JPH07299890A - 複合フィルムおよびそれを積層してなる屋外用騒音遮蔽板 - Google Patents

複合フィルムおよびそれを積層してなる屋外用騒音遮蔽板

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JPH07299890A
JPH07299890A JP9496094A JP9496094A JPH07299890A JP H07299890 A JPH07299890 A JP H07299890A JP 9496094 A JP9496094 A JP 9496094A JP 9496094 A JP9496094 A JP 9496094A JP H07299890 A JPH07299890 A JP H07299890A
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film
composite film
layer
resin
adhesive
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JP9496094A
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Kunimitsu Shimizu
国光 清水
Yasuo Saito
康夫 斉藤
Tsutomu Ebihara
勤 海老原
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】防汚層、フッ素樹脂フィルム層、接着層が順次
積層されてなることを特徴とする複合フィルム。 【効果】複合フィルムを用いることにより、工場内での
インラインにおけるラミネート加工による屋外用騒音遮
蔽板の製造のみならず、すでに施工済みの騒音遮蔽板に
もラミネート施工が可能であり、従来の騒音遮蔽板に比
べ、その実用性ならびに応用性能ははるかに優れてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防汚性、耐候性に優れた
複合フィルムおよびその複合フィルムを透明樹脂板に積
層し屋外で使用される防音遮蔽板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透明樹脂板を使用した屋外用騒音
遮蔽板としては、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化
ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等あるいは紫外線吸
収剤を含有してなる上記樹脂を用いたプラスティック板
が知られ、またこれらの樹脂板に防汚性を付与する手段
として樹脂板上にアクリル樹脂を塗布あるいはフィルム
状にしてラミネートする方法などが知られていた。ま
た、コロイダルシリカを主成分とし、界面活性剤を添加
した塗布剤による熱可塑性合成樹脂板の親水化処理した
ものについて特公平5−59203で提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来知られて
いたこの様な樹脂板を使用した屋外用防音遮蔽板は防汚
性が経時と共に悪化し、防汚性、易洗浄性、耐候性が不
十分であった。さらに、従来から使用されている物質の
練込みおよび塗布を行っても樹脂板が汚れ、耐候性不十
分による劣化により透明性がなくなり、景観を損ね、圧
迫感が生じてくる。また、前記騒音遮蔽板に使用される
樹脂板の耐久性は良好であるが、樹脂板の耐用年数に比
べて防汚性の持続期間が短い。したがって、前記従来の
騒音遮蔽板は長期間使用することにより防汚性が低下し
てしまうため、定期的に短期間で遮蔽板表面を洗浄しな
ければならず、さらに洗浄には大量の水を必要とする。
【0004】本発明の目的は上記欠点のないもの、すな
わち、定期ならびに不定期的な洗浄を必要とせず、防汚
性、易洗浄性および耐候性の経時による変化がなく同時
に透明性に優れ景観的に優れた複合フィルムおよびその
複合フィルムを積層した屋外用騒音遮蔽板を提供せんと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の複合フィルム
は、防汚層、フッ素樹脂フィルム層、接着層が順次積層
されてなることを特徴とする。
【0006】本発明においては、屋外用騒音遮蔽板は本
発明の複合フィルムを使用する必要がある。これは工場
内でのインラインにおける騒音遮蔽板の製造のみなら
ず、接着層、フッ素樹脂フィルム層、防汚層からなる複
合フィルムの構成において、すでに施工済みの騒音遮蔽
板にもラミネート施工が可能となるためである。
【0007】複合フィルムにフッ素樹脂フィルムを使用
する理由はその適度な柔軟性からラミネートが簡便且つ
敏速にでき、またその良好な機械的強度から各種基材の
保護被覆材として有効であるためである。さらに、フッ
素樹脂フィルムはそれ自体耐候性に非常に優れているこ
とから紫外線吸収剤を塗布あるいは練り込む必要性がな
く、フッ素樹脂フィルムの特徴である良好な光透過性を
損なわずに利用できるためである。これらの特徴を有す
るフッ素樹脂フィルムを複合フィルムに利用することに
よって、本発明における騒音遮蔽板は、従来の騒音遮蔽
板に比べ、その実用性ならびに応用性能の点ではるかに
優れている。
【0008】本発明におけるフッ素樹脂フィルムとして
は、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリ
フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、トリフル
オロエチレン、ビニルフルオライド、フッ化ビニル、フ
ッ化ビニリデン等の含フッ素モノマーの単独重合体、そ
れらの共重合体、あるいはエチレンとこれらの共重合体
からなる単体、複合あるいは延伸未延伸のフィルムを代
表としてあげることができる。中でも特にテトラフルオ
ロエチレンとエチレンの共重合体であるETFEが有効
である。
【0009】本発明のフィルム厚みは特に限定されない
が通常は0.5μm以上500μm以下が好ましく、さ
らに好ましくは10μm以上200μm以下、より好ま
しくは20μm以上100μm以下である。
【0010】フッ素樹脂フィルム層は、防汚層ならびに
接着層が配置される面が表面処理されているとさらに有
効である。表面処理が施されていると、その表面が投錨
効果を発現するため、フッ素樹脂フィルム層と下地層ま
たは防汚層ならびに接着層との馴染みが改善される。表
面処理の態様としては、薬液処理や放電処理が例示でき
る。薬液処理は、金属ナトリウムのアンモニウム溶液
や、ナトリウム・ナフタリン錯体のテトラヒドロフラン
溶液にフッ素樹脂フィルムを浸漬する表面処理方法であ
る。一方、放電処理は、フッ素樹脂フィルム表面でコロ
ナ処理、グロー放電(プラズマ処理)、スパッタエッチ
ング等を行い、フィルム表面に高エネルギー粒子を衝突
させる方法である。放電処理方法として、例えば、コロ
ナ放電処理を採用する場合、放電処理は、空気、酸素、
窒素、二酸化炭素、低分子有機化合物およびこれらの混
合物のいずれの雰囲気で行っても良い。また、グロー放
電処理を採用する場合には、低圧および常圧の雰囲気中
で行われても良い。この場合、プラズマ気体としては、
酸素、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、アンモニア、低分
子有機化合物およびこれらの混合ガスが利用できる。な
お、グロー放電処理として特に好ましいのは、低温プラ
ズマ処理である。低温プラズマ処理によれば、フッ素樹
脂本来の特性を損なうこと無くフィルム表層部のみを改
質できる。また、処理されたフィルムでは、改質状態が
長時間持続し得る。
【0011】表面処理後の濡れ張力は、30dyne/
cm以上が好ましい。なお、濡れ張力は、JIS−K6
768による値である。
【0012】上述のフッ素樹脂フィルム層には、必要に
より下地層を形成しても良い。下地層は、表面処理され
ていないフッ素樹脂フィルム層上に直接形成されても良
いし、表面処理面上に形成されても良い。
【0013】下地層は、酸素および/または窒素を含む
原子団を有する有機化合物からなる。酸素および/また
は窒素を含む原子団としては、アミノ基、イミノ基、カ
ルボキシル基、水酸基、カルボニル基、エーテル基、エ
ポキシ基、イソシアネート基、アミド基、ウレタン基、
エステル基、尿素基、シアノ基等が例示できる。この様
な原子団を有する有機化合物としては、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、
ポリビニルアルコール等が例示できる。下地層の厚さ
は、0.01〜1.0μmが好ましく、さらに好ましく
は0.05〜0.5μmに設定される。フッ素樹脂フィ
ルム層にこの様な下地層を設けると、防汚性の持続効果
がより向上する。特に表面処理面上に下地層を設ける
と、この効果は高まる。また、上記下地層には紫外線吸
収剤を含有しているとこの効果はさらに高まる。
【0014】本発明の複合フィルムの防汚層に用いられ
る防汚剤は、無機親水性コロイド物質と、界面活性剤
と、リチウムシリケートおよび/またはシラン誘導体と
を含んでいる。この防汚剤で用いられる無機親水性コロ
イド物質としてはコロイダルシリカ、コロイダルアルミ
ナ、コロイダル状のFe(OH)2 、コロイダル状のS
n(OH)4 、コロイダル状のTiO2 、コロイダル状
のBaSO4 およびコロイダル状のリチウムシリケート
があげられる。これらのコロイド物質は、2種以上併用
されても良い。なお、無機親水性コロイド物質として特
に好ましいのはコロイダルシリカまたはコロイダルアル
ミナである。上述のコロイド物質は水性ゾル型のものが
好ましい。
【0015】前記防汚剤に用いられる界面活性剤は、ア
ニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面
活性剤及び両性界面活性剤のいずれでも良い。ただし、
界面活性剤は、上述の無機親水性コロイドとの関係で適
宜選択するのが好ましい。例えば、コロイダルシリカを
用いた場合には、アニオン界面活性剤および/またはノ
ニオン界面活性剤を用いるのが好ましい。また、コロイ
ダルアルミナを用いた場合には、カチオン界面活性剤お
よび/またはノニオン界面活性剤を用いるのが好まし
い。
【0016】前記防汚剤に用いられるリチウムシリケー
トは、二酸化ケイ素と炭酸リチウム等のリチウム塩とを
溶融することによって得られるものであり、次の一般式
によって表わされる。
【0017】Li2 O・nSiO2 なお、リチウムシリケートは、二酸化ケイ素とリチウム
塩との配合割合によって、水溶性の異なるものが得られ
る。例えば、一般式中nが6〜10のものは水に不溶で
ある。したがって、この場合、リチウムシリケートはコ
ロイド状になり得るので、上述の無機親水性コロイド物
質としても利用できる。一方、nが2〜5のリチウムシ
リケートは水溶性であるため、バインダーとして上述の
無機親水性コロイド物質とともに使用できる。
【0018】前記防汚剤に含まれるシラン誘導体は、次
の一般式で表わされるものである。
【化1】 式中R1 は、アミノ基、エポキシ基、エポキシ基含有
基、ウレイド基、アンモニウム基およびエチレン性不飽
和結合含有基のうちから選ばれた反応性基を少なくとも
1個有するアルキル基またはアリール基である。また、
2 およびR3 は、それぞれ炭素数が1〜3のアルキル
基を示しており、R2 とR3 とは同一であっても良いし
異なっていても良い。さらに、nは1〜3の整数を示し
ている。シラン誘導体は、樹脂板基材の種類に応じて適
宜選択すれば良いが、たとえばテトラフルオロエチレン
−エチレン共重合体(ETFE)のような含フッ素樹脂
系の基材に塗布する場合には、次の一般式で表わされる
【化2】
【化3】
【化4】 なる構造のエポキシ系のシラン誘導体があるいは
【化5】 なる構造の塩素系シラン誘導体を主成分とするのが塗布
時の増粘の点から、あるいは樹脂基材に対する接着性の
点から特に好適である(ただし、m=1〜10の整数、
n=0または1、R2 =炭素数1〜10のアルキル基か
ら選ばれた炭化水素残基、R3 =炭素数1〜10のアル
キル基、フェニル基、シクロヘキシル基から選ばれた炭
化水素残基を示す)。
【0019】前記防汚剤は、無機親水性コロイド物質を
80重量%以上94.5重量%以下、界面活性剤を0.
5重量%以上15重量%以下、リチウムシリケート及び
/またはシラン誘導体を5重量%以上19.5重量%以
下含み、水及び/またはアルコール中に分散されている
ものが好ましい。
【0020】防汚剤として好ましいのは、コロイダルシ
リカと、エーテル型非イオン界面活性剤とR1 がエポキ
シ基又はエポキシ基含有基を少なくとも1個有するアル
キル基であり、かつR2 とR3 が炭素数が1〜3のアル
キル基である上述のシラン誘導体とを含む、炭素数が1
〜4のアルコールを分散媒とするものである。
【0021】フッ素樹脂フィルム層上に形成された表面
処理面または下地層上に防汚剤を塗布する。防汚剤の濃
度は、通常0.1〜20重量%が好ましく、さらに好ま
しくは0.5〜10重量%に設定する。防汚剤は、スプ
レーコート、グラビアコート、バーコート、リバースコ
ート等の公知の方法を用いて塗布できる。この際、防汚
剤はそのフッ素樹脂フィルム層の片面にコートするもの
とし、塗布量は特に限定されないが、通常は0.01〜
15μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜5μm
である。塗布後、防汚剤に含まれる水および/またはア
ルコールを除去して乾燥すると、防汚層が形成される。
この防汚層は、リチウムシリケートやシラン誘導体が無
機親水性コロイドのバインダーとして作用するので、脱
落や剥れが起こりにくく、防汚効果を長期間持続し得
る。
【0022】なお、上述の説明では、フッ素樹脂フィル
ムを表面処理してから防汚剤を塗布したが、面処理され
ていないフッ素樹脂フィルムに防汚剤を直接塗布した場
合にも本発明における防汚剤は、濡れ性が良好なため、
馴染んで防汚剤層を形成する。
【0023】本発明の接着層に使用される粘着剤および
熱接着性樹脂は特に制限されるものではなく、粘着剤と
しては公知のアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、天然もし
くは合成ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹
脂等があり、中でもアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、
シリコーン系樹脂が好ましい。また、熱接着性樹脂とし
てはエチレン−エチレンテレフタレート樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂、ETFEの低融点樹脂等があ
り、特にETFEの低融点樹脂が好ましい。例えば、E
TFE樹脂は主成分である4フッ化エチレンおよびエチ
レンの共重合比率や分子量の変更、さらには第3成分と
して添加されるフッ化ビニルモノマー、例えばフッ素化
αモノオレフィン、フッ素化ビニルエーテル、ハイドロ
フルオロカーボンフッ素化ビニルエーテル、炭化水素フ
ッ素化ビニルエーテル等の種類、添加量およびこれらの
組合せ等により得られる。
【0024】上記接着層の厚さは特に制限されるもので
はないが、0.5μm〜500μmが好ましく、さらに
好ましくは5μm〜300μm、より好ましくは10μ
m〜100μmである。
【0025】本発明では複合フィルムに用いられている
フッ素樹脂フィルム層が紫外・可視の両光線とも良く通
すという特徴を有することから、下地材である合成樹脂
板ならびに接着層の紫外線劣化が心配されるため、必要
に応じて複合フィルムの防汚層、フッ素樹脂フィルム
層、接着層の少なくともいずれか1層以上に紫外線吸収
剤を含有させ、機能性を付与させることが実用上好まし
い。
【0026】本発明で使用される紫外線吸収剤あるいは
光安定剤は、耐熱性に優れ、樹脂との相溶性がよく均一
に分散できるとともに、着色が少なく、しかも、樹脂に
悪影響を及ぼさないものが好ましい。紫外線吸収剤とし
ては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、ヒンダードアミン系、オキザリックアッシド系等の
公知の各種の適用が可能である。
【0027】紫外線吸収剤は特に限定されるものではな
く、通常、溶融押出時に添加され、単独、もしくは場合
によっては2種以上の併用であっても良い。層中におけ
る紫外線吸収剤の含有量は、樹脂当たり0.01〜5.
0重量%が好ましく、0.5〜3.0重量%の範囲にあ
るものがより好ましい。含有量が上記範囲より低いと十
分な紫外線カット性が得にくく、上記範囲を越えるもの
は、均一分散性が低下しやすい。
【0028】本発明の複合フィルムおよびその複合フィ
ルムを積層した屋外用騒音遮蔽板は、たとえば住宅密集
地や郊外における自動車、電車等による騒音を遮蔽し、
さらにその透明性を利用することにより景観的な圧迫感
を解放するために用いられる。
【0029】本発明の複合フィルムには防汚剤を表面コ
ートしてある。防汚剤表面で凝縮した水は防汚剤の作用
により水滴にならず連続水膜になるため防汚板表面には
水滴が付着しにくい。よって複合フィルム上に付着した
埃、泥、ゴミ等による汚れはこの様に複合フィルム上に
おいて凝縮した水によりできた連続水膜により洗い流さ
れ、降雨、降雪時の自動車や電車の通過による泥や埃も
この連続水膜により洗い流され付着しない。また、この
防汚剤は耐久性が良好であるため、その効果は長期間持
続し、フッ素樹脂フィルムおよび騒音遮蔽板に利用した
樹脂板の耐用期間中であれば、防汚剤の再塗布等を行う
必要性はない。さらに、易接着加工を施した良好な機械
的強度ならびに柔軟性などの特徴をもつフッ素樹脂フィ
ルム層上に防汚剤を塗布しているため、工場における樹
脂板へのラミネート加工のみならず、すでに騒音遮蔽板
が施工されている現場においても簡便かつ迅速なラミネ
ート加工が可能である。さらにフッ素樹脂フィルムはそ
れ自体耐候性に非常に優れていることから紫外線吸収剤
を塗布あるいは練り込む必要性がなく、フッ素樹脂フィ
ルムの特徴である良好な光透過性を損なわずに利用でき
るためである。
【0030】
【測定および評価方法】本発明の特性値は、次の測定方
法、評価基準による。
【0031】(1)全光線透過率およびヘイズ JIS−K7105に準じて直読ヘイズメーター(スガ
試験機(株))を用いて測定した。
【0032】(2)汚染性 騒音遮蔽板表面の汚染性は肉眼による観察により以下の
如く判定した。
【0033】○:良好(汚れがほとんど無い) △:やや劣る(若干汚れが目立つ) ×:不良(汚れがかなり目立つ)
【0034】(3)易洗浄性 騒音遮蔽板表面の易洗浄性は以下の如く判定した。
【0035】4:水を掛けるだけで汚れが落とせる 3:水を含ませた布で汚れが拭き取れる 2:中性洗剤を用いて汚れが拭き取れる 1:汚れが染み付き落ちない
【0036】(4)屋外暴露 JIS−A1410に準じて実施した。
【0037】
【実施例】本発明を実施例を用いて以下に比較するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】実施例1、実施例2 コロイダルシリカ(触媒化成工業(株)製イソプロピル
アルコール分散“OSCAL”)(a)とβ−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
(b)と、ポリオキシエチレン(10モル)−ラウリル
エーテル(c)とを固形成分比がa:b:c=85:
4:11となるように攪拌混合した。得られた混合物を
メタノール中に分散し、有効成分濃度が20重量%の防
汚剤を作成した。
【0039】複合フィルムに用いるフッ素樹脂フィルム
はETFEペレット“アフロン”COP−C55AX
(旭硝子(株)製)を押出機に供給し、常法により溶融
して、Tダイ口金に導入し製膜した(“トヨフロン”E
TFE:東レ合成フィルム(株)製)。フィルムは厚さ
は25μmとし、フィルムの両面に空気中で処理強度8
0W・min/m2 でコロナ放電処理を施した。このフ
ィルムの片面に前述の防汚剤を固形分量が0.3g/m
2 となるようにロールコーターを用いて塗布した。さら
にそのフィルムの他面にポリウレタン系2液型接着剤
“タケラック”A−310と“タケネート”A−3(武
田薬品工業(株)製)との配合物(12:1)を塗布量
の固形分が0.5g/m2 となるように酢酸エチルを用
いて希釈した後、ロールコーターを用いて塗布し、複合
フィルムとした。この複合フィルムを一般的なラミネー
ト機を用いてポリカーボネイト板“ユーピロン・サンガ
ード”シート(三菱瓦斯化学(株)製:厚さ5mm)の
片面(実施例1)および両面(実施例2)にラミネート
した。
【0040】実施例3 実施例1の防汚剤を片面塗布した“トヨフロン”ETF
Eの他面にシリコン系粘着剤“トレファーム”SD45
70PSAと硬化剤SRX212“キャタリスト”(い
ずれも東レダウコーニング・シリコーン(株)製)との
配合物(100:0.9)を塗布量の固形分が0.5g
/m2 となるようにトルエンを用いて希釈した後、ロー
ルコーターを用いて塗布し、複合フィルムとした。その
複合フィルムを実施例1のポリカーボネイト板“ユーピ
ロン・サンガード”に現場施工を想定してスクィージー
を利用しラミネートした。
【0041】実施例4 “トヨフロン”ETFEの片面に実施例1のポリウレタ
ン系2液型接着剤“タケラック”/“タケネート”を塗
布量の固形分が0.2g/m2 となるようにロールコー
ターを用いて塗布し、下地層とした。その下地層上に実
施例1の防汚剤を塗布量の固形分が0.3g/m2 とな
るようにロールコーターを用いて塗布し、さらにその
“トヨフロン”ETFEの他面に前述の“タケラック”
/“タケネート”を塗布量の固形分が0.5g/m2
なるようにロールコーターを用いて塗布し、複合フィル
ムとした。この複合フィルムを実施例1と同様の方法に
てポリカーボネイト板“ユーピロン・サンガード”にラ
ミネートした。
【0042】実施例5 “サイビノール”EK1005(アクリル酸エステル系
接着剤:サイデン化学(株)製)を実施例1の防汚剤中
の固形分量に対して10重量%になるように添加し、さ
らに水を同量添加し攪拌混合し、その混合物を“トヨフ
ロン”ETFEの片面に塗布量の固形分が0.3g/m
2 となるようにロールコーターを用いて塗布した。さら
に、その他面に実施例1のポリウレタン系2液型接着剤
“タケラック”/“タケネート”を塗布し複合フィルム
とし、実施例1と同様にしてポリカーボネイト板“ユー
ピロン・サンガード”にラミネートした。
【0043】実施例6 実施例1で作成した複合フィルムを実施例1の方法にて
アクリル板にラミネートした。
【0044】比較例1 比較例1として実施例1で用いたポリカーボネイト板
“ユーピロン・サンガード”を用いた。
【0045】比較例2 実施例1に基づき、製膜された“トヨフロン”ETFE
に実施例1のポリウレタン系2液型接着剤“タケラッ
ク”/“タケネート”を塗布量の固形分が0.5g/m
2 となるように酢酸エチルにて希釈した後、ロールコー
ターを用いて塗布し、ポリカーボネイト板“ユーピロン
・サンガード”に実施例1の方法にてラミネートした。
【0046】比較例3 ポリフッ化ビニルフィルムである“テドラー”AG30
UT(デュポン社製)に、実施例1のポリウレタン系2
液型接着剤“タケラック”/“タケネート”を固形分量
で0.5g/m2 となるようにロールコーターを用いて
塗布し、ポリカーボネイト板“ユーピロン・サンガー
ド”に実施例1の方法にてラミネートした。
【0047】これらのサンプルについて評価を行い、表
1にその結果を示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明では、まず、無機親水性コロイド
物質と、界面活性剤と、リチウムシリケートおよび/ま
たはシラン誘導体からなる防汚剤をフッ素樹脂フィルム
表面に塗布することにより防汚性、易洗浄性、ならびに
それらの耐候性が透明性を損なわずして発現する特性を
示す効果が得られた。
【0050】また、本発明では複合フィルムを用いるこ
とにより、工場内でのインラインにおけるラミネート加
工による屋外用騒音遮蔽板の製造のみならず、すでに施
工済みの騒音遮蔽板にもラミネート施工が可能であり、
従来の騒音遮蔽板に比べ、その実用性ならびに応用性能
ははるかに優れている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/18 A 8413−4F 27/34 7421−4F 27/36 102 7421−4F E01F 8/00 8/02 E04B 1/82 X 1/86 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防汚層、フッ素樹脂フィルム層、接着層
    が順次積層されてなることを特徴とする複合フィルム。
  2. 【請求項2】 接着層が粘着剤および/または熱接着性
    樹脂よりなることを特徴とする請求項1に記載の複合フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 防汚層が無機親水性コロイド物質と界面
    活性剤とリチウムシリケートおよび/またはシラン誘導
    体を含んでなることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の複合フィルム。
  4. 【請求項4】 防汚層がアクリル系樹脂を含んでなるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    複合フィルム。
  5. 【請求項5】 防汚層、フッ素樹脂フィルム層、接着層
    のうち少なくとも1層に紫外線吸収剤が含有してなるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    複合フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    複合フィルムを合成樹脂板の両面あるいは片面に積層し
    てなることを特徴とする屋外用騒音遮蔽板。
  7. 【請求項7】 合成樹脂板がアクリル樹脂、ポリアミド
    樹脂、塩化ビニル樹脂及びポリカーボネイト樹脂のうち
    1種類以上であることを特徴とする請求項6に記載の屋
    外用騒音遮蔽板。
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