルムを連続的に製造した。幅2.2mの熱収縮性ポリエステル系フィルムからなるフィルムロールを得た。評価結果を表3に示す。評価の結果、十分な収縮性を有し、縮仕上がり性が良いフィルムであった。
〔実施例5〕
縦の延伸倍率を5倍から5.5倍に変更し、横の延伸倍率を2倍から1.8倍に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって熱収縮性フィルムを連続的に製造した。幅1.8mの熱収縮性ポリエステル系フィルムからなるフィルムロールを得た。評価結果を表3に示す。評価の結果、十分な収縮性を有し、収縮仕上がり性が良いフィルムであった。
〔比較例1〕
上記したポリエステル1とポリエステル2とを重量比93:7で混合して押出機に投入した。しかる後、その混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから押出し、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さが60μmの未延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムを、横延伸機(テンター)でフィルム温度が100℃になるまで予備加熱後に100℃で2倍延伸し、幅方向の長さは定長にして95℃で熱処理し、フィルム温度が50℃以下になるまで冷却した。
テンター後に両縁部を裁断除去することによって、厚さ30μmの一軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製膜して、幅2mの熱収縮性ポリエステル系フィルムからなるフィルムロールを得た。
そして、得られたフィルムの特性を上記の方法により評価した。評価結果を表3に示す。評価の結果、長手方向の引張破断強度が低く、厚み斑が高い値となった。また10%収縮後の収縮応力が低いので、ラベルのフィット性に劣る結果であった。
〔比較例2〕
上記したポリエステル1とポリエステル2とを重量比93:7で混合して押出機に投入した。しかる後、その混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから押出し、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さ450μmの未延伸フィルムを得た。このときの未延伸フィルムの引取速度(金属ロールの回転速度)は、約8m/minであった。未延伸フィルムのTgは75℃であった。
しかる後、この未延伸フィルムを縦延伸装置の金属ロールでフィルム温度が80℃になるまで予備加熱した、ロールの速度差を用いて5倍で延伸し、その後、30℃の冷却ロールで冷却した。
長手方向に延伸されたフィルムを、横延伸機(テンター)でフィルム温度が100℃になるまで予備加熱後に100℃で3倍延伸し、幅方向の長さは定長にして95℃で熱処理し、フィルム温度が50℃以下になるまで冷却した。
テンター後に両縁部を裁断除去することによって、厚さ30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製膜して、幅3mの熱収縮性ポリエステル系フィルムからなるフィルムロールを得た。
そして、得られたフィルムの特性を上記の方法により評価した。評価結果を表3に示す。幅方向の収縮率が不足し、ラベルとして不適なフィルムであった。
〔比較例3〕
上記したポリエステル1とポリエステル2とを重量比93:7で混合して押出機に投入した。しかる後、その混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから押出し、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。このときの未延伸フィルムの引取速度(金属ロールの回転速度)は、約8m/minであった。未延伸フィルムのTgは75℃であった。
しかる後、この未延伸フィルムを縦延伸装置の金属ロールでフィルム温度が80℃になるまで予備加熱した、ロールの速度差を用いて3倍で延伸し、その後 30℃の冷却ロールで冷却した。
長手方向に延伸されたフィルムを 横延伸機(テンター)でフィルム温度が100℃になるまで予備加熱後に100℃で3倍延伸し、幅方向の長さは定長にして95℃で熱処理し、フィルム温度が50℃以下になるまで冷却した。
テンター後に両縁部を裁断除去することによって、厚さ30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製膜して、幅2mの熱収縮性ポリエステル系フィルムからなるフィルムロールを得た。
そして、得られたフィルムの特性を上記の方法により評価した。評価結果を表3に示す。長手方向の収縮率が高く、収縮仕上り性が劣りラベルとして不適なフィルムであった。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、上記の如く優れた特性を有しているので、ボトルのラベル用途及びバンディング用途に好適に用いることができる。ポリエステル中に非晶質成分をとなりうるモノマー成分が極めて少ない含有量においても幅方向に十分な熱収縮率を有するフィルムであるので、リサイクル原料比率を高くすることができ、環境にも適したフィルムである。

Claims (6)

  1. エチレンテレフタレートを主たる構成成分とし、全ポリエステル樹脂成分中において非晶質成分となりうるモノマー成分が0モル%以上5モル%以下含有しているとともに、主収縮方向が幅方向である熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、下記要件(1)〜(4)を満たすことを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
    (1)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場合における幅方向の温湯熱収縮率が25%以上50%以下であること
    (2)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場合における幅方向と直交する長手方向の温湯熱収縮率が10%以上20%以下であること
    (3)フィルム長手方向の引張破断強度が100MPa以上200MPa以下
    (4)主収縮方向であるフィルム幅方向の屈折率の値より、フィルム長手方向の屈折率の値のほうが高い
  2. フィルム幅方向の最大収縮応力が14MPa以上22MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  3. 長手方向の厚みムラと幅方向の厚みムラが共に20%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  4. フィルムを幅方向に10%収縮させた後のフィルム幅方向の熱収縮応力が10MPa以上18MPa以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  5. 未延伸フィルムを長手方向に延伸し、その後、幅方向に延伸することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを製造する方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを基材とした、ラベル又はバンディングフィルムが少なくとも外周の一部に被覆されてなることを特徴とする包装体。
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