JPH0948950A - 表面コート剤、その硬化膜およびその硬化膜被覆の合成樹脂成形品 - Google Patents
表面コート剤、その硬化膜およびその硬化膜被覆の合成樹脂成形品Info
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Abstract
防止性を向上させ、表面の硬度も高めるコート剤および
該コート剤により良好な帯電防止性と耐擦傷性を有する
合成樹脂成形品を提供する。 【解決手段】(1)100重量部の、分子中に少なく
とも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合
性化合物または分子中に少なくとも2個のエーテル基
及び/またはエステル基を有するシラン系熱重合性化合
物、から選ばれる重合性化合物、(2)0.05〜20
重量部の、下記の式〔1〕で示されるオルガノポリシロ
キサンおよび、(3)(該オルガノポリシロキサンのモ
ル数)×(分子中のR3 O基及びR4 O基の数)を〔R
3 O+R4 O〕で表すとき、〔R3O+R4 O〕に対し
0.005〜1.5モル倍量の電解質塩、とからなる表
面コート剤、該表面コート剤を重合させて得られる硬化
膜、該硬化膜で被覆された合成樹脂成形品、該表面コー
ト剤を用いる硬化膜の形成方法である。 【化1】
Description
止性に優れた硬化膜を供する表面コート剤、該表面コー
ト剤を用いる硬化膜、及びその硬化膜で被覆された合成
樹脂成形品に関する。
ート、塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂は、易成形性、軽
量性、耐衝撃性などの特徴を持ち、そのため種々の用途
に広く用いられている。しかし、これらの合成樹脂表面
は、傷が付きやすく、帯電し易いため、傷や付着したホ
コリにより、外観が著しく悪くなり、透明性樹脂の場
合、透明性が低下するなどの難点がある。
としては、各種の帯電防止剤を練り込んだり、表面に帯
電防止剤や導電性物質を塗布・被覆する方法が知られて
いる。又、樹脂表面の傷付きを少くするため、表面に耐
擦傷性の硬化膜を付与する方法が知られている。さらに
帯電防止性と、表面の耐擦傷性を合せ付与する方法も種
々提案されている。例えば特公平 4-49857号公報には、
酸化錫を主成分とする導電性粉末を高濃度と低濃度含有
する2つの樹脂バインダー層を積層した合成樹脂フィル
ム又はシートが開示されている。又、特公平5-8741号公
報には、カチオン性第4級アンモニウム塩官能基を含有
する導電性樹脂の層と、活性エネルギー線照射による架
橋硬化重合物の層を被覆した合成樹脂成形品が開示され
ている。
のごとき導電性粉末を含有する層は、透明性が十分では
なく、樹脂成形品が光透過性を要する使途には不適であ
る。又、特公平5-8741号公報における電導性樹脂層によ
る帯電防止性は雰囲気の水分を利用して発現するもので
あり、その効果は雰囲気の湿度によって大きく変化する
ことはよく指摘されているところであるうえ、帯電防止
機能を付与するための電導性樹脂層と表面硬度を向上さ
せるための架橋硬化重合物の層を積層させなければなら
ないため工程が煩雑となる。
樹脂本来の光学的特性を損なうこと無く、湿度に依存せ
ず良好な帯電防止性と、耐擦傷性を発現することが可能
な硬化膜を工業的にも容易に形成するための表面コート
剤を提供することにある。又、本発明の別の目的は、樹
脂本来の光学的特性を損なうこと無く、湿度に依存せず
良好な帯電防止性と、耐擦傷性を発現することが可能な
硬化膜及び該硬化膜で被覆された透明樹脂成形体を提供
することにある。
個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性化
合物又は分子内に少なくとも2個のエーテル基及び/
又はエステル基を有するシラン系熱重合性化合物、から
選ばれる重合性化合物100重量部、(2)下記の式
〔1〕で示されるオルガノポリシロキサン0.05〜2
0重量部及び、(3)(該オルガノポリシロキサンのモ
ル数)×(該オルガノポリシロキサン分子中の−R3O −
基及び−R4O −基の数)を〔R3O +R4O 〕で表すとき、
〔R3O +R4O 〕に対し0.005〜1.5モル倍量の電
解質塩、とからなる表面コート剤、該表面コート剤を重
合させて得られる硬化膜、該硬化膜で被覆された合成樹
脂成形品、該表面コート剤を用いる硬化膜の形成方法に
関するものである。
は水素原子又は1価の有機基を示す。mは0〜100の
整数、nは1〜100の整数である。−Si(R1)2−0−
単位と−Si(R1)(R2O−) −O −単位の配列順序は任意で
ある。a及びbはそれぞれ0〜100の整数であり、同
時に0であることはない。−R3O −単位と−R4O −単位
の配列順序は任意である。)
本発明における重合性化合物は、分子中に少なくとも
2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性
化合物又は、分子内に少なくとも2個のエーテル基及
び/またはエステル基を有するシラン系熱重合性化合物
である。光重合性化合物とシラン系熱重合性化合物
とは、併用してもよい。分子内に少なくとも2個の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性化合物と
は、1分子中にアクリロイル基又はメタクリロイル基を
2つ以上有し、紫外線や電子線などの活性エネルギー線
により重合し硬化する化合物である。
タ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2,2−
ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニ
ル)プロパン、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)メタクリレー
ト、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート若しくはヘキサメタクリレート、トリペンタエリス
リトールヘプタ(メタ)アクリレート等の多価アルコー
ルのポリ(メタ)アクリレート:マロン酸/トリメチロ
ールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチ
ロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリ
セリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリス
リトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロ
ールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチ
ロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリ
セリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリス
リトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチ
ロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリ
メチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸
/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピ
ン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/
トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル
酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グ
ルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル
酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバ
シン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、
セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリ
ル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、
セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル
酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリ
ル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)ア
クリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル
酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/
(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロール
エタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセ
リン/(メタ)アクリル酸等の化合物の組み合わせによ
る飽和又は不飽和酸−(メタ)アクリル酸の混合ポリエ
ステル化合物:イソシアネート含有化合物に、活性水素
を有する(メタ)アクリルモノマーをイソシアネート1
分子当り2モル以上で常法により反応させて得られるウ
レタン(メタ)アクリレート:その他トリス(2−ヒド
ロキシエチル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレ
ート等を挙げることが出来るが、なかでも表面硬度、耐
候性の点よりウレタンアクリレートを主成分とするもの
が好ましい。
ソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物等のポ
リイソシアネート化合物或いはジイソシアネート化合物
を多量化させて得られる多量化ポリイソシアネート化合
物が挙げられ、ジイソシアネート化合物としてはトリレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、これらのうち芳香族
基を有するものの芳香族基を水添して得られるもの(水
添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン
ジイソシアネート等)等が挙げられ、トリイソシアネー
ト化合物としては、トリフェニルメタントリイソシアネ
ート、ジメチレントリフェニルトリイソシアネート等が
挙げられる。
/又はエステル基を有するシラン系熱重合性化合物とは
下記の式〔2〕
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、或
いはエポキシ基、アミノ基、メルカプト基若しくはシア
ノ基を有し、かつ珪素原子と結合する末端原子が炭素で
ある有機基を表し、R6 、R7 の炭素数はそれぞれ16
以下である。R8 はアルキル基、アルコキシアルキル基
又はアシル基であり、R8 の炭素数は6以下である。
a、bはそれぞれ0、1又は2で、かつa+bは0、1
又は2である。)で示されるシラン系化合物ないしはそ
のオリゴマーの少なくとも1種であって、熱により重合
し硬化する化合物である。
ート、n−プロピルシリケート、i−プロピルシリケー
ト、n−ブチルシリケート、sec−ブチルシリケー
ト、t−ブチルシリケート等のテトラアルコキシシラン
類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリ
アセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−
クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセト
キシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノ
エチル)プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルプロピ
ルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、ト
リアルコキシアルコキシシラン類、トリアシルオキシシ
ラン類;ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニル
メチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニ
ルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニ
ルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジアセトキシシラン、メチルビニルジメト
キシシラン、メチルビニルジアセトキシシラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、等のジアルコキシシラン類ないしはジアシルオキ
シシラン類が挙げられる。これらは単独又は混合物とし
て使用することができる。又、これらの混合物を共加水
分解してオリゴマーとしたのち、熱重合に供することも
できる。
ロキサンにおいて、R1 としては、メチル基、エチル
基、プロピル基等の水酸基等の置換基を有していてもよ
い炭素数1〜4のアルキル基;フェニル基、トリル基等
の水酸基等の置換基を有していてもよい炭素数6〜8の
アリール基;ベンジル基、フェネチル基等の水酸基等の
置換基を有していてもよい炭素数7〜9のアラルキル基
等を挙げることができる。R2 、R3 およびR4 として
は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数
1〜8のアルキレン基等挙げることができ、R2 、R3
およびR4 は同一であっても、異なってもよい。R3 お
よびR4 は、電解質塩の溶解濃度の点から、少なくとも
どちらか一方がエチレン基又はプロピレン基であること
が好ましい。R5 としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基等の水酸基等の置換基を有していてもよい炭素数
1〜5のアルキル基;アセチル基、プロオピニル基等の
水酸基等の置換基を有していてもよい炭素数2〜6のア
シル基等を挙げることができる。また、式〔1〕におけ
る−Si(R1)2 −O −基と−Si(R1)(R2O−) −O −基の配
列順序は任意であり、それぞれの基がブロック状に、ま
たはランダムに配列することができる。−R3O −基と−
R4O −基の配列も同様に任意である。
えば、水素化ケイ素基を有するオルガノポリシロキサン
に、不飽和結合及びポリアルキレンオキサイド基を有す
る化合物、例えば、メトキシポリエチレングリコールア
リルエーテル等をヒドロシリル化反応によりグラフトさ
せることにより得ることができる。具体的には、例え
ば、ブリティッシュ ポリマー ジャーナル( British
Polymer Journal)20巻 281〜288頁 198
8年 等に記載の方法が挙げられる。
合物100重量部に対し、0.05〜20重量部であ
り、好ましくは、0.1〜10重量部である。0.05
重量部より少ないと得られる表面コート剤の帯電防止性
が充分でなく、20重量部を越える場合には、表面コー
ト剤を硬化し膜を形成させた時に十分な膜の硬度が得ら
れず、膜の密着性が低下する。
第II族に属する、例えばリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の金属の、
例えばチオシアン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、ハロゲン酸等の塩が挙げられる。電解質塩の
具体例としては、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、
チオシアン酸リチウム、ホウフッ化リチウム、テトラフ
ルオロメタンスルホン酸リチウム、ヨウ化ナトリウム、
過塩素酸ナトリウム、ヨウ化バリウム等の、無水塩或い
は含水塩が挙げられ、これらは単独で若しくは混合物と
して使用される。
(該オルガノポリシロキサン分子中の−R3O −基及び−
R4O −基の数)を〔R3O +R4O 〕で表し、これを−R3O
−基及び−R4O −基からみた該オルガノポリシロキサン
の仮りのモル数として表現するとき、電解質塩の量は、
帯電防止効果及び透明性等の点から、〔R3O +R4O 〕に
対し0.005〜1.5モル倍量である。
合硬化の方法に使用されうる公知の重合開始剤、例えば
2、2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’
−アゾビスイソブチレートなどのアゾ系化合物、ターシ
ャリーブチルパーオキシピバレート、ターシャリーブチ
ルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、クミルパーオ
キシ2−エチルヘキサノエートなどのパーオキシエステ
ル類、ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパ
ーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;重合促
進剤、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテ
ル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メト
キシベンゾフェノン等のカルボニル化合物、テトラメチ
ルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジス
ルフィド等の光増感剤等を含ませるのが望ましい。これ
らの剤の添加量は該コート剤中通常、0.1 〜10重量%
である。
外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、防曇剤、着色剤等
の通常の添加物を含ませてもよい。光安定剤としては、
ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類等が挙げ
られる。該紫外線吸収剤としては、市販のベンゾトリア
ゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系化合
物が挙げられる。
などの成形品の表面を被覆して膜を形成させ、それを硬
化させることによって、硬化膜で被覆された合成樹脂な
どの成型品を得ることができる。該表面コート剤で該成
型品を被覆するには、例えば該成型品を該表面コート剤
に浸漬する方法、該成型品に該表面コート剤を噴霧、塗
布する方法等が挙げられる。この際、被覆し易くするた
めに、ある意は被覆膜の膜厚を調整するために該コート
剤をアルコール類、ケトン類、芳香族類、エステル類等
の溶剤により希釈してもよい。
は、加熱昇温する熱重合、紫外線や電子線などの活性エ
ネルギー線の照射による光重合があり、該重合性化合物
の種類により適宜その方法を選択する。なかでも分子中
に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有
する光重合性化合物を該重合性化合物として用い、光重
合する方法が簡便で好ましい。該硬化膜の厚みは耐擦傷
性、難燃性等の点から、又、剥離や亀裂の防止の点か
ら、通常は0.5 〜50μm、好ましくは1〜20μmで
ある。
品における合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィ
ン、アクリル樹脂、ポリスチレン、MS樹脂、AS樹
脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、セルロースアセテ
ートブチレート樹脂等が挙げられる。またこれら合成樹
脂成形品の形状は用途により適宜選択しうるが、シー
ト、板状が好適である。
品などの表面を被覆し、硬化させることにより、合成樹
脂が有する傷がつきやすく、帯電しやすいという本来的
な欠点を防ぐことができる。この様な合成樹脂成形品
は、屋内の各種構造材、銘板、保護板、ディスプレイ、
照明器具、電機部品など様々な用途の使用に適する。
明する。なお、実施例中の物性の評価は下記の通り行っ
た。 (1)表面硬度:JIS K 5400に準拠して鉛筆硬度の試験
を行った。 (2)表面抵抗:JIS K 6911に従って、単位表面積あた
りの抵抗値を測定した。 (3)帯電圧:JIS L 1094に従って、10KV印可時の
帯電圧を測定した。 (4)除電性:JIS L 1094に従って、帯電圧の半減期を
測定した。 (5)塗膜密着性:JIS K 5400に従って、碁盤目テープ
法により塗面の碁盤目100目盛り中の剥離数を測定し
た。 (6)全光線透過率:ASTM D 1003 に従って、可視光線
の入射光量に対する全透過光量の百分率であらわされる
材料の明るさを測定した。 (7)曇価:ASTM D 1003 に従って、材料の鮮明さを測
定した。
ト剤(広栄化学工業(株)製、コーエイハードM10
1)125重量部(オリゴマー分100重量部、トルエ
ン25重量部)に、前記の式〔1〕で表わされ下記で規
定されるオルガノポリシロキサンを表1に示す量と該オ
ルガノポリシロキサンの2/3重量倍の過塩素酸リチウ
ムを添加混合し、表面コート剤とした。この表面コート
剤における過塩素酸リチウムの(オルガノポリシロキサ
ンのモル数)×(オルガノポリシロキサン分子中の−R3
O −基及び−R4O −基の数)に対するモル比は0.86
であった。
スミペックスE、厚み8mm)にロールで塗布し、室温で
20分間放置し乾燥した後、UV硬化、120Wのメタ
ルハライドランプを20cmの距離から10秒間照射す
ることにより、厚み15μmの表面硬化膜を形成せしめ
た。得られた表面硬化膜を被覆した樹脂板を23℃、湿
度35%の環境下で評価した。結果を表1に示す。オル
ガノポリシロキサンは式〔1〕において、R1 :メチル
基、R2 :プロピレン基、R3 :エチレン基、R4 :プ
ロピレン基、R5 :メチル基、m=30、n=3、a=
10、b=0の化合物である。
レタン変性(メタ)アクリルオリゴマー系ハードコート
剤125重量部に対し、1重量部及び過塩素酸リチウム
2/3 重量部用いた以外は実施例1と同様に行った。結果
を表3に示す。
に代えてラウリルトリメチルアンモニウムクロライド
(花王(株)製 コータミン24P)を2重量部加えた
以外は、実施例1と同様に行った 結果を表4に示す。
は、比較例4−1と同様に行った。結果を表4に示す。
クロライド2重量部に代えてジアルキルスルホコハク酸
ナトリウム(花王(株)製 ペレックス)を0.5重量
部とした以外は比較例4−1と同様に行った。結果を表
4に示す。
比較例5−1と同様に行った。結果を表4に示す。
Claims (5)
- 【請求項1】(1)100重量部の、分子中に少なく
とも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重
合性化合物又は分子内に少なくとも2個のエーテル基
及び/又はエステル基を有するシラン系熱重合性化合
物、から選ばれる重合性化合物、(2)0.05〜20
重量部の、下記の式〔1〕で示されるオルガノポリシロ
キサン及び、(3)(該オルガノポリシロキサンのモル
数)×(該オルガノポリシロキサン分子中の−R3O −基
及び−R4O −基の数)を〔R3O +R4O 〕で表すとき、
〔R3O +R4O 〕に対し0.005〜1.5モル倍量の電
解質塩、とからなる表面コート剤。 【化1】 (式中、R1は1価の有機基、R2〜R4はアルキレン基、R5
は水素原子又は1価の有機基を示す。mは0〜100の
整数、nは1〜100の整数である。−Si(R1)2−O −
単位と−Si(R1)(R2O−) −O −単位の配列順序は任意で
ある。a及びbはそれぞれ0〜100の整数であり、同
時に0であることはない。−R3O −単位と−R4O −単位
の配列順序は任意である。) - 【請求項2】該重合性化合物が、分子中に少なくとも2
個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性化
合物である請求項1に記載の表面コート剤。 - 【請求項3】請求項1に記載の表面コート剤を重合させ
て得られる硬化膜。 - 【請求項4】表面が請求項3に記載の硬化膜で被覆され
た合成樹脂成形品。 - 【請求項5】請求項1に記載の表面コート剤で合成樹脂
成型品の表面を被覆し、光または熱により該表面コート
剤を重合させることからなる合成樹脂成形品の表面硬化
方法。
Priority Applications (1)
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JP13052795 | 1995-05-29 | ||
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