JP3565988B2 - 表面コート剤、その硬化膜およびその硬化膜被覆の合成樹脂成形品 - Google Patents

表面コート剤、その硬化膜およびその硬化膜被覆の合成樹脂成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性と帯電防止性に優れた硬化膜を供する表面コート剤、該表面コート剤を用いる硬化膜、及びその硬化膜で被覆された合成樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂は、易成形性、軽量性、耐衝撃性などの特徴を持ち、そのため種々の用途に広く用いられている。しかし、これらの合成樹脂表面は、傷が付きやすく、帯電し易いため、傷や付着したホコリにより、外観が著しく悪くなり、透明性樹脂の場合、透明性が低下するなどの難点がある。
【0003】
これらの樹脂に帯電防止性を付与する方法としては、各種の帯電防止剤を練り込んだり、表面に帯電防止剤や導電性物質を塗布・被覆する方法が知られている。又、樹脂表面の傷付きを少くするため、表面に耐擦傷性の硬化膜を付与する方法が知られている。さらに帯電防止性と、表面の耐擦傷性を合せ付与する方法も種々提案されている。例えば特公平4−49857号公報には、酸化錫を主成分とする導電性粉末を高濃度と低濃度含有する2つの樹脂バインダー層を積層した合成樹脂フィルム又はシートが開示されている。又、特公平5−8741号公報には、カチオン性第4級アンモニウム塩官能基を含有する導電性樹脂の層と、活性エネルギー線照射による架橋硬化重合物の層を被覆した合成樹脂成形品が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特公平4−49857号公報のごとき導電性粉末を含有する層は、透明性が十分ではなく、樹脂成形品が光透過性を要する使途には不適である。又、特公平5−8741号公報における導電性樹脂層による帯電防止性は雰囲気の水分を利用して発現するものであり、その効果は雰囲気の湿度によって大きく変化することはよく指摘されているところであるうえ、帯電防止機能を付与するための電導性樹脂層と表面硬度を向上させるための架橋硬化重合物の層を積層させなければならないため工程が煩雑となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の目的は、樹脂本来の光学的特性を損なうこと無く、湿度に依存せず良好な帯電防止性と、耐擦傷性を発現することが可能な硬化膜を工業的にも容易に形成するための表面コート剤を提供することにある。又、本発明の別の目的は、樹脂本来の光学的特性を損なうこと無く、湿度に依存せず良好な帯電防止性と、耐擦傷性を発現することが可能な硬化膜及び該硬化膜で被覆された透明樹脂成形体を提供することにある。
【0006】
本発明は、(1)▲1▼分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性化合物並びに▲2▼分子に少なくとも2個のエーテル基及び/又はエステル基を有するシラン系熱重合性化合物、から選ばれる重合性化合物100重量部、(2)下記の式〔1〕で示されるオルガノポリシロキサン0.05〜20重量部、(3)(該オルガノポリシロキサンのモル数)×(該オルガノポリシロキサン分子中の−RO−基及び−RO−基の数)を〔RO+RO〕で表すとき、〔RO+RO〕に対し0.005〜1.5モル倍量の電解質塩、とからなる表面コート剤、該表面コート剤を重合させて得られる硬化膜、該硬化膜で被覆された合成樹脂成形品、該表面コート剤を用いる硬化膜の形成方法に関するものである。
【0007】
【化2】
Figure 0003565988
(式中、Rは1価の有機基を表し、R〜Rそれぞれアルキレン基を表し、Rは水素原子又は1価の有機基をす。mは0〜100の整数であり、nは1〜100の整数である。−Si(R−O−単位と−Si(R)(RO−)−O−単位の配列順序は任意である。a及びbはそれぞれ0〜100の整数であり、同時に0であることはない。−RO−単位と−RO−単位の配列順序は任意である。)
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における重合性化合物は、▲1▼分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性化合物又は、▲2▼分子に少なくとも2個のエーテル基及び/またはエステル基を有するシラン系熱重合性化合物である。光重合性化合物▲1▼とシラン系熱重合性化合物▲2▼とは、併用してもよい。分子に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性化合物とは、1分子中にアクリロイル基又はメタクリロイル基を2つ以上有し、紫外線や電子線などの活性エネルギー線により重合し硬化する化合物である。
【0009】
例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)メタクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート:マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸等の化合物の組み合わせによる飽和又は不飽和酸−(メタ)アクリル酸の混合ポリエステル化合物:イソシアネート含有化合物に、活性水素を有する(メタ)アクリルモノマーをイソシアネート1分子当り2モル以上で常法により反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート:その他トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等を挙げることが出来るが、なかでも表面硬度、耐候性の点よりウレタンアクリレートを主成分とするものが好ましい。
【0010】
イソシアネート含有化合物としては、ジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物等のポリイソシアネート化合物或いはジイソシアネート化合物を多量化させて得られる多量化ポリイソシアネート化合物が挙げられ、ジイソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、これらのうち芳香族基を有するものの芳香族基を水添して得られるもの(水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等)等が挙げられ、トリイソシアネート化合物としては、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチレントリフェニルトリイソシアネート等が挙げられる。
【0011】
分子に少なくとも2個のエーテル基及び/又はエステル基を有するシラン系熱重合性化合物とは下記の式〔2〕
Si(OR4−(a+b) 〔2〕
(式中、R 及びはそれぞれ、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、或いはエポキシ基、アミノ基、メルカプト基若しくはシアノ基を有し、かつ珪素原子と結合する末端原子が炭素である有機基を表し、R 及びの炭素数はそれぞれ16以下である。Rはアルキル基、アルコキシアルキル基又はアシル基を表し、Rの炭素数は6以下である。a及びbはそれぞれ0、1又は2で、かつa+bは0、1又は2である。)で示されるシラン系化合物ないしはそのオリゴマーの少なくとも1種であって、熱により重合し硬化する化合物である。
【0012】
例えば、メチルシリケート、エチルシリケート、n−プロピルシリケート、i−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、sec−ブチルシリケート、t−ブチルシリケート等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルプロピルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、トリアルコキシアルコキシシラン類、トリアシルオキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジアセトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、等のジアルコキシシラン類ないしはジアシルオキシシラン類が挙げられる。これらは単独又は混合物として使用することができる。又、これらの混合物を共加水分解してオリゴマーとしたのち、熱重合に供することもできる。
【0013】
上記の式〔1〕で示されるオルガノポリシロキサンにおいて、Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基等の水酸基等の置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基;フェニル基、トリル基等の水酸基等の置換基を有していてもよい炭素数6〜8のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の水酸基等の置換基を有していてもよい炭素数7〜9のアラルキル基等を挙げることができる。R、RおよびRとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基等挙げることができ、R、RおよびRは同一であっても、異なってもよい。RおよびRは、電解質塩の溶解濃度の点から、少なくともどちらか一方がエチレン基又はプロピレン基であることが好ましい。
としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の水酸基等の置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基;アセチル基、プロオピニル基等の水酸基等の置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアシル基等を挙げることができる。また、式〔1〕における−Si(R−O−基と−Si(R)(RO−)−O−基の配列順序は任意であり、それぞれの基がブロック状に、またはランダムに配列することができる。−RO−基と−RO−基の配列も同様に任意である。
【0014】
このようなオルガノポリシロキサンは、例えば、水素化ケイ素基を有するオルガノポリシロキサンに、不飽和結合及びポリアルキレンオキサイド基を有する化合物、例えば、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル等をヒドロシリル化反応によりグラフトさせることにより得ることができる。具体的には、例えば、ブリティッシュ ポリマー ジャーナル(British Polymer Journal)20巻281〜288頁1988年等に記載の方法が挙げられる。
【0015】
該オルガノポリシロキサンは、該重合性化合物100重量部に対し、0.05〜20重量部であり、好ましくは、0.1〜10重量部である。0.05重量部より少ないと得られる表面コート剤の帯電防止性が充分でなく、20重量部を越える場合には、表面コート剤を硬化し膜を形成させた時に十分な膜の硬度が得られず、膜の密着性が低下する。
【0016】
電解質塩としては、周期律表第I族または第II族に属する、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の金属の、例えばチオシアン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ハロゲン酸等の塩が挙げられる。電解質塩の具体例としては、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、チオシアン酸リチウム、ホウフッ化リチウム、テトラフルオロメタンスルホン酸リチウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、ヨウ化バリウム等の、無水塩或いは含水塩が挙げられ、これらは単独で若しくは混合物として使用される。
【0017】
(該オルガノポリシロキサンのモル数)×(該オルガノポリシロキサン分子中の−RO−基及び−RO−基の数)を〔RO+RO〕で表し、これを−RO−基及び−RO−基からみた該オルガノポリシロキサンの仮りのモル数として表現するとき、電解質塩の量は、帯電防止効果及び透明性等の点から、〔RO+RO〕に対し0.005〜1.5モル倍量である。
【0018】
本発明における該コート剤には、後述の重合硬化の方法に使用されうる公知の重合開始剤、例えば22’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートなどのアゾ系化合物、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、クミルパーオキシ2−エチルヘキサノエートなどのパーオキシエステル類、ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;重合促進剤、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の光増感剤等を含ませるのが望ましい。これらの剤の添加量は該コート剤中通常、0.1〜10重量%である。
【0019】
さらに硬化膜の物性を損なわない程度に紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、防曇剤、着色剤等の通常の添加物を含ませてもよい。光安定剤としては、ヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類等が挙げられる。該紫外線吸収剤としては、市販のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
【0020】
本発明の該表面コート剤を用い、合成樹脂などの成形品の表面を被覆して膜を形成させ、それを硬化させることによって、硬化膜で被覆された合成樹脂などの成型品を得ることができる。該表面コート剤で該成型品を被覆するには、例えば該成型品を該表面コート剤に浸漬する方法、該成型品に該表面コート剤を噴霧、塗布する方法等が挙げられる。この際、被覆し易くするために、あるは被覆膜の膜厚を調整するために該コート剤をアルコール類、ケトン類、芳香族類、エステル類等の溶剤により希釈してもよい。
【0021】
該コート剤の被覆膜を重合硬化させるには、加熱昇温する熱重合、紫外線や電子線などの活性エネルギー線の照射による光重合があり、該重合性化合物の種類により適宜その方法を選択する。なかでも分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性化合物を該重合性化合物として用い、光重合する方法が簡便で好ましい。該硬化膜の厚みは耐擦傷性、難燃性等の点から、又、剥離や亀裂の防止の点から、通常は0.5〜50μm、好ましくは1〜20μmである。
【0022】
本発明に使用される合成樹脂からなる成形品における合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリスチレン、MS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、セルロースアセテートブチレート樹脂等が挙げられる。またこれら合成樹脂成形品の形状は用途により適宜選択しうるが、シート、板状が好適である。
【0023】
【発明の効果】
本発明の表面コート剤は、合成樹脂成形品などの表面を被覆し、硬化させることにより、合成樹脂が有する傷がつきやすく、帯電しやすいという本来的な欠点を防ぐことができる。この様な合成樹脂成形品は、屋内の各種構造材、銘板、保護板、ディスプレイ、照明器具、電機部品など様々な用途の使用に適する。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性の評価は下記の通り行った。
(1)表面硬度:JIS K 5400に準拠して鉛筆硬度の試験を行った。
(2)表面抵抗:JIS K 6911に従って、単位表面積あたりの抵抗値を測定した。(3)帯電圧:JIS L 1094に従って、10KV印可時の帯電圧を測定した。
(4)除電性:JIS L 1094に従って、帯電圧の半減期を測定した。
(5)塗膜密着性:JIS K 5400に従って、碁盤目テープ法により塗面の碁盤目100目盛り中の剥離数を測定した。
(6)全光線透過率:ASTM D 1003に従って、可視光線の入射光量に対する全透過光量の百分率であらわされる材料の明るさを測定した。
(7)曇価:ASTM D 1003に従って、材料の鮮明さを測定した。
【0025】
実施例1〜5、比較例1〜3
ウレタン変性(メタ)アクリルオリゴマー系ハードコート剤(広栄化学工業(株)製、コーエイハードM101)125重量部(オリゴマー分100重量部、トルエン25重量部)に、前記の式〔1〕で表わされ下記で規定されるオルガノポリシロキサンを表1に示す量と該オルガノポリシロキサンの2/3重量倍の過塩素酸リチウムを添加混合し、表面コート剤とした。この表面コート剤における過塩素酸リチウムの(オルガノポリシロキサンのモル数)×(オルガノポリシロキサン分子中の−RO−基及び−RO−基の数)に対するモル比は0.86であった。
【0026】
アクリル樹脂板(住友化学工業(株)製、スミペックスE、厚み8mm)にロールで塗布し、室温で20分間放置し乾燥した後、UV硬化、120Wのメタルハライドランプを20cmの距離から10秒間照射することにより、厚み15μmの表面硬化膜を形成せしめた。得られた表面硬化膜を被覆した樹脂板を23℃、湿度35%の環境下で評価した。結果を表1に示す。オルガノポリシロキサンは式〔1〕において、R:メチル基、R:プロピレン基、R:エチレン基、R:プロピレン基、R:メチル基、m=30、n=3、a=10、b=0の化合物である。
【0027】
【表1】
Figure 0003565988
【0028】
実施例6〜8
オルガノポリシロキサンが表2に示す化合物であり、ウレタン変性(メタ)アクリルオリゴマー系ハードコート剤125重量部に対し、該オルガノポリシロキサンを1重量部及び過塩素酸リチウム2/3重量部用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0029】
【表2】
Figure 0003565988
【0030】
【表3】
Figure 0003565988
【0031】
比較例4−1
実施例1のオルガノポリシロキサンと過塩素酸リチウムに代えてラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(花王(株)製コータミン24P)を2重量部加えた以外は、実施例1と同様に行った結果を表4に示す。
【0032】
比較例4−2
比較例4−1における評価の湿度を70%とした以外は、比較例4−1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0033】
比較例5−1
比較例4−1におけるラウリルトリメチルアンモニウムクロライド2重量部に代えてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製ペレックス)を0.5重量部加えた以外は比較例4−1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0034】
比較例5−2
比較例5−1における評価の湿度を70%とした以外は比較例5−1と同様に行った。結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
Figure 0003565988

Claims (5)

  1. (1)100重量部の、▲1▼分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性化合物並びに▲2▼分子に少なくとも2個のエーテル基及び/又はエステル基を有するシラン系熱重合性化合物、から選ばれる重合性化合物、(2)0.05〜20重量部の、下記の式〔1〕で示されるオルガノポリシロキサン、(3)(該オルガノポリシロキサンのモル数)×(該オルガノポリシロキサン分子中の−RO−基及び−RO−基の数)を〔RO+RO〕で表すとき、〔RO+RO〕に対し0.005〜1.5モル倍量の、周期律表第I族に属する金属の塩及び周期律表第 II 族に属する金属の塩、から選ばれる電解質塩とからなる表面コート剤。
    Figure 0003565988
    (式中、R水酸基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、水酸基を有していてもよい炭素数6〜8のアリール基、又は水酸基を有していてもよい炭素数7〜9のアラルキル基を表し、R〜Rそれぞれアルキレン基を表し、Rは水素原子又は1価の有機基をす。mは0〜100の整数であり、nは1〜100の整数である。−Si(R−O−単位と−Si(R)(RO−)−O−単位の配列順序は任意である。a及びbはそれぞれ0〜100の整数であり、同時に0であることはない。−RO−単位と−RO−単位の配列順序は任意である。)
  2. 該重合性化合物が、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光重合性化合物である請求項1に記載の表面コート剤。
  3. 請求項1又は2に記載の表面コート剤を重合させて得られる硬化膜。
  4. 表面が請求項3に記載の硬化膜で被覆された合成樹脂成形品。
  5. 請求項1又は2に記載の表面コート剤で合成樹脂成型品の表面を被覆し、光または熱により該表面コート剤を重合させることからなる合成樹脂成形品の表面硬化方法。
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