JP3498341B2 - 光学用表示板 - Google Patents

光学用表示板

Info

Publication number
JP3498341B2
JP3498341B2 JP33140893A JP33140893A JP3498341B2 JP 3498341 B2 JP3498341 B2 JP 3498341B2 JP 33140893 A JP33140893 A JP 33140893A JP 33140893 A JP33140893 A JP 33140893A JP 3498341 B2 JP3498341 B2 JP 3498341B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical display
layer
skin layer
vinyl chloride
chloride resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33140893A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07191619A (ja
Inventor
昌夫 関
敏弘 早川
昌信 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP33140893A priority Critical patent/JP3498341B2/ja
Publication of JPH07191619A publication Critical patent/JPH07191619A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3498341B2 publication Critical patent/JP3498341B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防汚性、接着性に優れ
た塩化ビニル系樹脂からなる光学用表示板、特に内照式
看板積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維基布に軟質塩化ビニル系
樹脂をカレンダー法やコーティング法、Tダイ押し出し
法など種々の方法により被覆加工したシートが内照式看
板として使用されている。かかる塩化ビニル系樹脂シー
トは、低コストで加工性などの取扱いがよく、高周波ウ
エルダー溶着縫製が容易であるなど様々な長所を有する
が、長期の屋外使用により大気中の煤煙、塵埃などの汚
染物質が付着して汚れやすく、また拭き取っても除去し
にくいため、美観を損ねるという欠点がある。また、文
字、柄などを表現するためにマーキングフィルムを接着
剤を介して貼り合わせるが、接着力が時間の経過ととも
に低下すると言う重大な欠点を有するものである。
【0003】かかる欠点を改善するため可塑剤の移行を
阻止する目的で種々の方法が提案されており、例えば (1) 有機溶剤に溶かしたアクリル系またはウレタン系樹
脂をコーティングする。
【0004】(2) 特開昭56−167445号公報に記
載のごとく塩化ビニルシートにポリメタクリル酸系フィ
ルムをラミネートする方法 (3) 特開昭59−171649号公報に記載のごとく塩
化ビニルシートに弗素系樹脂を接着積層する方法 などがあるが、(1) の方法は、コーティング用樹脂の有
機溶剤中に可塑剤が溶け出したり、コーティング樹脂層
に移行すために防汚、接着の向上効果がほとんどない。
(2) の方法は可塑剤のフィルム層への移行を防ぎ得ず、
長期の使用には十分でないうえに、ウエルダー溶着性が
弱く、シワが入りやすい欠点を有する。(3) の方法は、
可塑剤の移行がなく、防汚性には優れるものの、マーキ
ングフィルムの接着性が著しく低いという欠点を有する
ものである。
【0005】塩化ビニル樹脂シートにおいて、防汚性と
マーキングフィルムの耐久接着性を兼ね備えたシートは
現在のところまだ見出だされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩化ビニル
樹脂シートの各種特性を維持し、しかも優れた防汚性と
マーキングフィルムとの接着性に優れた光学用表示板を
提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために次のような構成を有する。
【0008】すなわち、本発明の光学用表示板は、塩化
ビニル系樹脂基材層の少なくとも表面側に、該基材層よ
り表面硬度の大きい塩化ビニル系樹脂表皮層が接合され
おり、かつ、該表皮層が、島津製作所株式会社製の島
津ダイナミック超微小硬度計DUH−200型の三角錘
圧子115°で測定した数値で、該基材層より0.2以
上大きい表面硬度を有するものであることを特徴とする
ものである。
【0009】
【作用】本発明は、従来、塩化ビニル樹脂製シートの持
つ各種長所を維持して優れた防汚性と接着性を付与する
ことは極めて難しいとされていた事実に鑑み、鋭意検討
したところ、防汚性能、接着性能はシートの最外層表面
(つまり表皮層)の硬度に関係し、高硬度なもの程、防
汚性及び接着性が優れることをを究明したものである。
【0010】本発明でいう塩化ビニル系樹脂とは、塩化
ビニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体などであり、これらを単独あるい
は二種以上を混合したものに可塑剤、安定剤、充填剤、
酸化防止剤、耐候剤、防炎剤などの添加剤を混合したも
のである。
【0011】塩化ビニル系樹脂の平均重合度は600〜
3500であり、好ましくは800〜2000のものを
使用する。さらに、本発明の光学用表示板の塩化ビニル
系樹脂基材層の少なくとも表面側に設けられる表皮層に
使用される塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、基材層
を構成する樹脂の平均重合度より大きいものを使用する
のが、防汚性、接着性および光透過性の上から好まし
い。すなわち、表皮層の樹脂の平均重合度が基材層
より、重合度の差で好ましくは500以上、さららに好
ましくは、800以上がよい。
【0012】本発明の可塑剤としては、一般に使用され
ているものを使用することができる。例えば、フタル酸
エステル系としては、ジブチルフタレート、ジエチルフ
タレート、ジヘブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジノニ
ルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシル
フタレート、ブチルベンジルフタレートなどであり、脂
肪族二塩基酸系エステルとしては、ジメチルアジペー
ト、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ
−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペ
ート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアゼレート、ジメチルセバケート、ジブチル
セバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチ
ルアセチルリシノレートなどであり、エポキシ系として
は、エポキシ化大豆油、オクチルエポキシステアレート
などであり、リン酸エステル系としては、トリメチルホ
スヘート、トリエチルホスヘート、トリブチルホスヘー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスヘート、トリブトキ
シエチルホスヘート、トリオレイルホスヘート、トリフ
ェニルホスヘート、トリクレジルホスヘート、トリキシ
レニルホスヘート、クレジルジフェニルホスヘート、キ
シレニルジフェニルホスヘート、2−エチルヘキシルジ
フェニルホスヘートなどであり、ポリエステル系として
は、アジピン酸と2−メチル−1、8−オクタンジオー
ル、1、2−プロパンジオール、1、3−ブタンジオー
ル、2−エチルヘキサノール、n−オクタノールなどの
グリコール類をエステル化したものなどであり、トリメ
リット酸系ではトリ2−エチルヘキシルトリメリレー
ト、トリイソデシルトリメリレートなどであり、その他
に2−エチルヘキシルピロメリレートなどのピロメリッ
ト酸系、ビフェニルテトラカルボン酸エステル系などを
例示することができ、これらを単独あるいは混合したも
のが軟質塩化ビニル樹脂の場合、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対し通常50〜10重量部使用される。ま
た、無可塑用のエチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン/アクリル酸アルキル共重合体及びこれらの変性体、
塩素化パラフィンなどであり、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対し通常80〜120重量部使用される。
【0013】安定剤、安定助剤の例としては、例えば、
カルシュウム・亜鉛系、カルシュウム・亜鉛有機複合体
系、バリウム・亜鉛系、カドミウム・バリウム系、カド
ミウム・鉛系、エポキシ系、有機錫ラウレート、有機錫
メルカプタイト、有機錫オクチルなどがあり、これらを
単独あるいは混合したものを塩化ビニル系樹脂100重
量部に対し、0.1〜10重量部使用する。
【0014】充填剤としては、シリカ、タルク、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、リン酸カ
ルシウム、カオリンクレイ、チタン白、石英、ケオソウ
土、ハイドロタルサイトなどであり、単独あるいは混合
したものを塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、3〜
25重量部使用する。
【0015】酸化防止剤としては、2、6−ジ−t−ブ
チル−メチルフェノール、ジラウリルチオジプロピオネ
ートなどがあり、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、0.05〜2.5重量部使用する。
【0016】耐候剤としては、トリアゾール系紫外線吸
収剤では2−(2′ヒドロキシ−3′、5′−ジ−t−
ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2′ヒドロキシ−3′−t−アミノ−5′−イソブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、 2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェ
ニル)5、6−ジクロロベンゾトリアゾール、2−
(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)5−エチル
スルホンベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−
3′−イソブチル−5′−メチルフェニル)5−クロロ
ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−イ
ソブチル−5′−プロピルフェニル)5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′、5′−ジ
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′ヒドロキシ−5′−1、1、3、3−テトラメチ
ルブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどであり、ベ
ンゾフェノン系紫外線吸収剤としては2−ヒドロキシ−
4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2、
2′−ジヒドロキシ−4、4′−ジメトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフ
ェノン、2、2′、4、4′−テトラヒドロキシベンゾ
フェノン、ハイドロキノン系紫外線吸収剤としては、ハ
イドロキノン、ヒドロキノンジサリチレート、サリチル
酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリチレート、パ
ラオクチルフェニルサリチレートなどであり、これらを
単独あるいは混合したものを塩化ビニル系樹脂100重
量部に対して0.25〜3重量部添加する。
【0017】酸化防止剤としては、2、6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール、2、2′−メチレンビス
(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2、6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール系酸
化防止剤、ジ−n−ドデシル−チオジプロピオネート、
ジ−n−オクタデシル−チオジプロピオネート、ジラウ
リルチオジプロピオネートなどのチオジプロピオン酸エ
ステルなどがあり、これらを単独あるいは混合したもの
を塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜1重
量部添加する。
【0018】防炎剤としては、三酸化アンチモン、リン
酸チタン、水和硼酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウムなどの無機系化合物が一般的に用いられ、
特に三酸化アンチモンを主体としたものを塩化ビニル系
樹脂100重量部に対して3〜10重量部添加する。ト
リクレジルホスヘートなどの難燃可塑剤が使用される場
合もある。
【0019】その他、2、4、5、6−テトラクロロイ
ソフタロニトリル、10、10′オキシビスフェノキシ
アルシンなどの防黴剤、フタロシニアンブルー、フタロ
シニアングレーン、アリザリンレーキ、酸化チタン、亜
鉛華、カーボンブラックなどの着色剤を塩化ビニル系樹
脂100重量部に対してそれぞれ0.001〜2重量
部、添加する0.001〜1重量部添加してもよい。
【0020】なお、ここに例示した対外の化合物も必要
に応じて添加してもさしつかえない。
【0021】本発明の可塑剤としては、一般に使用され
ているものを使用することができる。例えば、フタル酸
エステル系としては、ジブチルフタレート、ジエチルフ
タレート、ジヘブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジノニ
ルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシル
フタレート、ブチルベンジルフタレートなどであり、脂
肪族二塩基酸系エステルとしては、ジメチルアジペー
ト、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ
−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペ
ート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアゼレート、ジメチルセバケート、ジブチル
セバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチ
ルアセチルリシノレートなどであり、エポキシ系として
は、エポキシ化大豆油、オクチルエポキシステアレート
などであり、リン酸エステル系としては、トリメチルホ
スヘート、トリエチルホスヘート、トリブチルホスヘー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスヘート、トリブトキ
シエチルホスヘート、トリオレイルホスヘート、トリフ
ェニルホスヘート、トリクレジルホスヘート、トリキシ
レニルホスヘート、クレジルジフェニルホスヘート、キ
シレニルジフェニルホスヘート、2−エチルヘキシルジ
フェニルホスヘートなどであり、ポリエステル系として
は、アジピン酸と2−メチル−1、8−オクタンジオー
ル、1、2−プロパンジオール、1、3−ブタンジオー
ル、2−エチルヘキサノール、n−オクタノールなどの
グリコール類をエステル化したものなどであり、トリメ
リット酸系ではトリ2−エチルヘキシルトリメリレー
ト、トリイソデシルトリメリレートなどであり、その他
に2−エチルヘキシルピロメリレートなどのピロメリッ
ト酸系、ビフェニルテトラカルボン酸エステル系などを
例示することができ、これらを単独あるいは混合したも
のが使用される。
【0022】従来、内照式看板用シートなどの軟質塩化
ビニル系樹脂の可塑剤は、一般的に使用されるジ−2−
エチルヘキシルフタレート(DOP)の例で示すと添加
量が塩化ビニル系樹脂100重量部に対して50〜10
0重量部のものである。
【0023】該軟質塩化ビニル樹脂は、特に屋外で長期
間使用した場合に表面に各種汚染物質が付着し、極めて
汚れやすく、マーキングフィルムの接着力が低下するも
のであることは周知の事実である。かかる欠点の原因と
して、一般に可塑剤がシート表面に滲みだし、粘着性が
増すため、汚染物質が付着しやすく、付着した汚染物が
取れにくくなり、マーキングフィルムの接着力も低下す
るといわれている。
【0024】本発明者等は上記原因が主要因であるなら
ば、滲みだしの程度が異なる可塑剤の種類や、滲みだし
を全く考慮する必要のないエチレン−アクリル酸アルキ
ルやエチレン−ビニルアセテート、塩素化パラフィンな
どの可塑化成分を配合したシートで汚染性、接着性汚の
程度に差が生ずるものと考え、シートの表面硬度をほぼ
同一にして種々実験を実施したところ可塑剤の種類、無
可塑タイプにほとんど差がないという事実を確認し、可
塑剤の滲みだしが主要因でないことを突き止めたもので
ある。
【0025】本発明者等はさらに研究を重ねた結果、シ
ートの表面硬度が著しく防汚性、接着耐久性を左右し、
表面の硬いものが汚れにくく、付着した汚れが拭き取り
で除去しやすく、マーキングフィルムの接着力の変化も
小さいという事実を発見した。
【0026】本発明者等は、シート全体としては柔軟性
を持ち、外層(つまり表皮層)は表面硬度が高く、し
かもその硬度が長期間の屋外曝露で変化しにくい塩化ビ
ニル系樹脂100%系からなる積層構造体について鋭意
検討し、本発明に到達した。
【0027】本発明は、基材層の、光学用表示板の少な
くとも表面側の面に該基材層より表面硬度の大きい表皮
層を接合するものであり、かかる表面硬度の差は、島津
製作所株式会社製の島津ダイナミック超微小硬度計DU
H−200型の三角錘圧子115°で測定した数値が、
表皮層が0.2以上、好ましくは、0.4以上大きいも
のであり、表皮層の硬度が0.5以上、好ましくは0.
6以上である。かかる硬度範囲において、耐久性に優れ
た防汚性、接着性を発揮できるものである。
【0028】本発明は、基材層と表皮層の可塑剤濃度が
異なるものであり、具体的には、可塑剤がジ−2−エチ
ルヘキシルフタレートの場合は、基材層が50重量部の
場合表皮層は5〜20重量部であり、テトラオクチルピ
ロメリメートでは基材層が65重量部、表皮層が5〜4
0重量部の範囲である。
【0029】本発明は、基材層と表皮層の可塑剤の種類
が異なるものであり、具体的には、基材層がトリメリッ
ト酸エステル系またはピロメリット酸エステル系または
ポリエステル系及びこれらの混合物であり、表皮層はフ
タル酸エステル系の組み合わせが良い。例えば、基材層
にテトラオクチルピロメリメートでは基材層が65重量
部の場合、表皮層はジ−2−エチルヘキシルフタレート
5〜30重量部である。
【0030】本発明のかかる構成により、表皮層への可
塑剤の移行を抑える事ができ、表皮層の硬度を安定して
維持する事ができる。
【0031】本発明の表皮層の厚みは、10〜200
μ、好ましくは30〜80μである。本発明の基材層と
して、繊維基布との積層体を使用することができるが、
かかるとは、ポリエステル、ポリアミド、ビニロン等の
合成繊維や、木綿、麻などの天然繊維を単独あるいは混
合した編織物であり、繊維は長繊維でも短繊維でもよ
い。
【0032】本発明の光学用表示板の製造は、たとえ
ば、繊維基布に基材層(A)を張合わせた後、中間層
(B)、表皮層(C)を順次接合するか、中間層(B)
と表皮層(C)をあらかじめ接合したものを基材層
(A)に接合してもよく特に限定されるものではない。
該積層体の製造にあたっては、接着剤法、加圧下での加
熱圧着法、ラミネーター法、エクストルージョンラミネ
ーター法などが使用できるが、これらに限定されるもの
ではないが、繊維基布に基材層(A)を被覆し、その表
面に中間層(B)、表皮層(B)をラミネートするのが
好ましい。さらに積層シートの表面を凹凸のある加圧体
で処理し、表面を賦型してもよい。
【0033】本発明の光学用表示板の重量は、約700
〜1000g/m2 程度である。
【0034】本発明は、従来の改善技術のように塩化ビ
ニル系樹脂の表面に、アクリル系、フッ素系などの異な
る種類の高分子物質を接合するものではなく、塩化ビニ
ル系樹脂100%系の積層シートを採用できるので、塩
化ビニル系樹脂が本来持つ高周波溶着性などの特性を損
なうことがないので、縫製性、縫製部強力が変化しない
ので、従来と同様の取扱い、施工が可能である。
【0035】
【実施例】以下、実施例により詳しく説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0036】なお、実施例及び比較例に示すに示す性能
値は次の方法で測定した。
【0037】「屋外曝露汚染試験」JIS A1410
に基ずく方法で180日間実施した。 「汚れ除去性」屋外曝露したものを、綿布で拭き取っ
た。
【0038】「汚染性評価」汚染前のシート、曝露後の
シート、曝露後の汚れを綿布で拭き取ったシートの表面
をデジタル測色色差計算機(スガ試験機株式会社製)に
よりL値を測定し、次の計算式により汚染の程度汚れの
除去性を求めた。 汚染度 X=(A−B)/A ×100 汚染除去性 Y=(A−C)/A ×100 ここで、 A:汚染試験前のシートのL値 B:屋外曝露後のシートのL値 C:屋外曝露後のシートの汚れを綿布で拭き取った後の
L値 であり、Xの値が大きいものほど汚染がひどいことを現
し、Yの値が小さいものほど汚れが落ちやすいことを現
す。 「表面硬度」屋外曝露前後のシート表面を島津製作所株
式会社製の島津ダイナミック超微小硬度計DUH−20
0型の三角すい圧子115°で測定した。
【0039】「マーキングフィルムの接着力」JIS
K 6328に規定される方法で2cm幅で測定した。
【0040】接着力の耐久性は、温度80℃、湿度90
%RHの雰囲気中で7日間処理した物を同様に測定し
た。
【0041】実施例1〜7、比較例1〜4 縦糸,緯糸に繊度500デニール、強度7.8g/dの
ポリエステル繊維(東レ株式会社製)を使用してラッセ
ル地としたものを、常法により精練、乾燥した後、弗素
系撥水剤水溶液に浸漬し、マングルで絞り、130℃で
乾燥し、180℃でヒートセットした。弗素系撥水剤の
付着量は、0.3%であった。
【0042】該布帛の片面に下記に示す透明塩化ビニル
樹脂(a)をカレンダー法で約0.2mm厚にシート化
し接合し、積層体の裏面とした。次いで、下記に示す塩
化ビニル樹脂(b1、2)の約0.4mm厚シートを同
様にもう一方の布帛面に接合し表面とした。
【0043】 (樹脂a) 塩化ビニル樹脂(平均重合度1000) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 50 Ba−Zn系安定剤 3 エポキシ化大豆油 6 (樹脂b1) 塩化ビニル樹脂(平均重合度1000) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 50 Cd−Zn系安定剤 3 炭酸カルシウム 10 酸化チタン 7 (樹脂b2) 塩化ビニル樹脂(平均重合度1000) 100重量部 テトラオクチルピロメリメート 65 Cd−Zn系安定剤 3 炭酸カルシウム 10 酸化チタン 7 該接合シートの(b1、2)樹脂面に次に示す50μの
厚さの表皮層を180℃で熱圧着した。
【0044】(表皮ア)樹脂b1の可塑剤量を35重量
部とした。
【0045】(表皮イ)樹脂b1の可塑剤量を25重量
部とした。
【0046】(表皮ウ)樹脂b1の可塑剤量を15重量
部とした。
【0047】(表皮エ)樹脂b2の可塑剤量を20重量
部とした。
【0048】(表皮オ)表皮アの樹脂平均重合度を20
00とした。
【0049】比較とし、表皮層を施さないものと、次に
示す50μの厚さの表皮層を使用した。
【0050】(表皮カ)ポリフッ化ビニリデン (表皮キ)ポリメタクリル酸エステル系樹脂 評価した結果を表1に示したが、本発明によるものは、
優れた防汚性、接着性を有することが判る。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、塩化ビニル系樹脂の本
来持つ特徴を維持して、長期間の屋外使用においても、
優れた防汚性、マーキングフィルム接着性を兼ね備えた
内照式看板積層体を提供し得る。
【0053】本発明のシートは、テント、トラック用
幌、養生シート、バックリットなどに好適に使用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−277989(JP,A) 特開 昭61−267780(JP,A) 特開 昭52−64299(JP,A) 実開 平5−7438(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09F 7/00 - 15/00 B32B 5/00 - 27/30

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂基材層の少なくとも
    面側に、該基材層より表面硬度の大きい塩化ビニル系樹
    脂表皮層が接合されており、かつ、該表皮層が、島津製
    作所株式会社製の島津ダイナミック超微小硬度計DUH
    −200型の三角錘圧子115°で測定した数値で、該
    基材層より0.2以上大きい表面硬度を有するものであ
    ことを特徴とする光学用表示板。
  2. 【請求項2】 表皮層の可塑剤濃度が、該基材層より
    少ないものである請求項1記載の光学用表示板。
  3. 【請求項3】 該基材層と該表皮層の可塑剤の種類が異
    なるものである請求項1または2に記載の光学用表示
    板。
  4. 【請求項4】 該表皮層の塩化ビニル系樹脂の平均重合
    度が、該基材層のそれより大きいものである請求項1〜
    3のいずれかに記載の光学用表示板。
  5. 【請求項5】 該基材層が、繊維布帛との積層体である
    請求項1〜4のいずれかに記載の光学用表示板。
  6. 【請求項6】 該表皮層の表面硬度が、島津製作所株式
    会社製の島津ダイナミック超微小硬度計DUH−200
    型の三角錘圧子115°で測定した数値で、0.5以上
    である請求項1〜6のいずれかに記載の光学用表示板。
  7. 【請求項7】 該表皮層が、マーキングフィルムが積層
    されてなるものである請求項1〜のいずれかに記載の
    光学用表示板。
  8. 【請求項8】 該光学用表示板が、内照式看板である請
    求項1〜のいずれかに記載の光学用表示板。
JP33140893A 1993-12-27 1993-12-27 光学用表示板 Expired - Fee Related JP3498341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33140893A JP3498341B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 光学用表示板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33140893A JP3498341B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 光学用表示板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07191619A JPH07191619A (ja) 1995-07-28
JP3498341B2 true JP3498341B2 (ja) 2004-02-16

Family

ID=18243357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33140893A Expired - Fee Related JP3498341B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 光学用表示板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3498341B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07191619A (ja) 1995-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6383926B2 (ja) 産業用ターポリン
JP6318349B2 (ja) 軟質塩化ビニル樹脂製産業資材シート
JP3389720B2 (ja) 高透光難燃性膜材、外壁材、屋根材および農業用ハウス
JP3498341B2 (ja) 光学用表示板
JPH07186342A (ja) 防汚性に優れた積層シート
JP2014201024A (ja) 採光不燃シート
JPH10315399A (ja) 防汚膜材料
JPH0957889A (ja) 防汚膜材
JP2002210894A (ja) 防炎性及び熱融着部の耐熱クリープ性に優れた防水複合膜材料
JP2894192B2 (ja) 防汚性に優れた積層シート
JP3777478B2 (ja) 雨筋汚れ防止効果に優れた防汚性防水シート
JPH07186340A (ja) 塩化ビニル系樹脂積層シート
JP2016074161A (ja) 耐ブロッキング効果持続性フレキシブルシート及びその製造方法
JP2016043640A (ja) 耐ブロッキング効果持続性ターポリン及びその製造方法
JP3232842B2 (ja) 積層シート
JP7026950B2 (ja) 透明フレキシブルシート
JP5544485B2 (ja) 自浄防汚シート
JPH07299890A (ja) 複合フィルムおよびそれを積層してなる屋外用騒音遮蔽板
JPS60195147A (ja) 半硬質塩化ビニル樹脂成形用組成物
JP7150323B2 (ja) 透明フレキシブルシート
JP2012086397A (ja) 自浄防汚シート
JP2012086401A (ja) 自浄防汚シート
JPH09226064A (ja) 防汚シートおよびその製造法
JP5568744B2 (ja) 自浄防汚シート
JPH07238264A (ja) 粘着シート

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees