JP2020521639A - 仕上げ列において磨耗体を用いて金属ストリップを案内するデバイス - Google Patents

仕上げ列において磨耗体を用いて金属ストリップを案内するデバイス Download PDF

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Abstract

本願は、仕上げ列の2つの圧延スタンド(2、3、8、9)間にあるループリフタ(4、12)を越えて進行する金属ストリップ(1、13)を横方向に案内するデバイスに関する。デバイスは、案内面(15)を備えた少なくとも1つの主本体モジュール(14)と、またいくつかの回転位置へ回動することが可能である磨耗面(21、22、23)を備えたいくつかの磨耗体(18、19、20)とを含む。少なくとも2つの磨耗体(18、19、20)が、圧延スタンド(2、3、8、9)のうち1つとループリフタとの間にそれぞれ配置されており、ループリフタ(4、12)の方向に見ると、隣接する磨耗体(18、19、20)の磨耗面(21、22、23)の表面積が増大する。設置の作業工程中、金属ストリップ(1、13)が進行している間に、磨耗体のうち少なくとも1つが回動する。

Description

本発明は、異なる経路を通って、仕上げ列の2つの圧延スタンド間の様々な位置に調節可能なループリフタを越えて進行する金属ストリップを横方向に案内するデバイスに関する。
金属ストリップの製造において、金属ストリップは、仕上げ列内の反転台における圧延後、複数の圧延スタンド内で継続的に圧延され、層流冷却を備えた圧延テーブルにより巻線デバイスへ方向付けられ、そこで前記金属ストリップは螺旋状に巻かれる。仕上げ列において、金属ストリップは、圧延スタンドのロール間隙への中心送り込みが実施されるために、側面に沿った案内を受ける必要がある。側面に沿った案内のためのデバイスが案内定規と呼ばれる。側面に沿った案内のためのデバイスが接して動作する、進行する金属ストリップの縁部が、案内定規に固定されている磨耗ストリップ又は前記磨耗ストリップの磨耗面それぞれに磨耗を引き起こす。ある材料品質の場合には、ストリップ縁部は擦り減る。すり減った材料は案内定規に接着する可能性があり、いわゆる堆積群を生み出す。万一堆積群が金属ストリップ上へ落下したら、これは、金属ストリップ上の表面欠陥の原因になる可能性がある。従って、磨耗ストリップの磨耗面は、製造計画に応じて定期的に修理調整され、クリーニングされなければならない。
複雑さを最小限にするために、案内定規の磨耗ストリップ全体が、修理調整時に必ずしも交換されるとは限らないことが知られている。例えば、それは特許文献1に記載されており、金属ストリップを案内する回転可能な磨耗部材が、案内面を有する主部材モジュール内にも存在するという該文献の開示は、本願の開示に援用されている。特許文献1によれば、制御下の磨耗部材は複数の定められた回転位置へ回転可能である。第1の金属ストリップが金属ストリップコンベヤデバイスを通過したら、第2の金属ストリップが金属ストリップコンベヤデバイス内へ進行する前に、制御下の磨耗部材は第1の定められた回転位置から第2の定められた回転位置へ回転する。第2の金属ストリップは、第1の金属ストリップにより磨耗部材の磨耗面に切り込まれた、磨耗によるわだち掘れを通過して進行しない。代りに、前記第2の金属ストリップは、初めて金属ストリップに暴露される磨耗面の領域を通って案内され、そこに新しい磨耗によるわだち掘れを着実に刻む。
金属ストリップの長さは仕上げ列内での圧延時に修正される。長さに関する修正に関わらず、より簡単な方法でストリップの張力を調節するか又は前記ストリップの張力を維持するいわゆるループリフタが、仕上げ列の圧延スタンド間にそれぞれ設置される。これは本明細書では実質的にローラであり、その水平回転軸は垂直に調節可能である。金属ストリップはループリフタローラにより張力をかけられ、案内され、前記ループリフタローラの表面が仕上げ列のパスラインの上方にある場合にはルーパローラとも呼ばれる。ロールにより引き延ばされ、加速させられた金属ストリップが張力をかけられた状態に保たれるために、ループリフタローラは、金属ストリップにより生成され且つループリフタローラに作用する力に応じて、パスラインから上方へ移動する。ループリフタローラの回転軸がパスラインの上方遠くにあるほど、後続のロール間隙内へのストリップ送り込み角度、又は前のロール間隙からのストリップ送り出し角度が大きく、金属ストリップは、いずれの場合にも、2つのロール間隙間に別の経路を有する。各ストリップ送り込み角度若しくはストリップ送り出し角度で、又は各経路に関してそれぞれ、金属ストリップの側面に沿った案内が存在するべきである。
スタンドの領域内に利用可能な空間が少ししかなく、約1100℃の温度で金属ストリップを圧延するために高温になっているので、ループリフタの領域内での案内磨耗面の交換又は手作業のクリーニングは非常に複雑で、危険である。結果として、そのような活動は仕上げ列の停止中に行われ得る。
国際公開第2015−043926号パンフレット 欧州特許出願公開第2283941号明細書
本発明の目的は、仕上げ列内でループリフタにより案内される金属ストリップの側面に沿った案内の場合に、磨耗部品の交換又は磨耗面のクリーニングそれぞれの複雑さ及び要求の頻度が各ストリップ送り込み角度又はストリップ送り出し角度それぞれの場合に最小限にされる、仕上げ列、デバイス、及びデバイスを動作させる方法を提案することである。
本目的は、少なくとも2つの圧延スタンドと、2つの隣接する圧延スタンド間に配設されており、様々な位置に調節可能な少なくとも1つのループリフタとを有し、
且つ異なる経路を通って、2つの圧延スタンド間にあるループリフタを越えて進行する金属ストリップを横方向に案内する少なくとも1つのデバイスを有する、仕上げ列であって、
側面に沿った案内のための前記デバイスは、略垂直な案内面を有する少なくとも1つの主部材モジュールと、
複数の回転位置へ回転可能な且つ磨耗面を有する複数の磨耗部材であり、
磨耗部材の磨耗面は略平面であり、すべての回転位置において案内面に略平行である、複数の磨耗部材とを含む、
仕上げ列において、
少なくとも2つの磨耗部材が、いずれの場合にも、圧延スタンドのうち1つとループリフタとの間に配設されており、
隣接する磨耗部材の磨耗面の面積は、ループリフタの方向に見た場合に増大する
ことを特徴とする、仕上げ列により達成される。
仕上げ列は少なくとも2つの圧延スタンドを有する。ストリップの進行方向に見た場合、少なくとも1つのループリフタが2つの隣接する圧延スタンド間に配設されている。3つ以上の圧延スタンドが存在する場合も、少なくとも1つのループリフタが2つの隣接する圧延スタンド間に繰り返し存在し得る。本明細書における「隣接する」は「最も近接した」を意味すると理解されるべきである。例えば、3つの圧延スタンドA、B、Cが存在する場合、1つのループリフタが隣接物AとBとの間に存在することができ、1つのループリフタが隣接物BとCとの間に存在し得る。ストリップの進行方向に見た場合、AとBとは隣接物であり、BとCとは隣接物であるが、AとCとは隣接物ではない。
側面に沿った案内のための少なくとも1つのデバイスが仕上げ列内に存在し、前記デバイスは、2つの隣接する圧延スタンド間にあるループリフタを越えて進行する金属ストリップを案内する。いずれの場合にも、2つの隣接する圧延スタンドのうち1つと、前記2つの隣接する圧延スタンド間にあるループリフタとの間に少なくとも2つの磨耗部材を有する、側面に沿った案内のためのデバイスでは、ループリフタの方向に見た場合、隣接する磨耗部材の磨耗面の面積は1つの磨耗部材から別の磨耗部材へと増大する。換言すれば、隣接する磨耗部材の場合には、ループリフタにより近接して置かれている磨耗面は、ループリフタからより遠隔の磨耗部材の場合よりも大きい。本明細書における「隣接する」は「最も近接した」を意味すると理解されるべきである。
金属ストリップは例えば鋼鉄ストリップ又はアルミニウムストリップである。
案内面を有する主部材モジュールは、例えば、金属ストリップを案内するのに適した面を有するいわゆる案内定規であり、前記面は案内面である。前記案内面は、支持部材に固定されている1つ又は複数の磨耗板により形成されることが可能であり、支持部材及び磨耗板はこの例では主部材モジュールを結合形成している。側面に沿った案内のためのデバイスは1つの主部材モジュール又は複数の主部材モジュールを含み得る。例えば2つの主部材モジュールでは、各1つが金属ストリップの一方の側面を案内するためのものである。案内面は、金属ストリップの側面との接触により、金属ストリップを横方向に案内するのに役立つ。前記案内面は、金属ストリップが横方向に案内されるため、前記案内面の方向の、金属ストリップの移動の自由を制限する。案内面は略垂直であるために調整される。
主部材モジュールから離れて、側面に沿った案内のためのデバイスはまた、磨耗面を有する複数の磨耗部材をさらに含む。磨耗部材は、金属ストリップを案内することの結果として、具体的には磨耗面と呼ばれる領域に磨耗を被る部材である。磨耗部材は主部材モジュール以外の構成要素であるが、主部材モジュール内に挿入され得るか、又はそれに固定され得る。磨耗部材は、少なくとも1つの磨耗面を有し、金属ストリップの案内時、前記磨耗面は金属ストリップに面しており、横方向に案内する過程で、金属ストリップとの接触が原因で磨耗する。金属ストリップは磨耗部材に切り込み、従って磨耗部材上に磨耗を引き起こす。
非磨耗状態の磨耗面は略平面である。磨耗面は、動作中に金属ストリップを案内するために設けられている磨耗部材の領域である。これは、前記面が案内するために使用され且つ磨耗する前の面である可能性がある。また、これは、以前に起こった磨耗のために既にすり減っており、案内するために再使用される面である可能性がある。当然、いわゆる磨耗部材はまた、例えば仕上げ列のパスラインからの前記領域の距離によって、動作中に金属ストリップと接触しない領域を有し得る。
「実質的に」という表現は、平面、垂直、平行の要求特性からの僅かなずれが許容範囲にあることを示唆するためのものである。例えば、平行又は垂直それぞれに関するずれが最大5°、好ましくは最大2°である。
磨耗部材は円形である可能性があるか、又は他の輪郭を有し得る。
磨耗部材は複数の回転位置へ回転可能である。従って、前記磨耗部材は少なくとも2つの回転位置を取ることができ、操作者は前記回転位置間で選択することができ、開ループで及び/又は閉ループで回転を相応に制御することができる。本明細書において、これは、前記磨耗部材が回転している間に、磨耗部材が複数の回転位置を連続的に取ることを含む。磨耗部材は、前記磨耗部材が回転により到達した所望の回転位置に固定されることが可能であるか、又は他に、さらなる回転によりさらなる回転位置へ回転し得る。本明細書において、また、回転は非常にゆっくり、例えば12時間で1回転、実施されることが可能であり、複数の回転位置は12時間で連続して取られる。
ループリフタが仕上げ列の2つの圧延スタンド間に存在する。少なくとも2つの磨耗部材が、側面に沿った案内のためのデバイス内の、圧延スタンドとループリフタとの間に設けられている。
隣接する磨耗部材の磨耗面の面積はループリフタの方向に増大する。例えば、3つの磨耗部材が圧延スタンドとストリップの進行方向に従うループリフタとの間に配設された場合、圧延スタンドに直接隣接する磨耗部材は3つの磨耗部材のうち最小面積を有し、ループリフタに直接隣接する磨耗部材は最大面積を有する。中心磨耗部材は、圧延スタンドに直接隣接するその隣接物よりも大きい面積を有し、ループリフタに直接隣接するその隣接物よりも小さい面積を有する。これらが円形磨耗部材である場合、圧延スタンドに直接隣接する磨耗部材は、このように、最小直径を有し、ループリフタに直接隣接する磨耗部材は最大直径を有し、それらの間に配設されている磨耗部材は中間の直径を有する。
例えば圧力又は力により閉ループで制御されるループリフタは様々な位置に調節可能であり、仕上げ列の動作中、金属ストリップの特性に応じて様々な位置に置かれる。ループリフタの各位置では、圧延スタンドと直接隣接するループリフタとの間にある金属ストリップのために別の経路が生じ、ストリップ送り込み角度及びストリップ送り出し角度それぞれはいずれの場合にも異なる。ストリップ送り込み角度及びストリップ送り出し角度それぞれは、2つの圧延スタンドのロール間隙が存在する平面を基準とし、金属ストリップは(ストリップの進行方向に見た場合)第1の圧延スタンドのロール間隙を出て、前記金属ストリップが偏向されるループリフタローラを経由して、最も近接したスタンドの方向にその経路を進行する。そこから、前記金属ストリップは、(ストリップの進行方向に見た場合)第2の圧延スタンドのロール間隙内へ進行する。
[本発明の有利な効果]
磨耗部材が回転軸を中心として回転可能である。回転軸は磨耗面に対して垂直であることが好ましい。磨耗部材は、ディスクの底部領域により形成されている平面磨耗面を有する円形ディスクであることが特に好ましい。
磨耗部材の磨耗面の領域の磨耗が許容可能なレベルを超過することを防止するために、磨耗部材は、別の領域が金属ストリップの縁部に対向させられるために、回転軸を中心として回転することができ、案内の結果として、金属ストリップは前記縁部のところですり減る。他の領域が金属ストリップの縁部に継続的に対向させられ且つ従って磨耗は磨耗面全体に亘って均等に分配されるので、磨耗面又は磨耗部材それぞれを交換する要求は複数の回転により遅延され得る。交換要求の頻度が低くなるので、従って、磨耗部品の交換の複雑さは低減される。さらに、また、いわゆる堆積群が一か所に蓄積しないことが確実にされ得る。従って、金属ストリップ上へ落下する前記堆積のリスクは最小限にされる。さらに、また、既存の堆積群は、任意選択で、磨耗部材の別の回転位置において金属ストリップからやはり研削され得る。
圧延スタンドからループリフタの方向に、金属ストリップは仕上げ列のパスラインからさらにずっと離れて移動する。別の送り込み角度及び送り出し角度ならびに従って別の経路は、ループリフタの各位置に関して生じる。
本発明による1つの仕上げ列では、又は本発明によるデバイスにより、それぞれ磨耗板による側面に沿った案内が、仕上げ列のパスラインと金属ストリップとの間の各角度で可能である。これは、ループリフタへの近接が増大するにつれて磨耗板がより大きな面積を有するので可能にされ、従ってまた、パスラインからの金属ストリップの距離が増大する時に側面に沿った案内を実現し得る。過剰な磨耗の場合に前記構成要素が簡単に交換され得るように、磨耗部材は交換可能であることが好ましい。磨耗部材の理由だけで側面に沿った案内はやはり十分なので、例えば比較的より複雑な磨耗板などの、主部材モジュール又は主部材モジュールの部品それぞれの交換の要求の頻度がより低い。磨耗部材は様々な回転位置へ回転し得るので、磨耗が分配されることが可能であり且つ交換要求の頻度が低くなるため、磨耗面の新しい領域が常にやはり擦り減る可能性がある。このことは、側面に沿った案内のためのデバイスの保守の観点から、複雑さとコストを割り引く。
1つの好適な実施形態によれば、少なくとも1つの磨耗部材が少なくとも1つの主部材モジュールの陥凹部内に配設されることが可能である。少なくとも1つの磨耗部材が少なくとも1つの主部材モジュールの陥凹部内に配設された場合、例えば磨耗部材の磨耗面が主部材モジュールの案内面を越えて突出しないが前記案内面内に少なくとも部分的に存在する場合、主部材モジュール及び磨耗部材により、金属ストリップの同時案内が実施されることが可能である。これは、本発明に従って要求されているように磨耗面が略平面であり、案内面に平行に存在し、案内面に平行であることが、案内面と共に1つの平面内にあることも含む場合である可能性がある。又は磨耗部材の磨耗面が主部材モジュールの案内面を越えて突出せず且つ前記案内面内に存在しないが主部材モジュールの案内面よりも金属ストリップからさらに遠隔に存在する場合、具体的には、前記金属ストリップがやはり磨耗面と接触し且つそのために案内される程、主部材モジュール内へ金属ストリップがさらに切り込む場合である可能性がある。
陥凹部は円形であることが好ましい。前記陥凹部が前記磨耗部材の回転軸に関して回転対称である場合、これは、前記陥凹部内に配設されている磨耗部材の簡単な回転を可能にする。陥凹部が主部材モジュールにより完全に取り囲まれていない場合、本実施形態における主部材モジュールにある陥凹部の外縁は円の一部を辿る。陥凹部は他の形状も有し得る。
略垂直な案内面を有する少なくとも1つの主部材モジュールを含む、仕上げ列内の金属ストリップ運搬デバイスの全体に亘って進行している金属ストリップの側面に沿った案内のための、本発明によるデバイスにおいて随意にやはり使用され得る、磨耗部材の実施形態に属する変形形態が、特許文献1に由来するものであり、文献の開示は本願の開示に援用されている。
本発明による仕上げ列内の磨耗部材は、各経路が各磨耗面を横断して通じているように配設されていることが好ましい。従って、圧延スタンドとループリフタとの間にある磨耗板の各々に前記経路が部分的に存在することは各経路に当てはまり、この例では、ループリフタローラとパスラインとの間の間隔とは無関係に、全磨耗部材が側面に沿った案内に関与している。
本発明のさらなる主題が、異なる経路を通って、仕上げ列の2つの圧延スタンド間の様々な位置に調節可能なループリフタを越えて進行する金属ストリップを横方向に案内するデバイスであって、
略垂直な案内面を有する少なくとも1つの主部材モジュールと、
複数の回転位置へ回転可能な且つ磨耗面を有する複数の磨耗部材であり、磨耗部材の磨耗面は略平面であり、すべての回転位置において案内面に略平行である、複数の磨耗部材とを含む、
デバイスにおいて、
少なくとも2つの磨耗部材が、少なくとも1つの主部材モジュール内に配設されており、隣接する磨耗部材の磨耗面の面積は異なる大きさである、
ことを特徴とする、デバイス。
そのようなデバイスは、本発明による仕上げ列が作り出されるように、例えば従来の仕上げ列内に設置され得る。又は前記デバイスは、本発明による既存のデバイスを交換するために、若しくは仕上げ列内の本発明による既存のデバイス数を増やすために、本発明による仕上げ列内に設置され得る。
本発明によるデバイスでは、主部材モジュール内で直接隣接する磨耗部材の磨耗面の面積が、主部材モジュールの長手方向範囲の方向に見た場合、1つの磨耗部材から別の磨耗部材へと増大することが好ましい。
仕上げ列内での動作のために圧延スタンドとループリフタとの間に設置された状態における、主部材モジュールの長手方向範囲が、圧延スタンドの方向にループリフタから又はループリフタの方向に圧延スタンドからそれぞれ、従って動作中に横方向に案内される金属ストリップが仕上げ列を通って進行する方向に若しくはその反対方向に見られる。
既に前述されている仕上げ列に関する効果が得られる。
本発明によるデバイス内の磨耗部材は、各経路が各磨耗面を横断して通じているように配設されていることが好ましい。従って、前記経路が、圧延スタンドとループリフタとの間にある磨耗板の各々に部分的に存在することが各経路に当てはまり、この例では、全磨耗部材は、ループリフタローラとパスラインとの間の間隔とは無関係に側面に沿った案内に関与している。
換言すれば、動作中に仕上げ列内で、異なる経路を通って、仕上げ列の2つの圧延スタンド間の様々な位置に調節可能なループリフタを越えて進行する金属ストリップを横方向に案内する、本発明によるデバイスが、
略垂直な案内面を有する少なくとも1つの主部材モジュールと、複数の回転位置へ回転可能な且つ磨耗面を有する複数の磨耗部材であり、磨耗部材の磨耗面は略平面であり、すべての回転位置において案内面に略平行である、複数の磨耗部材とを含み、
少なくとも2つの磨耗部材が、いずれの場合にも、圧延スタンドのうち1つとループリフタとの間に配設されており、
隣接する磨耗部材の磨耗面の面積は、ループリフタの方向に見た場合に増大し、
本明細書において、磨耗部材(18、19、20)は、各経路が各磨耗面(21、22、23)を横断して通じているように配設されていることが好ましい。
本発明による前記デバイスは、請求項1又は2に記載の仕上げ列内での側面に沿った案内に適している。
本発明のさらなる主題が、側面に沿った案内のために、本発明による仕上げ列又は本発明によるデバイスを動作させる方法であり、
該方法において、
金属ストリップが進行している間に磨耗部材のうち少なくとも1つが回転することを特徴とする。
前記少なくとも1つの磨耗部材は、回転中に複数の回転位置を取る。本明細書における回転は、例えば12時間に1回転で、非常にゆっくり実施されることも可能である。また、回転は間隔により中断され得る。回転の理由で、磨耗部材の磨耗は磨耗面全体に亘って均一に分配されることが可能であり、これは交換間隔を延ばすのに役立つ。回転は、特許文献1の場合のように、定められた回転位置まで実施されることが可能であり、また、前記回転は、特定の回転位置が特定の時点で取られることが操作者により予め定められていないという意味で、回転軸に関して、定められていない回転位置まで実施され得る。
金属ストリップの異なる経路がループリフタの各位置に関して生じる。金属ストリップにより辿られる経路はループリフタの位置に応じて異なる。金属ストリップが進行している間に、好ましくは回転した磨耗部材により側面に沿った案内が実施されている間に、回転が起こる。
各磨耗部材による側面に沿った案内が各経路上で実施されることが好ましい。従って、圧延スタンドとループリフタとの間にある磨耗面の各々に前記経路が部分的に存在することが各経路に当てはまり、本例では、全磨耗部材が、ループリフタローラとパスラインとの間の間隔とは無関係に、側面に沿った案内に関与している。
本発明は、概略的な図を用いて、以下に例示的に記載される。
仕上げ列の2つの圧延スタンド間にあるループリフタを越えて進行する金属ストリップを横方向に案内する従来のデバイスを概略的に示す図である。 本発明による仕上げ列内に設置された場合、前記デバイスが動作中である時の、本発明によるデバイスの実施形態を概略的に示す図である。
[例]
側面図の図1は、金属ストリップ1が、矢印で指示されている方向に、従来のデバイス内の、仕上げ列の2つの圧延スタンド2、3間にあるループリフタ4を越えてどのように進行するかを断片的に示す。板状磨耗ストリップ5a、5bが、進行する金属ストリップ1が横方向に案内されるように、ループリフタ4の右側及び左側に存在している。ループリフタ4は様々な位置に調節可能であり、これは両方向矢印で示されている。位置に応じて、金属ストリップ1は、ストリップの進行方向に第1の圧延スタンド2のロール間隙6から、ストリップの進行方向に第2の圧延スタンド3のロール間隙7内へ、異なる経路を辿る。ループリフタ4の図示の位置に関連する経路のみが示されている。
図2は、本発明による仕上げ列内に設置された場合の動作中などの、側面に沿った案内のために本発明によるデバイスの実施形態を有する、本発明による仕上げ列の断片を示す。異なる経路10、11を通って、仕上げ列の2つの圧延スタンド8、9間の様々な位置に調節可能なループリフタ12を越えて進行している金属ストリップ13が、側面図に示されている。金属ストリップの進行方向は矢印で示されている。略垂直な案内面15を有する主部材モジュール14が示されており、前記主部材モジュール14は、ストリップの進行方向に見た場合に最後の圧延スタンド8とループリフタ12との間に配設されている。金属ストリップ13が越えて進行するループリフタ12は様々な位置に設置されることが可能であり、このことは、実線輪郭線16及び破線輪郭線17により、ループリフタローラの2つの位置に関して示されている。ループリフタの最上位位置を越えて金属ストリップ13により辿られる経路10は実線で示されており、ループリフタの下方位置を越えて辿られる経路11は破線で示されている。また、デバイスは、複数の回転位置へ回転可能な3つの磨耗部材18、19、20を含み、磨耗部材18、19、20の磨耗面21、22、23は略平面であり、すべての回転位置において、主部材モジュール14の案内面15に平行である。3つの磨耗部材18、19、20は、ストリップの進行方向に見た場合に最後の圧延スタンド8とループリフタ12との間に配設されている。ロール間隙24からループリフタ12の方向に見た場合、隣接する磨耗部材18、19、20の磨耗面21、22、23の面積は、3つの円形磨耗部材18、19、20の直径が増大するので増大する。図示の実施形態では、各経路は各磨耗面21、22、23を横断して通じている。全磨耗部材18、19、20は、ループリフタローラとパスライン25との間に示されている間隔とは無関係に、側面に沿った案内に関与しており、前記パスラインは破線で示されている。磨耗部材18、19、20は図示の設備の動作において回転し、これは湾曲矢印で示されており、金属ストリップ13が進行しており且つ前記磨耗部材18、19、20により案内されている間に、様々な回転方向が可能である。ループリフタ12と圧延スタンド9との間に任意選択で存在する側面に沿った案内のための部品の図が、明確にするために省略されており、これは、例えば、図示の組立体に対して鏡対称である組立体とすることができる。
本発明を、好適な例示的実施形態を手段としてより詳細に説明し、記載したが、本発明は、開示された例により限定されず、他の変形形態が、本発明の保護範囲から逸脱することなく、当業者によりそこから導き出されることが可能である。
1 金属ストリップ
2 圧延スタンド
3 圧延スタンド
4 ループリフタ
5a 磨耗ストリップ
5b 磨耗ストリップ
6 ロール間隙
7 ロール間隙
8 圧延スタンド
9 圧延スタンド
10 経路
11 経路
12 ループリフタ
13 金属ストリップ
14 主部材モジュール
15 案内面
16 ループリフタローラの輪郭線
17 ループリフタローラの輪郭線
18 磨耗部材
19 磨耗部材
20 磨耗部材
21 磨耗面
22 磨耗面
23 磨耗面
24 ロール間隙
25 パスライン

Claims (7)

  1. 少なくとも2つの圧延スタンドと,2つの隣接する圧延スタンド間に配設されており且つ様々な位置に調節可能な少なくとも1つのループリフタとを有している仕上げ列であって、
    前記仕上げ列が、2つの圧延スタンド(2,3,8,9)の間に位置する前記ループリフタ(4,12)を介して異なる経路を通って進行する金属ストリップ(1,13)を横方向に案内するための少なくとも1つのデバイスを有しており、
    側面に沿った案内のための前記デバイスが、
    略垂直な案内面(15)を有する少なくとも1つの主部材モジュール(14)と、
    複数の回転位置に回転可能とされ且つ磨耗面(21,22,23)を有している複数の磨耗部材(18,19,20)であって、前記磨耗部材(18,19,20)の前磨耗面(21,22,23)が、略平面とされ、すべての前記回転位置において前記案内面(15)に略平行とされる、複数の前記磨耗部材(18,19,20)と、
    を備えている、前記仕上げ列において、
    少なくとも2つの前記磨耗部材(18,19,20)がそれぞれ、前記圧延スタンド(2,3,8,9)のうち一の圧延スタンドと前記ループリフタとの間に配設されており、
    隣接する前記磨耗部材(18,19,20)の前記磨耗面(21,22,23)の面積が、前記ループリフタ(4,12)に向かって見た場合に増大することを特徴とする仕上げ列。
  2. 前記磨耗部材(18,19,20)が、前記経路それぞれが前記磨耗面(21,22,23)それぞれを横断するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の仕上げ列。
  3. 仕上げ列の2つの圧延スタンド(2,3,8,9)の間の様々な位置に調節可能とされるループリフタ(4,12)を介して異なる経路を通って進行する金属ストリップ(1,13)を横方向に案内するためのデバイスであって、
    略垂直な案内面(15)を有している少なくとも1つの主部材モジュール(14)と、
    複数の回転位置に回転可能とされ且つ磨耗面(21,22,23)を有している複数の磨耗部材(18,19,20)であって,前記磨耗部材(18,19,20)の前記磨耗面(21,22,23)が、略平面とされ,すべての前記回転位置において前記案内面(15)に略平行とされる、複数の前記磨耗部材(18,19,20)と、
    を備えている前記デバイスにおいて、
    少なくとも2つの磨耗部材(18,19,20)が、少なくとも1つの主部材モジュール(4)の内部に配設されており、隣接する前記磨耗部材(18,19,20)の前記磨耗面(21,22,23)の面積が、異なる大きさとされることを特徴とするデバイス。
  4. 前記主部材モジュールの内部において直接隣接している前記磨耗部材の前記磨耗面の前記面積が、前記主部材モジュールの長手方向において見た場合に一方の磨耗部材から他方の磨耗部材に向かって増大することを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
  5. 前記磨耗部材(18,19,20)が、前記経路それぞれが前記磨耗面(21,22,23)それぞれを横断するように配設されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のデバイス。
  6. 請求項1若しくは2に記載の仕上げ列又は請求項3〜5のいずれか一項に記載のデバイスを動作させるための方法において、
    前記磨耗部材(18,19,20)のうち少なくとも1つの摩耗部材が、前記金属ストリップ(1,13)が進行している間に回転されることを特徴とする方法。
  7. 横方向の案内が、前記磨耗部材(18,19,20)それぞれによって前記経路(10,11)それぞれにおいて実施されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
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