JP2021049754A - 産業用シート材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)の持続性に優れた産業用シート材の提供。【解決手段】布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層が設けられた可撓性積層体による産業用シート材であって、布帛が、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上の糸条を含む織物であって、かつ、少なくともこの織物の糸条間及び糸条交点に、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質を介在させ、さらに糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも潤滑補助物質を付帯させ、必要に応じてパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂と混用する。【選択図】図2

Description

本発明は大型テント(パビリオン)、サーカステント、テント倉庫、建築空間の膜屋根(天井)、日除けテントなどの膜構造物を始め、建築養生シート、フレキシブルコンテナバッグなど、及びこれらに用いられるターポリン、トラック幌、トラック荷台シート、屋形テント、シートハウスなど、及びこれらに用いられる帆布と、これらの産業用シート材の製造方法に関する。より詳しくは、耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果の持続性に優れ、しかも引裂強度にも優れた産業用シート材の発明、並び、これらの産業用シート材の製造方法の発明に関する。
大型テント(パビリオン)、サーカステント、テント倉庫、建築空間の膜屋根(天井)、日除けテントなどの膜構造物を始め、建築養生シート、フレキシブルコンテナバッグなど、及びこれらに用いられるターポリン素材、また、トラック幌、トラック荷台シート、屋形テント、シートハウスなど、及びこれらに用いられる帆布素材には、ポリエステル繊維などの織物の表面に軟質塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂層を被覆してなる産業用シート材(ターポリン、帆布)が使用され、厚さ0.3〜1.5mm、幅0.9〜2.5m、長さ25〜50mのロール状で規格品流通している。産業用シート材は、幅と長さを満たすようスリット加工され、端部及び側部をカットしたものであるため、産業用シート材の端部及び側部の断面は、織物の断面(経糸条及び緯糸条の断面)が露出した状態となる。そして、各種膜構造物施工ではこれらの産業用シート材をパーツとして、これらを複数繋ぎ合わせて面積拡張する作業が行われ、この繋ぎ合わせは熱融着によるラップ接合(端部をのり代として、のり代同士を重ね合わせ状態で熱可塑性樹脂層を溶かして接着)を主流とする。この複数の産業用シート材を繋ぎ合わせ面積拡張したラップ接合体では、ラップで上側に位置する産業用シート材、すなわち膜構造物の外観面となる側の産業用シート材の断面が露わとなり織物(経糸条及び緯糸条の断面)が露出した状態となる。ラップ接合は産業用シート材の幅と長さの規格や、パーツサイズとの組み合わせとなるため、ラップ接合部分毎に織物(経糸条及び緯糸条の断面)の断面が露出したものとなる。産業用シート材において、織物を構成する経糸条及び緯糸条は、主にマルチフィラメント糸条や短繊維紡績糸条など、多数の極細繊維の集合束が用いられるが、これら糸条は毛管現象による水の吸い上げを起こし易く、ラップ接合部に糸条断面が露出することで、雨水がラップ接合部から奥深く浸透し、シート材内部に長期間残留することがある。そして雨水に黴や藻の胞子が含まれているとシート材内部の織物に黴や藻が繁殖するトラブルとなる。このように発生した黴や藻は除去困難で、膜構造物の外観、透過光ムラに影響し、また悪臭の原因となる。
このような産業用シート材の断面や破損部からの水の毛管浸透を防ぐ発明として、フッソ樹脂系撥水剤を付着する布帛両面に塩化ビニル樹脂被覆層を設けたテント地(特許文献1)、フッ素系やシリコーン系の撥水溌油剤を付与したポリエステル織編物を合成樹脂で被覆したメッシュシート(特許文献2)、弗素系撥水剤あるいはシリコン系撥水剤が付与された基布の少なくとも片面に熱可塑性樹脂が被覆された膜材(特許文献3)などが挙げられ、何れも布帛(織編物)を撥水性とする手段が効果的である。確かに、布帛(織編物)を撥水性とすることで、糸条断面からの毛管現象の発現を抑止し、それによって産業用シート材の接合断面や破損部からの水の浸透を防ぐことが可能となる。しかし用途によっては水の浸透抑止効果の発現が経時的に低下するケースがある。例えば、トラック幌、トラック荷台シート、シート倉庫など、風でシートがはためく用途では、シートが屈曲のストレスを長期間受け、また、屋形テント、サーカステントなど、設営と解体を繰り返す用途では、シートが折り畳みのストレス蓄積を受けている。この動的ストレスは、布帛(織編物)を構成する糸条に影響を及ぼし、糸条を構成するフィラメント同士がスライド、屈曲することで、フィラメント間に隙間を生じ、隙間が緩くなることで水の浸透を促しているものと考察する。
特にシートが折り畳まれると、山折り部、及び谷折り部に、大きな歪負荷が掛かり、布帛(織編物)と被覆樹脂との界面に剥離による微細な隙間を生じることがある。そして折り畳んだシートを展開した時に、この微細な剥離隙間が乱反射することで白化痕(チョークマーク)の外観トラブルとなる。このような白化痕となる剥離隙間がシート内部に多数発生することは、さらにシート断面からの水の浸透を助長するものとなる。このような白化痕の要因となる界面剥離は、フッ素系やシリコーン系の撥水溌油剤の存在によるもので、布帛(織編物)と被覆樹脂との接着力を妨げるというジレンマを有している。そこで界面剥離を起こさずに十分な撥水性を確保するための工夫が種々検討され、例えば、撥水剤とカチオン性ポリウレタン樹脂とブロックドポリイソシアネート化合物の反応物の使用(特許文献3)が効果的である。この方法だとポリウレタン樹脂がバインダーとなり、被覆樹脂や布帛(織編物)と接着することで界面剥離を起こし難く、十分な撥水性を確保することを可能とする。しかし、イソシアネート化合物の反応物による接着硬化効果が十分だと、産業用シート材の風合いを硬いものとして、シートが衝撃で破れ易くなるという別のジレンマとなる。そのため、耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果の持続性に優れた産業用シート材が望まれていた。
特開平5−34093号公報 特開平7−11582号公報 特開平9−183188号公報
本発明は、耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)の持続性に優れた産業用シート材の提供を課題とする。この課題解決によれば、ターポリンや帆布などの産業用シート材の品質(黴対策)及び性能が向上し、これら産業用シート材を用いた大型テント(パビリオン)、サーカステント、テント倉庫、建築空間の膜屋根(天井)、日除けテントなどの膜構造物、建築養生シート、フレキシブルコンテナバッグ、トラック幌、トラック荷台シート、屋形テント、シートハウスなどの耐久性及び性能(黴対策)の向上となる。
本発明はかかる点を考慮し検討を重ねた結果、布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層が設けられた可撓性積層体による産業用シート材において、布帛が特定の糸条を含む織物で、少なくともこの織物の糸条間及び糸条交点に特定の潤滑補助物質を介在させることによって、耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)の持続性に優れた産業用シート材が得られることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の産業用シート材は、布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層が設けられた可撓性積層体による産業用シート材であって、前記布帛が、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上の糸条を含む織物であって、かつ、少なくともこの織物の糸条間及び糸条交点に、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質が介在していることが好ましい。織物の糸条間及び糸条交点に潤滑補助物質を介在させることによって織物自体の耐屈曲性、及び耐折畳み性が向上し、拠って得られる産業用シート材の耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れたものとなる。
本発明の産業用シート材は、1)前記変性セルロースナノファイバー、及び2)前記変性セルロースナノクリスタルが共に、カルボキシメチル化、酸化変性、エステル化(ホウ酸エステル化、リン酸エステル化、ケイ酸エステル化、から選ばれた1種以上)、イソシアネート化、シランカップリング剤処理(アミノシラン変性、ビニルシラン変性、エポキシシラン変性、メタクリルシラン変性、アクリルシラン変性、クロルシラン変性、メルカプトシラン変性、イソシアヌレートシラン変性、イソシアネートシラン変性、から選ばれた1種以上)、から選ばれた1種以上の変性がなされたセルロース物質であることが好ましい。
本発明の産業用シート材は、前記糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に、前記潤滑補助物質を付帯することが好ましい。特に糸条の内部、すなわちフィラメント同士の隙間に潤滑補助物質が入り込むことで、糸条自体の耐屈曲性、及び耐折畳み性が更に向上し、拠って糸条自体の耐屈曲性、及び耐折畳み性が更に向上し、従って得られる産業用シート材の耐屈曲性、及び耐折畳み性を更に優れたものとする。
本発明の産業用シート材は、前記潤滑補助物質がパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂と混用されることが好ましい。潤滑補助物質の存在によって耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難いものとする。そしてパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂の存在によって膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)を発現し、その持続性にも優れたものとする。
本発明の産業用シート材は、前記潤滑補助物質がパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂及び合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーと混用されることが好ましい。潤滑補助物質の存在によって耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難いものとする。そしてパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂の存在によって膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)を発現し、その持続性にも優れたものとする。さらに合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーは、膜構造物の接合部断面などから浸透した水分を断面入口で捕らえ、各々合成スメクタイト構造内、吸水性ポリマー構造内に水分を取り込むことで体積膨潤し、粘重液体状、または寒天状と変化することで接合部断面からの水分の浸透を封止する。
本発明の産業用シート材は、前記織物が、1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物、の何れかであることが好ましい。特に三軸織物、四軸織物などを使用すれば、糸条同士の交差が複雑となり、多方向に拡がるネットワークによってストレスの拡散性が増し、ストレスを広域に分散して受けることで更に引裂などの外力に対する抵抗力が飛躍的に優れたものとなる。
本発明の産業用シート材は、前記織物が、ポリベンゾイミダゾール系、ポリベンゾオキサゾール系、ポリベンゾチアゾール系、及びこれらの共重合高分子(ベンゾイミダゾール−ベンゾオキサゾール共重合系、ベンゾイミダゾール−ベンゾチアゾール共重合系、ベンゾオキサゾール−ベンゾチアゾール共重合系、ベンゾイミダゾール−ベンゾオキサゾール−ベンゾチアゾール共重合系、芳香族ポリアミド成分を含む上記共重合系)、の群から選ばれた1種以上の芳香族複素環高分子繊維からなる糸条を含んでいることが好ましい。これによって得られる産業用シート材の引張破壊強度、引裂(切裂)強度、防爆強度、耐熱性、及び耐火性などを飛躍的に向上させることができる。
本発明の産業用シート材の製造方法は、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質、及びパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂を混用して含む液状組成物を用い、a)布帛に塗布、乾燥させる工程、またはb)布帛を前記液状組成物中に浸漬、引上げて乾燥させる工程、の何れかの工程、及びこの工程により得られた下処理布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層を設ける工程、を含み、少なくともこの下処理布帛の糸条間及び糸条交点に、前記潤滑補助物質を介在させることが好ましい。この製造方法よって、耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)の持続性に優れ、しかも引裂強度にも優れた産業用シート材を得ることができる。
本発明の産業用シート材の製造方法は、前記布帛が、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上の糸条を含む織物で、1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物、の何れかで、しかも前記糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に、前記潤滑補助物質を付帯させることが好ましい。特に三軸織物、四軸織物などを使用すれば、糸条同士の交差が複雑となり、多方向に拡がるネットワークによってストレスの拡散性が増し、ストレスを広域に分散して受けることで更に引裂などの外力に対する抵抗力が飛躍的に優れたものとなる。
本発明の産業用シート材の製造方法は、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質、及びパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂を混用して含む液状組成物を用い、a)糸条に塗布、乾燥させる工程、またはb)糸条を前記液状組成物中に浸漬、引上げて乾燥させる工程、の何れかの工程、により得られた下処理糸条を、1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物、の何れかの布帛とする工程、この布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層を設ける工程、を含み、少なくともこの布帛の糸条間及び糸条交点に、前記潤滑補助物質を介在させることが好ましい。この製造方法よって、耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)の持続性に優れ、特に三軸織物、四軸織物などを使用すれば、糸条同士の交差が複雑となり、多方向に拡がるネットワークによってストレスの拡散性が増し、ストレスを広域に分散して受けることで更に引裂などの外力に対する抵抗力が飛躍的に優れたものとなる。
本発明の産業用シート材の製造方法は、前記糸条が、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上で、しかも前記糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に、前記潤滑補助物質を付帯させることが好ましい。特に糸条の内部、すなわちフィラメント同士の隙間に潤滑補助物質が入り込むことで、糸条自体の耐屈曲性、及び耐折畳み性が更に向上し、拠って糸条自体の耐屈曲性、及び耐折畳み性が更に向上し、従って得られる産業用シート材の耐屈曲性、及び耐折畳み性を更に優れたものとする。
本発明により、耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)の持続性に優れた産業用シート材の提供が可能となった。この課題解決によって、ターポリンや帆布などの産業用シート材の品質(黴対策)及び性能が向上するので、従ってこれら産業用シート材を用いた大型テント(パビリオン)、サーカステント、テント倉庫、建築空間の膜屋根(天井)、日除けテントなどの膜構造物、建築養生シート、フレキシブルコンテナバッグ、トラック幌、トラック荷台シート、屋形テント、シートハウスなどの用途物件においても耐久性及び性能(黴対策)の向上が期待できるものとなる。
本発明の産業用シート材の断面図の一例 本発明の産業用シート材の織物の断面図の一例 本発明の産業用シート材の織物を構成する糸条の断面図の一例
本発明の産業用シート材は、布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層が設けられた可撓性積層体による産業用シート材であって、布帛が、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上の糸条を含む織物であって、かつ、少なくともこの織物の糸条間及び糸条交点に、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質が介在し、さらに糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に潤滑補助物質を付帯していて、この潤滑補助物質は、a)少なくともパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂と混用、b)または少なくともパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂及び合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーと混用され、織物が、1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物の何れかで、必要に応じてこれらの織物に芳香族複素環高分子繊維からなる糸条を含むものが使用できる。
本発明の産業用シート材に用いる布帛は、平織物(経/緯2軸織物、経/左上/右上バイアス3軸織物、経/緯/左上/右上バイアス4軸織物)、斜子織物(2×2、3×3、4×4などの正則斜子織、3×2、4×2、4×3、5×3、2×3、2×4、3×4、3×5などの不規則斜子織)、綾織物(経糸、緯糸とも最少3本ずつ用いた最小構成単位を有する:3枚斜文、4枚斜文、5枚斜文、6枚斜文など)、朱子織物(経糸、緯糸とも最少5本ずつ用いた最小構成単位を有する:2飛び、3飛び、4飛び、5飛びなどの正則朱子)、及び変化平織物、変化綾織物、変化朱子織物など、さらに蜂巣織物、梨子地織物、破れ斜文織物、昼夜朱子織物、もじり織物(紗織物、絽織物)、縫取織物、二重織物などの織物が使用できる。なかでも特に1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物、の何れかであることが好ましい。特に三軸織物、四軸織物などを使用すれば、糸条同士の交差が複雑となり、多方向に拡がるネットワークによってストレスの拡散性が増し、ストレスを広域に分散して受けることで更に引裂などの外力に対する抵抗力が飛躍的に優れたものとなる。産業用シート材に用いる布帛としての織物の目付量は100〜500g/mが適している。織物の空隙率は0〜25%、産業用シート材がターポリンの場合は空隙率5〜25%、帆布の場合は空隙率0〜5%が好ましい。これらの織物には精練、漂白、染色、柔軟化、撥水、防黴、防炎、カレンダー、などの公知の染色整理加工を施したものを使用することもできる。
織物(布帛)を構成する糸条は、合成繊維、天然繊維、半合成繊維、無機繊維、及びこれらの2種以上から成る混合繊維など、何れの繊維も使用できるが、汎用的には、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート:PET、ポリブチレンテレフタレート:PBT、ポリナフタレンテレフタレート:PNTなど)繊維、ナイロン繊維、及び、これらの混用繊維(混撚・合撚)などの合成繊維による、1)マルチフィラメント糸条、2)短繊維紡績糸条、3)及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上の糸条が使用できる。マルチフィラメント糸条は、ナイロン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を紡糸口金から押出して紡糸した長繊維紡原糸を3〜5倍に延伸した長繊維紡糸束(50〜500本のフィラメント束)のまま無撚、または1〜200回/m撚りを掛けた、繊度125〜2000デニール(139〜2222Dtex)の糸条が使用できる。これらのマルチフィラメント糸条には、タスラン糸条、ウーリー糸条などの嵩高加工糸条を包含する。短繊維紡績糸条は、ナイロン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を紡糸口金から押出して紡糸した長繊維紡糸束(延伸していてもよい)を3.8〜5.8mm長程度に切断したステープルを開繊練条したスライバを引き伸ばしたロービング(粗糸)とし、これに所定の番手太さにドラフトと撚りを掛けてトウ紡績したものである。撚糸は単糸または単糸2本を引き揃えてS(右)撚りもしくはZ(左)撚りしたもの、また単糸または単糸2本を引き揃えて下撚りした加撚糸を2本引き揃えて上撚りを掛けてなる双糸が挙げられる。これらの撚糸の撚り回数は200〜2000回/m程度である。またカバリング糸条は、上記マルチフィラメント糸束の外周に上記短繊維を巻き付けたカバリング糸条が挙げられ、本願においては芯鞘複合糸条もカバリング糸条に包含される。
特に本発明の産業用シート材の引張破壊強度、引裂(切裂)強度、防爆強度、耐熱性、及び耐火性などを向上させるために、フッ素樹脂繊維、全芳香族ポリエステル繊維、全芳香族ポリアミド繊維などのマルチフィラメント糸条を主体とする織物設計、あるいは上記汎用合成繊維による糸条との併用(リップストップ構造の挿入)が適している。また国土交通大臣認定の不燃材料(テント構造物用不燃膜材)の用途向けには、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、炭素繊維、及び、これらの混用繊維(混撚・合撚)などの無機マルチフィラメント糸条を主体とする織物が適している。そして特に引張破壊強度、引裂(切裂)強度、防爆強度、耐熱性、及び耐火性などを飛躍的に向上させるために、織物が、ポリベンゾイミダゾール系、ポリベンゾオキサゾール系、ポリベンゾチアゾール系、及びこれらの共重合高分子(ベンゾイミダゾール−ベンゾオキサゾール共重合系、ベンゾイミダゾール−ベンゾチアゾール共重合系、ベンゾオキサゾール−ベンゾチアゾール共重合系、ベンゾイミダゾール−ベンゾオキサゾール−ベンゾチアゾール共重合系、芳香族ポリアミド成分を含む上記共重合系)、の群から選ばれた1種以上の芳香族複素環高分子繊維からなる糸条(マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、カバリング糸条)を主体に含む織物設計、あるいは上記汎用繊維による糸条との併用(リップストップ構造の挿入)が適している。リップストップ構造とは例えば、ポリエステル繊維糸条を経糸条及び緯糸条とする平織物において、経糸条、及び緯糸条の任意の位置に芳香族複素環高分子繊維からなる糸条を規則的、またはランダムに配列したもので、外観上、格子柄(または変則格子柄)を形成する織物、三軸織物、四軸織物が適している。具体的に経糸群及び緯糸群の糸条配列1,2,3,4,5・・・n(nは整数)において、10の倍数(10,20,30・・・)本目毎に、芳香族複素環高分子繊維糸条が挿入され、格子模様を形成するような態様である。また四軸織物において、経糸、緯糸、左上バイアス糸、右上バイアス糸の何れか、または全部を全て香族複素環高分子繊維糸条とすることもでき、具体的に経糸と緯糸を香族複素環高分子繊維糸条、左上バイアス糸と右上バイアス糸を他の繊維糸条とする構成、または左上バイアス糸と右上バイアス糸を他の香族複素環高分子繊維糸条、経糸と緯糸を他の繊維糸条とする構成である。
本発明の産業用シート材において、少なくとも織物の糸条間及び糸条交点に、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質が介在していることが必要であり、また同時に糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも潤滑補助物質を付帯することが好ましい。織物の糸条間及び糸条交点に潤滑補助物質が介在することによって、さらに糸条の内部、すなわちフィラメント同士の隙間に潤滑補助物質が入り込むことで、糸条自体の耐屈曲性、及び耐折畳み性が更に向上し、拠って糸条自体の耐屈曲性、及び耐折畳み性が更に向上し、拠って得られる産業用シート材の耐屈曲性、及び耐折畳み性を優れたものとし、また引裂強度にも優れたものとする。またこの際、潤滑補助物質は、少なくともパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂と混用されることが好ましく、さらに潤滑補助物質は、少なくともパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂及び合成スメクタイトと混用されることが好ましい。これらの処方によって耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難いものとし、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)と、その持続性に優れたものとする。
織物の糸条間及び糸条交点に潤滑補助物質を介在させ、同時に糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも潤滑補助物質を付帯させる手段として、1)少なくとも潤滑補助物質を含有する溶液、2)潤滑補助物質、及びパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂を少なくとも含有する溶液、3)潤滑補助物質、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂、及び合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーを少なくとも含有する溶液、の何れかの溶液を用い、その液浴中に織物(布帛)を浸漬し、これを引き上げると同時に1対のゴムロール間で圧搾し、これを乾燥固化するディッピング法、或いは、織物(布帛)の表裏に、上記何れかの溶液をグラビア塗布、ロール塗布、ナイフ塗布などして、これを乾燥固化するコーティング法などの公知の塗工法で得ることができる。これらの方法で、織物の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)とに、すなわち目付量150〜250g/mの織物1m単位当たり潤滑補助物質を、固形分質量0.1〜10g/m、特に0.3〜3g/m付帯させることが好ましい。また潤滑補助物質とパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂を混用する場合は、目付量150〜250g/mの織物1m単位当たり、潤滑補助物質を固形分質量0.1〜10g/m、特に0.3〜3g/mと、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂を固形分質量0.1〜10g/m、特に0.3〜3g/mを付帯させることが好ましい。さらに潤滑補助物質、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂、及び合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーを混用する場合は、目付量150〜250g/mの織物1m単位当たり、潤滑補助物質を固形分質量0.1〜10g/m、特に0.3〜3g/m、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂を固形分質量0.1〜10g/m、特に0.3〜3g/m、合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーを固形分質量0.01〜1g/m、特に0.05〜0.5g/mを付帯させることが好ましい。ここで織物の目付が500g/mの場合、潤滑補助物質の付帯量は、固形分質量0.2〜20g/mで、好ましい付帯量は0.6〜6g/mとなり、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂、及び合成スメクタイトなどにおいても同様の比例関係とする。上記1〜3)の溶液において、潤滑補助物質、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂、及び合成スメクタイトまたは吸水性ポリマー以外に併用できる物質として、シリコーン系化合物、パラフィン系化合物などの撥水剤、顔料、染料などの着色剤などが例示できる。
潤滑補助物質には、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタルから選ばれた1種以上が使用でき、目付量150〜250g/mの織物1m単位当たり、これらの潤滑補助物質を固形分質量0.1〜10g/m、特に0.3〜3g/m用いることが好ましい。セルロースナノファイバーは、セルロース原料(化学処理パルプ・機械破砕パルプ・古紙パルプなど)を機械的に解繊(粗解繊・微解繊)し、繊維径をナノサイズ化して得られた、粉体、スラリー、または分散液状のものが使用できる。変性セルロースナノファイバーは、カルボキシメチル化、酸化変性、エステル化、エーテル化、アセチル化、シアノエチル化、アセタール化、イソシアネート化、シランカップリング剤処理、ホウ酸エステル化、リン酸エステル化、ケイ酸エステル化、などの変性がなされたセルロースナノファイバーから選ばれた1種以上である。カルボキシメチルナノセルロースはセルロースの1級、2級水酸基(2,3,6位)を任意にカルボキシメチル化し、機械的に解繊したもので、また酸化ナノセルロースはTEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシラジカル)触媒を含む酸化触媒液により、セルロース分子中の1級水酸基(6位)のみを選択的にカルボキシ基に変換してCOOH基量1.3〜1.6mmol/gとし、機械的解繊したものである。これら(変性)セルロースナノファイバーの平均アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は50〜10000、平均繊維径は3nm〜100nm、平均繊維長は2μm〜100μmの繊維が、接着性組成物中におけるセルロースナノファイバーの分散性に優れ、かつ樹脂接着層内で安定化する。またセルロースナノクリスタルは、セルロース原料(木材・竹・植物パルプ、古紙パルプなど)を硫酸等の酸によって非結晶部分を除去した後、機械的解繊処理して得られる、平均アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)50以下、平均繊維径10nm〜50nm、平均繊維長300nm〜500nmの短繊維で、カルボキシメチル化、酸化変性、エステル化、エーテル化、アセチル化、シアノエチル化、アセタール化、イソシアネート化、シランカップリング剤処理、ホウ酸エステル化、リン酸エステル化、ケイ酸エステル化、などの変性がなされたセルロースナノクリスタルの1種以上が挙げられる。これらの潤滑補助物質は粉体、スラリー、または分散液状の形態で使用できる。
特にシランカップリング剤処理ナノセルロース、及びシランカップリング剤処理セルロースナノクリスタルは、ナノセルロース、ナノクリスタルなどの潤滑補助物質を1種以上のシランカップリング剤を含む水溶液中で処理し、シランカップリング剤の加水分解物:XR−Si(OH)(X、Yは下記に示す)がセルロースの水酸基などに結合した反応物で、シランカップリング剤処理による変性は、アミノシラン変性、ビニルシラン変性、エポキシシラン変性、メタクリルシラン変性、アクリルシラン変性、クロルシラン変性、メルカプトシラン変性、イソシアヌレートシラン変性、イソシアネートシラン変性などが挙げられる。2種のシランカップリング剤の処理例では、ビニルシラン/メタクリルシラン変性、アミノシラン/メルカプトシラン変性などが挙げられ、同様に3種以上のシランカップリング剤を併用することもできる。シランカップリング剤は一般式:XR−Si(Y)で表される分子中に2個以上の異なった反応基を有するアルコキシシラン化合物で、例えば、X=アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、クロル基、メルカプト基、イソシアヌレート基、イソシアネート基、など(R=アルキル鎖)、Y=メトキシ基、エトキシ基などである。
特にホウ酸エステル化ナノセルロースは、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO)などのホウ酸、及び四ホウ酸ナトリウム水和物(Na・10HO)、五ホウ酸ナトリウム(NaB)などのホウ酸塩水溶液をナノセルロースに処理し、ホウ酸エステル化反応を完結させて得られる難燃化セルロースであり、リン酸エステル化ナノセルロースは、オルトリン酸(HPO)、ピロリン酸、ポリリン酸(HPO)n、亜リン酸、亜フォスフィン酸などのリン酸類、およびこれらリン酸から誘導される金属塩、アンモニウム塩などのリン酸塩水溶液をナノセルロースに処理し、リン酸エステル化反応を完結させて得られる難燃化ナノセルロースであり、ケイ酸エステル化ナノセルロースは、ケイ酸、及びケイ酸ナトリウム(水ガラス)、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩水溶液をナノセルロースに処理し、ケイ酸エステル化反応を完結させて得られる難燃化セルロースである。これらの難燃化セルロースは、ホウ酸塩水溶液とリン酸塩水溶液との併用処理によるホウ酸/リン酸エステル化ナノセルロース、ホウ酸塩水溶液とケイ酸塩水溶液との併用処理によるホウ酸/ケイ酸エステル化ナノセルロース、リン酸塩水溶液とケイ酸塩水溶液との併用処理によるリン酸/ケイ酸エステル化ナノセルロース、などであってもよい。これらの難燃化セルロースの使用料が多いほど、得られる産業用シート材の耐屈曲性、及び耐折畳み性を潤滑化するのみならず、防炎性も向上させる作用を発現する。
潤滑補助物質と併用するパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂としては、炭素数8以下、好ましくは炭素数6以下のパーフルオロアルキル基、または炭素数8以下、好ましくは炭素数6以下のパーフルオロアルケニル基を有するエチレン性不飽和モノマーを用いてなる撥水性共重合体である。これらは具体的に、パーフルオロアルキル基を有するアクリレート及び/ またはメタクリレートとこれらと共重合可能な他のモノマー(例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、マレイン酸アルキルエステル、フタル酸アルキルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、スチレンなど)と重合して得られる撥水性共重合体が挙げられる。これらの撥水性共重合体はエマルジョンの形態で、水で希釈可能であることが潤滑補助物質との併用において好ましく、さらに配合及び織物(布帛)への処理の取り扱い性に優れ好ましい。これら撥水性共重合体は、共重合成分が特に布帛(織物)と強固に密着し、120〜180℃の熱キュアーでパーフルオロアルキル基が配向整列することで、表面エネルギーを低下させ、より撥水性が増大したものとなる。織物(布帛)をパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂で処理し、目付量150〜250g/mの織物1m単位当たり、潤滑補助物質を固形分質量0.1〜10g/m、特に0.3〜3g/mと、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂を固形分質量0.1〜10g/m、特に0.3〜3g/mを付帯させることで、得られる産業用シート材で構築された膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)の持続性を効果的に改善することができる。必要に応じてパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂の1〜25質量%を、メチルクロロシラン、メチルポリシロキサン樹脂、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサンなどのシリコーン系撥水剤、または、炭素数20〜48で、融点が50〜70℃のn−パラフィンワックスなどのパラフィン系撥水剤と置換使用することもできる。
また、本発明の産業用シート材において、目付量150〜250g/mの織物1m単位当たり、潤滑補助物質を固形分質量0.1〜10g/m、特に0.3〜3g/m、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂を固形分質量0.1〜10g/m、特に0.3〜3g/m、合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーを固形分質量0.01〜1g/m、特に0.05〜0.5g/mを付帯させることもできる。合成スメクタイト及び吸水性ポリマーは、膜構造物の接合部断面などから浸透した水(雨水)を断面入口で捕らえ、各々合成スメクタイト構造内、吸水性ポリマー構造内に水分を取り込むことで体積膨潤し、粘重液体状、または寒天状とゲル化することで接合部断面からの水分の浸透を断面入口で封止し、それ以上シート材内部への深い浸透を抑止する。合成スメクタイトはシリカ/アルミが2:1の比率で、シリカ四面体(四配位)とアルミ八面体(六配位)が交互に層状となる構造のもので、これらの平均粒子径は0.1〜2.0μmのものである。またNa四珪素雲母を有機交換処理した平均粒子径10〜30μmのフッ素四珪素雲母である。これらの合成スメクタイトには、平均粒子径0.1〜2.0μmの、モンモリロナイト、カオリナイト、バーミキュライト、などの粘土鉱物を1〜25質量%合成スメクタイトと置換併用することもできる。吸水性ポリマーは、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸とビニルアルコールの共重合体などが挙げられる。
本発明の産業用シート材の製造方法(A)は、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質、及びパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂、を少なくとも混用して含む液状組成物を用い、a)布帛に塗布、乾燥させる工程、またはb)布帛を液状組成物中に浸漬、引上げて乾燥させる工程、の何れかの工程、及びこの工程により得られた下処理布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層を設ける工程、を含み、少なくともこの下処理布帛の糸条間及び糸条交点に、潤滑補助物質を介在させる方法で、布帛が、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上の糸条を含む織物で、1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物、の何れかで、しかも糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に、潤滑補助物質を付帯させることが好ましい。この製造方法よって、耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)の持続性に優れ、しかも引裂強度にも優れた産業用シート材を得ることができ、特に三軸織物、四軸織物などを使用すれば、糸条同士の交差が複雑となり、多方向に拡がるネットワークによってストレスの拡散性が増し、ストレスを広域に分散して受けることで更に引裂などの外力に対する抵抗力が飛躍的に優れたものとなる。
本発明の産業用シート材の製造方法(B)は、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質、及びパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂、を少なくとも混用して含む液状組成物を用い、a)糸条に塗布、乾燥させる工程、またはb)糸条を液状組成物中に浸漬、引上げて乾燥させる工程、の何れかの工程、により得られた下処理糸条を、1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物、の何れかの布帛とする工程、この布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層を設ける工程、を含み、少なくともこの布帛の糸条間及び糸条交点に、潤滑補助物質を介在させる方法で、糸条が、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上で、しかも糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に、潤滑補助物質を付帯させることが好ましい。この製造方法よって、耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)の持続性に優れ、特に三軸織物、四軸織物などを使用すれば、糸条同士の交差が複雑となり、多方向に拡がるネットワークによってストレスの拡散性が増し、ストレスを広域に分散して受けることで更に引裂などの外力に対する抵抗力が飛躍的に優れたものとなり、特に糸条の内部、すなわちフィラメント同士の隙間に潤滑補助物質が入り込むことで、糸条自体の耐屈曲性、及び耐折畳み性が更に向上し、拠って糸条自体の耐屈曲性、及び耐折畳み性が更に向上し、従って得られる産業用シート材の耐屈曲性、及び耐折畳み性を更に優れたものとなり、また引裂強度にも更に優れたものとなる。
本発明の産業用シート材において、布帛(織物)の表裏に形成される熱可塑性樹脂組成物による被覆層は、公知の熱可塑性樹脂およびエラストマーを主体とする組成物から形成されたものであり、熱可塑性樹脂およびエラストマーは例えば、軟質塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)、塩化ビニル系共重合体樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂(PE,PP)、オレフィン系共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系共重合体樹脂、スチレン系共重合体樹脂、ポリエステル系共重合体樹脂、フッ素含有共重合体樹脂などであり、これらにはウレタンゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、クロルスルホン化ポリエチレン、SBR、EPDM、EPMなどをゴム成分として含んでいてもよい。用いる熱可塑性樹脂およびエラストマーはペレットまたは粉体原料、溶剤に溶かした原料、エマルジョン原料の何れの形態であってもよい。これらの熱可塑性樹脂のうち、特に高周波溶着性を有する軟質塩化ビニル樹脂、塩化ビニル系共重合体樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂、ウレタン樹脂、及びフッ素含有共重合体樹脂などを高周波溶着性付与成分として被覆層に対し50質量%以上含有することが好ましい。本発明の産業用シート材の被覆層には、安定剤、フィラー、着色剤、顔料、光輝性顔料、難燃剤、防炎剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防黴剤、抗菌剤、帯電防止剤、架橋剤などの公知の添加剤を任意に用いることができる。
本発明の産業用シート材(ターポリン)を構成する表裏の被覆層は、熱可塑性樹脂組成物(特に好ましくは塩化ビニル樹脂/可塑剤など)を熱混練し、カレンダー法、またはTダイス押出法で溶融圧延した厚さが80〜800μm、特に150〜300μmフィルム(シート)が使用できる。また布帛(織物)に対する表裏の被覆層の形成は、熱ロール/ゴムロールの連続圧着ユニットを1〜2と、冷却ロールユニット、及び巻取ユニットを有するラミネーターを用いることによって1パスまたは2パスの工程により熱溶融圧着することができる。本発明のターポリン(産業用シート材)は、カレンダー成型して得たフィルムをラミネーターにより目開き基布の両面に熱圧着する製造方法が適し、厚さ0.4〜1.5mm、質量500〜2000g/mの範囲が、大型テント(パビリオン)、サーカステント、テント倉庫、建築空間の膜屋根(天井)、日除けテントなどの膜構造物を始め、建築養生シート、フレキシブルコンテナバッグなどの用途に適している。
本発明の産業用シート材(帆布)を構成する表裏の被覆層は、溶液状の熱可塑性樹脂組成物(特に好ましくは塩化ビニル樹脂/可塑剤などによるペースト)を布帛(織物)の表裏にナイフコート、クリアランスコート、グラビアコートなどのコーティング法により塗工し、これを熱乾燥、または加熱ゲル化によって、厚さ50〜300μm、特に80〜200μmに形成したもの、または溶液状の熱可塑性樹脂組成物(特に好ましくは塩化ビニル樹脂ペースト)を充填した液浴中に布帛(織物)を浸漬し、これを引き上げると同時に1対のゴムロール間で圧搾し、直後に熱乾燥、または加熱ゲル化させるディッピング法によって、厚さ50〜300μm、特に80〜200μmに形成したものである。本発明の帆布(産業用シート材)は、塩化ビニル樹脂/可塑剤などによるペーストによるディッピング法が適し、厚さ0.3〜0.8mm、質量400〜1000g/mの範囲が、トラック幌、トラック荷台シート、屋形テント、シートハウスなどの用途に適している。
本発明の産業用シート材(ターポリン、帆布)の表面の片面以上に、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル/シリコン系共重合体樹脂、フッ素系共重合体樹脂、アクリル系樹脂とフッ素系共重合体樹脂のブレンド、ウレタン/シリコン系グラフト共重合体樹脂、及びウレタン/フッ素系グラフト共重合体樹脂、などの塗膜からなる防汚層が形成されていてもよく、また、フッ素系樹脂層/アミノエチル化アクリル樹脂エポキシ硬化物接着層、フッ素系樹脂層/アクリル系樹脂接着層、フッ素系樹脂層/アクリル系樹脂層/アミノエチル化アクリル樹脂エポキシ硬化物接着層、及びフッ素系樹脂層/アクリル系樹脂層/塩化ビニル系樹脂接着層などのフッ素系樹脂フィルムが防汚層として積層されたものであってもよい。これらの防汚層を、大型テント(パビリオン)、サーカステント、テント倉庫、建築空間の膜屋根(天井)、などの膜構造物に適用することで屋外使用時の耐久性を飛躍的に向上させることができる。さらにこれらの防汚層の表面、もしくは産業用シート材(ターポリン、帆布)表面には、1次粒子径3nm〜150nmの無機コロイド物質を原料とするナノ粒子が、シランカップリング剤の加水分解縮合物を含むバインダー成分に担持されてなる帯電防止性防汚層が設けられていてもよい。無機コロイド物質は、光触媒性酸化チタンゾル、光触媒性酸化亜鉛ゾル、光触媒性酸化錫ゾル、酸化チタンゾル、酸化亜鉛ゾル、酸化錫ゾル、シリカゾル、酸化アルミニウムゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化セリウムゾル、及び複合酸化物(酸化亜鉛−五酸化アンチモン複合または酸化スズ−五酸化アンチモン複合)ゾルなどの金属酸化物である。
実施例
本発明を下記の実施例及び比較例を挙げて更に説明するが、本発明の態様はこれらの例の範囲に限定されるものではない。
耐折畳み性(チョークマーク試験)
20cm(タテ)×20cm(ヨコ)に切り出した正方形の試料をタテ半分、ヨコ半分
の四つ折りとした10cm(タテ)×10cm(ヨコ)の折り畳み物をガラス板に挟み、
5kgの重りを乗せ、25℃×10分間静置した後、折り畳み物を展開し、正方形中央
の折跡を観察し、チョークマーク痕の有無、及びチョークマーク痕の程度を評価した。
1:チョークマーク痕が無い
2:軽度のチョークマーク痕
3:著しいチョークマーク痕
シート材断面からの水の浸透抑止効果(初期)
20cm(タテ)×3cm(ヨコ)、及び3cm(タテ)×20cm(ヨコ)に切り出
した短冊形の試料の先端5mmを、3%赤インク水溶液浴中に72時間浸し、これを取
り出し乾燥した試料から熱可塑性樹脂被覆層を高周波溶着により剥離除去し、布帛(織
物)を露出させ、赤インクの最大吸い上げ部を測長し、吸い上げ10mm以内を浸透抑
止効果ありと判定した。熱可塑性樹脂被覆層の除去は、試料と同じシート材を高周波溶
着機で溶着し一体化させたものを強制的に分離することで実施可能である。
※赤インク:(株)パイロットコーポレーション インク赤350R
※(社)日本膜構造協会試験法標準「膜材料の品質及び性能試験方法」(MSAJ/M
-3-2003)13項「耐吸水性A法」準拠
※三軸織物を布帛に用いたシートの場合は、タテ方向、左上及び右上バイアス方向に試
料採取、四軸織物を布帛に用いたシートの場合は、タテ方向及びヨコ方向の2方向の試
料採取
シート材断面からの水の浸透抑止効果(手揉み屈曲ダメージ後)
20cm(タテ)×20cm(ヨコ)に切り出したシート材の中央部を強く擦り付ける
ようにタテ方向及びヨコ方向に各50回手揉みし、次いでシート材のタテとヨコの方向
を持ち換えて、さらに50回手揉みを加え、合計100回の揉み扱きダメージを負荷し
た。
この手揉み試験片の中央部を端部とする10cm(タテ)×3cm(ヨコ)、及び3c
m(タテ)×10cm(ヨコ)に切り出した短冊形の試料の先端5mmを、3%赤イン
ク水溶液浴中に72時間浸し、これを取り出し乾燥した試料から熱可塑性樹脂被覆層を
高周波溶着により剥離除去し、布帛(織物)を露出させ、赤インクの最大吸い上げ部を
測長し、吸い上げ10mm以内を浸透抑止効果ありと判定した。熱可塑性樹脂被覆層の
除去、赤インク、試験方法は上述の通りである。
※三軸織物を布帛に用いたシートの場合は手揉み後、タテ方向、左上及び右上バイアス
方向に試料採取、四軸織物を布帛に用いたシートの場合は手揉み後、タテ方向及びヨコ
方向の2方向の試料採取
シート材断面からの水の浸透抑止効果(機械式屈曲ダメージ後)
12cm(タテ)×2.5cm(ヨコ)、及び2.5cm(タテ)×12cm(ヨコ
に切り出したシート材をスコット耐揉み摩擦試験機(株式会社東洋精機製作所製)に装
着し、JIS L1096摩耗強さB法(スコット形法)に準拠し、押圧1.0kgf
×1000回の揉み屈曲のダメージを負荷した。
この試験片を3%赤インク水溶液浴中に72時間浸し、これを取り出し乾燥した試料か
ら熱可塑性樹脂被覆層を高周波溶着により剥離除去し、布帛(織物)を露出させ、赤イン
クの最大吸い上げ部を測長し、吸い上げ10mm以内を浸透抑止効果ありと判定した。
熱可塑性樹脂被覆層の除去、赤インク、試験方法は上述の通りである。
※三軸織物を布帛に用いたシートの場合は機械揉み屈曲後、タテ方向、左上及び右上バ
イアス方向に試料採取、四軸織物を布帛に用いたシートの場合は機械揉み屈曲後、タテ
方向及びヨコ方向の2方向の試料採取
[実施例1]
〈布帛(1)〉
1000デニール(1111dtex)のポリエステル繊維(フィラメント数192本)からなり、S撚50T/mを施したPETマルチフィラメント糸条を経糸群及び緯糸群に用い、経糸群は1インチ間16本の織組織とし、また緯糸群は1インチ間16本の織組織とする平織物を布帛(1)に用いた。この布帛(1)の質量は150g/m、空隙率(目抜け部総和)は14%であった。この布帛(1)を、下記〔配合1〕の溶液組成物(1)を充填した液浴中に浸漬し、布帛(1)全体に溶液組成物(1)を含浸させ、織物の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも溶液組成物(1)を隅々含浸させた。この含浸布帛(1)を引き上げると同時に1対のゴムロール間で圧搾(ピックアップ率65%)し、直後電気炉内120℃の熱風乾燥を行い、織物の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に潤滑補助物質が介在し、付帯してなる質量152.4g/mの布帛(1A)を得た。配合及びピックアップ率から算出した潤滑補助物質の介在、付帯量は1.3g/m、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂の付着量は1.17g/mであった。
〔配合1〕溶液組成物(1)
TEMPO酸化セルロースナノファイバー(2質量%水溶液) 100質量部
※セルロース分子中の1級水酸基(6位)のみをカルボキシ基に変換:
繊維幅約3〜10nm:繊維長約30〜100μm:COOH基量1.3〜1.6mmol/g
パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂エマルジョン(固形分18質量%の撥水剤)
10質量部
※Cパーフルオロアルキル基を有するアクリレートと塩化ビニリデンとの共重合体
樹脂
<産業用シート材(1):ターポリン>
布帛(1A)を基材として、その両面に下記〔配合2〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを表裏の被覆層として、ラミネーターでの熱圧着による溶融ラミネートを施し「被覆層/布帛(1A)/被覆層」断面構造の、厚さ0.7mm、質量830g/mの産業用シート材(1)のターポリンを得た。産業用シート材(1)が含む布帛(1A)は、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に酸化ナノセルロースナノファイバーが1.3g/m介在、付帯し、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂1.17g/mと共存するものである。
〔配合2〕:軟質塩化ビニル樹脂組成物(コンパウンド)
塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス(2−エチルヘキシル)(可塑剤)
55質量部
リン酸トリクレジル(防炎可塑剤) 10質量部
エポキシ化大豆油(安定剤兼可塑剤) 5質量部
バリウム/亜鉛複合安定剤 2質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ルチル型酸化チタン(白顔料) 5質量部
ベンゾトリアゾール骨格化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
[実施例2]
〈布帛(2)〉
経糸として20番手双糸のポリエステル短繊維紡績糸条(約5cm長のPETステープルファイバー:S撚り300T/m)2本引揃単位を、27単位/インチの打込密度、及び緯糸として10番手単糸のポリエステル短繊維紡績糸条(約5cm長のPETステープルファイバー:S撚り400T/m)2本引揃単位を、23単位/インチの打込密度で平織製織した空隙率が外観上0、質量240g/m、の織物を布帛(2)に用いた。この布帛(2)を、〔配合1〕の溶液組成物(1)を充填した液浴中に浸漬し、布帛(2)全体に溶液組成物(1)を含浸させ、織物の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも溶液組成物(1)を隅々含浸させた。この含浸布帛(2)を引き上げると同時に1対のゴムロール間で圧搾(ピックアップ率77%)し、直後電気炉内120℃の熱風乾燥を行い、織物の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に潤滑補助物質が介在し、付帯してなる質量243g/mの布帛(2A)を得た。配合及びピックアップ率から算出した潤滑補助物質の介在、付帯量は1.54g/m、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂の付着量は1.38g/mであった。
<産業用シート材(2):帆布>
布帛(2A)を基材として、その両面に下記〔配合3〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる被覆層をディッピング法で形成し「被覆層/布帛(2A)/被覆層」断面構造の、厚さ0.47mm、質量580g/mの産業用シート材(2)の帆布を得た。産業用シート材(2)が含む布帛(2A)は、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に酸化ナノセルロースナノファイバーが1.54g/m介在、付帯し、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂1.38g/mと共存するものである。
〈配合3〉軟質塩化ビニル樹脂組成物(ペースト)
ペースト塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス(2−エチルヘキシル)(可塑剤)
60質量部
塩素化パラフィン(防炎剤兼可塑剤) 5質量部
エポキシ化大豆油 4質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 20質量部
錫系安定剤 2質量部
紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系) 0.5質量部
酸化チタン(白顔料) 5質量部
希釈溶剤(トリクロロエチレン) 20質量部
※デッピィング:布帛(2)を〔配合3〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物(ペースト)が充填された液浴中にディッピング(浸漬)し、布帛(2)に〔配合3〕の加工液を常圧で含浸させた後、布帛(2)を液浴から引き上げると同時に、ゴム製マングルロールで圧搾し、余分な加工液を除去した後、180℃の熱風炉で3分間ゲル化処理を行うことで被覆層を布帛(2)の全体に含浸被覆形成し、質量580g/mの帆布を得た
[実施例3]
実施例2の布帛(2)を布帛(3)に変更した以外は実施例2と同様とした。
〈布帛(3)〉
経糸条にポリエステル(PET)短繊維紡績糸40番手の双糸(S撚り250T/m)を配置し、緯糸条に20番手のポリエステル(PET)芯鞘紡績糸条を配置し、経糸条打込密度が76本/インチ、緯糸条打込密度が70本/インチの平織物(空隙率が外観上0、質量195g/m)を布帛(3)に用いた。ポリエステル芯鞘紡績糸条の芯部分は無撚ステープル束で構成され、鞘部分は捲回ステープル束でS方向に螺旋状に被覆されたものである。この布帛(3)を、〔配合1〕の溶液組成物(1)を充填した液浴中に浸漬し、布帛(3)全体に溶液組成物(1)を含浸させ、織物の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも溶液組成物(1)を隅々含浸させた。この含浸布帛(3)を引き上げると同時に1対のゴムロール間で圧搾(ピックアップ率70%)し、直後電気炉内120℃の熱風乾燥を行い、織物の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に潤滑補助物質が介在し、付帯してなる質量198g/mの布帛(3A)を得た。配合及びピックアップ率から算出した潤滑補助物質の介在、付帯量は1.4g/m、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂の付着量は1.26g/mであった。
<産業用シート材(3):帆布>
布帛(3A)を基材として、その両面に〔配合3〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる被覆層をディッピング法で形成し「被覆層/布帛(3A)/被覆層」断面構造の、厚さ0.44mm、質量525g/mの産業用シート材(3)の帆布を得た。産業用シート材(3)が含む布帛(3A)は、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に酸化ナノセルロースナノファイバーが1.4g/m介在、付帯し、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂1.26g/mと共存するものである。
[実施例4]
実施例1の産業用シート材(1)のターポリンにおいて、用いる布帛(1)の処理に用いた〔配合1〕の溶液組成物(1)を、〔配合4〕の溶液組成物(2)に変更した以外は実施例1と同様にして、質量152.7g/mの布帛(1B)を得た。配合及びピックアップ率(72%)から算出した潤滑補助物質の介在、付帯量は1.44g/m、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂の付着量は1.3g/mであった。
〔配合4〕溶液組成物(2)
カルボキシメチル化セルロースナノファイバー(2質量%水溶液) 100質量部
※セルロースの1級、2級水酸基(2,3,6位)をカルボキシメチル化:
繊維幅約3nm〜300nm:繊維長約30〜100μm
パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂エマルジョン(固形分18質量%の撥水剤)
10質量部
※Cパーフルオロアルキル基を有するアクリレートと塩化ビニリデンとの共重合体
樹脂
合成スメクタイト 0.05質量部
※シリカ/アルミが2:1の比率で、シリカ四面体(四配位)とアルミ八面体(六配位)
が交互に層状となる構造
布帛(1B)を基材として、その両面に〔配合2〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを表裏の被覆層として、ラミネーターでの熱圧着による溶融ラミネートを施し「被覆層/布帛(1B)/被覆層」断面構造の、厚さ0.7mm、質量830g/mの産業用シート材(4)のターポリンを得た。産業用シート材(4)が含む布帛(1B)は、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にカルボキシメチル化ナノセルロースナノファイバーが1.44g/m介在、付帯し、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂1.3g/m、及び合成スメクタイト0.036g/mと共存するものである。
[実施例5]
実施例1の産業用シート材(1)のターポリンにおいて、用いる布帛(1)の処理に用いた〔配合1〕の溶液組成物(1)を、〔配合5〕の溶液組成物(3)に変更した以外は実施例1と同様にして、質量152.6g/mの布帛(1C)を得た。配合及びピックアップ率(70%)から算出した潤滑補助物質の介在、付帯量は1.4g/m、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂の付着量は1.26g/mであった。
〔配合5〕溶液組成物(3)
アミノシラン変性セルロースナノクリスタル(2質量%水溶液) 100質量部
※平均アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)50以下、
平均繊維径10nm〜50nm、平均繊維長300nm〜500nmの短繊維
パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂エマルジョン(固形分18質量%の撥水剤)
10質量部
※Cパーフルオロアルキル基を有するアクリレートと塩化ビニリデンとの共重合体
樹脂
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量部
布帛(1C)を基材として、その両面に〔配合2〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを表裏の被覆層として、ラミネーターでの熱圧着による溶融ラミネートを施し「被覆層/布帛(1C)/被覆層」断面構造の、厚さ0.7mm、質量830g/mの産業用シート材(5)のターポリンを得た。産業用シート材(5)が含む布帛(1C)は、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にアミノシラン変性セルロースナノクリスタルが1.4g/m介在、付帯し、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂1.26g/m、及び吸水性ポリマー0.035g/mと共存するものである。
[実施例6]
実施例2の産業用シート材(2)の帆布において、用いる布帛(2)の処理に用いた〔配合1〕の溶液組成物(1)を、〔配合4〕の溶液組成物(2)に変更した以外は実施例2と同様にして、質量243.2g/mの布帛(2B)を得た。配合及びピックアップ率(84%)から算出した潤滑補助物質の介在、付帯量は1.68g/m、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂の付着量は1.5g/mであった。布帛(2B)を基材として、その両面に〔配合3〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる被覆層をディッピング法で形成し「被覆層/布帛(2B)/被覆層」断面構造の、厚さ0.47mm、質量580g/mの産業用シート材(6)の帆布を得た。産業用シート材(6)が含む布帛(2B)は、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にカルボキシメチル化ナノセルロースナノファイバーが1.68g/m介在、付帯し、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂1.5g/m、及び合成スメクタイト0.042g/mと共存するものである。
[実施例7]
実施例2の産業用シート材(2)の帆布において、用いる布帛(2)の処理に用いた〔配合1〕の溶液組成物(1)を、〔配合5〕の溶液組成物(3)に変更した以外は実施例2と同様にして、質量243.3g/mの布帛(2C)を得た。配合及びピックアップ率(86%)から算出した潤滑補助物質の介在、付帯量は1.72g/m、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂の付着量は1.55g/mであった。布帛(2C)を基材として、その両面に〔配合3〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる被覆層をディッピング法で形成し「被覆層/布帛(2C)/被覆層」断面構造の、厚さ0.47mm、質量580g/mの産業用シート材(7)の帆布を得た。産業用シート材(7)が含む布帛(2C)は、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にアミノシラン変性セルロースナノクリスタルが1.72g/m介在、付帯し、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂1.55g/m、及び合成スメクタイト0.043g/mと共存するものである。
[実施例8]
実施例1の産業用シート材(1)のターポリンにおいて、用いる布帛(1)を、布帛(4)の三軸織物に変更した以外は実施例1と同様にして、質量182.6g/mの〔配合1〕処理布帛(4A)を得た。(ピックアップ率69%)
〈布帛(4)〉
1000デニール(1111dtex)のポリエステル繊維(フィラメント数192本)からなり、S撚50T/mを施したマルチフィラメント糸条を経糸群及び左上/右上バイアス糸群に用い、経糸群は1インチ間13本の織組織とし、また左上/右上バイアス糸群は各々1インチ間13本の織組織とする三軸平織物を布帛(4)に用いた。この布帛(4)の質量は180g/m、空隙率(目抜け部総和)は11%であった。
布帛(4A)を基材として、その両面に〔配合2〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを表裏の被覆層として、ラミネーターでの熱圧着による溶融ラミネートを施し「被覆層/布帛(4A)/被覆層」断面構造の、厚さ0.7mm、質量860g/mの産業用シート材(8)のターポリンを得た。産業用シート材(8)が含む布帛(4A)は、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に酸化ナノセルロースナノファイバーが1.38g/m介在、付帯し、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂1.24g/mと共存するものである。
[実施例9]
実施例1の産業用シート材(1)のターポリンにおいて、用いる布帛(1)を、布帛(5)の四軸織物に変更した以外は実施例1と同様にして、質量205g/mの〔配合1〕処理布帛(5A)を得た。(ピックアップ率78%)
〈布帛(5)〉
750デニール(833dtex)のポリエステル繊維(フィラメント数145本)からなり、S撚50T/mを施したマルチフィラメント糸条を経糸群、緯糸群及び左上/右上バイアス糸群に用い、経糸群及び緯糸群は1インチ間14本の織組織とし、また左上/右上バイアス糸群は各々1インチ間14本の織組織とする四軸平織物を布帛(5)に用いた。この布帛(5)の質量は202g/m、空隙率(目抜け部総和)は9%であった。
布帛(5A)を基材として、その両面に〔配合2〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを表裏の被覆層として、ラミネーターでの熱圧着による溶融ラミネートを施し「被覆層/布帛(5A)/被覆層」断面構造の、厚さ0.66mm、質量912g/mの産業用シート材(9)のターポリンを得た。産業用シート材(9)が含む布帛(5A)は、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に酸化ナノセルロースナノファイバーが1.56g/m介在、付帯し、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂1.4g/mと共存するものである。
[実施例10]
実施例1の産業用シート材(1)のターポリンにおいて、用いる布帛(1)を、布帛(6)の織物に変更した以外は実施例1と同様にして、質量167.4g/mの〔配合1〕処理布帛(6A)を得た。(ピックアップ率63%)
〈布帛(6)〉
1000デニール(1111dtex)のポリエステル繊維(フィラメント数192本)からなり、S撚50T/mを施したマルチフィラメント糸条を経糸群、及び緯糸群に用い、経糸群及び緯糸群は1インチ間16本の織組織とし、但し経糸群及び緯糸群の糸条配列1,2,3,4,5・・・n(nは整数)において、10の倍数(10,20,30・・・)本目毎に、4,6−ジアミノレゾルシノールとテレフタル酸との重縮合物から乾式紡糸されたポリベンゾオキサゾールの延伸マルチフィラメント糸条(1100dtex:フィラメント本数664、S撚50T/m)が格子状に置換挿入し、ポリベンゾオキサゾール(PBO)の延伸マルチフィラメント糸条の糸本数による含有率を10%本とするリップストップ織物を布帛(6)に用いた。この布帛(6)の質量は165g/m、空隙率(目抜け部総和)は14%であった。
布帛(6A)を基材として、その両面に〔配合2〕の軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを表裏の被覆層として、ラミネーターでの熱圧着による溶融ラミネートを施し「被覆層/布帛(6A)/被覆層」断面構造の、厚さ0.70mm、質量845g/mの産業用シート材(10)のターポリンを得た。産業用シート材(10)が含む布帛(6A)は、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に酸化ナノセルロースナノファイバーが1.26g/m介在、付帯し、パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂1.13g/mと共存するものである。
[実施例11〜20]
実施例1〜10の産業用シート材(1)〜(10)の両面に下記〔配合6〕のアクリル系樹脂塗料を100メッシュのグラビアロールにより塗工し、120℃の熱風炉で2分間加熱乾燥し、アクリル系樹脂塗膜層(5g/m/片面)を表裏に形成し中間体a(1〜10)とした。
〔配合6〕アクリル系樹脂塗料
メタアクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アルキルエステル共重合体
100質量部
メチルエチルケトン(MEK希釈剤) 250質量部
トルエン(希釈剤) 250質量部
次にこの中間体a(1〜10)の片表面に下記〔配合7〕のアミノエチル化アクリル樹脂エポキシ組成物の溶液を100メッシュのグラビアロールにより塗工し、120℃の熱風炉で2分間加熱乾燥し、アクリル系樹脂塗膜層(5g/m/片面)を表面側に半硬化の状態で付帯する中間体b(1〜10)を得た。
〔配合7〕アミノエチル化アクリル樹脂エポキシ組成物
メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸共重合
物のカルボキシル基にポリエチレンイミンをグラフトし、
側鎖が、−COO(CHCHNH)Hの化学式で示されるアミン価(固形分1g
に含むアミンmmol数)0.7〜1.3mmol/gの一級アミノ基含有アクリル系樹脂
100質量部
エポキシ樹脂(エポキシ当量260g/eqのビスフェノールA骨格含有3官能
エポキシ樹脂) 20質量部
メチルエチルケトン(MEK希釈剤) 150質量部
トルエン(希釈剤) 150質量部
次に、この中間体b(1〜10)のアミノエチル化アクリル樹脂エポキシ半硬化物層面側に、厚さ25μm、53g/mのポリビニリデンフルオライド(PVdF)フィルムのコロナ処理面側を対向し、150℃の熱ロール条件でラミネーターを通過させ、熱圧着してフッ素系樹脂フィルムを積層し、これを防汚層とした。各々実施例1〜10の産業用シート材を基材に、フッ素系樹脂フィルムを防汚層とする産業用シート材(11)〜(20)を得た。
Figure 2021049754
Figure 2021049754
Figure 2021049754
本発明において、変性セルロースナノファイバーなどの潤滑補助物質とパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂を混用し、特に潤滑補助物質/パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂が織物の糸条間及び糸条交点に介在する効果、また同時に糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも潤滑補助物質/パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂が付帯する効果によって、得られた産業用シート材(1)〜(3)、(8)〜(10)、すなわち実施例1〜3、8〜10は、何れも耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、またシート材断面からの水の浸透抑止効果(初期)は、72時間の赤インク吸い上げ試験が何れも2〜3mmの軽微な吸い上げ長と、高度の浸透抑止効果を発現し、この水の浸透抑止効果は、手揉み屈曲負荷後、及び機械揉み屈曲負荷後においても高レベルで維持され、インクの吸い上げ長は3〜6mmの軽微な領域に留まった。また本発明において特に変性セルロースナノファイバー、変性セルロースナノクリスタルなどの潤滑補助物質とパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂、及び合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーを混用し、特に潤滑補助物質/パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂/合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーが織物の糸条間及び糸条交点に介在する効果、また同時に糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも潤滑補助物質/パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂/合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーが付帯する効果によって、得られた産業用シート材(4)〜(7)、すなわち実施例4〜7は、何れも耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、またシート材断面からの水の浸透抑止効果(初期)は、72時間の赤インク吸い上げ試験が何れも1〜2mmの軽微な吸い上げ長と、高度の浸透抑止効果を発現し、この水の浸透抑止効果は、手揉み屈曲負荷後、及び機械揉み屈曲負荷後においても高レベルで維持され、インクの吸い上げ長は1〜3mmの軽微な領域に留まった。この実施例4〜7の産業用シート材が実施例1〜3、8〜10の産業用シート材よりも高性能に水の浸透抑止効果を発現した理由は、合成スメクタイト、及び吸水性ポリマーの混用による効果であり、合成スメクタイト、吸水性ポリマーが水と接触することで膨潤し寒天状にゲル化する作用によるもので、産業用シート材の断面から侵入した水を入口で膨潤ゲル化させることで、それ以上の水の浸透を食い止める封止効果が発現されたことによる。またさらに、手揉み屈曲負荷後、及び機械揉み屈曲負荷後の屈曲負荷後の好成績の水の浸透抑止性は、トラック幌、トラック荷台シート、シート倉庫など、シートが風ではためく屈曲のストレスを長期間受けるケース、あるいは屋形テント、サーカステントなど、設営と解体を繰り返す用途で、シートが折り畳みのストレスを蓄積するようなケースにおいても、雨水の浸透抑止効果が長期間担保されることが明白なので、従って黴や藻の胞子を含む雨水が産業シート材内部深くまで浸透することは稀となり、今まで産業シート材を長く使うことで悩まされたシート材内部に発生する黴などの問題が軽減されるというメリットをもたらすものである。
実施例8のターポリン(8)は布帛(4)の三軸織物(経糸/左上バイアス糸/右上バイアス糸)を用いたことで、経方向(バイアス糸に対する外力)及び緯方向(経糸とバイアス糸に対する外力)の引裂強度(JIS L1096:8.17.1シングルタング法)が、実施例1のターポリン(1)の経方向(緯糸に対する外力)及び緯方向(経糸に対する外力)の引裂強度(同上)に比較して25〜65%増大する優れた耐引き裂効果が認められた。また実施例9のターポリン(9)は布帛(5)の四軸織物(経糸/緯糸/左上バイアス糸/右上バイアス糸)を用いたことで、経方向(緯糸とバイアス糸に対する外力)及び緯方向(経糸とバイアス糸に対する外力)の引裂強度(同上)が、実施例1のターポリン(1)の経方向及び緯方向の引裂強度(同上)に比較して35〜65%増大する優れた耐引き裂効果が認められた。また実施例10のターポリン(10)は、実施例1のターポリン(1)に用いたポリエステル布帛(1)を、ポリベンゾオキサゾール繊維糸条を格子状に含む布帛(6)に変更したことで、ターポリン(1)よりも経緯の引裂強度(同上)が110〜120N程度向上するという優れた耐引き裂効果が確認された。ポリベンゾオキサゾール糸条の糸本数(打ち込み密度)対する含有率は10%である。また実施例1の産業用シート材(1)の引裂強度(同上)について、布帛(1)への処理溶液組成物(1)〔配合1〕からパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂エマルジョン(固形分18質量%の撥水剤)10質量部を省略した態様で得た実施例21のシート材の引裂強度(同上)は、経方向及び緯方向とも実施例1のシート材よりも5〜12%の低下が認められた。また実施例21のシート材断面からの水の浸透抑止効果(初期/手揉み屈曲ダメージ後/機械式屈曲ダメージ後)は、各々実施例1のシート材の性能よりも概ね2〜4mm増しの吸い上げ長であったが、吸い上げ長は全て10mm以下で実用性に問題を生じないレベルである。
また実施例1〜10の産業用シート材を基材に、フッ素系樹脂フィルムを防汚層として付帯させた産業用シート材(11)〜(20)、及び産業用シート材(1)〜(10)をキャンバスとして、市販の油性ペン(赤)で文字を描き、室温60秒乾燥後にDRYティッシュペーパー拭取除去(擦り取り往復10回)を行い、これらシート材の防汚性評価を評価した。この結果、明らかにフッ素系樹脂フィルムを付帯する産業用シート材(11)〜(20)の赤インク文字の除去性に優れていたのに対し、フッ素系樹脂フィルムを付帯しない産業用シート材(1)〜(10)では赤インク文字が産業用シート材に浸透し、しかも擦った部分にインクが延び広がって汚れた状態となった。また産業用シート材(1)〜(20)の断片を6−8月の3ケ月間屋外曝露し、WETティッシュペーパー拭取除去性(擦り取り往復10回)を評価した結果、明らかにフッ素系樹脂フィルムを付帯する産業用シート材(11)〜(20)では付着煤塵の除去性に優れ、初期の外観を回復したのに対し、フッ素系樹脂フィルムを付帯しない産業用シート材(1)〜(10)では、産業用シート材の表面に移行した可塑剤に付着煤塵がこびり付き、初期の外観が回復できない状態であった。従って、大型テント(パビリオン)、サーカステント、テント倉庫、建築空間の膜屋根(天井)などの膜構造物などの屋外恒久用途には、実施例11〜20の産業用シート材の態様が好ましい。
[比較例1]
実施例1の産業用シート材(1)の設計から、布帛(1)への〔配合1〕による溶液組成物(1)の処理を省略した以外は実施例1と同様として、厚さ0.7mm、質量827.6g/mの産業用シート材(ターポリン)を得た。この産業用シート材が含む布帛(1)は実施例1とは異なり、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点にも、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも酸化ナノセルロースナノファイバー(潤滑補助物質)は介在せず、またパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂も存在するものではない。従って、このシート材の耐折畳み性(チョークマーク試験)は、特に織物(布帛)の糸条間及び糸条交点にナノセルロースナノファイバーが介在しないことでチョークマーク痕が著しく、また糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも酸化ナノセルロースナノファイバー(潤滑補助物質)が存在していないことで、シート材断面からの水の浸透抑止効果(初期/手揉み屈曲ダメージ後/機械式屈曲ダメージ後)は、各々実施例1〜10のどのシート材の性能よりも大きく劣り、25〜74mmの吸い上げ長を示した。比較例1のシート材では水の浸透抑止効果が全く認められないため、屋外使用でシート材内部に黴発生の問題を生じるレベルと判断した。
[比較例2]
実施例1の産業用シート材(1)の設計において、布帛(1)への〔配合1〕を下記〔配合8〕に変更した以外は実施例1と同様として、厚さ0.7mm、質量828.7g/mの産業用シート材(ターポリン)を得た。この産業用シート材が含む布帛は実施例1とは異なり、織物(布帛)の糸条間及び糸条交点と、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に酸化ナノセルロースナノファイバー(潤滑補助物質)は介在していない。このシート材の耐折畳み性(チョークマーク試験)は、特に織物(布帛)の糸条間及び糸条交点に酸化ナノセルロースナノファイバー(潤滑補助物質)が介在しないことでチョークマーク痕が認められた。一方、シート材断面からの水の浸透抑止効果(初期/手揉み屈曲ダメージ後/機械式屈曲ダメージ後)は、初期的には10mm以下の基準内の水の吸い上げ長さを示したが、手揉み屈曲ダメージ後/機械式屈曲ダメージ後のシート材では、糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)にも酸化ナノセルロースナノファイバー(潤滑補助物質)が存在していないため、各々実施例1〜10のどのシート材の性能よりも劣る17〜22mmの基準値を外れる吸い上げ長を示した。比較例2のシート材では水の浸透抑止効果が不十分であるため、屋外使用でシート材内部に侵入する黴の問題を生じかねないレベルと判断される。
〔配合8〕溶液組成物(4)
パーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂エマルジョン(固形分18質量%の撥水剤)
10質量部
※Cパーフルオロアルキル基を有するアクリレートと塩化ビニリデンとの共重合体
樹脂
希釈水 100質量部
Figure 2021049754
本発明により、耐屈曲性、及び耐折畳み性に優れて白化痕を生じ難く、また膜構造物の接合部断面などからの水の浸透抑止効果(吸水防止性)の持続性に優れた産業用シート材の提供が可能となった。この課題解決によって、ターポリンや帆布などの産業用シート材の品質(黴対策)及び性能が向上するので、従ってこれら産業用シート材を用いた大型テント(パビリオン)、サーカステント、テント倉庫、建築空間の膜屋根(天井)、日除けテントなどの膜構造物、建築養生シート、フレキシブルコンテナバッグ、トラック幌、トラック荷台シート、屋形テント、シートハウスなどの用途物件においても耐久性及び性能(黴対策)の向上が期待できるものとなる
1:産業用シート材
2:被覆層
3:布帛(織物)
3−1:経糸条
3−2:緯糸条
3−3:フィラメント
4:潤滑補助物質

Claims (11)

  1. 布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層が設けられた可撓性積層体による産業用シート材であって、前記布帛が、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上の糸条を含む織物であって、かつ、少なくともこの織物の糸条間及び糸条交点に、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質が介在していることを特徴とする産業用シート材。
  2. 1)前記変性セルロースナノファイバー、及び2)前記変性セルロースナノクリスタルが共に、カルボキシメチル化、酸化変性、エステル化(ホウ酸エステル化、リン酸エステル化、ケイ酸エステル化、から選ばれた1種以上)、イソシアネート化、シランカップリング剤処理(アミノシラン変性、ビニルシラン変性、エポキシシラン変性、メタクリルシラン変性、アクリルシラン変性、クロルシラン変性、メルカプトシラン変性、イソシアヌレートシラン変性、イソシアネートシラン変性、から選ばれた1種以上)、から選ばれた1種以上の変性がなされたセルロース物質である請求項1に記載の産業用シート材。
  3. 前記糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に、前記潤滑補助物質を付帯する請求項1または2に記載の産業用シート材。
  4. 前記潤滑補助物質がパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂と混用される請求項1〜3の何れか1項に記載の産業用シート材。
  5. 前記潤滑補助物質がパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂及び合成スメクタイトまたは吸水性ポリマーと混用される請求項1〜3の何れか1項に記載の産業用シート材。
  6. 前記織物が、1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物、の何れかである請求項1〜5の何れかに記載の産業用シート材。
  7. 前記織物が、ポリベンゾイミダゾール系、ポリベンゾオキサゾール系、ポリベンゾチアゾール系、及びこれらの共重合高分子(ベンゾイミダゾール−ベンゾオキサゾール共重合系、ベンゾイミダゾール−ベンゾチアゾール共重合系、ベンゾオキサゾール−ベンゾチアゾール共重合系、ベンゾイミダゾール−ベンゾオキサゾール−ベンゾチアゾール共重合系、芳香族ポリアミド成分を含む上記共重合系)、の群から選ばれた1種以上の芳香族複素環高分子繊維からなる糸条を含んでいる請求項1〜6の何れか1項に記載の産業用シート材。
  8. セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質、及びパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂、を混用して含む液状組成物を用い、a)布帛に塗布、乾燥させる工程、またはb)布帛を前記液状組成物中に浸漬、引上げて乾燥させる工程、の何れかの工程、及びこの工程により得られた下処理布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層を設ける工程、を含み、少なくともこの下処理布帛の糸条間及び糸条交点に、前記潤滑補助物質を介在させることを特徴とする産業用シート材の製造方法。
  9. 前記布帛が、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上の糸条を含む織物で、1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物、の何れかで、しかも前記糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に、前記潤滑補助物質を付帯させる請求項8に記載の産業用シート材の製造方法。
  10. セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、及び変性セルロースナノクリスタル、から選ばれた1種以上の潤滑補助物質、及びパーフルオロアルキル基含有共重合体樹脂、を混用して含む液状組成物を用い、a)糸条に塗布、乾燥させる工程、またはb)糸条を前記液状組成物中に浸漬、引上げて乾燥させる工程、の何れかの工程、により得られた下処理糸条を、1)経糸及び緯糸とする織物、または2)経糸及び左上/右上バイアス糸とする三軸織物、または3)経糸、緯糸及び左上/右上バイアス糸とする四軸織物、の何れかの布帛とする工程、この布帛の表裏に熱可塑性樹脂組成物による被覆層を設ける工程、を含み、少なくともこの布帛の糸条間及び糸条交点に、前記潤滑補助物質を介在させることを特徴とする産業用シート材の製造方法。
  11. 前記糸条が、マルチフィラメント糸条、短繊維紡績糸条、及びカバリング糸条、から選ばれた1種以上で、しかも前記糸条の表面及び内部(フィラメント同士の隙間)に、前記潤滑補助物質を付帯させる請求項10に記載の産業用シート材の製造方法。
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