JPH10291019A - 高温鋼板の冷却方法および高温鋼板の冷却装置 - Google Patents

高温鋼板の冷却方法および高温鋼板の冷却装置

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JPH10291019A
JPH10291019A JP11416497A JP11416497A JPH10291019A JP H10291019 A JPH10291019 A JP H10291019A JP 11416497 A JP11416497 A JP 11416497A JP 11416497 A JP11416497 A JP 11416497A JP H10291019 A JPH10291019 A JP H10291019A
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steel sheet
cooling
cooling water
slit nozzle
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JP11416497A
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Teruo Fujibayashi
晃夫 藤林
Hiroshi Kibe
洋 木部
Satoshi Kamioka
悟史 上岡
Shunichi Sugiyama
峻一 杉山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板端部における過冷却をを防止し、高温鋼
板の均一冷却を可能とする冷却方法及び冷却装置を提供
する。 【解決手段】 気体噴出用スリットノズル6から噴出空
気9が噴出されているため、冷却水8はこの噴出空気9
によって持ち上げられて運ばれ、図に示すように冷却水
用スリットノズル4から離れた位置で始めて鋼板1と接
触する。この地点から次の上ロール2までの距離、すな
わち冷却水が滞留する距離L’は、噴出空気9が噴出し
ていないときよりも短いので冷却能力が低下する。よっ
て、鋼板端部で噴出空気9を噴出させることにより、鋼
板端部における過冷却を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延された高
温鋼板を冷却する装置及び冷却方法であって、鋼板端部
における過冷却を防止し、高温鋼板の均一冷却を可能と
する冷却装置及び冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱間圧延された高温の鋼板は、
圧延直後の水冷中に冷却ムラが生じ易い。この冷却ムラ
は、冷却後に鋼板の変形や残留応力、材質のバラツキを
引き起こすと共に、鋼板を変形させ、操業上のトラブル
を発生させやすい。さらに、変形した鋼板は、後にプレ
スや矯正機によって変形を取り除く精整行程を必要とす
るため、コスト上不利になってきた。そこで、従来か
ら、冷却ムラをなくすため、いわゆる均一な冷却法が種
々提案されてきた。
【0003】圧延後の高温の鋼板をオンラインで通過さ
せながら冷却するに際しては、水平の状態でその上下か
ら冷却水を注水して冷却を施すことが一般的である。
【0004】通常、圧延直後の鋼板の板幅方向の温度分
布は板端部で下がっておりこの温度分布を是正するため
には端部の冷却能力を少なくする冷却調整が必要であ
る。
【0005】下面の冷却に関しては衝突後の冷却水は重
力によって下へ流下するため、この板端部の冷却を調整
するためには単に板端部に冷却水が到達することを防げ
ば可能となるが、上面は冷却水が鋼板上を流れて最終的
にはこの板端部からサイドに流出するので板端部上面の
過冷却が避けられなかった。
【0006】そこで、この鋼板上面での端部の過冷却を
調整する技術として、特公昭59ー13573号公報、
特開昭62ー21414号公報、特開昭62ー2141
5号公報、特開昭62ー289315号公報、特開昭5
5ー153616号公報、特開昭58ー32511号公
報、特開昭58ー47311号公報、特開平1ー284
419号公報、特開平6ー285531号公報、特開平
6ー184623号公報等に、種々の技術が開示されて
いる。
【0007】すなわち、昭59ー13573号公報に開
示される方法は、高圧のスプレー水を用いて板上の滞留
水を誘導するものである。
【0008】特開昭62ー21414号公報、特開昭6
2ー21415号公報に開示される方法は、底板の吸水
孔から冷却水を吸い上げ、かつ空気を噴射してしみ出る
冷却水を吹き飛ばす方法である。
【0009】特開昭62ー289315号公報に開示さ
れる方法、特開昭55ー153616に開示される方法
は、ラミナー冷却水のうち板中央部に供給される冷却水
量に対して板端部に供給される冷却水量を絞ることによ
って、板端部の過冷却を防止しようとするものである。
また、特開昭58ー32511に示される方法は、遮蔽
板によって鋼板の端部に落下する冷却水を切る方法であ
る。
【0010】特開平6ー285531号公報、特開平6
ー184623号公報に開示される方法は、板に沿った
スリットノズルから冷却水を注水するスリットノズルに
おいてスリットノズルの先端のスリット部分にスリット
を遮蔽する幅方向に移動可能な遮蔽体を設ける方法であ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
特公昭59ー13573号公報に示される方法では、鋼
板上に押し寄せる大量の冷却水を制御することは難し
い。
【0012】特開昭62ー21414号公報、特開昭6
2ー21415号公報に示される方法では、板端部のよ
うに面積が広い部分では吸水が追いつかず、また底板を
板に近づけることが難しい。
【0013】特開昭62ー289315号公報に示され
る方法、特開昭55ー153616号公報、特開昭58
ー32511号公報に示される方法では、いずれの方法
でも、板上に落下した冷却水は結局、板端部からサイド
へ排出されるので、板端部の過冷却が避けられない。
【0014】特開平6ー285531号公報、特開平6
ー184623号公報に示される方法では、スリットノ
ズルの構造が複雑になり、メインテナンスが難しい。ま
た、遮蔽体の挿入によって水流が乱されるのでスリット
から噴射された後の冷却水の流れが乱されて、かならず
しも遮蔽体を設けた効果が得られず、幅方向の均一冷却
が達成されない。さらに、スリットノズル出口に遮蔽体
を設けるとスリットノズル内部の圧力分布が幅方向に不
均一となりスリット噴出後の冷却液流に偏流が生じやす
いという問題点がある。
【0015】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、鋼板端部における過冷却をを防止
し、高温鋼板の均一冷却を可能とする冷却装置及び冷却
方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題は、熱間圧延さ
れた鋼板の上面に、板長手方向に沿って冷却水を流して
当該鋼板を冷却するに際し、冷却水が鋼板と接触開始す
る点を、幅方向において異ならせることを特徴とする高
温鋼板の冷却方法(請求項1)によって解決される。
【0017】冷却水が鋼板と接触開始する点が上流(鋼
板進行方向後方)にある部分では、冷却水と鋼板との接
触長さが長いので冷却度が大きくなり、逆に、冷却水が
鋼板と接触開始する点が下流側(鋼板進行方向前方)に
ある部分では、冷却水と鋼板との接触長さが短くなるの
で冷却度は小さくなる。よって、冷却水が鋼板と接触を
開始する点を、幅方向で異ならせることにより、鋼板の
幅方向の冷却度を制御することができる。
【0018】特に、当該鋼板の幅方向端部において冷却
水が鋼板と接触開始する点を、当該鋼板の幅方向中央部
において冷却水が鋼板と接触する点よりも鋼板進行方向
前方とすること(請求項3)により、鋼板端部の過冷却
を防止することができる。
【0019】これら、冷却水が鋼板と接触開始する点を
調節する方法として、鋼板と冷却水の間に、鋼板幅方向
において異なった量(ゼロの場合を含む)の気体を噴射
する方法(請求項2)及び、鋼板の幅方向端部におい
て、鋼板と冷却水の間に、気体を噴射する方法(請求項
4)が好ましい。これにより、簡便な方法で、冷却水が
鋼板と接触開始する点を調節することができる。
【0020】又、これらの課題は、熱間圧延された鋼板
を、当該鋼板の上部に設けられたスリットノズルから鋼
板長手方向に冷却水を流して冷却する高温鋼板の冷却装
置であって、当該スリットノズルの下側に、気体を噴射
するノズルが、スリットノズルと並んで設けられている
ことを特徴とする高温鋼板の冷却装置(請求項5)によ
って解決される。
【0021】スリットノズルから冷却水が鋼板の長手方
向下流に向かって、鋼板上を流れる。この、スリットノ
ズルの下側に設けられた気体を噴射するノズルからの気
体の噴出量が大きいと、スリットノズルからの冷却水と
鋼板の間にこの気体が介在する距離が長くなり、冷却水
と鋼板とが接触開始する点が下流側になる。逆に、ノズ
ルからの気体の噴出量が少ないかゼロであると、スリッ
トノズルからの冷却水と鋼板の間にこの気体が介在する
距離が短くなり、冷却水と鋼板とが接触開始する点が上
流側になる。
【0022】よって、ノズルからの空気の吹き出し量に
応じて、鋼板の冷却度を制御することができる。
【0023】この、気体を噴出するノズルを、幅方向に
複数に分割された、気体を噴射する別のスリットノズル
とすると(請求項6)、さらに好ましい結果が得られ
る。スリットノズルであるために、空気の吹き出し量が
幅方向で均一になり、そのため、冷却水が飛び散らない
という効果を有する。又、当該スリットノズルは、幅方
向で複数に分割されているために、噴出空気の量を分割
区分ごとに変えることができる。特に、鋼板の幅が変わ
っても、当該鋼板エッジに対応する部分のスリットノズ
ルからの気体吹き出し量を大きくすることにより、常に
鋼板端部の冷却水と鋼板が最初に接触する点を下流側に
でき、鋼板幅方向端部の過冷却を防止することができ
る。
【0024】鋼板幅方向端部の過冷却を防止するのであ
れば、前記気体を噴射するノズルを、鋼板板幅方向端部
にのみ設置してもよい(請求項7)。特に、気体を噴射
するノズルが板幅方向に移動可能とされていれば(請求
項8)、異なる板幅に対応することができる。これによ
り、設備の簡略化を図ることができる。
【0025】又、気体を噴射するノズルとしては、スリ
ットノズルであることが好ましい(請求項9)。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて説明する。図1は、冷却装置の全体のレイア
ウトを示すものであり、1は鋼板、2は上ロール、3は
下ロール、4は冷却水用スリットノズル、5は円管ノズ
ル、6は気体噴出用スリットノズルである。
【0027】本冷却装置においては、1000mmピッチで
設けられた20本の下ロール3上を鋼板1が搬送され
る。上部には、2000mmピッチで上ロール2が設けら
れ、対応する下ロール3との間で鋼板1を拘束してい
る。各上ロール2間には冷却水用スリットノズル4が設
けられ、鋼板搬送方向の上流側のロールから下流側のロ
ールに向かって板の進行方向に板に沿って冷却水を流し
ている。鋼板1の下面は、水中に没した円管ノズル5か
ら水を噴射し、その随伴流で生じた液流で冷却を施して
いる。冷却水用スリットノズル4の下側に、幅方向に複
数に分割された、気体を噴射する気体噴出用スリットノ
ズル6が、冷却水用スリットノズル5と並んで設けられ
ている。そして、気体噴出用スリットノズル6の、選択
された気体ノズルユニットから空気が、冷却水と鋼板1
との間に噴出される。
【0028】冷却水用スリットノズル4と気体噴出用ス
リットノズル6の位置関係と詳細を図2に示す。以下の
図においては、前出の図に記載されていた要素には同じ
符号を付し、その説明を省略する。図2において、7は
分割された気体ノズルユニットである。
【0029】冷却水用スリットノズル4は、所定の開口
幅と、鋼板板幅に対応する幅(この実施の形態の場合45
00mm)を持つ長方形の開口を有するノズルであり、開口
部からは、連続流状の冷却水が流出する。この冷却水用
スリットノズル4の下側には、それに並んで気体噴出用
スリットノズル6が設けられている。気体噴出用スリッ
トノズル6は、板幅方向に所定幅(この実施の形態の場
合300mm)に分割され、複数の気体ノズルユニット7が
設けられている。気体ノズルユニット7から噴射する空
気は独立にオン、オフ制御が可能である。
【0030】この冷却水用スリットノズル4、気体噴出
用スリットノズル6の下流側の冷却水の流れの概要を図
3、図4に示す。図3は、気体噴出用スリットノズルか
ら空気を噴出しないときの冷却水の流れ、図4は、気体
噴出用スリットノズルから空気を噴出したときの冷却水
の流れを示す図である。図3、図4において、8は冷却
水、9は噴出空気を示す。
【0031】図3においては、気体噴出用スリットノズ
ルから空気が噴出されていないため、冷却水は冷却水用
スリットノズルを4を出た後に自然落下し、冷却水用ス
リットノズル4の近くで鋼板1と接触を開始する。この
地点から次の上ロール2までの距離、すなわち冷却水が
滞留する距離Lは長い。
【0032】これに対し、図4の場合は、気体噴出用ス
リットノズル6から噴出空気9が噴出されているため、
冷却水8はこの噴出空気9によって持ち上げられて運ば
れ、図に示すように冷却水用スリットノズル4から離れ
た位置で始めて鋼板1と接触する。ここの地点から次の
上ロール2までの距離、すなわち冷却水が滞留する距離
L’は、図3におけるL寄りも短い。よって、冷却能力
が低下する。
【0033】この方法では冷却水用スリットノズル4と
気体噴出用スリットノズル6が独立しているのでそれぞ
れノズルの交換やスリットギャップの調整作業などのメ
インテナンス作業は容易である。また、冷却水スリット
ノズル4と空気スリットノズル6はお互いに干渉するこ
とがないので、冷却水スリットノズル4の内部の圧力分
布は空気スリットノズル6からの空気噴射に関わらず、
特に乱されることがない。
【0034】また、噴射された空気は浮力によって水流
中から自然に分離されるので、後に冷却水の縮流や偏流
等の乱れを発生させない。
【0035】この冷却装置を使用する場合は、一般的に
は、鋼板エッジ部に対応する気体ノズルユニット7のみ
から気体を噴出させて冷却を行う。これにより、鋼板幅
方向端部における過冷却を防止することができる。
【0036】さらにエッジ過冷却部の幅は、鋼板の板
厚、圧延条件、空冷時間によってまちまちであるので、
温度降下している部分の幅によっては複数の気体ノズル
ユニット7から空気を噴射してエッジ冷却制御をするこ
とが必要である。
【0037】また、エッジ部分の温度降下量も鋼板の板
厚、圧延条件、空冷時間によってまちまちである。その
エッジの温度降下量が大きい場合にはより複数のゾーン
で同じエッジ冷却制御を施せば、冷却後の温度分布をよ
りフラットにすることが可能である。
【0038】以上の実施の形態ににおいては、冷却水が
鋼板と接触開始する点を、幅方向において異ならせる手
段として空気噴出用スリットノズルを用いているが、通
常のノズルを幅方向に多数並べてもある程度目的を達成
することができる。噴出する気体は空気に限らず、窒素
等を使用することもできる。
【0039】また、本実施の形態においては、板端部に
選択的に空気を噴射する手段として、多分割したノズル
の板端部に対応する部分から空気を噴射しているが、空
気噴出用スリットノズルを両板端部のみに設け、板幅方
向に移動可能な構造として、板幅に応じて当該ノズルを
移動させて空気を噴射させてもよい。
【0040】また、各気体ノズルユニットから噴出する
空気はオン・オフ制御可能としたが、連続的な制御を可
能とし、これによって幅方向冷却パターンの制御を行う
こともできる。
【0041】
【実施例】 (実施例)図1、図2に示すような設備を使用して高温
鋼板の冷却を実施した。幅4.5mの冷却水用スリットノ
ズル4から幅1mあたり2000リットル/minの水を板に
沿って流し、一方下面は100mmピッチで設けた水中
に没した円管5から水を噴射し、その随伴流で生じた液
流で冷却を施した。この冷却装置において板幅4.0m長
さ30m厚み25mmの圧延後の高温鋼鈑を搬送速度4
0mpmで通過させて冷却を施した。
【0042】本実施例では20ゾーンある内の冷却開始
3ゾーンで上記気体噴出用スリットノズル6から空気を
噴射してエッジの冷却を抑制した。又、板幅が4.0mの
鋼板を冷却したために4.0mの幅の鋼板のエッジ部分の
幅300mmの分割スリットから空気を噴射した。
【0043】鋼板の冷却装置入側の板幅方向の温度分布
を図5(1)に示す。
【0044】冷却後20秒後の温度分布を表面温度分布
形で計測した結果を図5(2)で示す。冷却開始前に板
端部の温度の落ち込んでいた部分が、冷却後では中央部
の温度との差が縮まっていることが認められ、冷却装置
のエッジ冷却制御効果が明らかである。
【0045】冷却後に得られた鋼板の材質を調査した結
果、幅方向に硬度や強度のバラツキが少なく、均質な鋼
板が得られた。またその後、幅方向にスリット加工して
条切りを行ったが、条切り後も変形することはなかっ
た。よって、焼き戻しなどの残留した歪みを除去する工
程を必要としなかった。
【0046】(比較例)比較例として、気体噴出用スリ
ットノズル7を使用しない他は、前記実施例と同一の条
件で高温鋼板の冷却を実施した。冷却後20秒後の温度
分布を表面温度分布形で計測した結果を図5(3)に示
す。冷却開始前に板端部の温度の落ち込んでいた部分は
中央部の温度との差が広がっている。
【0047】冷却後に得られた鋼板の材質を調査した結
果、幅方向に硬度や強度のバラツキが大きく、特に板端
部は過冷却による強度、硬度の高い部分が存在した。ま
たその後、幅方向にスリット加工して条切りを行ったと
ころ、条切りキャンバーが発生した。したがってこの材
料は焼き戻しなどの残留歪みを除去する工程を必要とし
た。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、熱間圧延された鋼板の上面に、板長手方向に沿って
冷却水を流して当該鋼板を冷却するに際し、冷却水が鋼
板と接触開始する点を、幅方向において異ならせてい
る。冷却水が鋼板と接触開始する点が上流にある部分で
は、冷却水と鋼板との接触長さが長いので冷却度が大き
くなり、逆に、冷却水が鋼板と接触開始する点が下流側
にある部分では、冷却水と鋼板との接触長さが短くなる
ので冷却度は小さくなる。よって、鋼板の幅方向の冷却
度を制御することができる。
【0049】従って、この冷却度制御により、鋼板幅端
部の過冷却を防止することができ、規格外れがなくなる
ことにより歩留まりが向上する。又、鋼板の変形がなく
なることにより、後工程でレベラーやプレスによる矯正
作業が不必要となり、製造コストが低下する。又、均質
な材料が得られることにより、製品の品質が向上する。
【0050】冷却水が鋼板と接触開始する点を、幅方向
において異ならせることを、鋼板と冷却水の間に気体を
噴射する方法で実施れば、簡便な方法で目的を達成する
ことができる。
【0051】鋼板と冷却水の間に気体を噴射する手段
を、幅方向に複数に分割された、気体を噴射する別のス
リットノズルとすると、空気の吹き出し量が幅方向で均
一になり、そのため、冷却水が飛び散らない。
【0052】又、当該スリットノズルは、幅方向で複数
に分割されているために、噴出空気の量を分割区分ごと
に変えることができる。特に、鋼板の幅が変わっても、
当該鋼板エッジに対応する部分のスリットノズルからの
気体吹き出し量を大きくすることにより、常に鋼板端部
の冷却水と鋼板が最初に接触する点を下流側にでき、鋼
板幅方向端部の過冷却を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態レイアウトの例を示す図で
ある。
【図2】冷却水用スリットノズルと気体噴出用スリット
ノズルの位置関係の例を示す図である。
【図3】気体噴出用スリットノズルから空気を噴出しな
いときの冷却水の流れを示す図である。
【図4】気体噴出用スリットノズルから空気を噴出した
ときの冷却水の流れを示す図である。
【図5】実施例と比較例における、鋼板の冷却前後の板
幅方向温度分布を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 上ロール 3 下ロール 4 冷却水用スリットノズル 5 円管ノズル 6 気体噴出用スリットノズル 7 気体ノズルユニット 8 冷却水 9 噴出空気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 峻一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延された鋼板の上面に、鋼板長手
    方向に沿って冷却水を流して当該鋼板を冷却するに際
    し、冷却水が鋼板と接触開始する点を、幅方向において
    異ならせることを特徴とする高温鋼板の冷却方法。
  2. 【請求項2】 冷却水が鋼板と接触開始する点を、幅方
    向において異ならせる方法が、冷却水の流出開始点の近
    傍で、鋼板と冷却水の間に、鋼板幅方向において異なっ
    た量(ゼロの場合を含む)の気体を噴射する方法である
    請求項1に記載の高温鋼板の冷却方法。
  3. 【請求項3】 熱間圧延された鋼板の上面に、板長手方
    向に沿って冷却水を流して当該鋼板を冷却するに際し、
    当該鋼板の幅方向端部において冷却水が鋼板と接触開始
    する点を、当該鋼板の幅方向中央部において冷却水が鋼
    板と接触する点よりも鋼板進行方向前方とすることを特
    徴とする高温鋼板の冷却方法。
  4. 【請求項4】 鋼板の幅方向端部において冷却水が鋼板
    と接触開始する点を、当該鋼板の幅方向中央部において
    冷却水が鋼板と接触する点よりも鋼板進行方向前方とす
    る方法が、鋼板の幅方向端部において、冷却水の流出開
    始点の近傍で、鋼板と冷却水の間に、気体を噴射する方
    法である請求項3に記載の高温鋼板の冷却方法。
  5. 【請求項5】 熱間圧延された鋼板を、当該鋼板の上部
    に設けられたスリットノズルから鋼板長手方向に冷却水
    を流して冷却する高温鋼板の冷却装置であって、当該ス
    リットノズルの下側に、気体を噴射するノズルが、スリ
    ットノズルと並んで設けられていることを特徴とする高
    温鋼板の冷却装置。
  6. 【請求項6】 熱間圧延された鋼板を、当該鋼板の上部
    に設けられたスリットノズルから鋼板長手方向に冷却水
    を流して冷却する高温鋼板の冷却装置であって、当該ス
    リットノズルの下側に、幅方向に複数に分割された、気
    体を噴射する別のスリットノズルが、前記スリットノズ
    ルと並んで設けられていることを特徴とする高温鋼板の
    冷却装置。
  7. 【請求項7】 熱間圧延された鋼板を、当該鋼板の上部
    に設けられたスリットノズルから鋼板長手方向に冷却水
    を流して冷却する高温鋼板の冷却装置であって、鋼板幅
    方向端部の前記スリットノズルの下側に、気体を噴射す
    るノズルが設けられていることを特徴とする高温鋼板の
    冷却装置。
  8. 【請求項8】 気体を噴射するノズルが、板幅方向に移
    動可能とされていることを特徴とする請求項7に記載の
    高温鋼板の冷却装置。
  9. 【請求項9】 気体を噴射するノズルが、スリットノズ
    ルである請求項7又は請求項8に記載の高温鋼板の冷却
    装置。
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Cited By (4)

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