JP2003230908A - 圧延機入側の圧延材冷却装置 - Google Patents

圧延機入側の圧延材冷却装置

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JP2003230908A
JP2003230908A JP2002086522A JP2002086522A JP2003230908A JP 2003230908 A JP2003230908 A JP 2003230908A JP 2002086522 A JP2002086522 A JP 2002086522A JP 2002086522 A JP2002086522 A JP 2002086522A JP 2003230908 A JP2003230908 A JP 2003230908A
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洋司 紺野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延機入側に設けた冷却装置による、圧延材
に対する冷却の冷却効率を向上させる。 【解決手段】 冷却水を噴射する噴射部材22を、サイ
ドガイド8の下側のこのサイドガイド8を開閉させるた
めの二本の開閉レール10の間にサイドガイド8のガイ
ド幅方向と平行に設ける。このとき、サイドガイド8を
構成する端面がコの字状の長尺の一対のガイド部材31
の噴射部材22と対向する位置を切り欠いて取付部36
を形成し、また、前記噴射部材22の上面に冷却水を噴
射するための噴射孔22aを複数形成する。そして、噴
射部材22を取付部36に嵌合させ、この噴射部材22
の上面とガイド部材31の内面とが連続した面を形成す
るように配設する。熱延鋼板6に対し、サイドガイド8
の位置で冷却が行われるから、熱延鋼板6は、復熱によ
る温度上昇の初期段階の、より低温の状態で圧延機15
に導入されることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧延機のスタン
ド間で鋼板を冷却するための冷却装置に関し、特に、効
率よく冷却を行うようにした圧延機入側の圧延材冷却装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱間圧延において、複数の圧延機
が連続する圧延機のスタンド間は、主に、圧延機→出側
ガイド→ルーパ→サイドガイド→圧延機の経路で構成さ
れている。さらに、圧延機の入側には、鋼板及び圧延ロ
ールの冷却設備が配設されている。
【0003】これら冷却設備は、間接及び直接の差はあ
るが、いずれも圧延ロール表面の温度管理を行うための
ものである。圧延ロールは、その表面温度が高くなると
表面が粗くなり、それが圧延材表面に転写され、良好な
表面品質の製品が得られなくなる。そのため、圧延ロー
ルを冷却する設備と、圧延機の入側において鋼板を冷却
する設備とを設け、これらによってロール表面の温度管
理を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、圧延機
の入側には、サイドガイドが設けられている。このサイ
ドガイドは、鋼板の板幅に応じて調整するために開閉可
能に形成されており、開閉させるための駆動装置等を備
えているため、大がかりとならざるを得ない。このた
め、鋼板冷却用の冷却装置は、一般に、サイドガイドよ
りも上流側に設けられている。
【0005】この冷却装置によって鋼板を冷却する場
合、鋼板に冷却水を噴射しても、板厚方向で表面近傍は
冷却されて温度が低下するが、同時に内部までは冷却さ
れないので、冷却装置を通過後、復熱し、鋼板表面の温
度は上昇する。このため、圧延機より離れたところで冷
却を行うと、冷却から圧延までに時間がかかるために鋼
板の表面が復熱し、冷却を行うことによる温度低下代が
小さい。つまり、鋼板冷却を行うことによるロール表面
の温度上昇の抑制効果が、設備から期待されるほどは大
きくないという問題がある。
【0006】そこで、この発明は、上記従来の未解決の
問題に着目してなされたものであり、冷却装置による圧
延材表面に対する冷却を効率よく行うことの可能な、圧
延機入側の圧延材冷却装置を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る圧延機入側の圧延材冷却装
置は、圧延機の入側に圧延材の幅方向に開閉可能なサイ
ドガイドが配設され且つ前記圧延機の入側で当該圧延機
に導入される圧延材を冷却するようにした圧延機入側の
圧延機冷却装置であって、少なくとも前記サイドガイド
でガイド可能なガイド幅にわたって冷却用流体を噴射可
能な噴射部材を備え、当該噴射部材は、前記サイドガイ
ドのガイド部の中途位置に、前記圧延材の幅方向と平行
に設けられていることを特徴としている。
【0008】この請求項1に係る発明では、圧延機の入
側において圧延材を冷却するための圧延材冷却装置の噴
射部材が、圧延機入側に開閉可能に設けられたサイドガ
イドのガイド部の中途位置に設けられ、この位置におい
てサイドガイドのガイド幅にわたって冷却用流体が噴射
され、つまり圧延材の幅方向にわたって冷却用流体が作
用する。したがって、圧延機の入側近傍に設けられたサ
イドガイド位置において圧延材の冷却を行うことができ
るから、冷却後に圧延材の表面温度が復熱によって上昇
するが、より温度上昇の少ない時点で圧延材を圧延機に
導入することが可能となって、冷却効率を向上させるこ
とが可能となる。
【0009】また、請求項2に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置は、前記サイドガイドは、複数のレールを案内
として前記圧延材の幅方向に開閉可能に形成され、前記
噴射部材は、前記案内用レール間に設けられていること
を特徴としている。この請求項2に係る発明では、冷却
用流体を噴射する噴射部材は、サイドガイドを開閉する
ための案内用レール間に設けられている。したがって、
サイドガイドの開閉動作の妨げとなることはない。
【0010】また、請求項3に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置は、前記ガイド部は、コの字状に形成された一
対のガイド部材がその開口部が対向するように配設され
て構成され、且つ前記ガイド部材の前記噴射部材と重な
る位置に切り欠け部を備えることを特徴としている。こ
の請求項3に係る発明では、サイドガイドを構成するガ
イド部は、その断面がコの字状の一対のガイド部材が開
口部が対向するように配設されて構成され、これに噴射
部材が配設される。このとき、ガイド部材の噴射部材と
重なる位置には、切り欠け部が形成されているから、サ
イドガイドを通過する圧延材の噴射部材と対向する位置
に対しても冷却用流体が作用することになる。
【0011】また、請求項4に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置は、前記噴射部材は、前記冷却用流体を噴射す
る噴射面を備え、当該噴射面は前記サイドガイドの内面
と連続した面を形成するようになっていることを特徴と
している。この請求項4に係る発明では、噴射部材は、
冷却用流体を噴射する噴射面を備え、この噴射面とサイ
ドガイドの内面とが連続した面を形成するようになって
いる。したがって、サイドガイドの内面に圧延材が接触
した場合であっても、噴射部材を設けたことに起因し
て、圧延材の移動が妨害されることはない。
【0012】また、請求項5に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置は、前記サイドガイドは、複数のレールを案内
として前記圧延材の幅方向に開閉可能に形成され、前記
噴射部材は、前記案内用レールに設けられていることを
特徴としている。この請求項5に係る発明では、サイド
ガイドは、複数のレールを案内として圧延材の幅方向に
開閉可能に形成されており、噴射部材は、この案内用レ
ール内に組み込む等して、案内用レールに設けられてい
る。したがって、サイドガイドの開閉動作を妨げること
なく、より圧延ロールに近い位置で冷却を行うことが可
能となる。
【0013】また、請求項6に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置は、前記ガイド部は、コの字状に形成された一
対のガイド部材がその開口部が対向するように配設され
て構成され、且つ前記ガイド部材の前記噴射部材と対向
する面の開口部側には、前記噴射部材と重なる位置から
前記サイドガイドの出側の端部までにわたって長尺切り
欠け部が形成されていることを特徴としている。
【0014】この請求項6に係る発明では、サイドガイ
ドを構成するガイド部は、その断面がコの字状の一対の
ガイド部材が開口部が対向するように配設されて構成さ
れる。このとき、前記ガイド部材の、噴射部材と対向す
る面の開口部側には、噴射部材と重なる位置からサイド
ガイドの出側の端部までにわたって、長尺切り欠け部が
形成されているから、ガイド部材を通過する圧延材に対
し、切り欠け部を設けた分だけより広い範囲を冷却する
ことができる。また、このとき、切り欠け部を部分的に
形成するのではなく、端部までにわたって形成するよう
にしているから、切り欠け部に圧延材が引っ掛かること
が回避される。
【0015】また、請求項7に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置は、前記サイドガイドのガイド部の中途位置
に、当該ガイド部の一部を構成し且つ前記圧延材に対し
て冷却用流体を噴射可能なガイド位置噴射部材を備える
ことを特徴としている。この請求項7に係る発明では、
前記サイドガイドのガイド部の中途位置に、ガイド部の
一部を構成し且つ圧延材に対して冷却用流体を噴射可能
なガイド位置噴射部材が設けられている。したがって、
サイドガイドを通過する圧延材のガイド部と対向する位
置に対しても冷却用流体が作用することになる。
【0016】また、請求項8に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置は、前記圧延材に対して斜め方向に前記冷却用
流体を噴射するようになっていることを特徴としてい
る。この請求項8に係る発明では、圧延材に対して斜め
方向に冷却用流体を噴射する。したがって、例えば、圧
延材に対し、その下側から垂直方向に冷却用流体を噴射
させた場合、圧延材により跳ね返された冷却用流体が、
噴射部材から噴射した冷却用流体と衝突すること等に起
因して、圧延材に対する冷却効果が低下することが回避
される。
【0017】また、請求項9に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置は、前記ガイド位置噴射部材は、前記冷却用流
体を噴射する複数の噴射孔を有し、これら噴射孔は、前
記圧延材の搬送方向と直交するように想定される複数の
長手方向配置用ラインと、当該長手方向配置用ラインと
斜めに交差するように想定される複数の平行な板幅方向
配置用ラインとの交点上に配置されることを特徴として
いる。
【0018】この請求項9に係る発明では、ガイド位置
噴射部材には、冷却用流体を噴射するための複数の噴射
孔が設けられ、これら噴射孔は、圧延材の搬送方向と直
交するように想定された複数の長手方向配置用ライン
と、これら長手方向配置用ラインと斜めに交差するよう
に想定された複数の平行な板幅方向配置用ラインとの交
点上に配置される。このように配置された噴射孔は、こ
れら噴射孔と対向する圧延材上の位置は、その板幅方向
の位置がずれた位置となるから、このように配置された
噴射孔から冷却用流体を噴射することにより、圧延材の
板幅方向に満遍なく冷却用流体が作用することになる。
【0019】さらに、請求項10に係る圧延機入側の圧
延材冷却装置は、前記ガイド位置噴射部材は、前記ガイ
ド部の前記圧延材の板幅方向中央寄りに設けられている
ことを特徴としている。この請求項10に係る発明で
は、ガイド位置噴射部材は、ガイド部の圧延材の板幅方
向中央寄りに設けられている。したがって、圧延材の端
部には冷却用流体が作用しないことになるが、圧延材の
端部は自然冷却によって冷却されるから、冷却用流体を
作用させることによって必要以上に冷却が行われること
が回避される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、第1の実施の形態を説明す
る。図1は本発明を適用した冷却装置を備えた圧延設備
の一例を示す断面図である。
【0021】図1において、2は圧延機出側のガイド、
4はルーパ、6は圧延材としての熱延鋼板、8は開閉可
能なサイドガイドである。また、12はワークロール、
14はバックアップロールであって、ワークロール12
及びバックアップロール14によって圧延機15を構成
している。さらに、前記サイドガイド8には、圧延機1
5の入側で熱延鋼板6を冷却するための冷却装置20が
設けられている。
【0022】この冷却装置20は、冷却水を熱延鋼板6
に対しその下面側から噴射するための噴射部材22と、
熱延鋼板6に対しその上面側から噴射するためのスリッ
トノズル23と、これら噴射部材22及びスリットノズ
ル23に冷却水を供給するための図示しない駆動装置と
から構成されている。前記サイドガイド8は、当該サイ
ドガイド8を通過する熱延鋼板6の板幅方向と平行に配
設された二本の開閉レール(案内用レール)10上に設
置され、開閉レール10を案内として、熱延鋼板6の板
幅方向に移動可能に形成されている。そして、図1に示
すように、サイドガイド8の入側の開口部の方が、出側
の開口部よりも広くなるように形成され、このとき、上
下方向だけでなくサイドガイドの幅方向にも広くなるよ
うに形成されている。これによって、サイドガイド8の
出側において熱延鋼板6の位置決めを行って圧延機15
に導入するようになっている。
【0023】なお、図1において、9は、前記サイドガ
イド8を上下方向に傾動させるための駆動装置である。
図2は、サイドガイド8の詳細を示す図である。サイド
ガイド8は、端面形状がコの字状に形成された長尺の二
つのガイド部材31が二つ、これらの開口部が対向する
ように配置されてガイド部を構成している。また、これ
らガイド部材31は、その上面部31U及び底面部31
Lとの間隔が、熱延鋼板6の入側となる方が、出側とな
る方に比較してより広くなるように形成されている。
【0024】前記ガイド部材31の底面部31Lには、
このガイド部材31を支持するための支持部材32が底
面部31Lに対して垂直に形成されている。そして、こ
の支持部材32の長手方向に前後に離れた2カ所に、前
記各開閉レール10に嵌合する摺動部33が形成され、
この摺動部33と各開閉レール10とを嵌合させ、摺動
部33を摺動させることによって、ガイド部材31が開
閉レール10を案内として熱延鋼板6の板幅方向(図2
において矢印方向)に移動するようになっている。
【0025】さらに、各ガイド部材31の底面部31L
及び支持部材32の二つの摺動部33間には、冷却装置
20を構成する噴射部材22を取り付けるための、これ
ら部材31L及び32を切り欠いて形成した取付部36
が形成されている。また、各ガイド部材31の上面部3
1Uの、前記取付部36と対向する位置には、冷却装置
20を構成するスリットノズル23から噴射される冷却
用流体としての冷却水を導入するための、上面部31U
の一部を切り欠いて形成した冷却水導入部38が形成さ
れている。
【0026】図3は、噴射部材22を組み込んだ、サイ
ドガイドの詳細を示す図である。前記噴射部材22は、
前記取付部36に嵌合する略直方体状に形成され、少な
くともサイドガイド8でガイド可能なガイド幅の長さに
形成され、前記取付部36に嵌合されることによって熱
延鋼板6の幅方向と平行に配置されるようになってい
る。そして、噴射部材22は、前記取付部36に嵌合さ
れたときに、噴射部材22の上面と、ガイド部材31の
底面部31Lの上面側の面とが連続した面を形成するよ
うになっている。つまり、噴射部材22を取付部36に
嵌合することによって、ガイド部材31の内側に連続面
が形成されるようになっている。そして、噴射部材22
の上面には複数の噴射孔22aが形成され噴射面を構成
し、当該噴射孔22aから冷却水を噴射することによっ
て、サイドガイド8のガイド幅全体にわたって冷却水を
噴射し、熱延鋼板6に対しその幅方向全体にわたって冷
却水を作用させることができるようになっている。
【0027】また、前記スリットノズル23は、サイド
ガイド8でガイド可能なガイド幅の長さに形成され、サ
イドガイド8の上部に、サイドガイド8のガイド幅方向
と平行に且つ前記サイドガイド8の上面部31Uに形成
された冷却水導入部38と対向する位置に配設され、当
該スリットノズル23により噴射した冷却水が、冷却水
導入部38を介してサイドガイド8の内部に導入される
ことによって、冷却水がサイドガイド8を通過中の熱延
鋼板6の幅方向全体にわたって作用するようになってい
る。
【0028】図4はサイドガイド8をその入側からみた
場合の要部の部分断面図、図5はサイドガイド8を上か
らみた場合の要部の上面図である。噴射部材22は、サ
イドガイド8を案内するための二本の開閉レール10の
間に、これらと平行に配設されている。したがって、噴
射部材22がサイドガイド8の開閉動作を妨げることは
ない。また、噴射部材22は、ガイド部材31の底面部
31Lの一部を形成するようにガイド部材31の取り付
けられているから、ガイド部材31と重畳する部分にお
いても熱延鋼板6に対して冷却水を作用させることがで
き、効率よく冷却を行うことができる。
【0029】また、このとき、噴射部材22は、ガイド
部材31の底面部31Lと連続した面を形成するように
配置されるから、熱延鋼板6がサイドガイド8の内側に
接触するような場合であっても、噴射部材22を設ける
ことによって熱延鋼板6の通板を妨げることはない。以
上のように、サイドガイド8の中途位置において熱延鋼
板6に対する冷却を行うことができる。したがって、熱
延鋼板6を冷却後、この熱延鋼板6が圧延機15に導入
されるまでの時間を従来に比較して短縮することができ
るので、表面温度が冷却後に復熱したとしても、熱延鋼
板6は、復熱による表面温度の上昇の初期段階で圧延機
15に導入されることになって、圧延機15への導入時
の表面温度の低減を図ることができる。
【0030】図6は、熱延鋼板6の表面温度の変化状況
を表すグラフであり、横軸は経過時間〔sec〕、縦軸
は温度〔℃〕である。図6に示すように、時点t1 で冷
却が行われると、その表面温度は大幅に低下し845
〔℃〕程度まで低下するが、時点t2 で冷却が終了する
と、復熱によって表面温度は上昇し、時点t3 で圧延機
15に導入される時点では、875〔℃〕程度まで復帰
している。
【0031】これに対し、図7に示すように、従来の場
合には、冷却装置はサイドガイド8よりも前スタンドの
圧延機よりに配置されているため、時点t11で冷却が終
了した時点から、熱延鋼板6が圧延機15に導入される
までに時間がかかる。このため、復熱による温度上昇が
進み、時点t12で圧延機15に導入される時点では、8
80〔℃〕を超えている。
【0032】このように、冷却装置20をサイドガイド
8の中途位置に設けるようにしたから、表面温度がより
低い状態で、熱延鋼板6を圧延機15に導入することが
できる。よって、冷却装置20による冷却効率を向上さ
せることができ、また、より表面温度が低い状態で圧延
を行うことができるから、圧延ロールの表面性状の零下
を防止することができ、良好な表面品質の製品を得るこ
とができる。
【0033】なお、上記第1の実施の形態においては、
サイドガイド8の上部にスリットノズル23を設け、こ
れによって冷却水を噴射させて熱延鋼板6の上面側を冷
却するようにした場合について説明したが、これに限る
ものではない。例えば、熱延鋼板6の下面側を冷却する
ための噴射部材22と同じものを、サイドガイド8の上
面側に、下面側と同じようにサイドガイド8と連続した
面を形成するように取り付けるようにしてもよい。この
ようにすることによって、熱延鋼板6の先端が上側に反
り、サイドガイド8の上面側に接触するような場合であ
っても、噴射部材22がその通板を妨げるようなことは
ない。
【0034】また、上記第1の実施の形態においては、
噴射部材22をサイドガイド8と連続した面を形成する
ように配設することによって、熱延鋼板6がサイドガイ
ド8に接触した場合に熱延鋼板6の通板を妨げることを
回避するようにした場合について説明したが、必ずしも
これに限るものではない。例えば、噴射部材22を取付
部36に嵌合させずに、取付部36を冷却水導入用の孔
として利用し、取付部36と対向する位置に配置するよ
うにしてもよく、この場合には、噴射部材22の上面は
必ずしも平面である必要はない。また、噴射部材22に
代えて、上面側と同様にしてスリットノズルを設けるよ
うにしてもよい。このように、噴射部材22がサイドガ
イド8の内面と連続した面を形成しない場合には、サイ
ドガイド8の上下方向の位置調整を行ったり或いはルー
パ4によって、サイドガイド8内における熱延鋼板6の
位置を調整し熱延鋼板6がサイドガイド8に接触しない
ようにし、取付部36を構成する切り欠け部分に引っ掛
からないようにすればよい。
【0035】また、上記第1の実施の形態においては、
サイドガイド8が上下方向に傾動可能なサイドガイド8
を用いた場合について説明したが、これに限るものでは
なく、圧延機15に対して前後方向に移動可能なサイド
ガイド8であっても適用することができる。また、上記
第1の実施の形態においては、冷却装置20を二本の開
閉レール10の間に設けた場合について説明したが、こ
れに限るものではなく、例えば、ワークロール冷却用の
設備がワークロール12の出側に設けられている場合
等、可能であるならば、開閉レール10と圧延機15と
の間のサイドガイド8部分に噴射部材22を取り付ける
ようにしてもよい。冷却装置20を圧延機15の入側に
より近い位置に設けるほど、冷却効率を向上させること
ができる。
【0036】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。この第2の実施の形態は、噴射部材22を開閉レー
ル10に設けている。なお、圧延設備全体の構成は、上
記第1の実施の形態と同様であるので、同一部には同一
符号を付与し、その詳細な説明は省略する。図8は、開
閉レール10に噴射部材22を設けた場合の詳細を示す
図である。上記第1の実施の形態における図3とほぼ同
様であるが、ガイド部材31の底面部31Lを切り欠い
て形成した取付部36は特に設けていない。
【0037】第2の実施の形態における噴射部材22
は、図8に示すように、略直方体状に形成され、少なく
ともサイドガイド8でガイド可能なガイド幅の長さに形
成されている。そして、噴射部材22の噴射面が、開閉
レール10の上面の一部を形成するように、開閉レール
10に組み込まれ、熱延鋼板6の幅方向と平行に配置さ
れている。
【0038】なお、図8では、双方の開閉レール10に
噴射部材22を設けているが、何れか一方の開閉レール
10のみに設けるようにすることも可能である。図9
は、サイドガイド8をその入側からみた場合の要部の部
分断面図、図10は、サイドガイド8をその上からみた
場合の要部の上面図である。このように、噴射部材22
は、サイドガイド8を案内する開閉レール10に組み込
まれている。したがって、噴射部材22が、サイドガイ
ド8の開閉動作を妨げることはない。
【0039】したがって、この第2の実施の形態におい
ても、サイドガイド8の中途位置において熱延鋼板6に
対する冷却を行うことができるから、熱延鋼板6を冷却
後、この熱延鋼板6が圧延機15に導入されるまでの時
間を従来に比較して短縮することができるので、上記第
1の実施の形態と同様に、復熱による熱延鋼板6の温度
上昇を抑制することができる。
【0040】なお、スリットノズルは、上記第1の実施
の形態と同様に、サイドガイド8でガイド可能なガイド
幅の長さに形成され、サイドガイド8の上部に、サイド
ガイド8のガイド幅方向と平行に配設されている。この
とき、前記スリットノズルと対向し且つ前記サイドガイ
ド8の上面部に冷却水導入部を設けても良い。また、前
記冷却水導入部は、例えば、二つの開閉レール10のう
ち圧延機15側の開閉レール10に設けた噴射部材22
と対向する位置に設けるようにしてもよいし、また、双
方の開閉レール10に設けた噴射部材22と対向する位
置に設けるようにしてもよく、また、これに関わらず任
意の位置に設けるようにしてもよい。
【0041】図11は、図8に示すように、双方の開閉
レール10に噴射部材22を設け、冷却を二回行うよう
にした場合の、熱延鋼板6の表面温度の変化状況を表す
グラフである。なお、横軸は経過時間〔sec〕、縦軸
は温度〔℃〕である。図11に示すように、まず、時点
21で一回目の冷却が行われると、その表面温度は85
5〔℃〕程度まで低下し、時点t22で冷却が終了する
と、復熱によって表面温度が上昇する。続いて、時点t
23で二回目の冷却が行われると、その表面温度は844
〔℃〕程度まで低下し、時点t24で冷却が終了すると、
復熱によってまた表面温度は上昇し、時点t25で、圧延
機15に導入される時点では、875〔℃〕程度まで復
帰する。
【0042】これに対し、従来の場合には、上記図7に
示すように、圧延機15に導入される時点では、880
〔℃〕を超えている。よって、この場合も、上記第1の
実施の形態と同様に、表面温度がより低い状態で、熱延
鋼板6を圧延機15に導入することができ、上記第1の
実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。な
お、上記第2の実施の形態においては、開閉レール10
の上部に噴射部材22を設けるようにした場合について
説明したが、これに限るものではない。例えば、図8に
示す開閉レール10の傾斜面を噴射部材22の噴射面が
形成するように、噴射部材22を開閉レール10に設け
るようにし、熱延鋼材6に対して斜めから冷却水を噴射
させるようにしてもよく、このとき、双方の開閉レール
10の互いに向かい合う傾斜面に噴射部材22の噴射面
が位置するように設けてもよい。また、傾斜面に関わら
ず、冷却水を熱延鋼材6に対して噴射することが可能で
あれば、噴射部材22の側面に設けるようにしてもよ
い。
【0043】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。この第3の実施の形態は、図12に示すように、サ
イドガイド8の出側に位置する開閉レール10out に、
上記第2の実施の形態と同様に噴射部材22が設けられ
ている。そして、ガイド部材31の底面部31Lの、二
つの摺動部33の間には、ガイド位置噴射部材41が配
設され、ガイド位置噴射部材41の上面が、底面部31
Lの上面の一部を形成するように底面部31Lに組み込
まれている。つまり、底面部31Lの上面に連続面が形
成されるようになっている。
【0044】また、底面部31Lの前記噴射部材22と
対向する位置から出側端までの部分の開口部側には、切
り欠け部42が形成され、底面部31Lの幅が一段狭く
なるように形成されている。なお、図示していないが、
この第3の実施の形態においても、上記第1の実施の形
態と同様に、サイドガイド8の上部に、冷却噴射部材
が、サイドガイド8のガイド幅方向と平行に配設されて
いる。
【0045】前記ガイド位置噴射部材41は、前記噴射
部材22と同様にその上面に、複数の噴射孔41aが形
成されて噴射面を構成し、この噴射孔41aから冷却水
を噴射するようになっている。このように、ガイド位置
噴射部材41を設けることによって、前記熱延鋼板6に
対し、前記噴射部材22と対向する位置だけでなく、サ
イドガイド8のガイド位置噴射部材41と対向する位置
に対しても冷却を行うことができるため、熱延鋼板6の
板幅方向端部近傍まで確実に冷却することができる。
【0046】また、底面部31Lの開口部側には、切り
欠け部42が形成され、この切り欠け部42は、前記噴
射部材22と対向する位置から出側端までにわたって形
成されている。したがって、図13に示すように、切り
欠け部42を形成したことによって、その分、サイドガ
イド8を通過する熱延鋼板6に対して噴射部材22によ
って冷却が行われる領域が増加することになるから、効
率よく冷却を行うことができる。また、このとき、切り
欠け部42を部分的に切り欠いて形成するのではなく、
底面部31Lの幅そのものを狭くするようにしている。
したがって、例えば部分的に切り欠け部を形成した場
合、熱延鋼板6が反っている場合等には、熱延鋼板6の
先端部が切り欠け部に引っ掛かってしまう可能性がある
が、この場合、底面部31Lの幅そのものをその中途位
置から狭くしているから、熱延鋼板6の先端部が切り欠
け部に引っ掛かるようなことはない。
【0047】また、サイドガイド8は熱延鋼板6のワー
クロール12への位置決めを行っているため、熱延鋼板
6がその搬送方向に対してずれているような場合等には
大きな力が加わることになる。このとき前記底面部31
Lに切り欠け部を形成した場合、この切り欠け部に外部
からの力が集中することになる。しかしながら、底面部
31Lの噴射部材22と対向する位置から出口端までに
わたって、底面部31Lの開口部側に切り欠け部42を
形成するようにし、このとき、外部からの力に対して強
度を確保可能な幅に形成することによって、外部からの
力に対する強度を充分確保することができる。
【0048】また、前記ガイド位置噴射部材41の噴射
孔41aは、図13に示すように、熱延鋼板6の板幅方
向に対する位置がずれるように配置されている。つま
り、熱延鋼板6がガイド位置噴射部材41の噴射面上を
通過した場合、熱延鋼板6の板幅方向における噴射位置
が重ならないように噴射孔41aが配置されている。例
えば、図13に示すように、熱延鋼板6の搬送方向に対
し直交するように等間隔に複数想定したラインm1と、
これら複数のラインm1と斜めに交差するように複数等
間隔に且つ平行に想定したラインm2との交点上に配置
されている。
【0049】このように配置した噴射孔41aは、熱延
鋼板6の幅方向に対する位置が異なるから、熱延鋼板6
に対し、その幅方向にわたって満遍なく冷却を行うこと
ができ、効果的に冷却を行うことができる。また、この
とき、カタカナのコの字状に形成したガイド部材31の
開口部側寄りに、噴射孔41aを設けている。ここで、
熱延鋼板6の端部は、自然冷却によって冷却されるか
ら、端部に対しても冷却水を噴射した場合、必要以上に
冷却されることになる。しかしながら、噴射孔41a
は、底面部31Lの開口部側寄りに設けているから、熱
延鋼板6に対しその端部にまで冷却が行われることはな
く、熱延鋼板6の端部が必要以上に冷却されることを回
避することができる。
【0050】また、このとき、前記ガイド位置噴射部材
41の噴射孔41aは、図14の断面図に示すように円
筒状に形成され、垂直方向に対して角度θ(例えば10
°程度)だけ傾斜して配設され、冷却水をサイドガイド
8の入側に向けて噴射するように設けられている。した
がって、底面部31Lの上面を通過する熱延鋼板6に対
して、その下側から冷却水を噴射した場合に、熱延鋼板
6から跳ね返った冷却水が噴射孔41aから噴射される
冷却水と衝突することを回避し、効果的に冷却を行うこ
とができる。なお、図14において、43は加圧した冷
却水を配管44を介して噴射孔41aに供給するための
駆動装置であって、例えば、底面部31Lの下部に設け
られている。
【0051】図15は、噴射部材22の一例を示したも
のである。図15に示すように、噴射部材22は、中空
の直方体状に形成され、その噴射部材22の上面には、
複数の噴射孔22aが形成されている。そして、これら
噴射孔22aは、上述のガイド位置噴射部材41の噴射
孔41aと同様に、熱延鋼板6の板幅方向に対する噴射
位置がずれるように配置され、熱延鋼板6の板幅方向に
対して満遍なく冷却水が噴射されるようになっている。
【0052】また、噴射部材22の内部には、噴射部材
22の長手方向に長い中空の半円筒状の水圧調整部材5
1が設けられている。この水圧調整部材51の長手方向
の両側面の下部近傍には、図15に示すように同一形状
の吐出穴52が長手方向に複数設けられている。そし
て、駆動装置53で昇圧された冷却用水を、配管55を
介して水圧調整部材51の長手方向の一方の端部側から
導入した後、この水圧調整部材51に形成された各吐出
穴52から吐出させ、これによって、冷却用水を噴射部
材22内に充満させた後に、これを噴射孔22aから噴
射させることによって、各噴射孔22a位置における冷
却用水の水圧のバラツキを抑制するようになっている。
【0053】ここで、噴射部材22は、熱延鋼板6の板
幅方向に長いため、噴射部材22への冷却用水が導入さ
れる導入位置に比較して、この地点から離れるほどその
水圧は低下することになる。しかしながら、上述のよう
に冷却用水を、噴射部材の長手方向に長い水圧調整部材
51に一旦導入した後、各噴射孔22aから噴射させる
ようにしているから、噴射部材22内の各部における水
圧のバラツキは抑制されることになり、各噴射孔22a
位置における冷却用水の噴射度合のバラツキを抑制する
ことができる。
【0054】図16は、図12に示すように、サイドガ
イド8の出側の開閉レール10outに噴射部材22を組
み込み、さらに、ガイド部材31の底面部3lLにガイ
ド位置噴射部材41を組み込んで、熱延鋼板6に対する
冷却を行うようにした場合の、熱延鋼板6の温度変化状
況を表すグラフであり、横軸は経過時間〔sec〕、縦
軸は温度〔℃〕である。また、実線L1は熱延鋼板6の
表面温度を表し、実線L2は中心温度を表し、実線L3
は平均温度を表している。
【0055】図16に示すように、熱延鋼板6の中心温
度L2及び平均温度L3は、時間の経過に伴って緩やか
に低下しているが、その表面温度L1は、熱延鋼板6に
対し、時点t31でデスケーラによってデスケーリングが
行われると大幅に低下し、500〔℃〕を下回る程度ま
で低下するが、デスケーリングが終了すると870
〔℃〕程度まで回復する。そして、時点t32で、サイド
ガイド8の入り側に設けられた図示しない冷却設備によ
って、熱延鋼板6の上面及び下面から冷却が行われる
と、730[℃]程度まで低下するが、復熱によって8
30〔℃〕程度まで上昇する。しかしながら、時点t33
で、噴射部材22及びガイド位置噴射部材41によって
再度冷却が行われるため、これによって780〔℃〕程
度まで低下し、その後復熱によって表面温度は上昇する
が、時点t34で圧延機15に導入される時点では、81
0〔℃〕程度となっている。
【0056】これに対し、サイドガイド8の入り側には
冷却設備を設けるが、サイドガイド8のガイド部材31
の中途位置には冷却設備を設けない場合には、図16に
破線で示すように、時点t32でサイドガイド8の入り側
で冷却が行われた後、表面温度は復熱により復帰したま
まとなり、時点t34で圧延機15に導入される時点で
は、850〔℃〕程度となっている。
【0057】したがって、この場合も、上記第1及び第
2の実施の形態と同様に、表面温度がより低い状態で圧
延鋼板6を圧延機15に導入することができ、上記第1
及び第2の実施の形態と同等の作用効果を得ることがで
きる。なお、上記第3の実施の形態においては、サイド
ガイド8の出側の開閉レール10out に噴射部材22を
設けた場合について説明したが、これに限るものではな
く、噴射部材22を、サイドガイド8の入り側の開閉レ
ール10に設けてもよく、また、2つの開閉レール10
のそれぞれに設けるようにしてもよい。また、噴射部材
22を二つの開閉レール10間のガイド部材31の下側
に設けるようにしてもよい。
【0058】また、上記第3の実施の形態においては、
ガイド位置噴射部材41の噴射孔41aを円筒状に形成
しこれを傾斜させて配設することによって、熱延鋼板6
に対して斜め方向に冷却水を噴射するようにした場合に
ついて説明したが、同様に、噴射部材22についても噴
射孔22aを同様に形成し、斜め方向から冷却水を噴射
させるようにしてもよい。
【0059】また、同様にしてガイド位置噴射部材41
にも、水圧調整部材51を設けるようにしてもよい。ま
た、噴射孔41aから冷却水を噴射させる際に、サイド
ガイド8の入側に向けて冷却水を噴射するように前記噴
射孔41aを設けた場合について説明したが、これに限
るものではなく、熱延鋼板6からの跳ね返りの冷却水の
影響を受けない方向であればどのように設けてもよい。
【0060】また、上記第3の実施の形態においては、
水圧調整部材51を半円筒状に形成した場合について説
明したが、これに限るものではなく、例えば直方体状、
三角柱状であってもよく、噴射部材22内における水圧
のバラツキを抑制することが可能であればどのような形
状であってもよい。また、吐出穴52の形状、配置位置
等も任意に設定することができる。
【0061】また、上記第3の実施の形態においては、
ガイド位置噴射部材41を、二つの開閉レール10の間
に相当する位置に設けた場合について説明したが、これ
に限るものではなく、底面部31Lの長手方向のどの位
置に設けてもよく、また、底面部31Lの長手方向全体
にわたって形成するようにしてもよい。また、上記第3
の実施の形態においては、噴射孔41aを、熱延鋼板6
の長手方向に平行な複数のラインと、これらラインと斜
めに交差する複数の平行なラインとの交点上に噴射孔4
1aを配置するようにしたため、熱延鋼板6の板幅方向
に渡って満遍なく冷却水を噴射することができる位置に
噴射孔41aを容易に配置することができるが、噴射孔
41aの配置位置はこれに限るものではなく、要は、熱
延鋼板6の板幅方向に渡って満遍なく冷却水を噴射する
ことができる位置であればどのように位置に配置しても
よい。
【0062】また、上記第3の実施の形態では、底面部
31Lにおいて切り欠け部42を形成するようにしてい
るが、同様にして、上記第2の実施の形態においても、
底面部31Lの長手方向にわたって切り欠け部を形成す
るようにしてもよく、この場合、出側の開閉レール10
out と対向する位置から出側端まで形成するようにして
もよく、また、熱延鋼板6の搬送に伴う外部からの力に
対して強度を充分確保可能であれば、入側の開閉レール
10と対向する位置から出口端にわたって切り欠け部を
形成するようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る圧延機入側の圧
延材冷却装置によれば、サイドガイドのガイド幅にわた
って冷却水を噴射可能な噴射部材を、圧延機入側に設け
られたサイドガイドのガイド部の中途位置に設けたか
ら、圧延機の入側近傍に設けられたサイドガイド位置に
おいて圧延材の冷却を行うことができ、冷却効率を向上
させることができる。
【0064】また、請求項2に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置によれば、噴射部材を、サイドガイドを開閉す
るための案内用レール間に設けるようにしたから、サイ
ドガイドの開閉動作を妨げることなく冷却を行うことが
できる。また、請求項3に係る圧延機入側の圧延材冷却
装置によれば、コの字状に形成されたガイド部材の開口
部が対向して配設されて形成されるガイド部の、噴射部
材と重なる位置に切り欠け部を形成したから、サイドガ
イドを通過する圧延材の噴射部材と対向する位置に対し
ても冷却水を作用させることができ、効率よく冷却を行
うことができる。
【0065】また、請求項4に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置によれば、噴射部材の噴射面とサイドガイドの
内面とが連続した面を形成するようにしたから、噴射部
材を設けたことに起因して、圧延材の移動が妨害される
ことを回避することができる。また、請求項5に係る圧
延機入側の圧延材冷却装置によれば、噴射部材を、サイ
ドガイドを開閉するための案内用レールに設けるように
したから、サイドガイドの開閉動作を妨げることなく冷
却を行うことができる。
【0066】また、請求項6に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置によれば、サイドガイドのガイド部を構成する
ガイド部材の、噴射部材と対向する面の開口部側に、噴
射部材と重なる位置からサイドガイドの出側の端部まで
にわたって、長尺切り欠け部を形成したから、ガイド部
材を通過する圧延材に対し広い範囲を冷却することがで
きる。
【0067】また、請求項7に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置によれば、サイドガイドのガイド部の中途位置
に、ガイド部の一部を構成し且つ圧延材に対して冷却用
流体を噴射可能なガイド位置噴射部材を設けたから、サ
イドガイドを通過する圧延材のガイド部と対向する位置
に対しても冷却用流体を作用させることができる。ま
た、請求項8に係る圧延機入側の圧延材冷却装置によれ
ば、圧延材に対して斜め方向に冷却用流体を噴射するよ
うにしたから、圧延材によって跳ね返された冷却用流体
により悪影響を受けることを回避し、冷却用流体を効果
的に作用させることができる。
【0068】また、請求項9に係る圧延機入側の圧延材
冷却装置によれば、ガイド位置噴射部材に設けた複数の
噴射孔を、圧延材の搬送方向と直交するように想定され
る複数の長手方向配置用ラインと、長手方向配置用ライ
ンと斜めに交差するように想定される複数の平行な板幅
方向配置用ラインとの交点上に配置したから、圧延材の
板幅方向に満遍なく冷却用流体を作用させることができ
る。
【0069】さらに、請求項10に係る圧延機入側の圧
延材冷却装置によれば、ガイド位置噴射部材を、ガイド
部の圧延材の板幅方向中央寄りに設けたから、自然冷却
により冷却されている圧延材端部に対し、必要以上に冷
却を行うことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による冷却装置を備
えた圧延設備の一例を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態におけるサイドガイドの要部
を示す概略構成図である。
【図3】第1の実施の形態におけるサイドガイドに噴射
部材を取り付けた場合の概略構成図である。
【図4】第1の実施の形態におけるサイドガイドを入側
からみた場合の要部の部分断面図である。
【図5】第1の実施の形態におけるサイドガイドを上か
らみた場合の要部の上面図である。
【図6】第1の実施の形態における圧延設備を用いた場
合の、圧延機導入までの熱延鋼板の表面温度の変化状況
を表すグラフである。
【図7】従来の、圧延機導入までの熱延鋼板の表面温度
の変化状況を表すグラフである。
【図8】第2の実施の形態におけるサイドガイドの概略
構成図である。
【図9】第2の実施の形態におけるサイドガイドを入側
からみた場合の要部の部分断面図である。
【図10】第2の実施の形態におけるサイドガイドを上
からみた場合の要部の上面図である。
【図11】第2の実施の形態における圧延設備を用いた
場合の、圧延機導入までの熱延鋼板の表面温度の変化状
況を表すグラフである。
【図12】第3の実施の形態におけるサイドガイドの概
略構成図である。
【図13】第3の実施の形態におけるサイドガイドを上
からみた場合の要部の上面図である。
【図14】ガイド位置噴射部材41の要部の断面図であ
る。
【図15】第3の実施の形態における噴射部材の一例を
示す概略構成図である。
【図16】第3の実施の形態における圧延設備を用いた
場合の、圧延機導入までの熱延鋼板の温度変化状況を表
すグラフである。
【符号の説明】
4 ルーパ 6 熱延鋼板 8 サイドガイド 10 開閉レール 15 圧延機 20 冷却装置 22 噴射部材 23 スリットノズル 31 ガイド部材 32 支持部材 33 摺動部 36 取付部 38 冷却水導入部 41 ガイド位置噴射部材 41a 噴射孔 51 水圧調整部材
フロントページの続き (72)発明者 渋谷 聡 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 田中 伸治 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延機の入側に圧延材の幅方向に開閉可
    能なサイドガイドが配設され且つ前記圧延機の入側で当
    該圧延機に導入される圧延材を冷却するようにした圧延
    機入側の圧延機冷却装置であって、 少なくとも前記サイドガイドでガイド可能なガイド幅に
    わたって冷却用流体を噴射可能な噴射部材を備え、 当該噴射部材は、前記サイドガイドのガイド部の中途位
    置に、前記圧延材の幅方向と平行に設けられていること
    を特徴とする圧延機入側の圧延材冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記サイドガイドは、複数のレールを案
    内として前記圧延材の幅方向に開閉可能に形成され、 前記噴射部材は、前記案内用レール間に設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の圧延機入側の圧延材冷
    却装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイド部は、コの字状に形成された
    一対のガイド部材がその開口部が対向するように配設さ
    れて構成され、且つ前記ガイド部材の前記噴射部材と重
    なる位置に切り欠け部を備えることを特徴とする請求項
    1又は2記載の圧延機入側の圧延材冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記噴射部材は、前記冷却用流体を噴射
    する噴射面を備え、当該噴射面は前記サイドガイドの内
    面と連続した面を形成するようになっていることを特徴
    とする請求項1乃至3の何れかに記載の圧延機入側の圧
    延材冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記サイドガイドは、複数のレールを案
    内として前記圧延材の幅方向に開閉可能に形成され、 前記噴射部材は、前記案内用レールに設けられているこ
    とを特徴とする請求項1記載の圧延機入側の圧延材冷却
    装置。
  6. 【請求項6】 前記ガイド部は、コの字状に形成された
    一対のガイド部材がその開口部が対向するように配設さ
    れて構成され、且つ前記ガイド部材の前記噴射部材と対
    向する面の開口部側には、前記噴射部材と重なる位置か
    ら前記サイドガイドの出側の端部までにわたって長尺切
    り欠け部が形成されていることを特徴とする請求項1、
    2及び5の何れかに記載の圧延機入側の圧延材冷却装
    置。
  7. 【請求項7】 前記サイドガイドのガイド部の中途位置
    に、当該ガイド部の一部を構成し且つ前記圧延材に対し
    て冷却用流体を噴射可能なガイド位置噴射部材を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載
    の圧延機入側の圧延材冷却装置。
  8. 【請求項8】 前記ガイド位置噴射部材は、前記圧延材
    に対して斜め方向に前記冷却用流体を噴射するようにな
    っていることを特徴とする請求項7記載の圧延機入側の
    圧延材冷却装置。
  9. 【請求項9】 前記ガイド位置噴射部材は、前記冷却用
    流体を噴射する複数の噴射孔を有し、 これら噴射孔は、前記圧延材の搬送方向と直交するよう
    に想定される複数の長手方向配置用ラインと、当該長手
    方向配置用ラインと斜めに交差するように想定される複
    数の平行な板幅方向配置用ラインとの交点上に配置され
    ることを特徴とする請求項7又は8記載の圧延機入側の
    圧延材冷却装置。
  10. 【請求項10】 前記ガイド位置噴射部材は、前記ガイ
    ド部の前記圧延材の板幅方向中央寄りに設けられている
    ことを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の圧延
    機入側の圧延材冷却装置。
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