JP2000103930A - カレンダー成形用アクリル樹脂組成物、及び成形物 - Google Patents

カレンダー成形用アクリル樹脂組成物、及び成形物

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JP2000103930A
JP2000103930A JP10276330A JP27633098A JP2000103930A JP 2000103930 A JP2000103930 A JP 2000103930A JP 10276330 A JP10276330 A JP 10276330A JP 27633098 A JP27633098 A JP 27633098A JP 2000103930 A JP2000103930 A JP 2000103930A
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plasticizer
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integer
roll
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Masashi Kinoshita
正史 木之下
Keiichiro Hirata
敬一郎 平田
Koichi Takato
幸一 高戸
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、ロール加工性、成形加工
に優れ、可塑剤とアクリル樹脂の相溶性に優れ、加熱溶
融した後でも可塑剤のブリード等のないカレンダー成形
用アクリル樹脂組成物及びその成形物にある。 【解決手段】 本発明は、メチルメタアクリレートを主
成分とするポリマーと、可塑剤とからなるアクリル樹脂
組成物であって、可塑剤が下記の一般式〔I〕で表され
るアルキレンエーテルグリコールのモノカルボン酸エス
テルであることを特徴とするカレンダー成形用アクリル
樹脂組成物及びその成形物。 【化1】Cm1Hn1COO−(CHR1−CH2−O)p−
COCm2Hn2 〔式中、m1、m2は4〜12の整数、n1、n2は5〜25の
整数、R1 はCH 3またはH、pは2〜12の整数〕。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟質塩化ビニル樹
脂系組成物に代わり、カレンダー成形法で作られるシー
ト、床材、人形、玩具、自動車内装材等の分野で広く利
用され得るロール加工性、成形加工性、熱老化性、相溶
性に優れるアクリル樹脂組成物及び成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】軟質塩化ビニル樹脂系組成物は、量産が
可能で低廉な成形法であるカレンダー成形法を用いて、
可塑剤の添加量を変量する事により硬いものから柔らか
いものまで要求される柔らかさに応じた成形物を得られ
る事により、例えば、シート、床材、人形、玩具、自動
車内装材等の分野で広く使用されてきた。しかし、こう
した分野でも、近年環境問題から非ハロゲン系樹脂への
転換が求められてきている。それに応えるために、アク
リル系樹脂粉末に可塑剤を配合し、さらに必要に応じ
て、充填剤その他の添加剤を配合してカレンダー成形す
る方法が検討されている。樹脂組成物がカレンダー成形
できるためには前提としてロール加工時にロール面に溶
融した樹脂組成物シートが適度に密着するというロール
加工特性が必要である。
【0003】アクリル系樹脂組成物に配合する可塑剤と
しては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル等の二
塩基酸エステル、クエン酸エステル、トリメリット酸エ
ステル、ピロメリット酸エステルなどの多塩基酸エステ
ル、燐酸エステルなど(特開平9−31287号公
報)、従来より塩化ビニル樹脂に用いられている可塑剤
が提案されている。
【0004】しかしながら、カレンダー成形における上
記提案のフタル酸エステルでは、結合アルキル基の炭素
数が6以下のもの(例えば、フタル酸ジブチル(DB
P))では、アクリル樹脂との相溶性は良いが、粉末ア
クリル樹脂に可塑剤を配合してロール加工する際にロー
ル表面に密着しすぎて混練シートのロール離れが悪くな
る欠点があった。また 結合アルキル基の炭素数に応じ
て可塑剤の分子量が小さくなるためその揮発性が強くな
り、熱老化性が悪くなる。
【0005】逆に、結合アルキル基の炭素数が7以上の
フタル酸ジエステルは、ロール加工時のロール離れは良
好で、又熱老化性も、比較的良いがアクリル樹脂との相
溶性が極めて悪く、ロール加工面で剥離しやすく、又成
形シートから可塑剤がブリードして成型品の実用性がな
い。
【0006】また、燐酸のアルキルエステルでもフタル
酸エステルと同様な傾向にあり、また燐酸エステルは炭
酸カルシウムなどアルカリ性充填剤で加水分解を受けや
すい傾向がある。
【0007】その他の有機、無機の多塩基酸エステルに
おいても、結合アルキル基の炭素数の大きさと配合後の
ドライブレンド性が極めて悪く、アクリル樹脂との相溶
性などとの関係は、前記フタル酸エステル、燐酸エステ
ルの場合と同様であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の点に鑑み、樹脂と可塑剤のロール加工時におけるロー
ル加工性が適度であって、ロール加工が容易にでき、可
塑剤とアクリル樹脂の相溶性に優れて物性バランスがよ
く、且つ熱老化性がよいカレンダー成形用アクリル樹脂
組成物及びその成形物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種組成
の化合物のアクリル樹脂との相溶性及びロール加工性を
詳細に研究した結果、特にアルキレンエーテルグリコー
ルのモノカルボン酸エステルを用いたアクリル樹脂組成
物とすることによって相溶性が良く、しかもロール加工
時におけるロール密着が適度であって、ロール加工が容
易にできることを見いだし、本発明を完成させるに至っ
た。
【0010】即ち、本発明は、メチルメタアクリレート
を主成分とするアクリルポリマーと、可塑剤とからなる
アクリル樹脂組成物であって、可塑剤が下記の一般式
〔I〕で表されるアルキレンエーテルグリコールのモノ
カルボン酸エステルであることを特徴とするカレンダー
成形用アクリル樹脂組成物。
【0011】
【化2】Cm1Hn1COO−(CHR1−CH2−O)p−
COCm2Hn2 〔式中、m1、m2は4〜12の整数、n1、n2は5〜25の
整数、R1 はCH3またはH、pは2〜12の整数〕 好ましくは該アクリルポリマーが分子量30万以上の粉
粒状の樹脂であること、好ましくは該可塑剤の一般式
〔I〕で表されるアルキレンエーテルグリコールのモノ
カルボン酸エステルにおける式中のm1,m2は6〜8の整
数、n1,n2は5〜17の整数、R1 はCH3またはH、p
は2〜6の整数であること、これらの樹脂組成物からな
る成形物を提供するものである。
【0012】以下に、本発明を詳しく説明することにす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のアクリルポリマーとは、
メチルメタクリレートを主成分としたポリマーであっ
て、メタクリル酸メチル単量体の単独重合物、又はメタ
クリル酸メチル単量体に酢酸ビニル等のビニルエステ
ル、スチレン等の芳香酸ビニル、アクリロニトリル等の
シアン化ビニル、メチルアクリレート、エチルメタクリ
レート、ブチルメタアクリレート、シクロヘキシルメタ
アクリレート、ヒドロキシルエチルメタクリレート、グ
リシジルメタクリレート、アリルメタクリレート等のア
クリル酸やメタクリル酸及びそのアルキルエステル、エ
タンジアクリレート、ブタンジメタクリレート、ヘキサ
ンジメタクリレートなどのジアクリレート又はジメタク
リレート、などの不飽和化合物を共重合成分としたメタ
クリル酸メチルを主成分とする共重合体が挙げられる。
【0014】該アクリルポリマーの重合は、乳化重合法
でも懸濁重合法でも、又、ホモジナイザーみたいな強力
な分散力を併用して合成されたものでも良いが、アクリ
ルポリマーの分子量も相溶性に影響を持つので、好まし
くはその重量平均分子量は30万以上、特に好ましくは
50〜300万である。重量平均分子量が30万未満の
ポリマーから成るアクリル樹脂組成物の場合は、ロール
加工時においてロールに過度に密着し、ロール加工がむ
ずかしくなる。また重量平均分子量が300万を超える
と高温にしても可塑剤との融解速度が遅くなり生産性が
低下する傾向となる。
【0015】アクリルポリマーは、好ましくは平均粒径
1mm以下の微粒子、特に好ましくは0.1〜5μの一
次粒子が凝集してできた10〜100μの粉粒状アクリ
ルポリマーである。ポリマー(樹脂)微粒子の粒径は、
大きすぎると可塑剤に均一に分散しがたくなり、又高温
にしても可塑剤の融解速度が遅くなり生産性が低下する
傾向となる。
【0016】本発明のアルキレンエーテルグリコールの
モノカルボン酸エステルとは、アルキレンエーテルグリ
コールとモノカルボン酸とのエステル化物である。該エ
ステルの合成に用いられるアルキレングリコールのアル
キル基の炭素数は初期粘度と粘度安定性から好ましくは
3〜12である。
【0017】特に好ましい可塑剤が、下記の一般式
〔I〕で表されるアルキレンエーテルグリコールのモノ
カルボン酸エステルである。
【0018】
【化3】Cm1Hn1COO−(CHR1−CH2−O)p−
COCm2Hn2
【0019】式中、m1,m2は4〜12の整数、n1,n2は5
〜25の整数、R1 はCH3またはH、pは2〜12の
整数であり、更に、好ましくは式中のm1,m2は6〜8の
整数、n1,n2は5〜17の整数、R1 はCH3またはH、
pは2〜6の整数である。
【0020】ここでpが13以上になると、該アルキレ
ンエーテルグリコールのモノカルボン酸とのエステルと
アクリル樹脂との相溶性が悪くなり、又成形シートの非
ブリード性が悪くなる傾向がある。pが2〜12の場
合、炭素数の大小により、相溶性等に若干の差はある
が、配合がし易く、成形加工も容易である。
【0021】本発明のアルキレンエーテルグリコールと
しては、好ましくは脂肪族のものであり、例えば、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量2
00〜600)、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピ
レングリコール、ポリプロピレングリコール(分子量3
00〜800)等が挙げられる。又、これらを混合して
用いても良い。
【0022】本発明のモノカルボン酸としては、例え
ば、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カ
プリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、
安息香酸、トルイル酸、クミン酸等があるが、好ましく
は炭素数4〜12の酸、更に好ましくは6〜8の酸で、
特にカプリン酸や安息香酸が好ましい。
【0023】アルキレンエーテルグリコールのモノカル
ボン酸エステル可塑剤の製造は、モノカルボン酸とアル
キレンエーテルグリコール及びエステル化反応触媒を投
入し、通常のエステル化反応によって容易に合成でき
る。モノカルボン酸とアルキレンエーテルグリコールと
のエステル化は、少なくともモノカルボン酸が、グリコ
ールの片方にエステル結合する必要があるので、モノカ
ルボン酸とグリコールとの仕込み比率は、好ましくはグ
リコール1モルに対してモノカルボン酸1〜2.5モル
である。従って本発明のモノカルボン酸エステルは、グ
リコールの両末端及び/又はグリコールの片末端にモノ
カルボン酸がエステル結合した化合物の混合物、或いは
単独化合物を云う。更にエステル化反応を容易にするた
めに少量の溶剤を添加しても良い。
【0024】本発明のアクリル樹脂組成物において、可
塑剤であるアルキレンエーテルグリコールのモノカルボ
ン酸エステルは、好ましくは液状であり、アクリル樹脂
100重量部に対して、10〜150重量部程度配合さ
れるのが好ましく、特に好ましくは、30〜100重量
部である。
【0025】本発明のアクリル樹脂組成物には、本発明
の可塑剤以外の可塑剤を併用しても良い。併用する可塑
剤としては、例えば、フタル酸エステル、燐酸エステ
ル、セバシン酸エステル、エポキシ化エステル、ポリエ
ステルなどの可塑剤が挙げられる。また必要に応じて、
充填剤、顔料、加工助剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、その他の添加剤等を配合することが
できる。
【0026】本発明のアクリル樹脂組成物のカレンダー
成形法とは、その方法は特に限定されるものではない
が、例えば、フィルム、シート、板など成形物に成形す
るには、アクリル樹脂、可塑剤、必要に応じて、充填
剤、顔料、加工助剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、その他の添加剤等を、高速ミキサー、
ヘンシェルミキサーやタンブラー型ブレンダー等で混合
(配合)撹拌してドライアップし、次いでこれをバンバ
リーミキサー、ミキシングロール、押出機等の混練機で
好ましくは120〜190℃で混練した後、熱入れ工程
を経て、4本逆L型等カレンダーロール装置や二本ロー
ル装置などに送られ、好ましくは150〜190℃で圧
延工程を行い、所定の厚み、幅、長さを調整される。厚
みの必要な成形物とする場合には、さらにこれら圧延シ
ートを積層して加熱プレス工程を設けて板状に成形す
る。
【0027】また、本発明で使用されるアルキレンエー
テルグリコールのモノカルボン酸エステルは、アクリル
系樹脂以外のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン等の可塑剤、
添加剤としても利用できる。
【0028】
【作用】メチルメタアクリレートを主成分とするポリマ
ーに、上記の特定のアルキレンエーテルグリコールのモ
ノカルボン酸エステルを配合することにより、ロール加
工時においてロールに適度に密着し、ロール加工が容易
にでき、可塑剤とアクリル樹脂の相溶性が優れ、加熱溶
融した後でも物性バランスがよく、可塑剤のブリード等
のないアクリル樹脂系組成物を得ることができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を、実施例、比較例により詳細
に説明するが本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。以下において部および%は特に断わりのないか
ぎりすべて重量基準であるものとする。
【0030】[参考例1] <アクリル樹脂の製造>撹拌機、還流冷却管、窒素導入
管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水を
570部、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エ
ステル(花王(株)製、;商品名:レベノールWZ)1
8.6部及びメタクリル酸メチル210部を仕込んで、
窒素雰囲気中、150rpmで攪拌しながら70℃に昇
温した。しかる後、過硫酸アンモニウムの0.4部とイ
オン交換水90部とから成る触媒液を、窒素雰囲気下で
4時間にわたって滴下し、反応を行った。更に、PHを
5.5に調整後過硫酸アンモニウムの0.2部を添加し
てから、70℃に保持しながらメタクリル酸メチル90
部1時間にわたって滴下した。更に80℃に昇温して1
時間保持後、反応を終了した。その後、内容物を冷却
し、アンモニア水でPH6に調整し、更に固型分濃度が
19%になるように脱イオン水で調整し、100メッシ
ュ金網で濾過した。引き続いて、かくして得られた反応
液を、アトマイザー式噴霧乾燥機にて乾燥せしめて粉粒
状アクリル樹脂[S1]を得た。得られたアクリル樹脂
[S1]は分子量が105万で、電子顕微鏡(日本電子
(株)製:)で観察した噴霧乾燥後の樹脂粒径は10〜
40μであった。
【0031】[参考例2] <アクリル樹脂の製造>撹拌機、還流冷却管、窒素導入
管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水を
570部、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エ
ステル(花王(株)製、;商品名:レベノールWZ)1
8.6部及びアクリル酸エチル157部、メタクリル酸
メチル53部を仕込んで、窒素雰囲気中、150rpm
で攪拌しながら70℃に昇温した。しかる後、過硫酸ア
ンモニウムの0.4部とイオン交換水90部とから成る
触媒液を、窒素雰囲気下で4時間にわたって滴下し、反
応を行った。更に、PHを5.5に調整後、過硫酸アン
モニウムの0.2部を添加してから、70℃に保持しな
がらメタクリル酸メチル90部1時間にわたって滴下し
た。更に80℃に昇温して1時間保持後、反応を終了し
た。その後、内容物を冷却し、アンモニア水でPH6に
調整し、更に固型分濃度が19%になるように脱イオン
水で調整し、100メッシュ金網で濾過した。引き続い
て、かくして得られた反応液を、アトマイザー式噴霧乾
燥機にて乾燥せしめて粉粒状アクリル樹脂[S2]を得
た。得られたアクリル樹脂[S2]は分子量が95万
で、電子顕微鏡(日本電子(株)製:)で観察した噴霧
乾燥後の樹脂粒径は20〜50μであった。
【0032】[実施例1]参考例1で作成したアクリル
樹脂100重量部に対して、液状ヘキサエチレングリコ
ールジカプリレート50重量部を配合吸収させ、二本ロ
ールで170℃で5分間混練してロール加工性を評価し
た。引き続いて得られたロールシートを180℃で5分
間プレスして1mm厚のプレスシートを得た。得られた
アクリル樹脂系組成物シートについて、性能評価を行う
ために引張り物性、熱老化性、および相溶性試験を行
い、結果を表1に示した。試験方法及び評価基準は以下
の通りである。
【0033】(ロール加工性試験)6インチ二本ロール
を用いて、170℃に加温しておいて樹脂100重量
部、可塑剤50重量部を秤取して、予備混合後5分間か
けてロール混練した。ロール表面への過度の密着や、過
度の剥離性を肉眼で評価した。
【0034】(評価基準) ○:ロール表面に適度に密着していた。 △:ロール表面にやや密着し過ぎたり、逆にやや剥離し
ていた。 ×:ロール表面に過度に密着したり、逆に過度に剥離し
ていた。
【0035】(シート強度試験)上記の熱プレスで作成
したシートからJIS3号ダンベルの型に打ち抜き試験
片とし、引張試験での破断強度を下記の条件で測定し
た。 引張試験機;島津(株)製オートグラフAG−5000
C 引張速度(クロスヘッドスピード);200mm/分 チャック間距離;50mm
【0036】(評価基準) ○:充分な強度と、伸びを有するシートが得られた。 △:シートは得られたが、強度、伸び共に不充分であっ
た。 ×:シートが得られなかった。
【0037】(シート熱老化性試験)上記の熱プレスで
作成したシートからJIS3号ダンベルの型に打ち抜き
試験片とし、ギアオーブンに100℃で48hr熱老化
試験後、引張試験での破断強度を下記の条件で測定し
た。 引張試験機;島津(株)製オートグラフAG−5000
C 引張速度(クロスヘッドスピード);200mm/分 チャック間距離;50mm
【0038】(評価基準) ○:減量が少なく、強度と、伸びの保持率変化が小さか
った。 △:減量がやや大きく、強度と、伸びの保持率変化がや
や大きかった。 ×:減量が大きく、強度と、伸びの保持率変化が大きか
った。
【0039】(相溶性試験)上記のロール加工で作成し
た厚み1mmのシートから30×50mmの短冊状に切り
出したシートを70℃、95%RHの恒温、恒湿室に放
置し、7日後に、シート表面へのエステルのブリードの
程度を目視判定によって評価した。
【0040】(評価基準) ○:ブリードしていなかった。 △:かすかにブリードしていた。 ×:激しくブリードしていた。
【0041】[比較例1]実施例1における、参考例1
のアクリル樹脂の代わりに同量の参考例2のアクリル樹
脂に変えたことの他は、実施例1と同様にしてロール加
工性及びシート物性を評価した。得られたアクリル樹脂
系組成物について、実施例1と同様に性能評価を行い、
結果を表1に示した。
【0042】[比較例2]実施例1における、ヘキサエ
チレングリコールジカプリレートの添加を同量のジオク
チルフタレート(DOP)に変えたことの他は、実施例
1と同様にしてアクリル樹脂系組成物を調製した。得ら
れたアクリル樹脂系組成物について、実施例1と同様に
性能評価を行い、結果を表1に示した。
【0043】[比較例3]実施例1における、ヘキサエ
チレングリコールジカプリレートの添加を同量のジブチ
ルフタレート(DBP)に変えたことの他は、実施例1
と同様にしてアクリル樹脂系組成物を調製した。得られ
たアクリル樹脂系組成物について、実施例1と同様に性
能評価を行い、結果を表1に示した。
【0044】[実施例2]実施例1における、ヘキサエ
チレングリコールジカプリレートの添加量を50重量部
から70重量部に変えたことの他は、実施例1と同様に
してアクリル樹脂系組成物を調製した。得られたアクリ
ル樹脂系プラスチゾル組成物について、実施例1と同様
に性能評価を行い、結果を表2に示した。
【0045】[実施例3]実施例1における、ヘキサエ
チレングリコールジカプリレートの添加を同量のトリプ
ロピレングリコールジベンゾエートに変えたことの他
は、実施例1と同様にしてアクリル樹脂系組成物を調製
した。得られたアクリル樹脂系組成物について、実施例
1と同様に性能評価を行い、結果を表2に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明のアクリル樹脂組成物は、メチル
メタアクリレートを主成分とするポリマーに特定のアル
キレンエーテルグリコールのモノカルボン酸エステルを
配合しすることにより、ロール加工性に優れ、成形加工
が容易にでき、可塑剤とアクリル樹脂の相溶性に優れ、
加熱溶融した後でも可塑剤のブリード等のないアクリル
樹脂系組成物が得られ、該組成物を使用すると、軟質塩
化ビニル樹脂組成物と同様に成形加工、製品化すること
が可能となる。また、塩化ビニル樹脂を使用しないの
で、近年、問題となってきている環境問題にも適応する
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA22X AA28X AA33 AA33X AA34X AA51 AA81 AC06 AE04 AH03 AH11 AH19 BA01 BB04 BC01 4F204 AA21A AB07 AB19 AG01 AH26 AH48 AH59 AH62 FA07 FB02 FF01 4J002 BG061 CH052 EH156 FD010 FD020 FD022 FD026 FD050 FD070 FD090 FD100 FD170

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルメタアクリレートを主成分とする
    アクリルポリマーと、可塑剤とからなるアクリル樹脂組
    成物であって、可塑剤が下記の一般式〔I〕で表される
    アルキレンエーテルグリコールのモノカルボン酸エステ
    ルであることを特徴とするカレンダー成形用アクリル樹
    脂組成物。 【化1】Cm1Hn1COO−(CHR1−CH2−O)p−
    COCm2Hn2 〔式中、m1、m2は4〜12の整数、n1、n2は5〜25の
    整数、R1 はCH3またはH、pは2〜12の整数〕
  2. 【請求項2】アクリルポリマーが、分子量30万以上の
    粉粒状の樹脂であることを特徴とする請求項1のカレン
    ダー成形用アクリル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 可塑剤の一般式〔I〕で表されるアルキ
    レンエーテルグリコールのモノカルボン酸エステルにお
    ける式中のm1,m2は6〜8の整数、n1,n2は5〜17の整
    数、R1 はCH3またはH、pは2〜6の整数であるこ
    とを特徴とする請求項1のカレンダー成形用アクリル樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかのアクリル樹脂
    組成物からなることを特徴とする成形物。
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