JP6426231B1 - 複合膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子力発電所の原子炉建屋からの放射性物質の飛散防止を図ることができ、高放射線量環境下において長期間使用可能な複合膜の提供。【解決手段】限界酸素指数(LOI)が25以上である有機繊維布帛を基布11として用い、その両面に、不燃性又は難燃性の樹脂被覆層12が形成され、かつ、樹脂被覆層12の少なくとも片面にフッ素系樹脂被覆層20が形成されており、引張強さが、タテ・ヨコ方向ともに1,000N/インチ以上である複合膜。有機繊維布帛が織物、編物、編状物又はハニカム状物から選ばれる1種以上の組織で構成されたものであり、その有機繊維が強張強さ15cN/dtex以上が、好ましく、好ましくはアラミド繊維である、複合膜。好ましは難燃性又は不燃性の樹脂層が塩化ビニル系樹脂から選ばれた一種以上の脂脂である、複合膜。【選択図】図1

Description

本発明は、養生用複合膜に関し、詳細には、原子力発電所の原子炉建屋からの放射性物質の飛散防止を目的とする養生用複合膜に関する。
東京電力福島第一原子力発電所は2011年3月に発生した大津波の直後に核燃料が融け落ちるという、いわゆるメルトダウンが発生し、対策が進められている。廃炉に当たっては融け落ちた核燃料を原子炉から取出す必要があり、鋭意取出し方法の検討が進められている。原子炉建屋から核燃料や燃料デブリを取出す時には、原子炉建屋からの放射性物質の飛散防止対策が必要であり、原子炉建屋の周りを養生し、放射性物質を外部に漏らさない気密性が要求される。
通常養生用シートやテント地などの膜材料として、ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維からなる布帛に、軟質塩化ビニル樹脂などを被覆積層した膜材料が多く使用されている。しかしながら、福島第一原子力発電所の原子炉建屋のように放射線量が高い場所においては、これらの合成繊維は耐放射線性に問題があるため、短期間で劣化し耐用年数が短く、頻繁に交換しなければならない問題がある。高放射線量下での交換作業は大変困難で、かつ、放射性物質の飛散の恐れもあることから、長寿命の膜材料が求められている。
特許文献1には、補強繊維としてガラス繊維を用いた布帛に、フッ素樹脂フィルムを積層熱圧接した膜材料が提案されているが、ガラス繊維は無機繊維であるため、耐屈曲疲労性に乏しいことが知られている。該膜材料を長期間屋外で使用すると風によるはためきによって繰り返し変形するため、ガラス繊維の強力低下が起こり、膜寿命が短くなるという問題がある。
特許文献2には、繊維布帛基布の表裏両面に軟質塩化ビニル樹脂下地層を形成し、その上にフッ素樹脂表面層を形成した複合膜が提案されている。繊維布帛としては、天然繊維(例えば綿、麻など)、合成繊維(例えばポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール繊維など)、および無機繊維(例えばガラス、カーボン繊維など)が開示されている。しかしながら、例示された天然繊維や合成繊維は高放射線下での耐放射線性に乏しく、また、無機繊維は耐屈曲疲労性に乏しいため、やはりいずれも膜寿命が短くなるという問題がある。
一方で、特許文献3には、放射線環境下において放射線遮蔽水嚢用膜材として使用するのに好適な膜材として、繊維布帛(基布)の少なくとも片面に樹脂被覆層を形成し、該樹脂被覆層にタングステン粉末などを含む放射線遮蔽樹脂層を積層した複合膜が開示され、また、特許文献4には、内容物を把握しながら梱包するのに好適な梱包材用の膜材として、メッシュ状布帛と引張伸度が大きい透明フィルム・シートを積層した複合膜が開示されている。しかしながら、これらの膜材は養生用膜材として使用するために必要な長寿命性や燃焼性等の点で課題がある。
特開2002−210894号公報 特開平6−246873号公報 特開2015−224967号公報 特開2016−010971号公報
本発明はかかる従来技術の背景に鑑み、原子力発電所の原子炉建屋からの放射性物質の飛散防止を図ることができ、高放射線量環境下において長期間使用可能な複合膜を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく耐放射線性の複合膜を検討した結果、限界酸素指数(LOI)が25以上である有機繊維布帛を基布として用い、その両面に、不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層が形成され、かつ、該樹脂被覆層の少なくとも片面にフッ素系樹脂被覆層が形成された複合膜が、意外にもかかる課題を一挙に解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 限界酸素指数(LOI)が25以上で、引張強さが15cN/dtex以上の高強度繊維で、かつ、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維および全芳香族ポリエステル繊維から選ばれた少なくとも1種の有機繊維布帛を基布として用い、その両面に不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層が形成され、かつ、該樹脂被覆層の少なくとも片面にフッ素系樹脂被覆層が形成されていることを特徴とする放射性物質の飛散防止を目的とする養生用複合膜。
(2)有機繊維布帛が、織物、編物、編状物およびハニカム状物から選ばれた少なくとも1種の組織で構成されたものである、前記(1)に記載の複合膜。
(3)不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層が、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリル酸エステル共重合体から選ばれた少なくとも1種以上からなるものである、前記(1)または(2)に記載の複合膜。
(4)高強度繊維がアラミド繊維である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の複合膜。
)フッ素系樹脂被覆層が、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、四フッ化エチレン・エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・四フッ化エチレン共重合体から選ばれた少なくとも1種以上の樹脂を含む、前記(1)〜()のいずれかに記載の複合膜。
)複合膜の引張強さが、タテ・ヨコ方向ともに1,000N/インチ以上である、前記(1)〜()のいずれかに記載の複合膜。
本発明の複合膜は、高い引張破壊強力を有し、耐放射線性に優れるため、高放射線量下で長期間使用する養生用膜材として好適である。特に、原子力発電所の原子炉建屋からの放射性物質の飛散を防止し、気密性を確保する際の養生用膜材として好適である。
本発明の複合膜の積層構成例を説明する説明図である。
本発明に係る複合膜は、有機繊維を用いた布帛(基布)の両面に、不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層を形成し、さらに該樹脂被覆層の少なくとも片面にフッ素系樹脂被覆層を形成したものである。
図1に、好ましい積層構成例を示す。1は複合膜、11は有機繊維布帛(基布)、12は不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層、20はフッ素系樹脂被覆層である。
本発明の複合膜の好ましい引張強さは、タテ・ヨコ方向ともに1,000N/インチ以上である。引張り強さが1,000N/インチ以上であれば、取扱時や養生時の損傷を防止できるとともに、使用中の砂や石などの飛散による破損を防ぐことができる。
有機繊維布帛を構成する有機繊維としては、限界酸素指数(LOI)が25以上の有機繊維を用いることが重要である。このような繊維は燃えにくい性質を有するとともに、限界酸素指数が25未満の繊維に較べて優れた耐放射線性を有するため、好ましく用いられる。さらに有機繊維が高強度繊維であり、JIS L 1013:2010「化学繊維フィラメント糸試験方法」に基づく引張強さが15cN/dtex以上であれば、布帛としての目付を増やすことなく複合膜としての強力を向上させることができ、複合膜の軽量化が図れるため、さらに好ましい。
有機繊維からなる布帛(基布)としては、織物、編物、編状物およびハニカム状物から選ばれた少なくとも1種の組織で構成されたものが挙げられる。これらの布帛の中でも、強力の観点から織物が好ましい。織物組織としては、特に限定されず、平織、綾織、朱子織等が使用できる。
高強度繊維としては、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維、全芳香族ポリエステル繊維が挙げられ、これらの高強度繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。なかでも放射線に対する耐性に優れる点から、アラミド繊維を用いることが好ましい。
アラミド繊維は、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維のいずれも使用できるが、引張強さに優れる点から、パラ系アラミド繊維が好ましい。かかるパラ系アラミド繊維としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン社製、商品名「KEVLAR」(登録商標))、コポリパラフェニレン−3,4'−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ社製、商品名「テクノーラ」)等がある。
有機繊維を用いた布帛(基布)の目付は、50g/m〜1,000g/mであることが好ましい。アラミド繊維を用いた布帛の場合、目付が50g/mであっても、布帛の引張強さが1,000N/インチを超えるため、軽量で強力の高い複合膜の作製が可能となるため、特に好適である。また、目付が1,000g/m以下であれば、軽量性および耐屈曲疲労性の点で問題のない複合膜を得ることができる。布帛(基布)の目付は、引張強さと、軽量性、耐屈曲疲労性とのバランスのよい複合膜を得る観点より、より好ましくは100g/m〜800g/mであり、さらに好ましくは200g/m〜500g/mである。
基布を構成する繊維の繊度は、強力の観点からは太いものがよいが、太すぎると布帛への加工性に劣る。経済的な観点より、220dtex以上が好ましく、より好ましくは、220〜6,400dtexである。
基布の両面に形成する不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層は、基布の両面を完全被覆したものであり、樹脂被覆層の質量は、基布の質量に対して1倍質量から10倍質量であることが好ましい。樹脂被覆層の質量が、基布と同質量以上であれば、基布を構成する有機繊維が樹脂被覆層から露出するのを防ぐことができ、また、基布の質量に対して10倍質量以下であれば、複合膜全体が重くなり取扱いが困難になるのを防ぐことができる。樹脂被覆層の質量は、基布の質量に対して2倍質量から6倍質量であることが、より好ましい。不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層を基布の両面に設ける場合、両面の樹脂被覆量は特に限定されず、複合膜が適用される条件に合わせて適宜決定すればよい。なお、樹脂被覆層の質量は、後述する可塑剤、安定剤などの添加剤を添加した不燃性もしくは難燃性の樹脂を用いた樹脂被覆層の場合には、添加剤も含めた質量を指す。
不燃性もしくは難燃性の樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリル酸エステル共重合体などの塩化ビニル系樹脂が挙げられる。これらの塩化ビニル系樹脂のなかでも、加工性、経済性の観点より、塩化ビニル樹脂が好ましい。
前記の塩化ビニル系樹脂は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、基布の両面に形成する樹脂被覆層を異なる樹脂で形成する、あるいは、2種以上の樹脂の混合物を基布の両面に形成する方法などが挙げられる。これらの樹脂を基布の両面に積層することにより、複合膜を不燃化することができ、この不燃化した複合膜を用いることにより、万一火災が発生した際にも安心して使用することができる。
基布の両面に、不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層を形成する場合、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。例えば、可塑剤を配合して軟質化したペースト状塩ビ組成物ゾルを基布にコーティングして付着させた後、加熱してゲル化する方法を用いることができる。また、予めフィルム化した軟質塩化ビニル系樹脂フィルムを基布上に熱ラミネートする方法、あるいは、基布を塩化ビニル系樹脂エマルジョンに浸漬した後、加熱乾燥する方法を用いてもよい。
前記の不燃性もしくは難燃性の樹脂は、可塑剤、防炎剤、安定剤、紫外線吸収剤などの添加剤を配合することで樹脂の長寿命化などの効果が得られる。可塑剤の配合量は、任意に設定でき、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、30〜100質量部が好ましい。その他、有機系顔料、無機系顔料、着色剤、難燃剤、充填剤、帯電防止剤、防カビ剤、架橋剤、粘度調整剤など、公知の樹脂用添加剤を任意に配合することができる。
可塑剤、防炎剤、安定剤、紫外線吸収剤などは、公知のものを用いることができる。可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系化合物、アジピン酸エステル系化合物、セバシン酸エステル系化合物などが挙げられる。防炎剤としては、例えば、酸化アンチモンやホウ酸亜鉛などの無機化合物、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェートなどのリン酸エステル化合物などが挙げられる。安定剤としては、例えば、Ba−Zn系やCa−Zn系の複合金属石けん、ステアリン酸バリウムなどの金属石けん、ジブチルスズラウレートなどの有機スズ化合物、エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物などが挙げられる。紫外線吸収剤としては、公知のトリアゾール系やベンゾフェノン系、サリチル酸系などの紫外線吸収剤が挙げられる。
本発明の複合膜では、不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層の表面に、さらにフッ素系樹脂被覆層を形成する。フッ素系樹脂は一般に防汚性に優れており、屋外での使用に適している。また、耐光性にも優れており長期間の屋外使用が可能である。さらに、フッ素系樹脂に酸化チタンや紫外線吸収剤等を樹脂に添加することで、一層の長寿命化が図れる。
フッ素系樹脂としては、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、四フッ化エチレン・エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・四フッ化エチレン重合体等から選ばれるフッ素樹脂を用いることができる。これらのフッ素系樹脂のなかでも、フッ化ビニル樹脂あるいはエチレン・四フッ化エチレン共重合体は耐放射線性に優れるため、特に好ましく用いることができる。
本発明の複合膜では、フッ素系樹脂被覆層は、不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層の少なくとも片面に設ければよく、必ずしも両面に設ける必要はない。片面にのみフッ素系樹脂被覆層を設けた複合膜で建屋などを覆う場合には、フッ素系樹脂被覆層を設けた側が外側になるように建屋を覆うことが好ましい。
フッ素系樹脂被覆層を形成する場合、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。例えば、基布上に形成された不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層に、フッ素系樹脂コーティング液を塗布し乾燥させる方法、フッ素系樹脂の溶融物を塗布する方法、あるいはフィルム化したフッ素樹脂を熱ラミネートする方法などが挙げられる。塗布方法としては、例えば、ロールコーティング法、ナイフコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法などが挙げられる。
被覆層の厚さは、特に制限されず、複合膜が適用される条件に合わせて適宜決定すればよい。被覆層の厚さとしては、10〜80μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。被覆層の厚さが10μm以上であると、養生時における防汚性、耐候性、耐放射線性を付与することができる。一方、被覆層の厚さが80μmを超えると、製造コスト面で好ましくない。
フッ素系樹脂被覆層を、不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層の上に形成する際に、フッ素系樹脂と、不燃性もしくは難燃性の樹脂との接着性を強化するために、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂などからなる中間層を設けてもよい。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。実施例中における各測定値は以下の方法に準拠した。
(目付)
JIS K 6404−2−2:1999「ゴム引布・プラスチック引布試験方法」に基づいて、1m当たりの複合膜の質量を測定した。
(厚み)
JIS K 6404−2−3:1999「ゴム引布・プラスチック引布試験方法」に基づいて、複合膜の厚さを測定した。
(複合膜の引張強さ)
JIS K 6404−3:1999 A−1法(ストリップ法)に基づいて、複合膜のタテ方向とヨコ方向の引張強さを測定し、以下の基準で評価した。
○;1,500N/インチ超
△;1,000N〜1,500N/インチ
×;1,000N/インチ未満
(耐放射線性の評価)
放射線照射は室温(空気中)にてγ線(Co60)を照射し、累積吸収線量1MGyで照射完了とした。
耐放射線性は、シート状の複合膜に放射線を照射した後、上記と同様の引張試験を行って放射線照射前後の引張強さを比較し、以下の基準で評価した。
○;照射後の引張強さが照射前の引張強さの70%以上
△;照射後の引張強さが照射前の引張強さの50%〜70%
×;照射後の引張強さが照射前の引張強さの50%未満
(屈曲疲労性の評価)
JIS K 6404−3:1999 A−1法「ゴム引布・プラスチック引布試験方法」に基づいて、もみ試験を実施し屈曲疲労性を比較した。もみ回数1,000回後の試料を観察し、以下の基準で評価した
○;異常なし。
△;樹脂層の剥離が見られる。
×;樹脂部の剥離及び繊維のほつれが認められる。
(耐光性の評価)
JIS K 6404−17:1999「ゴム引布・プラスチック引布試験方法」に基づいて、耐光試験を実施し耐光性を比較した。紫外線カーボンアーク灯に450時間暴露後の試料を観察し、変退色グレースケールを用いて以下の基準で評価した。
○;3級以上
△;2級
×;1級
(実施例1)
有機繊維布帛(基布)として、KEVLAR(R)繊維織物の品番710(繊維:KEVLAR29、繊度:1,670dtex、織り密度:24本/インチ×24本/インチ、目付:319g/m、厚さ:0.43mm)を用いた。
この基布の両面に、ペースト塩ビ組成物ゾル(ペースト塩ビ:100質量部、フタル酸エステル系可塑剤:60質量部、Ba−Zn系複合安定剤:2質量部、エポキシ大豆油:3重量部、Ca系充填剤:10質量部、架橋剤:2質量部、白顔料:2質量部)を均一にナイフコーティングし、これを170℃で加熱することでゲル化して両面樹脂被覆した有機繊維布帛(目付:770g/m、厚さ:0.55mm)を得た。
次にフッ素系樹脂被覆層を形成した。フッ素系樹脂として、デュポン社製のTEDLAR(R)フィルムを用いた。TEDLAR(R)フィルムは、フッ化ビニル樹脂をフィルムにしたもので、品番TWH15BE3(厚さ:15μm、目付:56g/m、比重:1.46)を、接着性を向上させるためにあらかじめ片面をコロナ処理したものを使用した。
表面処理を施したTEDLAR(R)フィルムを、前記の両面樹脂被覆した有機繊維布帛の片面に積層し、熱プレス機を用いて、温度130〜200℃、プレス圧力20Kg/cm、プレス時間約10分の条件で熱圧接して複合膜を作製した。
得られた複合膜は、目付は826g/m、厚さは0.57mmで、引張強さは、タテ方向が4,900N/インチ、ヨコ方向が5,300N/インチであった。
(実施例2)
有機繊維布帛として、KEVLAR(R)繊維織物の品番732(繊維:KEVLAR29、繊度:440dtex、織り密度:32本/インチ×32本/インチ、目付:109g/m、厚さ:0.15mm)を用いた。この有機繊維布帛の両面を、実施例1と同様の条件で樹脂被覆し、両面樹脂被覆した有機繊維布帛を得た。目付は560g/m、厚さは0.39mmであった。次いで、実施例1と同様にして、TEDLAR(R)フィルムを熱圧接して複合膜を作製した。
得られた複合膜は、目付は616g/m、厚さは0.44mmで、引張強さは、タテ方向が2,000N/インチ、ヨコ方向が2,000N/インチであった。
(実施例3)
有機繊維布帛として、KEVLAR(R)繊維織物の品番740(繊維:KEVLAR29、繊度:440dtex、織り密度:40本/インチ×40本/インチ、目付:71g/m、厚さ:0.13mm)を用いる以外は、実施例1と同様にして複合膜を作製した。
塩ビ組成物を両面に被覆した段階での有機繊維布帛の目付は370g/m、厚さは0.26mmであった。次いで、実施例1と同様にして、TEDLAR(R)フィルムを熱圧接して複合膜を作製した。
得られた複合膜は、目付は426g/m、厚さは0.28mmで、引張強さは、タテ方向が1,400N/インチ、ヨコ方向が1,500N/インチであった。
(比較例1)
有機繊維布帛として、ポリエステル(PET)フィラメント使いの織物(繊度:1660dtex、織り密度:タテ21本/インチ、ヨコ19本/インチ、目付:215g/m)を用いる以外は、実施例1と同様にして複合膜を作製した。
塩ビ組成物を両面に被覆した段階での有機繊維布帛の目付は670g/m、厚さは0.5mmであり、複合膜の目付は726g/m、厚さは0.52mmであり、引張強さは、タテ方向が2,370N/インチ、ヨコ方向が2,120N/インチであった。
(比較例2)
有機繊維布帛として、ポリエステル(PET)フィラメント使いの織物(繊度:1660dtex、織り密度:タテ21本/インチ、ヨコ19本/インチ、目付:215g/m)を用いた。この基布の両面に、ペースト塩ビ組成物ゾル(ペースト塩ビ:100質量部、フタル酸エステル系可塑剤:60質量部、Ba−Zn系複合安定剤:2質量部、エポキシ大豆油:3重量部、Ca系充填剤:10質量部、架橋剤:2質量部、白顔料:2質量部)を均一にナイフコーティングし、これを170℃で加熱することでゲル化して両面樹脂被覆した有機繊維布帛を得た。複合膜の目付は670g/m、厚さは0.50mmであり、引張強さは、タテ方向が2,270N/インチ、ヨコ方向が2,020N/インチであった。
(比較例3)
繊維布帛として、ガラス繊維使いの織物(繊度:960dtex、織り密度:タテ19本/インチ、ヨコ18本/インチ、目付:203g/m)を用いる以外は、実施例1と同様にして複合膜を作製した。塩ビ組成物を両面に被覆した段階での有機繊維布帛の目付は660g/m、厚さは0.5mmであり、複合膜の目付は716g/m、厚さは0.52mmであり、引張強さは、タテ方向が853N/インチ、ヨコ方向が810N/インチであった。
実施例1〜3および比較例1で得られた複合膜について耐放射線性を評価した。
耐放射線性の評価は、放射線照射前後の引張強さの値から評価する前記の方法に加えて、放射線照射後の複合膜の外観(亀裂、破損、硬化等)についても評価に加えた。評価結果を表1に示す。
Figure 0006426231
表1より、本発明の複合膜は、ほぼ同程度の目付を有する比較例1の複合膜に比べて、放射線照射後の引張強さの保持性が高く、耐放射線性に優れていることが判る。実施例1〜3の複合膜は、アラミド繊維(商品名:KEVLAR(R))を布帛に使用しており、このようなアラミド繊維を用いることで、耐放射線性に優れた複合膜が得られることを確認できた。
以上本発明について説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載した範囲内で適宜変更できることは言うまでもない。
本発明の複合膜は耐放射線性に優れ、引張強さも高いので、高放射線下での養生用の膜材として好適に用いることができる。その他、屋外用軽量テント地などにも使用できる。
1 複合膜
11 有機繊維布帛(基布)
12 不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層
20 フッ素系樹脂被覆層

Claims (6)

  1. 限界酸素指数(LOI)が25以上で、引張強さが15cN/dtex以上の高強度繊維で、かつ、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維および全芳香族ポリエステル繊維から選ばれた少なくとも1種の有機繊維布帛を基布として用い、その両面に不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層が形成され、かつ、該樹脂被覆層の少なくとも片面にフッ素系樹脂被覆層が形成されていることを特徴とする放射性物質の飛散防止を目的とする養生用複合膜。
  2. 有機繊維布帛が、織物、編物、編状物およびハニカム状物から選ばれた少なくとも1種の組織で構成されたものである、請求項1に記載の複合膜。
  3. 不燃性もしくは難燃性の樹脂被覆層が、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリル酸エステル共重合体から選ばれた少なくとも1種以上からなるものである、請求項1または2に記載の複合膜。
  4. 高強度繊維がアラミド繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の複合膜。
  5. フッ素系樹脂被覆層が、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、四フッ化エチレン・エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・四フッ化エチレン共重合体から選ばれた少なくとも1種以上の樹脂を含む、請求項1〜のいずれかに記載の複合膜。
  6. 複合膜の引張強さが、タテ・ヨコ方向ともに1,000N/インチ以上である、請求項1〜のいずれかに記載の複合膜。
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