JP2016107547A - 組立式テント用膜材 - Google Patents
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Abstract
【課題】コーティングクロスを天幕に用いた組み立て式屋形テントを繰り返し使用した時に、折り畳んだ天幕を拡げた時の透かし白化痕の生成が少なく、経年的にテント内部の美観が維持できて、縫製天幕の耐久強度と長期保管性(防黴性や防鼠性)に優れた組立式テント用膜材の提供。【解決手段】マルチフィラメントを糸条とする織布に軟質塩化ビニル樹脂組成物を含浸被覆してなるコーティングクロスを基材として、この基材の片面以上に熱可塑性樹脂層を設けた光半透過性積層体として、軟質塩化ビニル樹脂組成物が、ペースト塩化ビニル系樹脂、及びシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステルを主体に含むようにする。【選択図】なし
Description
本発明は織布に軟質塩化ビニル樹脂を含浸被覆してなるコーティングクロスを基材として、この基材の片面以上に熱可塑性樹脂フィルム層が設けられた光半透過性積層体を、組み立て式屋形(集会用)テント、折り畳み開閉式屋形(集会用)テント、(折り畳み式)パラソル型日除け、組み立て式日除けモニュメント、ベランダ用日除けテント、タープテントなどの軽量テントの天幕に用いたときに、天幕の折り畳み白化跡による外観不良や光透過ムラの発生が抑止されるような耐屈曲性と長期保管性に優れた組立式テント用の膜材に関する。
組み立て式屋形(集会用)テント、折り畳み開閉式屋形(集会用)テント、(折り畳み式)パラソル型日除け、組み立て式日除けモニュメント、ベランダ用日除けテント、タープテントなどの組立式テントは短時間で設営と撤収が容易で、しかも分解して省スペース収納が可能であるなどの理由から運動会、陸上競技などの運営本部、自衛隊、警察、消防などの指令本部、各種屋外イベントの運営本部やブースなどに広く官民に使用され、企業、学校、自治体などには災害時の仮設テントとしても組み立て式屋形テントが常備されている。これらの組立テントの天幕には、織布に軟質塩化ビニル樹脂を含浸被覆したコーティングクロスが使用されている。特に普段は天幕が折り畳みのコンパクト状態で保管収納される組立式テントなどでは、畳んだ天幕を拡げた時に折り畳み跡が皺となり、さらに折り畳みを繰り返すことや作業が手荒に扱われることで、織布に含浸被覆した軟質塩化ビニル樹脂の一部が織布表面からミクロレベルで剥離することがある。このミクロレベルに剥離した折り痕の内部構造を日射が透過する際に乱反射を起こすことで光学的に白化痕となってテント内側の外観や居心地を悪くする問題を生じていた。このように一度ミクロレベルの剥離を天幕の内部構造に発生してしまうと、もはや白化痕の修復や回復は困難となり、従って組立式テントを繰り返し使えば使うほどに折り畳みによる白化痕を増し、年々見た目の悪さを助長していた。また使用後に雨濡れした天幕の乾燥が不十分であったりすると季節によっては折り畳み保管時に黴の生成を促し、黴菌が天幕内部の織布にまで及び、黴の除去を困難としたり、また倉庫での長期保管時には鼠にかじられて穴を開けたりするような被害もたびたび発生していた。
本発明はコーティングクロスを天幕に用いた組み立て式屋形(集会用)テントにおいて、組立式テントを繰り返し使用しても、折り畳んだ天幕を拡げた時の透かし白化痕の生成が少なく、経年的にテント内部の美観が維持できて、縫製天幕の耐久強度と長期保管性(防黴性や防鼠性)に優れた組立式テント用膜材の提供をしようとするものである。
本発明者は組立式テント用膜材の耐屈曲性向上について上記の現状に鑑みて研究、検討を行った結果、マルチフィラメントを糸条とする織布に軟質塩化ビニル樹脂組成物を含浸被覆してなるコーティングクロスを基材として、この基材の片面以上に熱可塑性樹脂層を設けた光半透過性積層体において、軟質塩化ビニル樹脂組成物がシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステルを主体に含むことによって、組立式テントを繰り返し使用しても、折り畳んだ天幕を拡げた時の透かし白化痕の生成が少なく、経年的にテント内部の美観を維持可能な、耐屈曲性に優れた組立式テント用膜材が得られることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の組立式テント用膜材は、マルチフィラメントを糸条とする織布に軟質塩化ビニル樹脂組成物を含浸被覆してなるコーティングクロスを基材として、この基材の片面以上に熱可塑性樹脂層が設けられた光半透過性積層体であって、前記軟質塩化ビニル樹脂組成物が、ペースト塩化ビニル系樹脂100質量部、及びシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル(〔化1〕の群)35〜80質量部を主体に含むことが好ましい。これによって得られる膜材を天幕に用いた組立式テントを繰り返し使用しても、折り畳んだ天幕を拡げた時の透かし白化痕の生成が少なく、テント内部の美観を維持可能とする他、熱可塑性樹脂層を設けることによって、縫製天幕として耐熱クリープ性にも優れ、それによって強度的耐久性にも優れたものとする。
本発明の組立式テント用膜材は、前記軟質塩化ビニル樹脂組成物が、さらにポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の反応による重合体を1〜15質量部を含むことが好ましい。ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の反応による軟質塩化ビニル樹脂組成物内でのポリウレタン架橋弾性体の生成によって、軟質塩化ビニル樹脂とポリウレタンとのアロイ体とすることで、得られる膜材を天幕に用いた組立式テントを繰り返し使用しても、折り畳んだ天幕を拡げた時の透かし白化痕の生成が更に目立たないものとし、テント内部の美観をより維持性の高いものとする。
本発明の組立式テント用膜材は、前記熱可塑性樹脂層が、塩化ビニル系樹脂100質量部、及びシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル(〔化1〕の群)35〜80質量部を主体に含むコーティング層、またはフィルム層であることが好ましい。これによって得られる膜材のピンホール欠点を無くすと同時に外観を平滑とし、また屈曲耐久性をより増し、更に天幕縫製する工程において、膜材同士の端部を重ね合わせての熱融着接合性、高周波溶着接合性などの作業性を向上する他、熱可塑性樹脂層を設けることによって、縫製天幕として耐熱クリープ性にも優れ、それによって強度的耐久性にも優れたものとする。
本発明の組立式テント用膜材は、前記熱可塑性樹脂層が、さらにカプサイシン化合物、銀系化合物、有機ヒ素系化合物、有機ヨード系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、イソチアゾリン系化合物、ピリチオン系化合物、ピリジン系化合物、トリアジン系化合物、N−ハロアルキルチオ系化合物から選ばれた1種以上を0.1〜3質量部を含むことが好ましい。これによって組み立て式テントの使用後に、再度折り畳みでの保管時にも黴の生成を抑制したり、または倉庫での長期保管時での鼠によるかじり穴開き被害を最小限に抑止することを可能とする。
本発明の組立式テント用膜材は、マルチフィラメントを糸条とする織布に軟質塩化ビニル樹脂組成物を含浸被覆してなるコーティングクロスを基材として、この基材の片面以上に熱可塑性樹脂層が設けられた光半透過性積層体において、軟質塩化ビニル樹脂組成物が、シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステルを主体に含むことによって、得られる膜材を天幕に用いた組立式テントを繰り返し使用しても、折り畳んだ天幕を拡げた時の透かし白化痕の生成が少なく、テント内部の美観を維持可能とし、長期保管性(防黴性や防鼠性)を有するので、組み立て式屋形(集会用)テント、折り畳み開閉式屋形(集会用)テント、(折り畳み式)パラソル型日除け、組み立て式日除けモニュメント、ベランダ用日除けテント、タープテントなどの組立式テントの天幕などに広く活用でき、しかも縫製天幕として耐熱クリープ性にも優れているので強度的耐久性にも優れている。
本発明の組立式テント用膜材の要件は、1)マルチフィラメントを糸条とする織布に軟質塩化ビニル樹脂組成物を含浸被覆してなるコーティングクロスを基材とすること、2)この基材の片面以上に熱可塑性樹脂層を設けること、3)軟質塩化ビニル樹脂組成物がシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステルを主体に含むこと、4)軟質塩化ビニル樹脂組成物がポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の反応による重合体を含むこと、5)熱可塑性樹脂層がシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステルを主体に含むコーティング層、またはフィルム層であること、6)熱可塑性樹脂フィルム層上に、アクリル樹脂薄膜層、またはフッ素樹脂薄膜層が形成されていること、が挙げられる。
本発明の組立式テント用膜材に用いる織布としては、マルチフィラメントを経糸及び緯糸の糸条とする平織物、バスケット織物、綾織物、朱子織物、模紗織物などの織物で、経糸条及び緯糸条の打込み密度が、各々20〜75本/1インチ、好ましくは25〜50本/1インチ、目空の空隙率0〜20%、好ましくは0〜10%、質量50〜250g/m2、好ましくは質量65〜150g/m2の織物が使用できる。マルチフィラメント糸条の繊度は166〜1111dtex、好ましくは222〜555dtexのものが使用でき、種類としてはナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエスエル(PET)繊維、ガラス繊維などの汎用繊維、さらには超高分子量ポリエチレン繊維、アラミド繊維、及びヘテロ環ポリマー繊維、炭素繊維などの高強度繊維によるものが使用でき、これら繊維の混用によるマルチフィラメント糸条であってもよい。または2種以上の糸条を交互に配置した織物、特定の糸条を特定の間隔を置いて織り配置した混用織物であってもよい。本発明の組立式テント用膜材に用いる織布としてはポリエスエル(PET)マルチフィラメント繊維を経緯糸条とする空隙率0〜10%、質量50〜150g/m2平織物が好ましい。これら織物には必要に応じて撥水処理、吸水防止処理、接着処理、防炎処理などが施されても良い。撥水処理はパーフルオロアクリレート・アルキルアクリレート共重合体、パーフルオロアクリレート・アルキルアクリレート・塩化ビニル共重合体、パーフルオロアクリレートとポリオキシエチレン基含有(モノマーまたはプレポリマー)の共重合体などのエマルジョンによる0.1〜3固形分質量%付着処理が好ましい。
本発明の組立式テント用膜材におけるコーティングクロスは、マルチフィラメントを糸条とする織布に軟質塩化ビニル樹脂組成物ゾルを含浸被覆したもので、含浸被覆はディッピング(浸漬法)、またはコーティング法(ナイフコート、グラビアコートなど)の何れかによって、空隙率0〜3%、付着質量50〜200g/m2、好ましくは75〜150g/m2とする。このコーティングクロスは、マルチフィラメント糸条内部に軟質塩化ビニル樹脂組成物ゾルが浸透し固化したもの、マルチフィラメント糸条の周囲のみを被覆固化したもの、マルチフィラメント糸条内部に軟質塩化ビニル樹脂組成物ゾルが浸透固化し、かつマルチフィラメント糸条の周囲も被覆固化したもの、のいずれであってもよく、また糸条と糸条との間に軟質塩化ビニル樹脂組成物ゾルが隙間無く充填固化されること(空隙率0%)が好ましい。コーティングクロスは軟質塩化ビニル樹脂組成物ゾルの加熱ゲル化(固化)の熱によって織布を構成するマルチフィラメント糸条が熱収縮を伴うことで、使用した織布自体の有する空隙率が1〜3割程度の減少を伴うが、織布自体の有する空隙率に起因するピンホール発生(漏水の原因)の抑止効果に作用するので問題ない。
軟質塩化ビニル樹脂組成物としては、ペースト塩化ビニル系樹脂100質量部、及びシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル(〔化1〕の群)35〜80質量部、好ましくは45〜70質量部を主体に含み、必要に応じて更にポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の反応による重合体を1〜10質量部とを含む組成物ゾルである。ペースト塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマーの単独重合体(乳化重合で重合度が700〜3800)、または塩化ビニルモノマーと他のビニルモノマーとの共重合体である。シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル(〔化1〕の群)は、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル群、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル群、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル群から選ばれた1種以上の化合物を含む。〔化1〕に示すジアルキルエステルの群において式中、Rは個々に同一又は異なって、炭素(C)数4〜13の脂肪族一価の基、例えば直鎖状アルキル基、分岐鎖状のアルキル基、脂環族基などを表している。
シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル(〔化1〕の群)の可塑剤は例えば、シクロヘキサンジカルボン酸ジ−2−エチルヘキシル(別名シクロヘキサンジカルボン酸ジオクチル)(C8:MW393)、シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(C9:MW421)が特に好ましく、その他シクロヘキサンジカルボン酸ジブチル(C4:MW281)、シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル(C4:MW281)、シクロヘキサンジカルボン酸ジヘキシル(C6:MW337)、シクロヘキサンジカルボン酸ジヘプチル(C7:MW362)、シクロヘキサンジカルボン酸ジノニル(C9:MW421)、シクロヘキサンジカルボン酸ジイソデシル(C10:MW450)、シクロヘキサンジカルボン酸ジデシル(C10:MW450)、シクロヘキサンジカルボン酸ブチルベンジル(C4,C7:MW315)などが例示され、これらはすべてシクロヘキサン環に対するジカルボン酸ジアルキルエステルの結合位置が、オルト位(すなわち1.2−位置)、メタ位(すなわち1.3−位置)、パラ位(すなわち1.4−位置)の3態様を全て包含するものである。これらの可塑剤には公知のリン酸エステル系可塑剤、塩素化パラフィン系可塑剤、ポリエステル系高分子量可塑剤などを1〜30質量部程度を併用することができる。
また軟質塩化ビニル樹脂組成物に含むことができる、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の反応による重合体は、1〜15質量部、好ましくは2〜8質量部である。先ず軟質塩化ビニル樹脂組成物中にポリイソシアネート化合物を0.5〜7.5質量部と、ポリオール化合物を0.5〜7.5質量部、好ましくはポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との質量比1:1(互いの分子量が、分子量差50以内に近似するもの同士)で含み、加熱による軟質塩化ビニル樹脂のゲル化と、加熱によるポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との重付加反応、及びポリイソシアネート化合物と織物表面との付加反応とを同時に行うことで、コーティングクロスにおける織物と軟質塩化ビニル樹脂組成物による含浸被覆層との界面の接着性をより強固なものとし、同時にポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の反応による軟質塩化ビニル樹脂組成物内でのポリウレタン架橋弾性体を生成し、軟質塩化ビニル樹脂とポリウレタンとのアロイ体とすることで、得られる膜材を天幕に用いた組立式テントを繰り返し使用しても、折り畳んだ天幕を拡げた時の透かし白化痕の生成が更に目立たないものとし、テント内部の美観をより維持性の高いものとする。
ポリイソシアネート化合物は具体的に、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(mTMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)などの2官能イソシアネート化合物、これら2官能イソシアネート化合物の3量体である、イソシアヌレート変性トリイソシアネート類、ビュレット変性トリイソシアネート類、トリメチロールアルキル変性トリイソシアネート類などの3官能イソシアネート化合物、またポリオール化合物は、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、トリメチルプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどのグリコール類、ジオール類が例示できる。
軟質塩化ビニル樹脂組成物には、充填剤として炭酸カルシウム、タルク、クレー、二酸化珪素、硫酸バリウムなどのフィラー粒子を1〜50質量部程度含んでいても良い。また難燃剤として、三酸化アンチモン、酸化モリブデン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属化合物、及びポリリン酸アンモニウム、ホスホン酸化合物、ポリリン酸メラミン、(芳香族)リン酸エステル系化合物などのリン含有化合物、及び(イソ)シアヌレート誘導体、(イソ)シアヌル酸誘導体、グアニジン誘導体、尿素誘導体など窒素含有化合物、及びビストリブロモフェノキシエタン、エチレンビステトラブロモフタルイミドなどの臭素系有機化合物などを1〜50質量部程度含んでいても良い。また塩化ビニル樹脂用安定剤として、カルシウム亜鉛複合系、バリウム亜鉛複合系、有機錫ラウレート、有機錫メルカプタイト、エポキシ系などを1〜5質量部程度含んでいても良い。必要に応じて、公知の耐光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防黴剤、防鼠剤、着色剤(顔料)、蛍光増白剤、帯電防止剤などを含むことができる。特に防黴剤を0.05〜1.0質量部程度含むことで本発明の組立式テント用膜材を折り畳んだ状態で長期間保管する際、天幕に黴の発生を抑止する効果を発現し、また防鼠剤としてマイクロカプセル化カプサイシンを0.1〜3質量部程度含むことで本発明の組立式テント用膜材を折り畳んだ状態で長期間保管する際、天幕への鼠による咬害・穴開きの発生を最小限に抑止する効果を発現することができる。
本発明の組立式テント用膜材は、上述のコーティングクロスの片面以上に熱可塑性樹脂層を設けた透光性が全光線透過率(JIS K7361)5〜30%の光半透過性積層体であり、熱可塑性樹脂層は膜材のピンホール欠点を無くすと同時に外観を平滑とし、天幕縫製のための高周波溶着性を安定させるための仕上層である。全光線透過率が30%を超えるとテントの遮光性に劣り、全光線透過率が5%未満だとテント内環境を暗いものとする。熱可塑性樹脂層に用いる熱可塑性樹脂は、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、軟質フッ素エラストマーなど、高周波発熱性を有するものが使用でき、これらは塗膜層またはフィルム層であることが好ましい。特にペースト塩化ビニル樹脂組成物ゾルをコーティングクロスの片面にナイフコーティング、及び熱処理して、10〜100g/m2、好ましくは25〜50g/m2の固化塗膜を形成したもの、懸濁重合タイプの塩化ビニル樹脂コンパウンド組成物を用い、これをカレンダー法またはTダイス法で0.03mm〜0.1mm厚に成型したフィルムを、コーティングクロスの片面に熱ラミネート法によって溶着積層したものが好ましい。特にペースト塩化ビニル樹脂組成物ゾルによるコーティング塗膜が好ましく、このペースト塩化ビニル樹脂組成物には、塩化ビニル系樹脂100質量部、及びシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル(段落〔0014〕、〔0015〕)35〜80質量部を主体に含むものが好ましく、段落〔0018〕の充填剤、難燃剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防黴剤、防鼠剤、着色剤(顔料)、蛍光増白剤、帯電防止剤などを含むことができる。
上記熱可塑性樹脂層には、さらにカプサイシン化合物、銀系化合物、有機ヒ素系化合物、有機ヨード系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、イソチアゾリン系化合物、ピリチオン系化合物、ピリジン系化合物、トリアジン系化合物、N−ハロアルキルチオ系化合物から選ばれた1種以上を0.1〜3質量部、特に0.3〜2質量部を含むことが防黴効果の付与、及び防鼠効果の観点において好ましい。これら化合物のうち特にカプサイシン化合物は鼠による咬害を最小限に抑止する。カブサイシン化合物は強い刺激を有する辛味成分であり、カプサイシン化合物を含有する熱可塑性樹脂層を表面に有する膜材を鼠が数回かじることで鼠が苦痛を覚え、かじり行為を最小限に抑止する効果を奏する。カプサイシン化合物は、カプリリックアシドバニリルアミド、ノナノイルバニリルアミド、デシリックアシドバニリルアミド、ノルジヒドロカプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、カプサイシン、ホモカプサイシンなどから選ばれた1種以上のカプサイシン化合物が挙げられ、これらは尿素系樹脂やメラミン樹脂などの樹脂膜を壁材として被覆内包するカプサイシン化合物の含有量25〜35質量%のマイクロカプセル粒子で、粒径10〜30μmの形態が好ましい。特に好ましいカプサイシン化合物は、壁材としてメラミン樹脂膜を使用してノナノイルバニリルアミドを被覆内包したものである。マイクロカプセル粒子を用いる場合は上記熱可塑性樹脂層に含む好ましい使用量は1〜3質量部である。また防黴剤は、具体的にOBPA:10,10′−オキシビスフェノキシアルシン、TBZ:2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールなどを0.1〜1質量部含むことができる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下に実施例及び比較例の膜材の評価方法を説明する。
耐屈曲性試験(1)10cm(タテ)×10cm(ヨコ)の正方形の膜材片を、タテ5cmの位置で2つ折りしたものを、さらにヨコ5cmの位置で2つ折りした5cm(タテ)×5cm(ヨコ)の4つ折り畳み体を試験片とした。この試験片を10cm×10cmの2枚のガラス板に挟み、5kgの錘を乗せた状態で20℃×30分間放置した後、試験片を拡げ、折り痕を透過光で観察し白化痕の有無及び状態を確認した。
1 :白化痕の発生を認めない
2 :白化痕の発生が軽微である
3 :白化痕の発生が顕著である
耐屈曲性試験(2)上記試験(1)の試験片を用い、(1)で行った2つ折りの部分を反転した2つ折りとして試験(1)と同様に4つ折り畳み体を試験片として試験(1)と同じ試験及び評価を行った。
防黴試験 2.5cm×2.5cmの試験片を下記カビ胞子を含む寒天培地中央に置き、シャーレ中で28℃×7日間カビの発生状況を観察し、以下の判定基準で評価を行った。
1:カビの発生を認めない
2:カビの発生を認める(φ3mm未満のコロニー)
3:カビの発生を認める(φ3〜8mmのコロニー)
〈試験用カビ〉A+B+Cの混合カビ
A.Aspergillus niger FERM S−1(黒カビ)
B.Penicillium citrinum FERM S−5(青カビ)
C.Cladosporium cladosporioides FERM S−8(クロカワカビ)
防鼠試験:マウスによる齧り試験(目視による損傷評価)
マウス、Mus musculus albino(ICR系)、10週齢を個別飼育ゲージに入れ、10cm×10cmの試験片の4つ折り体と供に8日間放置後、試験片の囓られ跡を観察し、1回目の評価を行った。通常飼育によるインターバル3日を設け、同一マウスによる2回目の試験(8日間放置)を行い、再度通常飼育によるインターバル3日を設け、同一供マウスによる3回目の試験(8日間放置)を行った。
1:齧られた痕が少ない(小さい)
2:齧られた痕が多いが穴は開いていない
3:齧られて穴が開いている
高周波溶着試験(耐熱クリープ性)
3cm幅×30cm長の試験片の端部4cmと、もう1つの3cm幅×30cm長の試験片の端4cm幅とを重ね合わせ、重ね合わせ3cm幅×4cm長部分を高周波ウエルダー融着機(山本ビニター社製YF−7000型:出力7KW)を用い、陽極電流1.0Aで高周波融着接合を行い、接合体を得た。この接合体をクリープ試験機(東洋精機製作所社製:100LDR型)を使用し、50℃×20kgf荷重の条件で耐熱クリープ性を24時間評価した。
1:24時間保持
2:接合部が剥離し、接合体が切断した
耐屈曲性試験(1)10cm(タテ)×10cm(ヨコ)の正方形の膜材片を、タテ5cmの位置で2つ折りしたものを、さらにヨコ5cmの位置で2つ折りした5cm(タテ)×5cm(ヨコ)の4つ折り畳み体を試験片とした。この試験片を10cm×10cmの2枚のガラス板に挟み、5kgの錘を乗せた状態で20℃×30分間放置した後、試験片を拡げ、折り痕を透過光で観察し白化痕の有無及び状態を確認した。
1 :白化痕の発生を認めない
2 :白化痕の発生が軽微である
3 :白化痕の発生が顕著である
耐屈曲性試験(2)上記試験(1)の試験片を用い、(1)で行った2つ折りの部分を反転した2つ折りとして試験(1)と同様に4つ折り畳み体を試験片として試験(1)と同じ試験及び評価を行った。
防黴試験 2.5cm×2.5cmの試験片を下記カビ胞子を含む寒天培地中央に置き、シャーレ中で28℃×7日間カビの発生状況を観察し、以下の判定基準で評価を行った。
1:カビの発生を認めない
2:カビの発生を認める(φ3mm未満のコロニー)
3:カビの発生を認める(φ3〜8mmのコロニー)
〈試験用カビ〉A+B+Cの混合カビ
A.Aspergillus niger FERM S−1(黒カビ)
B.Penicillium citrinum FERM S−5(青カビ)
C.Cladosporium cladosporioides FERM S−8(クロカワカビ)
防鼠試験:マウスによる齧り試験(目視による損傷評価)
マウス、Mus musculus albino(ICR系)、10週齢を個別飼育ゲージに入れ、10cm×10cmの試験片の4つ折り体と供に8日間放置後、試験片の囓られ跡を観察し、1回目の評価を行った。通常飼育によるインターバル3日を設け、同一マウスによる2回目の試験(8日間放置)を行い、再度通常飼育によるインターバル3日を設け、同一供マウスによる3回目の試験(8日間放置)を行った。
1:齧られた痕が少ない(小さい)
2:齧られた痕が多いが穴は開いていない
3:齧られて穴が開いている
高周波溶着試験(耐熱クリープ性)
3cm幅×30cm長の試験片の端部4cmと、もう1つの3cm幅×30cm長の試験片の端4cm幅とを重ね合わせ、重ね合わせ3cm幅×4cm長部分を高周波ウエルダー融着機(山本ビニター社製YF−7000型:出力7KW)を用い、陽極電流1.0Aで高周波融着接合を行い、接合体を得た。この接合体をクリープ試験機(東洋精機製作所社製:100LDR型)を使用し、50℃×20kgf荷重の条件で耐熱クリープ性を24時間評価した。
1:24時間保持
2:接合部が剥離し、接合体が切断した
[実施例1]
〈織布〉
ポリエステル(PET)マルチフィラメント250dの糸条を経糸及び緯糸とする平織織布(経糸:278dtex×緯糸:278dtex)/(経糸:26本/25.4mm×緯糸:50本/25.4mm)、質量85g/m2、空隙率9%を用いた。
〈コーティングクロス〉
織布を下記[配合1]の軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾル浴中に浸漬し、織布に軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾルを織布全体に含浸させ、織布を引き上げると同時に1対のゴムロールで圧搾した後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、ペースト塩化ビニル樹脂組成物をゲル化して、100g/m2の軟質塩化ビニル樹脂組成物で含浸被覆された、空隙率0%、質量185g/m2のコーティングクロスを得た。
〔配合1〕軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾル
乳化重合ペースト塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 60質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
三酸化アンチモン(粉状難燃剤) 20質量部
水酸化アルミニウム(粉状難燃剤) 10質量部
硫酸バリウム(粉状充填剤) 10質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白色顔料) 3質量部
〈膜材:天幕〉
上記コーティングクロスの片表面上に[配合2]の軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾルを用いてナイフコーティングを行った後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、ペースト塩化ビニル樹脂組成物をゲル化して、30g/m2の軟質塩化ビニル樹脂組成物(熱可塑性樹脂層)で被覆された、空隙率0%、質量215g/m2、全光線透過率20%の光半透過性膜材を得た。
〔配合2〕軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾル
乳化重合ペースト塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 60質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
三酸化アンチモン(粉状難燃剤) 20質量部
水酸化アルミニウム(粉状難燃剤) 10質量部
硫酸バリウム(粉状充填剤) 10質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール(防黴剤:TBZ) 0.1質量部
酸化チタン(白色顔料) 3質量部
この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生が軽微であるもの、すなわち評価基準2であった。また防黴試験の結果は評価基準1、防鼠試験の結果は評価基準3であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準1で、24時間安定保持されていた。
〈織布〉
ポリエステル(PET)マルチフィラメント250dの糸条を経糸及び緯糸とする平織織布(経糸:278dtex×緯糸:278dtex)/(経糸:26本/25.4mm×緯糸:50本/25.4mm)、質量85g/m2、空隙率9%を用いた。
〈コーティングクロス〉
織布を下記[配合1]の軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾル浴中に浸漬し、織布に軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾルを織布全体に含浸させ、織布を引き上げると同時に1対のゴムロールで圧搾した後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、ペースト塩化ビニル樹脂組成物をゲル化して、100g/m2の軟質塩化ビニル樹脂組成物で含浸被覆された、空隙率0%、質量185g/m2のコーティングクロスを得た。
〔配合1〕軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾル
乳化重合ペースト塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 60質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
三酸化アンチモン(粉状難燃剤) 20質量部
水酸化アルミニウム(粉状難燃剤) 10質量部
硫酸バリウム(粉状充填剤) 10質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白色顔料) 3質量部
〈膜材:天幕〉
上記コーティングクロスの片表面上に[配合2]の軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾルを用いてナイフコーティングを行った後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、ペースト塩化ビニル樹脂組成物をゲル化して、30g/m2の軟質塩化ビニル樹脂組成物(熱可塑性樹脂層)で被覆された、空隙率0%、質量215g/m2、全光線透過率20%の光半透過性膜材を得た。
〔配合2〕軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾル
乳化重合ペースト塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 60質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
三酸化アンチモン(粉状難燃剤) 20質量部
水酸化アルミニウム(粉状難燃剤) 10質量部
硫酸バリウム(粉状充填剤) 10質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール(防黴剤:TBZ) 0.1質量部
酸化チタン(白色顔料) 3質量部
この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生が軽微であるもの、すなわち評価基準2であった。また防黴試験の結果は評価基準1、防鼠試験の結果は評価基準3であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準1で、24時間安定保持されていた。
[実施例2]
実施例1と同じコーティングクロスを用い、コーティングクロスの片表面上に[配合3]の軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾルを用いてナイフコーティングを行った後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、ペースト塩化ビニル樹脂組成物をゲル化して、30g/m2の軟質塩化ビニル樹脂組成物(熱可塑性樹脂層)で被覆された、空隙率0%、質量215g/m2、全光線透過率20%の光半透過性膜材を得た。
〔配合3〕軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾル
乳化重合ペースト塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 60質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
三酸化アンチモン(粉状難燃剤) 20質量部
水酸化アルミニウム(粉状難燃剤) 10質量部
硫酸バリウム(粉状充填剤) 10質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
カプサイシン含有マイクロカプセル粒子(防鼠剤) 2質量部
※ノナノイルバニリルアミドを32質量%含有するメラミン壁を有する粒子径15〜2
5μmのマイクロカプセル
10,10′−オキシビスフェノキシアルシン(防黴剤:OBPA) 0.1質量部
酸化チタン(白色顔料) 3質量部
この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生が軽微であるもの、すなわち評価基準2であった。また防黴試験の結果は評価基準1、防鼠試験の結果は評価基準1であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準1で、24時間安定保持されていた。
実施例1と同じコーティングクロスを用い、コーティングクロスの片表面上に[配合3]の軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾルを用いてナイフコーティングを行った後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、ペースト塩化ビニル樹脂組成物をゲル化して、30g/m2の軟質塩化ビニル樹脂組成物(熱可塑性樹脂層)で被覆された、空隙率0%、質量215g/m2、全光線透過率20%の光半透過性膜材を得た。
〔配合3〕軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾル
乳化重合ペースト塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 60質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
三酸化アンチモン(粉状難燃剤) 20質量部
水酸化アルミニウム(粉状難燃剤) 10質量部
硫酸バリウム(粉状充填剤) 10質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
カプサイシン含有マイクロカプセル粒子(防鼠剤) 2質量部
※ノナノイルバニリルアミドを32質量%含有するメラミン壁を有する粒子径15〜2
5μmのマイクロカプセル
10,10′−オキシビスフェノキシアルシン(防黴剤:OBPA) 0.1質量部
酸化チタン(白色顔料) 3質量部
この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生が軽微であるもの、すなわち評価基準2であった。また防黴試験の結果は評価基準1、防鼠試験の結果は評価基準1であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準1で、24時間安定保持されていた。
[実施例3]
実施例1と同じコーティングクロスを用い、コーティングクロスの片表面上に[配合4]の軟質塩化ビニル樹脂組成物コンパウンドを用いて170℃条件のカレンダー成型で得た厚さ0.05mmのフィルムを175℃条件で熱ラミネートし、70g/m2の軟質塩化ビニル樹脂組成物(熱可塑性樹脂層)で被覆された、空隙率0%、質量255g/m2、全光線透過率20%の光半透過性膜材を得た。
〔配合4〕軟質塩化ビニル樹脂組成物コンパウンド
懸濁重合ストレート塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 50質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
三酸化アンチモン(粉状難燃剤) 15質量部
水酸化アルミニウム(粉状難燃剤) 10質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
カプサイシン含有マイクロカプセル粒子(防鼠剤) 2質量部
※ノナノイルバニリルアミドを32質量%含有するメラミン壁を有する粒子径15〜2
5μmのマイクロカプセル
10,10′−オキシビスフェノキシアルシン(防黴剤:OBPA) 0.1質量部
酸化チタン(白色顔料) 3質量部
この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生を認めないもの、すなわち評価基準1であった。また防黴試験の結果は評価基準1、防鼠試験の結果は評価基準1であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準1で、24時間安定保持されていた。
実施例1と同じコーティングクロスを用い、コーティングクロスの片表面上に[配合4]の軟質塩化ビニル樹脂組成物コンパウンドを用いて170℃条件のカレンダー成型で得た厚さ0.05mmのフィルムを175℃条件で熱ラミネートし、70g/m2の軟質塩化ビニル樹脂組成物(熱可塑性樹脂層)で被覆された、空隙率0%、質量255g/m2、全光線透過率20%の光半透過性膜材を得た。
〔配合4〕軟質塩化ビニル樹脂組成物コンパウンド
懸濁重合ストレート塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 50質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
三酸化アンチモン(粉状難燃剤) 15質量部
水酸化アルミニウム(粉状難燃剤) 10質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
カプサイシン含有マイクロカプセル粒子(防鼠剤) 2質量部
※ノナノイルバニリルアミドを32質量%含有するメラミン壁を有する粒子径15〜2
5μmのマイクロカプセル
10,10′−オキシビスフェノキシアルシン(防黴剤:OBPA) 0.1質量部
酸化チタン(白色顔料) 3質量部
この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生を認めないもの、すなわち評価基準1であった。また防黴試験の結果は評価基準1、防鼠試験の結果は評価基準1であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準1で、24時間安定保持されていた。
[実施例4]
実施例1の〔配合1〕を下記〔配合5〕に変更した以外は実施例1と同様として、空隙率0%、質量215g/m2、全光線透過率20%の光半透過性膜材を得た。この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、ポリイソシアネート化合物(TDIの3量体)とポリオール化合物の反応による軟質塩化ビニル樹脂組成物内でのポリウレタン架橋弾性体を生成し、軟質塩化ビニル樹脂とポリウレタンとのアロイ体とすることで、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生を認めない評価基準1であった。また防黴試験の結果は評価基準1、防鼠試験の結果は評価基準3であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準1で、24時間安定保持されていた。
〔配合5〕軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾル
乳化重合ペースト塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 60質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
イソシアヌレート変性トリイソシアネート(TDIの3量体) 3質量部
ジエチレングリコール(ポリオール) 3質量部
三酸化アンチモン(粉状難燃剤) 20質量部
水酸化アルミニウム(粉状難燃剤) 10質量部
硫酸バリウム(粉状充填剤) 10質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白色顔料) 3質量部
実施例1の〔配合1〕を下記〔配合5〕に変更した以外は実施例1と同様として、空隙率0%、質量215g/m2、全光線透過率20%の光半透過性膜材を得た。この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、ポリイソシアネート化合物(TDIの3量体)とポリオール化合物の反応による軟質塩化ビニル樹脂組成物内でのポリウレタン架橋弾性体を生成し、軟質塩化ビニル樹脂とポリウレタンとのアロイ体とすることで、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生を認めない評価基準1であった。また防黴試験の結果は評価基準1、防鼠試験の結果は評価基準3であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準1で、24時間安定保持されていた。
〔配合5〕軟質塩化ビニル樹脂組成物ペーストゾル
乳化重合ペースト塩化ビニル樹脂(重合度1700) 100質量部
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(可塑剤) 60質量部
※商品名:ヘキサモールDINCH(BASF社製)
エポキシ化大豆油(可塑剤) 5質量部
イソシアヌレート変性トリイソシアネート(TDIの3量体) 3質量部
ジエチレングリコール(ポリオール) 3質量部
三酸化アンチモン(粉状難燃剤) 20質量部
水酸化アルミニウム(粉状難燃剤) 10質量部
硫酸バリウム(粉状充填剤) 10質量部
バリウム/亜鉛複合化合物(安定剤) 2質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 0.3質量部
酸化チタン(白色顔料) 3質量部
[比較例1]
実施例1の〔配合1〕に用いた、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル60質量部を、ジ−2−エチルヘキシル−フタレート(別名:フタル酸ジオクチル:DOP)60質量部に変更した以外は実施例1と同様として、30g/m2の軟質塩化ビニル樹脂組成物(熱可塑性樹脂層)で被覆された、空隙率0%、質量215g/m2、全光線透過率20%の光半透過性膜材を得た。この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生を顕著に認める評価基準3であった。また防黴試験の結果は評価基準1、防鼠試験の結果は評価基準3であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準1で、24時間安定保持されていた。
実施例1の〔配合1〕に用いた、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル60質量部を、ジ−2−エチルヘキシル−フタレート(別名:フタル酸ジオクチル:DOP)60質量部に変更した以外は実施例1と同様として、30g/m2の軟質塩化ビニル樹脂組成物(熱可塑性樹脂層)で被覆された、空隙率0%、質量215g/m2、全光線透過率20%の光半透過性膜材を得た。この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生を顕著に認める評価基準3であった。また防黴試験の結果は評価基準1、防鼠試験の結果は評価基準3であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準1で、24時間安定保持されていた。
[比較例2]
実施例1膜材から熱可塑性樹脂層を省略し、すなわち実施例1で用いたコーティングクロスのまま使用した。この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生を顕著に認める評価基準3であった。また防黴試験の結果は評価基準3、防鼠試験の結果は評価基準3であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準2で、約3時間で接合体が剥離破壊して切断した。
実施例1膜材から熱可塑性樹脂層を省略し、すなわち実施例1で用いたコーティングクロスのまま使用した。この膜材を試験片とする4つ折り畳み体を評価した結果、耐屈曲性試験(1)及び(2)ともに白化痕の発生を顕著に認める評価基準3であった。また防黴試験の結果は評価基準3、防鼠試験の結果は評価基準3であった。さらに接合体の高周波溶着試験(耐熱クリープ性)は評価基準2で、約3時間で接合体が剥離破壊して切断した。
本発明の組立式テント用膜材は、マルチフィラメントを糸条とする織布に軟質塩化ビニル樹脂組成物を含浸被覆してなるコーティングクロスを基材として、この基材の片面以上に熱可塑性樹脂層が設けられた光半透過性積層体において、軟質塩化ビニル樹脂組成物が、シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステルを主体に含むことによって、得られる膜材を天幕に用いた組立式テントを繰り返し使用しても、天幕の折り畳み白化跡による外観不良や光透過ムラの発生が抑止されるような耐屈曲性と長期保管性(防黴性や防鼠性)に優れているので、組み立て式屋形(集会用)テント、折り畳み開閉式屋形(集会用)テント、(折り畳み式)パラソル型日除け、組み立て式日除けモニュメント、ベランダ用日除けテント、タープテントなどの組立式テントの天幕などに広く活用でき、しかも縫製天幕として耐熱クリープ性にも優れているので強度的耐久性にも優れている。
Claims (4)
- マルチフィラメントを糸条とする織布に軟質塩化ビニル樹脂組成物を含浸被覆してなるコーティングクロスを基材として、この基材の片面以上に熱可塑性樹脂層が設けられた光半透過性積層体であって、前記軟質塩化ビニル樹脂組成物が、ペースト塩化ビニル系樹脂100質量部、及びシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル(〔化1〕の群)35〜80質量部を主体に含むことを特徴とする組立式テント用膜材。
- 前記軟質塩化ビニル樹脂組成物が、さらにポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の反応による重合体を1〜15質量部を含む請求項1に記載の組立式テント用膜材。
- 前記熱可塑性樹脂層が、塩化ビニル系樹脂100質量部、及びシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルエステル(〔化1〕の群)35〜80質量部を主体に含むコーティング層、またはフィルム層である請求項1または2に記載の組立式テント用膜材。
- 前記熱可塑性樹脂層が、さらにカプサイシン化合物、銀系化合物、有機ヒ素系化合物、有機ヨード系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、イソチアゾリン系化合物、ピリチオン系化合物、ピリジン系化合物、トリアジン系化合物、N−ハロアルキルチオ系化合物から選ばれた1種以上を0.1〜3質量部を含む請求項3に記載の組立式テント用膜材。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020079948A1 (ja) * | 2018-10-17 | 2020-04-23 | 日榮新化株式会社 | 粘着シート及びその製造方法 |
-
2014
- 2014-12-09 JP JP2014248565A patent/JP2016107547A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020079948A1 (ja) * | 2018-10-17 | 2020-04-23 | 日榮新化株式会社 | 粘着シート及びその製造方法 |
CN112823191A (zh) * | 2018-10-17 | 2021-05-18 | 日荣新化株式会社 | 粘合片及其制造方法 |
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