JP2013022796A - ターポリン及びその熱融着接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ターポリン同士の熱融着接合が可能であり、ターポリン本体の強度やクリープ性を犠牲にすることなく、またターポリンの上下・左右の方向性に関係なく、接合部における耐熱クリープ性に安定して優れるターポリンであって、大型テント(パビリオン)、テント倉庫、日除けテント、建築物天井膜、建築物壁膜、水槽、及びコンテナバッグなどの膜構造物用途に適して用いられるターポリン接合体の提供。
【解決手段】繊維性基布の両面に熱可塑性樹脂層を被覆してなる可撓性積層体において、少なくとも経糸群または緯糸群のいずれか一方の群の構成要素として複数のフィラメント単糸を右撚りで束ねたS撚合撚糸と、複数のフィラメント単糸を左撚りで束ねたZ撚合撚糸とを、本数比率1:2〜2:1の範囲、かつS撚合撚糸とZ撚合撚糸の総和が6〜39本/1インチの配置で含む繊維性基布を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は大型テント(パビリオン)、テント倉庫、日除けテント、建築物天井膜、建築物壁膜、水槽、及びフレキシブルコンテナバッグなどの膜構造物用途に用いられるターポリンに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、ターポリン同士の熱融着接合が可能であり、ターポリン本体の強度やクリープ性(応力緩和性)を犠牲にすることなく、またターポリンの上下・左右の使用方向に関係なく、接合部における耐熱クリープ性(加温時の応力緩和性)に安定して優れるターポリンと、それによって得られる上記膜構造物に用いる熱融着接合体に関するものである。
中大型テント、日除けテント、テント倉庫などの膜構造物の原反素材、及びフレキシブルコンテナバッグなどに用いる産業資材シートは、繊維織物の表面を熱可塑性樹脂による防水層で被覆したターポリンが広く普及している。これらの膜構造物は複数のターポリンのパーツを繋ぎ合わせ、各々端部同士を重ね合わせた状態で熱溶着することで得られるが、この接合部分において互いの繊維織物が一体化しておらず、熱可塑性樹脂による防水層のみで一体化しているため、接合部の強度は本質的にターポリン本体の強度よりも劣るものである。特に、中大型テント、日除けテント、テント倉庫などの膜構造物では、夏場にターポリン表面温度が60℃以上を超えると、防水層の熱可塑性樹脂が軟化して、繊維織物と防水層との密着性が低下することでいっそう接合部が破壊し易い問題がある。また、石油化学品工場では製造直後の樹脂ペレットを1t単位でフレキシブルコンテナバッグに充填する工程があるが、気温やペレット蓄熱によって、同様に防水層の熱可塑性樹脂が軟化することで接合部が糸抜け破壊し易い状態にあり、コンテナバッグを吊り上げた時にコンテナバッグが底抜け破壊を起して樹脂ペレットを地面に撒き散らす事故を生じることがある。
このような高温環境でのターポリン膜構造物の接合部の糸抜け破壊を防止する手段(耐熱クリープ性改良)として、熱可塑性樹脂層と繊維織物との接着性改良の提案や、熱可塑性樹脂層の耐熱性改良などが提案されている。例えば、接着性改良の提案として、熱可塑性樹脂層に対するアンカー(投錨)効果を目的として、フィラメント糸と繊維長の短いステープル糸とを混撚りした撚合糸で形成した繊維基布の少なくとも一方の面に被覆する被覆材とで形成したターポリン(特許文献1)、経糸に短繊維紡績糸条を含み、緯糸にマルチフィラメント単糸を含む交織織物、または経糸に短繊維紡績糸条を含み、緯糸にマルチフィラメント単糸を短繊維で被覆してなるコアスパン糸条を含む交織織物を用いることで経緯方向のクリープバランス性を得たテント構造物用防水性積層膜材(特許文献2)が開示されている。また、ポリエステルマルチフィラメントのタスラン糸の撚糸からなる織編物を熱可塑性樹脂で被覆してなる積層体製品の縫製裁断面などから雨水などが毛細管現象により侵入し、一緒に侵入した汚れやバクテリア、カビなどの菌類によりシミが発生して美観を失なうことを防止した積層体が開示されている。(特許文献3)また例えば、耐熱性改良の提案として、ポリオレフィン系樹脂層にオキサゾリン基含有共重合樹脂を含むことにより耐熱クリープ性を付与したポリオレフィン系樹脂製ターポリンが開示されている。(特許文献4)また一方で、根本的な接合部破壊防止の提案として、ポリオレフィン系樹脂シートの熱融着接合部を異融点複合縫糸で縫い、次いで異融点複合縫糸の低融点成分を熱溶融させることによってシート本体と縫糸とを複合させ、それにより耐熱クリープ性に優れるポリオレフィン系樹脂シート接合体が開示されている。(特許文献5)
特許文献1の高温クリープ性改良は、長繊維にステープル糸を混撚りすることで繊維織物表面にステープル糸の起毛を設け、この起毛に被覆材の溶融部分が入り込んでステープル糸と絡み合うことでアンカーを得ようとするものである。この方法では確かに高温でのクリープ性向上を得ることが可能である。しかし、十分なアンカー効果を得るにはステープル糸の混撚量を多くする必要があり、ステープル糸の混撚量を多くすることで混撚糸本体の強度が大幅に低下する。特許文献2のテント構造物用防水性積層膜材は、経緯方向のクリープバランスを調整する目的で、経糸と緯糸に各々異なる伸度特性の糸条を用いたものであるが、経糸に短繊維紡績糸条を用いることで経方向の伸び率が大きく、しかも強度に劣る。特許文献3の積層体は、タスラン糸の撚糸からなる織編物を用いる理由がタスラン撚糸内に樹脂を浸透させることで堰層体断面からの毛管現象による吸水を防止するものであり、この積層体による耐熱クリープ性の効果については不明である。また、特許文献3の積層体はS撚タスラン糸を経糸、及び緯糸に用いた織編物で、糸の撚り方向は経方向で全て同一、緯方向で全て同一である。このような積層体は積層体の上下方向や左右方向の使用方向を変えると撚糸の登り螺旋は、それが反転することで下り螺旋に変じ、糸の引き抜き抵抗力を不十分とするなどクリープ性に方向依存性を有している。また特許文献4のターポリンはオキサゾリン基含有共重合樹脂の開環反応による基布との架橋効果による耐熱クリープ性向上を意図するものであるが、用いる基布の官能基の有無と種類によっては架橋効果が得られず、耐熱クリープ性が向上できない用例がある。また特許文献5のシート接合体の耐熱クリープ性は熱融着された接合部が更にミシン縫合しているため格別の耐熱クリープ特性を得ることを可能とするが、1).ターポリン同士の熱融着、2).ミシン縫合、3).接合部と縫糸との熱融着なる3工程を必須とするため、パーツの多い設計商品での実施は手間が掛かり過ぎる難点がある。従ってターポリン本体の強度やクリープ性を犠牲にすることなく、またターポリンの上下・左右の使用方向に無関係で、良好な耐熱クリープ性を容易に得ることができるターポリンは存在していなかった。
特開2009−262382号公報 特開2005−169655号公報 特開平8−169070号公報 特開2006−045685号公報 特開2003−164680号公報
本発明は、ターポリン同士の熱融着接合が可能であり、ターポリン本体の強度やクリープ性を犠牲にすることなく、またターポリンの上下・左右の使用方向に関係なく、接合部における耐熱クリープ性に安定して優れるターポリンであって、大型テント(パビリオン)、テント倉庫、日除けテント、建築物天井膜、建築物壁膜、水槽、及びコンテナバッグなどの膜構造物用途に適して用いられるターポリン接合体を提供しようとするものである。
本発明はかかる点を考慮し鋭意検討した結果、繊維性基布の両面に熱可塑性樹脂層を被覆してなる可撓性積層体において、少なくとも経糸群または緯糸群のいずれか一方の群の構成要素として、複数のフィラメント単糸を右撚りで束ねたS撚合撚糸と、複数のフィラメント単糸を左撚りで束ねたZ撚合撚糸とを、本数比率1:2〜2:1の範囲、かつS撚合撚糸とZ撚合撚糸の総和が6〜39本/1インチの配置で含む繊維性基布を用いることによって、ターポリン本体の強度やクリープ性を犠牲にすることなく、接合部における耐熱クリープ性に優れるターポリンが得られることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明のターポリンは、繊維性基布の両面に熱可塑性樹脂層を被覆してなる可撓性積層体であって、前記繊維性基布が経糸群及び緯糸群とにより製織されたものであり、少なくとも前記経糸群または緯糸群のいずれか一方の群の構成要素として、複数のフィラメント単糸を右撚りで束ねたS撚合撚糸と、複数のフィラメント単糸を左撚りで束ねたZ撚合撚糸とを、本数比率1:2〜2:1の範囲、かつ前記S撚合撚糸とZ撚合撚糸の総和が6〜39本/1インチの配置で含むことが好ましい。本発明のターポリンは繊維性基布内に互いに撚方向の異なる、S(右)撚合撚糸とZ(左)撚合撚糸の2種類を特定本数比率で配置することによって、耐熱クリープ性の向上を図るものである。これは、合撚糸に発生する螺旋がネジ山の役割を果たし、熱可塑性樹脂層との接着性を向上させると同時に接合部における合撚糸の引き抜き抵抗力を増すことでクリープ性を向上させるものである。従来のターポリンは経糸群及び緯糸群を構成する撚糸の撚り方向が同一であるため、ターポリンの上下方向を変えると撚糸の登り螺旋は、それが反転することで下り螺旋に変じて撚糸の引き抜き抵抗力への寄与効果が不十分となる。本発明では、右撚螺旋の糸条、すなわちS撚合撚糸と、左撚螺旋の糸条、すなわちZ撚合撚糸の互いに異なる2種類のネジ山螺旋を有することで、ターポリンの上下方向を転じたり、ターポリンの左右方向を変えたりしても安定して優れた接合部のクリープ性が得られる。
本発明のターポリンは前記フィラメント単糸が、撚数50〜300T/mの範囲の撚糸であることが好ましい。このように合撚糸を構成するフィラメント単糸においても撚りによる小螺旋を設けることで、合撚糸の大螺旋とが相乗効果して、熱可塑性樹脂層との接着性を向上させると同時に接合部における合撚糸の引き抜き抵抗力を増すことでクリープ性をより向上させることができる。
本発明のターポリンは、前記S撚合撚糸、及びZ撚合撚糸が、双糸、または三子撚糸のいずれかで、その合撚数が、50〜300T/mの範囲であることが好ましい。合撚による大螺旋が、その構成要素であるフィラメント単糸の小螺旋とが相乗効果して、熱可塑性樹脂層との接着性を向上させると同時に接合部における合撚糸の引き抜き抵抗力を増すことでクリープ性をより向上させることができる。
本発明のターポリンは、前記S撚合撚糸と前記Z撚合撚糸とが1本交互、または2本引揃交互で配置されていることが好ましい。これによって撚糸の引き抜き抵抗力を増し、ターポリン本体の強度やクリープ性を犠牲にすることなく、接合部の耐熱クリープにおけるターポリンの上下方向、または左右などの方向偏性の無いターポリンを得ることを可能とする。
本発明のターポリンは、前記熱可塑性樹脂層にオキサゾリン基含有重合体([化1])を前記熱可塑性樹脂層に対し、0.5〜30質量%の範囲内で有していることが好ましい。これによって繊維性基布と熱可塑性樹脂層との接着積層界面に架橋構造を形成することでターポリン本体の強度やクリープ性を犠牲にすることなく、接合部における耐熱クリープ性に優れるターポリンを得ることを可能とする。
本発明のターポリンは、前記熱可塑性樹脂層が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、及び酸化インジウムから選ばれた1種以上の金属酸化物粒子を5〜30質量%含み、晴天の屋外30℃の雰囲気下・30分後に、前記金属酸化物粒子を含まない熱可塑性樹脂層の表面温度と比較した時に2℃以上の遮熱性を有していることが好ましい。これによって屋外使用時において、太陽光による熱可塑性樹脂層の蓄熱を緩和し、熱可塑性樹脂層の温度を通常のターポリンよりも2℃以上、好ましくは5℃程度下げることによって、繊維性基布と熱可塑性樹脂層との接着力を低下させることなく、特に接合部における耐熱クリープ性に有利となるターポリンを得ることを可能とする。
本発明の熱融着接合体は、請求項1〜6いずれか1項に記載のターポリン同士による熱融着接合体であることが好ましい。熱融着時の加熱によって繊維性基布と熱可塑性樹脂層との接着積層界面に架橋構造を形成することでターポリン本体の強度やクリープ性を犠牲にすることなく、接合部における耐熱クリープ性に優れるターポリンを得ることを可能とする。
本発明のターポリンは、ターポリン本体の強度やクリープ性を犠牲にすることなく、またターポリンの上下・左右の使用方向に関係なく、接合部における耐熱クリープ性に安定して優れているので、本発明のターポリン接合体は、大型テント(パビリオン)、テント倉庫、日除けテント、建築物天井膜、建築物壁膜、水槽、及びコンテナバッグなどの膜構造物用途に適して用いることができる。
本発明のターポリンの断面図の一例 本発明に用いる繊維性基布の一例 (S撚合撚糸(双糸):Z撚合撚糸(双糸)=1:1交互配置) 本発明に用いる繊維性基布の一例 (S撚合撚糸(三子撚糸):Z撚合撚糸(三子撚糸)=1:1交互配置) 耐熱クリープ試験片の斜視図
本発明のターポリンは、繊維性基布の両面に熱可塑性樹脂層を被覆してなる可撓性積層体であって、繊維性基布が経糸群及び緯糸群とにより製織されたものであり、少なくとも経糸群または緯糸群のいずれか一方の群の構成要素として、複数のフィラメント単糸を右撚りで束ねたS撚合撚糸と、複数のフィラメント単糸を左撚りで束ねたZ撚合撚糸とを、本数比率1:2〜2:1の範囲、かつS撚合撚糸とZ撚合撚糸の総和が6〜39本/1インチの配置で含むものである。
本発明のターポリンに用いる繊維性基布は、織布、編布のいずれでもよく、織布としては平織、綾織、繻子織などが挙げられるが、特に平織織布が得られるターポリンの経・緯方向での物性バランスに優れるため好ましい。繊維性基布の経糸群・緯糸群を構成する糸条の素材は、合成繊維、天然繊維、半合成繊維、無機繊維、またはこれらの2種以上から成る混用繊維のいずれであってもよい。合成繊維として、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、芳香族ポリエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維などが例示でき、特にポリエステル繊維が好ましい。また綿、ケナフ、絹などの天然繊維からなる短繊維を合成繊維と併用したコアヤーンも使用できる。無機繊維としてはガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維などが例示できる。これらの合成繊維、天然繊維及び無機繊維などをフィラメント加工して得たフィラメント単糸が好ましい。
繊維性基布の経糸群・緯糸群を構成するS撚合撚糸及びZ撚合撚糸は、各々上記繊維から選ばれた1種以上からなるフィラメント単糸を2本、または3本を束ねて、それを50〜300T/mの範囲でそれぞれS撚り、またはZ撚りしたものである。具体的にフィラメント単糸は、マルチフィラメント単糸、短繊維紡績糸条、エア交絡糸条、コアヤーン、カバリングヤーンなどが挙げられ、繊維性基布の経糸群・緯糸群を構成するS撚合撚糸及びZ撚合撚糸は、フィラメント単糸に右撚を掛けたS撚フィラメント単糸と、左撚を掛けたZ撚フィラメント単糸を各々1本束ねて合撚した双糸が好ましく、あるいはS撚フィラメント単糸2本を束ねて合撚した双糸、またはZ撚フィラメント単糸2本を束ねて合撚した双糸も使用することができる。また3本のフィラメント単糸による構成では、S撚フィラメント単糸2本とZ撚フィラメント単糸1本、もしくはS撚フィラメント単糸1本とZ撚フィラメント単糸2本を束ねて合撚した三子撚糸が好ましく、あるいは3本のS撚フィラメント単糸を束ねて合撚した三子撚糸、または3本のZ撚フィラメント単糸を束ねて合撚した三子撚糸なども使用することができる。これら双糸または三子撚糸の撚り数が50T/m未満だと得られるターポリンの耐熱クリープ性が不十分となることがあり、また300T/mを越えると合撚糸の緊密性が高くなって合撚糸にできる螺旋の凹凸差が無くなることで、得られるターポリンに耐熱クリープ効果を得ることができないことがある。
繊維性基布は、経糸群及び緯糸群にS(右)撚合撚糸とZ(左)撚合撚糸とを含むことが好ましく、用途においては経糸群、または緯糸群のいずれか一方のみがS撚合撚糸とZ撚合撚糸とを含むものであってもよい。S撚合撚糸とZ撚合撚糸との併用は、経糸群、または緯糸群の1インチ幅あたり、S撚合撚糸とZ撚合撚糸との総和が6〜39本、好ましくは12〜27本であり、その本数比率は、1:2〜2:1、好ましくは1:1で併用配置して含むものである。本発明のターポリンは繊維性基布内に互いに撚方向の異なる、S撚合撚糸とZ撚合撚糸の2種類を特定本数比率で配置することによって、耐熱クリープ性の格段の性能向上、及びターポリン上下方向及び左右方向でのクリープ性の方向依存の均等化を図るものである。S撚合撚糸とZ撚合撚糸とは互いに撚方向が反対であるから、S撚合撚糸の配置方向を反転させたものはZ撚合撚糸と同一となり、また同様にZ撚合撚糸の配置方向を反転させたものはS撚合撚糸と同一となる。従って本発明の要件は、S撚合撚糸と、反転配置したS撚合撚糸との併用、及びZ撚合撚糸と、反転配置したZ撚合撚糸との併用も包含する。
S撚合撚糸及びZ撚合撚糸を構成するフィラメント単糸として、マルチフィラメント単糸は、250(278dtex)〜2000(2222dtex)デニールのもの、特に500(555dtex)〜1000(1111dtex)デニールが好ましい。これらの単糸デニールでは0.5〜10デニールの範囲である。エア交絡糸条は、マルチフィラメント単糸の製造時に、フィラメントの開繊混繊を行ない、気流の渦中で、巻き込みと絡みを強制することでルーズな絡みを多数形成してフィラメント糸としたもので、マルチフィラメント芯糸の開繊に、マルチフィラメント鞘糸の開繊を立体的に絡めてルーズな絡みを多数形成したものを含む。コアヤーンはマルチフィラメントを内層として外層に短繊維を絡めた混撚糸が好ましく、カバリングヤーンはマルチフィラメントを芯層として鞘層を別のマルチフィラメントで捲回形成した混撚糸が好ましい。
合撚糸を構成するフィラメント単糸の撚数は50〜300T/mが好ましい。フィラメント撚糸は、S撚のフィラメント単糸、及びZ撚のフィラメント単糸のいずれであってもよく、合撚糸の構成にはS撚フィラメント単糸とZ撚フィラメント単糸を併用することが繊維性基布の上下方向でのクリープバランス、及び左右方向でのクリープバランスの均等性に優れ好ましい。フィラメント単糸の撚り数が50T/m未満だと得られるターポリンの耐熱クリープ性が不十分となることがあり、また300T/mを越えるとこれらによるフィラメント単糸の緊密性が高くなることで、フィラメント単糸にできる小さな螺旋の凹凸差が無くなることで得られるターポリンに耐熱クリープ効果を得ることができないことがある。
経糸群、または緯糸群の1インチ幅あたりに含む、S撚合撚糸とZ撚合撚糸との総和数6〜39本/インチの打ち込み密度において、S撚合撚糸とZ撚合撚糸との本数比率は、1:2〜2:1、好ましくは1:1で併用配置して含むものである。この本数比率内であれば配置はランダムであってよいが、繰り返し単位が(S・Z・Z)、または(S・S・Z)が好ましく、特に1:1併用の場合、S撚合撚糸とZ撚合撚糸とが1本交互で配置されていること、あるいは2本引揃交互で配置されていることが耐熱クリープ性の向上効果の安定性に優れ好ましい。本発明ではこのように、右撚螺旋の糸条、すなわちS撚合撚糸と、左撚螺旋の糸条、すなわちZ撚合撚糸の互いに螺旋方向の異なる2種類のネジ山螺旋を繊維性基布に含ませること、及び合撚糸を構成するフィラメント単糸においてもS撚り及び/またはZ撚りによる小さな螺旋を複合的に設けることで、ターポリンの上下方向を変えたり、ターポリンの左右方向を変えたりしても安定して優れた接合部のクリープ性が得られる。
本発明のターポリンに用いる繊維性基布の空隙率(目抜け)は、5〜30%のもの、特に8〜24%のものが適している。繊維性基布の表裏面に形成される熱可塑性樹脂層は、繊維性基布の空隙部を介して相互にブリッジして融着することで繊維性基布と密着して積層されるため、この積層には空隙率との関係が密接となる。すなわち空隙率が5%未満だと相互のブリッジ融着性を低下させ、動的耐久性を悪くすることがある。空隙率が30%を越えると熱可塑性樹脂層相互のブリッジ融着性は向上するが、経緯方向のフィラメント単糸含有量が少なくなることで得られるターポリンの形態安定性が悪くなり、耐引裂性を悪くすることがある。空隙率は繊維性基布の単位面積中に占める繊維糸条の面積を百分率として求め、100から差し引いた値として求めることができる。空隙率は経方向10cm×緯方向10cmの平面を単位面積として求めることが好ましい。
これらの繊維性基布には、必要に応じて接着剤の塗布、樹脂含浸加工、吸水防止処理、防炎処理などを施すことができる。繊維性基布への接着処理はイソシアネート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物などの反応性化合物を有機溶剤中に溶かしたもの、微分散させたものが使用できる。
本発明のターポリンの熱可塑性樹脂層は、公知の熱可塑性樹脂およびエラストマーにより形成される組成物であり、これらは例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル系共重合体樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂(PE,PP)、オレフィン系共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、アクリル樹脂、アクリル系共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル系共重合体樹脂、スチレン樹脂、スチレン系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂(PET,PEN,PBTなど)、ポリエステル系共重合体樹脂、フッ素含有共重合体樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドなどであり、これらにはウレタンゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、クロルスルホン化ポリエチレン、SBR、EPDM、EPMなどの熱可塑性ゴムをブレンドして補助成分として含んでいてもよい。これらの熱可塑性樹脂のうち、特に高周波溶着性を有する塩化ビニル樹脂、塩化ビニル系共重合体樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、及びフッ素含有共重合体樹脂から選ばれた1種以上を高周波溶着性付与成分として熱可塑性樹脂層に対し50質量%以上含有することが好ましい。特に塩化ビニル樹脂の場合、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、公知の可塑剤を30〜150質量部配合した軟質塩化ビニル樹脂組成物が好ましい。本発明のターポリンの熱可塑性樹脂層には、安定剤、フィラー、着色剤、顔料、光輝性顔料、難燃剤、防炎剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防黴剤、抗菌剤、帯電防止剤、架橋剤などの公知の添加剤を任意に用いることができる。
本発明のターポリンの熱可塑性樹脂層には、オキサゾリン基含有重合体([化1])を熱可塑性樹脂層に対して、0.5〜30質量%の範囲内で含有することが好ましい。オキサゾリン基含有重合体は、熱可塑性樹脂層成形時の加熱、及び/または、高周波融着時の加熱によりオキサゾリン基が開環し、繊維性基布の官能基に付加反応することによって繊維性基布と熱可塑性樹脂層との積層界面に架橋接着構造を形成する。オキサゾリン基含有重合体はオキサゾリン基含有モノマーの自己重合体、またはオキサゾリン基含有モノマーと他のモノマーとの共重合体の何れの態様であってもよい。オキサゾリン基を含む単量体として具体的に、2−ビニル−2−オキサゾリン、5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−5,5−ジヒドロ−4H−1,3−オキサゾリン、4,4,6−トリメチル−2−ビニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリンなどのビニルオキサゾリン類が挙げられる。
また、オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーとしては、オキサゾリン基と反応しないモノマーであれば特に制限はないが、特にスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン置換体が好ましい。その他共重合可能なモノマーとしては、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどのビニル芳香族類、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル類、アクリル酸
エステル及びメタアクリル酸 エステルなどのエステル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含有α,β−不飽和モノマーなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
上記オキサゾリン基含有重合体の、熱可塑性樹脂層への配合混練量は、熱可塑性樹脂層に対して0.5〜30質量%、好ましくは2〜20質量%である。または熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5〜30質量部、好ましくは2〜20質量部である。配合混練量が0.5質量%未満では高周波融着部の破壊強度および耐熱クリープ性の向上効果が不十分となることがある。一方、30質量%を越えると繊維性基布との接着力向上への寄与効果が頭打ちとなり、カレンダー加工などのフィルム成形性に悪影響を及ぼすことがある。オキサゾリン基含有重合体の配合混練効果は、熱可塑性樹脂層内部にオキサゾリン基の開環による耐熱性の架橋構造を形成し、更に熱可塑性樹脂層と繊維性基布との積層界面に、オキサゾリン基の開環のよる架橋接着構造が形成することで得られるターポリンの耐熱特性を向上し、特にシート接合部においては耐熱クリープ性を飛躍的に向上することが可能となる。
従って本発明のターポリンに使用する繊維性基布には、熱可塑性樹脂層と繊維性基布との積層界面にオキサゾリン基の開環のよる架橋接着構造を形成する有機繊維が好ましく、特にポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、及びこれらの混用繊維、さらには綿、ケナフ、絹などの天然繊維からなる短繊維をこれらの合成繊維と併用したコアヤーンからなる平織織布が好ましい。
本発明のターポリンの熱可塑性樹脂層には、より耐熱クリープ性を向上させるために、熱可塑性樹脂層にシリカ粒子を含有させ、それによって熱可塑性樹脂層と繊維性基布との積層界面の架橋接着構造をさらに強固とすることが好ましい。この効果はオキサゾリン基含有重合体の開環反応物が、シリカ粒子と繊維性基布との間を架橋することによって得られ、これはオキサゾリン基含有重合体の開環物が繊維性基布と付加反応する一方で、シリカ粒子表面に有する水酸基がオキサゾリン基含有重合体の開環物とも付加反応する作用によるものである。シリカ粒子は平均粒径1〜20μm、特に2〜10μmの合成非晶質シリカ粒子が好ましい。シリカ粒子の添加量は熱可塑性樹脂100質量部に対して1〜20質量部が好ましい。1質量部未満では耐熱クリープ性の向上効果が不十分となることがあり、また20質量部を超えるとオキサゾリン基含有重合体の開環物との付加反応を独占して、オキサゾリン基含有重合体による繊維性基布との付加反応を阻害し、これによって熱可塑性樹脂層と繊維性基布との積層界面の架橋接着構造が脆弱化することがある。
本発明のターポリンの熱可塑性樹脂層には、夏の屋外使用の場合に、より耐熱クリープ性を向上させるために、熱可塑性樹脂層に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、及び酸化インジウムから選ばれた1種以上の金属酸化物粒子を5〜30質量%含み、熱可塑性樹脂層が遮熱性を有することが好ましい。この熱可塑性樹脂層の遮熱性とは具体的に晴天の屋外30℃の雰囲気下・30分後に、金属酸化物粒子を含まない熱可塑性樹脂層の表面温度と比較した時に2℃以上の温度差を有するものである。特に上記金属酸化物粒子を熱可塑性樹脂層に対して10質量%程度含有するターポリンでは上記金属酸化物粒子を含有しない熱可塑性樹脂層と比較して表面温度が約5℃低くなる効果を得ることができる。この熱可塑性樹脂層の遮熱効果によって屋外環境において使用される例えばテント膜構造物などの熱溶着接合部における耐熱クリープ性(膜材の自重による荷重テンション、風圧による衝撃テンション)が飛躍的に有利となる。これはテント膜構造物などの熱溶着接合部における耐熱クリープ性が熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の熱的特性に依存するためであり、より高温となるほどにその塑性変形率が大きくなるためである。従って同じ温度環境であれば、ターポリン自体に遮熱特性を有するものが耐熱クリープ性には有利で効果的である。特にテント膜構造物は任意の着色による意匠性が付与される事例が多いが、このような顔料着色では白色に較べてターポリン表面の温度が5〜15℃程度上昇し、膜構造物の接合部では白色ターポリンよりも高度な耐熱クリープ性を必要とする。従って濃色着色ターポリンであっても熱可塑性樹脂層に金属酸化物粒子を5〜30質量%含むことによる遮熱効果により、実際の耐熱クリープ性の発現温度領域を下るので、着色ターポリンであっても蓄熱を制御して安定した耐熱クリープ性を得ることを可能とする。
本発明のターポリンの熱可塑性樹脂層用フィルム成形方法としては、公知の成型加工方法、例えばT−ダイス押出法、インフレーション法、カレンダー法などによって加工することができる。熱可塑性樹脂層の厚みは、特に限定される物ではないが、80〜800μm、特に160〜400μmであることが好ましい。厚みが80μmよりも薄いと繊維性基布に熱ラミネートした時に繊維性基布の織交点部の凹凸でフィルムの頭切れを起こし、防水性を損なうだけでなく、ターポリンの耐久性、及び接合部強度を悪くすることがある。また800μmよりも厚いと、得られるターポリンが重く・硬くなり、折りたたみ・持ち運び等の取り扱い性を悪くすることがある。
本発明のターポリンは、繊維性基布の両面に熱可塑性樹脂層用フィルムが積層されている。積層の方法は、熱可塑性樹脂層用フィルムの成型加工と同時に繊維性基布の片面ずつに熱ラミネートするトッピング法、または熱可塑性樹脂層用フィルムを一担成型加工した後にラミネーターを使用して2枚の熱可塑性樹脂層用フィルムを一度に熱圧着して繊維性基布のサンドイッチ積層を行う方法が挙げられる。本発明のターポリンの製造は、カレンダー成型した熱可塑性樹脂層用フィルムをラミネーターにより繊維性基布の両面に熱圧着する方法が、熱可塑性樹脂層と繊維性基布の積層界面に、オキサゾリン基含有重合体のオキサゾリン基の開環による架橋接着構造の形成が容易かつ効率的である。このとき、繊維性基布の目抜け空隙部を介在して表と裏2枚の熱可塑性樹脂層用フィルム同士が部分的に熱溶融ブリッジして、熱可塑性樹脂層と繊維性基布との接触表面積が増し、オキサゾリン基含有十合体による架橋構造が、糸条の側面にも満遍なく形成されることで、樹脂ブリッジによる接着効果をより高いものとすることが可能となり、いっそう優れた耐熱クリープ性を得ることができる。
本発明のターポリンは、中大型テント、日除けテント、テント倉庫などの膜構造物の原反素材に用いる場合、初期外観維持のために特にその1面以上に防汚層が形成されることが好ましい。この防汚層は、a).酸化チタン(TiO)、過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)から選ばれた1種以上の光触媒物質含有層、またはb).アクリル系樹脂、アクリル−シリコン樹脂、及びフッ素系樹脂から選ばれた1種以上による塗膜層、またはフィルム層、またはc).b)にシリカ微粒子を含む塗膜層、またはフィルム層である。
防汚層とする光触媒物質含有層は、光触媒物質を10〜70質量%と、金属酸化物ゲル及び/又は金属水酸化物ゲルを25〜90質量%、またケイ素化合物を1〜20質量%含有する厚さ、0.1〜10μmの塗膜であり、塗膜はこれらの化合物を含有する塗工組成物を熱可塑性樹脂層の表面に塗布、乾燥して形成することができる。このとき熱可塑性樹脂層と光触媒物質含有層との間には光触媒物質の活性作用から熱可塑性樹脂層を保護するための中間層を設けることが好ましい。中間層には、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル−シリコーン共重合体樹脂、フルオロオレフィン−アクリル共重合体樹脂、アクリル系樹脂とフルオロオレフィン樹脂とのブレンド物、オルガノシリケート化合物、またはその低縮合物の加水分解物(シラノール基含有シラン化合物)による薄膜などが挙げられる。光触媒物質は、シリカ、ゼオライト、チタンゼオライト、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、ハイドロタルサイト、ヒドロキシアパタイト、シリカアルミナ、ケイ酸カルシウム、ケイソウ土などの無機系多孔質微粒子に光触媒物質を担持させた複合粒子、あるいは光触媒物質の粒子表面を、シリカ、ゼオライト、チタンゼオライト、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、ハイドロタルサイト、ヒドロキシアパタイト、シリカアルミナ、ケイ酸カルシウムなどにより部分被覆してなる複合微粒子であってもよい。
また、防汚層には、アクリル系樹脂、アクリル−シリコン樹脂、及びフッ素系樹脂を用いても良く、これらにはさらに、シリカ微粒子を含むことが好ましい。フッ素系樹脂として、フルオロオレフィン共重合体樹脂で、水酸基を分子構造内に含有するものが好ましい。フルオロオレフィンモノマーは、具体的に、フッ化ビニル(VF)、ビニリデンフルオライド(VdF)、トリフルオロエチレン(TrEE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)などフッ素原子を構成単位中に1個以上含有するエチレン、プロピレン、及びα−オレフィンなどのオレフィン骨格のモノマーである。これらは、VdF−TFE共重合体樹脂、VdF−CTFE共重合体樹脂、TFE−CTFE共重合体樹脂、VdF−TFE−CTFE共重合体樹脂などであり、さらに、VF、TrEE、HFPなどの第3成分を含むものであっても良い。特に有機溶剤に可溶なフルオロオレフィン共重合体樹脂は、CF=CFX(Xは、−H、−F、−CF)で示されるフルオロオレフィンとビニルモノマーとの共重合体樹脂であることが好ましい。これらのフルオロオレフィン共重合体樹脂は、共重合ビニル成分中に有する水酸基を、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、メラミン化合物などの硬化剤で分子架橋した塗膜が耐摩耗性、耐候性などに優れ好ましい。
また、アクリル系樹脂は、例えば、アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステル類、これらは例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ヘキシルなどの重合体が挙げられる。また、アルキル基の炭素数が1〜18のメタアクリル酸アルキルエステル類、これらは例えば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−プロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、などの重合体が挙げられ、アクリル系樹脂はこれら2種以上のモノマーからなる共重合体樹脂であっても良い。また、上記アクリル系樹脂は、アクリル系モノマーと反応性を有する共重合モノマーをアクリル系モノマーと置換して最大30質量%程度まで含んでいても良く、これらは例えば、エチレン性不飽和カルボン酸類、アクリルアミド化合物類、水酸基含有(メタ)アクリル酸類、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸類、α−オレフィン類、ビニルエーテル類、アルケニル類、ビニルエステル類、芳香族ビニル化合物類などである。また、上記アクリル系樹脂はフルオロオレフィン共重合体樹脂とブレンドして用いることができ、アクリル系樹脂のブレンド量(固形分量)は、フルオロオレフィン共重合体樹脂(固形分量)100質量部に対して5〜75質量部、特に10〜50質量部である。またアクリル系樹脂には、シランカップリング剤の加水分解物がグラフトしたアクリル−シリコン樹脂を使用することもできる。
防汚層を形成するアクリル系樹脂、アクリル−シリコン樹脂、フッ素系樹脂(フルオロオレフィン共重合体樹脂)、またはフッ素系樹脂(フルオロオレフィン共重合体樹脂)とアクリル系樹脂とのブレンド物にはシリカ微粒子を含むことが雨筋汚れ抑制の観点において好ましく、特にフッ素系樹脂、またはフッ素系樹脂とアクリル系樹脂とのブレンド物のような疎水性を示す樹脂系にシリカ微粒子を配合することにより、その表面を親水性に改良することができ、これらは雨筋汚れ抑制に効果的となる。雨筋汚れ抑制効果はフッ素系樹脂にシリカ微粒子を配合したものが好ましいが、ターポリンの重ね合わせ接合、特に高周波融着、熱風融着などの2次加工性においては、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂とのブレンド物にシリカ微粒子を配合したものが最も好ましい。フッ素系樹脂とアクリル系樹脂とのブレンド比は、フッ素系樹脂100質量部に対してアクリル系樹脂が5〜75質量部、特に10〜50質量部である。またシリカ(SiO)微粒子は、平均凝集粒径が1〜20μm、BET比表面積が40〜400m/gの非晶質合成シリカ、またはBET平均粒子径10〜20nmのコロイダルシリカを任意の添加量で使用できる。
本発明のターポリンの接合・縫製は、高周波ウエルダー融着法、熱板融着法、熱風融着法、超音波融着法などの熱融着法が可能であり、特に高周波融着法が効率的で好ましい。また特に高周波融着法や熱融着法による接合では、特に接合部の熱可塑性樹脂層自体が発熱することで、熱可塑性樹脂層に含むオキサゾリン基含有重合体の開環、架橋接着構造の生成、架橋構造の生成を促す効果が得られる。高周波融着法や熱融着法により、熱可塑性樹脂層と繊維性基布との積層接着界面、及び熱可塑性樹脂層内部に架橋構造を完成することで、更に高レベルの耐熱クリープ性を得ることを可能とする。必要に応じてターポリンの裏面には、アクリル系樹脂、またはフッ素系樹脂、またはフッ素系樹脂とアクリル系樹脂とのブレンド物による裏面塗工層が形成されていることがターポリンの端部同士による重ね合せ接合の熱融着性の観点で好ましく、裏面塗工層は防汚層と同種の樹脂が好ましい。
本発明のターポリンの例を図1〜4により説明する。図1の可撓性積層体(ターポリン)(1)は、経糸群及び緯糸群からなる繊維性基布(2)の両面上に熱可塑性樹脂層(3)が設けられている。図2は、本発明のターポリンに用いる繊維性基布(2)の一例を示すものであり、S撚合撚糸(経糸:2−1−1)とZ撚合撚糸(経糸:2−1−2)とを経糸群として、これら2種の糸条を本数比率1:1で1本交互に配置、かつ、S撚合撚糸(緯糸:2−2−1)とZ撚合撚糸(緯糸:2−2−2)とを緯糸群として、これら2種の糸条を本数比率1:1で1本交互に配置した平織物である。特に経糸のS撚合撚糸(2−1−1)とZ撚合撚糸(2−1−2)はそれぞれ双糸であり、S撚フィラメント単糸(2−1−3)とZ撚フィラメント単糸(2−1−4)とで双糸を構成するものである。また緯糸のS撚合撚糸(2−2−1)とZ撚合撚糸(2−2−2)はそれぞれ双糸であり、S撚フィラメント単糸(2−2−3)とZ撚フィラメント単糸(2−2−4)とで双糸を構成するものである。図3は、本発明のターポリンに用いる繊維性基布(2)の一例を示すものであり、S撚合撚糸(経糸:2−1−1)とZ撚合撚糸(経糸:2−1−2)とを経糸群として、これら2種の糸条を本数比率1:1で1本交互に配置、かつ、S撚合撚糸(緯糸:2−2−1)とZ撚合撚糸(緯糸:2−2−2)とを緯糸群として、これら2種の糸条を本数比率1:1で1本交互に配置した平織物である。特に経糸のS撚合撚糸(2−1−1)とZ撚合撚糸(2−1−2)はそれぞれ三子撚糸であり、S撚フィラメント単糸(2−1−3)2本とZ撚フィラメント単糸(2−1−4)1本とで三子撚糸を構成するものである。また緯糸のS撚合撚糸(2−2−1)とZ撚合撚糸(2−2−2)はそれぞれ三子撚糸であり、S撚フィラメント単糸(2−2−3)1本とZ撚フィラメント単糸(2−2−4)2本とで三子撚糸を構成するものである。図4は、本発明のターポリンの耐熱クリープ性を評価するために用いる耐熱クリープ試験片(4)で、これは2枚のターポリン(1)の端部同士が特定の幅で重ね合わせて溶着され、その溶着部を接合部(5)とするものである。
本発明を下記の実施例及び比較例を挙げて更に説明するが、本発明はこれらの例の範囲に限定されるものではない。
接合体の評価方法
〈経糸方向耐熱クリープ性〉
2枚のターポリンのヨコ方向(緯糸方向)の端部同士を4cm幅で直線状に平行に重ね合わせ、4cm幅×30cm長のウエルドバー(平刃)を装着した高周波ウエルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−7000型:出力7KW)を用い、陽極電流1.0Aでターポリンの高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。これより融着接合部を重ね合わせ幅4cmをタテ方向に含む、3cm幅×30cm長の試験片を18片採取し、うち9片を耐熱クリープ試験片とし、クリープ試験機(東洋精機製作所(株)製:100LDR型)を使用して50℃×20kgf荷重(条件1)、55℃×20kgf荷重(条件2)、60℃×20kgf荷重(条件3)の3条件で経糸方向の耐熱クリープ性を24時間評価した。残り9片は試験片の上下方向を反転した状態でクリープ試験機に装着し、試験片に対する荷重方向を転じての耐熱クリープ性を同様の条件で24時間評価した。試験片反転より得られる結果が同じ傾向であれば、ターポリンの上下方向が必ずしも製品の上下方向と一致しなくとも安定した耐熱クリープ性が得られ、一方の結果が劣る傾向の場合は、製品の信頼性に不安がある。
〈緯糸方向耐熱クリープ性〉
2枚のターポリンのタテ方向(経糸方向)の端部同士を4cm幅で直線状に平行に重ね合わせ、4cm幅×30cm長のウエルドバー(平刃)を装着した高周波ウエルダー融着機(山本ビニター(株)製YF−7000型:出力7KW)を用い、陽極電流1.0Aでターポリンの高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。これより融着接合部を重ね合わせ幅4cmをヨコ方向に含む、3cm幅×30cm長の試験片を18片採取し、うち9片を耐熱クリープ試験片とし、クリープ試験機(東洋精機製作所(株)製:100LDR型)を使用して50℃×20kgf荷重(条件1)、55℃×20kgf荷重(条件2)、60℃×20kgf荷重(条件3)の3条件で緯糸方向の耐熱クリープ性を24時間評価した。残り9片は試験片の上下方向を反転した状態でクリープ試験機に装着し、試験片に対する荷重方向を転じての耐熱クリープ性を同様の条件で24時間評価した。試験片反転より得られる結果が同じ傾向であれば、ターポリンの左右方向が必ずしも製品の上下方向と一致しなくとも安定した耐熱クリープ性が得られ、一方の結果が劣る傾向の場合は、製品の信頼性に不安がある。
評価の基準
1 :24時間経過後、接合部に異変や異常なく良好。
2 :24時間未満で接合部が破壊し、試験片が分断した。
〈破壊した時間を記録〉
3 :1時間以内に接合部が破壊し、試験片が分断した。
〈破壊した時間を記録〉
破壊状態の判断 : 接合部糸抜け破壊(糸の断裂なし),
本体破壊等(糸の断裂あり)
遮熱性の評価方法
上記接合体片を埼玉県内で7月の晴天日、屋外30℃の雰囲気下で静置し、30分後に接合体片の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)を放射温度計により測定した。
[実施例1]
500デニール(555dtex)、ポリエステル繊維(フィラメント数96本)からなり、フィラメント同士がルーズに交絡した状態で、S撚100T/mを施したS撚フィラメント単糸1本、及び500デニール(555dtex)、ポリエステル繊維(フィラメント数96本)からなり、フィラメント同士がルーズに交絡した状態で、Z撚100T/mを施したZ撚フィラメント単糸1本をS撚で100T/m合撚したS撚合撚糸、及び上記S撚フィラメント単糸1本とZ撚フィラメント単糸をZ撚で100T/m合撚したZ撚合撚糸の2種の糸条を経糸群及び緯糸群に用い、経糸群はS撚合撚糸とZ撚合撚糸の交互配置(S撚合撚糸とZ撚合撚糸との本数比率1:1)による1インチ間22本の織組織とし、また緯糸群もS撚合撚糸とZ撚合撚糸の交互配置(S撚合撚糸とZ撚合撚糸との本数比率1:1)による1インチ間24本の織組織として製織した平織物を繊維性基布とした。この繊維性基布の質量は195g/m、空隙率(目抜け)は14.3%であった。この繊維性基布の両面上に、下記配合1の軟質塩化ビニル樹脂組成物による厚さ0.2mmのカレンダー成形フィルムを170℃で熱ラミネートして、S撚フィラメント単糸及びZ撚フィラメント単糸の表面のルーズ交絡部をアンカーとして軟質塩化ビニル樹脂組成物で被覆固定すると同時に、繊維性基布の空隙部16.6%を介在する表裏フィルム同士のブリッジ積層を行い、表裏に厚さ0.2mmの熱可塑性樹脂層を形成し、厚さ0.66mm、質量800g/mのターポリンを得た。実施例1のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は34℃であった。
<配合1>
軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
酸化チタン(平均粒子径1.2μm) 20質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
三酸化アンチモン(防炎剤) 15質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤)0.2質量部
[実施例2]
500デニール(555dtex)、ポリエステル繊維(フィラメント数96本)からなり、フィラメント同士がルーズに交絡した状態で、S撚100T/mを施したS撚フィラメント単糸2本、及び500デニール(555dtex)、ポリエステル繊維(フィラメント数96本)からなり、フィラメント同士がルーズに交絡した状態で、Z撚100T/mを施したZ撚フィラメント単糸1本をS撚で100T/m合撚したS撚合撚糸、及び上記S撚フィラメント単糸1本とZ撚フィラメント単糸2本をZ撚で100T/m合撚したZ撚合撚糸の2種の糸条を経糸群及び緯糸群に用い、経糸群はS撚合撚糸とZ撚合撚糸の交互配置(S撚合撚糸とZ撚合撚糸との本数比率1:1)による1インチ間18本の織組織とし、また緯糸群もS撚合撚糸とZ撚合撚糸の交互配置(S撚合撚糸とZ撚合撚糸との本数比率1:1)による1インチ間20本の織組織として製織した平織物を繊維性基布とした。この繊維性基布の質量は245g/m、空隙率(目抜け)は13.1%であった。この繊維性基布の両面上に、実施例1と同じ配合1の軟質塩化ビニル樹脂組成物による厚さ0.23mmのカレンダー成形フィルムを170℃で熱ラミネートして、S撚合撚糸及びZ撚合撚糸の表面のルーズ交絡部をアンカーとして軟質塩化ビニル樹脂組成物で被覆固定すると同時に、繊維性基布の空隙部13.1%を介在する表裏フィルム同士のブリッジ積層を行い、表裏に厚さ0.23mmの熱可塑性樹脂層を形成し、厚さ0.82mm、質量980g/mのターポリンを得た。実施例2のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[実施例3]
実施例1の繊維性基布において、経糸群のS撚合撚糸とZ撚合撚糸との配置比率を1:1から1:2に変更し、(S撚合撚糸/Z撚合撚糸/Z撚合撚糸)の並びの繰り返し単位とし、緯糸群のS撚合撚糸とZ撚合撚糸との配置比率を1:1から2:1に変更し、(S撚合撚糸/S撚合撚糸/Z撚合撚糸)の並びの繰り返し単位に変更した以外は実施例1と同様にして厚さ0.66mm、質量800g/mのターポリンを得た。実施例3のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[実施例4]
実施例1の繊維性基布において、経糸群、及び緯糸群のS撚合撚糸とZ撚合撚糸との配置比率を1:1の条件のまま、S撚合撚糸とZ撚合撚糸の配置を各々2本引揃交互とした以外は実施例1と同様にして厚さ0.66mm、質量800g/mのターポリンを得た。実施例4のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[実施例5]
実施例1の繊維性基布の両面上に、下記配合2のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物(1)による厚さ0.2mmのカレンダー成形フィルムを150℃で熱ラミネートして、S撚合撚糸及びZ撚合撚糸の表面のルーズ交絡部をアンカーとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物で被覆固定すると同時に、繊維性基布の空隙部16.6%を介在する表裏フィルム同士のブリッジ積層を行い、表裏に厚さ0.2mmの熱可塑性樹脂層を形成し、厚さ0.66mm、質量675g/mのターポリンを得た。実施例5のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は32℃であった。
<配合2>
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物(1)
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
(酢酸ビニル含有率25質量%) 100質量部
シリカ(水酸基含有) 5質量部
酸化チタン(平均粒子径1.2μm) 20質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
[実施例6]
実施例1の繊維性基布の両面上に、下記配合3のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物(2)による厚さ0.2mmのカレンダー成形フィルムを150℃で熱ラミネートして、S撚合撚糸及びZ撚合撚糸の表面のルーズ交絡部をアンカーとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物で被覆固定すると同時に、繊維性基布の空隙部16.6%を介在する表裏フィルム同士のブリッジ積層を行い、表裏に厚さ0.2mmの熱可塑性樹脂層を形成し、厚さ0.66mm、質量675g/mのターポリンを得た。実施例6のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
<配合3>
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物(2)
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
(酢酸ビニル含有率25質量%) 100質量部
オキサゾリン基含有反応性ポリスチレン 5質量部
シリカ(水酸基含有) 5質量部
酸化チタン(平均粒子径1.2μm) 20質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
※オキサゾリン基含有反応性ポリスチレンは、スチレンと2−イソプロペニル−
2−オキサゾリンとの共重合体(2−イソプロペニル−2−オキサゾリン共重
合比5質量%)、商標:エポクロス RPS日本触媒(株)を用いた。
[実施例7]
実施例2の繊維性基布の両面上に、配合3のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物(2)による厚さ0.23mmのカレンダー成形フィルムを150℃で熱ラミネートして、S撚合撚糸及びZ撚合撚糸の表面のルーズ交絡部をアンカーとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物で被覆固定すると同時に、繊維性基布の空隙部13.1%を介在する表裏フィルム同士のブリッジ積層を行い、表裏に厚さ0.23mmの熱可塑性樹脂層を形成し、厚さ0.82mm、質量783g/mのターポリンを得た。実施例7のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[実施例8]
実施例3の繊維性基布の両面上に、配合3のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物(2)による厚さ0.2mmのカレンダー成形フィルムを150℃で熱ラミネートして、S撚合撚糸及びZ撚合撚糸の表面のルーズ交絡部をアンカーとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物で被覆固定すると同時に、繊維性基布の空隙部16.6%を介在する表裏フィルム同士のブリッジ積層を行い、表裏に厚さ0.2mmの熱可塑性樹脂層を形成し、厚さ0.66mm、質量675g/mのターポリンを得た。実施例8のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[実施例9]
実施例4の繊維性基布の両面上に、配合3のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物(2)による厚さ0.2mmのカレンダー成形フィルムを150℃で熱ラミネートして、S撚合撚糸及びZ撚合撚糸の表面のルーズ交絡部をアンカーとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物で被覆固定すると同時に、繊維性基布の空隙部16.6%を介在する表裏フィルム同士のブリッジ積層を行い、表裏に厚さ0.2mmの熱可塑性樹脂層を形成し、厚さ0.66mm、質量675g/mのターポリンを得た。実施例9のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[参考例1]
実施例1の配合1(軟質塩化ビニル樹脂配合組成物)から酸化チタン(平均粒子径1.2μm)20質量部を省略して熱可塑性樹脂層を形成した以外は実施例1と同様として厚さ0.66mm、質量800g/mのターポリンを得た。実施例10のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は40℃であった。実施例1のターポリン接合体の表面温度は34℃であったので、実施例1のターポリンは参考例1のターポリンと比較して約6℃の遮熱効果を有するものである。
[参考例2]
実施例5の配合2(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂組成物(1))から酸化チタン(平均粒子径1.2μm)20質量部を省略して熱可塑性樹脂層を形成した以外は実施例5と同様として厚さ0.66mm、質量800g/mのターポリンを得た。実施例11のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。このターポリン接合体を屋外30℃の雰囲気下で30分間静置した時の表面温度(熱可塑性樹脂層の温度)は37℃であった。実施例5のターポリン接合体の表面温度は32℃であったので、実施例1のターポリンは参考例1のターポリンと比較して約5℃の遮熱効果を有するものである。
[実施例10〜13]
実施例1〜4のターポリンの表面に防汚層を設けた。防汚層はフッ素系樹脂とアクリル樹脂とのブレンド物(フッ素系樹脂:アクリル系樹脂比は3:1)で、シリカ微粒子を25質量%含有する。この防汚層は配合4による防汚層用処理液をグラビヤコーターで25g/m2の塗布量で塗布し、100℃で1分間乾燥後冷却して5g/m2の防汚層を形成した。得られた防汚層付きターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、4種のターポリン接合体(実施例1/実施例1の接合、実施例2/実施例2の接合、実施例3/実施例3の接合、実施例4/実施例4の接合)を得た。
<配合4>防汚層用処理液(シリカ微粒子を含有するフッ素系樹脂とアクリル系樹脂のブレンド組成物)
アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商標:アクリプレンHBS001)
4質量部
フッ素系樹脂(ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体
樹脂、(エルフ・アトケム・ジャパン(株)製、商標:カイナー7201)
12質量部
高分子型紫外線吸収剤(一方社油脂工業(株)製、品番:UCI−635L)
〔2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン〕
とメタクリル酸メチルとの50wt%:50wt%共重合体樹脂
1質量部
シリカ微粒子(湿式法非晶質シリカ) 4質量部
(日本シリカ工業(株)製、商標:ニップシールE−220、平均粒子径
2μm、BET比表面積130m/g)
希釈溶剤(トルエン−メチルエチルケトン50/50質量比) 80質量部
[比較例1]
実施例1の繊維性基布を構成する経糸群(1インチ間22本)及び緯糸群(1インチ間24本)をすべて1000デニール(1111dtex)のポリエステル繊維(フィラメント数192本)の無撚糸に置換した以外は実施例1と同様にして厚さ0.66mm、質量800g/mのターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例1のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[比較例2]
実施例1の繊維性基布を構成する経糸群及び緯糸群をすべてS撚合撚糸とした以外は実施例1と同様にして厚さ0.66mm、質量800g/mのターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例2のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[比較例3]
実施例1の繊維性基布を構成する経糸群及び緯糸群をすべてZ撚合撚糸とした以外は実施例1と同様にして厚さ0.66mm、質量800g/mのターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例3のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[比較例4]
実施例1の繊維性基布において、経糸群及び緯糸群のS撚合撚糸とZ撚合撚糸との配置比率を1:1から1:4に変更し、(S撚合撚糸/Z撚合撚糸/Z撚合撚糸/Z撚合撚糸/Z撚合撚糸)の並びの繰り返し単位に変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.66mm、質量800g/mのターポリンを得た。比較例4のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[比較例5]
実施例1の繊維性基布において、経糸群及び緯糸群のS撚合撚糸とZ撚合撚糸との配置比率を1:1から4:1に変更し、(S撚合撚糸/S撚合撚糸/S撚合撚糸/S撚合撚糸/Z撚合撚糸)の並びの繰り返し単位に変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ0.66mm、質量800g/mのターポリンを得た。比較例5のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[比較例6]
実施例5の繊維性基布(実施例1で使用の繊維性基布)を構成する経糸群(1インチ間22本)及び緯糸群(1インチ間24本)をすべて1000デニール(1111dtex)のポリエステル繊維(フィラメント数192本)の無撚糸とした以外は実施例5と同様にして厚さ0.66mm、質量675g/mのターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例6のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[比較例7]
実施例5の繊維性基布(実施例1で使用の繊維性基布)を構成する経糸群(1インチ間22本)及び緯糸群(1インチ間24本)をすべてS撚合撚糸とした以外は実施例5と同様にして厚さ0.66mm、質量675g/mのターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例7のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[比較例8]
実施例5の繊維性基布(実施例1で使用の繊維性基布)を構成する経糸群(1インチ間22本)及び緯糸群(1インチ間24本)をすべてZ撚合撚糸とした以外は実施例5と同様にして厚さ0.66mm、質量675g/mのターポリンを得た。このようなターポリンは産業資材として汎用のものである。比較例8のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[比較例9]
実施例5の繊維性基布(実施例1で使用の繊維性基布)において、経糸群(1インチ間22本)及び緯糸群(1インチ間24本)のS撚合撚糸とZ撚合撚糸との配置比率を1:1から1:4に変更し、(S撚合撚糸/Z撚合撚糸/Z撚合撚糸/Z撚合撚糸/Z撚合撚糸)の並びの繰り返し単位に変更した以外は実施例5と同様にして、厚さ0.66mm、質量675g/mのターポリンを得た。比較例9のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
[比較例10]
実施例5の繊維性基布(実施例1で使用の繊維性基布)において、経糸群(1インチ間22本)及び緯糸群(1インチ間24本)のS撚合撚糸とZ撚合撚糸との配置比率を1:1から4:1に変更し、(S撚合撚糸/S撚合撚糸/S撚合撚糸/S撚合撚糸/Z撚合撚糸)の並びの繰り返し単位に変更した以外は実施例5と同様にして、厚さ0.66mm、質量675g/mのターポリンを得た。比較例10のターポリン2枚の端部を重ね合わせて高周波融着接合を行い、ターポリン接合体を得た。
比較例1〜5の比較対象は実施例1〜4(表1、表2)、及び実施例10〜13であり、比較例6〜10の比較対象は実施例5〜9(表3、表4)である。これは熱可塑性樹脂層を軟質塩化ビニル樹脂で構成するターポリン同士の比較、熱可塑性樹脂層をエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂で構成するターポリン同士の比較を意図するものである。ターポリン接合体の耐熱クリープ性はターポリンを構成する熱可塑性樹脂の軟化温度に依存するため、軟化温度の高い軟質塩化ビニル樹脂と、軟化温度の低いエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂との比較では本発明における基布要件によってもたらされる効果以上の差異が存在するためである。また、クリープ試験片の装着を上下に反転しての試験結果が表2(表1と対応)及び表4(表3と対応)である。表1と表2との対比、及び表3と表4との対比により、本発明のターポリンはその上下・左右の方向性に関係なく、接合部の耐熱クリープ性に安定して優れていることが明瞭である。これに対して比較例のターポリンで特に比較例1と6は無撚糸を用いたため、接合部の糸抜け破壊を生じ易く、また比較例2,3,7,8のターポリンは産業資材として汎用のものであるが、これらはその上下・左右の使い方の方向によって、接合部の耐熱クリープ性が不安定であることが明らかであり、それは比較例4,5,9,10についても同様である。また、表3及び4により、特に実施例5〜9において、実施例6〜9のターポリンは熱可塑性樹脂層にオキサゾリン基含有反応性ポリスチレンと、シリカ(水酸基含有)とを含有することによって、熱可塑性樹脂層にオキサゾリン基含有反応性ポリスチレンを含有しない実施例5のターポリンと較べて耐熱クリープ性の向上効果が顕著である。これはオキサゾリン基含有反応性ポリスチレンのオキサゾリン基が開環し、熱可塑性樹脂層中に含むシリカ表面に存在する水酸基と付加反応すると同時に、他のオキサゾリン基がポリエステル繊維表面の官能基とも付加反応することによる効果と推測される。また実施例1と参考例1との対比、及び実施例5と参考例2との対比は、それぞれ熱可塑性樹脂層に酸化チタンを含む事例と含まない事例での対比である。酸化チタンを含む実施例1と5は酸化チタンを含まない参考例1と2に比較して明らかにターポリンの遮熱効果が約5〜6℃優れている。この5〜6℃の遮熱効果は耐熱クリープ試験の条件、50℃×20kgf荷重(条件1)、55℃×20kgf荷重(条件2)、60℃×20kgf荷重(条件3)の5℃ごとのランクにおいて1ランク相当の緩和に相当するものである。例えば夏の屋外で参考例の膜材の表面温度が55℃の場合、55℃での耐熱クリープ試験の成績が反映されるが、本発明の膜材だと夏の屋外での表面温度が50℃であるため、50℃での耐熱クリープ試験の成績が反映されることになり、5℃低い耐熱クリープ試験は接合部の物理的安定性及び信頼性が飛躍的に増すので従来のターポリンよりも有用である。結果を表1〜4に示した。
本発明のターポリンは、ターポリン本体の強度やクリープ性を犠牲にすることなく、またターポリンの上下・左右の方向性に関係なく、接合部における耐熱クリープ性に安定して優れているので、本発明のターポリン接合体は、大型テント(パビリオン)、テント倉庫、日除けテント、建築物天井膜、建築物壁膜、水槽、及びコンテナバッグなどの膜構造物用途に適して用いることができる。
1:可撓性積層体(ターポリン)
2:繊維性基布
2−1:経糸
2−1−1:S撚合撚糸(経糸)
2−1−2:Z撚合撚糸(経糸)
2−1−3:S撚フィラメント単糸
2−1−4:Z撚フィラメント単糸
2−2:緯糸
2−2−1:S撚合撚糸(緯糸)
2−2−2:Z撚合撚糸(緯糸)
2−2−3:S撚フィラメント単糸
2−2−4:Z撚フィラメント単糸
3:熱可塑性樹脂層
4:耐熱クリープ試験片
5:接合部

Claims (7)

  1. 繊維性基布の両面に熱可塑性樹脂層を被覆してなる可撓性積層体であって、前記繊維性基布が経糸群及び緯糸群とにより製織されたものであり、少なくとも前記経糸群または緯糸群のいずれか一方の群の構成要素として、複数のフィラメント単糸を右撚りで束ねたS撚合撚糸と、複数のフィラメント単糸を左撚りで束ねたZ撚合撚糸とを、本数比率1:2〜2:1の範囲、かつ前記S撚合撚糸とZ撚合撚糸の総和が6〜39本/1インチの配置で含むことを特徴とするターポリン。
  2. 前記フィラメント単糸が、撚数50〜300T/mの範囲の撚糸である請求項1に記載のターポリン。
  3. 前記S撚合撚糸、及びZ撚合撚糸が、双糸、または三子撚糸のいずれかで、その合撚数が、50〜300T/mの範囲である請求項1または2に記載のターポリン。
  4. 前記S撚合撚糸と前記Z撚合撚糸とが1本交互、または2本引揃交互で配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のターポリン。
  5. 前記熱可塑性樹脂層にオキサゾリン基含有重合体([化1])を前記熱可塑性樹脂層に対し、0.5〜30質量%の範囲内で有している請求項1〜4のいずれか1項に記載のターポリン。
  6. 前記熱可塑性樹脂層が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、及び酸化インジウムから選ばれた1種以上の金属酸化物粒子を5〜30質量%含み、晴天の屋外30℃の雰囲気下・30分後に、前記金属酸化物粒子を含まない熱可塑性樹脂層の表面温度と比較した時に2℃以上の遮熱性を有している請求項1〜5のいずれか1項に記載のターポリン。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載のターポリン同士による熱融着接合体。
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