JPH0823111B2 - 熱融着縫製可能な防水シートおよびその熱融着縫製方法 - Google Patents

熱融着縫製可能な防水シートおよびその熱融着縫製方法

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JPH0823111B2
JPH0823111B2 JP6134609A JP13460994A JPH0823111B2 JP H0823111 B2 JPH0823111 B2 JP H0823111B2 JP 6134609 A JP6134609 A JP 6134609A JP 13460994 A JP13460994 A JP 13460994A JP H0823111 B2 JPH0823111 B2 JP H0823111B2
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JP
Japan
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waterproof sheet
resin layer
vinylidene fluoride
waterproof
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勉 大林
学 井本
洋三 秋草
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Hiraoka and Co Ltd
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Hiraoka and Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱融着縫製可能な防水
シート、特に防汚性及び耐候性に優れ、熱融着縫製の可
能な防水シートおよびその熱融着縫製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、繊維性基布の片面又は両
面に軟質塩化ビニル(PVC)樹脂層を有する柔軟なシ
ートが、エヤドーム等の大型テントに使用されている。
このようなシートは、加工性、経済性、防炎性等の点に
おいてPVCに固有の長所を有するが、一方でかかるテ
ントは長期間屋外に曝露されるものであるところから、
配合される安定剤等について十分な吟味がなされていた
としても、長年月の間に次第に樹脂の分解を来たし、ま
た可塑剤が表面移行して次第に表面が粘着性となり、ま
たその表面上に塵埃等が付着して汚染される等の重大な
欠点を有していた。
【0003】この対策として、PVC層の上面にアクリ
ル樹脂フィルム層を形成して、従来のPVC層のみの積
層品の欠点をカバーし、所定の効果を得ている。しかし
ながら、積層品の使用状態により、強く揉まれる等の条
件下ではアクリル樹脂フィルム層に亀裂を生じ、積層品
の耐用期間を著るしく短縮せしめる結果となることもあ
り、この対策は十分なものとなるには至っていない。
【0004】そこで、このような積層シートの表面を、
フッ化ビニリデン樹脂/アクリル樹脂/PVC樹脂から
なるフィルムを貼着することにより構成し、フッ化ビニ
リデン樹脂層により外表面を形成することにより、耐候
性や耐汚染性を改良する方法が試みられた。ところがこ
のような防水シートをミシンにより縫製して使用する場
合には縫目から漏水するという問題がある。またミシン
縫製は作業能率も悪いために、その代りに高周波又は熱
風を利用して熱融着縫製を行うことがしばしばあるけれ
ども、上記フッ化ビニリデン樹脂層を外表面とする積層
シートに熱融着縫製を用いて接合しようとしても、フッ
化ビニリデン樹脂層はPVC樹脂等には熱融着しないと
いう問題がある。従ってこのシートもまた更に改良が望
まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた防汚
性と耐候性とを具備しているだけでなく、熱融着縫製が
可能で、しかも耐久性の高い防汚性を有する極めて有用
な防水シートおよびその熱融着縫製方法を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明により熱融着縫製
が可能であって、さらに防汚性および耐候性に優れた防
水シートおよびその熱融着縫製方法が提供される。本発
明の熱融着縫製可能な防水シートは、繊維性基布と、そ
の少なくとも1面に形成され、かつ天然ゴム、合成ゴム
又は合成樹脂からなる防水層とを有する防水シート基体
を有し、この基体の上面側にはその最外層全面にフッ化
ビニリデン樹脂層が形成され、また前記基体の下面側に
はその最外層全面に下面アクリル樹脂層が形成されてい
ることを特徴とするものである。本発明の防水シートの
熱融着縫製方法は、前記防水シートを用い、この防水シ
ートの前記最外上面フッ化ビニリデン樹脂層と、同一
の、又は別の防水シートの前記最外下面アクリル樹脂層
とを重ね合せ、これを熱融着により接合せしめることを
特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明の防水シートの一例の構成を、図1を参
照しながら説明する。図1に示す本発明の防水シート
は、繊維性基布1と、その両面に、天然ゴム、合成ゴム
又は合成樹脂から形成された防水層2,2′とを有する
基体1aを有し、この防水層2の側の上面最外層全面に
はフッ化ビニリデン樹脂層3が形成され、一方、防水層
2′の側の下面最外層全面には下面アクリル樹脂層5が
形成されている。
【0008】本発明防水シートの他の態様においては、
上記の如き防水層2をアクリル樹脂層とし、2′を省略
し、下面アクリル樹脂層5を、繊維性基布1の両面の各
々にアクリル樹脂層を直接形成して、これを防水層とす
ることができる。あるいは、上記防水層2と上面フッ化
ビニリデン樹脂層3との間に任意の他の層を形成するこ
ともでき、また防水層2′と下面アクリル樹脂層5との
間に他の任意の層を形成することもできる。また、防水
層2′を省略してもよく、あるいは防水層2′を省略
し、これに代えて他の任意の層を形成してもよい。
【0009】即ち、本発明の防水シートに必須の要件
は、繊維性基布を内層として有すること、防水層が存在
すること、基体の上面には最外層全面にフッ化ビニリデ
ン樹脂層が形成されていること、及び基体下面には最外
層全面に下面アクリル樹脂層が形成されていることであ
る。このような特定積層構成により、本発明の防水シー
トは熱融着縫製が可能になったのである。
【0010】以下、本発明を更に具体的に説明する。本
発明の防水シートに用いられる繊維性基布は、天然繊
維、例えば、木綿、麻など、無機繊維、例えば、ガラス
繊維、カーボン繊維、金属繊維など、再生繊維、例え
ば、ビスコースレーヨン、キュプラなど、半合成繊維、
例えば、ジ−およびトリ−アセテート繊維など、及び合
成繊維、例えば、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6
6等)繊維、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト等)繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポ
リ塩化ビニル繊維、ポリオレフィン繊維など、から選ば
れる少なくとも1種からなるものである。
【0011】基布中の繊維は、短繊維紡績糸条、長繊維
糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれの
形状のものであってもよく、また基布は、織物、編物、
不織布又はこれらの複合布のいずれであってもよい。一
般には、本発明の防水シートに用いられる繊維はポリエ
ステル繊維であるのが好ましく、この繊維は長繊維(フ
ィラメント)の形状にあるのが好ましく、かつ平織布を
形成しているのが好ましい。また、平行に並べたたて糸
とよこ糸とを交差するように重ね、これらをからみ糸で
押えて構成された織物は、特に好ましい。繊維性基布
は、得られる防水シートの機械的強度を高いレベルに維
持するために有用である。
【0012】本発明においては、繊維性基布の少なくと
も1面に防水層を形成して防水シート基体とするのであ
るが、この防水層の材料としては、天然ゴム、ネオプレ
ンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ハイパロ
ンその他の合成ゴム、またはPVC樹脂、エチレン−酢
酸ビニルコポリマー(EVA)樹脂、アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン(PE)樹
脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂、
フッ素含有樹脂その他の合成樹脂を用いることができ
る。このような材料からなる防水層は、得られる防水シ
ートに所望の防水性並びに難燃性や機械的強度を与える
のに十分な厚さ、例えば、0.05mm以上の、好ましく
は0.05〜1.0mmの厚さを有する。
【0013】これらの防水層は、上記の如きゴム又は樹
脂のフィルム、溶液、ペースト又はストレートなどを用
い、公知の方法、例えば、トッピング、カレンダリン
グ、コーティング、ディッピングなどの方法によって、
繊維性基布上に形成することができる。これらのゴム又
は樹脂中には、可塑剤、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤
などや他の機能付与剤が含まれていてもよい。
【0014】本発明に有用なアクリル樹脂層を構成する
アクリル樹脂としては、アクリル酸もしくはメタクリル
酸のC1 〜C4 アルコールのエステルを主構成モノマー
とする重合体もしくは共重合体を主成分とする樹脂が好
ましい。このようなアクリル酸エステル系樹脂の主構成
モノマーとしては、具体的には、メチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメ
タクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタク
リレート、ブチルアクリレート及びブチルメタクリレー
トであり、特にメチルアクリレート及びメチルメタクリ
レートが好ましい。また、これらの主構成モノマーと共
重合させるコモノマーとしては、例えば、アクリル酸も
しくはメタクリル酸のC1 〜C12アルコールのエステ
ル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、ブタジエンなどのモノマーが
ある。
【0015】これらの共重合体は、ランダム共重合体に
限定されるものではなく、グラフト共重合体であっても
よい。例えば、メチルメタクリレート重合体にフッ化ビ
ニリデンを添加後、これをグラフト重合させた重合体な
どを使用することもできる。また、アミノ基、イミノ
基、エチレンイミン残基、アルキレンジアミン残基を含
むアクリレートを用いることもできるが、アジリジニル
基を含有するアクリレートを用いる場合に特に好ましい
結果を与える。
【0016】アクリル樹脂層には、上記アクリル重合体
又は共重合体樹脂との相溶性が良好な他の樹脂、例えば
フッ化ビニリデン樹脂および/又は塩化ビニル(PV
C)樹脂が少量含有されていてもよい。特に、上記塩化
ビニル樹脂(PVC)及びフッ化ビニリデン樹脂は、い
ずれも、アクリル樹脂との相溶性が良好であるので、有
用である。また、アクリル樹脂層には、耐久性ある耐候
性を与えるために紫外線吸収剤(UVA)が配合されて
もよい。UVAの配合量は入射される紫外線を約50%
以上遮断し得るように定めるのが好ましい。この紫外線
遮断量は、UVAを含有するアクリル樹脂層中のUVA
の濃度とこの層の厚さにより定まるが、UVA濃度があ
まり低い場合にはアクリル樹脂層の厚さを増大させる必
要があり、従ってこのアクリル樹脂層のUVA濃度は好
ましくは0.3%以上、より好ましくは1.0%以上と
すべきである。
【0017】しかし、この上面側フッ化ビニリデン樹脂
層の下に、上面アクリル樹脂層4が配置されている場
合、この上面アクリル樹脂層4中のUVA濃度が高すぎ
ると、上面最外層を構成するフッ化ビニリデン樹脂層と
の界面にブリードし、この層との接着力を低下させるこ
とがあるので好ましくない。もちろん、UVAの種類に
より上面アクリル樹脂層及びフッ化ビニリデン樹脂層と
の相溶性が異なるのでその濃度の上限は異なるけれど
も、フッ化ビニリデン樹脂に対しても比較的高い親和性
を有するベンゾトリアゾール系のUVAを用いる場合で
も、その添加量が30PHR を超えると両層の界面におい
て剥離し易くなるので、30PHR 以下程度にとどめるの
が好ましい。UVAとしては、ベンゾトリアゾール系の
ものばかりでなく、ベンゾフェノン系、サリチル酸エス
テル系のもの、又はこれらと他の樹脂とを共重合させた
もののいずれをも用いることができ、特に限定されるも
のではない。
【0018】本発明に係る防水シートにおいて、その基
体の上面側において、最外層としてフッ化ビニリデン樹
脂層が形成される。フッ化ビニリデン樹脂としては、フ
ッ化ビニリデン単一重合体の他、フッ化ビニリデンを7
0モル%以上含有する共重合体、例えばフッ化ビニリデ
ンと共重合可能な単量体、例えば、4フッ化エチレン、
3フッ化エチレン、フッ化ビニル、3フッ化塩化エチレ
ン、フロロクロロビニリデン、6フッ化ビニリデンなど
から選ばれる1種以上の単量体を共重合させて得られる
共重合体が用いられる。これらの共重合体はランダム共
重合体に限定されるものではなく、グラフト共重合体で
あってもよい。
【0019】場合によっては、これらの単重合体又は共
重合体と良好な相溶性を有する他の樹脂を加えた混合物
とすることもできる。このようなフッ化ビニリデン樹脂
との相溶性の良好な樹脂としては、例えば、メチルメタ
クリレートもしくはメチルアクリレートを主体とするア
クリル重合体もしくは共重合体、又はシアノエチル化エ
チレン−ビニルアルコール共重合体などがある。しか
し、これら他の樹脂成分の含有量は、構成樹脂量の30
PHR 以内とすることが好ましい。
【0020】このフッ化ビニリデン樹脂層中には、必要
に応じて、安定剤、滑剤等の加工助剤およびUVAを含
有させてもよい。特に、UVAの添加は、アクリル樹脂
層との接合面付近におけるアクリル樹脂の光劣化を防止
する意味から好ましい。しかし、フッ化ビニリデン樹脂
と均一相に相溶し得るUVAの量はあまり多くなく、一
般には3%以下の量である。また、フッ化ビニリデン樹
脂層は一般には極めて薄いので、この層のUVAのみで
防水層を完全に保護することはあまり期待できない。
【0021】本発明の防水シートにおいて、フッ化ビニ
リデン樹脂層は防水シートの表層のみを保護するもので
あるので、0.3〜10μmの厚さを有するのが好まし
く、1〜5μmであるのが更に好ましい。
【0022】本発明の防水シートを製造するに際して
は、例えば、繊維性基布の少なくとも1面に防水層を形
成した基体を先ず製造し、次いでその上面最外層全面に
フッ化ビニリデン樹脂を塗布してもよく、また別法とし
て基体上表面に別途製造されたフッ化ビニリデン樹脂/
アクリル樹脂の積層フィルムを貼着してもよい。このフ
ッ化ビニリデン樹脂/アクリル樹脂積層フィルムの厚さ
が薄く、作業性に問題が生ずる場合には、30〜50μ
mの厚さを有するPVCフィルム等を支持体としてさら
に含むフッ化ビニリデン樹脂/アクリル樹脂/PVC樹
脂からなる積層フィルムを作り、これを上記基体に貼着
することもできる。このような積層フィルムの製造方法
には、特に限定はなく、例えば、各層形成用樹脂を複合
Tダイス又は複合円筒ダイスから複合流動させて、フラ
ットシート又は円筒物を共押出しし、通常の方法で引取
り、更に必要に応じて熱処理する方法が、各層間接着性
や生産性の面からみて望ましい。
【0023】本発明の防水シートにおいて、基体下面の
最外層全面を構成する下面アクリル樹脂層の厚さは、好
ましくは0.5〜30μmであり、より好ましくは2〜
20μmである。この場合、防水シート下面は直射日光
に曝露されることが少ないので、下面アクリル樹脂層に
ついては上面程にはUVAの配合の必要性はなく、配合
を省略することもできる。また、この層は、前述した如
きフィルムの貼着によるほか、コーティングによっても
形成することができる。
【0024】このようにして得られる本発明の防水シー
トは、防汚性及び耐候性に優れているだけでなく上述の
ように上下面最外層を特定樹脂により形成することによ
って、熱融着縫製が可能となったのである。即ち、この
防水シート2枚を重ね合せ、上面最外層のフッ化ビニリ
デン樹脂層と下面最外層の下面アクリル樹脂層とを互に
接触させておき、これらを超音波加熱、高周波加熱又は
熱風により熱融着接合させるのである。このようにして
熱融着縫合を行う場合、従来の防水シートの如く、基体
下面最外層に下面アクリル樹脂層を有していない防水シ
ートにおいてはその接着力が0〜3kg/3cmと極めて小
さかったのであるが、本発明の防水シートの場合には接
着力は6〜10kg/3cmとなり、実用上必要とされてい
る約5kg/3cmを超える好ましい値となる。
【0025】また、基体下面最外層全面に下面アクリル
樹脂層を有していない従来の防水シートにおいては上述
の熱融着縫製に際して好ましい接着力を与えるような樹
脂からなる接着用フィルムを接合を必要とする部位の2
枚の防水シート間に挾み込んで熱融着接合させることも
考えられる。しかしこの場合には防水シート表裏面と接
着用フィルムとの密着性に欠けるため、防水シート相互
の接着力は3〜4kg/3cm程度となり、また熱融着作業
に際して挿入される接着用フィルムの位置決めに難点が
あり、作業上好ましくない。また、本発明の下面最外層
全面をなす下面アクリル樹脂連続層に代えて、このアク
リル樹脂層を基体下面側に部分的(不連続)に形成する
ことも考えられるが、この場合縫製時にアクリル樹脂を
接合の必要な部分に塗布する等の作業が煩わしく、作業
性を低下させ、作業環境を害する。従って、本発明の防
水シートの如く、最初から基体下面最外層全面に連続層
として下面アクリル樹脂層を形成しておくならば、防水
シートそれ自体の製造も安価にかつ簡単に行うことがで
き、また縫製を防水シートのあらゆる部分において適宜
に、かつ容易に行うことができるという利点がある。
【0026】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に説明す
る。実施例1 下記組織: 目付:360g/m2 を有するビニロン繊維帆布を基布として用い、これを湯
通しし、乾燥した。
【0027】次に、この基布を、下記組成: PVC樹脂 …80重量部 ブチルベンジルフタレート …68重量部 エポキシ化大豆油 …7重量部 炭酸カルシウム …20重量部 カドミウムバリウム系安定剤…3重量部 顔料 …8重量部 トルエン(溶剤) …130重量部 を有する加工液に浸漬した後、ローラー間で付着量10
0%に絞り、90℃で1分間乾燥し、次いで180℃で
1分間熱処理してPVCをゲル化固着して防水シート基
体を作成した。この防水シート基体の防水層の厚さは
0.3mmであった。
【0028】この防水シート基体の上表面に、呉羽化学
工業株式会社製のKFCシート〔フッ化ビニリデン樹脂
(2〜3μm)/アクリル樹脂(2〜4μm)/PVC
樹脂(45μm)〕を、そのPVC面が防水シート基体
上表面に重なるように積層し、加熱により貼着させた。
更に、この防水シート基体の下面側に三菱レイヨン株式
会社製のアクリル樹脂フィルム(厚さ:25μm)を加
熱貼着させて、本発明の防水シートとした。
【0029】また、比較のために、基体下面に下面アク
リル樹脂フィルムを貼着しなかったことを除き上記と全
く同様にして、従来品としての防水シートを製造した。
【0030】これら2つの防水シート試料のそれぞれに
ついて、前記本文中で述べたようにして端部3cmを重ね
合せ、この重ね合せ部分に出力2kW、周波数40.68
MHzの高周波発振機により、高周波処理を3秒間施し
た。このようにして得られた熱融着縫製防水シートの接
合部分の平均剥離強力は、下面アクリル樹脂層を有する
本発明防水シートの場合8.5kg/3cmであり、比較防
水シートの場合1.5kg/3cmであった。即ち、本発明
防水シートによる縫合部分は、十分実用に耐え得る接合
強度を有していたが、比較防水シートの接合強度は実用
に耐えないものであった。
【0031】また、上記2種の防水シートの各々につい
て接合すべき部分を対向させて重ね合せ、ライスター熱
風溶接機を用い、幅3cmの偏平な熱風吹出口を有するノ
ズルを重ね合せ部の間に差し込み、ノズルをシート防水
面に沿って防水シートの縫合方向に移動させながら、ノ
ズルから400℃の熱風を当て、ほぼ3cmの幅で樹脂を
溶融させた。この溶融操作に引き続いて、重ね合せ部分
を加圧ローラーによりプレスし、熱融着縫製した。この
ようにして得られた2種の熱融着縫製防水シートの剥離
強力も、それぞれ上記高周波ウエルダー縫製により得ら
れた2種の防水シートの剥離強力とほゞ同様であった。
【0032】実施例2 実施例1で用いたものと同じ基布に、ハイパロン樹脂防
水層、シリコーン樹脂防水層、EVA樹脂防水層及びウ
レタン樹脂防水層のそれぞれを形成して基体を形成し、
その上表面にソニー・ケミカル社製アクリル系接着剤S
C462を用いて実施例1で使用したKFCフィルムを
貼着した。また、基体下面全面に接着剤SC462を5
μmの厚さに塗布し下面アクリル樹脂層を形成して、本
発明に係る防水シートを作成した。また、比較例とし
て、それぞれの基体下面に、下面アクリル樹脂層を形成
しない防水シートを作成して、これらを比較防水シート
とした。
【0033】これらの防水シートをそれぞれ実施例1に
述べたと同様の高周波ウエルダー縫製に供した。その結
果、得られた縫製部の剥離強力は下記の通りであった。 防水層 本発明防水シート 比較防水シート ハイパロン樹脂 7.5kg/3cm 0.5kg/3cm シリコーン樹脂 7.0kg/3cm 0 EVA樹脂 8.0kg/3cm 1.0kg/3cm ウレタン樹脂 8.0kg/3cm 1.0kg/3cm また、アクリル樹脂により基布の両面に防水層を形成し
て基体を形成し、この基体の上面にKFCシートを上記
と同様に貼着し、高周波ウエルダー縫製した。得られた
防水シート縫製部の剥離強力は8.5kg/3cmであっ
た。
【0034】
【発明の効果】上記からもわかるように、本発明に係る
防水シートは、その上表面最外層にフッ化ビニリデン樹
脂の保護層を有するから、優れた防汚性、耐候性及び耐
久性を保持し、さらにその下面側最外層表面全面に下面
アクリル樹脂層を有しているから、簡便かつ低廉な高周
波、超音波又は熱風加熱融着縫製が可能な防水シートと
して有用であり、また、熱融着縫製があらゆる部分で、
適宜、かつ容易に行える方法をも提供するので、本発明
の工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の防水シートの一例を模式的に
示す断面説明図。
【符号の説明】
1…繊維性基布 1a…基体 2,2′…防水層 3…フッ化ビニリデン樹脂層 4…上面アクリル樹脂層 5…下面アクリル樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 33:04 B29L 9:00

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維性基布と、その少なくとも1面に形
    成され、かつ天然ゴム、合成ゴム又は合成樹脂からなる
    防水層とを有する防水シート基体を有し、この基体の上
    面側にはその最外層全面にフッ化ビニリデン樹脂層が形
    成され、また、前記基体の下面側にはその最外層全面に
    下面アクリル樹脂層が形成されていることを特徴とする
    熱融着縫製可能な防水シート。
  2. 【請求項2】 前記基体上面において、前記防水層がア
    クリル樹脂層により形成され、その上にフッ化ビニリデ
    ン樹脂層が形成されている請求項1に記載の防水シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記基体下面において、前記防水層上に
    下面アクリル樹脂層が形成されている請求項1又は2に
    記載の防水シート。
  4. 【請求項4】 前記下面アクリル樹脂層が、防水層を形
    成している請求項1に記載の防水シート。
  5. 【請求項5】 前記防水層が0.05〜1.0mmの厚さ
    を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の防水シー
    ト。
  6. 【請求項6】 前記アクリル樹脂層が、アクリル酸もし
    くはメタクリル酸のC1 〜C4 アルコールのエステルを
    主構成モノマーとする重合体もしくは共重合体、或は、
    前記アクリル重合体および共重合体から選ばれた少なく
    とも1種と、フッ化ビニリデン樹脂および塩化ビニル樹
    脂から選ばれた少なくとも1種との混合物を主成分とす
    る樹脂からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の防
    水シート。
  7. 【請求項7】 前記アクリル樹脂層が、それぞれ0.5
    〜30μmの厚さを有する請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の防水シート。
  8. 【請求項8】 前記アクリル樹脂層の厚さが、それぞれ
    2〜20μmである請求項7に記載の防水シート。
  9. 【請求項9】 前記フッ化ビニリデン樹脂層が、フッ化
    ビニリデン単一重合体、又はフッ化ビニリデンを70モ
    ル%以上含有する共重合体、或は前記単一重合体および
    共重合体から選ばれた少なくとも1種と、アクリル樹脂
    およびシアノエチル化エチレン−ビニルアルコール共重
    合体から選ばれた少なくとも1種との混合物を主成分と
    する樹脂からなる請求項1〜8項のいずれか1項に記載
    の防水シート。
  10. 【請求項10】 前記フッ化ビニリデン樹脂層が0.3
    〜10μmの厚さを有する請求項1〜9のいずれか1項
    に記載の防水シート。
  11. 【請求項11】 前記フッ化ビニリデン樹脂層の厚さが
    1〜5μmである請求項10に記載の防水シート。
  12. 【請求項12】 繊維性基布と、その少なくとも1面に
    形成され、かつ天然ゴム、合成ゴム又は合成樹脂からな
    る防水層とを有する防水シート基体を有し、この基体の
    上面側には、その最外層全面にフッ化ビニリデン樹脂層
    が形成され、また、前記基体の下面側にはその最外層全
    面に下面アクリル樹脂層が形成されている防水シートを
    用い、この防水シートの前記最外上面フッ化ビニリデン
    樹脂層と、同一の、又は別の防水シートの前記最外下面
    アクリル樹脂層とを重ね合せ、これに熱融着を施して接
    合せしめることを特徴とする防水シートの熱融着縫製方
    法。
  13. 【請求項13】 前記基体上面において、前記防水層が
    アクリル樹脂層により形成され、その上にフッ化ビニリ
    デン樹脂層が形成されている請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記基体下面において、前記防水層上
    に下面アクリル樹脂層が形成されている請求項12又は
    13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記下面アクリル樹脂層が、防水層を
    形成している請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記防水層が0.05〜1.0mmの厚
    さを有する請求項12〜15のいずれか1項に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記アクリル樹脂層が、アクリル酸も
    しくはメタクリル酸のC1 〜C4 アルコールのエステル
    を主構成モノマーとする重合体もしくは共重合体、或
    は、前記アクリル重合体および共重合体から選ばれた少
    なくとも1種と、フッ化ビニリデン樹脂および塩化ビニ
    ル樹脂から選ばれた少なくとも1種との混合物を主成分
    とする樹脂からなる請求項12〜16のいずれか1項に
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記アクリル樹脂層が、それぞれ0.
    5〜30μmの厚さを有する請求項12〜17のいずれ
    か1項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記アクリル樹脂層の厚さが、それぞ
    れ2〜20μmである請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記フッ化ビニリデン樹脂層が、フッ
    化ビニリデン単一重合体、又はフッ化ビニリデンを70
    モル%以上含有する共重合体、或は前記単一重合体およ
    び共重合体から選ばれた少なくとも1種と、アクリル樹
    脂およびシアノエチル化エチレン−ビニルアルコール共
    重合体から選ばれた少なくとも1種との混合物を主成分
    とする樹脂からなる請求項12〜19項のいずれか1項
    に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記フッ化ビニリデン樹脂層が0.3
    〜10μmの厚さを有する請求項12〜20のいずれか
    1項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記フッ化ビニリデン樹脂層の厚さが
    1〜5μmである請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記熱融着が、高周波加熱により施さ
    れる、請求項12に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記熱融着が、熱風加熱により施され
    る、請求項12に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記熱融着が、超音波加熱により施さ
    れる、請求項12に記載の方法。
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