JP3232842B2 - 積層シート - Google Patents

積層シート

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JP3232842B2
JP3232842B2 JP33140693A JP33140693A JP3232842B2 JP 3232842 B2 JP3232842 B2 JP 3232842B2 JP 33140693 A JP33140693 A JP 33140693A JP 33140693 A JP33140693 A JP 33140693A JP 3232842 B2 JP3232842 B2 JP 3232842B2
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昌夫 関
敏弘 早川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防汚性に優れた塩化ビ
ニル系樹脂からなる積層シートに関するものである。さ
らに詳しくは、テントなどの建築用部材、トラック用の
幌、看板用バックリットなどの産業用資材として好適に
用いられる防汚性の改善された塩化ビニル製シートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維基布に軟質塩化ビニル系樹脂
をカレンダー法やコーティング法、Tダイ押し出し法な
ど種々の方法により被覆加工し、各種イベント用あるい
は倉庫用テント、トラック用の幌など各種シート、野積
シート、バックリット、フレキシブルコンテナなど様々
な用途に展開されている。塩化ビニル系樹脂は、低コス
トで加工性などの取扱いがよく、高周波ウエルダー溶着
縫製が容易であるなど様々な長所を有するが、長期の屋
外使用により大気中の煤煙、塵埃などの汚染物質が付着
して汚れやすく、また拭き取っても除去できないなど、
テント、シート類の美観を損ねるという重大な欠点を有
する。かかる欠点の理由としては、塩化ビニル系樹脂の
柔軟性を改善するために配合する各種可塑剤がシート表
面に移行し、粘着性を増すために汚れが付着しやすくな
りしかも除去しにくくなるためとされている。
【0003】かかる欠点を改善するため可塑剤の移行を
阻止する目的で種々の方法が提案されており、例えば (1) 有機溶剤に溶かしたアクリル系またはウレタン系樹
脂をコーティングする。
【0004】(2) 特開昭56−167445号公報に記
載のごとく塩化ビニルシートにポリメタクリル酸系フィ
ルムをラミネートする方法 (3) 特開昭59−171649号公報に記載のごとく塩
化ビニルシートに弗素系樹脂を接着積層する方法 などがあるが、(1) の方法は、コーティング用樹脂の有
機溶剤中に可塑剤が溶け出したり、コーティング樹脂層
に移行すために防汚効果がほとんどない。(2) の方法は
可塑剤のフィルム層への移行を防ぎ得ず、長期の使用に
は十分でないうえに、ウエルダー溶着性が弱く、シワが
入りやすい欠点を有する。(3) の方法は、可塑剤の移行
がなく、防汚性には優れるものの、コストが高く、溶着
縫製ができないか、非常に困難であるという重大な欠点
を有するものである。
【0005】塩化ビニル樹脂シートの特性を損なうこと
無く防汚性を改善した積層シートは現在のところまだ見
出だされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩化ビニル
樹脂シートの各種特性を維持し、しかも優れた防汚性を
有する積層シートを提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために次のような構成を有する。
【0008】すなわち本発明の防汚性に優れた積層シー
トは、繊維基布の表面または表裏両面に塩化ビニル系樹
脂基材層(A)を配したシートの少なくとも片面に、該
基材層(A)の表面硬度より大きい塩化ビニル系樹脂表
皮層(B)が接合されている積層体あって、該基材層
(A)に多孔性の無機微粒子を含有することを特徴とす
るものである。
【0009】
【作用】本発明は、従来、塩化ビニル樹脂製シートの持
つ各種長所を維持して優れた防汚性を付与することは極
めて難しいとされていた事実に鑑み、鋭意検討したとこ
ろ、防汚性能はシートの最外層表面の硬度に関係し、高
硬度なもの程防汚性が優れることをを究明したものであ
る。
【0010】本発明でいう塩化ビニル系樹脂とは、塩化
ビニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体などであり、これらを単独あるい
は二種以上を混合したものに可塑剤、安定剤、充填剤、
酸化防止剤、耐候剤、防炎剤などの添加剤を混合したも
のである。
【0011】塩化ビニル系樹脂の平均重合度は600〜
3500であり、好ましくは800〜2500のものを
使用する。
【0012】本発明の可塑剤としては、一般に使用され
ているものを使用することができる。例えば、フタル酸
エステル系としては、ジブチルフタレート、ジエチルフ
タレート、ジヘブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジノニ
ルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシル
フタレート、ブチルベンジルフタレートなどであり、脂
肪族二塩基酸系エステルとしては、ジメチルアジペー
ト、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ
−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペ
ート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアゼレート、ジメチルセバケート、ジブチル
セバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチ
ルアセチルリシノレートなどであり、エポキシ系として
は、エポキシ化大豆油、オクチルエポキシステアレート
などであり、リン酸エステル系としては、トリメチルホ
スヘート、トリエチルホスヘート、トリブチルホスヘー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスヘート、トリブトキ
シエチルホスヘート、トリオレイルホスヘート、トリフ
ェニルホスヘート、トリクレジルホスヘート、トリキシ
レニルホスヘート、クレジルジフェニルホスヘート、キ
シレニルジフェニルホスヘート、2−エチルヘキシルジ
フェニルホスヘートなどであり、ポリエステル系として
は、アジピン酸と2−メチル−1、8−オクタンジオー
ル、1、2−プロパンジオール、1、3−ブタンジオー
ル、2−エチルヘキサノール、n−オクタノールなどの
グリコール類をエステル化したものなどであり、トリメ
リット酸系ではトリ2−エチルヘキシルトリメリレー
ト、トリイソデシルトリメリレートなどであり、その他
に2−エチルヘキシルピロメリレートなどのピロメリッ
ト酸系、ビフェニルテトラカルボン酸エステル系などを
例示することができ、これらを単独あるいは混合したも
のが使用され、軟質塩化ビニル樹脂の場合、一般に可塑
化効率の大きいフタル酸エステル系、なかでもジ−2−
エチルヘキシルフタレート(DOP)が使用される場合
が多く、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し通常40
〜120重量部使用される。
【0013】安定剤、安定助剤の例としては、例えば、
カルシュウム・亜鉛系、カルシュウム・亜鉛有機複合体
系、バリウム・亜鉛系、カドミウム・バリウム系、カド
ミウム・鉛系、エポキシ系、有機錫ラウレート、有機錫
メルカプタイト、有機錫オクチルなどがあり、これらを
単独あるいは混合したものを塩化ビニル系樹脂100重
量部に対し、0.1〜10重量部使用する。
【0014】充填剤としては、シリカ、タルク、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、リン酸カ
ルシウム、カオリンクレイ、チタン白、石英、ケオソウ
土、ハイドロタルサイトなどであり、単独あるいは混合
したものを塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、3〜
25重量部使用する。
【0015】酸化防止剤としては、2、6−ジ−t−ブ
チル−メチルフェノール、ジラウリルチオジプロピオネ
ートなどがあり、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、0.05〜2.5重量部使用する。
【0016】耐候剤としては、トリアゾール系紫外線吸
収剤では2−(2′ヒドロキシ−3′、5′−ジ−t−
ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2′ヒドロキシ−3′−t−アミノ−5′−イソブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)5、6−ジクロロベンゾトリアゾール、2−(2′
ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)5−エチルスルホ
ンベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−
イソブチル−5′−メチルフェニル)5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−イソブチ
ル−5′−プロピルフェニル)5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′、5′−ジ−t−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒド
ロキシ−5′−1、1、3、3−テトラメチルブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾールなどであり、ベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤としては2−ヒドロキシ−4−n−オ
クトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2、2′−ジヒ
ドロキシ−4、4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、
2、2′、4、4′−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、ハイドロキノン系紫外線吸収剤としては、ハイドロ
キノン、ヒドロキノンジサリチレート、サリチル酸系紫
外線吸収剤としては、フェニルサリチレート、パラオク
チルフェニルサリチレートなどであり、これらを単独あ
るいは混合したものを塩化ビニル系樹脂100重量部に
対して0.25〜3重量部添加する。
【0017】酸化防止剤としては、2、6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール、2、2′−メチレンビス
(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2、6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール系酸
化防止剤、ジ−n−ドデシル−チオジプロピオネート、
ジ−n−オクタデシル−チオジプロピオネート、ジラウ
リルチオジプロピオネートなどのチオジプロピオン酸エ
ステルなどがあり、これらを単独あるいは混合したもの
を塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜1重
量部添加する。
【0018】防炎剤としては、三酸化アンチモン、リン
酸チタン、水和硼酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウムなどの無機系化合物が一般的に用いられ、
特に三酸化アンチモンを主体としたものを塩化ビニル系
樹脂100重量部に対して3〜10重量部添加する。ト
リクレジルホスヘートなどの難燃可塑剤が使用される場
合もある。
【0019】その他、2、4、5、6−テトラクロロイ
ソフタロニトリル、10、10′オキシビスフェノキシ
アルシンなどの防黴剤、フタロシニアンブルー、フタロ
シニアングレーン、アリザリンレーキ、酸化チタン、亜
鉛華、カーボンブラックなどの着色剤を塩化ビニル系樹
脂100重量部に対してそれぞれ0.001〜2重量
部、添加する0.001〜1重量部添加してもよい。な
お、ここに例示した以外の化合物も必要に応じて添加し
てもさしつかえない。
【0020】本発明の可塑剤としては、一般に使用され
ているものを使用することができる。例えば、フタル酸
エステル系としては、ジブチルフタレート、ジエチルフ
タレート、ジヘブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジノニ
ルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシル
フタレート、ブチルベンジルフタレートなどであり、脂
肪族二塩基酸系エステルとしては、ジメチルアジペー
ト、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ
−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペ
ート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアゼレート、ジメチルセバケート、ジブチル
セバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチ
ルアセチルリシノレートなどであり、エポキシ系として
は、エポキシ化大豆油、オクチルエポキシステアレート
などであり、リン酸エステル系としては、トリメチルホ
スヘート、トリエチルホスヘート、トリブチルホスヘー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスヘート、トリブトキ
シエチルホスヘート、トリオレイルホスヘート、トリフ
ェニルホスヘート、トリクレジルホスヘート、トリキシ
レニルホスヘート、クレジルジフェニルホスヘート、キ
シレニルジフェニルホスヘート、2−エチルヘキシルジ
フェニルホスヘートなどであり、ポリエステル系として
は、アジピン酸と2−メチル−1、8−オクタンジオー
ル、1、2−プロパンジオール、1、3−ブタンジオー
ル、2−エチルヘキサノール、n−オクタノールなどの
グリコール類をエステル化したものなどであり、トリメ
リット酸系ではトリ2−エチルヘキシルトリメリレー
ト、トリイソデシルトリメリレートなどであり、その他
に2−エチルヘキシルピロメリレートなどのピロメリッ
ト酸系、ビフェニルテトラカルボン酸エステル系などを
例示することができ、これらを単独あるいは混合したも
のが使用される。
【0021】従来、テント、ターポリン、各種養生シー
ト、バックリットなどに使用される塩化ビニル樹脂は、
一般に軟質タイプと称され、可塑剤として一般的に使用
されるジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)の
例で示すと添加量が塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して50〜100重量部のものである。
【0022】本発明の多孔性無機微粒子とは、粒子表面
に多数の穴を有し、粒子内部に空洞を有するものであ
り、活性炭、ゼオライト、カオリン、シリカゲルなど通
常乾燥剤、吸着剤などとして使用されるものであり、特
に限定されるものではないが、樹脂との相溶性、吸着性
などから二酸化ケイ素が好ましい。
【0023】本発明の二酸化ケイ素とは、粒子径が1〜
6ミクロン、平均細孔径が50オングストローム以
上、、細孔容積が0.6ml/g以上のものであり、具
体的に商品名で示すと、富士シリシア化学株式会社製の
シリシア550、440、435、450、310、3
50、250などである。かかる構成から外れた二酸化
ケイ素粒子では本発明の効果を達成しにくい場合があ
る。
【0024】本発明の二酸化ケイ素の添加量は、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対し、5〜30重量部であ
り、5重量部未満では効果が不十分な場合があり、30
重量部を越えると樹脂シートが粗硬になるなど問題があ
る。
【0025】本発明の塩化ビニル系樹脂と二酸化ケイ素
の混合は、ニーダーなど公知の方法を採用することがで
き、得に限定されるものではない。
【0026】従来、軟質塩化ビニル樹脂は、特に屋外で
長期間使用した場合に表面に各種汚染物質が付着し、極
めて汚れやすいものであることは周知の事実である。汚
染しやすい原因として、一般に可塑剤がシート表面に滲
みだし、粘着性が増すため、汚染物質が付着しやすく、
付着した汚染物が取れにくくなるといわれている。本発
明者等は上記原因が主要因であるならば、滲みだしの程
度が異なる可塑剤の種類や、滲みだしを全く考慮する必
要のないエチレン−アクリル酸アルキルやエチレン−ビ
ニルアセテート、塩素化パラフィンなどの可塑化成分を
配合したタイプで汚れの程度に差が生ずるものと考え、
シートの表面硬度をほぼ同一にして種々実験を実施した
ところ可塑剤の種類、無可塑タイプにほとんど汚染性に
差がないという事実を確認し、樹脂表面が柔らかいこと
が汚染の要因で、可塑剤の滲みだしは表層の柔らかさを
更に助長することになることを突き止めたものである。
【0027】本発明者等は、シート全体としては柔軟性
を持ち、再外層は表面硬度が高く、しかもその硬度が長
期間の屋外曝露で変化しにくい積層構造体について鋭意
検討し、本発明に到達した。
【0028】すなわち本発明は、塩化ビニル系樹脂から
なる基材層(A)と表皮層(B)からなるか、または基
材層(A)、中間層(C)、表皮層(B)からなる積層
体において、基材層(A)または中間層(C)または両
方に多孔性二酸化ケイ素を配合し、表皮層(B)には基
材層(A)より表面硬度の大きい樹脂を用いるものであ
る。かかる二酸化ケイ素は、表皮層(B)への可塑剤の
移行を阻止し、表皮層(B)の表面硬度の変化を防止す
るものである。該積層体の各層の硬度は、A<B<Cの
順に大きくするのが、防汚性の改善効果をより大きくす
る上で好ましい。
【0029】本発明の表皮層(B)の表面硬度を基材層
(A)より大きくする方法としては、可塑剤の添加量を
変える、可塑剤の種類を変える、塩化ビニル樹脂の平均
重合度を変える、またはこれらを組合わせる事などを例
示できるが、特に限定されるものではない。
【0030】本発明の表皮層(B)の表面硬度は、島津
製作所製の島津ダイナミック超微小硬度計DUH−20
0型の三角錘圧子115°で測定した値が0.5以上、
好ましくは0.6以上であり、かかる硬度を維持すると
優れた防汚性を継続させることができる。
【0031】本発明の中間層(C)、表皮層(B)の厚
さは、5〜300μ、好ましくは10〜200μ、さら
に好ましくは30〜100μである。
【0032】本発明の繊維基布とは、ポリエステル、ポ
リアミド、ビニロン等の合成繊維や、木綿、麻などの天
然繊維を単独あるいは混合した編織物であり、繊維は長
繊維でも短繊維でもよい。
【0033】本発明の積層シートの製造は、繊維基布に
基材層(A)を張合わせた後、中間層(C)、表皮層
(B)を順次接合するか、あるいは基材層(A)と中間
層(C)、表皮層(B)を接合したものを繊維基布に張
合わせてもよく特に限定されるものではない。該積層体
の製造にあたっては、接着剤法、加圧下での加熱圧着
法、ラミネーター法、エクストルージョンラミネーター
法などが使用できるが、これらに限定されるものではな
いが、繊維基布に基材層(A)を被覆し、その表面に中
間層(C)、表皮層(B)をラミネートするのが好まし
い。さらに積層シートの表面を凹凸のある加圧体で処理
し、表面を賦型してもよい。
【0034】本発明は、従来の改善技術のように塩化ビ
ニル系樹脂の表面に、アクリル系、フッ素系などの異な
る種類の高分子物質を接合するものではなく、塩化ビニ
ル系樹脂100%系の積層シートを採用できるので、塩
化ビニル系樹脂が本来持つ高周波溶着性などの特性を損
なうことがないので、縫製性、縫製部強力が変化しない
ので、従来と同様の取扱い、施工が可能である。
【0035】
【実施例】以下、実施例により詳しく説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0036】なお、実施例及び比較例に示すに示す性能
値は次の方法で測定した。
【0037】「屋外曝露汚染試験」JIS A 141
0に基ずく方法で180日間実施した。「汚れ除去性」
屋外曝露したものを、綿布で拭き取った。
【0038】「汚染性評価」汚染前のシート、曝露後の
シート、曝露後の汚れを綿布で拭き取ったシートの表面
をデジタル測色色差計算機(スガ試験機株式会社製)に
よりL値を測定し、次の計算式により汚染の程度汚れの
除去性を求めた。 汚染度 X=(A−B)/A ×100 汚染除去性 Y=(A−C)/A ×100 ここで、A:汚染試験前のシートのL値 B:屋外曝露後のシートのL値 C:屋外曝露後のシートの汚れを綿布で拭き取った後の
L値であり、 Xの値が大きいものほど汚染がひどいことを現し、Yの
値が小さいものほど汚れが落ちやすいことを現す。 「表面硬度」屋外曝露前後のシート表面を島津製作所製
の島津ダイナミック超微小硬度計DUH−200型の三
角錘圧子115°で測定した。数値の大きいものほど硬
質であることを示す。
【0039】実施例1〜8、比較例1 縦糸、緯糸に1000デニール、96フィラメントのポ
リエチレンテレフタレート繊維(東レ株式会社製)を使
用した平織物を常法により精練、乾燥、ヒートセットし
た。該織物の両面に次に示す樹脂組成で、180℃の温
度でカレンダー法により400μの基材層を両面に被覆
加工した。
【0040】 (基材層a)塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 60 Cd−Zn系安定剤 3 炭酸カルシウム 10 酸化チタン 7 (基材層b)塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 60 シリシア310 15 (富士シリシア化学株式会社製二酸化ケイ素) Cd−Zn系安定剤 3 炭酸カルシウム 10 酸化チタン 7 該基材層の両面に50μの中間層を熱圧着した。
【0041】 (中間層イ)塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 60 シリシア310 5 (富士シリシア化学株式会社製二酸化ケイ素) Cd−Zn系安定剤 3 炭酸カルシウム 10 (中間層ロ)中間層イのシリシア310を20重量部と
した。
【0042】(中間層ハ)中間層イの二酸化ケイ素をシ
リシア440の20重量部とした。
【0043】(中間層ニ)中間層イの二酸化ケイ素をシ
リシア250の20重量部とした。
【0044】(中間層ホ)中間層イの二酸化ケイ素をシ
リシア740の20重量部とした。
【0045】該中間層の両面に、30μの表皮層を熱圧
着した。
【0046】 (表皮層1)塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 25 Cd−Zn系安定剤 3 炭酸カルシウム 10 酸化チタン 7 評価した結果を表1に示したが、本発明によるものは、
優れた防汚性を示す事が判る。本発明において、二酸化
ケイ素の平均細孔径が50オングストローム以下、細孔
容積が0.6ml/g以下のシリシア740の防汚効果
は他の二酸化ケイ素より劣るものであることがわかる。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、長期の屋外使用でも優
れた防汚性を持続できる塩化ビニル系樹脂からなるシー
トを提供し得る。
【0049】本発明のシートは、テント、トラック用
幌、養生シート、バックリットなどに好適に使用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−37159(JP,A) 実開 昭50−142787(JP,U) 実公 昭36−4342(JP,Y1) 実公 昭36−4341(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂基材層(A)を配した
    シートの少なくとも片面に、該基材層(A)の表面硬度
    より大きい塩化ビニル系樹脂表皮層(B)が接合されて
    いる積層体であって、該基材層(A)に多孔性の無機微
    粒子を含有することを特徴とする防汚性に優れた積層シ
    ート。
  2. 【請求項2】 表皮層(B)が、二層以上の多層である
    請求項1記載の積層シート。
  3. 【請求項3】 表皮層(B)が、二層以上の多層であ
    り、かつ、その中間層(C)に表面硬度の最も大きい塩
    化ビニル系樹脂を配するものである請求項2記載の積層
    シート。
  4. 【請求項4】 多孔性の無機微粒子が二酸化ケイ素であ
    る請求項1記載の防汚性に優れた積層シート。
  5. 【請求項5】 多孔性二酸化ケイ素微粒子の粒子径が1
    〜6ミクロン、平均細孔径が50オングストローム以
    上、、細孔容積が0.6ml/g以上である請求項1記
    載の防汚性に優れた積層シート。
  6. 【請求項6】 多孔性二酸化ケイ素微粒子の含有量が塩
    化ビニル系樹脂100重量部に対し、5〜30重量部で
    ある請求項1記載の防汚性に優れた積層シート。
  7. 【請求項7】 表皮層(B)の表面硬度が、島津製作所
    製の島津ダイナミック超微小硬度計DUH−200型の
    三角錘圧子115°で測定した数値が0.5以上である
    請求項1記載の防汚性に優れた積層シート。
  8. 【請求項8】 基材層(A)が、繊維布帛との積層体で
    ある請求項1記載の積層シート。
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