JP4566328B2 - 防水シート及び施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は住宅等の建築物に用いられる屋上防水シートなどのいわゆる防水シートに関するものであり、柔軟性を維持しながら耐候性を向上させた溶剤溶着可能な防水シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に屋外に露出した状態で長時間放置される防水シートは、雨水等が建築物の内部に進入してくるのを防止するために使用されるものであり、耐候性、強度、柔軟性、施工性が重要な機能の一つとなる。従来、防水シートとしてはポリ塩化ビニル、加硫ゴムが用いられ、最近では、オレフィン系シートが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ポリ塩化ビニルを使用したシートは、比重が大きいのでシートが重く作業性が悪くて施工しづらく、耐候性、耐久性が不十分である。また、加硫ゴムを使用したシートは、シート同士を接合する場合には接着剤を使用しなければならず、施工に時間がかかり、さらに接着剤の塗布ムラによりシート同士の接合部の強度が弱く水密性に劣るという欠点がある。
【0004】
一方、オレフィン系樹脂を使用した防水シートは、柔軟性に劣り、施工しづらい欠点がある。さらに防水シートを屋外で使用する際には長期の耐候性が要求されるが、未だ充分満足できる性能のものは得られていない。
【0005】
そこで、本発明は上述のような問題点を解消し、耐候性、柔軟性、溶剤溶着性がよい防水シートを提供することであり、さらに必要に応じて、寸法安定性、熱融着性、難燃性、リサイクル性を付与し、軽量な防水シートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した問題を解消するために、請求項1ではアクリル系ゴムとアルキル(メタ)アクリレート樹脂との配合比率を一方が10〜90重量%で他方が90〜10重量%にしたアクリル系組成物を用い、該アクリル系組成物を主成分とする層を表面層としたことを特徴とし、請求項2ではそのアクリル系組成物に難燃剤を含有せしめたことを特徴とし、さらに、請求項3では、これらのいずれかのアクリル系組成物に光安定剤又は紫外線吸収剤のいずれか一方或は双方を含有せしめたことを特徴とし、請求項4では前記のアクリル系組成物に可塑剤を含有せしめたことを特徴とする防水シートである。また、請求項5では前記アクリル系組成物を主成分とする層を少なくとも一層以上積層したことを特徴とし、請求項6では前記表面層に対して直接又は他の層を介して、織布,不織布,紙,金属箔のいずれかによって形成される基材が積層されていることを特徴とし、請求項7ではさらに請求項1〜6のいずれかの防水シートの裏面に発泡体を積層することを特徴とするものである。また、請求項8では請求項1〜7のいずれかに記載した防水シートを溶剤溶着することを特徴とする施工方法である。
【0007】
このような防水シートは、耐候性が良く、柔軟性があり、溶剤溶着が可能であり、軽量なシートを得ることができると共に、非透水性を有する防水シートとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の防水シートに使用されるアクリル系組成物は、アルキル(メタ)アクリレートゴムを含むアクリル系ゴム及びアルキル(メタ)アクリレート樹脂からなり、構成比率はアクリル系ゴムが10〜90重量%でアルキル(メタ)アクリレート樹脂が90〜10重量%であるものが用いられている
【0009】
アクリル系ゴムはアルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エステルとそれと共重合可能な単量体を重合してなる。
【0010】
上記、アルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、柔軟性を考慮すると、好ましくは、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸―2―エチルヘキシルなどである。
【0011】
また、上記のアクリル酸エステルと共重合可能な単量体は、特に限定されないが、好ましくは、ビニル、ビニリデンモノマー等であり、さらに好ましくは、単官能モノマーでは、スチレン等の芳香族ビニル、アクリロニトリル等のシアン化ビニル、シクロヘキシルマレイミド等のマレイン酸誘導体である。多官能モノマーでは、エチレンジメタクリレート、メタクリル酸アリル、ケイヒ酸アリル、ソルビン酸アリル、フタル酸ジアリル等の2官能性モノマー、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリメリット酸トリアリル、トリメチロールプロパントリアクリレート、フマール酸トリアリル、マレイン酸トリアリル等の3官能性モノマー、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ピロメリット酸テトラアクリレート等の4官能性モノマー等を単独または、併用して使用することが出来る。
【0012】
さらに、このアクリル系ゴムには、ポリオルガノシロキサンゴム成分を含んでもよい。
【0013】
一方、アルキル(メタ)アクリレート樹脂はメタクリル酸メチルとアルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エステルとそれらと共重合可能な単量体を重合してなる。
【0014】
上記、アルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸―2―エチルヘキシルなどである。
【0015】
また、上記アルキル(メタ)アクリレート樹脂と共重合可能な単量体は特に限定する必要がなく、アクリル系ゴムに用いられたものと同種類のものが使用可能である。
【0016】
上記アクリル系ゴム及びアルキル(メタ)アクリレート樹脂の重合方法は乳化重合、溶液重合、塊状重合などがあり、本発明にはいずれの方法により製造されたものでも使用できるが、耐候性、強度を考慮すると乳化重合により製造されたものが好ましい。
【0017】
本発明のアクリル系組成物には本発明の性能を害さない範囲で、他の熱可塑性樹脂をブレンドすることもできる。他の熱可塑性樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、スチレンブタジエンラバー、ニトリルブタジエンラバーなどが例示できる。
【0018】
本発明において難燃性が要求される場合には、前記のアクリル系ゴム組成物に通常の難燃剤を添加することが出来る。
本発明に用いる難燃剤は、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、加熱膨張性難燃剤、金属水酸化物、シリコーン系難燃剤、メラミン系難燃剤、ホウ素系難燃剤、スズ系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属酸化物系難燃剤等を使用することができる。さらに、これらの難燃剤をブレンドして使用してもよい。
【0019】
臭素系難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモビフェニル、ヘキサブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサクロロシクロペンタンジエンのディールスアルダー付加物、ペンタブロモエチルベンゼン、ペンタブロモシクロヘキサン、ペンタブロモトルエン、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、ポリジブロモフェニレンエーテル、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルオキサイド、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモナフタリン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、テトラブロモビスフェノールAおよびその誘導体、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールS−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)などのテトラブロモビスフェノールS誘導体、テトラブロモ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸誘導体、テトラブロモフタルイミド、テトラブロモジフェノキシベンゼン、テトラブロモシクロオクタン、テトラブロモフタレートジオール、テトラブロモフタレートエステル、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレンビス(5,6−ジブロモノルボルナン−2,3−ジカルボキシイミド)、エチレンビストリブロモフェニルエーテル、エチレンビスペンタブロモフェニル、トリス−(2,3−ジブロモプロピル−1)−イソシアヌレート、トリブロモフェノール、トリブロモフェニルグリシジルエーテル、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモネオペンチルアルコール、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキサイド、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリカーボネート、臭素化フタルイミド、臭素化フェノキシ、臭素化芳香族トリアジン、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−メチルヘキサブロモジフェニルアミン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、ジブロモメタクレゾール、ジブロモネオペンチルグリコール、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン等が挙げられる。
また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0020】
塩素系難燃剤としては塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、デクロランプラス(パークロロシクロペンタデカノン)、テトラクロロ無水フタル酸等が挙げられ、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0021】
リン系難燃剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルフスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル2,6キシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス−β−クロロプロピルホスフェート、クロロアルキルフォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、芳香族リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム、ポリクロロホスフォネート、赤リン等が挙げられる。また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。また、リン酸エステル系難燃剤は可塑剤としての効果を併せ持つものでもある。
【0022】
加熱膨張性難燃剤としては、例えば、鱗片状黒鉛を硫酸や硝酸あるいは燐酸等で酸化処理したものであり、黒鉛−硫酸層間化合物等である。本発明ではこれら加熱膨張性難燃剤のうち300〜400℃の温度で膨張し始めて50倍以上に膨張するものが好ましい。
【0023】
金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。また、これらを2種類以上ブレンドして使用してもよい。
【0024】
シリコーン系難燃剤としては、シリコーンエラストマー、シリコーンオイル、粉末シリコーン等が挙げられる。また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0025】
メラミン系難燃剤としては、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンフォスフェート、粉末メラミン等が挙げられる。また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0026】
ホウ素系難燃剤としては、ホウ酸亜鉛等が挙げられる。また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0027】
スズ系難燃剤としては、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛等が挙げられる。
また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0028】
アンチモン系難燃剤としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0029】
金属酸化物系難燃剤としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル等が挙げられる。また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0030】
これらの難燃剤を添加する場合の添加量はアクリル系組成物100重量部に対して、通常0.1〜100重量部の範囲であり、1〜50重量部の範囲がより好ましい。0.1重量部未満であると難燃性が悪く、100重量部を越えるとシートが硬くなったり、機械的物性の低下、比重の増加等の問題点が生じる。金属水酸化物については難燃性の点からアクリル系組成物100重量部に対して15〜300重量部であることが好ましい。
【0031】
本発明において使用するアクリル系組成物はそれ自体で耐候性が優れているが、更に耐候性が要求される場合には、光安定剤又は紫外線吸収剤のいずれか一方或は双方を添加する。
また、アクリル系組成物は、難燃剤の添加により、耐候性が損なわれる傾向があるので、その耐候性を補うため前記と同様に光安定剤又は紫外線吸収剤のいずれか一方或は双方を添加する。
【0032】
本発明に用いる光安定剤としてはベンゾエート系光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ、耐候性の面からヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
【0033】
ベンゾエート系光安定剤としては、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートが挙げられる。
【0034】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、N−水素置換ヒンダードアミン化合物(N−H型)、N−メチル置換ヒンダードアミン化合物(N−Me型)、N−アルコキシル置換ヒンダードアミン化合物(N−OR型)が挙げられ、それぞれヒンダードアミン化合物中に含まれる窒素原子に水素原子、メチル基またはアルコキシル基が結合している公知の化合物を使用することが、耐候性の面からN−水素置換ヒンダードアミン化合物(N−H型)、N−メチル置換ヒンダードアミン化合物(N−Me型)が好ましい。
【0035】
例えば、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′,−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、デカンニ酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。また、これらを単独または2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0036】
光安定剤を添加する場合の添加量はアクリル系組成物100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲である。0.1重量部未満であると耐候性が劣り、5重量部を越えて添加しても耐候性の向上はあまり見られず、コストアップにつながり好ましくない。
【0037】
本発明に用いる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアゾール系紫外線吸収剤を使用することができる。また、これらをブレンドして使用してもよい。
【0038】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシッド、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0039】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾールー2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾールー2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6ジ−tert−ブチルフェノール、2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール等が挙げられる。また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0040】
紫外線吸収剤を添加する場合の添加量はアクリル組成物100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲である。0.1重量部未満であると耐候性が劣り、5重量部を越えて添加しても耐候性の向上は見られず、コストアップにつながり好ましくない。
【0041】
本発明において光安定剤と紫外線吸収剤とを併用する場合、その添加量は光安定剤と紫外線吸収剤を合わせて、アクリル組成物100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲である。
【0042】
本発明に用いられるアクリル系組成物には、さらに柔軟性を付与して、施工性を向上するため、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、リン酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系等の可塑剤を添加することができる。
【0043】
可塑剤の具体的な例はフタル酸エステル系として、フタル酸−n−オクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジシクロヘキシルなどが挙げられ、脂肪酸エステル系としてはアジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸イソデシル、アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバチン酸ジオクチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ(2−エチルヘキシル)などが挙げられ、リン酸エステル系では難燃剤として述べたものなどが挙げられ、エポキシ系ではエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などが挙げられ、ポリエステル系では2塩基脂肪酸とグリコールのポリエステルなどが挙げられ、その他として、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)が挙げられる。また、これらを2種以上ブレンドして使用してもよい。
【0044】
上記可塑剤は、使用時の揮発減量を少なくして、柔軟性などの初期性能を長期に亘って維持するためには分子量の大きいものがよく、トリメリット酸エステル系、ポリエステル系など分子量500以上のものがより好ましく、ポリエステル系の場合には分子量1000以上のものがさらに好ましい。
【0045】
可塑剤を添加する場合の添加量は、アクリル系組成物100重量部に対して、0.1〜150重量部であり、好ましくは1〜100重量部である。
【0046】
本発明のアクリル系組成物には性能を害さない範囲で、さらに無機充填剤を併用することができる。
その無機充填剤は、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維等が使用できる。この無機充填剤の添加量としては、アクリル系組成物100重量部に対して、15〜300重量部であることが好ましい。
【0047】
また、アクリル系組成物には性能を害さない範囲で酸化防止剤、顔料、滑剤、加工助剤、帯電防止剤等の成分を添加できる。
【0048】
上記の防水シートは、それ自体で十分な耐候性、柔軟性及び必要に応じて難燃性などの性能を有するが、さらに耐候性、難燃性を生かすものの一つとして、単層構造のみではなく、積層構造を取ることができる。
【0049】
この積層構造は、上記の単層からなる防水シート自体に、別の難燃剤を含有するアクリル系組成物から成る層を少なくとも一層以上積層するものである。この難燃剤を含有するアクリル系組成物から成る層が積層されるシート層は、特に限定されないが、アクリル系組成物から成る層や、難燃剤を含有するアクリル系組成物からなる層や、光安定剤又は紫外線吸収剤のいずれか一方或は双方を含有するアクリル系組成物から成る層や、難燃剤と光安定剤又は紫外線吸収剤のいずれか一方或は双方を含有するアクリル系組成物から成る層などが使用でき、さらにこれらの層におけるアクリル系組成物に可塑剤を含有せしめても良い。
【0050】
前記の少なくとも一層以上積層する難燃剤を含有するアクリル系組成物から成る層には、光安定剤又は紫外線吸収剤のいずれか一方或は双方、並びに可塑剤を含有せしめてもよい。
【0051】
この難燃剤を含有するアクリル系組成物から成る層は、積層構造において表面層、裏面層、中間層の何れの位置に積層してもよく、一層のみではなく、二層以上を積層してもよい。例えばこの難燃剤を含有するアクリル系組成物から成る層を中間層若しくは裏面層として、これに前記の積層されるシート層を表面層として積層することや、該難燃剤を含有するアクリル系組成物から成る層を表面層として、これに積層されるシート層を中間層、裏面層として積層することや、この難燃剤を含有するアクリル系組成物から成る層を表面層および裏面層として、その中間に積層されるシート層を中間層として積層することなど、任意の積層構成とすることが可能であるが、耐候性の面から、少なくとも難燃剤を含有するアクリル系組成物から成る層を中間層若しくは裏面層にして、これと表面層となる難燃剤を含有しないアクリル系組成物から成るシート層を積層することが好ましく、また、この難燃剤を含有するアクリル系組成物から成る層を中間層若しくは裏面層にして、難燃剤を含有せず、光安定剤又は紫外線吸収剤のいずれか一方或は双方を含有するアクリル系組成物から成る層を表面層にすることがさらに好ましい。
【0052】
本発明の防水シートは、後述する発泡体を積層する場合を除いて、屋上などの屋外という厳しい自然条件に耐えるために厚さは、最低1.0mm以上であることが好ましく、施工の関係上5.0mm以下であることが良く、とりわけ1.3mm〜3.0mmであることが好ましい。前記の積層構造をとる場合は、積層を構成する各層の厚さは、加工性の面から0.1mm以上であることが好ましい。
【0053】
本発明の防水シートは寸法安定性を向上させるために基材を積層することができる。
【0054】
基材を積層する場合、該基材の位置は、表面層と中間層との間、若しくは中間層と中間層との間、或は中間層と裏面層との間のいずれか、又は裏面層の裏面の何れかに積層することができる。また、防水シート同士の熱融着、溶剤溶着を確実にするには、防水シートの最裏面、すなわち裏面層の裏面に基材が位置するのではなく、防水シートの中間位置に該基材を積層することが好ましい。
【0055】
積層する基材は織布、不織布、紙、金属箔、フィルム、シート等であり、中でも織布、不織布が好適である。織布、不織布を構成する繊維には合成繊維、天然繊維、ガラス繊維等の単独、あるいはこれらの混紡を使用することができる。合成繊維の材料としては熱可塑性のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂等があり、これらの材料を混紡したものでもよい。
【0056】
織布の場合の織り方としては、縦糸と横糸を織ったものや、織らずに直交されているもの、横糸を二本の縦糸で上下より挟んで固着させたもの、横糸と縦糸が一本ずつ固着させたもの、あるいは二本の縦糸と横糸とを交互に重ねて固着させたもの等の種々の形態があり、いずれも本発明で使用することができる。不織布は繊維等を織らずに物理的あるいは化学的な方法で結合させて布状にしたものであり、製法によって湿式不織布、乾式不織布、スパンボンド式不織布等に分類されるがいずれも使用することができる。
【0057】
織布の縦糸あるいは横糸の間隔は、シート同士が基布の目を通して樹脂同士が接着することが出来きるものが好ましい。そこで、縦糸或いは横糸の間隔は本数が3〜20本/インチ程度のものが好ましく、また、縦糸と横糸の太さは100〜1000デニールのものが寸法安定性の面からも好ましい。
【0058】
織布、不織布の表面処理については、層間にラミネートできるものであればよく、好ましくはアクリル系の処理剤がよい。
【0059】
さらに本発明の防水シートは裏面に熱可塑性樹脂発泡体を積層することも可能であり、その熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン、EVA等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、各種熱可塑性エラストマー等があげられる。また、この発泡体の種類としては架橋タイプと非架橋タイプに分類することができ、発泡体のセルの大きさとしては発泡体の安定性の面から10〜1000μmがよい。発泡体の気泡は独立気泡、連続気泡を用いることができるが、断熱効果の面から独立気泡の方が好ましい。発泡体の厚さは1〜5mm程度のものが好ましく、1mmより薄いと下地の不陸を直接受けたり、5mmより厚いと長尺状に巻けなかったりすることがあるため、前記の厚さとすることがよい。
【0060】
本発明に用いられる発泡体は架橋タイプと非架橋タイプを使用することができるが、リサイクル性の面から非架橋タイプが好ましい。また、非架橋タイプは熱融着、溶剤溶着によって接合を行なえることで、接着剤が不要となるのでリサイクル性の面で好ましい。
【0061】
本発明の防水シートは表面層の表面に性能を害さない範囲で、フッ素樹脂系、アクリル樹脂系、ポリカーボネート系、ポリエステル系、ナイロン系、ポリオレフィン系のフィルムを積層若しくは塗料を塗布することができ、これらのフィルムを積層若しくは塗料を塗布することによって汚れ防止や耐摩耗性、耐候性を向上させることができる。さらに、印刷を施した該フィルムを積層したり、印刷を施した本発明の防水シート若しくは印刷を施した該フィルムを積層した防水シートの印刷面に該フィルムを積層したり、該塗料を塗布することによって意匠性を向上させることができる。
【0062】
本発明の防水シートは、カレンダー成形法や押出成形法など従来周知の成形法で成形することができる。特にカレンダー成形に適している。
【0063】
本発明の防水シートは、ポリ塩化ビニル系防水シートの施工に用いられている機械的固定法、溶剤接着法や、熱溶着、溶液溶着、溶接棒による端部処理といった施工方法を利用することができ、とりわけ、施工が容易な溶剤溶着法が好ましい。
【0064】
溶剤溶着は、本発明の防水シートを並設して隣接する防水シート同士を溶剤溶着して接合する施工を行う場合、隣接する防水シート同士を50〜400mmの幅で重ねて、その重ね部に溶剤溶着用の溶剤を塗布して圧着する。また、隣接する防水シート同士を突き合わせて、その突き合わせ部に接合用テープを重ね、その重ね部に溶剤溶着用の溶剤を塗布して圧着してもよい。
該接合用テープは本発明の防水シートに使用されたアクリル系組成物で製造したものが好ましい。
【0065】
本発明に使用する溶剤溶着用の溶剤は、適正な乾燥時間で十分な接合強度得るためには、沸点が40〜200℃が好ましく、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロルメタン、四塩化炭素、ジクロルエタン、トリクロルエタン、トリクレン、パークレン、ベンジルアルコール、テトラヒドロフラン、DMF、DMA、DMSOなどが例示でき、環境への優しさ、施工時の臭気を考えると酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレンがより好ましい。
【0066】
上記の溶剤の他に、溶剤の揮発性、樹脂の溶解性などの性能を調節する目的でメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサンなどを混合溶剤として添加することができる。
また、溶剤溶着する防水シートを構成する樹脂と同組成か又は近い組成の樹脂を溶解した溶剤を使用すれば、接合強度が増し好ましい。
【0067】
本発明の防水シートは床材、壁装材などの建築物用シートやその他のシートとしても摘要でき、とくに屋外で使用されるシートには耐候性が優れているため適している。
【0068】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0069】
実施例1〜14
表1のNo.1〜14に示す配合のシート(厚さ:1.30mm)を170〜200℃で逆L型4本カレンダーにて成形し、このシート単独で防水シートとした。
【0070】
実施例15
表面層として表1のNo.3に示す配合のシート(厚さ:1.00mm)を170〜200℃で逆L型4本カレンダーにて成形し、この得られたシートの裏面に裏面層として表1のNo.2に示す配合のシート(厚さ:0.75mm)をラミネートして厚みが1.75mmの防水シートを成形した。
【0071】
実施例16
表面層として表1のNo.6に示す配合のシート(厚さ:0.75mm)を170〜200℃で逆L型4本カレンダーにて成形し、この得られたシートの裏面に裏面層として表1のNo.9に示す配合のシート(厚さ:0.75mm)をラミネートして厚みが1.50mmの防水シートを成形した。
【0072】
実施例17
表面層として表1のNo.13に示す配合のシート(厚さ:0.60mm)を170〜200℃で逆L型4本カレンダーにて成形し、この得られたシートの裏面に裏面層として表1のNo.14に示す配合のシート(厚さ:0.70mm)をラミネートして厚みが1.30mmの防水シートを成形した。
【0073】
実施例18
表面層として表1のNo.7に示す配合のシート(厚さ:0.40mm)と、中間層として表1のNo.12に示す配合のシート(厚さ:0.55mm)と、裏面層として表1のNo.4に示す配合のシート(厚さ:0.55mm)をTダイ付き多層押出機で3層同時に押出し積層成形して、厚みが1.50mmの防水シートを得た。
【0074】
実施例19
実施例3で得られたシートの裏面にガラスクロス(鐘紡株式会社製:KS5211)基材をラミネートし、厚みが1.30mmの防水シートを成形した。
【0075】
実施例20
表面層として表1のNo.3に示す配合のシート(厚さ:0.75mm)を170〜200℃で逆L型4本カレンダーにて成形すると同時にガラスクロス(鐘紡株式会社製:KS5241)基材を積層し、更に基材側に裏面層として表1のNo.2に示す配合のシート(厚さ:0.75mm)を積層し、厚みが1.50mmの防水シートを成形した。
【0076】
実施例21
実施例11で得られたシートを表面層とし、これにガラスクロスポリエステルクロス(クラボウ株式会社製:E2200)基材をラミネートし、更に基材側に裏面層として表1のNo.3に示す配合のシート(厚さ:0.50mm)を積層し、厚みが1.80mmの防水シートを成形した。
【0077】
実施例22
実施例19で得られた防水シートの裏面、すなわち基材側面に、更にポリウレタンの発泡体(発泡倍率:50倍、厚み:10mm)を積層して発泡体積層防水シートを成形した。
【0078】
実施例23
実施例21で得られた防水シートの裏面層の裏面に、更にポリスチレンの発泡体(発泡倍率:40倍、厚み:7mm)を積層して発泡体積層防水シートを成形した。
【0079】
施工例1
実施例16のシートを溶剤溶着用の溶剤としてトルエンを用い、施工したところ、十分な接着強度が得られた。
【0080】
施工例2
実施例20のシートを溶剤溶着用の溶剤としてメチルエチルケトンを用い、施工したところ、十分な接着強度が得られた。
【0081】
施工例3
実施例23のシートを溶剤溶着用の溶剤としてテトラヒドロフランを用い、施工したところ、十分な接着強度が得られた。
【0082】
実施例の各No.におけるシートの配合は表1に示す通りで、数字は重量部であり、各配合物は下記に示す通りである。
アクリル系組成物1:MUX80:三菱レイヨン株式会社製
アクリル系組成物2:MUX50:三菱レイヨン株式会社製
アクリル系組成物3:SA:株式会社クラレ製
アクリル系組成物4:SR6500:旭化成株式会社製
アクリル系組成物5:SR6350:旭化成株式会社製
(上記のアクリル系組成物1〜5はいずれもアクリル系ゴム及びアルキル(メタ)アクリレート樹脂の混合物であるが、その構成比率は各社とも公表しておらず不明である。)
難燃剤1:臭素系難燃剤:東ソー株式会社製。
難燃剤2:トリクレジルホスフェート
難燃剤3:水酸化マグネシウム:協和化学工業株式会社製。
光安定剤:キマソーブ944:チバ・スペシャリティーケミカルズ株式会社製
紫外線吸収剤:チヌビンP:チバ・スペシャリティーケミカルズ株式会社製
可塑剤1:フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)
可塑剤2:トリメリット酸トリオクチル
可塑剤3:W−2050(ポリエステル系):大日本インキ工業株式会社製
無機充填剤:炭酸カルシウム
【0083】
【表1】
Figure 0004566328
【0084】
比較例1
下記配合のPVC(ポリ塩化ビニル)性シート(厚さ:1.5mm)を180℃
で逆L型4本カレンダーにて成形し、単独で防水シートとした。
PVC(P=1300) 100重量部
DOP 50重量部
安定剤 3重量部
Sb23 5重量部
着色剤 2重量部
【0085】
比較例2
下記配合のオレフィン系樹脂シート(厚さ:1.7mm)を200℃で、押出機にて成形し、単独で防水シートとした。
キャタロイ KS−353P 100重量部
光安定剤 0.2重量部
滑剤 0.1重量部
着色剤 3重量部
キャタロイ KS−353P:モンテル・エスディーケイ・サンライズ社製
【0086】
実施例及び比較例における各防水シートの評価は、耐候性、寸法安定性、柔軟性、平坦性について行ない、また、難燃剤を入れた場合には難燃性の評価も行った。その結果を表2、表3及び表4に示す。
【0087】
なお、各評価項目は以下の試験方法で行なった。
耐候性はサンシャインウェザオメーター(ブラックパネル温度:63℃、降雨:18分/120分、水圧:9.8N/cm2)に、3000時間入れた後のシート表面をマイクロスコープ(200倍)により評価した。
○: クラック無し。
×: クラックあり。
寸法安定性は80℃のオーブンで48時間後の寸法変化率で評価した。
○: 変化率が0.2%以下
△: 変化率が0.2%を越えて2%以下
×: 変化率が2%を越える
柔軟性は作成したシートを施工して、施工しやすさで評価した。
○: 施工しやすい 。
△: 施工上問題ない。
×: 施工しにくい 。
平坦性は作成した防水シートを起伏があるコンクリートの上に施工した後のシートの平坦性を目視により評価した。
○: 起伏が目立たない。
△: 起伏が少し目立つ。
難燃性は成形した防水シート(1m2)の表面層の中央に火種(1辺が5cmの立方体の木材に火をつけたもの)を置き、シートの燃焼状態を目視で評価した。
○: ほとんど燃えない。
×: 激しく燃えた。
【0088】
【表2】
Figure 0004566328
【0089】
【表3】
Figure 0004566328
【0090】
【表4】
Figure 0004566328
【0091】
【発明の効果】
【0092】
本発明はアクリル系ゴム又はアルキル(メタ)アクリレート樹脂のいずれか一方或は双方を主成分とする組成物から成るから柔軟性があり、耐候性が良く、溶剤溶着が可能で施工性の良好な非透水性の防水シートを提供できる。
【0093】
また、前記のアクリル系ゴム又はアルキル(メタ)アクリレート樹脂のいずれか一方或は双方を主成分とする組成物に難燃剤を含有せしめることにより、前記の効果に加えて難燃性を付与することができる。
【0094】
さらに、これらアクリル系ゴム又はアルキル(メタ)アクリレート樹脂のいずれか一方或は双方を主成分とする組成物に、光安定剤又は紫外線吸収剤のいずれか一方或は双方を含有せしめることによって耐候性が向上すると共に、難燃剤が含有されている場合には損なわれる耐候性を補うことができる。
【0095】
上記の各種アクリル系ゴム又はアルキル(メタ)アクリレート樹脂のいずれか一方或は双方を主成分とする組成物に可塑剤を含有せしめることによって柔軟性が付与され、さらに施工性が向上したものとなる。
【0096】
また、本発明は前記のシートに難燃剤を含有するアクリル系組成物から成る別の層を、少なくとも一層以上を表面層、中間層、裏面層として積層したことにより、難燃性が向上すると共に該層を中間層若しくは裏面層とした場合には耐候性が損なわれることがなく、有益なものとなる。
【0097】
また、本発明は基材を積層することよって、寸法安定性が付与され、気候の変化、太陽光線の照射などによる防水シートの伸縮を防止することが出来ると共に該基材が防水シートの最裏面ではなく、中間位置に積層されている場合には防水シート同士の熱融着、溶剤溶着を確実に行うことが出来る。
【0098】
また、本発明は裏面に発泡体を積層することにより、下地に起伏などの不陸があってもこれを吸収して平担性を維持できると共に断熱効果もあり、しかも、この発泡体が非架橋タイプの場合には熱融着、溶剤溶着によって接合することができるので接着剤が不要となりリサイクル性において好ましいものとなる。
【0099】
さらに本発明は以上のように形成した各種の形態の防水シートを溶剤溶着することによって施工が容易になると共に前述のように接着剤を使用しないことによりリサイクル性の良い施工方法である。

Claims (8)

  1. アクリル系ゴムとアルキル(メタ)アクリレート樹脂との配合比率を一方が10〜90重量%で他方が90〜10重量%にしたアクリル系組成物を用い、該アクリル系組成物を主成分とする層を表面層としたことを特徴とする防水シート。
  2. 前記アクリル系組成物に難燃剤を含有せしめたことを特徴とする請求項1に記載の防水シート。
  3. 前記アクリル系組成物に光安定剤又は紫外線吸収剤のいずれか一方或いは双方を含有せしめたことを特徴とする請求項1又は2に記載の防水シート。
  4. 前記アクリル系組成物に可塑剤を含有せしめたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水シート。
  5. 前記アクリル系組成物を主成分とする層を少なくとも一層以上積層したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防水シート。
  6. 前記表面層に対して直接又は他の層を介して、織布,不織布,紙,金属箔のいずれかによって形成される基材が積層されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防水シート。
  7. 裏面層として発泡体層が積層されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防水シート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の防水シートを溶剤溶着することを特徴とする施工方法。
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