JPH06246873A - 屋外用膜材料 - Google Patents

屋外用膜材料

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JPH06246873A
JPH06246873A JP6344893A JP6344893A JPH06246873A JP H06246873 A JPH06246873 A JP H06246873A JP 6344893 A JP6344893 A JP 6344893A JP 6344893 A JP6344893 A JP 6344893A JP H06246873 A JPH06246873 A JP H06246873A
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film
glass
resistance
fluoroplastic
heat
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Eiji Yamamoto
英治 山本
Katsuyuki Toma
克行 当麻
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のフッ素樹脂系膜材料と同様の不燃性及
び防汚性を有し、しかも引張強さ、引裂強さ等の力学特
性、耐透水透湿性、耐透気性等の耐透過性、透光性、耐
候性及び耐溶剤・薬品性が一段と優れた、安価な可撓性
の屋外用膜材料であって、膜構造建築物屋根材等の屋外
使用の重布用途に好適に使用できる膜材料を供する。 【構成】 単糸径が7.5 μm 以下のガラス繊維からなる
単層あるいは複層の補強用繊維布帛の両面にフッ素樹脂
フィルムを交互に積層熱圧接してなる屋外用膜材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋外用屋外用膜材料に
関するものであり、さらに詳しくは不燃性かつ防汚性
で、耐候性、耐溶剤・薬品性、透光性、引張強さ及び引
裂強さが優れた樹脂が多量に用いられている。しかしな
がら、これらの素材よりなる膜材料は、難燃性が充分で
なく、また火災等により燃焼したとき多量の有害ガスや
煙を発生するという問題点を有している。
【0002】
【従来の技術】近年、スポーツ練習場、簡易倉庫、催物
展示場等建築物の屋根に膜材料を用いた空気膜構造、骨
組み膜構造、サスペンション膜構造等の構造を骨格とす
る建築物が増加しつつある。膜構造は、その軽量である
というメリットから、特に大スパン構造物に適してお
り、また透光性を有していることから、天然採光を最大
限に利用した多様な住空間展開が期待されてきている。
これらの膜構造建築物の膜材料の構成は、一般的に補強
用繊維織物と合成樹脂マトリックスからなり、用いられ
る補強用繊維織物としては、ガラス繊維等からなる無機
繊維織物あるいは、ポリアミド系、ポリエステル系、ア
ラミド系等の有機繊維からなる織物が用いられ、また合
成樹脂マトリックスとして例えば、ポリ塩化ビニル樹脂
等の汎用合成樹脂が多量に用いられている。しかしなが
ら、これらの素材よりなる膜材料は、難燃性が充分でな
く、また火災等により燃焼したとき多量の有害ガスや煙
を発生するという問題点を有している。
【0003】一方、特開昭60−244546号公報に
は、補強用繊維織物として不燃性基布を用い、マトリッ
クス樹脂として難燃性シリコーン樹脂およびシリコーン
ゴムを用いる方法が開示されているが、難燃性の効果に
おいては、かなり高いものの、建築物膜材料として屋外
で長時間使用すると、汚れがつき易くかつ簡単に取れな
いという欠点があり、また、一部の激しい外力に曝され
る用途において振動、はためき等の原因で引き裂かれて
破損するという問題点も指摘されている。
【0004】他方、テトラフルオロエチレン樹脂は、不
燃性のうえに耐候性、耐溶剤・薬品性、防汚性が他の樹
脂と比較して一段と優れるので、この特性を活かして、
膜材料のマトリックス樹脂として普及しつつある。しか
し、本樹脂は、押出し成形でフィルム化ができないため
焼結成形にて製膜化しており、例えば、濃度60%のディ
スパージョンをガラス繊維織物等の無機繊維織物に含浸
し、350 〜400 ℃の温度で焼成する方法を10数回繰り返
してマトリックス材にしているのが現状である。しかし
ながら、このような従来の加工法による膜材料では、焼
結成形体本来の斑構造の上に、含浸工程、高温焼成工程
を繰り返し行うため、皮膜内に焼結不良(粒界の存
在)、亀裂、発泡等の不均一構造を生じ、引張強さ、引
裂強さ等の力学特性及び耐透水透湿性、耐透気性等の耐
透過性が劣る。現状ではこの欠点をカバーするため膜厚
を厚くする方向で解決を計っているが、そにために製品
が高価になり、可撓性が失われる。しかも、本法は、焼
成工程による着色により透光性の低い膜材料しか得られ
ず、また加工速度が遅く、多量のエネルギーを消費する
ので低生産性高価格の加工法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のフッ
素樹脂系膜材料と同様の不燃性及び防汚性を有し、しか
も引張強さ、引裂強さ等の力学特性、耐透水透湿性、耐
透気性等の耐透過性、透光性、耐候性及び耐溶剤・薬品
性が従来品に比して一段と優れた、安価な可撓性の屋外
用膜材料を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意研究の結果、細繊維を用いたガラ
ス繊維からなる布帛とフッ素樹脂フィルムを交互に積層
熱圧接することにより得られた膜材料が上記目的を達成
しうることを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、糸径が 7.5μm 以下の複数本のガ
ラスフィラメントより構成されるガラス繊維からなる1
層乃至6層の積層された補強用繊維布帛群の各層布帛両
面にフッ素樹脂フィルムを交互に積層熱圧接してなる屋
外用膜材料を要旨とするものである。
【0007】以下、本発明の屋外用膜材料について詳細
に説明する。本発明の屋外用膜材料に用いるガラス繊維
からなる補強用繊維布帛群の構成布帛としては、糸径
7.5μm 以下のガラスフィラメント(単繊維)100 〜160
0本よりなるガラス繊維束をサイジング剤を施して集束
し、あるいは無集束のまま一方向性の撚りをかけて製糸
されたガラス繊維又は複数のこれらガラス繊維を合撚糸
して得られたガラス繊維を用いて製織した織物、編組し
た編物あるいは前記ガラスフィラメント、ガラス繊維あ
るいはガラス短繊維等のガラス繊維状素材を用いて織編
工程を経ずに布帛化された不織布等の布帛が好適に使用
できる。これらの布帛のうちで膜構造建築物の屋根材等
の超耐侯性かつ高強力・高耐疲労性を要求される分野の
用途に使用される布帛としては、糸径4μm 以下の複数
本のガラスフィラメントより構成されるガラス繊維から
なる織物が適している。ここで糸径とは、各ガラス繊維
の構成ガラスフィラメント1本当たりの平均直径を意味
する。ガラスフィラメントの糸径が 7.5μm を超えると
膜材料に加工した後の引張強さ、引裂強さ及び繰り返
し、かつ連続的な曲げ、撓み、捩じり等の変形(例え
ば、風によるはためき、バルーニングエアーの変動等の
外力による変形)に対する耐疲労性が低下するし、また
可撓性も低下する。
【0008】ガラス繊維のガラス素材としては、ソーダ
ライム、カリウムライム、カリウム鉛、ボロシリケー
ト、アルミナシリケート、アルミナボロシリケート、ハ
イシリカ、石英等のガラス素材が挙げられ、これらのう
ちで特に下記の従来公知のガラス繊維用ガラス素材、あ
るいはこれらの改質品が好適に使用できる。例えば、E
ガラス(無アルカリガラス;電気絶縁性)、Cガラス
(アルカリ含有ガラス;耐酸性)、Sガラス(無アルカ
リガラス;高強度)、Aガラス(アルカリ含有ガラス;
耐アルカリ性)、Dガラス(アルカリ含有ガラス;低誘
電率)等が挙げられる。
【0009】補強用繊維布帛の布帛の厚さは50〜500 μ
m のものが好ましい。また、布帛の厚さが50μm より薄
くなると、膜材料中の補強用繊維布帛群の占める割合が
マトリックス樹脂量に比べ相対的に低くなり、膜材料の
引張・引裂強さが低下する傾向がある。また、厚さが50
0 μm を超えると、熱圧接時フッ素樹脂フィルムがマト
リックス樹脂として補強用繊維布帛の織り組織空間に侵
入しにくくなり、空隙ができ強度低下の要因ともなる。
しかも、膜材料の表面平滑性も悪くなり用途的にも限定
される。
【0010】布帛として織物を使用する場合、織物の織
組織としては、平織り、綾織り、朱子織り等が使用で
き、織密度は25cm当たり、縦20〜80本、横20〜80本が好
ましく、織物の目付けについては100g〜600g/m2の範囲
のものが好ましい。
【0011】また、本織物にヒートクリーニング処理、
あるいは同処理物に各種のシランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤等のカップリング剤による表面処理を
施すとフッ素樹脂フィルムとの密着性が向上し、特に後
者の場合に補強用繊維とマトリックス樹脂との界面に化
学結合に基づく接着力が形成され前記した力学特性が大
幅に向上するので効果的である。この際有効なシランカ
ップリング剤としては、メチル系、フェニル系、アミノ
系等があるが、これらのなかでも特にアミノ系が好まし
い。アミノ系シランカップリング剤の代表例としては、
N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−フェニルアミノ
プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、チ
タンカップリング剤の代表例としては、乳酸チタニウ
ム、チタニウムアセトアセテート等が挙げられる。カッ
プリング剤処理方法としては、濃度0.5 〜10重量%のカ
ップリング剤水分散液中にガラス繊維織物を浸漬し、乾
燥後110 〜150 ℃の温度で熱処理する方法が好ましい。
【0012】布帛として編物を用いる場合は、ラッセル
編み等の伸縮性の比較的少ない編物が好適に使用でき
る。また、布帛として不織布を用いる場合は、スワール
マット、スパンボンド不織布等の均整度が高く引張強度
の大きな布帛が好適に使用できる。これら布帛は、織物
の場合と同様にカップりング剤処理を行ってマトリック
ス樹脂との間の接着力を向上させることができる。
【0013】本発明の補強用繊維布帛群は1層布帛又は
2乃至6枚の複数布帛が好適に使用される。布帛を全く
含まないものは、前記した力学特性が著しく低くて本発
明の目的とする用途に供し得ないし、布帛が6枚を超え
るものは、熱圧接後の膜材料が可撓性を低下させ、また
価格が高価になり過ぎて実用性を失う。複数布帛の全厚
さ(各布帛厚さの合計)は、100 〜1500μm が好まし
い。また、複数布帛の全目付け(各布帛目付けの合計)
は、200 〜1800g /m2のものが好ましい。布帛の全厚さ
が100 μm より薄くなると、膜材料中の補強用繊維布帛
群の占める割合がマトリックス樹脂量に比べ相対的に低
くなり、膜材料の引張・引裂強さが低下する傾向があ
る。また、厚さが1500μm を超えると、熱圧接時フッ素
樹脂フィルムがマトリックス樹脂として布帛の織り組織
空間に侵入しにくくなり、空隙ができ強度低下の要因と
もなる。しかも、膜材料の表面平滑性も悪くなり用途的
にも限定されてくる。
【0014】本発明の屋外用膜材料に用いるマトリック
ス材としてのフッ素樹脂フィルムは、熱可塑性フッ素樹
脂を製膜したものであって、この樹脂としては、熱溶融
できるフッ素樹脂であればどのようなものであってもよ
いが、例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフル
オロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチ
レン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオ
ライド等が挙げられるが、それらのうちでも特にテトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体が特に好ましい。 また、上記熱
可塑性フッ素樹脂とポリテトラフルオロエチレン微粉
末、ポリテトラフルオロエチレンオリゴマー、ポリテト
ラフルオロエチレンテロマーあるいはクロロトリフルオ
ロエチレンテロマー等のフッ素化合物、ガラス、シリ
カ、石英、アルミナ、マイカ、ウォラストナイト、チタ
ン酸カリ等の無定形微粉末、ビーズ、鱗片、短繊維ある
いはウィスカー状の無機充填材/補強材、フタロシアニ
ンブルーB、フタロシアニングリーン等の耐候性顔料・
染料及び/又は光安定剤、耐侯性改良剤、架橋剤、難燃
剤等の改質剤等配合材及び/又は配合剤との配合組成物
も有効に使用できる。フィルムの厚さは特に限定しない
が、好ましくは50〜500 μm のものが望ましい。
【0015】フッ素樹脂フィルムは公知の方法で製造さ
れるが、一般的には、溶融押出し法にて製膜されたもの
が好ましく、例えば、上記フッ素系樹脂を溶融押出し機
を用いて樹脂の融点より30〜60℃高い温度で溶融混練
し、Tダイより押出して製膜する方法が挙げられる。フ
ッ素樹脂フィルムは、通常、未延伸の状態のもの(未延
伸フィルム)が使用されるが、用途に応じて延伸された
もの(延伸フィルム)でも使用できる。延伸方法とし
て、同時2軸延伸あるいは、逐次2軸延伸のいずれかの
方法が採用できる。同時2軸延伸は、チューブラー法あ
るいはテンター法により縦延伸と横延伸を同時に行う方
法であり、延伸倍率は、縦方向2〜4倍、横方向2〜4
倍で、延伸温度は、フッ素系樹脂の融点より10〜160 ℃
以下で行うのが好ましい。融点より10℃未満で延伸する
と延伸時フィルムの溶断がおこり易く、60℃以上低い温
度であると延伸斑が発生する。逐次二軸延伸は、通常ロ
ールによる縦延伸を行った後テンターによる横延伸を行
って得られる。延伸倍率は、縦方向2〜4倍、横方向2
〜4倍で、かつ縦延伸温度は、フッ素系樹脂の融点より
10〜160 ℃以下で行うのが好ましい。融点より10℃未満
で延伸すると延伸時フィルムの溶断がおこり易く、160
℃以上低い温度であると延伸斑が発生する。逐次二軸延
伸は、通常ロールによる縦延伸を行った後テンターによ
る横延伸を行って得られる。延伸倍率は、縦方向2〜4
倍、横方向2〜4倍で、かつ縦延伸温度はフッ素系樹脂
の融点より10〜160 ℃以下が好ましい。横方向延伸温度
は縦方向の延伸温度より5℃以上高い温度が好ましい。
温度差が少ないと延伸時破断し易くなる。
【0016】フッ素樹脂フィルムと補強用繊維布帛群と
の熱圧接による複合化は、種々の方法が取り得るが、フ
ッ素樹脂フィルムと布帛とを交互に重ね最外層に両層と
もフッ素樹脂フィルムを配したサンドイッチ状積層体
(1層布帛の場合は、布帛を内層にしその両面〔外層〕
にフッ素樹脂フィルムを配した積層体)を形成し、これ
を両表層から加熱下に締め付けるような負荷(プレス)
をかける熱圧接法が好適に採用することができる。この
際、熱プレスのかけ方としては、すべてのフッ素樹脂フ
ィルムと布帛とを積み重ねたサンドイッチ状積層体を一
度に熱圧接する方法、フッ素樹脂フィルムと布帛とを交
互に1枚ずつ逐次熱圧接して最後に完成された圧着積層
体とする方法、複数のフッ素樹脂フィルムと布帛の対よ
りなる積層体を熱圧接した圧着積層体をさらに複数枚積
み重ねた局部圧着積層体を再度熱圧接する方法等のバッ
チ式あるいは連続式の各種熱圧接法が好適に採用するこ
とができる。
【0017】熱圧接装置としては、熱プレス、熱プレス
ロールあるいは熱ダブルベルトプレス等の装置を用いる
ことができる。熱圧接の際、真空あるいは減圧条件下に
熱プレスする方法も有効に使用することができる。熱圧
接温度は、用いるフッ素樹脂フィルムの融点より5〜30
℃高い温度を使用するのが好ましい。また、圧接圧力は
被処理物面圧で2kg/cm2 以上の加圧下で行うのが好ま
しい。本発明の屋外用膜材料は、厚みが 100μm 〜2000
μm 、目付けが 200g /m2〜4000g /m2のものが好適に
使用できる。
【0018】本熱圧接工程にて、布帛の両面から溶融し
たフッ素樹脂フィルムメルトが布帛の繊維間空隙に流動
し充填するとともに両面からのメルトは合体し一体化す
る。そして樹脂と繊維が界面で気泡を残すことなく完全
に密着し一体化する。かくして得られた膜材料は、補強
用繊維が均一なマトリクッス樹脂中に均等分布配置した
均質複合体となる。
【0019】本発明の屋外用膜材料は、上記構造特性を
有するために従来法に比して繊維とマトリクッス樹脂と
の間の密着(接着)が完全であり、マトリクッス樹脂が
均質で従来法にて存在した焼結不良(粒界の存在)、亀
裂、発泡等の不均一構造が殆ど存在しない。しかも補強
用繊維がマトリクッス樹脂中に均等分布する。したがっ
て、本発明の屋外用膜材料は、引張強さ及び引裂強さ等
の力学特性及び耐透水透湿性、耐透気性等の耐透過性が
従来法に比して一段と優れるため、マトリックス樹脂層
の薄膜化が可能となり、高価なフッ素樹脂の使用量が減
らせるので安価であり、しかも可撓性に富んだ製品とな
る。また、本発明の屋外用膜材料は、従来法に比してガ
ラス繊維とマトリックス樹脂との間の密着(接着)が完
全であるのでガラス繊維の気体や液体よる浸食作用に対
するマトリックス樹脂のシール効果(密封保護性)が大
きく、したがって長期使用時のガラス繊維の劣化が少な
く、耐侯性で耐溶剤・薬品性も優れている。さらに、本
発明の屋外用膜材料は、従来法に比して複合化加工中の
加熱温度が低く、加熱時間が短いため、フッ素樹脂の分
解及び副生成物形成に基づく発泡及び着色が少なく、透
明度の高い製品となる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。以下すべての実施例及び比較例において、各種物
性値の測定は以下の方法にて行った。 (1)厚み JIS K−6328に準じて、マイクロメーターによ
り測定した。 (2)重量 JIS K−6328(5.3.4)B法に準じて、測
定した。 (3)引張強さ JIS L−1096(6.12.1)A法に準じて、
インテスコ社製万能引張試験機を用いて測定した。 (4)引裂強さ JIS L−1096(6.15.4)C法に準じて、
インテスコ社製万能引張試験機を用いて測定した。 (5)遮光性 JIS L−1055(6.1.1)A法に準じて、照
度計を用いて遮光率を測定した。 (6)不燃性 UL94(垂直試験)に準じて、測定した。 (7)耐候性 JIS A−1415に準じて、光源としてサンシャイ
ンカーボンを用い、2000時間暴露後、引張試験を行いそ
の強力保持率を測定した。
【0021】実施例1 ダイキン工業(株)製テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(商品名ネ
オフロンAP−210)を、日本製鋼(株)製50mm溶融
押出機を用いて360 ℃の温度で溶融混練しTダイより押
出してフィルム状に製膜し厚さ150 μm の未延伸フィル
ムを得た。このフィルムの性能は、目付け300g/m2、引
張強度2.1kg /mm2 、伸度300 %であった。ユニチカユ
ーエムグラス(株)製平織りガラスクロスH304(糸
径3μm 、目付け350g/m2、織密度;縦32本/25mm、横
31本/25mm、アミノ系シランカップリング剤処理品)を
2枚の上記フィルムでサンドイッチ状に挟み、ヘルド社
製ダブルベルトプレス機を用いて温度330 ℃、圧力20kg
/cm2 、熱プレス時間10分の条件で熱圧接し膜材料を得
た。この膜材料の性能を表1に示す。
【0022】実施例2 ダイキン工業(株)製テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体樹脂(商品名ネオフロンN
P−20)を、日本製鋼(株)製50mm溶融押出機を用い
て325 ℃の温度で溶融混練しTダイより押出してフィル
ム状に製膜し厚さ150 μm の未延伸フィルムを得た。同
フィルムの性能は、厚み150 μm 、目付け300g/m2、引
張強度1.9kg /mm2 、伸度300 %であった。実施例1で
用いたユニチカユーエムグラス(株)製平織りガラスク
ロスH304を、実施例1と同様の方法で、2枚の上記
フィルムでサンドイッチ状に挟み、ヘルド社製ダブルベ
ルトプレス機を用いて温度300 ℃、圧力20kg/cm2 、熱
プレス時間10分の条件で熱圧接し膜材料を得た。この膜
材料の性能を表1に示す。
【0023】実施例3 実施例1で得られたフィルムと、ユニチカユーエムグラ
ス(株)製綾織りガラスクロスA331(糸径3μm 、
目付け327g/m2、織密度;縦55本/25mm、横31本/25m
m、アミノ系シランカップリング剤処理品)とを実施例
1と同様の方法、条件でダブルベルトプレス機を用いて
熱圧接し膜材料を得た。この膜材料の性能を表1に示
す。
【0024】比較例1 実施例1で得られたフィルムを用いて、ユニチカユーエ
ムグラス(株)製平織りガラスクロスH201FT(糸
径9μm 、目付け204g/m2、織密度;縦42本/25mm、横
32本/25mm、アミノ系シランカップリング剤処理品)を
実施例1と同様の方法、条件でダブルベルトプレス機を
用いて熱圧接し膜材料を得た。この膜材料の性能を表1
に示す。
【0025】比較例2 実施例1で用いたユニチカユーエムグラス(株)製平織
りガラスクロスH304上に、テトラフルオロエチレン
樹脂濃度60重量%のディスパージョンを塗布し、360 ℃
で3分間加熱した。この工程を10回繰り返し行い、テト
ラフルオロエチレン樹脂の付着量500g/m2の膜層を形成
した。ついで、温度360 ℃、圧力4kg/cm2 の条件で熱
プレス機を用いて1分間熱圧接成形を行い膜材料を得
た。この膜材料の性能を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】以上に例示した実施例と比較例との比較よ
り明らかなように、本発明の屋外用膜材料は、従来法に
て欠点とされた引張強さ、引裂強さ及び遮光率(着色
性)が一段と向上されており、しかも、不燃性及び耐侯
性は、従来品並みのレベルを維持している。
【0028】
【発明の効果】本発明の屋外用膜材料は、不燃性かつ防
汚性で、従来品に比して耐候性、耐溶剤・薬品性、透光
性、引張強さ及び引裂強さが一段と優れた安価な可撓性
の屋外用膜材料であってテント、膜構造建築物屋根材、
天窓材、サンルーム屋根材、廂カンバス、アーケードカ
ンバス、屋外ブラインド・シャッター、建築仮設用防護
布、野積シート、コンクリート養生シート等の建築分
野、船舶の帆材、車両の幌材、船舶・車両の積荷被覆シ
ート等の交通機器分野、地盤保護シート、防水シート等
の農業・土木分野あるいはダクト、フレキシブル継手等
の工業分野にて好適に使用し得る材料である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸径が 7.5μm 以下の複数本のガラスフ
    ィラメントより構成されるガラス繊維からなる1層乃至
    6層の積層された補強用繊維布帛群の各層布帛両面にフ
    ッ素樹脂フィルムを交互に積層熱圧接してなる屋外用膜
    材料。
JP6344893A 1993-02-26 1993-02-26 屋外用膜材料 Pending JPH06246873A (ja)

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JP2011213093A (ja) * 2010-03-16 2011-10-27 Unitika Ltd 透明不燃性シートとこれを用いたシートシャッター
CN103321051A (zh) * 2013-07-01 2013-09-25 燕山大学 微波膨化所用改性硅酸铝陶瓷纤维毯的制备方法

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