JP7300143B2 - テント構造物用立体縫製物の折り畳み方法、並びその折り畳み物 - Google Patents

テント構造物用立体縫製物の折り畳み方法、並びその折り畳み物 Download PDF

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Description

本発明は、ドーム状テント、サーカステント、パビリオン、屋内スポーツ場、屋内プール、屋形テントなどの膜構造施設、及び仮設構造物に用いるシート縫製物の折り畳み方法、並びその折り畳み物に関し、特にフッ素系樹脂層を有するシート縫製物を折り畳む際、フッ素系樹脂層に亀裂や剥がれのダメージの発生の少ない折り畳み方法と、その折り畳み物に関する。
テント倉庫、屋形テントなどのテント構造物の素材には織物を芯材に含む熱可塑性樹脂シート(ターポリン、防水帆布)が使用され、近年では防汚性、及び耐候性を重視してフッ素系樹脂層を有するシートが多用されている。このようなフッ素系樹脂層を有する膜構造施設用シートとしては、基布上にポリ塩化ビニル樹脂からなる中間層を形成し、この中間層の上に弗素含有重合体樹脂からなる表面層を形成して得られる防汚シート(特許文献1、特許文献2)が知られている。これらのシートは防汚性に優れたものであるが、異種の樹脂層を構成要素とすることで樹脂層の降伏値が異なり、また相溶性に劣ることから、シートの屈曲や折り曲げ時に、表面層(弗素含有重合体樹脂)に回復が困難なシワを発生し易く、シワ部分に光沢ムラを生じて外観を悪くする問題が存在していた。この問題を解決するために本出願人は、ポリ塩化ビニル樹脂からなる中間層と弗素含有重合体樹脂からなる表面層との少なくとも一方の接合界面に微細な凹凸を形成することで、屈曲シワや折り曲げシワの原因となる変形歪を凹凸で緩和する防汚シート(特許文献3)の提案を行った。確かにこのシートは数回の屈曲や二つ折りでのシワが改善され得るものであるが、シートを十字に折り畳んだ場合には折れ角が鋭利となるほどの大きな歪を伴うことで凹凸による歪の緩和が不十分となっていた。
昨今ドーム状テント、サーカステント、パビリオン、屋内スポーツ場、屋内プールなどの膜構造施設の需要が増加し、特に東日本大震災以降は、膜構造施設は、耐震性に優れ、安全性の高い建造物として注目されている。これらの膜構造施設は主に鉄骨フレーム(パイプ)とテント膜で構成され、テント膜はターポリン(0.35mm~1.0mm厚)シートの立体縫製物で構成されるものが主流で、特にポリエステル繊維織物を芯材としてその両面に軟質塩化ビニル樹脂層を形成し、フッ素系樹脂層を設けた防汚タイプが汎用的である。そして膜構造施設の構築は、骨組設計に合わせて立体縫製したテント膜をクレーンで吊り上げ、骨組に展張被覆し、骨組フレームに固定することで完成する。ところでこのテント膜(縫製物)はターポリンシートのパーツを多数繋ぎ合わせる過程で、その取り回しによるシートへの屈曲や折り曲げの負荷が掛かり、往々にして外観面となるフッ素系樹脂層に折れシワ痕やチョークマーク(白傷)の見苦しさをもたらすことがある。さらにテント膜(ターポリン縫製物)を構築現場に運び込む際には、幾重にも折り畳まれることで、折れシワ痕が何倍にも増し、運搬中に折り角が擦れることでチョークマークのダメージを深刻なものとしていた。
この折れシワ痕の問題は特に山折りで十字の折り畳みを繰り返した場合の最後の折り曲げ部のダメージが最大なる傾向がある。これは2つ折りを繰り返した時、その都度厚さが2倍となることに起因する。例えば厚さが1mmのシートだと、2つ折りで2層2mm、それを2つ折りして4層4mm、さらに2つ折りすれば8層8mmと、倍々で折り曲げ最外部の外周(フッ素系樹脂層)の伸びの負荷(外力歪)を増大することになる。実際の折り曲げ部はターポリンの反発弾性で折れ目は付かずに弧状に大きく膨らみ、折り曲げ最外部の厚さは上記理論値の何倍にも増大した弧状なので、これを強引に十字に折れば、この十字交点での折れ角に多大な歪が掛かかった緊張状態となる。このような緊張状態ではフッ素系樹脂と軟質塩化ビニル樹脂との応力緩和特性、降伏値の差異によって界面剥離を生じたり、フッ素系樹脂層に亀裂を生じたりするダメージが顕著となり、これが折り畳み時の折れシワ痕やチョークマーク(白傷)の直接的原因となる。この問題はドーム状テント、パビリオン、屋内スポーツ場、など常設の膜構造施設であれば構築時だけの問題として専門業者が注意を払い立体縫製物を施工することも可能であるが、サーカスなどの膜構造施設では、巡業の都度、サーカステント構造物の解体と組立、及び移送を繰り返すことで、立体縫製物に折れシワ痕とチョークマーク(白傷)が累々と蓄積し、時として穴開きするなど、外観ダメージの不可避な仮設の膜構造施設である。このような外観ダメージはサーカス興行のブランド価値を下げるものとして好ましいものではないことは言うに及ばない。また、フッ素系樹脂層を表面に設けたターポリンによるテント構造物用の立体縫製物を用いた膜構造施設で、特に仮設扱物として解体と組立を繰り返すテント構造物において、立体縫製物の折り畳み時の折れシワ痕、及びチョークマーク(白傷)を軽減するための配慮は、立体縫製物の大きさや形状に応じてのケースバイケース、あるいは烏合の作業従事者任せしてマニュアルなどは存在していなかった。従って無造作に立体縫製物を折り畳むことで嵩高となって、移送時や保管時の取り扱い性を悪くすると同時に、引っ掛けや擦りなどの外傷を負い易い状況としていた。
特開昭56-60247号公報 特開昭59-150743号公報 特開昭61-199945号公報
本発明は、フッ素系樹脂層を表面に設けたターポリン縫製物を用いた膜構造施設、特に組立と解体を繰り返す仮設テント構造物において、折れシワ痕、及びチョークマーク(白傷)の発性と蓄積を軽減するテント構造物用立体縫製物の(コンパクトな)折り畳み方法と、テント構造物用立体縫製物の(コンパクトな)折り畳み物の提供を課題とする。
上記の現状に鑑みて研究、検討を重ねた結果、フッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合熱可塑性樹脂シートによる多数のパーツを溶着接合してなる立体縫製物を折り畳むに際し、立体縫製物の表裏を反転させてフッ素系樹脂層を内側に平坦に潰し畳み、これに特定の折り畳み手順を加えることで得られる立体縫製物の折り畳み物が、フッ素系樹脂層での折れシワ痕やチョークマーク(白傷)発生が軽微で目立たず、立体縫製物の折り畳みと展開を繰り返した場合にも折れシワ痕やチョークマーク(白傷)の蓄積ダメージが軽微であること、得られる折り畳み物がコンパクトで嵩高になり難いことを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み方法は、フッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合軟質塩化ビニル樹脂シートによる多数のパーツを溶着接合してなる立体縫製物を折り畳むに際し、1)前記立体縫製物の表裏を反転し、前記フッ素系樹脂層を内側とする工程、2)この表裏反転立体縫製物を平坦に潰し畳む工程、3)この平坦に潰し畳まれた表裏反転立体縫製物の長さ方向と略平行、または幅方向と略平行に折り畳み、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、の何れかの見掛け形状の断面となるように折り畳む工程、4)この折り畳まれた表裏反転立体縫製物の長さ方向に折り畳み、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、及び渦巻状、の何れかの見掛け形状の断面となるように折り畳む工程、を含むことが好ましい。
また本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み物は、フッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合軟質塩化ビニル樹脂シートによる多数のパーツを溶着接合してなる立体縫製物の折り畳み物であって、前記立体縫製物の表裏を反転させて前記フッ素系樹脂層を内側に平坦に潰し畳まれ、かつ長さ方向と略平行、または幅方向と略平行に折り畳まれ、この折り畳みで生じる山折り襞の稜線断面は2層の織物複合軟質塩化ビニル樹脂シートで構成され、さらにこの折り畳み物の長さ方向に折り畳まれ、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、及び渦巻状、の何れかの見掛け形状の断面となるように折り畳まれていることが好ましい。ここで山折り襞の稜線断面とは山折り頂上の断面(図5参照)を指す。
本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み方法によれば、フッ素系樹脂層の折れシワ痕、及びチョークマーク(白傷)の発生とその蓄積の軽減を可能とする立体縫製物の(コンパクトな)折り畳み物が得られるので、この折り畳み物を展開して用いたドーム状テント、サーカステント、パビリオン、屋内スポーツ場、屋内プール、屋形テントなどの膜構造施設では施工後の外観が美麗に保たれ、特に解体と組み立てを繰り返すサーカステント構造物に使用しても、フッ素系樹脂層の折れシワ痕、及びチョークマーク(白傷)の発生とその蓄積の軽減を可能とする。
本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み物における折り畳み 「V(=L)」形状の見掛けの断面を示す図 本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み物における折り畳み 「N(=Z)」形状、及び「N(=Z)変形」状の見掛けの断面を示す図 本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み物における折り畳み 「W(=M)」形状、及び「W(=M)変形」状の見掛けの断面を示す図 本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み物における折り畳み 「ジグザグ」形状、及び「渦巻」状の見掛けの断面を示す図 本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み物における山折り襞の稜線、 及び稜線断面を示す図(2層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成された 山折り襞を開いた状態で例示)
本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み方法の発明は、フッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合軟質塩化ビニル樹脂シート(※以下「織物複合熱可塑性樹脂シート」を「織物複合軟質塩化ビニル樹脂シート」に読み替える)による多数のパーツを溶着接合してなる立体縫製物を折り畳むに際し、1)立体縫製物の表裏を反転し、フッ素系樹脂層を内側とする工程、2)この表裏反転立体縫製物を平坦に潰し畳む工程、3)この平坦に潰し畳まれた表裏反転立体縫製物の長さ方向と略平行、または幅方向と略平行に折り畳み、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、の何れかの見掛け形状の断面となるように折り畳む工程、4)この折り畳まれた表裏反転立体縫製物の長さ方向に折り畳み、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、及び渦巻状、の何れかの見掛け形状の断面となるように折り畳む工程、を含む1)~4)の手順を含むものである。ここでV、N、及びWのアルファベットは、それぞれ均等な2つ折り(V)、3つ折り(N)、及び4つ折り(W)を視覚的に説明したもので、明朝体での止め部(始点、中間点、終点)は折りに無関係である。またこれら折り畳みの回数及び折り畳み形態から、V状はL状と同義の扱い、N状はZ状と同義の扱い、W状はM状と同義の扱いで、本願発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み方法において、V状をL状と読み替えること、N状をZ状と読み替えること、W状をM状と読み替えることができる。従って本願発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み方法はL状、Z状(Z変形状)、M状(M変形状)の表現でも説明することができる。詳細を図1~図4に示した。
上述の折り畳み方法において、1)立体縫製物の表裏を反転し、フッ素系樹脂層を内側とする工程を説明する。テント構造物において立体縫製物は防汚層であるフッ素系樹脂層を外側面として使用されるため、立体縫製物の折り畳み物は通常、フッ素系樹脂層を外側面に露出して折り畳まれる。ところでフッ素系樹脂層を外側面に露出するように織物複合熱可塑性樹脂シートを二つ折りにするとフッ素系樹脂層部分は山折りとなる。この山折りでは織物複合熱可塑性樹脂シートが厚いほど山折り襞の外周(フッ素系樹脂層)の伸びの負荷(外力歪)を増大する。このような緊張状態ではフッ素系樹脂と熱可塑性樹脂(軟質塩化ビニル樹脂)との応力緩和特性、降伏値の差異によって界面剥離を生じたり、フッ素系樹脂層に亀裂を生じるなどのダメージが顕著となり、これが折れシワ痕やチョークマーク(白傷)の直接的な原因となる。この山折りに対してフッ素系樹脂層を内側面として織物複合熱可塑性樹脂シートを二つ折りにすると、フッ素系樹脂層部分は谷折りとなる。この谷折りで織物複合熱可塑性樹脂シートが厚いほど谷折り部のフッ素系樹脂層に圧縮歪を増大するが、伸び歪とは異なりフッ素系樹脂層に亀裂を生じるダメージではない。従って立体縫製物の表裏を反転して、それを折り畳むことでフッ素系樹脂層を隠蔽することによってフッ素系樹脂層が保護され、移送時、展張設営時の床や地面との擦れ、機材、骨組などとの擦れや衝突のアクシデントによるフッ素系樹脂層への傷付きが効果的に抑止される。もしも立体縫製物の外形デザインの複雑さを理由に表裏を反転することが容易でない部分があれば、その部分の表裏反転は省略しても差し支えない。
次工程の、2)表裏反転立体縫製物を平坦に潰し畳む工程とは、紙風船の空気を押し出してぺしゃんこに潰した状態とするイメージである。ドーム状テント、サーカステント、パビリオン、屋内スポーツ場、屋内プールなどの膜構造施設の立体縫製物の形態は、天蓋が円~楕円の半球型、天蓋が四角形の箱型、天蓋が五角形以上の箱型などが主である。これらの潰し畳みは立体縫製物の最大面積部分が平坦となる態様が好ましく、平坦部分は天蓋部分または側壁部分であり、他の部分がはみ出ていてもよく、あるいは平坦部分に覆い隠された状態で内包する態様であってもよい。また潰し畳みは立体縫製物の形状の複雑さやデザインにもよるが、折り畳みの工数及び負荷が可能な限り少ない安定形態で、平坦に潰し畳んだ立体縫製物の厚さが薄いほど好ましい。折り畳みが煩雑になればなるほど、潰し畳んだ立体縫製物の厚さが増し、次工程の折り畳みを困難とし、その克服を力任せとすることで、折れシワ痕やチョークマーク(白傷)のダメージ原因となる。具体的には、天蓋を長方形、側壁部が四面構成で、正面と裏面の側壁部が長方形(面積大)、左右の側壁部を長方形(面積小)をとする立体縫製物の平坦な潰し畳みの場合、天蓋部の長方形を、正面と裏面の側壁部の長方形の長さ方向と平行に山折りまたは谷折りで2つ折りし、正面と裏面の側壁部の長方形(面積大)を平坦部分とする潰し畳み体とし、この平坦部分の長方形(面積大)から天蓋部の山折り襞を上にはみ出させた態様、もしくは平坦部分の長方形(面積大)で天蓋部の谷折り部分を覆い隠す折り込み態様である。さらにこの2態様において、潰し畳み時の嵩張り部分となる左右の側壁部の長方形(面積小)を山折りし、これを平坦部分の長方形(面積大)左右端部からはみ出した態様、もしくは潰し畳み時の嵩張り部分となる左右の側壁部の長方形(面積小)を谷折りで2つ折りし、平坦部分の長方形(面積大)の左右端部に折り込んで覆い隠す態様の、都合4態様の潰し畳まれた表裏反転立体縫製物が挙げられる。
次工程の、3)平坦に潰し畳まれた表裏反転立体縫製物の長さ方向と略平行、または幅方向と略平行に折り畳み、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、の何れかの見掛け形状の断面となるように折り畳む工程を、2)の工程の具体的説明を継続して説明する。これは段落〔0014〕記載の4態様何れかの平坦に潰し畳まれた表裏反転立体縫製物において、平坦部分の長方形(面積大)の長さ方向と略平行、または平坦部分の長方形(面積大)の幅方向と略平行に1~3回折り畳む圧縮工程で、得られる折り畳み体の折り畳み断面の形状は、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、の何れかの見掛け形状である。V状は折り畳み1回で約1/2の長さ(または幅)に減容され、N状及びN変形状は折り畳み2回で約1/3の長さ(または幅)に減容され、W状及びW変形状は折り畳み3回で約1/4の長さ(または幅)に減容され、ジグザグ状は4回折り以上で折り畳み約1/5以下の長さ(または幅)に減容される。このうちN変形状はN状の1つの折り方向が逆であるもの、W変形状は左右端部のどちらか1つの折り方向が逆であるもの、または左右端部ともに折り方向が逆であるものを意味する。これら全てのバリェーションでの折り畳みで生じる山折り襞の稜線断面は2層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される折り畳みとすること、すなわち4層以上としないことが肝要で、この要件を満たすことで、得られる折り畳み物がコンパクトで嵩高になり難いものとすることができる。ここで山折り襞の稜線断面とは山折り頂上の断面(図5参照)を指す。もし、山折り襞の稜線断面が4層以上(例えば4層の倍の8層、この倍の16層)の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される折り畳みの場合、山折り襞が肉厚でしかも折り曲げ反発の大きい膨らんだ尾根となる。この膨らんだ尾根を潰すための力任せの折り畳みは、しばしばフッ素系樹脂層に物理的な外力負荷となって折れシワやチョークマーク痕となって、その外傷が立体縫製物(テント)の外観に残ることがある。またこの膨らんだ尾根は潰しても織物複合熱可塑性樹脂シートの反発で膨らんだ尾根に戻るため、コンパクトな折り畳みは困難となる。そして、どの回数の折り畳みにおいても、得られる折り畳み体のサイズが最小となる均等な折り位置とすることが好ましいが、折り位置を不規則にして折り畳み体のサイズの最小化を計る必要はなく、次工程4)で折り畳み体のサイズの最小化を調節すればよい。
次工程の、4)この折り畳まれた表裏反転立体縫製物の長さ方向に折り畳み、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、及び渦巻状、の何れかの形状の断面となるように折り畳む工程を2)及び3)の工程の具体的説明を継続して説明する。これは段落〔0015〕記載のV状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状の何れかに潰し畳まれた表裏反転立体縫製物において、その長さ方向と略平行、または幅方向と略平行に折り畳む圧縮工程で、得られる折り畳み体の折り畳み断面の形状は、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、及び渦巻状、の何れかの形状イメージである。V状は折り畳み1回で約1/2の長さ(または幅)に減容され、N状及びN変形状は折り畳み2回で約1/3の長さ(または幅)に減容され、W状及びW変形状は折り畳み3回で約1/4の長さ(または幅)に減容され、ジグザグ状は4回折り以上で折り畳み約1/5以下の長さ(または幅)に減容され、渦巻状は最初の1巻きに3ケ所以上の折れ曲がり部を伴う1巻以上の巻物である。このうちN変形状はN状の1つの折り方向が逆であるもの、W変形状は左右端部のどちらか1つの折り方向が逆であるもの、または左右端部ともに折り方向が逆であるものを意味する。どの回数の折り畳みにおいても、得られる折り畳み体のサイズが最小となる均等な折り位置とすることが好ましい。
また一方で本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み物の発明は、フッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合熱可塑性樹脂シートによる多数のパーツを溶着接合してなる立体縫製物の折り畳み物であって、立体縫製物が平坦に潰し畳まれ、かつ長さ方向と略平行、または幅方向と略平行に、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、の何れかの見掛け形状の断面となるように折り畳まれていて、この折り畳みで生じる山折り襞の稜線断面は2層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成され、さらにこの折り畳み物の長さ方向に折り畳まれ、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、及び渦巻状、の何れかの見掛け形状の断面となるように折り畳まれているものである。本発明において山折り襞の稜線断面を2層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成された折り畳みとすること、すなわち4層以上としないことで、得られる折り畳み物がコンパクトで嵩高になり難いものとする。ここで山折り襞の稜線断面とは山折り頂上の断面(図5参照)を指す。表裏が反転してフッ素系樹脂層を内側とした折り畳み物は、移送時、保管時に何かと擦れた際、フッ素系樹脂層が傷付くような心配がない。尚、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、及び渦巻状、の説明は段落〔0015〕及び〔0016〕の説明と同様である。ここでV、N、及びWのアルファベットは、それぞれ均等な2つ折り(V)、3つ折り(N)、及び4つ折り(W)を視覚的に説明したもので、明朝体での止め部(始点、中間点、終点)は折りに無関係である。またこれら折り畳みの回数及び折り畳み形態から、V状はL状と同義の扱い、N状はZ状と同義の扱い、W状はM状と同義の扱いで、本願発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み物において、V状をL状と読み替えること、N状をZ状と読み替えること、W状をM状と読み替えることができる。従って本願発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み物はL状、Z状(Z変形状)、M状(M変形状)の表現でも説明することができる。詳細を図1~図4に示した。
本発明に使用する織物複合熱可塑性樹脂シートは片表面にフッ素系樹脂層を有するものである。織物複合熱可塑性樹脂シートは織物を芯材に含み、その両面を熱可塑性樹脂で被覆してなるターポリンまたは帆布であることが好ましい。ターポリンに用いる織物は、マルチフィラメント糸条による平織(二軸、三軸、四軸)、バスケット織、綾織、朱子織、模紗織などで、これらの空隙率が0~30%、特に10~20%、目付質量が50~350g/m、特に100~250g/mの織物がテント構造物用立体縫製物に好適である。マルチフィラメント糸条は、繊度が、250(278dtex)~2000(2222dtex)デニール、特に750(833dtex)~1500(1666dtex)デニールの範囲、0~20T/インチの撚りが掛けられた糸条、断面形状が楕円~偏平の糸条が好ましい。織物は、これらのマルチフィラメント糸条を経糸及び緯糸として1インチ間10~50本打込んで得られる。これらマルチフィラメント糸条の繊維種は、合成繊維(ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリミド、芳香族ヘテロ環ポリマーなど)、ガラス繊維、炭素繊維などがテント構造物用立体縫製物に好適である。また織物には糸条の断面からの水の毛管現象による浸入を防止するための撥水処理、また、着炎時に自己消火性を付与するための防炎処理、あるいは被覆樹脂層との密着性を向上させるための接着処理を施すことができる。ターポリンは上記織物の両面に熱可塑性樹脂層をコーティングまたはラミネートして設けてなる厚さ0.35~1.8mm、特に厚さ0.4~1.0mmの可撓性防水シートがテント構造物用立体縫製物に好適である。
また帆布に用いる織物は、短繊維紡績糸条による平織、バスケット織、綾織、朱子織などで、これらの空隙率が0~10%、特に0~5%、目付質量が50~350g/m、特に100~250g/mのスパン織物がテント構造物用立体縫製物に好適である。短繊維紡績糸条は、10番手(591dtex)~60番手(97dtex)の範囲のもの、特に10番手(591dtex)、14番手(422dtex)、16番手(370dtex)、20番手(295ddtex)、24番手(246dtex)、30番手(197dtex)などの番手範囲、10~50T/インチの撚りが掛けられた糸条が好ましい。スパン織物は、これらの短繊維紡績糸条(単糸、双糸、単糸3本以上の撚糸、2~3本合糸、S撚りまたはN撚りの2~3本合撚糸など)を経糸及び緯糸として1インチ間40~80本打込んで得られる。これら短繊維紡績糸条の繊維種は、綿、ケナフ、レーヨン、合成繊維(ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリミド、芳香族ヘテロ環ポリマーなど)、炭素繊維などがテント構造物用立体縫製物に好適である。また織物には糸条の断面からの水の毛管現象による浸入を防止するための撥水処理、また、着炎時に自己消火性を付与するための防炎処理、あるいは被覆樹脂層との密着性を向上させるための接着処理を施すことができる。帆布は上記織物の両面に熱可塑性樹脂層をコーティング法、またはデッピィング法で設けてなる厚さ0.35~0.8mm、特に厚さ0.4~0.7mmの帆布、これら帆布の片面以上に厚さ0.1~0.2mmの熱可塑性樹脂フィルムがラミネートされた厚さ0.45~1.2mm、特に厚さ0.45~1.0mmの帆布がテント構造物用立体縫製物に好適である。
本発明に使用する織物複合熱可塑性樹脂シートにおいて織物を被覆する熱可塑性樹脂は、軟質塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)、塩化ビニル系共重合体樹脂、が使用でき、これらは単独もしくは、2種以上の併用としてもよい。このとき熱可塑性樹脂層は、織物の界面に形成されるものではなく、織物の内部に含浸形成された部分を有する。例えばターポリンでは例えば空隙率10~20%の織物を芯材として、その表裏を熱可塑性樹脂フィルムで熱ラミネート被覆することで、織物の目合の空隙部分には熱軟化した表裏の熱可塑性樹脂フィルムの一部が充填され、それが強固なブリッジ接着点となる。また帆布では、例えば空隙率0~3%の織物を芯材として、その表裏を熱可塑性樹脂溶液でコーティング被覆することで、織物内部には熱可塑性樹脂が含浸し、それが強固な接着点となる。
本発明に使用する織物複合熱可塑性樹脂シートにおいて織物を被覆する熱可塑性樹脂は、軟質塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)組成物であるものが難燃性、耐候性、耐久性、及び高周波溶着性に優れ好ましい。塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル樹脂以外に、架橋塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-アクリル酸エステル共重合体樹脂、塩化ビニル-ウレタングラフト樹脂を包含し、これらは単独使用、あるいは任意の組み合わせで使用することができる。これらは多数のシートパーツを溶着接合して立体縫製物を形成する工程では特に高周波溶着法が縫製効率に優れ好適である。軟質塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)組成物は、ペースト塩化ビニル樹脂(乳化重合タイプ:K値60~80)を用いたコーティングまたはディッピング~ゲル化熱処理による被覆、或いはストレート塩化ビニル樹脂(懸濁重合タイプ:平均重合度700~3000)を用いて、カレンダー圧延成型またはTダイス押出成型した塩化ビニル樹脂フィルム(シート)による被覆が挙げられる。ペースト塩化ビニル樹脂は帆布の被覆層に適し、ストレート塩化ビニル樹脂はターポリンの被覆層に好適である。可塑剤は、アジピン酸エステル系、フタル酸エステル系、イソフタル酸エステル系、テレフタル酸エステル系、シクロヘキサンジカルボン酸エステル系、シクロヘキセンジカルボン酸エステル系、塩素化パラフィン系、芳香族リン酸エステル系、などの液状化合物、ポリエステル系オリゴマー化合物、エチレン-酢酸ビニル-一酸化炭素3元共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-一酸化炭素3元共重合体などのポリマーが使用できる。また塩化ビニル樹脂用安定剤には、カルシウム亜鉛複合系、バリウム亜鉛複合系、有機錫ラウレート系、有機錫メルカプタイト系、エポキシ系などの公知化合物を単独あるいは複数種併用して用いる。その他、公知の難燃剤(臭素置換有機化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモンなど)、公知の充填剤(炭酸カルシウム、硫酸バリウム、粘土鉱物、ガラスビーズなど)、公知の着色剤(有機顔料、無機顔料、アルミフレーク、パール顔料、蓄光顔料など)、公知の耐候安定剤(ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物など)、必要に応じて、蛍光増白剤、帯電防止剤(界面活性剤系など)、硬化剤(イソシアネート系化合物など)、防虫剤(ピレスロイド系など)、消臭剤(酸化珪素/金属酸化物複合系など)、遮熱フィラー(中空粒子、粗粒酸化チタンなど)、などを含むことができる。
織物複合熱可塑性樹脂シートの片面にフッ素系樹脂層が形成されている。このフッ素系樹脂層は、1)フッ素系樹脂層/アミノエチル化アクリル樹脂エポキシ硬化物層からなる2層構造、2)フッ素系樹脂層/アクリル系樹脂層からなる共押出法で製造された2層構造、3)フッ素系樹脂層/アクリル系樹脂層/アミノエチル化アクリル樹脂エポキシ硬化物層からなる3層構造、及び4)フッ素系樹脂層/アクリル系樹脂層/塩化ビニル系樹脂層からなる共押出法で製造された3層構造、の何れか1種で、1)及び3)のアミノエチル化アクリル樹脂エポキシ硬化物層は、アミノエチル化アクリル樹脂をエポキシ硬化した塗膜層で、フッ素系樹脂層と織物複合熱可塑性樹脂シートとの接着層である。また2)及び4)は公知の熱ラミネート法で織物複合熱可塑性樹脂シートに積層することができる。アミノエチル化アクリル樹脂エポキシ硬化物層はフッ素系樹脂層側に形成されたもの、及び/または、織物複合熱可塑性樹脂シート側に形成されたものである。フッ素系樹脂は、具体的にポリフッ化ビニル、ポリビニリデンフルオライド、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレンなどであるが、特にポリフッ化ビニル、ポリビニリデンフルオライドが好ましい。またフッ素系樹脂は共重合体樹脂であってもよい。またアミノエチル化アクリル樹脂は、アクリル系樹脂のカルボキシル基にポリエチレンイミンをグラフトした一級アミノ基含有アクリル系樹脂で、側鎖は、-COO(CHCHNH)Hの化学式で示されるものである。1)~4)において好ましいフッ素系樹脂層の厚さは5μm~50μm、1)及び3)において好ましいアミノエチル化アクリル樹脂エポキシ硬化物層の厚さは1μm~15μm、2)及び4)において好ましいアクリル樹脂層の厚さは10μm~100μm、4)において好ましい塩化ビニル系樹脂層の厚さは10~100μmである。
また、フッ素系樹脂層は織物複合熱可塑性樹脂シートの表面に塗工形成されたものであってもよい。この塗工に用いるフッ素系樹脂は有機溶剤に可溶性のフルオロオレフィン共重合体樹脂が好ましい。フルオロオレフィン共重合体樹脂は、例えば、フッ化ビニル、ビニリデンフルオライド、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどから選ばれた2種以上のモノマーを共重合して得られるもので、特にビニリデンフルオライド系共重合体樹脂が有機溶剤への溶解性に優れ好ましく、さらにビニルモノマー(アルキル置換-α-オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニル基含有エステル類など)を共重合させたものが有機溶剤への溶解性に優れ好ましい。またフルオロオレフィン共重合体樹脂にはアクリル系樹脂をブレンドすることもできる。これらのフルオロオレフィン共重合体樹脂は、共重合ビニル成分中に有する水酸基、カルボキシル基などの反応性基を、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物など公知の硬化剤(架橋剤)と反応させ架橋ネットワークを形成することでフッ素系樹脂層の耐摩耗性、接着性、耐候性などを向上させる。用いる硬化剤(架橋剤)の量はフルオロオレフィン共重合体樹脂(固形分)に対して、固形分量換算で1~20質量%、好ましくは3~15質量%である。このフッ素系樹脂層は上記樹脂成分を固形分濃度1~35質量%で含有する溶剤型塗料を用い、グラビアコートなどの公知の方法で塗工した後、乾燥固化して得られる厚さ1μm~50μmの塗膜である。
織物複合熱可塑性樹脂シートの裏面(フッ素系樹脂層が形成されていない面)には、アクリル系樹脂による厚さ1μm~50μm塗膜層が形成されていることが好ましい。アクリル系樹脂はフッ素系樹脂との相溶性に優れるので、織物複合熱可塑性樹脂シート同士の幅繋ぎによる縫製を行う際、シート相互の端部1~10cm幅を「のりしろ」として積重する溶着接合を可能とする。この溶着接合部分の界面は上側シートのアクリル系樹脂塗膜層と、下側シートのフッ素系樹脂層で、互いの樹脂層が熱溶融一体化することで溶着接合部分の接着力を強固なものとする。溶着接合には熱コテ式、熱板式、熱風式、超音波ウエルダー、超音波ミシン、などが挙げられるが、高周波による溶着が最も効果的、かつ効率的で好適である。具体的に高周波ウエルダー機は、精電舎電子工業株式会社の大型シート、テント専用機(KU、KU-P、KV-TAF、KV-Nの各シリーズなど)、山本ビニター株式会社のテント・シート専用機(CANEST-5U、CANEST-8U/8UW、YTO-8A、CANEST-5/5Aなど)、クインライト電子精工株式会社のLW5500-APH、LW70CN-R1300(ロータリー式)などを使用して、多数のパーツ(織物複合熱可塑性樹脂シート)を溶着接合で連結することで、ドーム状テント、サーカステント、パビリオン、屋内スポーツ場、屋内プールなどに用いる立体縫製物を得ることができる。立体縫製物(フッ素系樹脂層を外側面として使用)は市販のマーキングフィルムによる切り文字や図案などを貼着したデザイン立体縫製物も、本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み方法、並びその折り畳み物の範疇である。
〈フッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合熱可塑性樹脂シートの一例〉
1)織物複合熱可塑性樹脂シート
ポリエステル繊維平織物(経糸1111dtexマルチフィラメント糸条:糸密度22本/2.54cm×緯糸1111dtexマルチフィラメント糸条:糸密度24本/2.54cm:空隙率21%:質量165g/m)を基材として、その両面に下記軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる厚さ0.2mmのカレンダー成型フィルムを熱圧着によるブリッジ溶融ラミネートにより、厚さ0.65mm、幅3.04m、質量680g/mの織物複合熱可塑性樹脂シート(ターポリン)を得た。
〈軟質塩化ビニル樹脂組成物〉
塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
フタル酸ジイソノニル(DINP:可塑剤) 50質量部
リン酸トリクレジル(TCP:防炎可塑剤) 10質量部
エポキシ化大豆油(安定剤兼可塑剤) 5質量部
バリウム/亜鉛複合安定剤 2質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 10質量部
ルチル型酸化チタン(白顔料) 5質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
上記の織物複合熱可塑性樹脂シート(白色ターポリン)の裏面に、下記アクリル樹脂塗膜層用の塗工液(固形分濃度16.7質量%)を用い、80メッシュのグラビアロール塗工、及び乾燥により、質量4g/mのアクリル樹脂塗膜層(透明)を形成した。
〈アクリル樹脂塗膜層用溶液〉
メタクリル酸メチル樹脂(アクリル樹脂) 100質量部
メチルエチルケトン(希釈溶剤) 250質量部
トルエン(希釈溶剤) 250質量部
次に、得られた織物複合熱可塑性樹脂シートの表面(アクリル樹脂塗膜層形成面ではない)に下記アミノエチル化アクリル樹脂エポキシ組成物の溶液を80メッシュのグラビアロール塗工、及び乾燥により、質量4g/mのアミノエチル化アクリル樹脂エポキシ組成物層(半硬化状態かつ透明)を形成した。
〈アミノエチル化アクリル樹脂エポキシ組成物〉
一級アミノ基含有アクリル系樹脂 100質量部
※メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸共重合
物のカルボキシル基にポリエチレンイミンがグラフトし、側鎖が-COO(CH
NH)Hの化学式で示されるアミン価(固形分1gに含むアミンmmol数)0.
7~1.3mmol/g
エポキシ樹脂(エポキシ当量260g/eqのビスフェノールA骨格含有3官能エポキシ
樹脂) 20質量部
メチルエチルケトン(MEK希釈剤) 150質量部
トルエン(希釈剤) 150質量部
2)フッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合熱可塑性樹脂シート
次に、織物複合熱可塑性樹脂シートのアミノエチル化アクリル樹脂エポキシ組成物層(半硬化状態)側に厚さ25μmのポリビニリデンフルオライド(透明)フィルム(コロナ処理あり)を160℃の熱ロール条件のラミネーターを通過させ、熱圧着して、フッ素系樹脂/アミノエチル化アクリル樹脂エポキシ硬化物(接着層)からなるフッ素系樹脂層を形成し、厚さが0.69mm、幅3.04m、質量730g/mのフッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合熱可塑性樹脂シート(白色)を得た。
3)立体縫製物
厚さ0.69mm、幅3.04m、質量730g/mのフッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合熱可塑性樹脂シート(白色)を用い、天蓋部:3m幅×4m長(長方形)、正面及び裏面の側壁部:4m長×3m高(長方形)、両サイド側壁部:3m幅×3m高(正方形)の箱型の立体縫製物(フッ素系樹脂層を外面とする)を下記条件で作成した。
高周波溶着機:山本ビニター株式会社(YTO-8A)
シートの縫製:シート端部4cm幅をのりしろとする積重接合
ウエルダーバー:4cm幅×50cm長(平刃)
陽極電流:0.8A×通電時間5秒×冷却時間3秒
[実施例1]
1)箱型の立体縫製物(フッ素系樹脂層を外面とする)の表裏を反転し、フッ素系樹脂層を内側とした。
2)この表裏反転立体縫製物を下記のように平坦に潰し畳んだ。まず潰し畳み時の嵩張り部分となる天蓋部の長方形(3m幅×4m長)を、正面と裏面の側壁部の長方形(4m長×3m高)の長さ方向と平行に谷折りで2つ折りし、また平坦に潰し畳む際の嵩張り部分となる両サイド側壁部の長方形(3m幅×3m高)を谷折りで2つ折りし、嵩張り部分を正面と裏面の側壁部の長方形(4m長×3m高)の左右端部に折り込んで覆い隠した状態の平坦な潰し畳み体(約4m長×約3m幅)とした。
3)この平坦に潰し畳まれた表裏反転立体縫製物(約4m長×約3m幅)の長さ方向と略平行にW状の見掛け形状の折り畳み断面となるように約0.75m毎に3回折り畳み、長さ約4m×幅約0.75mの表裏反転立体縫製物の折り畳み物(中間状態)とした。(この折り畳みで生じる3ケ所の山折り襞の稜線断面は2層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される。)
4)この表裏反転立体縫製物(長さ約4m×幅約0.75m)の長さ方向に対して略垂直に、W状の見掛け形状の折り畳み断面となるように約1m毎に3回折り畳み、長さ約1m×幅約0.75m×高さ約8~10cmの表裏反転立体縫製物の折り畳み物(最終状態)とした。(この折り畳みで生じる3ケ所の山折り襞の稜線断面は8層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される。)
〈フッ素系樹脂層のダメージ評価〉
「1)→2)→3)→4)」の折り畳み(24時間静置)と、「4)→3)→2)→1)」展開を1セットとし、10セット実施した。
10セット終了後に展開し、正面と裏面の側壁部の長方形(4m長×3m高)における十字の折り曲げ部18ケ所(9ケ所×正面及び裏面の側壁部)のフッ素系樹脂層のダメージを評価したところ、18ケ所全てが軽微なシワで済み、この折れシワは立体縫製物の展張施工により経時的に回復し、1ケ月後には目立たないものとなっていた。
[実施例2]
実施例1の箱型の立体縫製物の折り畳み工程1)~4)の工程のうち、工程4)を、下記の工程4a)に変更した以外は実施例1と同様とした。
4a)この表裏反転立体縫製物(長さ約4m×幅約0.75m)の長さ方向に対して略垂直に、渦巻状の見掛け形状の折り畳み断面となるように4回半巻き(最初の1巻きに3ケ所の折れ曲がり部を伴う)、高さ約0.3m×幅約0.3m×長さ約0.75mの表裏反転立体縫製物の折り畳み巻物(最終状態)とした。
〈フッ素系樹脂層のダメージ評価〉
「1)→2)→3)→4a)」の折り畳み(24時間静置)と、「4a)→3)→2)→1)」展開を1セットとし、10セット実施した。
10セット終了後に展開し、正面と裏面の側壁部の長方形(4m長×3m高)における山折り部6ケ所(3ケ所×正面及び裏面の側壁部)のフッ素系樹脂層のダメージを評価したところ、6ケ所全てが軽微なシワで済み、この折れシワは立体縫製物の展張施工により経時的に回復し、1ケ月後には目立たないものとなっていた。
[実施例3]
箱型の立体縫製物(フッ素系樹脂層を片面に有する)において、潰し畳み時の嵩張り部分となる天蓋部の長方形(3m幅×4m長)を、正面と裏面の側壁部の長方形(4m長×3m高)の長さ方向と平行に谷折りで2つ折りし、また平坦に潰し畳む際の嵩張り部分となる両サイド側壁部の長方形(3m幅×3m高)を谷折りで2つ折りし、嵩張り部分を正面と裏面の側壁部の長方形(4m長×3m高)の左右端部に折り込んで覆い隠した状態な平坦に潰し畳み体(約4m長×約3m幅)とし、この平坦に潰し畳まれた立体縫製物(約4m長×約3m幅)の長さ方向と略平行にW状の見掛け形状の折り畳み断面となるように約0.75m毎に3回折り畳んで、長さ約4m×幅約0.75mの立体縫製物の折り畳み物(中間状態)として、この立体縫製物(長さ約4m×幅約0.75m)の長さ方向に対して略垂直に、W状の見掛け形状の折り畳み断面となるように約1m毎に3回折り畳んで得られた、長さ約1m×幅約0.75m×高さ約8~10cmの立体縫製物の折り畳み物(最終状態)は、
「長さ約1m×幅約0.75m×高さ約8~10cmの最終的な折り畳み物で、長さ方向と略平行略平行に幅約0.75m毎に3回折り畳まれたW状の見掛け形状の折り畳み断面を成すもので(この折り畳みで生じた3ケ所の山折り襞の稜線断面は8層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される。)最終的な折り畳み物を展開したものは、長さ約4m×幅約0.75mの折り畳み物中間体で、長さ方向と略平行略平行に幅約0.75m毎に3回折り畳まれたW状の見掛け形状の折り畳み断面を成すもので(この折り畳みで生じた3ケ所の山折り襞の稜線断面は2層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される。)、さらにこの折り畳み物中間体(長さ約4m×幅約0.75m)を展開したものは、長さ約4m×幅約3mの平坦に潰し畳まれた立体縫製物であり、この立体縫製物は実施例1で使用したものと同一である。」
〈フッ素系樹脂層のダメージ評価〉
立体縫製物の折り畳みと、その展開(1セット)を10セット実施した。
10セット終了後に展開し、正面と裏面の側壁部の長方形(4m長×3m高)における十字の折り曲げ部18ケ所(9ケ所×正面及び裏面の側壁部)のフッ素系樹脂層のダメージを評価したところ、18ケ所全てが軽微なシワで済み、この折れシワは立体縫製物の展張施工により経時的に回復し、1ケ月後には目立たないものとなっていた。
[実施例4]
実施例3において、最終状態の立体縫製物の折り畳み物とした、W状の見掛け形状の折り畳み断面となるような約1m毎の3回折り畳みを、立体縫製物(長さ約4m×幅約0.75m)の長さ方向に対して略垂直に、渦巻状の見掛け形状の折り畳み断面となるような4回半巻き(最初の1巻きに3ケ所の折れ曲がり部を伴う)に変更した以外は実施例3と同様として得た、高さ約0.3m×幅約0.3m×長さ約0.75mの立体縫製物の折り畳み巻物(最終状態)は、
「高さ約0.3m×幅約0.3m×長さ約0.75mの最終的な立体縫製物の折り畳み巻物で、長さ方向に渦巻状の見掛け形状の断面で4回半巻き(最初の1巻きに3ケ所の折れ曲がり部を伴う)で折り畳まれたもので、最終的な折り畳み巻物を展開したものは、長さ4m×幅約0.75mの折り畳み物中間体で、長さ方向と略平行略平行に幅約0.75m毎に3回折り畳まれたW状の見掛け形状の折り畳み断面を成すもので(この折り畳みで生じた3ケ所の山折り襞の稜線断面は2層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される。)、さらにこの折り畳み物中間体(長さ約4m×幅約0.75m)を展開したものは、長さ約4m×幅約3mの平坦に潰し畳まれた立体縫製物であり、この立体縫製物は実施例1で使用したものと同一である。」
〈フッ素系樹脂層のダメージ評価〉
立体縫製物の折り畳みと、その展開(1セット)を10セット実施した。
10セット終了後に展開し、正面と裏面の側壁部の長方形(4m長×3m高)における山折り部6ケ所(3ケ所×正面及び裏面の側壁部)のフッ素系樹脂層のダメージを評価したところ、6ケ所全てが軽微なシワで済み、この折れシワは立体縫製物の展張施工により経時的に回復し、1ケ月後には目立たないものとなっていた。
[比較例1]
実施例1の折り畳み工程3)及び4)を工程3b)及び4b)に変更した。
3b)まず潰し畳まれた表裏反転立体縫製物(約4m長×約3m幅)の長さ方向と略平行に2つ折りして表裏反転立体縫製物(約4m長×約1.5m幅)とし、さらに表裏反転立体縫製物(約4m長×約1.5m幅)の長さ方向と略平行に2つ折りして表裏反転立体縫製物(約4m長×約0.75m幅)の折り畳み物の中間状態(V字に折ったものを、さらにV字に折ったもの)とした。
4b)この表裏反転立体縫製物(長さ約4m×幅約0.75m)の長さ方向に対して略垂直に、2つ折りして表裏反転立体縫製物(長さ約2m×幅約0.75m)とし、さらに表裏反転立体縫製物(長さ約2m×幅約0.75m)の長さ方向と略平行に2つ折りして得られた表裏反転立体縫製物(約1m長×約0.75m幅)の折り畳み物の最終状態(V字に折ったものを、さらにV字に折ったもの)は、
「長さ約1m×幅約0.75m×高さ約22~25cmの最終的な折り畳み物で、表裏反転立体縫製物(約2m長×約0.75m幅)が長さ方向と略平行に2つ折りされた折り畳み物中間体で(この折り畳み物で生じる中央の山折り襞の稜線断面は16層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される。)、またこの表裏反転立体縫製物(約2m長×約0.75m幅)は、約4m長×約0.75m幅の表裏反転立体縫製物が長さ方向と略平行に2つ折りされた折り畳み物中間体であり、これを展開した長さ約4m×幅約0.75mの折り畳み物中間体は、表裏反転立体縫製物(約4m長×約1.5m幅)の長さ方向と略平行に2つ折りされた折り畳み物中間体で(この折り畳み物で生じる中央の山折り襞の稜線断面は4層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される。)、これを展開した表裏反転立体縫製物(約4m長×約1.5m幅)は、潰し畳まれた表裏反転立体縫製物(約4m長×約3m幅)の長さ方向と略平行に2つ折りされた折り畳み物中間体で、さらにこの折り畳み物中間体(長さ約4m×幅約1.5m)を展開したものは、長さ約4m×幅約3mの平坦に潰し畳まれた立体縫製物であり、この立体縫製物は実施例1で使用したものと同一である。」
〈フッ素系樹脂層のダメージ評価〉
「1)→2)→3b)→4b)」の折り畳み(24時間静置)と、「4b)→3b)→2)→1)」展開を1セットとし、10セット実施した。
10セット終了後に展開し、正面と裏面の側壁部の長方形(4m長×3m高)における十字の折り曲げ部18ケ所(9ケ所×正面及び裏面の側壁部)のフッ素系樹脂層のダメージを評価したところ、16層の織物複合熱可塑性樹脂シートを含む中央の山折り襞の尾根(最外層)に位置する織物複合熱可塑性樹脂シートのフッ素系樹脂層へのダメージが最も大きく、16層の織物複合熱可塑性樹脂シートの厚さを山折りとした時の尾根部の伸びが大きく、反対側の谷部での圧縮歪みが過度となることで6ケ所においてフッ素系樹脂層でのシワが目立ち、この折れシワは立体縫製物の展張施工後1ケ月経っても元に回復できないものであった。
実施例1~4及び比較例1~2では、全て同一規格の立体縫製物を使用して、各々折り畳み工程を異にするものである。この比較例1で得た、長さ約1m×幅約0.75m×高さ約22~25cmの最終的な折り畳み物は、実施例1及び実施例3で得られた最終的な折り畳み物と長さと幅が同一であり、折り畳みの回数、間隔も同一である。
実施例1の折り畳み物が、W字の見掛け形状の断面に折り畳んだ中間体を、方向を90°変えてW字の見掛け形状の断面に折り畳んだもので、山折り襞の稜線断面は8層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成されたものであるのに対し、比較例1の折り畳み物は、V字の見掛け形状の断面に折り畳み、さらにV字の見掛け形状の断面に折り畳んだ中間体を、方向を90°変えてV字の見掛け形状の断面に折り畳み、さらにV字の見掛け形状の断面に折り畳んだもので、山折り襞の稜線断面は16層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成されたものであるため、その折り畳み物は折り曲げ部の反発が大きく折り曲げ部が大きく膨らむことで折り畳み物の高さは実施例1の折り畳み物の高さ約8~10cmに対して、約22~25cmと約2倍以上に嵩むもの、すなわち実施例1の折り畳み物はコンパクトなものであった。
[比較例2]
実施例1の折り畳み工程3)及び4)を工程3c)4c)及び3d)4d)に変更した。
3c)まず潰し畳まれた表裏反転立体縫製物(約4m長×約3m幅)の長さ方向と略平行に2つ折り(V字折り)して表裏反転立体縫製物(約4m長×約1.5m幅)とした。
4c)この表裏反転立体縫製物(長さ約4m×幅約1.5m)の長さ方向に対して略垂直に、2つ折り(90°方向を変えてV字折り)して表裏反転立体縫製物(長さ約2m×幅約1.5m)とした。
3d)この表裏反転立体縫製物(長さ約2m×幅約1.5m)の長さ方向と略平行に2つ折り(90°方向を変えてV字折り)して表裏反転立体縫製物(約2m長×約0.75m幅)とした。
4d)この表裏反転立体縫製物(長さ約2m×幅約0.75m)の長さ方向に対して略垂直に、2つ折り(90°方向を変えてV字折り)して表裏反転立体縫製物(長さ約1m×幅約0.75m×高さ約19~22cm)の折り畳み物(最終状態)は、
「長さ約1m×幅約0.75m×高さ約19~22cmの最終的な折り畳み物で、表裏反転立体縫製物(約2m長×約0.75m幅)の長さ方向に対して略垂直に2つ折りされた折り畳み物中間体で(この折り畳み物で生じる中央の山折り襞の稜線断面は16層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される。)、またこの表裏反転立体縫製物(約2m長×約0.75m幅)は、表裏反転立体縫製物(長さ約2m×幅約1.5m)の長さ方向と略平行に2つ折りされた折り畳み物中間体であり、これを展開した長さ約2m×幅約1.5mの折り畳み物中間体は、表裏反転立体縫製物(長さ約4m×幅約1.5m)の長さ方向に対して略垂直に、2つ折りされた折り畳み物中間体で(この折り畳み物で生じる中央の山折り襞の稜線断面は4層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成される。)、これを展開した表裏反転立体縫製物(約4m長×約1.5m幅)は、潰し畳まれた表裏反転立体縫製物(約4m長×約3m幅)の長さ方向と略平行に2つ折りされた折り畳み物中間体で、さらにこの折り畳み物中間体(長さ約4m×幅約1.5m)を展開したものは、長さ約4m×幅約3mの平坦に潰し畳まれた立体縫製物であり、この立体縫製物は実施例1で使用したものと同一である。」
〈フッ素系樹脂層のダメージ評価〉
「1)→2)→3c)→4c)→3d)→4d)」の折り畳み(24時間静置)と、4d)→3d)→4c)→3c)→2)→1)展開を1セットとし、10セット実施した。
10セット終了後に展開し、正面と裏面の側壁部の長方形(4m長×3m高)における十字の折り曲げ部18ケ所(9ケ所×正面及び裏面の側壁部)のフッ素系樹脂層のダメージを評価したところ、16層の織物複合熱可塑性樹脂シートを含む中央の山折り襞の尾根(最外層)に位置する織物複合熱可塑性樹脂シートのフッ素系樹脂層へのダメージが最も大きく、16層の織物複合熱可塑性樹脂シートの厚さを山折りとした時の尾根部の伸びが大きく、反対側の谷部での圧縮歪みが過度となることで6ケ所においてフッ素系樹脂層でのシワが目立ち、この折れシワは立体縫製物の展張施工後1ケ月経っても元に回復できないものであった。
この比較例2で得た、長さ約1m×幅約0.75m×高さ約19~22cmの最終的な折り畳み物は、実施例1及び実施例3で得られた最終的な折り畳み物と長さと幅が同一であり、折り畳みの回数、間隔も同一である。
実施例1の折り畳み物が、W字の見掛け形状の断面に折り畳んだ中間体を、方向を90°変えてW字の見掛け形状の断面に折り畳んだもので、山折り襞の稜線断面は8層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成されたものであるのに対し、比較例2の折り畳み物は、V字の見掛け形状の断面に折り畳み、さらに方向を90°変えてV字の見掛け形状の断面に折り畳んだ中間体を、方向を元に戻してV字の見掛け形状の断面に折り畳み、さらにまた方向を90°変えてV字の見掛け形状の断面に折り畳んだもので、山折り襞の稜線断面は16層の織物複合熱可塑性樹脂シートで構成されたものであるため、その折り畳み物は折り曲げ部の反発が大きく折り曲げ部が大きく膨らむことで折り畳み物の高さは実施例1の折り畳み物の高さ約8~10cmに対して、約19~22cmと約2倍以上に嵩むもの、すなわち実施例1の折り畳み物はコンパクトなものであった。
上記、実施例、及び比較例から明らかな様に、本発明のテント構造物用立体縫製物の折り畳み方法によれば、フッ素系樹脂層の折れシワ痕、及びチョークマーク(白傷)の発生とその蓄積の軽減を可能とする立体縫製物の(コンパクトな)折り畳み物が得られるので、この折り畳み物を展開して用いたドーム状テント、サーカステント、パビリオン、屋内スポーツ場、屋内プール、屋形テントなどの膜構造施設では施工後の外観が美麗に保たれ、特に解体と組み立てを繰り返すサーカステント構造物に使用しても、フッ素系樹脂層の折れシワ痕、及びチョークマーク(白傷)の発生とその蓄積の軽減を可能とする。

Claims (2)

  1. フッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合軟質塩化ビニル樹脂シートによる多数のパーツを溶着接合してなる立体縫製物を折り畳むに際し、1)前記立体縫製物の表裏を反転し、前記フッ素系樹脂層を内側とする工程、2)この表裏反転立体縫製物を平坦に潰し畳む工程、3)この平坦に潰し畳まれた表裏反転立体縫製物の長さ方向と略平行、または幅方向と略平行に折り畳み、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、の何れかの見掛け形状の断面となるように折り畳む工程、4)この折り畳まれた表裏反転立体縫製物の長さ方向に折り畳み、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、及び渦巻状、の何れかの見掛け形状の断面となるように折り畳む工程、を含むことを特徴とするテント構造物用立体縫製物の折り畳み方法。
  2. フッ素系樹脂層を片表面に有する織物複合軟質塩化ビニル樹脂シートによる多数のパーツを溶着接合してなる立体縫製物の折り畳み物であって、前記立体縫製物の表裏を反転させて前記フッ素系樹脂層を内側に平坦に潰し畳まれ、かつ長さ方向と略平行、または幅方向と略平行に折り畳まれ、この折り畳みで生じる山折り襞の稜線断面は2層の前記織物複合軟質塩化ビニル樹脂シートで構成され、さらにこの折り畳み物の長さ方向に折り畳まれ、V状、N状、N変形状、W状、W変形状、ジグザグ状、及び渦巻状、の何れかの見掛け形状の断面で折り畳まれていることを特徴とするテント構造物用立体縫製物の折り畳み物。
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