JP5712402B2 - ターポリン及びその熱融着接合体 - Google Patents
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Description
エステル及びメタアクリル酸 エステルなどのエステル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含有α,β−不飽和モノマーなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
本発明を下記の実施例及び比較例を挙げて更に説明するが、本発明はこれらの例の範囲に限定されるものではない。
接合体の評価方法
〈経糸方向耐熱クリープ性〉
2枚のターポリンのヨコ方向(緯糸方向)の端部同士を4cm幅で直線状に平行に重ね合わせ、4cm幅×30cm長のウエルドバー(平刃)を装着した高周波ウエルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−7000型:出力7KW)を用い、陽極電流1.0Aでターポリンの高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。これより融着接合部を重ね合わせ幅4cmをタテ方向に含む、3cm幅×30cm長の試験片を18片採取し、うち9片を耐熱クリープ試験片とし、クリープ試験機(東洋精機製作所(株)製:100LDR型)を使用して50℃×20kgf荷重(条件1)、55℃×20kgf荷重(条件2)、60℃×20kgf荷重(条件3)の3条件で経糸方向の耐熱クリープ性を24時間評価した。残り9片は試験片の上下方向を反転した状態でクリープ試験機に装着し、試験片に対する荷重方向を転じての耐熱クリープ性を同様の条件で24時間評価した。試験片反転より得られる結果が同じ傾向であれば、ターポリンの上下方向が必ずしも製品の上下方向と一致しなくとも安定した耐熱クリープ性が得られ、一方の結果が劣る傾向の場合は製品の信頼性に不安がある。
〈緯糸方向耐熱クリープ性〉
2枚のターポリンのタテ方向(経糸方向)の端部同士を4cm幅で直線状に平行に重ね合わせ、4cm幅×30cm長のウエルドバー(平刃)を装着した高周波ウエルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−7000型:出力7KW)を用い、陽極電流1.0Aでターポリンの高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。これより融着接合部を重ね合わせ幅4cmをヨコ方向に含む、3cm幅×30cm長の試験片を18片採取し、うち9片を耐熱クリープ試験片とし、クリープ試験機(東洋精機製作所(株)製:100LDR型)を使用して50℃×20kgf荷重(条件1)、55℃×20kgf荷重(条件2)、60℃×20kgf荷重(条件3)の3条件で緯糸方向の耐熱クリープ性を24時間評価した。残り9片は試験片の上下方向を反転した状態でクリープ試験機に装着し、試験片に対する荷重方向を転じての耐熱クリープ性を同様の条件で24時間評価した。試験片反転より得られる結果が同じ傾向であれば、ターポリンの左右方向が必ずしも製品の上下方向と一致しなくとも安定した耐熱クリープ性が得られ、一方の結果が劣る傾向の場合は製品の信頼性に不安がある。
評価の基準
1 :24時間経過後、接合部に異変や異常なく良好。
2 :24時間未満で接合部が破壊し、試験片が分断した。
〈破壊した時間を記録〉
3 :1時間以内に接合部が破壊し、試験片が分断した。
〈破壊した時間を記録〉
破壊状態の判断 : 接合部糸抜け破壊(糸の断裂なし),
本体破壊等(糸の断裂あり)
遮熱性の評価方法
上記接合体片を埼玉県内で7月の晴天日、屋外30℃の雰囲気下で静置し、30分後に接合体片の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)を放射温度計により測定した。
1000デニール(1111dtex)、ポリエステル繊維(フィラメント数192本)からなり、フィラメント同士が交絡した状態で、S撚100T/mを施したS撚糸条、及び1000デニール(1111dtex)、ポリエステル繊維(フィラメント数192本)からなり、フィラメント同士が交絡した状態で、Z撚100T/mを施したZ撚糸条の2種類を経糸群及び緯糸群に用い、経糸群はS撚糸条とZ撚糸条の交互配置(S撚糸条とZ撚糸条との本数比率1:1)による1インチ間22本の織組織とし、また緯糸群もS撚糸条とZ撚糸条の交互配置(S撚糸条とZ撚糸条との本数比率1:1)による1インチ間24本の織組織として製織した平織物を繊維性基布とした。この繊維性基布の質量は195g/m2、空隙率(目抜け)は16.6%であった。この繊維性基布の両面上に、下記配合1の軟質塩化ビニル樹脂組成物による厚さ0.2mmのカレンダー成形フィルムを170℃で熱ラミネートして、S撚糸条及びZ撚糸条の表面の交絡部をアンカーとして軟質塩化ビニル樹脂組成物で被覆固定すると同時に、繊維性基布の空隙部16.6%を介在する表裏フィルム同士のブリッジ積層を行い、表裏に厚さ0.2mmの熱可塑性樹脂層を形成し、厚さ0.66mm、質量800g/m2のターポリンを得た。熱可塑性樹脂層に含有する金属酸化物粒子としての酸化チタンの含有量は11質量%であった。実施例1のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は34℃であった。
<配合1> 軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
酸化チタン
(金属酸化物粒子:平均粒子径0.9μm) 20質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
実施例1の配合1を下記配合2に変更した。配合2は配合1の金属酸化物粒子としての酸化チタン20質量部を、酸化ジルコニウム(平均粒子径0.7μm)20質量部に置き換えた以外は実施例1と同様である。このようにして、厚さ0.66mm、質量800g/m2のターポリンを得た。熱可塑性樹脂層に含有する金属酸化物粒子としての酸化ジルコニウムの含有量は11質量%であった。実施例2のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は34℃であった。
<配合2> 軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
酸化ジルコニウム
(金属酸化物粒子:平均粒子径0.7μm) 20質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
実施例1の配合1を下記配合3に変更した。配合3は配合1の金属酸化物粒子としての酸化チタン20質量部を、酸化アンチモンで表面被覆した酸化スズ(平均粒子径0.5μm)10質量部に置き換えた以外は実施例1と同様である。このようにして、厚さ0.66mm、質量780g/m2のターポリンを得た。熱可塑性樹脂層に含有する金属酸化物粒子としての酸化アンチモンで表面被覆した酸化スズの含有量は5.8質量%であった。実施例3のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は33℃であった。
<配合3> 軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
酸化アンチモンで表面被覆した酸化スズ
(金属酸化物粒子:平均粒子径0.5μm) 10質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤)0.2質量部
実施例1の配合1を下記配合4に変更した。配合4は配合1の金属酸化物粒子としての酸化チタン20質量部を、酸化ケイ素で表面被覆した酸化チタン(平均粒子径1.1μm)20質量部に置き換えた以外は実施例1と同様である。このようにして、厚さ0.66mm、質量800g/m2のターポリンを得た。熱可塑性樹脂層に含有する金属酸化物粒子としての酸化ケイ素で表面被覆した酸化チタンの含有量は11質量%であった。実施例4のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は33.5℃であった。
<配合4> 軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
酸化ケイ素で表面被覆した酸化チタン
(金属酸化物粒子:平均粒子径1.1μm) 20質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
実施例1と同一の繊維性基布の両面上に、下記配合5のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物による厚さ0.2mmのカレンダー成形フィルムを150℃で熱ラミネートして、S撚糸条及びZ撚糸条の表面の交絡部をアンカーとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物で被覆固定すると同時に、繊維性基布の空隙部16.6%を介在する表裏フィルム同士のブリッジ積層を行い、表裏に厚さ0.2mmの熱可塑性樹脂層を形成し、厚さ0.66mm、質量675g/m2のターポリンを得た。熱可塑性樹脂層に含有する金属酸化物粒子としての酸化チタンの含有量は8.7質量%であった。実施例5のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は32℃であった。
<配合5> エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
(酢酸ビニル含有率25質量%) 100質量部
オキサゾリン基含有反応性ポリスチレン 5質量部
酸化チタン
(金属酸化物粒子:平均粒子径0.9μm) 10質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
※オキサゾリン基含有反応性ポリスチレンは、スチレンと2−イソプロペニル−
2−オキサゾリンとの共重合体(2−イソプロペニル−2−オキサゾリン共重
合比5質量%)、商標:エポクロス RPS日本触媒(株)を用いた。
実施例5の配合5を下記配合6に変更した。配合6は配合5の金属酸化物粒子としての酸化チタン10質量部を、酸化ジルコニウム(平均粒子径0.7μm)10質量部に置き換えた以外は実施例5と同様である。このようにして、厚さ0.66mm、質量675g/m2のターポリンを得た。熱可塑性樹脂層に含有する金属酸化物粒子としての酸化ジルコニウムの含有量は8.7質量%であった。実施例6のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は32℃であった。
<配合6> エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
(酢酸ビニル含有率25質量%) 100質量部
オキサゾリン基含有反応性ポリスチレン 5質量部
酸化ジルコニウム
(金属酸化物粒子:平均粒子径0.7μm) 10質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
※オキサゾリン基含有反応性ポリスチレンは実施例5と同一を用いた。
実施例5の配合5を下記配合7に変更した。配合7は配合5の金属酸化物粒子としての酸化チタン10質量部を、酸化アンチモンで表面被覆した酸化スズ(平均粒子径0.5μm)5質量部に置き換えた以外は実施例5と同様である。このようにして、厚さ0.66mm、質量665g/m2のターポリンを得た。熱可塑性樹脂層に含有する金属酸化物粒子としての酸化アンチモンで表面被覆した酸化スズの含有量は4.5質量%であった。実施例7のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は31.5℃であった。
<配合7> エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
(酢酸ビニル含有率25質量%) 100質量部
オキサゾリン基含有反応性ポリスチレン 5質量部
酸化アンチモンで表面被覆した酸化スズ
(金属酸化物粒子:平均粒子径0.5μm) 5質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
※オキサゾリン基含有反応性ポリスチレンは実施例5と同一を用いた。
実施例5の配合5を下記配合8に変更した。配合8は配合5の金属酸化物粒子としての酸化チタン10質量部を、酸化ケイ素で表面被覆した酸化チタン(平均粒子径1.1μm)10質量部に置き換えた以外は実施例5と同様である。このようにして、厚さ0.66mm、質量675g/m2のターポリンを得た。熱可塑性樹脂層に含有する金属酸化物粒子としての酸化ケイ素で表面被覆した酸化チタンの含有量は8.7質量%であった。実施例8のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は31.5℃であった。
<配合8> エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
(酢酸ビニル含有率25質量%) 100質量部
オキサゾリン基含有反応性ポリスチレン 5質量部
酸化ケイ素で表面被覆した酸化チタン
(金属酸化物粒子:平均粒子径1.1μm) 10質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
※オキサゾリン基含有反応性ポリスチレンは実施例5と同一を用いた。
実施例1〜4のターポリンの表面に防汚層を設け、それぞれ実施例9〜12とした。防汚層はフッ素系樹脂とアクリル樹脂とのブレンド物(フッ素系樹脂:アクリル系樹脂比は3:1)で、シリカ微粒子を25質量%含有する。この防汚層は配合9による防汚層用処理液をグラビヤコーターで25g/m2の塗布量で塗布し、100℃で1分間乾燥後冷却して5g/m2の防汚層を形成した。得られた防汚層付きターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、4種のターポリン接合体(実施例9/実施例9の接合、実施例10/実施例10の接合、実施例11/実施例11の接合、実施例12/実施例12の接合)を得た。
<配合9>防汚層用処理液(シリカ微粒子を含有するフッ素系樹脂と
アクリル系樹脂のブレンド組成物)
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商標:アクリプレンHBS001)
4質量部
フッ素系樹脂(ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体
樹脂、(エルフ・アトケム・ジャパン(株)製、商標:カイナー7201)
12質量部
高分子型紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製、品番:UCI−635L)
〔2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン〕
とメタクリル酸メチルとの50wt%:50wt%共重合体樹脂
1質量部
シリカ微粒子(湿式法非晶質シリカ) 4質量部
(日本シリカ工業(株)製、商標:ニップシールE−220、平均粒子径
2μm、BET比表面積130m2/g)
希釈溶剤(トルエン−メチルエチルケトン50/50質量比) 80質量部
実施例1の繊維性基布を構成する経糸群及び緯糸群をすべて無撚糸とした以外は実施例1と同様にして厚さ0.66mm、質量800g/m2のターポリンを得た。このターポリンの繊維性基布にはS撚糸条も、Z撚糸条も一切含んでいない。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例1のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は34℃であった。
実施例1の繊維性基布を構成する経糸群及び緯糸群をすべてS撚糸条とした以外は実施例1と同様にして厚さ0.66mm、質量800g/m2のターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例2のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は34℃であった。
実施例1の繊維性基布を構成する経糸群及び緯糸群をすべてZ撚糸条とした以外は実施例1と同様にして厚さ0.66mm、質量800g/m2のターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例3のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は34℃であった。
実施例1の繊維性基布において、経糸群及び緯糸群のS撚糸条とZ撚糸条との配置比率を1:1から1:4に変更し、(S撚糸条/Z撚糸条/Z撚糸条/Z撚糸条/Z撚糸条)の並びの繰り返し単位に変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.66mm、質量800g/m2のターポリンを得た。比較例4のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は34℃であった。
実施例1の繊維性基布において、経糸群及び緯糸群のS撚糸条とZ撚糸条との配置比率を1:1から4:1に変更し、(S撚糸条/S撚糸条/S撚糸条/S撚糸条/Z撚糸条)の並びの繰り返し単位に変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.66mm、質量800g/m2のターポリンを得た。比較例5のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は34℃であった。
実施例5の繊維性基布(実施例1で使用の繊維性基布)を構成する経糸群及び緯糸群をすべて無撚糸とした以外は実施例5と同様にして厚さ0.66mm、質量675g/m2のターポリンを得た。このターポリンの繊維性基布にはS撚糸条も、Z撚糸条も一切含んでいない。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例6のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は32℃であった。
実施例5の繊維性基布(実施例1で使用の繊維性基布)を構成する経糸群及び緯糸群をすべてS撚糸条とした以外は実施例5と同様にして厚さ0.66mm、質量675g/m2のターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例7のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は32℃であった。
実施例5の繊維性基布(実施例1で使用の繊維性基布)を構成する経糸群及び緯糸群をすべてZ撚糸条とした以外は実施例5と同様にして厚さ0.66mm、質量675g/m2のターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例8のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は32℃であった。
実施例5の繊維性基布(実施例1で使用の繊維性基布)において、経糸群及び緯糸群のS撚糸条とZ撚糸条との配置比率を1:1から1:4に変更し、(S撚糸条/Z撚糸条/Z撚糸条/Z撚糸条/Z撚糸条)の並びの繰り返し単位に変更した以外は実施例5と同様にして、厚さ0.66mm、質量675g/m2のターポリンを得た。比較例9のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は32℃であった。
実施例5の繊維性基布(実施例1で使用の繊維性基布)において、経糸群及び緯糸群のS撚糸条とZ撚糸条との配置比率を1:1から4:1に変更し、(S撚糸条/S撚糸条/S撚糸条/S撚糸条/Z撚糸条)の並びの繰り返し単位に変更した以外は実施例5と同様にして、厚さ0.66mm、質量675g/m2のターポリンを得た。比較例10のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は32℃であった。
実施例1の配合1から酸化チタン(金属酸化物粒子:平均粒子径0.9μm)20質量部の添加を省いた以外は実施例1と同一として厚さ0.66mm、質量760g/m2のターポリンを得た。熱可塑性樹脂層に含有する金属酸化物粒子の含有量は0質量%であった。このターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は40℃であった。同様に実施例2の配合2から酸化ジルコニウム(金属酸化物粒子:平均粒子径0.7μm)20質量部の添加を省いたもの、実施例3の配合3から酸化アンチモンで表面被覆した酸化スズ(金属酸化物粒子:平均粒子径0.5μm)10質量部の添加を省いたもの、実施例4の配合4から酸化ケイ素で表面被覆した酸化チタン(金属酸化物粒子:平均粒子径1.1μm)20質量部の添加を省いたことによる遮熱効果の優位差についてはすべて比較例11と同一である。
実施例5の配合5から酸化チタン(金属酸化物粒子:平均粒子径0.9μm)20質量部の添加を省いた以外は実施例5と同一として厚さ0.66mm、質量660g/m2のターポリンを得た。熱可塑性樹脂層に含有する金属酸化物粒子の含有量は0質量%であった。このターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は37℃であった。同様に実施例6の配合6から酸化ジルコニウム(金属酸化物粒子:平均粒子径0.7μm)20質量部の添加を省いたもの、実施例7の配合7から酸化アンチモンで表面被覆した酸化スズ(金属酸化物粒子:平均粒子径0.5μm)10質量部の添加を省いたもの、実施例8の配合8から酸化ケイ素で表面被覆した酸化チタン(金属酸化物粒子:平均粒子径1.1μm)20質量部の添加を省いたことによる遮熱効果の優位差についてはすべて比較例12と同一である。
実施例5の配合5からオキサゾリン基含有反応性ポリスチレン5質量部の添加を省略した以外は実施例5と同様にして厚さ0.66mm、質量670g/m2のターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。参考例1のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行いターポリン接合体を得た。
2:繊維性基布
2−1:経糸
2−1−1:S撚糸条(経糸)
2−1−2:Z撚糸条(経糸)
2−2:緯糸
2−2−1:S撚糸条(緯糸)
2−2−2:Z撚糸条(緯糸)
3:熱可塑性樹脂層
3−1:熱可塑性樹脂
3−2:金属酸化物粒子
4:耐熱クリープ試験片
5:接合部
Claims (7)
- 繊維性基布の少なくとも一面上に、金属酸化物粒子を含有する熱可塑性樹脂層を接着被覆してなる遮熱性積層体であって、前記繊維性基布が経糸群及び緯糸群とにより製織されたものであり、少なくとも経糸群または緯糸群のいずれか一方の群の構成要素としてS撚糸条及びZ撚糸条とを含み、これら2種の糸条を1インチ間あたりの総和6〜39本、かつ、本数比率1:2〜2:1で併用配置して含むことを特徴とするターポリン。
- 前記金属酸化物粒子が、1).酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウムから選ばれた1種以上、2).及び前記1)の粒子を酸化ケイ素で表面被覆した複合粒子、3).及び前記1)の粒子を酸化アンチモンで表面被覆した複合粒子、4).及び前記1)の粒子を酸化インジウムで表面被覆した複合粒子、などの単体粒子及び複合粒子から選ばれた1種以上からなり、前記熱可塑性樹脂層の質量に対し1〜20質量%で含む請求項1に記載のターポリン。
- 前記遮熱性積層体が、当該遮熱性積層体を晴天の屋外30℃の雰囲気下・30分後に静置した時の表面温度と、前記金属酸化物粒子を含まない樹脂層による積層体とでの表面温度差を比較した時に、2℃以上の遮熱効果を有する請求項1または2に記載のターポリン。
- 前記S撚糸条、及び前記Z撚糸条の撚数が、50〜300T/mの範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載のターポリン。
- 前記繊維性基布の経糸群及び緯糸群が、前記S撚糸条、及び前記Z撚糸条により1本交互で配置されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のターポリン。
- 前記熱可塑性樹脂層にオキサゾリン基含有重合体([化1])を前記熱可塑性樹脂層に対し、0.5〜30質量%の範囲内で有している請求項1〜5のいずれか1項に記載のターポリン。
- 請求項1〜6いずれか1項に記載のターポリン同士による熱融着接合体。
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