JP2020518517A - 自動化した食品調理の方法および装置 - Google Patents

Abstract

消費用食品を自動的に調理する方法および装置であって、調理が、所要量供給することと、操作することと、加熱することと、さまざまな材料を用いるその他の作業を含む、方法および装置。記載されている方法および装置は、システム汚染のリスクを最小限にするために、材料と装置の接触を避けながら、材料を効率的に使用し、およびそれらの品質を維持する。

Description

関連出願の相互参照

２０１６年１１月４日に出願された米国仮特許出願第６２／４１７，３３６号、２０１７年２月７日に出願された米国仮出願特許第６２／４５６，００８号、２０１７年３月１５日に出願された米国仮出願特許第６２／４７１，９５７号、および２０１７年６月２０日に出願された米国仮出願特許第６２／５２２，６７１号。これらのすべての出願は、参照により、本願明細書に完全に記載されているかのように組み込まれるものとする。

連邦政府の資金による研究の申告
該当せず

この開示は、一般的に、ロボット工学／自動化および調理／料理法の分野に関する。

食品調理の自動化は大変興味深い。高度に自動化された食品調理システムは、かなりの利益を提供し、多くの場合に、見つけるのが難しくかつコストがかかる労働者を減らす手段を提供することができ、良質の食品の利用の可能性を高めおよびより多くの場所により多くの回数、アクセスすることを可能にすること、個人の好み、栄養必要量および食餌制限に対するカスタマイズを容易にすること、レストランの店員によって生じる飲食に起因する健康被害のリスクを減らすこと、より定量的にレシピを実行することによって再現性を高めること、およびそれらが正確に追従されることを確保すること等を可能にするであろう。

本発明のいくつかの実施形態の目的は、空気や湿気は、酸化、乾燥、ふやけた状態、腐敗、および美味しさを損ない、および新鮮な材料の頻繁なおよび無駄の多い補充を要する他の劣化を引き起こす可能性があるため、材料を使用前に環境にさらすことを防ぐことによって、高品質の材料を確保することである。

本発明のいくつかの実施形態の目的は、そうしないと、（完全なクリーニングのない状態で）有害な病原菌を培養するという危険性、または、（ピーナッツ等の他のアレルギー誘発物質を含有する）他の材料からの二次汚染という危険性があり、また、材料がしっかりと保護されていない場合には、虫や害獣が材料に群がる可能性があるため、材料に直接接触する装置の耐久性のある構成要素を最小限にするか、またはなくすことにより、食品の安全性および衛生状態を確保することである。

本発明のいくつかの実施形態の目的は、他の方法によって所要量を供給するために、デリケートすぎる可能性のある、大きすぎる可能性のある、湿りすぎの可能性のある等の材料を含むさまざまな材料に適合する、所要量を供給する方法および装置を提供することにより、食事の多様性を提供することである。

本発明のいくつかの実施形態の目的は、材料を所要量供給する際の無駄を最小限にすることにより、材料の有効利用を実現することである。

本発明のさまざまな実施形態の他の目的および利点は、本願明細書の教示を検討すれば、当業者には明らかであろう。本願明細書に明白に記載されている、または、本願明細書の教示から確認される本発明のさまざまな実施形態は、上記の目的のうちの一つ以上に単独でまたは組合せて対応することができ、または別法として、本願明細書の教示から確認される他のいくつかの目的に対応することができる。すべての目的が、いくつかの態様に当て嵌まる可能性があるにもかかわらず、本発明の任意の単一の態様によって対応されることは必ずしも意図されてはない。

本発明の第１の態様において、少なくとも一つの密封されたフレキシブルパッケージ内の少なくとも一つの食材を容器まで自動的に移送する方法は、（ａ）材料ディスペンシング手段を設けることであって、そのディスペンシング手段が、前記少なくとも一つのパッケージの封を切るアクチュエータ作動式の機械化された手段を備えることと、（ｂ）前記機械化された手段を自動的に作動させて、前記少なくとも一つのフレキシブルパッケージの封を切ることであって、前記少なくとも一つの食材は、その封が切られたパッケージから前記レセプタクル内へ実質的に供給されることとを含む。

本発明の前記第１の態様の多くの変形例が可能であり、およびその第１の態様は、例えば、（１）少なくとも一つの食材を収容する少なくとも一つの密封されたフレキシブルパッケージのための一時的な保管場所を追加的に設けることと、（２）変形例（１）アクチュエータに、前記少なくとも一つの密封されたパッケージを前記一時的な保管場所から、前記レセプタクルにより近接する場所まで搬送する機械化された手段を操作させることをさらに含むことと、（３）圧縮手段を追加的に設けること、および、その圧縮手段を作動させて、前記少なくとも一つのパッケージを圧縮して、前記少なくとも一つの材料を所要量供給するのを支援することと、（４）ブレードを追加的に設けること、および前記パッケージの少なくとも一部が、そのブレードの縁部の周りで動かされて、前記少なくとも一つの材料を所要量供給するのを支援するように、前記ブレードと前記パッケージを相対的に動かすことと、（５）前記パッケージが、少なくとも二つの側部を有し、および前記封を切る手段が、そのパッケージの少なくとも一つの側部を掴む把持手段と、そのパッケージの前記少なくとも一つの側部を、そのパッケージの別の側部から引き離す剥離手段とを含むことと、（６）（ｉ）ベース、および通気用の少なくとも一つのポートを有する第１の面、（ｉｉ）第２および第３の面を有する材料から成るシートであって、第２の面は、前記ベースの第１の面に接触すること、および前記少なくとも一つのポートを通って空気が実質的に引き込まれたときにその第１の面に適合して、第１の面と第２の面を密接に接触させることが可能であり、および第３の面は、食材に接触することが可能であり、（ｉｉｉ）１）加熱、２）冷却、３）冷凍、４）煮沸、５）蒸発および６）脱水から成る群から選択された材料をさらに調製する手段であって、要素（ｉｉｉ）の手段のうちの一つは、材料をさらに加工するように作動されることとを含む。

本発明の第２の態様において、少なくとも一つのシールを有するフレキシブルパッケージ内に入っている食材をレセプタクルへ移送する方法は、（ａ）そのレセプタクルに近接した材料ディスペンサを設けることと、（ｂ）そのフレキシブルパッケージをそのディスペンサまで搬送することと、（ｃ）そのフレキシブルパッケージの前記少なくとも一つのシールを開封することであって、前記食材は、そのフレキシブルパッケージから前記レセプタクルへ所要量供給されることとを含む。

本発明の第１の態様の多くの変形例が可能であり、第１の態様は、例えば、（１）材料を絞り出すのを補助するようにそのパッケージを圧縮することを含むことと、（２）縁部を備えたブレードを設けること、およびそのパッケージの一部をその縁部の周りで引張ることとを含む。

本発明の第３の態様において、パッケージから食材を所要量供給する方法は、（ａ）食材を含む密封されたパッケージを用意することであって、そのパッケージは、内側面が互いに対向し、およびその内側面の少なくとも一部が材料に接触している状態で、左側部分および右側部分の各部分がその内側面および外側面を有している前記左側部分および右側部分に分けられた少なくとも一つのフレキシブル膜を備え、および前記部分は、少なくとも一つの材料を収容する少なくとも一つの空胴を形成するように互いに密封され、およびその少なくとも一つの材料に隣接して、その密封部は、開封可能なシールを備えていることと、（ｂ）下方縁部と、手前側と、向こう側とを有する少なくとも一つのブレードを設けることと、（ｃ）前記部分の一方の下方領域の外側面をその手前側に隣接しておよび前記少なくとも一つのブレードの前記下方縁部の周りを通過させて、その部分の前記下方領域を、前記少なくとも一つのブレードの前記手前側の領域の方向とは異なる方向において前記向こう側へ向け直すことと、（ｄ）前記部分の前記向こう側の前記下方領域に張力を印加して、前記少なくとも一つのブレードに対して前記パッケージを下げながら、前記下方領域を前記縁部の周りで引張ることであって、前記シールが開封されて、前記材料の少なくとも一部が供給されることとを含む。

本発明の第３の態様のさまざまな変形例が可能であり、および第３の態様は、例えば、（１）前記少なくとも一つの開封可能なシールは、前記部分を、前記少なくとも一つの材料の前記側部の少なくとも一部の周りで、および前記少なくとも一つの材料の下で接合すること、および前記方法は、前記下方領域を前記縁部の周りで、前記少なくとも一つの材料の前記側部の前記部分を少なくとも部分的に分離するように十分に引張ることをさらに含むことと、（２）前記下方領域を前記縁部の周りで引張り続けて、前記部分をさらに分離することであって、前記部分の前記内側面に付着している前記材料の少なくともある程度は、それらの面から引き離されることと、（３）（２）の変形例であって、前記材料のうちの少なくともある程度が、その材料の実質的にすべてを含むことと、（４）下方縁部と、手前側と、向こう側とを有する少なくとも一つの第２のブレードを設けること、および他方の部分の下方領域の外側面を、前記手前側に隣接して、および前記少なくとも一つの第２のブレードの前記下方縁部の周りを通過させて、前記他方の部分の前記下方領域を、前記少なくとも一つの第２のブレードの前記手前側の前記領域の方向とは異なる方向において前記向こう側に向け直すこと、および前記他方の部分の前記向こう側の前記下方領域に張力を印加して、前記少なくとも一つの第２のブレードに対して前記パッケージを下げながら、前記他方の部分の前記下方領域を、前記少なくとも一つの第２のブレードの前記縁部の周りで引張ることであって、前記シールが開封され、および前記材料の少なくとも一部が供給されることとを含む。

本発明の第４の態様において、食材をパッケージから所要量供給する方法は、（ａ）食材を含む密封されたパッケージを用意することであって、そのパッケージは、内側面が互いに対向し、およびその内側面の少なくとも一部が食材に接触している状態で、左側部分および右側部分の各部分がその内側面および外側面を有している前記左側部分および右側部分に分けられた少なくとも一つのフレキシブル膜を備え、および前記部分は、少なくとも一つの食材を収容する少なくとも一つの空胴を形成するように互いに密封され、およびその少なくとも一つの食材に隣接して、その密封部は、少なくとも一つの開封可能なシールを備えていることと、（ｂ）第１の機械化された把握手段を用いて、その左側部分の下方領域を掴むことと、（ｃ）第２の機械化された把握手段を用いて、その右側部分の下方領域を掴むことと、（ｄ）その左側部分の下方領域を、その右側部分の下方領域から分離することであって、この場合、前記シールが引張られて開けられて、その食材の少なくとも一部が所要量供給されることとを含む。

本発明の第５の態様において、フレキシブルパッケージを操作して、食品をレセプタクル内に所要量供給する方法は、（ａ）少なくとも一つの材料がそのパッケージ内に密封されて入っているフレキシブルパッケージを、フレキシブルパッケージハンドラーに供給することと、（ｂ）そのフレキシブルパッケージハンドラーを作動させて、密封されたフレキシブルパッケージを、フレキシブルパッケージディスペンシング位置まで移動させることと、（ｃ）レセプタクルを、そのディスペンシング位置に対して所望の下方位置に設けることと、（ｄ）そのフレキシブルパッケージの封を所定量だけ切り、および少なくとも一つの材料を容器内に所要量供給する手段を含むディスペンシング手段を作動させることとを含む。

本発明の第３の態様の多くの変形例が可能であり、および第３の態様は、例えば、（１）そのパッケージを圧縮して、その材料を吐出させることから成ることを含む。

本発明の第６の態様において、自動化された食品調理のためのシステムは、（ａ）各々に少なくとも一つの材料が入っているパウチを保管する保管手段と、（ｂ）そのパッケージを保持するための把握手段と、（ｃ）それらのパッケージをディスペンシング位置まで移動させる輸送手段と、（ｄ）そのディスペンシング位置において、それらのパッケージの封を切るための、および前記少なくとも一つの材料を収容するように構成されたレセプタクルに、少なくとも一つの材料を所要量供給するためのディスペンシング手段とを含む。

本発明の第３の態様の多くの変形例が可能であり、および第３の態様は、（１）そのディスペンシング手段が、そのパッケージを押し潰すことができる少なくとも一つの要素を備えていることを含む。

本発明の第７の態様において、材料をフレキシブルパッケージからレセプタクル内に所要量供給する方法は、（ａ）そのパッケージの封を切るように構成されたディスペンサを設けることと、（ｂ）その材料が流動性を有するか否かを判断することと、（ｃ）そのパッケージの封を切ることと、（ｄ）その材料が流動性を有している場合には、そのパッケージを圧縮することであって、この場合、前記流動性を有する材料が、そのパッケージからそのレセプタクル内へ所要量供給されることとを含む。

本発明の第８の態様において、食材を伝導加熱または冷却する装置は、（ａ）ベース、および通気用の少なくとも一つのポートを有する第１の面と、（ｂ）第２および第３の面を有する材料から成るシートであって、その第２の面は、そのベースの第１の面に接触することが可能であり、およびその少なくとも一つのポートを通って空気が実質的に引き込まれた場合に、その第１の面に適合して、その第１の面と第２の面を密接に接触させることが可能であり、その第３の面は、その食材に接触することが可能であるシートと、（ｃ）１）加熱、２）冷却、３）冷凍、４）煮沸、５）蒸発および６）脱水から成る群から選択された材料をさらに調製する手段とを含む。

本発明の第３の態様の多くの変形例が可能であり、および第３の態様は、（１）ベースと一体化された少なくとも一つの加熱または冷却要素を含む。

本発明の第９の態様において、自動化された食品調理システムは、（ａ）各々に少なくとも一つの材料が入っている複数のパウチを保管する手段と、（ｂ）少なくとも一つのパウチを機械的に把持して輸送する手段と、（ｃ）その少なくとも一つの材料を機械的に開封して、その少なくとも一つのパウチからレセプタクル内へ所要量供給する手段とを含む。

本発明の第３の態様の多くの変形例が可能であり、および第３の態様は、（１）その少なくとも一つのパウチが複数のパウチを備えることであって、この場合、複数の材料が、そのレセプタクル内へ所要量供給されることと、（２）そのパウチを圧縮する手段とを含む。

上記態様の多くの追加的変形例が可能であり、およびそれらの態様は、他の態様、例えば、既にそれらの限定を含んでいる態様８を除く他のすべての態様に適用される請求項１の変形例（６）に適用される本発明の一つの態様に関連する変形例を含んでもよい。

本発明のその他の態様は、本願明細書における教示を検討すれば、当業者には理解されるであろう。本発明のその他の態様は、本発明の態様の上述した態様または変形例の組合せを包含してもよい。本発明の一つの態様の変形例を、本発明の他の態様に適用してもよいこと、および本発明の一つ以上の態様のさまざまな形状構成が、本発明の他の態様において利用可能であること、およびさらに、本発明の一つ以上の態様のさまざまな形状構成のサブコンビネーションが、本発明の新たな態様を提供する可能性があることが意図されている。コンビネーションは、個別の構成要素によってもたらされるすべての機能を除外しない限り、適切であると見なされる。本発明のこれらの他の態様は、上記で提示された態様のさまざまなコンビネーションおよびサブコンビネーションを提供することができ、および上記で具体的に記載されていない他の構成、構造、機能的関係、実行するためのプロセス、および／または使用の手順を提供することができる。

フレキシブルパッケージを吊るすことに関するアプローチを含む、それらのフレキシブルパッケージを示す図である。 フレキシブルパッケージを吊るすことに関するアプローチを含む、それらのフレキシブルパッケージを示す図である。 フレキシブルパッケージを吊るすことに関するアプローチを含む、それらのフレキシブルパッケージを示す図である。 フレキシブルパッケージを吊るすことに関するアプローチを含む、それらのフレキシブルパッケージを示す図である。 特定の材料専用のパッケージの図である。 特定の材料専用のパッケージの図である。 特定の材料専用のパッケージの図である。 特定の材料専用のパッケージの図である。 特定の材料専用のパッケージの図である。 特定の材料専用のパッケージの図である。 特定の材料専用のパッケージの図である。 パッケージを開いている間、ディスペンシング要素が作動可能になっている状態のパッケージを示す図である。 パッケージを開いている間、ディスペンシング要素が作動可能になっている状態のパッケージを示す図である。 パッケージを開いている間、ディスペンシング要素が作動可能になっている状態のパッケージを示す図である。 パッケージを開いている間、ディスペンシング要素が作動可能になっている状態のパッケージを示す図である。 パッケージを開いている間、ディスペンシング要素が作動可能になっている状態のパッケージを示す図である。 パッケージを開いている間、ディスペンシング要素が作動可能になっている状態のパッケージを示す図である。 パッケージを開いている間、ディスペンシング要素が作動可能になっている状態のパッケージを示す図である。 図４（ａ）はパウチに用いるマニピュレータを示す図である。 図４（ａ’）はパウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 パウチに用いるマニピュレータを示す図である。 材料の所要量供給時の一連のステップを示す図である。 材料の所要量供給時の一連のステップを示す図である。 材料の所要量供給時の一連のステップを示す図である。 材料の所要量供給時の一連のステップを示す図である。 材料の所要量供給時の一連のステップを示す図である。 材料の所要量供給時の一連のステップを示す図である。 材料の所要量供給時の一連のステップを示す図である。 材料の所要量供給時の一連のステップを示す図である。 材料の所要量供給時の一連のステップを示す図である。 材料をパッケージから押し出す装置の図である。 材料をパッケージから押し出す装置の図である。 材料の所要量供給を調節することに関するアプローチを示す図である。 材料の所要量供給を調節することに関するアプローチを示す図である。 材料の所要量供給を調節することに関するアプローチを示す図である。 材料の所要量供給を調節することに関するアプローチを示す図である。 図４のものに似ているパウチに用いるマニピュレータを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 複数の区画を備えたパッケージを含むパッケージ、およびパウチから所要量供給する際のステップを示す図である。 材料用の代替的なパッケージの図である。 材料用の代替的なパッケージの図である。 ベースおよびライナーを備える容器を示す図である。 ベースおよびライナーを備える容器を示す図である。 ベースおよびライナーを備える容器を示す図である。 ベースおよびライナーを備える容器を示す図である。 ベースおよびライナーを備える容器を示す図である。 ベースおよびライナーを備える容器を示す図である。 ベースおよびライナーを備える容器を示す図である。 材料を加工するためのベース、ライナーおよび蓋を示す図である。 材料を加工するためのベース、ライナーおよび蓋を示す図である。 材料を加工するためのベース、ライナーおよび蓋を示す図である。 材料を加工するためのベース、ライナーおよび蓋を示す図である。 材料を加工するためのベース、ライナーおよび蓋を示す図である。 材料を加工するためのベース、ライナーおよび蓋を示す図である。 ベースと、ライナーと、材料を加工する動作とを示す図である。 ベースと、ライナーと、材料を加工する動作とを示す図である。 ベースと、ライナーと、材料を加工する動作とを示す図である。 ベースと、ライナーと、材料を加工する動作とを示す図である。 ベースと、ライナーと、材料を加工する動作とを示す図である。 ベースと、ライナーと、材料を加工する動作とを示す図である。 ベースと、ライナーと、材料を加工する動作とを示す図である。 材料をそこから所要量供給することができるベースおよびライナーを示す図である。 材料をそこから所要量供給することができるベースおよびライナーを示す図である。 材料をそこから所要量供給することができるベースおよびライナーを示す図である。 材料をそこから所要量供給することができるベースおよびライナーを示す図である。 給仕および飲食を可能にする要素と組合せたライナーを示す図である。 給仕および飲食を可能にする要素と組合せたライナーを示す図である。 給仕および飲食を可能にする要素と組合せたライナーを示す図である。 給仕および飲食を可能にする要素と組合せたライナーを示す図である。 材料の所要量供給に関する専用アプローチを示す図である。 材料の所要量供給に関する専用アプローチを示す図である。 材料の所要量供給に関する専用アプローチを示す図である。 食品調理ツールおよび関連するクリーニングアプローチを示す図である。 食品調理ツールおよび関連するクリーニングアプローチを示す図である。 食品調理ツールおよび関連するクリーニングアプローチを示す図である。 食品調理ツールおよび関連するクリーニングアプローチを示す図である。 食品調理ツールおよび関連するクリーニングアプローチを示す図である。 食品調理ツールおよび関連するクリーニングアプローチを示す図である。 食品調理ツールおよび関連するクリーニングアプローチを示す図である。 食品調理ツールおよび関連するクリーニングアプローチを示す図である。 食品調理ツールおよび関連するクリーニングアプローチを示す図である。 食品調理およびツールのクリーニングを含む一連のステップを示す図である。 食品調理およびツールのクリーニングを含む一連のステップを示す図である。 食品調理およびツールのクリーニングを含む一連のステップを示す図である。 食品調理およびツールのクリーニングを含む一連のステップを示す図である。 食品調理およびツールのクリーニングを含む一連のステップを示す図である。 容器と、それを空にする際のステップの図である。 容器と、それを空にする際のステップの図である。 容器と、それを空にする際のステップの図である。 容器と、それを空にする際のステップの図である。 容器と、それを空にする際のステップの図である。 容器と、それを空にする際のステップの図である。 容器と、それを空にする際のステップの図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 食品調理用の自動化されたシステムと、それによって実行されるさまざまな動作とを示す図である。 容器、蓋およびライナーと、食物を加工する際のこれらの用途とを示す図である。 容器、蓋およびライナーと、食物を加工する際のこれらの用途とを示す図である。 容器、蓋およびライナーと、食物を加工する際のこれらの用途とを示す図である。 容器、蓋およびライナーと、食物を加工する際のこれらの用途とを示す図である。 容器、蓋およびライナーと、食物を加工する際のこれらの用途とを示す図である。 容器、蓋およびライナーと、食物を加工する際のこれらの用途とを示す図である。 容器、蓋およびライナーと、食物を加工する際のこれらの用途とを示す図である。 容器、蓋およびライナーと、食物を加工する際のこれらの用途とを示す図である。 容器、蓋およびライナーと、食物を加工する際のこれらの用途とを示す図である。 容器、蓋およびライナーと、食物を加工する際のこれらの用途とを示す図である。 システムで使用できるフレキシブルパッケージの図である。 食物をプリントするシステムを示す図である。 食物をプリントするシステムを示す図である。 食物をプリントするシステムを示す図である。 食物をプリントするシステムを示す図である。 食物をプリントするシステムを示す図である。 食物をプリントするシステムを示す図である。 個々の剥離可能なパッケージを示す図である。 個々の剥離可能なパッケージを示す図である。 パッケージを密封して装填するステップの図である。 パッケージを密封して装填するステップの図である。 パッケージを密封して装填するステップの図である。 パッケージを密封して装填するステップの図である。 パッケージを密封して装填するステップの図である。 パッケージを密封して装填するステップの図である。 パッケージを密封して装填するステップの図である。 パッケージを密封して装填するステップの図である。 パッケージを密封して装填するステップの図である。 パッケージを密封して装填するステップの図である。 複数の材料から食べ物を調理するシステムを示す図である。 複数の材料から食べ物を調理するシステムを示す図である。 材料ディスペンサを示す図である。 材料ディスペンサを示す図である。 図２７（ｃ）は材料ディスペンサを示す図である。 図２７（ｃ’）は材料ディスペンサを示す図である。 材料を所要量供給するプロセスにおけるステップの図である。 材料を所要量供給するプロセスにおけるステップの図である。 材料を所要量供給するプロセスにおけるステップの図である。 食べ物を調理するシステムにおけるディスペンサ、レセプタクルおよび運搬構成要素を示す図である。 食べ物を調理するシステムにおけるディスペンサ、レセプタクルおよび運搬構成要素を示す図である。 食べ物を調理するシステムにおけるディスペンサ、レセプタクルおよび運搬構成要素を示す図である。 食べ物を調理するシステムにおけるディスペンサ、レセプタクルおよび輸送構成要素を示す図である。 パッケージを密封する装置を示す図である。 パッケージを密封する装置を示す図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 動作ステップを含む食品調理用システムの図である。 食べ物の製造時のステップを示すフローチャートである。

材料パウチ
自動化された食品調理に関連する重要な課題は、食品調理システムのさまざまな実施形態において、適切な装置、プロセスおよびアルゴリズムによって処理することができるコンテナまたはパッケージ内に材料を設けることによって対処することができる。この点に関しては、材料品質（例えば、新鮮さ）、食品の安全性、および保管および所要量供給することができるほぼ無限の種類の材料の観点から、適切にデザインされたフレキシブルパッケージまたはパウチが特に有利である。また、それらのパッケージまたはパウチは入手しやすく、また多くの場合、完全にリサイクル可能である。硬質のコンテナ等の代替的なパッケージに優るパウチの恩恵には、順不同で、以下のことがある。すなわち、１）低コスト、２）コンパクトかつ軽量（全体の体積が小さく、すなわち、特に空の場合に、まとめて近接して保管することができる）、３）より少ない材料を用いて環境にやさしい（および場合により、完全に再利用可能）、４）異なるサイズおよび形状に容易に形成される、５）さまざまな粘度にわたって接触することなく、流動性を有する材料を所要量供給するための、脈動しない、事前に用意した蠕動ポンプとして機能することができる、６）排気することができ、バリア層を設けることができ、およびガスを充填して保存可能期間を延ばすことができ、酸化を避けることができる等、７）切断、剥離等により、容易に開封することができる、８）大きな物品を放出するために、その全幅まで開けることができる、９）材料を、パウチ内で料理することができ（例えば、真空調理法）、温めることができ、または冷却することができるように成っている、１０）複数の区画に細分化することができる、１１）容易に密封され、必要に応じて、再び密封することができる、１２）「付け合わせ」として、サラダドレッシング等の材料を、便利な形態で顧客に直接与えることができるようになっている、１３）吐出口および排気口等の装備を含むことができる、１４）（例えば、パン粉を用いた）コーティング、混ぜ合わせ、泡立て、調合、油漬け、および複数の材料が関わるその他の作業（例えば、魚が入っているパウチは、コーティングミックスが入っている別のパウチに注ぐことができ、この別のパウチは、その後、密封されて放り出される）等のパウチ内での処理に用いることができる。

図１（ａ）、図１（ｂ）は、それぞれ、一つ以上の食材、十分に調理された食べ物等を入れることが可能な典型的なパウチの正面断面図および側面断面図である。パウチは、特に真空包装されている場合には、図示されているのと非常に異なる外観を有していてもよい。パウチは、異なる形状およびサイズで（例えば、ステーキ、鶏むね肉、魚の切り身、チーズとパン一切れ、トルティーヤ、およびトマトの薄切り等の物品に対しては幅広に、または、アスパラガスの場合は狭小に）形成することができる。パウチの内容物は、供給された状態に、または、一部が加工された状態になっていてもよい（例えば、特定の食べ物の調理プロセスの間において、後の使用のためにパウチに加えられた材料）。以下において、「材料（ｉｎｇｒｅｄｉｅｎｔ）」という用語は、該当する場合に、一つのパウチを共同で占有する可能性のある複数の個別の材料を含むパウチの任意のおよびすべての内容物を指すものとする。このパウチは、ポリマー（例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート）および金属等の（例えば、異なる層における）材料の組合せを含むさまざまな材料から形成することができる。例えば、食品の長期間の保管の場合、このパウチは、典型的には、レトルトパウチに見られるようなＥＶＯＨまたは金属膜等の当技術分野に公知のバリア層を備えていてもよい。パウチは、保持されることを意図されている材料に依存して、さまざまなサイズおよび形状で製造することができる。

いくつかの実施形態において、パウチ２００は、壁部２０２および２０４を形成している、ポリマーフィルム等の材料から成る２枚のシートから形成されている。断面図（図１ｂ）において、パウチ壁部２０２および２０４を表している（容易にこれらを区別するように実線および点線で示す）ラインは、材料を保持するための中心領域における、これらの壁部間の容積／空胴を備えて、上部と底部で接触して図示されており、すなわち、この空胴は、このパウチのフレキシブル壁部の変形から生じる可能性があり、または、この空胴を形成（例えば、熱成形）してもよい。壁部２０２および２０４は、４つの縁部に沿って、すなわち、通常は、パウチの内容物が漏出することができないように、上部シール２０６と、底部シール２０８と、２つの側部シール２１０とによって密封することができる。いくつかのパウチは、縁部から遠い位置にシール（例えば、底部シール）を有していてもよい。パウチは、必ずしも四辺ではなく、四辺以外の円形、楕円形または多角形であるパウチも可能である。密封された領域は、幅広または狭小になっている可能性があり、および図示されているものから変化してもよい。シーリングは、（例えば、パウチが、内側ポリマー層を有している場合）フレキシブル包装の当技術分野に公知の超音波シーリングによって、２枚のシートを一緒にプレスして、適切な温度で熱を印加することによって実現することができる。食品をパウチ内に完全に密封する前に、その内部の空気を（一部または実質的に完全に）排気することができ、およびいくつかの実施形態においては、窒素等の不活性ガスを充填することもできる。真空および／または不活性ガスは、当技術分野において周知されているように、食品の損傷、風味落ちまたは色落ち等を遅らすのに利用することができる。パウチは、使い捨て用にデザインすることができ（および好ましくは、リサイクルされ）、または、少なくとも数回の再利用のためにデザインすることができる。いくつかの実施形態において、パウチは、少なくとも一部が透明／半透明であり、また、いくつかの実施形態では、文字および／またはグラフィックの要素を、そのパウチに組み込んでもよい。

いくつかの実施形態においては、パウチの内容物を識別するために、標準的なバーコードリーダ、カメラまたは他の手段を用いて外部から読み取ることができるバーコード２１２がそのパウチに組み込まれている。いくつかの実施形態においては、識別のために、ＱＲ（ｑｕｉｃｋ ｒｅｓｐｏｎｓｅ）コード、ＲＦＩＤタグ、近距離無線通信（ｎｅａｒ ｆｉｅｌｄ ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ；ＮＦＣ）タグ、または、他の機械可読コードを利用してもよい。これらの要素の位置は、図のバーコードに対して図示されているように、パウチ２１４の上部の近くにあり、または、当該パウチがどのようにアクセスされるかにより、他の場所にあってもよい。いくつかの実施形態において、バーコードは、そのパウチの（例えば、狭小な）上縁部に沿って配設してもよい。いくつかの実施形態において、そのバーコードは、一旦、そのパウチが開封されても、依然として、そのコードが読み取り可能である箇所に配設してもよく、また、いくつかの実施形態では、複数のコードまたはコードタイプ（例えば、ＲＦＩＤ、バーコード）を冗長性のために設けてもよい。コードならびに他のマーキングは、材料識別（例えば、エンドウ豆、スパゲッティソース）に加えて、所要量供給の方法（例えば、その材料が流動性を有する場合、当該パウチを押圧することができる装置を用いて、その材料を所要量供給する）、製造年月日、ロットナンバー、「賞味期限」／使用期限、製造会社／包装設備、容積、重量（例えば、重量を測定すること等により、そのシステムが、パウチの充填レベルを判断できるように、さらには、漏れがあるパウチを検出できるように、充填時の重量および空のときの重量）、および／または容積、構成（例えば、以下で説明する、区画の数と位置）、偽造防止の認証関連日付またはマーキング等の情報を提供することができる。実際には、単一の食品調理装置が、直接他の装置に、または、ネットワークを介して、特定の材料に関して問題が存在することを知らせることを自動的に可能にするシステムを実施することができ、およびアルゴリズムに従って、または、人の介在により、同じロットまたは製造会社／包装会社のパウチを保証することができる。この能力は、飲食による健康被害が広がる前に、その被害の拡散を防ぐことができる。いくつかの実施形態において、上記コードは、共通の言語で書き込んでもよく、および人が直接、解釈可能または理解可能にしてもよく、または、人が直接、解釈可能である他のマーキングを、そのパッケージに付加してもよい。いくつかの実施形態において、コードは、単一のパウチを処理するための処理命令、または、複数の関連するパウチを所望の順序で処理するための処理命令のいずれかを調理システムに与えてもよい。

いくつかの実施形態においては、例えば、（例えば、冷蔵されている）貯蔵室内で、または、冷凍用の冷水、または、氷／水／塩混合物、または図１（ｃ）に示すような真空調理用の温熱水で満たすことができるタンク２２０内で、パウチの重量を垂直方向に吊るすことができる状態で、パウチを支持レール２１８から吊り下げられるようにするために、（例えば、シーリング中に）ホール（例えば、２つの円形ホール、１つの円形ホールおよび１つのスロット）または支持体（例えば、堅いワイヤ２１６、厚めのプラスチックフィルム）がパウチ２００に組み込まれる。貯蔵室／タンク２２０の側部は、その支持体がそのレールから外れる可能性がある横方向の動きを阻止する。他の実施形態では、パウチ２００は、ハンギングファイルフォルダにかなり似ている、レールを収容するためのノッチを有することができるタブ２２２（図１（ｄ））を形成するために、打ち抜き加工等をされる。他の実施形態では、一つ以上の貫通孔が、そのパウチの密封された部分を貫通して延在していてもよく、ガイドをその貫通孔に挿入することができ、または、グリッパーまたは他の把持要素をその貫通孔内に堅固に定着させることができる。

パウチは、材料が予め装填された状態で、例えば、食料品店で購入することができ、または、Ｂｌｕｅ Ａｐｒｏｎ（ニューヨーク州ニューヨーク市）等の食材キット配達サービス会社が配達することができる。パウチは、個別に、または、パウチのセットにおいて、特定の料理に必要なすべての材料を含むキットとして提供することができる。キットの一部である複数のパウチは、システム（例えば、貯蔵室）に同時にまとめて装填することができる。また、パウチは、その食品調理システムのユーザが装填することもできる。パウチ内の材料は、システムの能力により、食品調理に使える状態になっている。例えば、そのシステムが、スライシングが可能である場合には、材料をスライスしなくてもよいが、例えば、そのシステムが、皮むきが可能でない場合には、その材料は、（例えば、配達サービス会社が）事前に皮むきをしてもよい。そのシステムがモジュール式の場合には、そのうちに追加的な能力を追加して、所要量の材料の調理を最小限にすることができる（および新鮮さを最大限にすることができる。例えば、そのシステムに、皮むきされて、変色を避けるために密封されているリンゴに対して、皮むきされていないリンゴを与えることができる）。

図２（ａ）から図２（ｇ）は、多くの異なる種類の材料を収容するように意図されたパウチの側面断面図を示す。図２（ａ）の（まだ密封されている）パウチは、比較的大きな材料、または、そのパウチが開封されたときに、そのパウチから、または、（以下で説明するように）その区画のうちの一つから、（以下で説明するように）一度にすべてを、または徐々に所要量供給することができる材料を対象としている。図２（ｂ）のパウチは、内部こし器２２４（例えば、穴の開いた膜）を含み、および例えば、ハーブやスパイスのような粉末状になっている材料、および（例えば、パウチを振動させることにより）徐々におよび／または部分的に所要量供給すべき材料を対象としている。図２（ｃ）のパウチは、一つ以上の穴２２８を有する内部膜２２６を含み、および液状／ペースト状になっている材料（例えば、ソース、肉汁たれ）、および（例えば、パウチを押し潰すことにより）徐々におよび／または部分的に所要量供給すべき材料を対象としている。図２（ｄ）のパウチは、図２（ｃ）のものと似ているが、噴射ノズル２３０が、穴２２８に隣接して設けられている（いくつかの実施形態では、穴２２８を噴射ノズルとして用いてもよい）。このようなパウチは、（例えば、パウチを押し潰すことにより）噴霧の形でまたは別様に、徐々におよび／または部分的に所要量供給すべき、および大きな開口が設けられている場合に、パウチから漏れる可能性がある液体材料（例えば、オイル）を対象としている。しかし、いくつかの実施形態では、パウチは、材料を、開いたパウチ内で低粘性で保持すること、およびパウチが圧縮されるにつれて、材料を徐々に吐出することを可能にする、高表面積の構造（例えば、スポンジ）を組み込むことができる。内蔵ブラシ、細長いスロット等のその他の形状構成を有するパウチも設けてもよい。図２（ｂ）から図２（ｇ）のようなパウチは、その穴、ノズル等へ材料を方向付けるのを補助するための内部漏斗または同様の形状（図示せず）を有していてもよい。

図２（ｅ）の開封された／封が切られたパウチは、（例えば、パウチを押し潰すことにより）液状／ペースト状の材料をそこを介して所要量供給することができる押出しノズル２３２を含む。このノズルは、隣接するパウチの縁部がシールされたときに、全体がそのパウチ内にフィットするように、最初は、（例えば、図２（ｅ）に示すように、ベローズ状の波形により）潰れていてもよく、または、渦巻き状になっていてもよい。ノズル２３２は、その後、図２（ｆ）に示すように伸びることができる。また、ノズル２３２は、常に伸びていてもよく、および取外し可能なキャップ（例えば、ねじ切りキャップ）、（例えば、コーキングガンの先端に似た）カット可能なシール等によって単純に塞いでもよい。また、図２（ｇ）に示すように、パウチの内部にある間は、最初は（裏返しに）めくり返すことができ、その後、使用するために表にひっくり返すことができるノズル２３４を設けることもできる。一旦、伸ばされると（または、記載されているように伸ばされた場合）、ノズル２３２または２３４は、（例えば、その先端近傍に）物理的に安定化させることができ、その後、コンピュータ支援設計ソフトウェアを用いて生成することができるデザインによって決められるパターンで材料を押し出すのに用いることができる。あるパターンで押し出すために、そのノズルおよび／またはパウチ全体は、必要に応じてモーションステージによって平行移動させることができる。そのパターンは、（例えば、ケーキの平らな面を砂糖衣で装飾する場合）平坦にまたは単層に、非平面の単層に、または、一つ以上の材料を用いて食物を３Ｄプリントする場合（付加製造）には、（平坦な層または非平面的層を有する）多層にすることができる。いくつかの実施形態においては、図２１から図２３に関連して以下で説明するように、パウチ自体が押出しノズルを構成していてもよい。

図２のパウチのうちのいくつかは、パウチ包装自体が、材料の移動のリスクを防いでいない場合、（例えば、取扱い時または輸送時に）不注意に振動させるか、または押し潰した場合には、（例えば、こし器の上、穴の上の）上方領域から下方領域への材料の移動のリスクにさらされる可能性がある。下方領域への材料の移動が多すぎる場合には、パウチが最初に開封された／封が切られたときに、余分な量が供給される可能性がある。図３（ａ）から図３（ｇ）は、パウチの開封を利用して、内部ディスペンシング要素が機能することを可能にすることによって、そのような移動を最小限にする、典型的なパウチの正面断面図を示す。図３（ａ）は、正面断面図であるが、図３（ｂ）から図３（ｇ）は、側面断面図である。図３（ａ）は、ノズル２３８（例えば、スプレーまたは押出し）を有するパウチ２３６を示し、この場合、パウチ２３６は、ノズル２３８の少なくとも一部を取り囲んで、ノズル２３８の先端を非常に小さな（例えば、実質的にゼロ）容積で取り囲んでいる空洞２４２を残し、それによって、ノズル２３８を通る材料の移動を防いでいるシール２４０を有している。パウチ２３６は、ノズル２３８に至る漏斗を画定する内部シール２４４を組み込んでもよい。パウチ２３６は、空洞２４２に沿ってかつその空洞を横切らずに、ライン２４４に沿って切断または引き裂いて開き、その後、両側壁から引き離すことによって開封することができる。このことを支援するために、パウチには、予め切り目を付けることができる（例えば、レーザ刻設（Ｐｒｅｃｏ社，Ｌｅｎｅｘａ，Ｋａｎｓａｓ））。このことは、引き裂くのに用いられる切断ブレードまたは装置の汚染の可能性を最小限にするが、いくつかの実施形態では、切断または引き裂きは、その空洞を横切ることが可能である。いくつかの実施形態において、パウチ２３６の両壁部は、切断または引き裂きが必要ないように、剥離可能なシールによって一緒に保持されている。

図３（ｂ）は、パウチ壁部２５０および２５２と、ノズル２５４とを備えるパウチ２４８を示す。ノズル２５４は包囲されているが、パウチ２４８は、ノズルをほぼ包囲し、ここでもまた小さな容積を形成している連続的に折り曲げられた膜２５６によって密封されている。パウチが、図３（ｃ）のように、矢印２５７で示すように開封された／封が切られた場合、膜２５６は引き離され、およびノズル２５４は、使用のために伸びることができる。図３（ｄ）は、こし器２６０を備えるパウチ２５８を示し、いくつかの実施形態において、こし器２６０は、穴の開いていない膜２６２によって、当初は折り畳まれて包囲されている。その折り畳まれた構成においては、材料がその中に移動することができる、こし器２６０を通って利用可能な容積が少しある。そのパウチが、図３（ｅ）のように、矢印２６１によって示すように、開封されると、こし器２６０が広げられて、材料を所要量供給することができるようになっている。図３（ｆ）は、図２（ｃ）のと同様のパウチ２６４であるが、膜の穴２２８は、穴の開いている膜２６８に接続されたプラグ２６６、または、（一つ以上のスポークを有する）つなぎ部によって覆われており、材料は、そのプラグまたはつなぎ部の周りを通ることができる。当初、プラグ２６６は、穴２２８に当たって、材料の移動を阻止している。プラグ２６６は、接着剤、溶接（例えば、超音波）等によって、穴の開いていない膜２２６に取付けることができ、およびコルク栓またはストッパー充填穴２２８の形態を有していてもよく、または、穴の開いている膜２６８または他の構造によって穴２２８に当てることができる。パウチ２６４が、図３（ｇ）のように、矢印２７０によって示すように、開封されている／封が切られた場合、矢印２７２で示すように、その穴から脱してプラグを引っ張れるように、および材料を所要量供給できるような十分な力が生じる。また、パウチが意図的に開封されるまで、材料の移動を防ぐパウチを可能にするために、折り紙の技術に関して知られているさまざまな方法も用いることができる。

いくつかの実施形態において、パウチは、切断要素、例えば、ファイバ（例えば、金属ワイヤ）を含んでもよい。例えば、パウチには、一つ以上の固ゆで卵（または、豆腐またはチーズ等の他の材料）が入っていてもよく、また、（張力が印加されたときに）ほぼ平行な薄いワイヤのセットを、例えば、それらの端部が、対向する壁部に固定されている状態で、そのパウチの中に配設することができる（ただし、いくつかの実施形態では、単一のワイヤを、両壁部の間で前後に進ませてもよい）。パウチを開封する前は、それらのワイヤに張力を印加しなくてもよいが、パウチを開封すること／広げることおよび／またはパウチに押し当たっている卵の力が、それらのワイヤに張力を印加する。一旦、パウチがカットされて開封されると、卵は、それらのワイヤによってパウチの中に閉じ込められる。しかし、一つ以上のローラまたは他の機構が卵に当たって進むと、卵はそれらのワイヤを介して押されてスライスされ、それらのスライスされたものは、下の待機用容器または皿に投下される。ファイバは、異なる方向付けで用いてもよい（例えば、それらのファイバを強制的に通されるじゃがいもからフライドポテトを作るために、または、にんにくを切り離すため等のために、交差させてもよい）。いくつかの実施形態では、ファイバは、適切な機構により、パウチの外部からさまざまな方向で作動させてもよく、およびそれらのファイバに押し付けられている材料に単純に受動的に応動しなくてもよい。

パウチ操作
パウチは、消費用に調理する過程で、上記システムによって操作することができる。いくつかの実施形態において、その操作は、貯蔵室またはタンク内でパウチを掴むことと、パウチを、材料が所要量供給されるエリアまで、または、（材料が既に供給されている）パウチを廃棄することができるエリアまで運ぶことと、パウチの封を切る／開封すること、（例えば、一貫して、最小限の廃棄で）材料を所要量供給することと、およびいくつかの実施形態では、パウチに張力を印加することと、パウチを回転させること／振動させることと、および／またはパウチを密封すること／再び密封することとを含んでもよい。本願明細書に記載されているように、いくつかの実施形態において、掴む、封を切る、所要量供給する、回転させるおよび密封するという機能は、図４のもの等のパウチマニピュレータまたはハンドラーによって実行されるが、パウチを運ぶという機能は、そのマニピュレータとパウチ本体とを運ぶ、（例えば、多軸ステージを備えた）一つ以上のモーションステージによって実行される。他の実施形態では、それらの機能は、別様に分けてもよい。

図４（ａ）から図４（ｎ）は、パウチの上部を掴んで、その位置を調節するように平行移動する上部グリッパーと、パウチを圧縮して材料を所要量供給する一つ以上のローラ（または、いくつかの実施形態においては、ブレード状のスキージー）とを備えるパウチマニピュレータを正面図で示す（ただし、いくつかの実施形態において、他の実施形態では、そのマニピュレータは、剥離可能なパウチと、パウチの一部を掴む手段、例えば、真空、または、機械的クランプ、または、グリッパー等を用いてもよい）。マニピュレータ、または、それが上に搭載されるキャリッジは、パウチを識別するためのバーコード用リーダー、ＲＦＩＤタグ等も含んでいてもよい。上部グリッパーの動作は、パウチを掴むための外側に向けられた動作と、パウチを移動させるための（例えば、直角方向に沿った）動作と、ディスペンシングまたは充填を目的とする、パウチ壁部を互いに分離するための外側に向けられた動作とを含んでもよい。それらのローラの動作は、（いくつかの実施形態では、回転させながら）パウチに沿って移動させて、中の材料を押出すことと、パウチにぶつけるための（例えば、直角方向に沿った）内側に向けられた動作と（必要に応じて、パウチを離すための内側に向けられた動作と）を含んでもよい。図４（ａ）から図４（ｄ）のマニピュレータは、所要の動作が可能であり、さらに必要に応じて、パウチを所望の方向に（例えば、ディスペンシングのために逆方向にまたはある角度）回転させることができる、または、（例えば、材料を揺動させるために）連続的に回転させることができるディスクと、パウチの封を切るためのカッターとを備えている。上部グリッパーは、パウチ壁部を引き寄せるための真空把持器と、パウチを密封する／再び密封するためのパウチ真空ポンプおよびヒータとをさらに組み込んでもよい。

マニピュレータのグリッパーおよびローラの所望の動作の多くは、独立したリニアステージおよび回転ステージまたは他のアクチュエータ（電動、空気圧または油圧）を用いて実現することができる。しかし、所要の操作がポーチ間で一致している限り、図４（ａ）に示すパウチマニピュレータの背面図に示されているように、カムおよび従動子に頼る、または、ベルト（または、チェーン）を用いた、あまりフレキシブルではなく、かつ潜在的にコストがかからないシステムも用いることができる。その図においては、そのマニピュレータの詳細が見られる。この装置は、垂直方向の中心線に関して対称的である。上部グリッパー２７６（図４（ｄ））に取り付けられた上部グリッパーキャリッジ２７４は、外側ベルト２８０により、ディスク２７９のＣ字状外側スロット２７８を介して駆動される。また、ローラ支持体２８４（図４（ｄ））に取り付けられたローラキャリッジ２８２も図示されており、そのローラキャリッジは、内側ベルト２８８により、Ｌ字状内側スロット２８６を介して駆動される。ベルト２８０および２８８はともに、モータ（図示せず）によって回転させられる駆動プーリー２９０によって動かされ、すなわち、両ベルトは、駆動プーリー２９０が位置している箇所以外の、ベルト方向が変わる各位置において、アイドラーローラ２８１の周りを通過する。キャリッジ２７４および２８２は、それぞれベルト２８０および２８８によって動かされる間に、レーストラックに沿うかのように、それぞれスロット２７８および２８６内で滑動することができ、または、それらのスロットが、単にディスク２７９の一方の側から他方の側へアクセスできるようにしている状態で、それらのベルトによって、より十分に支持することができる。ここでは、４つのモータを前提とし、それらのモータは、並列または直列で、同じドライバーを用いるペアで駆動することができる。いくつかの実施形態では、マニピュレータの左側のモータは、右側の鏡像であるため、より少ないモータを用いることができる。

領域２９２を拡大した図４（ａ’）に最も良く図示されているように、カッター２９６がそこを通ってパウチの封を切ることができるスロット２９４も図示されている。図４のほとんどの図に示すマニピュレータは、さまざまな要素がその上に実装されるディスク状の全体形状を有しているが、他の形状も可能であり、およびパウチを、そのシステムの多の要素、例えば、調理容器に可能な限り近付けて配設できるようになっているいくつかの実施形態においては有利である可能性がある。図４（ｂ）は、例えば、２つの平坦部を組み込んだ、部分的に変更したディスク形状を示す。

図４（ｃ）は、マニピュレータの正面断面図を示しているが、図４（ｄ）は、通常の正面図を示す。グリッパー２７６は、外側ベルト２８０が動く際に、Ｃ字状の経路に沿って動くことができるが、ローラキャリッジ２８２によって支持されたローラ３００は、内側ベルト２８８が動く間に、Ｌ字状の経路に沿って動かすことができる。サイドグリッパー（以下で説明する）は、明確にするために図示されていない。

図４（ｅ）から図４（ｎ）は、明確にするために、マニピュレータの背面の構成要素は一つも図示されていない。図４（ｅ）から図４（ｍ）は、いくつかの実施形態で用いられる、パウチを操作して、その中の材料を所要量供給する順序を示す。図４（ｅ）は、側面断面図に見られる、パウチ３０２に隣接して配置されたマニピュレータを示し、そのパウチは、チャンバ内で、その支持体から吊り下げられている。グリッパー２７６は、図示されているほど離れている必要はない。図４の実施形態においては、パウチは、その上部が上で、その底部が下にある状態で支持され、また、そのパウチは、その上縁部近傍で開封され、その後、そのパウチは、その内容物を所要量供給するために回転される。このことは、例えば、パウチが、シールの内側の領域において、カッター（または、引き裂き機構）によって開封される場合に、特に有用である。この場合、そのカッター（または、機構）は、パウチを切断して（または引き裂いて）開封し、材料がすぐに出てきた場合に、その材料によって汚染される可能性がある。切断を上部で実行した場合、特に、パウチが切断前のしばらくの間、整列されている場合は、材料が、その切断領域から既に流れ出ている可能性があるため、（潜在的なある程度の残留物以外の）材料は、そのカッターの下に留まることになる。一方、切断が、（例えば、材料が入っている、封を切った領域のすぐ近くの）密封された領域内で実行された場合には、その内容物は、すぐには流出せず、パウチを完全に開封するという残りのタスクは、そのパウチ壁部を引き離すことによって（以下で説明する）実現することができる。このような実施形態においては、パウチは、その底縁部近くで開封してもよい（例えば、パウチを回転させる必要はない）。いくつかの実施形態においては、シールに加えて、ジッパーの両半体が分離されるまで、切断縁部に向かう材料の移動を阻止することができる（ＺＩＰＬＯＣ（登録商標）バッグに見られるのと同様の）内部密閉ジッパーがある。いくつかの実施形態において、パウチは、切断されるか、または、引き裂かれるシールではなく、グリッパーを用いて、パウチを再度密閉することならびに開封することを可能にする、剥離可能なシールまたはジッパーを備えることができる。

図４（ｆ）においては、矢印３０４で示すように、外側ベルト２８０が既に動かされて、グリッパー２７６がパウチ３０２の周りを閉じて掴んでいる。特に、パウチの重量および／または厚みがかなり変化するいくつかの実施形態においては、グリッパーの最終的な位置を調節するために、力センサまたは圧力センサを用いてもよい。本願明細書において説明した機構によってもたらされるような、一定のグリッパー動作の場合、パウチの厚みの変動は、グリッパー面の弾性要素によって適応することができ、すなわち、このような要素は、その高摩擦係数により用いることができる。図４（ｇ）においては、パウチ３０２は、矢印３０６によって示すように、上部グリッパーキャリッジ２７４が外側スロット２７８に沿って動いた際に、既にグリッパー２７６によって持ち上げられている。すべてのパウチは、高さに関係なく、同じ位置まで持っていくことができるため、パウチの上部シールは、パウチを開封するのに適した位置にある。しかし、かなり異なる高さのパウチに適応するために、ローラは、図示されている固定スロットよりも、より柔軟なアプローチを用いて作動させてもよい。いくつかの実施形態において、一軸においてのみ移動することができる（輪郭線で示す）底部グリッパー３０８は、一旦、上昇されると、パウチ３０２の底部を固定するために、矢印３１０で示すように、パウチ３０２に向かって移動させることができる。図４（ｈ）では、いくつかの実施形態において、カッター２９６（例えば、場合により角度が付いているブレード、場合により、パウチが、Ｖ字の「狭い部分」に入っている状態のＶ字状のブレード）はスロット２９４を通って、（図面に直角な方向において）パウチ３０２の少なくとも一部を横切って移動して、パウチ３０２を開封する。切断部分が（例えば、加工されるか、または、直接食べられる食品が入っている容器内に）落下しないように、パウチを完全に切断しないことが有用である可能性がある。

図４（ｉ）では、内側ベルト２８８が既に動かされて、矢印３１２によって示すように、ローラ３００がパウチ３０２にぶつかっている。これらのローラは、底部シールの真上で、または、より高い位置においてパウチに接触することができる（例えば、その目的が、パウチの内容物の一部のみを放出することである場合、パウチの内容物を、現在使用する分量と、後に使用する分量とに分ける）。

特に、かなりの流動性を有する材料を伴ういくつかの実施形態においては、パウチは切断されず、より適切に言えば、上部シールは、他のシールよりも弱く、および（例えば、ローラを用いて）材料を単純に加圧することによって破くことができる。いくつかの実施形態において、グリッパーおよびローラは、一つ以上の外部アクチュエータ（必ずしもマニピュレータに取付けられている必要はない）によって、（各グリッパーは他方に向かって、各ローラは他方に向かって）一緒に押すことができ、その後、一緒に留まって、放出されるまで、（例えば、キャッチ、ラチェットまたはクラッチを用いて）パウチに触れている。

図４（ｊ）では、マニピュレータは、矢印３１４で示すように、パウチを逆にするために回転している。このような（連続的または揺動的な）回転は、コーティング（例えば、パン粉を伴う肉）、油漬け（非冷蔵）、混ぜ合わせ（例えば、サラダとドレッシング）、溶き卵等にも用いることができる。このことは、未開封のパウチによって、再度密封されたパウチによって、および（例えば、グリッパーを用いて、パウチの開放端部を、加圧下で一緒に保持することにより）一時的に再度密封されるパウチによって実現することができる。

図４（ｋ）において、パウチは、材料を所望量供給するのに求められる方向になっている。いくつかの実施形態において、上部グリッパー２７６には、パウチ３０２の両壁部を引き寄せる手段、例えば、グリッパーに配管することができる真空（本願明細書において仮定されている）を備えられている。そして、（流出する材料自体がパウチを開封する可能性があるため、必要に応じて）真空を作用させた状態で、グリッパー２７６は、矢印３１６で示すように、開封したパウチ３０２を分離する。パウチ３０２は、図示されているほどに幅広に開かなくてもよく、およびディスペンシングプロセスを良好に調節するために、図示されているように直接逆さまに向けなくてもよい。パウチ３０２が、密封された領域内のある位置で切断された場合、グリッパーの分離は、ここでシールを追加的に破ってパウチの内容物を放出し、すなわち、パウチ３０２が内部ジッパーを含む場合、これの両半体は、ここで分離することができる。

一旦、パウチ３０２が開封されると、その内容物全体を、重力だけで（例えば、再利用可能な、内部をクリーニング可能な）料理容器に、（以下で説明する）料理容器ライナーに、または、プレートに）放出することができる。このことは、特に、低表面エネルギーの内側面を有するパウチに、および特定の固体材料に当て嵌まる。しかし、いくつかの材料は、流動性を有し、また、粘性が強すぎて、重力だけでは容易に移動できず、または、さらに重要なことには、パウチの内壁に付着しやすい可能性がある。したがって、いくつかの実施形態において設けられているようなローラ３００は、ローラ３００および支持体２８４を通過させるために、矢印３２２によって示すように、必要に応じて、上部グリッパー２７６が別々に幅広になっている状態で、矢印３１８および３２０によって図４（ｌ）に示すように、図４（ｍ）の場合のように、パウチの切断縁部に向かって転動（平行移動および回転）するように設けられている。ローラ３００の動きは、それらのローラを平行移動させて、それらのローラを受動的に回転させることにより、それらのローラを回転させて、それらのローラを受動的に平行移動させることにより、または、それらのローラを能動的に回転および平行移動させることによって実現することができる。ローラ３００は、材料による汚染のリスクを最小限にするために、図４（ｍ）の場合のように、パウチの縁部に達する前に停止させてもよい。それらのローラが動くにつれて、ローラ３００は、材料を絞り出し／絞り、少しだけ廃棄物として残す。また、完全な除去も、材料が自然に滴下し、または流れ出てシステムを汚染するというリスクを最小限にし、すなわち、実際には、いくつかの実施形態において、パウチを廃棄する前に、何らかの残留物が滴下または流れ出る可能性がある前に、パウチの縁部において、その残留物を取り出すために、（例えば、真空ピンセットを含む）ワイピング要素を用いてもよい。

いくつかの実施形態では、ローラの代わりに、スキージー等の回転しない滑動要素を、外部パウチの外側壁に沿って滑動させるのに用いてもよい。いくつかの実施形態において、パウチの内容物は、ローラまたは滑動要素以外の外部要素、例えば、膨張するガス充填バッグによってパウチを押圧することにより、または、（パウチがチャンバ内にある場合）加圧ガスにより、吐出される。いくつかの実施形態では、パウチは、（例えば、ガスをパウチに直接導入して内容物を放出することにより）直接、加圧することができる。このような実施形態では、内容物を包囲し、およびその内容物をガスから隔離するフレキシブル膜を、パウチ内に設けてもよい（例えば、パウチ内にパウチを形成する）。いくつかの実施形態において、パウチを掴むことと押し潰すことは、対称的である必要はなく、すなわち、１つのグリッパーおよび／または１つのローラと、固定された要素との間にパウチを挟み込むグリッパーおよび／またはローラがある可能性がある。例えば、十分に堅いプレートによってパウチが裏打ちされている場合に、そのパウチの内容物を吐出するのに、単一のローラを用いることができる。

一旦、パウチ３０２が空になると、マニピュレータは、そのパウチをゴミ箱または同様のものまで運び、挟持部２７６を開いてパウチを投下する。その後、ベルト２８０および２８８は、次のパウチを操作するためになる必要のある状態（図４（ｄ））にマニピュレータをリセットするために逆行させることができる。パウチ３０２が完全に空ではない場合、そのパウチは、貯蔵室／タンクへ戻すことができる。いくつかの実施形態において、パウチは、戻される前に、再び密封することができ、すなわち、グリッパー２７６は、その目的用のヒートシーリング要素または超音波シーリング要素を含んでもよく、また、真空が必要な場合には、グリッパー２７６は、パウチの縁部を包囲して周りを密封する（ＦＯＯＤＳＡＶＥＲ（登録商標）システムと同様の）小さな密閉チャンバを、および／またはパウチの排気を可能にし、および場合により、改質した雰囲気ガスを充填する、真空包装の分野では公知のシュノーケルも含んでもよい。

いくつかの実施形態において、パウチマニピュレータは、一度に一つ以上のパウチに適応することができ、（例えば、複数の構成要素を有する食べ物を３Ｄプリントする場合に）材料間の速やかな切り替えを可能にし、または、単一のパウチ内に保持できる量よりもかなり多い量の材料を供給することができるようになっている。例えば、２つ以上の比較的細長いパウチを、上部グリッパー内に並べて保持することができ（側部シールは接触／ほぼ接触している）、または、２つ以上の全幅（例えば、グリッパーと同程度）パウチを保持して、同時に開封することができ、また、パウチの壁部が接触した状態で配置された場合には、（例えば、ローラによって）材料を絞り出すことができる。後者の状況では、隣接していれば、複数のパウチを、マニピュレータが貯蔵室／タンクの近くにある間に掴むことができ、また、グリッパーおよびローラは、複数のパウチの余分な厚みに適応するために、それらの最終的な位置を調節することができ、このことは、例えば、力センサ／圧力センサを用いて遂行することができる。また、複数のパウチは、保管領域へ戻すのではなく、パウチが必要とされているシステムのエリアの近くに一時的に保管することもできる。

図４（ｎ）は、例えば、材料の流出を良好に制御するために、ディスペンシング中に、垂直ではない角度が付けられているパウチを示す。マニピュレータは、マニピュレータのどの部分も、パウチの角度に関係なく、パウチから流出する材料の進路内にないようにデザインすることができ、そのため、ここで図示したデザインとは異なる、より小さなデザインから成っていてもよい。

図５（ａ）から図５（ｉ）は、いくつかの実施形態における、一つのパウチを操作して、材料を所要量供給するための同様の代替的な順序に関する正面断面図を示す。図５（ａ）において、グリッパー３２４およびローラ３２６は、パウチ３０２の上部シール２０６の近くに位置し、矢印３２８で示すように動いている。図５（ｂ）において、それらのグリッパーおよびローラは、パウチ３０２を掴むために、矢印３３０で示すように、降下して一緒に来ている。図５（ｃ）では、（矢印３３４で示すように、図面の平面内で移動している）カッター３３２が、パウチを切断して開封する。そして、図５（ｄ）では、ローラ３２６が、矢印３３６で示すように、（図示されているように）内容物を実質的にすべて絞り出すために、それらのローラが矢印３３８で示すように、パウチ３０２に近付くことができる（図５（ｅ））位置まで、または、（より短いパウチの場合、または、材料全部よりも少ない量を供給するために）より高い位置まで降下する。次いで、マニピュレータ（図示されている重要な要素のみ）とパウチ３０２は、図５（ｆ）に矢印３４０で示すように回転する。その回転の中心は、必ずしも図面が示唆する箇所ではなく、例えば、グリッパーまたはローラの高さにあってもよい。図５（ｇ）では、パウチ３０２は、矢印３４２で示すように、グリッパー３２４が離れていくにつれて開かれ、図５（ｈ）、図５（ｉ）では、ローラ３２６は、回転および平行移動している間に（矢印３４４および３４６）、内容物を押出す。図５のアプローチを用いると、グリッパーは、ちょうど１自由度を必要とし、ローラは、２自由度を必要とする（回転は含めず）。

図６（ａ）は、壁部２０２および２０４を有するパウチ３０２と、マニピュレータの一部の正面断面図であり、この場合、パウチには、内部プッシャー３４８が設けられている。プッシャー３４８の用途は、材料とローラとの間の媒介部として作用することと、ローラ３５０が回転および平行移動する際に（それぞれ、矢印３５２および３５３で示す）、それらのローラが、パウチの内壁に付着しやすい材料３５１を押し潰すことおよび／またはその材料を「乗り越えること」を防ぐことと、食物を壁部から完全に除去して廃棄物を最小限にする、プッシャーが移動する際の（矢印３５４で示す）効率的な押し潰し動作／こすり取り動作をもたらすことを含む。プッシャー３４８と内壁との近接を維持するために、いくつかの実施形態では、パウチ３０２は、（例えば、膨張可能な要素を用いて）外部から圧縮され、他の実施形態では、（図７に関連してさらに説明するように）（例えば、側部シール／縁部にまたはそれらの近くに）張力を印加した状態で保持される。プッシャー３４８は、ローラの噛み込み近傍でパウチ壁部２０２および２０４内にフィットして、プッシャー３４８が回転／傾斜するのを防ぐキール（ｋｅｅｌ）３５６を設けてもよい。プッシャー３４８は、大きすぎてパウチ３０２から出ないようにデザインされ（例えば、パウチの開口部は、プッシャーよりも小さい）、および／またはパウチにつながれ、ローラに磁気的に付着される等の処理がされているため、料理容器、プレート等に落ちることが阻止される。図６（ｂ）は、図６（ａ）の図と同様の正面断面図であるが、いくつかの実施形態において用いられている、図４のものと同様のマニピュレータの他の部材を備えている。

ディスペンシングの制御
パウチからの材料の流出を制御するために、その速さを適度にし、および内容物の一部のみを一度に供給できるようにする多くの方法を用いることができる。ローラを、パウチの端部にではなく、材料が出てくる縁部に近付けて導入し、その結果、ローラの上の材料を供給しないままにするというアプローチは、既に上述されている。別のアプローチは、開封されたパウチ縁部に向かってローラを最後まで進ませないことであるが、容易に滑り出る可能性のある材料の場合には、このことは、有効でない可能性がある。その他の方法も可能である。例えば、パウチは、そうすることが、ゆっくりとした流出を可能にする場合には、部分的にカットするだけでもよく、または、（例えば、上部の綴じ目と平行に、または、角度を付けて（いくつかの実施形態では、上部の綴じ目は、カッターに対して角度が付いている、および例えば、側部の綴じ目に対して直角になっていない））部分的に切り離すだけでもよい。このことは、液体材料に対して特に有効である可能性がある。いくつかの実施形態において、グリッパーは、材料の流出に利用できる領域に限定して単に一部を開封することができる。

いくつかの実施形態においては、パウチの壁部に対して圧力を与えることができ、例えば、一つ以上の膨張可能なバッグまたは他の形状をパウチの壁部に隣接して配置することができ、または、パウチを膨張可能なトーラスで包囲することができる。このような圧力は、パウチの内容物が単に脱落することを防ぐことができ、または、内容物の脱落のペースを少なくとも遅くすることができる。図７は、パウチの両側部に張力を印加することにより、矢印３６２で示すように、サイドグリッパー３６０を用いて両側部を掴んで引張ることにより、パウチ３５８の壁部に内部圧力を印加するアプローチを正面図で示す。グリッパー３６０は、図示されている側部シール２１０の領域内でのみパウチを掴むことができるため、グリッパーの圧力は、そのパウチの内部空洞に及ぼされず、およびサイドグリッパーは、ローラの動作に干渉しない。パウチは、張力を印加し、さらには、わずかに引き伸ばして（図７（ｂ）のほとんどのパウチ材料に対して誇張して図示されている）、中の材料片（または、容積）３６４に対して内部圧力を生じさせることができる。それらの材料片に流動性がある場合、このことは、材料片をより速く押出すことができ、また実際には、パウチの側部に印加された張力は、いくつかの実施形態においては、ローラに代わって、材料をパウチから搾り出すのに用いることができる。しかし、材料に流動性があまりない場合（例えば、野菜の塊、肉の細長片）、その圧力は、（材料を圧迫することにより、および材料の形状およびパウチの柔軟性により、材料の周りを部分的に覆うことによって）材料を保持するのを補助して、その張力が解放されるまで、材料が滑り出てくるのを防ぐことができる。したがって、いくつかの実施形態において、張力は、上述したように、材料を回転することなく、（例えば、切断、引き裂き、または、ジッパーを開くことにより）パウチの底縁部に沿って封が切られているパウチ内に材料を保持するのに利用することができる。

さらに、図７（ｃ）、図７（ｄ）に示すように、その張力は、材料のどの部分が解放されるか、およびどれが保持されるかを制御するために、不均一に印加することができる。図７（ｃ）において、グリッパー３６０の上方部は、矢印３６８で示すような（全く動かされなくてもよい）下方部よりも、矢印３６６で示すように、より多くの距離だけ動かされて、パウチの上方部にかかる張力が解放されるまで、パウチの上方部における内部圧力を、材料片３６４ａを保持するように十分に大きくする。その間、下方部における下方圧力は、そこに位置している材料片３６４ｂを速やかに解放して落下できるようにし、すなわち、材料片３６４ｃの自由落下の動きが矢印３７０で図示されている。内部圧力の垂直勾配を仮定すると、それらの部分の間の材料片は、例えば、ゆっくりとした速さで解放することができる。したがって、適切な張力をパウチに印加することにより、まず、材料をパウチの下方部から解放し、その後、（場合により、バッグの解放および保管の後に、または、かなり早く）材料を上方部から解放することが可能である。このアプローチは、例えば、ピザのトッピングをすべて一箇所に載せるのに対して、ピザの異なる領域にトッピングを配分するのに利用することができる。

パウチの壁部に印加される圧力または張力は、一定でなくてもよく、および連続的または「二値」的に加減してもよい。例えば、圧力または張力は、印加されないときには、材料がパウチ内を移動することができ、および短期間、パウチから漏出することができ、そして圧力／張力が印加されたときに、もとのように材料が動けない／保持されるようにするために、律動的にオンオフしてもよい。

材料がパウチから出る速さは、パウチを通して材料を撮像するビデオカメラ等のセンサを用いて、パウチを計量するセンサ（および場合により、パウチマニピュレータ等の追加的なハードウェア）を用いる等により、閉ループ的に制御することができる。このようなアプローチは、どのくらいの材料がパウチ内に残留するかを判断するのにも用いることができる。図７（ｄ）は、図７（ｃ）の傾斜しているグリッパー３６０の効果と同様の効果を達成するが、グリッパー３７２の各ペアは独立して制御される、平行なサイドグリッパー３７２から成る２つのペアを正面図で示す。したがって、間に移行ゾーンを有する２つのゾーンが形成される。いくつかの実施形態では、サイドグリッパーから成る２つ以上のペアを用いることができる。図７（ｅ）は、図４のものと同様のパウチマニピュレータを、上部グリッパー２７６およびサイドグリッパー３６０がともに可視状態で平面図で示す。また、使用してもよいローラ３５０も図に視えており、そのような場合、それらのローラは、サイドグリッパーが、パウチへのローラのアクセスに干渉しないように、サイドグリッパー３６０の間にフィットする。図４（ｇ）の任意の底部グリッパー３０８は、サイドグリッパー３６０が用いられている場合には、パウチ３０２が、ローラ３００が降下する際に、グリッパー３６０によって支持されるため、用いられない可能性があることに留意すべきである。

図８（ａ）から図８（ｋ）は、供給される材料の量を制御するアプローチに関する正面図を示し、また、パウチの所要数を最小限にする方法、およびそれらのパウチを取って来て食品調理システム内に配置するのに必要な時間を最小限にする方法も記載されている。１つの内部区画を備える（および図１の場合のように、上部シール、底部シールおよび側部シールを有している）典型的なパウチが、図８（ａ）の平面図に図示されているが、上記アプローチは、ｉ）図８（ｂ）から図８（ｅ）に示すように、外側（上部、底部、側部）シール、または、各区画を、その隣接する区画と隔離するために用いられる他の種類のシールまたは壁部と同様の（例えば、（例えば、Ｈｅｒｒｍａｎｎ Ｕｌｔｒａｓｏｎｉｃｓ社（Ｂａｒｔｌｅｔｔ，Ｉｌｌｉｎｏｉｓ）の装置を用いた）ヒートシールまたは超音波シールによって形成された）シールによってパウチを複数の区画３７４に細分化することと、２）材料を各区画から独立して放出することとを含む。パウチは、図８（ｂ）、図８（ｃ）に示すように、垂直シール３７６を用いて垂直方向に、図８（ｄ）に示すように、水平シール３７８を用いて水平方向に細分化することができ、図８（ｅ）のパウチ３８０の場合のように、垂直および水平の両方向に細分化することができ、または、他の角度（例えば、水平方向に対して４５度）で細分化することができる。これらの区画は、サイズが等しくなくてもよく、および図示されているものよりも多くのさまざまなパターンで配置してもよい（きちんとした行と列の形態ではない）。材料により、これらの区画は、液密のシール／壁部を用いて、または、（例えば、スライスした野菜等の固形食用の）多孔質／部分的バリア、または、これらの組合せを用いて隔離してもよい。

各区画は、同じ材料を収容することができ、異なる時間に調理される複数の食べ物のために、単一のパウチを、少量の材料を供給するのに使用できるようになっており、または、異なる位置で（例えば、主菜におよびそのソースに）、または、所定のレシピの範囲内の異なる時間に使用される材料を、単一区画のパウチからの材料の流出を注意深く制御することなく、または、各使用の後に再び密封することなく、別々に所要量供給することができるようになっている。また、各区画は、異なる材料を収容することもでき、その結果、複雑なレシピにおいて、単一のパウチのみをまたは少数のパウチを使用できるようになっている。例えば、６種類の珍しいハーブやスパイスを必要とするレシピは、必要に応じて開封することができる６つの区画に分けられた１つのパウチを用いて実行することができる。材料が影響し合う場合、およびその食品が消費される直前まで、材料を組合せるべきではない場合、それらの材料は、隔離状態を維持することができる（例えば、レタスとサラダドレッシングは、必要になるときまで別々に保持すべきである）。

材料の量は、複数の区画が同じ容量から成っている場合であっても、必要な量に依存して、区画間で変わる可能性がある。いくつかの実施形態においては、標準的なサイズのパウチを用いて、材料を少量、供給するために、そのパウチには、材料が充填されていないいくつかの区画を設けてもよい。パウチに圧力を印加して、材料のディスペンシングを制御するアプローチは、必要に応じて、複数区画のパウチに適用することができる。

複数の区画が「外部に」ある（すなわち、複数の区画が、全体としてそのパウチに関して共通している１つの縁部を有している）場合には、それらの区画は、切断または引き裂きの位置を変えることによって、選択的に空にすることができる。例えば、図８（ｄ）の長方形のパウチは、２つの外部区画を有している（図では、それらの区画は、同じ容積から成っているが、異なる容積から成っていてもよい）。その上方の区画は、上部シールに沿って切断することによって開封することができ、そのパウチを逆さにしたときには、底部シールに沿って実行する別の切断が、下方の区画を開封することになる。三角形状の区画に細分化された（すなわち、対角線に沿った区画を有する）正方形のパウチは、４度にわたって等により回転させて切断することができる。一方で、「内部の」区画は、他の区画の除去後にアクセスするのに最も容易である可能性があるが、それらの区画には、（例えば、その側壁を貫通して、それらの側壁上の剥離可能なシールを剥離することにより）それらの側部からアクセスすることもできる。

図８（ｆ）から図８（ｋ）の順で示すように、複数区画のパウチの内容物（図示せず）は、例えば一方の縁部から始めて、反対側の縁部に向かって動かすことによって、徐々に放出することができる（一方の縁部は、複数の縁部から内側に動かすこともできる）。図８（ｆ）は、図８（ｅ）のパウチ３８０を示す。図８（ｇ）において、上部シールの区域３８２は、既に切り取られて、上部左側の区画を開いている。図８（ｈ）では、パウチ３８０が逆さにされて、区画３７４ａが空にされている。一つ以上のローラ３８４は、例えば、その区画が幅広になっている間に、矢印３８６で示すように移動させて、その区画の内容物を絞り出すことができる。そして、パウチ３８０は、右側を上方に回転され、および２つ以上の区画３７４が空にされた後、図８（ｉ）のように見える。空の区画３７４の全体の第１の（上方）列が切り離され、および第２の列の上方左側の区画３７４ｂが切断されて開封された後、パウチは図８（ｊ）のように見え、そして、３つの区画だけが残ると（一つは、切断されて開封されている）、パウチは図８（ｋ）のように見える。一般的に、パウチまたはパウチの区画が、レシピの要件を満たすための十分な材料を保持していない場合、一つ以上のパウチを使用することができ、または、一つ以上の区画を開封することができる（または、一つのパウチにおいて、異なるサイズの区画が使用可能である場合、アクセス可能であれば、より大きな区画が用いられる可能性がある）。

いくつかの実施形態において、区画間の綴じ目または壁部は、圧力がその区画に印加されたときに（例えば、区画を形成しているパウチ壁部に対する直接的な外部圧力、ローラ圧力、張力）、勢いよく開くようにデザインされている。このような実施形態においては、例えば、区画の垂直方向の行は、その行内のすべての区画が空になるまで、まず、外側の区画のパウチ縁部を切断して開封し、次に（上の次の区画を空にすべき場合）当該区画に圧力を印加し、次いで、その上の区画に圧力を印加する等々によって、一度に１つ空にすることができる。区画間のシール／壁部の代わりにバリアを用いるパウチの場合、それらの区画は、そのバリアの上の区画に力が印加された場合に、変形する（例えば、（パウチから落下して、調理中の食べ物と混ざらないように、一部が）折れ曲がり、または、ちぎれる）ようにデザインすることができる。

いくつかの実施形態においては、パウチのいずれかの縁部が開封されて、中の材料を放出する前に、区画間に内部シールを備えた複数区画のパウチは、（例えば、外部圧力または張力により）それらのシールを破って、（例えば、パウチマニピュレータの回転により）材料全体（例えば、サラダ用野菜とドレッシング）を、後に開封される密封されたパウチ内で、混合、混ぜ合わせ、和える等の処理を実行することができる。
他の材料パッケージ
いくつかの実施形態においては、材料を含むパウチの代わりに、または、材料を含むパウチに加えて、他の容器を用いてもよく、本願明細書に記載されているアプローチの多くは、依然として適用可能である。そのような容器は、（あるレシピに対して特有ではなく）一般的用途の材料に対して、より適切である可能性があり、そのため、上記食品調理システムに長期間、保管することができる。例えば、材料は、（例えば、垂直な）チューブ、カートリッジ、シリンダおよびタブ型容器の中に保管することができ、およびこれらから所要量供給することができる。チューブの場合、それらのチューブは、（例えば、一端に穴を備え、ガスまたは摺動ピストンによって加圧することが可能な）皮下注射器の胴に似せることができ、このような構造は、液体やペーストを包装しおよび所要量供給するのに適している。その穴には、（例えば、パターン状に所要量供給するか、または、３Ｄプリントするための）押出しノズルまたはスプレーノズルを設けることができる。小麦粉または砂糖等の粒状の材料がその中に保持されるチューブには、その下面に篩を設けることができ、その場合、そのチューブを振動させ、または軽く叩いて材料を放出することができる。傾斜させることが可能なタブ型容器３８８は、図９（ａ）、図９（ｂ）のような任意の蓋３９２とともに、材料３９０を収容するために設けることができる。タブ型容器３８８は、使用されていない場合、図９（ａ）のように、蓋３９２によって水平方向にしっかりと閉じたままにすることができる。制御部が、タブ型容器３８８の内部の材料の少なくとも一部の放出を命令した場合、そのタブ型容器は、適当なアクチュエータを用いて、図９（ｂ）のように傾斜させることができ、そのことが、タブ型容器３８８をも、蓋３９２から少なくとも部分的に引張って（図示されているように流動性を有する場合）材料３９０を、そのタブ型容器から注ぐことができるようにし、または（より固い場合には）タブ型容器から降下させる／転がり落とすことができるようにする。代替的な材料パッケージは、貯蔵室内に保管することができ、また、十分に密封されている場合、または、液体レベルが十分に低い場合には、冷却液のタンクに少なくとも部分的に浸けて、冷凍または冷蔵状態を維持することができる。材料を、それが必要とされる場所まで運ぶ装置、または、容器を材料まで運ぶ装置（以下で説明する）の場合のように、チューブまたは傾斜したチューブから材料を所要量供給するマニピュレータも必要である可能性がある。

容器およびタンブリング処理
自動化された食品調理システムは、加工および／またはユーザへの配達のために、材料をその中またはその上に所要量供給することができるレセプタクルまたは容器を採用することができる。加工は、加熱（例えば、フライにすること、炒めること、煮込むこと、沸騰させること、焼くこと、直火で焼くこと、網焼きすること）、冷却、混ぜ合わせ、混練、切り刻むこと、切断、泡立て／ホイッピング、撹拌等およびこれらの組合せを含んでもよい。さらに、そのシステムは、皿（プレート、大皿、ボウル等）または、調理した食べ物を、給仕または直接消費のためにユーザに配達することができるそれらの同等物を必要とする可能性がある。いくつかの実施形態では、容器は、皿として機能することができる。

耐久性があり、および繰り返し使われる装置の部分の汚染を最小限にするという目的と、クリーニングの必要性を最小限にする要望とを仮定すると、容易にクリーニングされる、または使い捨てできる容器を採用することができる。したがって、図１０（ａ）から図１０（ｇ）は、少なくとも２つの主構成要素、すなわち、ベース３９４と、取外し可能で、場合により、一度だけ使われて捨てられる（または、必要に応じて、クリーニング可能な）ライナー４００とを備えている容器を立体図で示す。このような容器は、従来、深鍋、平鍋、中華鍋、または同様の容器が使用されるのと同じ方法で材料を加熱するのに用いることができる。そのライナーは、使用される材質により、例えば、オーブン、肉焼き器、電子レンジ、または、ソリッドステート高周波エネルギーオーブンの内部で使用することができる。そのライナーは、アルミニウム、陽極酸化アルミ、セラミック被覆アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属、または他の金属、またはセラミック、またはこれらの組合せから成る、薄い（例えば、最小限のコストおよび最低限の剛性の場合、０．０１０から０．３００ｍｍ）シートとすることができ、または、そのシートから形成してもよい。また、ライナー４００は、シリコーン、エラストマー、ＰＴＦＥコーティング金属、または、クッキングオイルで予めコーティングした金属等の耐薬品性の（および必要に応じて、耐熱性の）食品安全コーティングを少なくとも部分的に含んでもよい。電子レンジまたはソリッドステートオーブンで使用するために、そのライナーは、薄いセラミック、ガラス、ガラスセラミック、または、ポリエチレンテレフタレート、ＰＴＦＥ、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびシリコーン等の中高温耐熱性食品安全ポリマーから成っていてもよい。高い熱伝導性材料を用いてもよく、また、いくつかの実施形態においては、伝導性を高めるために、フィラーを用いてもよい。

図１０（ａ）は、上記ライナーと接触することが意図されている凹状内側面３９６を有する容器のベース３９４を示し、このライナーは、球体の断面として、平鍋状または深鍋状（例えば、断面が矩形状または台形状、ソートゥーズ（ｓａｕｔｅｕｓｅ）またはソトワール（ｓｏｕｔｏｉｒ）形状）として等に形成することができる。いくつかの実施形態において、ライナーと接触するベースの表面は、（例えば、その成分が（当初は、または、一旦、料理されると）流動性／可動性があまりなく、従って、そのような表面に保持される材料を処理するために）実質的に平坦であってもよく、すなわち、パンケーキ生地や卵が実例である）。その表面は、必要に応じて、凸状であってもよい。平面視の表面３９６は、円形、楕円形、レーストラック形状、多角形（例えば、矩形状）等にすることができる。ベース３９４は、少なくとも一つの従来の加熱または冷却要素を、または、加熱された液体または冷却された液体（図示せず）用の一つ以上の流路を含むことができ、別法として、加熱／冷却は、そのベースの外部の標準的な装置によって実行してもよい。そのベースは、（図示されているものとサイズが異なっていてもよい）真空部／真空流路３９８のセットをさらに備えている。真空部／真空流路３９８は、ベースとライナーとの間の空間に真空を制御可能に供給する（すなわち、その空間から空気を除去する）ことができ、そして、ベース３９４とライナー４００との間で優れた熱伝達を実現するように、（図１０（ｂ）の立体断面図で示す）比較的柔軟なライナー４００を内側面３９６に押し付けて引張って、表面３９６に密接に接触してそれをそこで保持することができる。ライナー４００は、製造時は凹状であってもよいが、ある場合においては、例えば、真空の印加時に、そのライナーが引き伸ばされる可能性がある場合には、そのベースの凹状面よりもかなり浅くてもよい。ベース３９４の温度は、例えば、当技術分野において公知のＰＩＤ温度制御部によって正確に制御することができる。また、ベース３９４は、ライナー４００をベース３９４に押し付けて密封することを促進するために、いくつかの実施形態において用いられるリング４０４（図１０（ｃ））を（例えば、ねじを用いて）締め付けるための穴４０２も含んでもよい。いくつかの実施形態においては、より容易にかつより迅速に使用することができる、カム動作押え付けクランプまたはばねクランプ等の、ベース３９４に対してそのリングを締め付ける他の手段を設けてもよい。また、ベース３９４は、表面３９６と、それを取り囲んでいる面４０７との間の境界に形成されている縁部４０５を組み込んでもよい。また、ベース３９４は、容器に付加された質量または重量を測定し（パウチの内容物の重量も測定してもよい）、ライナー４００（および必要に応じてリング）がベースに取り付けられたことを確認する等のためのひずみゲージまたは他のセンサを（ベースをそのシステムに搭載する装置の一部として、または、そのベースの一部として）組み込んでもよい。また、ベース３９４は、食品の品質、温度、ｐＨ、体積等を感知するセンサ等の他のセンサも組み込んでもよい。ベース３９４は、その食品調理システムの他のほとんどの構成要素から十分に断熱して、それらの構成要素に与える影響を最小限にしながら、ベースを効率的に加熱または冷却できるようにしてもよい。

図１０（ｃ）から図１０（ｆ）は、図示されているようにＯリング４０６（または、ガスケット）が備え付けられていてもよいライナー４００、ベース３９４およびリング４０４を示す断面立体図である。ねじまたは同様のファスナーを用いると仮定すると、リング４０４は、穴４０８をその中に有することもでき、この穴の位置は、ベース３９４の穴４０２に一致する。図１０（ｃ）、図１０（ｄ）において、ライナー４００は、まだベース３９４に対して締め付けられておらず、通常、ライナーとベースとの間には、少なくとも小さなギャップ４０９が存在する（ギャップ４０９は、図が伝えているのより小さくても大きくてもよい）。ギャップ４０９の存在は、ライナー４００で効率的に料理することを、不可能ではないにしても困難にする。さらに、ライナー４００は、薄くて表面３９６との接触が不十分である可能性があり、そのライナーは、支持が不十分であるため、壊れやすい。したがって、ギャップ４０９を実質的に小さくするアプローチは非常に重要であり、このことは、真空によって実現することができる。図１０（ｅ）、図１０（ｆ）において、リング４０４は、既にベース３９４に対して締め付けられて、その周辺近くで（例えば、縁部４０５において）ライナー４００をベース３９４に押し付けている。一旦、密閉されると、例えば、すべてのポート３９８に接続している標準的なデザインのキャビティまたはマニホールド（図示せず）を用いて、ポート３９８を介して、矢印３９９が示す方向に空気を除去することにより、ライナー４００とベース３９４との間の空間に真空が印加される。このことは、ライナー４００の外側面４０３を、ベース３９４の表面３９６にきつく引きつけるように作用する。Ｏリング４０６は、ライナー４００内の材料が、リング４０４の下でゆっくり漏出するのを防ぐために用いることができる。いくつかの実施形態では、良好な真空を得るために、ライナー４００とベース３９４との間のいかなるギャップも密閉するのを補助するように、ライナー４００とベース３９４との間に（例えば、ベース３９４内に）、別の従来のＯリングまたはガスケット（図示せず）を設けてもよい。しかし、いくつかの実施形態では、図１０（ａ）および図１０（ｄ）に示すように、ベース３９４上への縁部４０５の組み込みは、シーリングを改善することができる。

しかし、例えば、ベース３９４が加熱され、および真空が印加されていない場合、ライナー４００は暖まるが、表面３９６とライナー４００との間には、それらの間の空気の断熱層により、著しい温度勾配が存在する可能性があり、また、そのリングによって締め付けられている箇所を除いて、直接伝導のための熱経路も不足している（さらに、ライナー４００の周辺から、その中心への熱経路は、ライナーの最小厚さにより、非常に抵抗力がある）。しかし、必要に応じて、いくつかの実施形態では、その温度勾配は、（そのベースが加熱される場合には）冷却された空気を、または（ベースが冷却される場合には）加熱された空気を、ライナー４００と表面３９６との間の空間に導入することにより、強めることができる。（例えば、ソレノイド弁により）真空に切り替えた状態で、空気が急速に抽出されて、（例えば、最大で１５ＰＳＩ(約１０３．４２ｋＰａ）の）かなりの圧力が、ライナー４００の外側面４０３を表面３９６に押し付けた状態で、緊密な接触が確立される。実際には、そのベースは、正確な温度制御と凹状の形状とによって、加熱されまたは冷却される真空チャックとして作用する（このようなチャックは、機械加工および半導体ウェーハ処理の分野では公知である）。ライナー４００の低熱質量と、その高い熱伝導（特に、薄くかつ金属製である場合）を仮定すると、ライナー４００の内側面４０１の温度は、表面３９６の温度に非常に近い値まで急速に上昇する可能性がある。このことは、ライナー４００が、安価であり、およびいくつかの実施形態では、苦労して洗浄されて、付着した食品の残留物を擦って除去する代わりに廃棄することができる内側面を有する深鍋または平鍋に良く似た挙動をすることを可能にする。

また、その低熱質量により、通常は、機械的安定性および横方向の熱拡散のために、かなり厚い材料から成っている深鍋または平鍋を用いて可能である温度の変化よりも急速な温度の変化を実現することができる。（空気がギャップ４０９に入るように、真空を減少させ、または止めることによって）ライナーを急速に加熱する、または、急速に冷却する能力は、料理に有用である制御を実現できる。例えば、標準的な平鍋で加熱されるオイルは飛び跳ねる可能性があり、その飛び跳ねは、パウチマニピュレータ（上記の場合、材料をライナーに所要量供給する容器）等の設備を汚す可能性がある。このことを防ぐために、空気を手短に（および理想的には、急激なライナーの動きを阻止するのに十分にゆっくりと）ギャップ４０９内に導入して、オイル温度の急激な低下と、飛び跳ねの停止とを引き起こすことができる。そのベースが冷却される場合と加熱される場合とを比較すると、温度の急速な変化は、可能性のある利用（例えば、ライナーの内部で混練された材料の急速冷凍）によっても実現することができる。このような意図的な温度の急速な変化は、ベースとライナーとの間のギャップに、冷却したまたは加熱した流体を導入することによって、さらに速く実現することができる。

いくつかの実施形態において、ライナー４００は、薄く、フレキシブルであり、および弾性的であり（例えば、ステンレス鋼）、また、表面３９６は、リブが付いており、または、リッジがあり、グリルにかなり似ている。空気がギャップ４０９から吸い出されると、ライナー４００は、そのリブの付いた表面に少なくとも部分的に適合することができ、その結果、ステーキ等の材料の表面を焼くのに、およびグリルマークを形成するのに適している可能性がある、熱々の、リブの付いた調理面を形成することができる。空気が再びギャップ４０９に導入された場合、ライナー４００の表面は、（それが塑性変形しない程度まで）再び少なくとも部分的に平らになって、材料を追加のソース等で煮るのに適している可能性がある、より低温の滑らかな表面を形成することができる。別法として、真空を用いてライナーをベースに押し付けることが、そのライナーを伸ばすように、ライナーにはリブが付いていてもよく、また、ベースの内側面は滑らかであってもよい。したがって、ライナーの表面形態および質感は、真空の印加によって変更することができ、また、このことは、そのライナーが塑性変形しない限り、可逆的に行うことができる。

このライナーは、薄いが（例えば、０．００１〜０．００５インチのアルミニウム）、それに押し付けられて堅固に保持される堅いベースによって裏打ちされている。そのため、特に、機械の制御された環境においては、真空が印加されている間に引き裂かれることは非常に可能性が低く、この場合、ツールは、必要に応じて（例えば、ライナー表面を避ける良く制御された３Ｄ軌道に従って）ライナーとの直接的な接触を避けることができ、（例えば、ロードセルによって測定されるような）軽い接触を伴うだけで使用することができ、または、シリコーンエラストマー等の適合性のある、比較的柔軟な材料から形成することができる。ライナーにアルミニウムを使用した場合、トマトソース等の酸性の成分が、ライナー表面と最小限に相互に作用するように、そのライナー表面をコーティングしてもよい（例えば、陽極酸化処理）。（例えば、廃棄の前に、または、使用のための配達の前に、または、その内容物を別のライナーまたはパウチに注ぐ前に、または、オーブンに入れる前に）一旦、ベース３９４に対するクランプが外されると、ライナー４００は、縁部４０５（設けられている場合）にわたって湾曲されることにより、図１０（ｇ）のように、その縁において、わずかに変形される可能性がある。ベース、リングおよびライナーの具体的なデザインは、さまざまな実施形態において、図１０に示すデザインと著しく異なっていてもよい。ライナー温度を迅速に変化させることができるため、ベースの温度は、必ずしも迅速に変化させる必要はない。したがって、そのベースは、ガスを使用する代わりに、電気的に加熱することができ、より安全なシステムに役立ち（例えば、ガスの供給を必要としないもの）、およびいくつかの実施形態では、動かす予定がある場合には、ベースへの接続をより容易に形成することができる。

図１１（ａ）から図１１（ｆ）は、いくつかの実施形態で用いられる、図１０のデザインとは異なるデザインを有するベース４１０およびライナー４１２を備える容器を、正面断面図で示す。この場合、例示のため、両要素は、従来の平鍋と同様の台形状の断面を有しているが、球状のキャップおよび他の断面形状も可能である。ベース４１０およびライナー４１２の平面視の全体形状は、円形、楕円形、レーストラック形状、多角形（例えば、矩形状）等にすることができる。ベース４１０は真空部３９８を含んでいるが、いくつかの実施形態では、それらは設けられていない。ライナー４１２には、圧着することができるリム４１４を設けてもよい。また、蓋４１６も設けてもよく、この蓋は、第２の加熱面として作用することができ、また、（例えば、レストラン内の自動化された食品調理システムを用いた顧客への配達のために、または、自動販売機の形態で）食品をライナー４１２内に密閉することもできる。図１１（ａ）において、ライナー４１２は、ベース４１０の上にあるが、図１１（ｂ）では、ライナーはベースに載せられており、および真空が既に印加されている。図示されている実施例において、ベース４１０との良好な密閉を得るために、その縁部付近でのライナー４１２の締付けは必ずしも必要ではない。いくつかの実施形態においては、図１０のベース３９４とは違って、ここでは、ポート３９８は、径方向外側へさらに延びていてもよく、およびその周辺近くで、ライナー４１２を押え付けるのを補助することができる。さらに、シーリングを容易にするために、ライナー４１２の縁部の近くに、エラストマーガスケットまたはＯリングを設けてもよく、または、クッキングオイル等の液体を、良好なシールを形成するのに用いてもよい。

図１１（ｃ）においては、骨なし鶏むね肉（一切れとして図示されているが、複数個であってもよい）等の材料４１８がライナーに追加されて調理され、下から加熱されている。図１１（ｄ）では、（例えば、ライナー４１２と同じ材料から形成されている）蓋４１６が加えられている。図１１（ｅ）に示すように、いくつかの実施形態において、蓋４１６は、一旦、取付けられると、材料４１８と接触することができる形状を有しているが、その他の形状も可能である。蓋４１６は、必要に応じて、リム４１４を圧着して／曲げて蓋４１６を保持することにより（図１１（ｅ））、または、他の手段により、ライナー４１２に取付けることができる。ポート３９８が設けられているヒータブロック４２０を、蓋４１６に押し付けて（図１１（ｆ））配置することができ、およびそれらの間の空間は、蓋４１６とブロック４２０との密接な接触をもたらすように排気して、上から蓋４１６を介した材料４１８の追加的な加熱を可能にし、および均一な調理を得るために、または、同時の（例えば、より速い）調理を実現するために、材料４１８をひっくり返す必要性を除去することができる。このことは、例えば、パニーニ（ｐａｎｉｎｉ）、バーガー、ステーキ、骨なし鶏むね肉等を調理するときに有用である。必要に応じて、ライナー４１２と蓋４１６を接合する手段、および圧着する手段は、ライナー４１２と蓋４１６の組合せが、実質的に漏出防止になっており、さらに、（例えば、内部で材料をタンブリングするために）その側部の向きを変えるか、または反転させることもできる。ヒータの導入の前に、圧着することが図示されているが、圧着することは、ヒータの導入の後にすることもでき（例えば、最後のステップ）、調理中に発生した蒸気を、ライナーと蓋の間から逃がすことができる。

いくつかの実施形態においては、（例えば、漏れ防止が十分ではない場合）ライナー４１２と蓋４１６を接合する手段の代わりに、または、その手段に加えて、蓋をライナーと密接に接触させて保持するリングを設けることができる。そのリングは、ヒータブロック４２０と組合せて、２つのベース４１０と同様のまたは同一の組合せを形成することができる。

図１２（ａ）から図１２（ｄ）は、下方ライナー４２２および下方ベース４２４を正面断面図で示し、下方ベースはベース４１０と同様のものである。しかし、この場合、蓋（ここでは、上方ライナー４２６と呼ぶ）は、似た形状に成っており、および上方ベース４２８によって加熱される。実際の形状は、図示されているのと異なっていてもよく、および深鍋、平鍋、中華鍋等と同様に、平坦なまたは湾曲した形態を備えた状態で、より浅く、より深くてもよい。ライナー４２２および４２６およびベース４２４および４２８の平面視の全体形状は、円形、楕円形、レーストラック形状、多角形状（例えば、矩形状）等にすることができる。各ベースは、ライナーを収容することができ、およびライナーを押し付けて真空にすることができ、すなわち、２つのライナー４２２および４２６は、図１２（ｃ）に示すように配置することができ、その後、これらのライナーが、２つのベース４２４および４２８によって一緒に押し付けられるように、図１２（ｄ）のように接触させることができる。少なくとも一方のライナーの材質が堅すぎない場合、それらのライナーに印加される圧力は、２つのベース４２４および４２８がともに圧迫されながら、２つのライナー４２２および４２６に、実質的に漏れのない接合部を形成させることができる。いくつかの実施形態において、ライナー４２２および４２６は、一旦、ベース４２４および４２８が分離されても、接合されたままの状態になるように、ともに溶接（例えば、低温溶接／冷間圧接、抵抗溶接）することができる。いくつかの実施形態においては、接触時にシールを形成することができる（例えば、感圧接着剤）、加熱時にシールを形成することができる（例えば、ヒートシールポリマー）等のシーリング材料を、一方または両方のライナーの周辺に設けてもよい。加熱を利用してシールを形成するシーリング材料の場合、そのような加熱は、ベースの加熱を介して間接的に、または、専用ヒータを介して直接的に実行することができる。いくつかの実施形態においては、ガスケットまたはＯリングを、ライナーの間に含めて、それらをシールすることができる。

材料は、２つのライナーを接合した状態で、飛び跳ねまたは損失を伴うことなく、容器の内部で加工（例えば、加熱）することができ、また、それらのライナーは、内部の物品をタンブリングする、揺動する、撹拌するおよび別様に加工するために操作することができる。このことは、一方または両方のベースを加熱または冷却している間に、または、そのようなことをせずに行うことができる。材料を蒸すために、いずれかまたは両方のライナーによって支持された蒸篭を、ライナー４２２とライナー４２６との間に配設してもよい。

図１２（ｅ）から図１２（ｇ）は、（別様に密封されていない場合）下方リング４３４および上方リング４３６によって一緒に保持されているライナー４３０および４３２から成る同様のペアの正面断面図を示し、これらのリングは、ベース４２４および４２８よりも小さくかつ軽量にすることができる。リング４３４および４３６は、素早く取り外すことができるクランプ、例えば、カムベースのクランプまたはばねベースのスナップオンクランプ等によって一緒に保持することができ、すなわち、リング４３４および４３６は、このことを容易にするために、ライナー４３０および４３２の縁部を越えて延びていてもよい。ライナー４３０および４３２は、下方ベースおよび上方ベースにより、または、ブロック４２０と同様のブロックによって加熱することができ、または、ライナーをベースに引き付けるために真空を利用して、または、フレーム加熱、対流、放射加熱等を含む他の方法により、（例えば、下の下方ベースを用いて）一度に一方のライナーのみを加熱してもよい。ライナー４３０および４３２が同じ形状を有し、および単一のベースが加熱される（または、冷却される）場合、組合せたライナー４３０および４３２は、（例えば、リングがこれらのライナーを一緒に締め付けている間に）単純に反転させることができ、一方のライナーまたは他方のライナーを介して材料を交互に加熱するために（例えば、その反転は、ライナーがベース内で過ごす時間と比較して素早く行われる）、ベース内に配置した後、再びライナーを真空によって保持することができる。したがって、ハンバーガーパテ等の材料は、グリル上でひっくり返されるかのように、両側で十分に調理することができる。しかし、この場合、材料は、ベースが完全にクリーンで、かつ汚染されていない状態のままで、ライナー４３０および４３２だけに接触する。さらに、そのひっくり返すことは、容易に、（材料の特定の形状に関係なく）確実に、および飛び跳ね等による材料の損失を伴うことなく実行することができる。必要に応じて、組合せたライナー４３０および４３２の内部の高さは、ひっくり返している（または、タンブリングしている）最中に、材料が内部で回転できないように十分に小さくすることができる。

図１２（ｆ）に示すように、組合せたライナー４３０および４３２は、中の材料を加工する（例えば、タンブリングする、揺動する、一様に調理する、混練する、撹拌する）ために、（例えば、矢印４４０で示すように軸４３８の周りに、または、矢印４４４で示すように、図１２（ｇ）の軸４４２等の別の軸周りに）回転させることもできる。回転は、一方向に連続的にすることができ、または、振動的に／往復させることができる。調理のために、回転している間に、熱をライナーに加えることができる。このことは、例えば、ライナーに接触している軽量の加熱ベース（例えば、（限定された範囲の回転を可能にする）ワイヤまたはスリップリングを介して電力が供給される抵抗加熱ベース）を用いて、誘導加熱を利用して、（例えば、下から）ライナーに当たる火炎、熱風または液体流、熱い液体に浸すこと、（金属製でない場合に）ライナーを介して伝達されるマイクロ波またはソリッドステート高周波エネルギー等を利用して実現することができる。ライナーが金属製である（または、例えば、金属層を含む）場合には、それらのライナーが形成する密閉されたチャンバは、放射が一つ以上の穴を介して導入される場合、内蔵型の電子レンジ／ＲＦオーブンになる可能性があり、すなわち、ライナー表面から反射する放射は、最終的には、中の材料によって吸収されることになる。これらのライナーは、その底部において、滑動させて底部に留まらせるだけではなく、ライナーが高速回転／転動する際に、材料を内側面で乗り上げさせて、回転させて落とすのを補助する突出部（「スピードバンプ（ｓｐｅｅｄ ｂｕｍｐ）」）等の形状構成を含んでもよく、すなわち、このことは、フライ返しまたはスプーンを用いて材料を平鍋内でひっくり返すのと同様の効果をもたらす。それらの突出部は、ベース内での突出部との真空接触により、上述したリブのように、ライナー内に形成してもよい。ライナーは、塑性変形しない場合、一旦、ベースから解放されると、もはやそのような突出部を有しておらず、そのことは、食べ物を、そのライナーから直接的に消費することを容易にすることができる。

使い捨てのライナーまたは多目的のライナーと、少なくとも一つの真空を装備したベースと、場合により、蓋を備える容器は、自動化された食品調理システムとは別の、すなわち、クリーニングする必要のない、またはより容易にクリーニングすることができる（例えば、多目的ライナーは、ハンドルに取付けられていないため、食器洗い機により容易に適合させることができる）深鍋または平鍋として本質的に機能する、独立した製品とすることができる。ベースは、ガスコンロ上に置くことができ、または、調理台器具として電気的に加熱することができ、さらには、ガスコンロに内蔵することもできる。

図１３（ａ）から図１３（ｄ）は、一連の正面断面図を示す。図１３（ａ）は、ベース４４６から成る容器と、ライナー４４８と、リング４５０とを示す。ライナー４４８およびそれに対応するベース４４６の凹部４５２の実際の断面形状は、図示されているのと異なっていてもよく、および深鍋、平鍋、中華鍋等と同様に、平坦なまたは湾曲した形態を備えた状態で、より浅く、より深くてもよい。ライナー４４８の平面視の全体形状は、円形、楕円形、レーストラック形状、多角形状（例えば、矩形状）等にすることができる。リング４５０は、真空チャネル４５４を備えて、それをライナー上に確実に保持できるようにしてもよく、いくつかの実施形態では、そのリングは、シーリングのための一つ以上のＯリング／ガスケットを含んでいてもよい。ベース４４６は、図１３（ｂ）のように、ライナー４４６が凹部４５２に挿入された場合に、そのリングを受け入れるための溝４５６を設けることができるが、いくつかの実施形態では、ベース４４６は、より小さなサイズから成り、リング４５０は、それを単純に包囲している。

一般に、ライナー、例えば、ライナー４４８の内容物４５７は、すくい上げること、掴むこと（例えば、トング、ハサミ）、（例えば、フォークまたは串を用いた）突き刺しによって、表面張力により（例えば、ブラシまたはスポンジへの漬け込み）、真空抽出（例えば、シリンジ、ピペット、ターキーベイスター、スポイト、ポンプに接続されたチューブ等）を介して、および単純にライナーを傾けることにより、別の目的地（例えば、皿または別のライナー）へ移すことができる。いくつかの実施形態において、ベース４４６全体は、注ぎ入れる（または、材料をタンブリングする／落下させる）ことを可能にするように傾斜させることができるが、他の実施形態では、図１３（ｃ）に示すように、リング４５０は、ベースの上でライナー４４８を上昇させてそれを傾斜させ、中の材料４５７をレセプタクルに注いでもよく、ベース４４６を固定したままの状態にすることができる。ライナー４４８は、注ぎ中に、リング４５０が食品に接触するのを避けるために、リング４５０を越えて、図１３（ａ）から図１３（ｃ）に示す距離よりもさらに遠くまで延びていてもよい。いくつかの実施形態において、代替例として、または、リング４５０の真空チャネル４５４に対する補足として、ライナーは、図１３（ｄ）におけるライナー４５８の場合のような、注ぎ入れるために傾斜させた場合に、少なくとも部分的に（または、図１３（ｄ）のように完全に）リング４５０に巻き付いて、そのライナーが保持される縁４６０を有していてもよい。ベース４４６の溝４５６は、設けられている場合、縁４６０およびリング４５０を収容することができる。

注ぎ動作中にライナーを支持することに加えて、適当なアクチュエータに取り付けられたリングを、（例えば、ライナーのスタックから）ライナーを取ってくるのに用いることができる。例えば、そのリングは、（例えば、カップディスペンサのように）適切に支持されているスタックの底部からライナーを引張って取ることができる。あるいは、そのリングが、十分な角度にわたって回転することができる場合、反転されたライナーを、スタックの上部から引張って、その後、ベースへの挿入前に方向付けてもよい。また、ライナーは、最初、別の機構によって（例えば、中央真空ピックアップにより）掴んで、そして、そのリングが下からそのライナーにアクセスできるように上昇させてもよい。

図１４は、食べ物をそこから給仕することができる、または、直接消費することができ、それによって、皿を汚す必要性を除去する皿に変換されているライナーのいくつかの正面断面図を示す。図１４（ａ）には、再使用可能な給仕リム４６４に挿入して、そのライナーを覆ってリムを配置することにより、および図１４（ｂ）のように、そのリムをライナーにパチンと留めることによって、一体化された輸送可能なプレートを形成することができるプレート形ライナー４６２が図示されている。リム４６４が動かされたときにライナー４６２を保持するために、リム４６４上の一つ以上の解放可能な止め具４６６を設けることができる。リム４６４の上面４６８は装飾することが可能であり、また、リム４６４は、少なくとも部分的に、典型的な皿の材料、例えば、セラミックから形成することができる。必要に応じて、リム４６４は、ライナー４６２のどの部分も、その皿が置かれるテーブルに接触しないようにライナー４６２を支持することができ、または、ライナー４６２は、使用中は、テーブルによって支持されるように、図示されているようにリム４６４の底部と同一平面にすることができる。ライナー４６２は、ライナーの廃棄のために、ライナー４６２をリム４６４から分離できるように変形させることができ、または、止め具４６６を解放することができるが、リム４６４は、必要に応じて、洗浄することができる。図１４（ｃ）には、ボウル形のライナー４７０が図示されており、このライナーは、上から、給仕用支持体４７２のキャビティに挿入される。支持体４７２は、ライナー４７０を載せて、それに長さを与え、および中の食べ物が消費されている間に、ライナーがひっくり返るのを防いでいる。いくつかの実施形態において、上記食品調理システムは、ライナーを、給仕用リムおよび給仕用支持体に自動的に挿入することができる。
専門化した材料ディスペンシング
図１５は、パウチからの材料のディスペンシングのための専門化した方法および装置のいくつかの正面断面図を示す。図１５（ａ）において、パウチ４７４は、水平に対して浅い角度になっているように、（例えば、パウチマニピュレータまたはディスペンサにより）既に回転されており、そのことは、材料の吐出に関して、より多くの制御を実行することができる。例えば、材料が比較的大きい場合（例えば、鶏むね肉、魚の切り身またはステーキ）、そのパウチは垂直になっており、また、例えば、材料を受け入れるレセプタクルには、熱いオイルまたはソース等の液体４７５が入っており、一旦、そのパウチから流出した材料は、倒れやすく、またそうなる際に、その液体の飛び散りを引き起こす可能性がる。このような飛び散りは、上記システムを汚染し、および材料を無駄にする可能性があるため、好ましくない。図において、材料４７６は、ローラ４７８または他の手段（例えば、振動）によって、レセプタクル（例えば、リングまたはベースによって支持することができる、図示されているようなライナー４８０）に向かって、矢印４７９で示す方向に押し出され、そのレセプタクルは、既に中に別の材料（例えば、液体）を有している。ローラ４７８は、矢印４８１の方向に回転して、矢印４８３の方向に平行移動している。材料４７６は、浅い角度でライナー４８０に吐出されるため、ライナー４８０に収まる際に、あまり回転せず、そのため、飛び散りの危険性がかなり低減される。浅い角度の吐出の利用に関する別の実施例は、重力の垂直方向の成分が小さく、材料は、より浅い角度においては、すぐに落下するのではなく、パウチの内側面に沿ってゆっくりと滑動または回転する傾向があるため、パウチの中の材料が吐出される速度を低下させる手段である。いくつかの実施形態において、非垂直角度で配置されて、材料の吐出を遅くするパウチには、材料の流れを垂直ノズルに迂回させる流路を、その開放端部に設けることができ、または、パウチの先端を９０度まで曲げる等をすることができる。また、パウチは、一つ以上の側部ホールも有することができるため、（例えば、底部の近くで）その側部から、その内容物を放出することができる。例えば、図８の多重区画パウチは、個々の区画を開封し、貫通させ、剥離する等により、任意の順番でアクセスされる区画を有することができるが、その区画（または、パウチ全体）は、所望の角度（例えば、水平）にある。

図１５（ｂ）は、予めスライスされている、および積み重ねに適している（例えば、平らな、上部および底部に平行な）形状を有する材料の場合の制御可能な吐出アプローチを示す。このような材料は、野菜（例えば、きゅうり、トマト、漬物）、デリミート、パン、チーズ、固い卵、クラッカー等を含んでもよい。材料の一切れ一切れが、スタック４８２内に配列されている場合（漬物等のより大きな単体から得られた材料のスライスの場合、容易に実現される）には、（例えば、図１５（ａ）のように、図示しないローラによって、および場合により、図５のようなプッシャーを用いて）スタック４８２が、パウチ４８４の開封された底端部に向かって進められるにつれて、個々のタック４８２をスライス４９０のように放出して、矢印４９２で示すように、（例えば、ライナーの中へ）落下させることができるように、図１５（ｂ）に示すように方向付けることができる。いくつかの実施形態においては、矢印４９４で示すように、スライス４８６をスタック４８２から離して押して、それらのスライスを落とすことができるようにするために、プッシングツール４８８を用いてもよい。いくつかの実施形態においては、別様に重力によって滑り落ちる可能性があるスタックを保持するために、ある方法（例えば、図７のパウチに張力を印加するアプローチ）を用いてもよいであろう。例えば、パウチへの張力印加と、プッシャーの動作は、各一切れ４９０が突き落とされる際に、スタックが、制御可能に（一切れの厚み分だけ）下方へ進むように、交互にすることができ、および同期させることができる。

図１５（ｃ）は、材料４９６が、予めスライスされておらず、および材料がパウチから出る際にスライスされる（例えば、きゅうり、漬物、パン、卵）制御可能な吐出アプローチを示す。ローラ（図示せず、場合により、キールと協働する）等の材料４９６を進める手段を用いてもよく、また、カッター４９８（例えば、ブレード、往復または回転ブレード、バンドソー、小径のワイヤ、加熱したワイヤ等）が、スライス５００を分離するように材料に対して移動され、そのスライスは、その後、スライス５０２のように、矢印５０４で示す方向に落下する。いくつかの実施形態においては、スライスを形成するカッターの代わりに、おろし器具、スパイラライザー、野菜刻み器、または、他の装置を用いて、材料がパウチから出る際に、他の形態に細分化してもよい。いくつかの実施形態においては、別様に重力によって滑り落ちる可能性があり、そのため、徐々に下がっていく可能性のある材料を保持して、カッター４９８が、制御された厚みから成る一切れを形成できるようにするために、ある方法および装置（例えば、図７のパウチに張力を印加するアプローチ、場合により、ローラおよびプッシャーと協働する）を用いてもよいであろう。いくつかの実施形態においては、細分化加工中のパウチおよび材料の動きを防ぐために、パウチの片面または両面に、裏当てプレート５０６を設けてもよい。クリーニングツール４８８またはカッター４９８（使い捨てでない場合）から成る手段を設けることができる。

材料が、予めスライスされているか否かに関わらず、その材料のすべてが、所定のレシピに、または、その材料のすべてが一時に必要なわけではない。その場合、パウチは、残りの材料がすべてそのパウチ内にあるように逆さにすることができ、また、パウチは、必要に応じて、再び密封することができる（例えば、パウチは、包装の技術分野において公知の再密封可能なシールを有していてもよく、または、異なる領域でヒートシールを行ってもよい）。材料を所要量供給するときが来た場合には、パウチを開封し、逆さにし、押し潰し、または、その材料を保持するために張力を印加することができる。あるいは、パウチは、単純に逆さにして、プッシャーまたはカッターの近くで、開封される準備をすることができる。プッシャーまたはカッターは、材料がパウチから放出されるときに、その位置が決まるように、パウチの下のストッパーとして作用するように延在させることができる。その場合、材料は、（例えば、ここでもまた、パウチを押し潰すか、または、張力を印加することにより）保持することができ、プッシャーまたはカッターを引っ込めることができる。そして、ローラが、（場合により、キールとともに）材料を押出すことができ、その結果、押出し／カッティングを継続することができる。

一度に、一枚のスライス／一切れが吐出される材料は、材料が、制御部のプログラムまたはアルゴリズムによって決まる異なる位置に落ちるように、容器または食品製品に対してパウチを同期的に動かすことにより、容器内に、または、食品製品（例えば、野菜またはピザに載せるペパロニ）内または食品製品上に、制御可能に配分することができる。

クリーニング
ディスペンシング、加熱、撹拌および混練等の食品調理に共通する多くの処理操作は、適切にデザインされたパウチ、ディスペンサ、ベース、ライナー、およびタンブリング用の装置を用いて実行することができるが、いくつかの操作は、処理後に内容物を吐き出すために、多くの従来のツールまたはその適応を用いて、（裏打ちされた、または、裏打ちされていない）容器内で、または、開封する、変形させる、剥離する等が可能なパウチまたは他のコンテナやパッケージ内で、依然として最も良好に遂行することができる。このような操作の実例は、撹拌、混練、混合、泡立て、食品加工（すなわち、従来のフードプロセッサブレードまたは同様のものを用いて実行される操作）、液化、裏ごし、ホイッピング、泡立て、切り刻みおよびすりつぶしを含むことができる。このようなツールは、使い捨てでない限り、定期的にクリーニングすべきである。既に他の目的（例えば、材料の加熱）のために使用されている容器、パウチまたはコンテナを、それらの操作にも利用できるようにして、その結果、材料と追加的な面との接触を最小限にするために、このような操作を、容器、パウチ、または、他のコンテナ内で実行することが有用である可能性がある。そのため、いくつかの実施形態では、このような操作は、容器、パウチ等の中に配置されるツールを用いて実行することができる。例えば、材料は、ベースとライナーを備える容器内で料理することができ、その間、撹拌ツールが容器内で動かされて、その材料を撹拌する。

図１６（ａ）は、撹拌または混練に用いることができる、支持体５０８とロッド５１０とを備える典型的なツール５０６の正面断面図を示す。ロッド５１０は、例えば、堅くまたはフレキシブルであってもよく、円滑またはざらつきがあってもよく、さまざまな長さ、幅および断面形状から成っていてもよく、さまざまな材料等から成っていてもよい。また、ライナー５１２と、（図示されているような料理用の真空部を含んでいてもよい）ベース５１４とを備える容器が図示されているが、ライナーがない容器を用いてもよい。（蒸気、香気等を収容するのにも利用できる）飛び散り／飛び跳ねを制御するキャップ５１６、矢印５１９で示すように、ツール５０６を回転させることができるモータ５１８等が追加的に図示されている。キャップ５１６は、中実にし、穴を伴う中実にし、または、開くことができる（例えば、飛散を防ぐスクリーン）、および単一以上の部材から形成することができる。キャップ５１６は、（図に示すように）キャップが水平方向におよび内部が平坦になっている状態で生じる可能性のある滴りではなく、何らかの結露がキャップの縁部に向かって流れ落ちることができるようにするために、内側に湾曲（図示せず）させてもよい。いくつかの実施形態において、各ツールには、各ツール／キャップが、単一のモータ５１８およびシャフト５２０に交換可能に結合されている状態で、それ自体のキャップを設けてもよい。他の実施形態では、（モータ５１８と、および場合により、シャフト５２０と一体化してもよい）単一のキャップ５１６は、さまざまなツールと交換可能に用いることができる。ツールは、シャフト５２０をキャップ５１６に通した後に、モータ５１８およびシャフト５２０と結合することができ、または、キャップ５１６が、ワンピースよりも多くの部材（例えば、２つの半体）で形成されている場合には、ツールは、前々からモータ５１８およびシャフト５２０に取り付けていてもよく、キャップ５１６は、そのシャフトの周りに組付けてもよい。いくつかの実施形態において、少なくともいくつかのツールは、それら自体のモータおよびシャフトを有している。（例えば、低速で操作する）通常の使用においては、ツールは、材料を飛び散らせ、または、飛び跳ねさせたり等をしないため、いくつかのツールは、キャップを全く有していなくてもよい。いくつかの実施形態において、モータおよびアクチュエータは、ツールの（矢印５２４で示す）移行または（矢印５２６で示す）傾斜等の、ツールの回転以外の動きを生じることができる。いくつかの実施形態において、キャップは、簡単に処分できる／使い捨てできるようになっていてもよい（例えば、薄いプラスチックまたはアルミ箔から形成することができる）。いくつかのツールは、それらが動く際に、それらが容器または他の物体の側部と接触するのを防ぐためのシールド／ガードを備えていてもよい。

図１６（ａ）において、いくつかの実施形態では、モータ５１８に接続されているシャフト５２０は、（例えば、ベアリングおよび／またはシール５２２を介して）キャップ５１６を通り、およびツール５０６に取付けられているが、他の実施形態では、モータ５１８とツール５０６は、（例えば、永久磁石または電磁石により）磁気的に結合される。支持体５０８は、用いる場合、ディスク、部分的なディスク等にすることができ、および例えば、特にシール５２２が設けられていない場合、キャップ５１６の開口部を覆ってもよい。いくつかの実施形態において、モータ５１８と、キャップ５１６と、支持体５０８と、ロッド５１０とを備えるアセンブリは、ベース５１４およびライナー５１２の上まで下げることができる。キャップ５１６は、ライナー５１２に接触するまで（図１６（ｂ））、下げて、内部空間を実質的に密封し、および操作中に、材料が漏出するのを防ぐことができる。ベース５１４およびライナー５１２は、（図示されているような）平鍋、深鍋、中華鍋等のように形成することができ、また、ライナー（または、ライナーが用いられていない場合は容器）は、ステンレス鋼、アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、エナメルで被覆したスチール、ＰＴＦＥ等の焦げ付かない材料等の材料で構成することができる。

図１６（ｃ）から図１６（ｈ）は、異なる操作で用いることができる代替的なツールのいくつかの実施例を示す。シャフト５２７およびブレード５２８および５３０から成る図１６（ｃ）のツールは、混合に用いることができ、また、シャフト５３２およびブレード５３４から成る図１６（ｄ）のツールは、切り刻むために、生地を加工するために、または、混合するために用いることができる（この場合、そのブレードは、実質的に同じ高さにあってもよい）。シャフト５３６と、ディスク５３８と、ブレード５４０とから成る図１６（ｅ）のツールは、カッティング／スライシングに用いることができ、および同様のディスクは、すりおろし、切り刻み、千切り等に用いることができ、それに対して、図１６（ｆ）のスプーン／パドル／へら状のツールは、撹拌または混練に用いることができる。シャフト５４２から成る図１６（ｇ）のツールは混練に用いることができ、および内側面に隣接する材料を処理するために、容器、ライナー、パウチ等の内側面に接触することができる擦り縁部５４４を組み込んでもよく、一方、シャフト５４６およびワイヤ５４８から成る図１６（ｈ）のツールは、泡立て、ホイッピング、発泡等に用いることができる。従来の螺旋形／渦巻形の生地フック（図示せず）、発泡ツール、および他の多くのツールも用いてもよい。すべてのツールは、機械設計の分野で公知の着脱可能なカップリング（図示せず）を介してモータに取り付けることができ、ツールの互換性を可能にすることができる。

所望時に、モータが作動されると、ツールは、矢印５２４で図に示すように回転し、標準的なライナーアクチュエータ（図示せず）も、矢印５２４で示すように、ツールを軸方向に移動させて、容器内でのツールの深さを変えること等ができる。このことは、操作のための最適なツール位置を設定するように一度に行ってもよく、あるいは、（例えば、そのツールが、材料の嵩全体にアクセスできるように、すなわち、これと同様の軸方向動作は、例えば、ハンドブレンダーを使用した場合と共通する）必要に応じて、その深さを、その操作中に変化させてもよい。同様に、そのモータの速度および／またはトルクは、その操作中に一度、設定してもよく、または、その操作中に変化させてもよい。いくつかの実施形態において、そのシャフトは、矢印５２６で示すように、その回転軸と直角な一つ以上の軸周りに傾斜させることができ、そのツールを、軸方向に滑動させるのに加えて、または、その滑動の代わりに、左右に傾斜できるようになっている。このことは、ボールジョイント、または、そのシャフトを取り囲むエラストマー領域をキャップ内に含むことにより、キャップ全体をエラストマー（例えば、シリコーン、そのことは、容器に対するシーリングも容易にする）で形成することにより、モータをジンバルで支持すること等によって、実現することができる。モータ／シャフト／ツールが傾斜することが可能である場合、傾斜は、キャリッジを一軸または二軸で動かすことによってもたらすことができ、その同じキャリッジは、ツール、シャフト、モータおよびキャップを容器上に配置するのに用いることができる。いくつかの実施形態において、モータは、フレキシブルシャフトを介してシャフトに接続することができ、また、いくつかの実施形態の変形例においては、モータは、遠隔にあってもよく、および実質的に固定されていてもよい。いくつかの実施形態において、ツールは、遊星運動で、または、スタンドミキサーに見られるような他の複雑な運動で動くことができる。いくつかの実施形態において、ツール（例えば、撹拌ロッド）は、例えば、壁部に近接した材料を操作するために、容器／ライナーの内側面に接触し、またはほぼ接触して、例えば、材料（例えば、液体を含む材料）が過熱または煮えたぎることを避けることが好ましい可能性がある。

図１６（ｉ）は、ツールと、キャップを（キャップが材料によって汚れている場合）クリーニングする方法および装置の正面断面図を示し、この場合、キャップ、モータおよびツール（または、いくつかの実施形態では、キャップとツールのみ）は、クリーニングステーション５５０へ移動されて、そこで、それらをクリーニングすることができる。しかし、いくつかの実施形態では、ツールまたはその一部は、（例えば、成形プラスチック、木材等から形成され、場合により、金属製の刃先を備えている場合）、取り外して廃棄することができ、また、いくつかの実施形態においては、（薄いアルミ箔で形成されている場合）キャップ自体を使い捨てできる。いくつかの実施形態において、ツールは、使用時に流体によって膨張して十分に堅くなる、低コストの薄膜（例えば、プラスチック）で形成することができる。

いくつかの実施形態において、クリーニングステーション５５０は、次のもの、すなわち、（例えば、洗浄剤を含有する）洗浄溶液５５４を保持し、および少なくとも一つの従来のポンプ（図示せず）を備えているタンク５５２、溶液５５４または洗浄水が入ることを可能にする少なくとも一つのインレット５５６、溶液または洗浄水を排水できるようになっている少なくとも一つのアウトレット５５８、溶液５５４または別の液体を噴射する少なくとも一つのスプレーノズル５６０、少なくとも一つのエアノズル５６２、少なくとも一つのＵＶ光源またはパルス光源５６６（Ｃｌａｒａｎｏｒ，Ａｖｉｇｎｏｎ，Ｆｒａｎｃｅ）からのＵＶ光が、ステーション５５０に入って、ツール５０６（または、図１６（ｃ）から図１６（ｈ）におけるツールのような他の任意のツール）の表面およびキャップ５１６に達することを可能にする（例えば、タンク５５２の底部における）少なくとも一つのウィンドウ５６４、および関連する電子装置を有する少なくとも一つの音波、超音波またはメガソニックトランスデューサ５６８のうちのいずれかまたはすべてを備えていてもよい。キャップ５１６は、動作中の漏れを回避するために、（例えば、締付け力を加えることにより、ガスケットまたはＯリングの利用等により）タンク５５２に押し付けて密封される。

動作中に、ツール５０６およびキャップ５１６は、次のプロセス、すなわち、洗浄溶液５５４への浸漬（この洗浄溶液は、複数のサイクルにおいて、空になる可能性があり、新たな溶液と交換することができる）、例えば、ツールが浸漬されている間、または、噴射されている間に行うことができる撹拌（例えば、矢印５１９で示すようなモータ５１８による回転および／または揺動回転、矢印５２４で示すようなツールの軸方向運動、および／または矢印５２６で示すような洗浄溶液中でのツールの傾斜）、（例えば、ノズル５６０から放射する高圧ジェットを用いた）洗浄溶液５５４または別の液体による噴射、ノズル５６０または他のノズルによって吐出される蒸気または高圧蒸気、洗浄溶液の音波、超音波またはメガソニック撹拌、（例えば、洗浄、すすぎおよび乾燥後の表面の残留微生物を殺すための）ＵＶ照射、パルス光滅菌、オゾン、および熱分解によって食品残留物をなくしおよび／または微生物を破壊するためのツールの加熱のうちのいずれかまたはすべてによって洗浄しおよび消毒／滅菌することができる。タンク５５２とキャップ５１６との間の良好なシールを仮定すると、タンク５５２内での溶液５５４のレベルは、ツール５０６およびキャップ５１６のすべての面に接触するように、タンク５５２の上部を越えて上昇させてもよい。溶液５５４が使用された後、その溶液は、ステーション５５０からアウトレット５５８を介して排出して、（例えば、インレット５６８またはノズル５６０を介して供給される）クリーンな洗浄水と交換することができ、その洗浄水は、浸漬、噴射等によってツール５０６に、および噴射等によりキャップ５１６に適用することができる。クリーニング後、ツール５０６およびキャップ５１６は、タンク５５２から切り離した後に空気乾燥させることができ、および／または依然としてステーション５５０に隣接している／ステーション内に留まっている状態で、高速の回転により、および高速の温かい／熱いエアジェットを吐出することができるエアノズル５６２の利用によって空気乾燥させることができる。

図１７は、いくつかの実施形態における一連のステップを正面断面図として示し、カプラ５７２と、キャップ５７８用のピックアップとを備えたモータ５７０は、それらのステップにより、キャップ５７８（使用されている場合）を掴み上げ、その後、ツール保管エリア５８４からの野菜刻み器５８０または泡立て器５８２等のツールに結合し、次いで、容器（例えば、図示されているようなライナー５８６およびベース５８８）内でそのツールを使用し、およびその後、ツールおよびキャップの両方を洗浄するために、従来のモーションステージ（図示せず）の一部を構成するキャリッジ５７６を用いて移動され、または、ロボット装置の別の形態、例えば、多関節アームによって移動される。この場合、多数のツールが、単一のキャップとともに使用され、およびいくつかの実施形態においては、各ツールは、それ自体のキャップを有していてもよい。ここで、キャップ５７８は、クリーニングタンク５９０にフィットするようにデザインされているため、そのキャップは、ツールとともに洗浄することができる。図１７（ａ）において、キャリッジ５７６は、まず、図示されているように、クリーニングステーション５９２の上に配置することができ、一方、図１７（ｂ）では、そのキャリッジは、キャップ５７８の上に移動されて、（例えば、真空、磁気／電磁気の、または、機械的結合を介した）一つ以上のピックアップ５７４を用いて、そのキャップを掴み上げている。次いで、キャリッジ５７６は、図１７（ｃ）のように、ツール保管エリア５８４のツール（ここでは、野菜刻み器５８０）の上に移動し、また、モータ５７０は、ツール５８０に結合される（例えば、カプラ５７２は、同様の形に作られたソケットを保持するための磁石または電磁石を用いて、そのソケットに嵌合する六角形または八角形のシャフトを含んでもよい）。次に、図１７（ｄ）では、（垂直方向および水平方向の動きが可能な）キャリッジ５７６は、ライナー５８６の上に移動しており、また、野菜刻み器５８０は、中の材料を加工するために下げられてライナー５８６に入っており、キャップ５７８は、そのツールが使用されている間の飛び散り等を制御するために、ライナー５８６を閉鎖している。使用中、モータ５７０は、矢印５９４で示すように、野菜刻み器５８０を回転させ、一方、キャリッジ５７６は、必要に応じて、矢印５９６で示すように、往復運動している。最後に、図１７（ｅ）において、キャリッジ５７６は、キャップ５７８および野菜刻み器５８０を既に引き出して、ステーション５９２の上に移動しており、また、キャップ５７８と野菜刻み器５８０は、そのステーションに入ってクリーニングされている。図示されているように、ステーション５９２は、タンク５９８および洗浄溶液５５４を備えているが、上述したクリーニング能力／滅菌能力のうちの一つ以上を有する、図１６のものと同様のものを含む他のクリーニングステーションの構造を用いてもよい。モータ回転６００および矢印６０２で示す水平方向のキャリッジ動作は、洗浄溶液を撹拌し、およびツールを揺動させて、クリーニングを促進するのを補助するのに用いることができる。モータは、ワイヤハーネスまたは同様のものによって接続することができ、または、（例えば、再充電可能な）それ自体のバッテリによって動力を供給してもよい。また、そのステーション内でのツールおよびキャップの（水平方向軸周りの）垂直および回転運動を用いてもよい。図１７（ｅ）のクリーニングステップの後、野菜刻み器５８０は、通常、ツール保管エリア５８４内で交換され、およびキャップ５７８は、それがそこから得られた位置で交換される。いくつかの実施形態において、クリーニングステーション５９２は、容器からクリーニングステーションへ移動する間の、ツールまたはキャップからの材料の滴りまたは落下のリスクを最小限にするために、可能な限り、ツールがその中で使用される容器の近くにある。

材料の料理、混練および混合、およびさまざまな他の作業は、さまざまな種類および形状の容器内で実行することができる。図１０から図１３のベースおよびライナーは、食品を加熱することまたは冷却すること以外の他の作業、例えば、使い捨て可能なライナー内で材料を混練すること等に用いることができる。容器がライナーを含んでいるか否かに関わらず、多くの材料が（特に、湿気のある／濡れている場合）、容器の内側面にこびり付く傾向により、単純に容器を傾斜させ、または逆さにすることによって、中の材料をすべて除去することは、能力を必要とする可能性がある。このことは、材料の無駄遣い、容器内に残っている材料による間違ったレシピの可能性、（ライナーがない場合の）容器をクリーニングする際の難しさが増すこと等につながる。そのため、容器からすべての材料を除去する効果的な方法を採用することが有用である。いくつかの実施形態において、容器は、（例えば、柔らかい木槌または同等物を用いて）叩いてもよく、振動させてもよく、高速回転させてもよく、または、その表面から材料を取り除くという目的を伴って、別様に移動させることができる。いくつかの実施形態においては、容器から材料を押出すのに、流体ジェット（例えば、空気）を利用することができる。いくつかの実施形態においては、容器の内面が機械的に拭われる（例えば、自己排出ボウル）アプローチを用いてもよい。このアプローチは、図１８（ａ）から図１８（ｇ）に図示されている。図１８（ａ）、図１８（ｂ）は、球体の断面に従って内部に形成された容器（例えば、球状キャップ、例えば、図１８（ｃ）から図１８（ｇ）正面断面図に示すような半球体）に適している、パドル６０４ａおよびパドル６０４ｂの平面図をそれぞれ示す。パドル６０４ａは、「Ｄ」字状の本体６０７ａを有しているが、パドル６０４ｂは、「Ｕ」字状の本体６０７ｂを有し、その他の形状も可能である。「Ｕ」字状の形状は、パドル６０４ｂが容器内にある間に、その容器内で、材料を処理（例えば、撹拌）できるようになっているが、本体６０７ａは、容器のクリーニング中に、材料がその本体上で飛び回ったり、散らばったりするのを防ぐのに十分な幅になっていなければならない。パドル６０４ａおよび６０４ｂは、エラストマー縁部６０６を備えていてもよく、また、いくつかの実施形態では、容器が、シャフト６０８またはホールと一致する軸周りに枢動できるようにするシャフト６０８（または、ホール）を備えていてもよい。

図１８（ｃ）から図１８（ｇ）は、容器６１０が、材料６１２を収容するのに用いられ、その後、材料６１２が、空にしおよび擦るプロセスにより、他のどこかへ効率的に移送されるステップを連続的に示す。容器６１０は、図示されていないライナーを含んでもよく、その場合、材料６１２の完璧な移送は、あまり重要ではない可能性がある。パドル６０４ａは、図１８（ｃ）から図１８（ｇ）の半球状容器と一体化されているか、または、パドル６０４ａを、多くの容器とともに使用できるようにする独立した要素であってもよいが、容器６１０は、シャフト６０８の周りを枢動することができる。すべてのステップにおいて、パドル６０４ａは、容器６１０がそのパドルの周りで回転する間、その元の位置（この場合、水平方向）に依然としてある。

図１８（ｃ）において、容器６１０は直立し、材料６１２が充填されているが、図１８（ｄ）では、容器６１０は、矢印６１４の方向に回転し始め、その結果、材料６１２が注がれおよび／または転がり落ちている。このステップでは、容器６１０の内側面６１６と接触しているか、またはほぼ接触しているパドル６０４ａの縁部は、スキージーのような動作によって、材料をパドル６０４ａにまたはそのパドルの下に保持する代わりに、その内側面に付着している材料が、回転している容器６１０とともに上昇するのを防いでいる。図１８（ｅ）、図１８（ｆ）では、材料６１２のほとんどは容器から離れているが、パドル６０４ａは、機能し続けている。最後に、図１８（ｇ）では、容器６１２は、すべての材料６１２が、既にその容器から移送されている位置に達しており、および容器６１０は、必要に応じて、クリーニングすることができる。容器６１０は、内部が球面状であるため、図１８（ｃ）と図１８（ｇ）との間の１８０度のフル回転は、空にすることおよび擦ることを完全に実現するのに用いることができ、それに対して、球体のより小さな部分を呈する容器の場合は、より小さい回転角度を用いることができる。回転の軸は、内部が球状に形成された容器の場合、その球体の中心になくてもよく、および他のどこかに位置していてもよい。球体以外の回転対称形状は、例えば、楕円形や円筒形を容器に用いてもよい。容器を回転させること、または、（例えば、容器が、ワイヤまたは真空ラインを介して上記システムに接続されている場合、または、他の理由のために）大きく回転させることが実現困難である場合、そのパドルを回転させることができる。例えば、容器は、図１８（ｄ）に示す位置まで反時計回りに回転することができ、また、そのパドルは、時計回りに回転して、容器が、この方向性のままになっている間に、残っている材料を押出すことができる。いくつかの実施形態においては、（パドル６０４ｂのように形成された）２つのパドルを、容器の両側に設けることができ、すなわち、それらのパドルは、（例えば、調理および／または混練／撹拌プロセスの間に）必要に応じて、容器の中心に向かって材料を押出すのに用いることができる。

第１のシステム
図１９は、いくつかの実施形態において用いられる、自動化された食品調理のための「第１のシステム」を示す。図１９（ａ）は、そのシステムの平面図であり、図１９（ｂ）は、そのシステムの正面図である。

いくつかの実施形態において、そのシステムは、以下の要素のうちのいずれかまたはすべてを備えることができる。

１）断熱することができる、パウチ６２４用の貯蔵室（例えば、冷凍６１８、冷蔵６２０および室温６２２）。これらの貯蔵室は、通常、レシピ固有のものである材料用、または、より汎用性のある可能性がある材料用とすることができる。これらの貯蔵室は、最大限のアクセス性のために、そのシステムの上部寄りに配設することができる。これらの貯蔵室は、パウチを、そこで、支持体２１６またはタブ２２２から吊り下げることができるレール２１８を有することができ、または、収納スペース、回転ホイール、棚、引出し等の形態になっていてもよい。

２）断熱することができる、コンテナ６２５（シリンジ、チューブ、カプセル、ボックス等）用の保管エリア（例えば、冷凍６１９、冷蔵６２１および室温６２３）。これらの貯蔵エリアは、通常、より汎用性があり、および長期保存が可能である材料、または、レシピ固有である可能性のある材料のためのものとすることができる。これらの貯蔵エリアは、それほど頻繁にアクセスされないため、そのパウチ貯蔵エリアの下に配設してもよい。

３）Ｘステージ６２６ならびにＹステージおよびＺステージと、Ｘ、ＹおよびＺ軸に沿って動くことが可能なキャリッジ６２８とを備え、およびグリッパー２７６およびディスク２７９を備えている図４から図６のもの等のパウチマニピュレータ６３０が備えられている第１の輸送部。これらのステージは、システム６３６の背面に図示され、この場合、それらのステージは、機械フレームに取付けることができる。

４）Ｘステージ６３２ならびにＹおよびＺステージと、Ｘ、ＹおよびＺ軸に沿って移動可能で、および（例えば、Ｚ軸周りに）回転可能で、およびライナーを掴むことが可能なエンドエフェクタ（例えば、真空ピックアップ）が備えられ、および例えば、モータを介して、キャップおよびツールならびに駆動ツールに結合されたキャリッジ６３４とを備える第２の輸送部。これらのステージは、システム６３８の前方に図示され、そこでそれらはフレームに取付けることができる。第２の輸送部は、いくつかの実施形態で図示されているように、第１の輸送部よりも、Ｘに沿って短くなっていてもよい。

５）パウチマニピュレータに隣接し、または、パウチマニピュレータと組合されているコンテナマニピュレータ（図示されていないが、いくつかの実施形態においては、グリッパー、磁石または電磁石等の機械的インタフェースを備えている）。いくつかの実施形態において、これは、図９に示すようなコンテナとインタフェースを取ることができ、およびグリッパー、または、コンテナとの別のインタフェースを備えていてもよい。いくつかの実施形態において、それは回転可能であってもよい。

６）加熱されたおよび／または冷却されたベース６４０およびライナー６４２を備える一つ以上の容器。しかし、いくつかの機械は、ライナーおよびベースを使用しなくてもよく、代わりに、再利用可能でクリーニング可能な容器を使用してもよい。より複雑な機械は、（例えば、Ｙ軸に沿って配列された）多数の容器および／または皿（平皿、ボウル等）を有して、それらの皿や大皿等を給仕することができる。

７）容器ライナー６４２の供給部６４４（例えば、スタック）。

８）スタック６４４からライナーを拾い上げることが可能なライナーマニピュレータ６４６。

９）従来のオーブン、電子レンジおよび／またはＲＦオーブン６４８、および／または（図示されているように垂直方向に積み重ねられた、または、別様に配列された）他のクッキングチャンバ。

いくつかの実施形態において、貯蔵エリアは、図示されている以外の別の軸に沿って配置してもよく、または、容器およびライナー等の下または上に配設してもよい。いくつかの実施形態において、パウチとコンテナは、貯蔵エリアを共用してもよい。いくつかの実施形態において、上記システムは、図１９に示すような低アスペクト比（高さ対幅）を有してもよいが、他の実施形態では、そのシステムは、（例えば、自動販売機または冷蔵庫と同様の）高アスペクト比を有していてもよい。各輸送部（例えば、Ｘ軸ステージ、（一方がどちらかの端部にある）２つのＺ軸ステージ、およびＹ軸ステージを備えるガントリー型）は、機械フレームの前方または後方のいずれかに固定されて、各輸送部が独立して動けるようになっている。しかし、各輸送部のペイロードが空間内で重なる可能性があるため、そのシステム制御部は、衝突を避けるために、時間的に確実に重なりがないようにするアルゴリズムを採用すべきである。いくつかの実施形態においては、円筒形、球状／有極性、（回転関節を備えた）関節式またはＳＣＡＲＡ型等の他の（例えば、非カルテシアン）輸送部を用いてもよい。

いくつかの実施形態においては、これらの多くは従来のものであるが、例えば、制御部および他の電子装置、すなわち、第１および第２の輸送部ステージ用のガントリーの一部を構成するＺ軸ステージ、必要に応じて、所要の動作をもたらすモータおよびアクチュエータ、温度制御式解凍タンク、低温調理タンク、容器キャップ、ツールおよびツール保管エリア、クリーニングステーション、洗浄溶液および真空ポンプ等のポンプ、パウチマニピュレータローラ、他の食品調理ステーション、例えば、（場合により、煙回収装置を備える）グリル、チョッピング／カッティングステーション等、さまざまな食品調理に使用される他のモジュール、フレームおよびパネル等の多数の構成要素をシステムに含めることができ、およびそれらは図１９には図示されていない。以下に記載されているすべての動作および操作は、（例えば、適当な形態および適切なアルゴリズムでレシピを含む）プログラムに従って、制御部によって実施され、およびさまざまなアクチュエータの動作を指示すること、さまざまなセンサの入力を受け取って処理すること、クロックを介して時間を追跡すること等を含んでもよい。図１９（ｃ）の正面図は、材料６４６をパウチ６２４から、ライナー６４２を備える容器内へ所要量供給する過程のシステムを示す。このことを遂行するために、第１の輸送部のＸステージ６２６は、パウチマニピュレータ６３０を、（この場合）パウチ保管エリア６２２内の適切なパウチ６２４の上に移動させ、パウチ６２４を掴んでそれを容器の上に輸送し、それを開封する（場合により、パウチを逆さにした方が良い）。パウチマニピュレータ６３０上のローラは、材料を放出するのに用いることができる。図１９（ｄ）の平面図において、パウチ６２４は、材料を容器内へ吐出しており、同時に、ベース６４０内に保持されたライナー６４２内で材料を処理するために、第２の輸送部のＹステージ６５２に担持された第２の輸送部のＹ軸キャリッジ６５０に既に結合されている、図１６（ｈ）の泡立て／ホイッピングツール６４８等のツールが、ライナー６４２の上に配置されて、モータ５１８によって作動される。

図１９（ｅ）から図１９（ｌ）は、さまざまなプロセスで作動されるシステムの正面図を示す。図１９（ｅ）において、そのシステムは、材料６５４をコンテナ６５６からライナー６４２内へ所要量供給する過程にある。このことを遂行するために、第１の輸送部のＸステージ６２６は、コンテナ保管エリア６２１内で、コンテナマニピュレータ６５６を適切なコンテナ６５６の上に移動させ（このことは、図示されている実施例において、それらの保管エリアが、パウチ保管エリアの下にあると仮定した場合、Ｚ軸の動きを要する）、コンテナ６５６を掴んでそれをライナー６４２の上へ輸送し、必要に応じて、そのパウチを逆さにし、パウチから所要量供給する。ディスペンシングは、（例えば、塩や粉コショウ、スパイス、および製粉した小麦粉を小さな開口部を介して所要量供給するために）パウチまたはその構成要素を振動させることまたは回転させることと、（コショウの実またはナッツの場合に）それをすりつぶすかまたは別様に細分化することと、それを圧縮して、材料（例えば、オイル、ミルク）をホールまたはノズルを介して絞り出すこと等を含んでもよい。

図１９（ｆ）では、（Ｘステージ６３２を有する）第２の輸送部が、ベース６４０と同様のベースからライナー６４２を持ち上げ（例えば、そのライナーは、そのベースを越えて延びていてもよく、および例えば、リングによって持ち上げてもよい）、および材料６５８をライナー６４２ａ（または、別のコンテナ）から、それの下のライナー６４２ｂへ移している（例えば、注いでいる）状態で図示されている。このことは、中の材料に接触しないように、ライナー６４２ａを確実に掴むことまたはそのライナーに結合することと、ライナー６４２ａを回転させることとを含む。

図１９（ｇ）では、ライナー６４２（または、他のコンテナ）も回転されるが、このプロセスにおいて、ライナー６４２は、第２の輸送部によって既に移動されているため、パウチ６６２の上にあり、そして、材料６６０は、ライナー６４２からパウチ６６２内へ移されている（このシステムは、空のパウチの供給部を含むことができる）。いくつかの実施形態において、一つのパウチは、その内容物を別のパウチに同様に移すことができる。パウチ６６２は、装填されている間、（例えば、真空グリッパーによって）開口して保持されているが、いくつかの実施形態では、パウチ６６２を捉えそこなった任意の材料を捕らえるために、ライナーまたは他のコンテナを、そのパウチの下に置いてもよい。パウチマニピュレータのグリッパーは、パウチ６６２が（例えば、図１９（ｇ）のシステムによって、または、オペレータによって手で）充填されるときに、そのパウチをその機械内で密封できるように、インパルスヒータを含んでもよく、および場合によっては、当技術分野において公知の真空シーリング装置を含んでもよい。このことは、長期間の保存を可能にし、およびタンブリング、揺動、押し潰し、低温調理等のパウチ内処理を容易にする。システムの外部で充填されるパウチは、識別用のコード（例えば、ＱＲコード（登録商標）、バーコード、ＮＦＣコード、ＲＦＩＤコード）を用いてもよいが、このことは、そのシステムが、そのようなパウチの内容物と位置を追跡することができるため、システムの内部でそのシステムによって充填されたパウチの場合には、あまり有用ではない可能性がある。

図１９（ｈ）は、システムの上部の近くで、または、システムのユーザが、ライナー６４２にアクセスして、調理された食べ物をシステムから取出すことを可能にしているため、その食べ物を給仕しおよび消費することができる代替位置で、ライナー６４２（または、皿）を支持するシステムの第２の輸送部のステージを示す。図１９（ｉ）は、第２の輸送部により、チャンバ６４８内へまたは別のサブシステムに配送されているライナー６４２を示す。サブシステムが垂直方向に積み重ねられている場合、各サブシステムには、その輸送部の異なる高さにおいてアクセスすることができ、また、いくつかの実施形態では、複数のサブシステムが、単一の高さに並べて配置されていてもよい。図１９（ｊ）は、（例えば、真空ピックアップを用いて）ライナー６４２をスタック６４４から取出して、ライナー６４２をベース６４０内に置く準備ができている第２の輸送部のステージを示す。

図１９（ｋ）は、一緒に保持または接合され、および図１２（ｇ）のようにライナーの対称軸に直角な軸周りに回転される下方ライナー６４２ｃおよび上方ライナー６４２ｄを示し、一方、図１９（ｌ）は、図１２（ｆ）のように、すなわち、これらのライナーの対称軸周りに回転されるライナー６４２ｃおよび６４２ｄを示す。符号４３４等のリング、または、いくつかの実施形態において、ライナーを一緒に保持するために設けられる他の装置は図示されていない。

図２０（ａ）から図２０（ｆ）は、ベースのシステム（または、サブシステム、例えば、上述した第１のシステムのサブシステム）およびいくつかの実施形態において、材料のタンブリング、揺動、混練、撹拌等を（例えば、容器状の蓋を備えている加熱容器の内部にある間に、均一なクッキングを実現するために）食品調理プロセスの一部として可能にするライナーの立体図および立体断面図を示す。いくつかの実施形態において、そのシステムは、蒸気、または、クッキング中に生成された他の生成物の漏出を可能にするように排気されるライナーを備えている。いくつかの実施形態において、そのサブシステムは、互いに密封することができるライナーを備えている。いくつかの実施形態においては、少なくともいくつかのライナーは、溝が付けられ、または、別様に開くのを容易にされて、中の調理された食品へのアクセスを可能にしている。

図２０（ａ）では、「クラムシェル」状構成の容器（それぞれが、ベースおよびライナーを備えていると仮定する）が図示され、この場合、同様の形状から成る上方ベース６６２および下方ベース６６４が、ヒンジ６６６を介して互いに取付けられ、およびベース６６２および６６４を回転させることが可能な、一方のベース（図示されているように下方ベース６６４）に取り付けられた電動シャフト６６８も、回転中にそのクラムシェルを閉じたままにするためのスライドラッチ６７０または他の機構とともに設けられている。他の実施形態では、容器は、（一方を回転させて）それらの通常の方向に留まっている間は分離してもよい（このことは、ライナーおよび材料の導入を容易にする）。図示されているように、ベース６６２および６６４は、それらの中にヒータ（または、冷却流路）を組み込むのに十分な厚さになっている。複数回転のために、回転を一方向に続けなければならない場合、および電気（例えば、抵抗）ヒータを使用する場合には、従来のスリップリング（図示せず）または同様のものを介して、電流を下方ベース６６４に供給することができ、また、（上方ベース６６２の開閉を可能にする）フレキシブルワイヤ／ケーブルを、上方ベース６６２と、回転する下方ベース６６４を接続するのに用いることができる。振動回転／往復回転を利用する場合には、（例えば、その軸が、回転軸にほぼ平行である螺旋コイル内に配置された）システムの非回転部分からのケーブル配線を下方ベース６６４に接続することができ、また、必要に応じて、同様のケーブル配線を、上方ベース６６２に接続することもできる。また、ベース６６２および６６４は、適切な温度の循環流体を用いて加熱または冷却することもできる。

ライナーを使用する場合、それらのライナーは、図２０（ｂ）において、上方ベース６６２が枢動されている間に、（例えば、図１９の第２の輸送部等の輸送部に取り付けられた真空ピックアップにより）それぞれ、ベース６６２および６６４の凹部６７２および６７４に装填することができ、そのため、下方ベース６６４へのアクセスは、もはや阻止されていない。両方のベースが、図２０（ｂ）のように同様に向けられている場合、ライナーの挿入を容易にすることができる。上方ライナー６７６は、必ずしも下方ライナー６７８と同じサイズまたは形状である必要はない。少なくとも一方のベースは、一つ以上の真空部／流路を組み込んでもよく、すなわち、その場合、そのライナーは、凹部６７２または６７４に近付けて押し当てることができ、そのベースが加熱／冷却された場合に、材料への／材料からの効率的な熱伝達を可能にしている。また、真空は、そのライナー（例えば、上方ベース６６２が、図２０（ａ）、図２０（ｂ）のような方向から離れて回転している間の上方ライナー６７６、この場合、そのライナーは、重力によって保持される）を保持するように作用することができる。標準的な真空接続（例えば、チュービング、ヒンジ内の流路）ならびに電気ケーブルおよび可能性のある冷却／加熱流体流路は、図には図示されていない。

図２０（ａ）から図２０（ｄ）は、いくつかの実施形態による、蓋をして料理する（例えば、フライを揚げる、蒸し煮にする、煮沸する）プロセスにおける最初のステップを示す。図２０（ａ）では、「クラムシェル」は、（例えば、適当なアクチュエータを用いて）既に開かれていて、両方のライナー６７６および６７８および材料を受け入れている。図２０（ｂ）では、（同一であってもよく、または異なっていてもよい）上方ライナー６７６および下方ライナー６７８は、矢印６６５で示すように、それぞれ、上方ベース６６２および下方ベース６６４内に挿入されている。次のステップ（図示せず）として、材料が下方ライナー６７８に加えられて、真空が（少なくとも上方ライナー６７６に）印加される。それに続いて、上方ベース６６２が下方ベース６６４に逆さに重なり、および矢印６８７で示すようにスライドラッチ６７０により、または、他の機構により、その位置（図２０（ｄ））でラッチされるまで、アクチュエータが、図２０（ｃ）に矢印６７７で示すように、上方ベース６６２をライナー６７６とともに回転させる。そして、２つのベース／ライナーは、矢印６８３の方向において、図２０（ｄ）に示す軸６８０の周りで、または、矢印６８５で示す軸６８２等の代替的なタンブリング軸の周りで（例えば、この場合、そのシャフトは、ヒンジ６６６の枢動軸と平行になるように、図示されている方向から９０度、回転させてもよい）、または、（例えば、図示されている軸と平行で、その軸からオフセットされている）別の軸の周りで、揺動／高速回転させることができる。揺さ振り等の他の動作も可能である。

材料が、ライナーの２つの表面内で転げ回る際に、それらの材料は、任意に方向を変えられて互いに、それらのライナー表面（この実施例では、加熱されると仮定する）に、および／または中の何らかの液体に接触し、それらを混ぜ合わせながら（例えば、鶏肉の切り身をソースでコーティングする）一様に加熱する。特に、液体を含む材料の場合は、２つの容器（すなわち、ベースとライナー）が回転している間に、２つのライナーの間で、材料の漏れがほとんどないか、または全くないことが好ましい。これらのライナーが、図２０（ｂ）のもの等のリム６８６を有してデザインされ、およびベースの表面が適切に（例えば、平坦に、または、対応する突出部と凹部を有して）デザインされ、およびライナーが、（例えば、アルミ箔、または、（例えば、合わせ面に、または、ライナー上の他のどこかに）弾性ポリマー（例えば、シリコーンゴム）等の低公害コーティングによって）滑らかでおよび／または柔らかくなっている場合には、いくつかの実施形態において、ラッチされた場合の２つのベースの締付け圧力は、漏れを防ぐのに十分である。締付け圧力のみに基づく、より良好なシーリングを得るために、下方ベース６６４に嵌合して、ライナーをベースの周りで湾曲させて局所圧力を高める突出部が上方ベース６６２にあってもよい。

他の実施形態では、（例えば、図１１に示すような）一方のライナーの他方のライナーに対する圧着は、ライナーを互いにシールするのに用いることができる（その図面で説明した蓋は、有効なライナーの一種である）。他の実施形態では、ヒートシールまたは感圧接着材料を、上方ライナーおよび下方ライナーの合わせ面で、シールを形成するのに用いてもよい。図２０（ｅ）は、ライナーの合わせ面上の、リング６８８の形態のシール材料（例えば、リム６８６）を用いたライナー６７８を示す。図２０（ｆ）の立体断面図において、上方ライナー６７６と下方ライナー６７８は、シールリング６８８が接触した状態で、上方ベース６６２と下方ベース６６４との間で一緒に押圧される。いくつかの実施形態においては、一方のライナーのみが、シールリング６８８を有しているが、他の実施形態では、図示されているように、両方のライナーがともにシールリングを有して（上方ベースおよび下方ベースの両方に対する同一のライナーの使用を容易にし、また場合により、漏れを減らして）いる。

シールリングが、箔上にコーティングすることができ、およびその場合、軟化してシールを形成することができる（例えば、Ｓｔｒｏｎｇｓｖｉｌｌｅ，ＯｈｉｏのＡｌｌ Ｆｏｉｌｓ社の）箔状ヒートシール等のヒートシール材料である場合には、所要の加熱を、いくつかの方法で実行することができる。いくつかの実施形態において、中で材料を料理するのに用いる場合のベースのそれ自体による加熱は、ライナーを互いにシールすることができる。このような実施形態では、漏れを避けるために、上記クラムシェルが閉じた後に、および回転が始まる前に、シーリングを可能にするのに十分な遅延を実施することができる。加熱は、それらのライナーを互いにすぐに密封するように適切にすることができ、およびヒートシール材料を劣化させるほど（例えば、十分に高い温度で）非常に強くなくてもよい。他の実施形態では、ベースは、シールをベースの通常の加熱と隔離するために（例えば、シールの近傍に薄い部分を備えて、および／または低熱伝導性材料を用いて）デザインすることができ（このことは、他の材料を追加できるように、シーリングが、クラムシェルの多数の開口の後の最後のステップになる場合に特に有用である）、および局所ヒータ６９０は、それらのライナーを一緒にシールするために特別に設けられている。図２０（ｆ）は、シールに隣接するトロイダル型抵抗ヒータの形態のこのようなヒータを示し、いくつかの実施形態で用いられる、ライナーの中心に近い熱源からシールエリアを隔離するのを補助することができるベースのマルチマテリアル構造（例えば、アルミニウムとスチールまたはセラミック）は図示されていない。感圧シール材料の場合、２つのライナーが接合される前に除去することができるコーティングがあってもよい。

いくつかの実施形態において、完全に閉じた空間を形成する、２つのライナーが付いた容器を、高温で圧力釜で調理するのに用いてもよく、このような場合、回転は必要なく、また、必要に応じて用いてもよい。圧力は、例えば、ライナーに組み込まれるフラップ状の（弾性変形形）自動閉鎖弁または加重バルブにより、または、従来の圧力調節器によって調節することができ、また、圧力は、ベース内に設けられた凹部またはホールへのライナーの張出しを測定することによって測定することができる。一旦、調理が完了すると、熱源を止めることが、圧力のゆっくりとした解放を可能にするが、一方、迅速な解放は、例えば、ライナーを貫通する（および理想的には、蒸気を無害な方法で消散させることができる箇所を介して蒸気を迂回させる）ことにより、シールされている箇所のライナーを剥離することにより、または、シールが全体的に、クラムシェル自体によってもたらされる圧力に基づいている場合には、制御された方法で、そのクラムシェルをゆっくりとわずかに開くことによって実施することができる。

しかし、多くの場合、完全にシールされた空間を有することは好ましくなく、蒸気の漏出等を可能にするためには、ある程度の通気が望ましく、すなわち、このことは、排出形状構成によって実行できる。いくつかの実施形態において、シールリング６８８（使用する場合）のギャップは、ベース内の溝またはベースを通る溝と連通する回転軸の近くのホール６９２（図２０（ｈ））のような小さな開口を形成することができる。いくつかの実施形態において、ノッチ６９４（図２０（ｇ）、図２０（ｈ））または切り欠きが付いた／エンボス加工された領域がライナー６４２に設けられ、また、いくつかの実施形態では、ベースは、より大きな開口を設けるために切込みを付けてもよい。上方ライナーおよび下方ライナーはともに、または、一方のみは、通気形状構成を有することができる。通気形状構成は、材料（または、少なくとも流動性のある材料）のレベルが、回転する容器のすべての方向に対して、その通気形状構成以下である場合に、材料が漏出しないように、回転軸の近くに配設することができるが、排気形状構成の厳密な位置決めは必要ない。通気形状構成を正しく位置決めするようにライナーを方向付けるのを補助するために、ライナー形状は、図示されているように、全体的に回転対称になっていなくてもよい。一つ以上の通気形状構成を設けることができる（例えば、回転軸の近くで直径方向に互いに対向する２つの形状構成）。

図２０（ｉ）は、材料が、その中で既に処理されている上方ライナー６７６および下方ライナー６７８を示す。ライナー６７６がライナー６７８に結合されたままの状態で、食物は、長期間、熱く（または、冷たく）保つことができ、また、いくつかのライナーは、断熱層を組み込んでもよく、または、断熱パッケージ内に配置してもよい。内容物を消費する準備ができていると仮定すると、両ライナーを分離することができる。図１１（ｅ）の場合のように圧着されている場合、または、単に一緒に押圧されている場合、このことは、消費者によって容易に行うことができる。同様に、シール材料が、剥離可能なようにデザインされている場合、それらのライナーは、剥離することによって分離することができる。いくつかの実施形態において、シールは、ローバストであり、および中の食物にアクセスするために、ライナー自体を裂く必要があるだろう。いくつかの実施形態において、薄い（例えば、箔状の）ライナーは、切断するか、または、破って開けることができるが、剥離ストリップまたは引きひもを用いてもよく、または、ライナーは、刻み目６９６に沿って（例えば、上方ライナーのほとんどを除去することができ、残留部分６９８のみが残るように円周方向に）容易に破るか、または、引き裂くことができるように、図２０（ｉ）に示すように、切り目を付けてもよい。すべてのライナーに、そのように切り目が付けられているか、または、剥離ストリップが備えられている場合には、一種類のみが、そのシステムに含まれる必要がある。

図２０（ａ）から図２０（ｄ）に示すもの等の装置を用いて、タンブリングしながら、いくつかの材料を調理し、さらなる材料を追加した後、調理およびタンブリングを再開することが好ましい可能性がある。このような事例では、上記クラムシェルを、少なくとも部分的に開いて、材料を追加できるようにすることができる。このことは、クラムシェルが開かれているときに、上方容器から何も落下または滴下しないように、任意の材料を上方容器から下方容器へ移動させるために、両容器（すなわち、ベースおよびライナー）を急速に減速させた後に行うことができる。このようなリスクを最小限にするために、上方容器および／またはそのライナーは、下方容器および／またはそのライナーよりも小さな内部（例えば、より小さな直径）を有することができ、その結果、以前の内側面を流下する（例えば、リムが凹状部分に接する縁部を横切る）液体は、その容器が小さな角度だけ（例えば、４５度）開かれた場合に、下方容器内へ落下しやすくなる。上方容器に（例えば、ライナー内に）組み込まれたリッジは、同様の効果を実現することができる。いくつかの実施形態において、「Ｄ」という文字に似た形状に形成され、または、少なくとも一つの直線状の側部を備えた他の形状を有するライナーを用いてもよく、および上方ライナーと下方ライナーは、上記ヒンジの近傍で、その直線状側部に沿って接続することができる。上方ライナーが持ち上げられた場合、落下する材料／滴下する材料は、それらのライナーが汚れを引き起こす可能性がある他のどこかではなく、それらのライナーが接続されている領域上に落ち易くなる。

第２のシステム
いくつかの実施形態において、上記食品調理システムは、（例えば、一つ以上の材料をノズルから押出すことによって層ごとに）材料が載せられて食品が構成される３Ｄプリンティング（付加製造）アプローチを用いて、食品製品を製造する能力を備えている。（例えば、ケーキデコレーション、ピザ用ソースの塗布のための）平坦な、または、湾曲した表面への２Ｄプリンティングも可能である。例えば、図１９の第１の輸送部等の多軸輸送部と、（パウチの装填および積み降ろしを含んで）パウチを支持および操作することができるプリントヘッドと、適当なノズルを備えたパウチとを仮定すると、そのシステムは、食品製品の３Ｄプリンティングを全体として実行し、３Ｄプリンティング法を用いて食品製品の一部を製造し、および／または通常は、従来の方法によって実行されるいくつかの食品調理プロセス（例えば、人の労働が必要なもの）を容易にすることができる。しかし、以下の図２５に関連する実施形態の詳細は、３Ｄプリンティングを対象とするシステムに必ずしも限定されず、また、自動化された食品調理に、より広く適用することができる。

本願明細書に記載されている方法および装置を用いて３Ｄプリントできるであろう食品製品の実例は、（例えば、Ｌａｒａｂａｒ（Ｓｍａｌｌ Ｐｌａｎｅｔ Ｆｏｏｄｓ，Ｍｉｎｎｅａｐｏｌｉｓ，Ｍｉｎｎｅｓｏｔａ）と同様の）エネルギーバーであり、パーソナライゼーションを実行できるように、バーのサイズ、バーの材料およびバーの材料比のバリエーションがある。しかし、関係する製造原理は、幅広い食品製品に適用可能である。

本願明細書に記載されている方法および装置は、液体／固形物／ペーストならびにいくつかの固体材料の３Ｄプリンティングを可能にする。このことは、可能な食品製品の範囲を拡大し、本来の状態により近い状態での材料の使用を可能にし、さまざまな食感等を提供する。さらに、固形材料は、かなり細かく分割されている場合でも、構造的役割を実行して、印刷された食物の取扱い強度を増加させ、印刷中の押出成形物の崩れを減らし（コンクリートが、流動性の有る段階（セメントと水）と、固体の段階（骨材）とを含むのとかなり似ている）、それ自体が容易に印刷可能ではない低粘性のペースト、液体およびゲルの使用を可能にする。また、固形材料の使用は、より魅力的で多様な食感も可能にする。しかし、固形物の追加は、ノズルの詰まりというリスクを増大させるため、信頼性の高いシステムを実施する場合、ノズルを詰まらせない能力が特に重要になる。

エネルギーバーの場合、材料は、通常、甘味料および結合剤としてのデーツを含む。デーツベースのペーストは、従来の食品プロセスを用いて、デーツを水と、または水なしで処理することによって製造することができ、他の材料（例えば、プロテインパウダー、ココナッツ粉、粉状ナッツ）は、同様に混合することができる。それ自体に粘性が有り、または、固形材料とともに混練した場合に、崩れに抗するのに十分な粘性または揺変性になるペーストを配合することが可能であり、崩れは、製造された製品に不正確さを生じさせるため、好ましくない。ノズルの詰まりや汚れに伴う問題は、新たなパウチがプリントヘッドに装填されたときはいつでも交換される内蔵ノズルを備えたパウチを用いて、および自動化されたノズル詰まりの解消（例えば、詰まりは力感知によって検出され、および詰まりの解消は、ノズルの変形によって実現される）とによって対処することができる。

正確で制御された材料吐出に伴う従来技術の問題は、閉ループであり、および質量測定に基づいていてもよい、蠕動的な材料ポンピング／計測アプローチの利用によって、例えば、パウチとその内容物および／または印刷プロセス中に形成される食品製品の計量によって対処することができる。材料の取扱い、包装および保管は、材料をパウチ内にパッケージングすることによって対処することができ、そのことには、取扱い、輸送、保管、および食品および包装廃棄物を最小限にすることの容易さにおいて多くの利点がある。プリンタの清潔さ、食品の安全性および相互汚染は、材料パッケージとしての密封されたパウチの利用だけではなく、材料の計量時および吐出装置としてのパウチの利用によって対処することができる。説明されるように、材料は、より長く、新鮮に保つことができ、また、食物とプリンタの実質的にすべての接触は回避することができる（例えば、食物は、使い捨ての材料のみに接触する）。

システムの信頼性に関する問題の大部分は、食物とプリンタの接触を最小限にすることが、プリントヘッドのノズルの汚れ／汚染／クラスト形成（ｃｒｕｓｔｉｎｇ）を低減するため、単に食物とプリンタの接触を最小限にすることによって対処することができる。くわえて、詰まりからの回復等は、信頼性を著しく高めることができる。

２Ｄ／３Ｄプリンティングに適している伸長可能なノズルを備えたパウチが図３に図示されている。図２１は、流動性を有する材料、例えば、液体またはペースト（例えば、フルーツペースト、野菜ベースのペースト（例えば、ポレンタ）、ピューレ、ゲル、生地、魚や肉のペースト）を押出すようにデザインされたさまざまな材料ノズルを有するパウチ７００の立体図を示す。パウチ７００は、他の要素とともに、液体／ペースト押出器プリントヘッドとして作用する。パウチ７００は、本願明細書に記載されている他のシステムに用いてもよく、また、いくつかの実施形態では、他のパウチを、この第２のシステムに用いてもよい。パウチ７００は、図示されているように、その底部を漏斗状７０２に先細にして、（必ずしも必要ではないが）パウチ全体の幅よりも概して細長くなっているノズル７０４を形成してもよい。いくつかの実施形態において、漏斗７０２の下には、ノズルの一定の幅の領域が有り、すなわち、このことは、それでもなお、同じ幅のノズルを形成している、あまり精密ではないカッティングを可能にし、また、そのパウチの再密封および再切断も可能にしている。（漏斗７０２の縁部を含む）パウチの側部に沿った永続的な／強力なシール７０６は、内部の漏斗形状を画定し、パウチ７００の外部形状は、図示されているように、必ずしも先細になっている必要はない（例えば、外部形状は、矩形状にすることができる）。いくつかの実施形態において、パウチ７００の底部には、永続的シール７０８があり（いくつかの実施形態では、これは、一時的な（例えば、剥離可能な）シールとすることができる）、これは、シールの上の切断線７１０に沿ってカッティングすることによって切り離すことができる。切断線７１０の上には、ジッパー（例えば、（ＩＴＷ ＭａｘｉＧｒｉｐ社の）「ＺＩＰＬＯＣ」タイプのジッパー）、弱いヒートシールまたは超音波シール、剥離可能なシール、外部加熱または外部放射により、パウチを介して押し潰すことによって、弱める／破断することができるシール等とすることができる一時的なシール７１２がある。一時的なシール７１２の目的は、パウチの材料が、切断線７１０の領域に達すること、および潜在的にカッターを汚染することを避けることである。ジッパーまたは剥離可能なシールを使用する場合、（例えば、材料を放出するのに用いられるローラによって）パウチ７００を押圧することによって、シール７１２を開封することができ（例えば、通常の使用時）、それに対して、外部の力によって、弱められ／破断されるシール等の場合、このことは、パウチの使用準備をするために行うことができる。シール７１２とシール７０８との間の空間は、材料がノズルに入る際に、その材料中に空気が導入されないように排気することができる。

いくつかの実施形態において、パウチは、材料が切断線７１０から離れて移動して、一時的なシール７１２が必要ないように、逆さにして、または、他の向きで保管される。あるいは、その内容物に十分な粘性がある場合には、カッティングの前に、材料を切断線７１０から押しやるように、（例えば、上方へ移動するローラを用いて）外部から圧力を印加することができる。

パウチの上部には、システムの保管エリア内のパウチハンガーからおよび／またはプリントヘッドからパウチを吊るすための、いくつかの実施形態において用いられる穴がある。それらの穴は、図示されているように、パウチの補強領域７１５にあってもよい。いくつかの実施形態において、パウチが、ハンガーから、およびプリントヘッド内で吊り下げられる場合には、図示されているように、穴の２つのセット（例えば、プリントヘッドピンを受け入れるための外側穴７１４と、ハンガーピンを受け入れるための内側穴７１６）が設けられ、このことは、両方のピンのセットが、パウチを同時に支持できるようにし、移送動作中に、ピンが互いに干渉することなく、パウチをハンガーからプリントヘッドに容易に装填できるように、または、パウチをプリントヘッドからハンガーへ降ろすことができるようになっている。

図２２（ａ）から図２２（ｄ）は、プリントヘッド７１８に装填されたときに、パウチ７００から材料を所要量供給し、およびノズル７０４を安定化させるための装置と、（質量流量、残っている量等を判断するために）パウチ７００の重量を測定するための装置とを備えるプリントヘッド７１８の立体図を示す。プリントヘッド７１８は、いくつかの実施形態において、上記第２のシステム以外のシステムとともに使用でき、およびプリンティングが必要ない場合、同じように移動されなくてもよいフレキシブルパッケージ用のある種のディスペンサである。図２２（ａ）には、プリントヘッドのさまざまな構成要素が図示されている。パウチ７００は、パウチが空になったときに、そのパウチを解放するために、およびローラ７２４が通れるように、（例えば、面取り端部または放射状端部によって）引っ込めることができるピン７２２によって、プレート７２０から吊り下げられている。また、パウチ７００は、そのプレートに配管された真空によってプレート７２０に押し付けることもできる。ヒンジ７２９を有する（例えば、蝶着された）取外し可能なノズルケーシング７２６（図２２（ｂ）、図２２（ｃ）に詳細に示されている）は、プレート７２０とともに、パウチノズル７０４を包囲して、そのノズルが印刷中に過剰に動くのを阻止し、明確に画定された形状をノズル７０４に与え、およびその最大開口サイズを決定し（そのケーシング内の凹部７２８がこれを画定する）、およびパウチ７００が開封されている間、そのパウチを安定化させる。いくつかの実施形態において、ケーシング７２６は、ケーシング７２６が、パウチ７００の底部の周りを閉じる際に、パウチ７００をライン７１０に沿って開封する鋭いブレードを含む。

いくつかの実施形態において、ケーシング７２６は、凹部７２８の断面積を拡大または縮小させることによって、ノズル７０４の詰まりを解消するように作用することもできる（図２２（ｃ））。このことは、ケーシング７２６が、少なくとも部分的に弾性的であることを必要とし、およびアクチュエータを必要とする可能性がある。ノズル７０４は、押し潰すのが容易ではない硬質の粒子によって詰まらされ、ケーシングの凹部７２８は、その粒子が通過できるようにするために、（例えば、ノズル７０４が、ゴミ箱の上にある間に）拡大することができる。ノズル７０４が、押し潰し可能な粒子によって詰まった場合、凹部７２８は、その粒子を押し潰すように収縮して、粒子がノズルの通常の断面エリアを通過できるようにすることができる。この能力は、滲み出ているノズルの場合に、（例えば、別のプリントヘッドが材料を配置している間に）フローを遮断するのにも利用することができる。ノズル７０４の形状は、パウチの壁部を凹部７２８およびプレート７２０に押し付けている、押し出された材料の圧力によって確立することができ、または、凹部７２８および／またはプレート７２０は、パウチの壁部を当てて引張る真空ポート／真空流路を含んでもよい。凹部７２８は、異なる形状（例えば、矩形状、円形）および幅から成っていてもよく、円形の凹部は、例えば、半円形のキャビティを各側部に備えた二部材のケーシング（または、成形プレート）を必要とし、また、円形ノズル形状は、全方向プリンティングに用いることができる。ノズル７０４の下方縁部は、ケーシング７２６の底部の下に延在してもよいため、ケーシングは材料に接触しない。いくつかの実施形態において、パウチのノズル領域は、その剛性を高めるために、（例えば、より厚い材料にそれを張り付けることによって）より厚く形成してもよく、そのことは、その位置を安定化させるのを、およびカッティングするのを支援することができる。

回転軸受７２５上に支持されたローラ７２４（例えば、硬質ゴム）がプリントヘッド７１８上に設けられているが、いくつかの実施形態では、スキージーまたは他の要素を代わりに用いてもよい。ローラ７２４は、そのローラのいずれかの端部の近くのライナーの軸受およびロッドが、その動作をガイドする状態で、パウチ７００が上部から低部へ通過するように（ローラ７２４とプレート７２０の間でパウチを押し潰している間に、ノズル７０４を介して材料を押し出している場合）、または、（例えば、（交換のために）パウチ７００をプリントヘッドから解放できるようにするために）底部から上部へ通過するように、２つのロッド７３０に沿って動くことができる。その動作は、いくつかの実施形態では、モータと、ローラ７２４を回転させる実行可能な歯車機構７３４とを含んで、パウチ７００に対して転がす図示されている装置によって実現することができる。いくつかの実施形態では、特に、ローラが、（場合により、湿っている）パウチ表面で滑動する場合、または、より大きな力またはより高い解像度の動作を実現するために、動作は、ロッドを能動的に移動させることによって（例えば、ロッド７３０を、モータによって回転される送りねじと置換え、およびロッドとともに移動するナットを設ける）実現することができる。このような実施形態では、ローラ７２４は、移動するにつれて受動的に転動する。また、ローラ７２４は、ラックアンドピニオン機構等の利用によって、強制的に回転させることもできる。ローラ７２４は、進む間にローラに印加される力を測定できるようになっている歪みゲージを介して、モーションシステムに結合することもでき、これは、非接触アプローチとして、パウチ７００内の圧力を測定するのに利用することができる（例えば、シール７１２が破断されていることを確認する、詰まりが、可能性のあるパウチの破裂をもたらす前に、その詰まりを検出する）。いくつかの実施形態において、パウチの内部圧力は、プレート７２０等の表面に（例えば、円形の、円滑な縁部を有する、パウチの下方縁部／ノズル端部近くに）、パウチ７００がそこを通って脱出することができ、およびパウチが突出している距離を測定することができる開口を設けることによっても、測定することができる。

図示されているように、プレート７２０は、フレーム７３８内で垂直方向に動くことを可能にする薄い湾曲部７３６から吊り下げられている。整定時間を縮小する必要がある場合、（例えば、ダッシュポットを用いて）粘性減衰を実行することができる。湾曲部７３６は、いくつかの実施形態で用いられる重量測定システムの要素として作用し、その要素は、プレート７２０およびローラ７２４等の構成要素の要素とともに、パウチ７００の重量およびその内容物を測定できるようになっている。パウチの内容物以外の、そのような要素のすべての重量は、測定した重量から減算して、パウチ内容物の重量のリアルタイム非接触測定を可能にすることができる。このような測定は、残っている材料の量を測定するのに有用であり、また、閉ループマスフロー制御システムの一部としても有用である。パウチ７００の断面積は、材料が入っている場合、上部から底部に向かって変化する可能性があるため、ノズル７０４からの質量流量は、（位置とともに非常に滑らかに変化するであろうが）ローラ位置に伴って直線状ではない可能性がある。いくつかの実施形態において、この効果は、繰り返し可能であれば補正することができ、およびパウチ７００からの開ループ押出しが適している可能性がある。しかし、いくつかの実施形態においては、マスフローの閉ループ制御が都合が良い。閉ループ系では、パウチの実際の質量損失は、定期的に（例えば、層ごとに一度）測定することができ、また、データの何らかの所要のフィルタリング（例えば、平均化）を実行した後、次の層のための材料を所要量供給するのに使用されるローラ７２４の移動を調節することができる。

フレーム７３８に対するプレート７２０の位置は、パウチの内容物の重量とともに変化する。この位置は、図（例えば、図２２（ｄ））に示すリニアエンコーダ７４０によって測定することができ、そのスケール７４２はフレーム７３８に取付けることができ、およびその読取ヘッド７４４は、プレート７２０に取付けることができる。パウチ７００が空になるにつれて、その減少した重量は、そのパウチがフレーム７３８に対して上昇することを可能にする。重量に対する変位が測定され／較正された後、エンコーダ７４０の読取値は、プリントヘッド／パウチアセンブリの重量として解釈することができる。押出し中に正確な重量を得るのは困難である可能性があるため、測定は、押出しが停止している間に実行することができる。

Ｘ／Ｙ（水平方向）平面内でプリントヘッド７１８を位置決めするように動き、およびいくつかの実施形態では、Ｚ方向の位置決めも実行するキャリッジ７４６が設けられている。単一のキャリッジは、例えば、連続して配列された、または、３つ以上の辺を有する多角形の辺上に配列された（フレーム、プレート等を含む）複数のプリントヘッドを支持して、材料間の迅速な切り替えを可能にしている。すべてが同じガントリーによって移動され、およびより大きな嵩の食物を製造するように並行して作業する複数のキャリッジも可能である。フレーム７３８が、レール７４８またはロッドに載っている２つのリニア軸受７３２を介してキャリッジ７４６に取付けられて、キャリッジ７４６の上部のリニアアクチュエータ７５０が、フレーム７３８と、取付けられた構成要素とから成るアセンブリが垂直方向に移動できるようになっている。この調節は、パウチの重量に関係なく、（エンコーダの読取値に基づいて）ノズルと印刷した層との間のギャップを一定に保つために、動的に行うことができる。また、プリントヘッドが使用されておらず、（例えば、別のプリントヘッドが機能することを可能にするために）印刷された食品製品の上に留まっている場合、そのプリントヘッドは、アクチュエータ７５０を用いて、そのフレーム上を短い距離だけ上昇させることができるため、そのノズルは、印刷された層に接触せず、そのことが、材料の相互汚染、ノズルの汚れ、製品ダメージ等を引き起こす可能性があるであろう。いくつかの実施形態において、プリントヘッドのリニアアクチュエータは、プラットフォームを上げ下げするステージの必要性を取り除くことができるが、他の実施形態では、アクチュエータは、短い距離にわたる（例えば、材料を切り替えるときに、プリントヘッドを上げ下げする）迅速な動作に対して最適化され、また、プラットフォームステージは、（高い食品製品を印刷する）範囲に対して最適化され、その動作を遅くすることができる。

図２３（ａ）は、パウチからの押出しを利用して３Ｄプリンティングするシステム、または、食品調理のために少なくとも部分的に３Ｄプリンティングを利用することができるシステムの立体図を示す。図においては、プリントヘッド７１８、パウチ７００、キャリッジ７４６を移動させることが可能な、Ｘ軸７５２およびＹ軸７５４を有するＸ／Ｙガントリー、食品製品をその上で印刷することができる（例えば、構成面を固定し、および（例えば、垂直方向の動きを可能にする）従来のモーションステージ（図示せず）上で垂直方向に移動可能な真空部／真空流路が備えられている）プラットフォーム７５６、プラットフォーム７５６上に配置することができる（別法として、ロールから所要量供給して切断することができる）構成面のスタック７５８、フレーム７５５、および（例えば、パウチ穴７１６に挿入されたピン７６４を用いて）使用されていないときのパウチ７６２等のパウチを支持する、保管エリア内のパウチハンガー７６０（５つが図示されている）のセット等のシステムのさまざまな要素が識別されている。図示されていない他の要素は、そのシステムによって実施されるすべての操作およびプロセスを制御する従来の制御部（例えば、マイクロコントローラ、ＰＬＣ）と、冷蔵構成要素と、電源部等を含む。ハンガー７６０は、プリントヘッド７１８が、吊るされているパウチ間の空間に入ったときに、そのプリントヘッドのロッド／送りねじ間に嵌合することによって、ハンガー７６０がパウチにアクセスできるようにするために、図２３（ｂ）のように形成することができる。いくつかの実施形態において、プリントヘッド７１８は、パウチハンガー７６０が、例えば、圧縮ばねによって離間されたロッド上で支持されている場合、密集しているパウチ間に、それ自体が割り込むことができる。このことは、例えば、アクセスされるパウチのいずれかの側部でばねを圧縮している間に、プリントヘッド７１８上の（例えば、先細の）形状構成が、パウチから離れて割り込んで、パウチ７６２等のパウチにアクセスすることを可能にする。いくつかの実施形態において、ハンガー７６０には、真空が作用している間に、パウチがピン７６４から外れることがないように、真空部／真空流路が設けられ、また、代替的なピン形状も、この問題の防止を補助することができる。パウチは、手でハンガーに、または自動的に装填することができる。特に、手で装填する場合、プリントヘッド、キャリッジ等は、（パウチにはタグまたはコードが備えられていると仮定して）所要のパウチを認識するために、ＮＦＣまたはＲＦＩＤタグ、バーコード等のリーダーを含んでもよい。

ガントリーは、複数の機能を有することができる。すなわち、ガントリーは、プリンティングする際に、プラットフォームの上のＸ／Ｙ面内の取付け済みのプリントヘッドとともにキャリッジを移動させることができ、プリントヘッドを保管エリアまで移動させて、パウチを装填し、または降ろすことができ、ゴミ箱まで移動して、空のパウチを処分することができ、およびプリントヘッド上またはプリントヘッド近傍の標準的な真空ピックアップまたは他の把持部（図示せず）を用いて、構成面（例えば、ケーキシート等のコーティングされた厚紙シート）を、真空が備えられたプラットフォーム７５６まで移送することができる。また、ガントリーは、印刷された食品製品を配達するときに、構成面を、その上の食品製品とともに、機械の前方に向かって移送することもできる。図２３（ａ）には、ゴミ箱（例えば、単純なボックス）、および電源、真空ポンプ等の標準的な内部構成要素は図示されていない。

動作中、制御部の指示の下で、ケーシング７２６は開くことができ、およびローラ７２４は、（ピン７２２が引っ込められた後に）上昇して、パウチの装填を可能にすることができ、また、ガントリーは、プリントヘッド７１８が、一つのハンガーから吊り下げられた、選択されたパウチを圧迫するように、キャリッジ７４６を保管エリアの上方に向かって移動させることができ、このとき、プレートのざぐり穴（図示せず）が、ハンガーのピンのための間隙を形成し、および（プレートのピンが引っ込められていないと仮定して）ハンガーのざぐり穴７６６が、プレートのピンのための間隙を形成するため、ハンガー上のピン７６４（図２３（ｂ））と、プレート上のピン７２２はともに、対応するパウチの穴に挿入することができる。真空がハンガーへ供給されると、この動作を停止させることができるとともに、プリントヘッドプレートへの真空を作用させることができる。そして、ガントリーがハンガーから引き離されると、そのガントリーは、それとともに１つのパウチを引き連れてくることができる。最後に、このときプリントヘッドが保管エリアから離れている状態で、ケーシング７２６は、パウチ７００の下方部分の周りを閉じて、パウチ装填プロセスを完了することができる。その後、ガントリーは、従来のナイフブレード等のカッター（図示せず）が、切断線７１０に沿ってパウチを開封する位置までプリントヘッド７１８を移動させることができ、すなわち、パウチ７００は、ガントリーによって移動されるため、そのカッターは、（例えば、直線状および直角、直線状および角度が付いた「Ｖ」字状、鋸歯状の）静止したブレードとすることができ、複数のブレードを備えることができ、および（例えば、ハサミのように）せん断等によってカットすることができる。そのカッターは、ゴミ箱の近くに配設してもよく（別法として、切断片は、真空等によって引っ込めてもよい）、または、いくつかの実施形態では、プリントヘッドと一体化することができる。いくつかの実施形態において、パウチ７００は、一部のみがカットされて、そのカットされた部分が付着したままの状態にすることを可能にしており、すなわち、ケーシング７２６は、カットされた部分を、邪魔にならない箇所で保持するようにデザインすることができる。カットの高さにより、ノズル幅を変えることができる。その場合、ガントリーは、構成面のスタック７５８へ移動して、真空ピックアップで表面を取って、それをプラットフォーム７５６へ移送し、そのプラットフォームが真空を利用してそれを保持する。そして、ローラ７２４は、ガントリーがＸおよび／またはＹ内にプリントヘッドを移動させている間に、パウチ７００から材料を押出すために降下することができる。３Ｄ印刷された食品製品が層状に構成されていると仮定すると、そのプラットフォームは、下げることができ（または、プリントヘッドは、アクチュエータ７５０によって上昇される）、およびプリントヘッドは、追加的な層を配置するために、押出しおよび移動を継続することができる。

各押出し物（その断面形状は、エネルギーバーの場合、ガントリーのＸ／Ｙ（および場合により、Ｚ）動作ではなく、バーの層ごとに一つの単軸動作のみを必要とする、層の全幅とすることができる）のプリンティングの終了時には、ローラ７２４を単純に停止させることができる。しかし、材料の滲みがかなりの程度まで起きる場合には、ローラ７２４を逆方向にして上昇させることができる。そして、パウチ７００が自然に勢い良く開く場合、または、そうするように誘導することができる場合、例えば、パウチは、（例えば、垂直方向に位置合わせされて）その壁部に埋め込まれたまたは取付けられた一つ以上のプラスチックまたは金属のばねストリップを有することができ、または、（真空用に配管することができる、または、接着材料で被覆することができる）ローラによって、または、上記システムにおける下方の外部圧力により、または、パウチの側部に取付けられた真空「シューズ」またはカップまたは接着パッドによって、または、（パウチが十分に堅い場合）パウチの縁部を内側に押し進めること等によって、引張って開けられ、内部のパウチ圧力の低下は、滲みを止めるのに利用することができる。用いることのできる別の方法は、パウチが（例えば、プレート内の穴を介して）通常、押出しているときにはそこから排除される空間内へ脱出／突出することを可能にすることであり、そのことは、ここでもまた、内部圧力を低下させることができる。ノズル７０４が不定期のクリーニングを必要とすることが確定している場合、ノズルワイピングステーション（図示されていないが、例えば、交換可能な吸収性パッドから成る）を含めてもよい。いくつかの実施形態において、材料は、配置される際、または、その後すぐに、加熱面、熱いエアジェット、およびレーザを含むＩＲ源を含む伝導熱伝達、対流熱伝達または放射熱伝達を利用して、熱硬化させ、安定化させおよび／または調理することができる。

また、プリンタ内の他のプリントヘッドも、同じ層上に、または、異なる層に、他の材料を配置するのに用いることができる。エネルギーバーは、加工デーツまたはデーツ混合および粒状材料（例えば、ナッツ）等の（例えば、層ごとに一つの）２つ以上の材料を含む可能性がある。エネルギーバー（および多くの他の食品製品）は、製品を上部から底部へ横に切断する食い付き動作を用いて食べられるため、バーは、材料の割合を変えるために、１つの層内に複数の材料を有する必要はない。より適切に言えば、各材料の種類に対して、単一材料層の数を変えることができる「製品内混合」を利用することができる。層間の割合は、変えることができる（例えば、１：１、１：３）。その効果は、オレオクッキーに食い付くのと同様であり、独立しているが、近接して離間されている材料は、口の中で容易に分解されないため、中身と外側のウエハースの味が混じったものとなる。顆粒を外側の層に配置すると、サンドイッチ状の構造を取り扱う場合に、潜在的な粘性を低減することができる。また、いくつかの実施形態では、乾燥も、印刷した製品の外側面を部分的に乾燥させるのに利用することができる。

一旦、パウチが、（少なくとも当分の間）プリンティングに対して必要なくなると、そのパウチをプリントヘッド７１８から降ろすことができる。このことは、ローラ７２４がパウチ７００の上部を外すまでローラを上昇させて、ケーシング７２６を開き、キャリッジ７４６を保管エリアまで移動させて、パウチ７００をハンガー７６０に戻すことよって実現することができる。パウチの内容物を新鮮に保つために、いくつかの実施形態では、パウチを挟んで閉じるための外部クリップを適用してもよく、または、パウチは、再密封可能なシールを、その底部に、または、底部近傍に有してもよい。パウチが完全に空になっている場合、パウチ７００がゴミ箱に落下するように、ローラ７２４がパウチの上部を外すまでローラを上昇させ、ケーシング７２６を開き、キャリッジ７４６をゴミ箱の上まで移動させてピン７２２を引っ込めることによって、パウチを処分することができる。一旦、食品製品７６８が印刷されると、プラットフォームの真空を遮断することができ、および印刷した製品がその上に載っている構成面を、真空ピックアップで掴んで、ガントリーによって（システムの前方における）配達エリアまで移動させることができる。

溶けた材料（例えば、チョコレートやチーズ）は、印刷するのに有用である可能性があり、また、粒状の固形材料の高度に局在化したディスペンシングは、エネルギーバー等のさまざまな３Ｄ印刷した食品製品にとって興味深いものである。非粘着性の粒状の固形物を所要量供給するプリントヘッドは、例えば、刻んだナッツやチョコレートチップ等の材料を吐出することができる。顆粒のディスペンシングへのアプローチは、１）振動篩いと（篩いは、図２（ｂ）の場合のように、パウチに組み込んでもよく、または、パウチの外部にあってもよい。すなわち、適切な範囲の周波数および／または振幅にわたって顆粒を振動させることにより、質量流量を制御することができる。このようなアプローチは、より小さな顆粒／粉末に最も適している可能性がある。）、２）使用時点での細分化と（パウチの外部の機構を、必要に応じて、より大きな顆粒を、より小さな顆粒に細分化し（切り刻み）、細分化したものを所要量供給できるようにしながら、任意の顆粒全体を保持し、それによって、計測機能を働かせるのに利用することができる。ペッパーミルは、このアプローチの実例である。質量流量は、機構の速度等を調整することによって制御することができる。）、３）振動／回転フィーダーとを含み、パウチの外部の機構が、顆粒を受け入れるようなサイズに形成された穴を有する回転ドラム、または、オフセット穴を有するブロック内で振動するプレートを用いて、（場合により、一定のサイズを確保するために予め篩にかけられた）いくつかの顆粒を一度に送給することができる。その場合、ドラムの速度またはプレートの周波数は、質量流量を調節することができる。後の２つのアプローチの場合、パウチは、主にホッパーとして作用し、その底縁部が開封されて、顆粒をその機構へ送り出す。これらのアプローチは、材料とシステムとの接触を必要とするが、乾燥した固形の顆粒の汚染は最小限であり、およびその機構は、材料を切り替える場合に、容易に洗浄することができる（または、各材料は、それ自体専用のプリントヘッドを有することができる）。いくつかの実施形態においては、顆粒がペースト層上に所要量供給された後、その層は、顆粒をペーストに押し込んで、材料を定位置で有効に混合するために、（例えば、ワックスペーパー等の使い捨てシートで被覆してもよいプレートまたはローラを用いて）圧縮される。その使い捨てシートは、食品製品が完成した後、それを保護するために、所定の位置に残してもよい。このアプローチは、中程度の顆粒：ペーストの比率をもたらす。いくつかの実施形態において、ペーストは、顆粒をコーティングするために、顆粒とともに予め混合して、高い顆粒：ペーストの比率を実現することができる。

いくつかの実施形態において、個々の独立したパウチを採用する（説明した第１および第２のシステムを含む）システムまたは実施態様の場合、パウチのカッティングは、正面（図２４（ａ））および側面（図２４（ｂ））からパウチを描いた図２４（ａ）、図２４（ｂ）に図示されているように、少なくとも一つの一時的なシールを用いることによって、回避することができる。パウチ７７１の底部における（または、底部、および部分的に側部における）剥離可能なシール７７０は、パウチを構成するフィルムを接合している。いくつかの実施形態において、剥離可能なシール７７０は、例えば、把持機構を、パウチ内の材料に対して露出させないような方法で、そのシールの下に延在している下方縁部／フラップ７７２を機械的に掴んで引き離すことにより、または、フラップに真空を印加して、それらのフラップを分離することによって開封することができる。パウチの側部の剥離不可能なまたは剥離可能なシール７２４も図示されており、シール７２４が剥離可能な場合、パウチの側部も、（例えば、図２７の剥離ローラまたはブレードの周りを通りながら）かなりの程度まで引き離すこともできる。上縁部７２６は、剥離不可能なまたは剥離可能なシールを有してもよく、パウチ７７１が、連続的なチェーンまたはウェブの一部である場合、上縁部７２６用のシールは、例えば、剥離可能に形成してもよい。

第３のシステム
本願明細書に記載されている方法および装置に基づくさまざまな「自動販売機」（例えば、マルチカスタマー、マルチミール（ｍｕｌｔｉｐｌｅ ｍｅａｌ）の典型的には一般大衆がアクセス可能な機械）が可能である。いくつかの実施形態においては、例えば、チキンカチャトーラ（ｃｈｉｃｋｅｎ ｃａｃｃｉａｔｏｒｅ）を麺に載せた食べ物を調理する、制御部（例えば、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックコントローラ（ＰＬＣ））を有する自動販売機は、次のステップ（いくつかの材料が冷蔵状態で保管されていると仮定するが、そうでない場合には、変性している可能性がある）に従って機能することができる。すべてのステップは、レシピ、センサ入力等を含んでもよいさまざまなアルゴリズムを実施する格納されたプログラムに基づいて、制御部によって命令される。１）スライスした鶏むね肉が十分に、またはほとんど調理（例えば、低温調理、真空調理）された後、冷凍される。それらは、事前に調理されて冷凍された麺のパウチとともに、その機械内の冷凍庫のコンパートメント（例えば、冷凍室、または、冷凍温度以下のソルトバス）内に置かれる。２）必要に応じて、チキンパウチが、冷凍セクションから引き出されて、電子レンジ／ＲＦオーブン等を利用する冷水浸漬によって解凍される。３）解凍された鶏肉片は、パウチから、ライナー（このライナーは、鶏肉が何かの油でパックされていない場合は、油でコーティングされていなくてもよい）が既に付加されているベースを備える下方容器内へ所要量供給され、その後、比較的高温の温度設定を用いて焦げ目をつけられる。４）調理済みの、十分にまたはほとんど調理されたソース（およびいくつかの実施形態では、野菜）を有するパウチは、その内容物を容器内へ導入し、その後、熱が下げられる。すなわち、スパイスや塩等の追加的な材料を添加することもできる。５）上方ベースおよび上方ライナーを備える上方容器が、下方容器に押し当てて置かれ、その後、それら２つは、図２０（ｄ）のように揺動されて、ソースと鶏肉が混ぜ合わされ、それら２つが一緒に部分的に調理することを可能にしている。ステップ１からステップ５が行われている間、麺のパウチを解凍して加熱することができる。６）タンブリングが止められ、およびいくつかの実施形態では、内容物を上方ライナーから下方ライナーへ追いやるために、それらの容器が急速に加速され、その後、上方容器が開かれる。７）麺のパウチが、このとき開かれ、中身が鶏肉およびソースの上部に移される。そして、上方容器は、再び下方容器と合わされる。８）いくつかの実施形態では、これらの容器は、速やかに１８０度回転するため、麺は、この時点で底部にある。９）いくつかの実施形態において、上方ライナーおよび下方ライナーは、互いに密封するように接合される。例えば、図２０（ｆ）のように、上方ライナーと下方ライナーを一緒に密封するために、それらのライナーの縁部の近くのヒータを作動させることができ、または、それらは圧着してもよい。１０）これらのベースが分離され、およびライナーが容器から取り外されて、顧客へ配達される。自動販売機は、（鶏肉だけではなく）さまざまな肉や魚、ならびにさまざまなソースやでんぷん類（例えば、米、キヌア、パスタ）を貯蔵することができ、それらはすべて、フレキシブルパッケージに包装され、および大量の食べ物の配列を迅速に製造することが可能である。

第４のシステム
食事の一般的な体裁は、トルティーヤはないが、ブリトーに典型的な材料のすべてが入っているブリトーボウル、寿司と同様の材料を有するポキボウル、さまざまな野菜および／または肉や魚が、調理されたキヌアの上に盛り付けられているキヌアボウル、パスタ料理、サラダ、穀類、または、フルーツやナッツを加えたヨーグルト等のボウルという体裁（すなわち、食物は、ボウルに供されて顧客に引き渡される）である。本願明細書に記載されている方法および装置プロセスのいくつかの実施形態に従って、本願明細書においては、「ボウルロボット（ｂｏｗｌｂｏｔ）」と呼ぶが、プレート等のボウル以外の皿とともに作動することができる機械は、選択された複数の材料をボウルまたは他のレセプタクルに所要量供給することにより、大量の顧客に対して種々の特注の食べ物を調理することができる。このようなミールアセンブリプロセスの一部として、いくつかの材料を、引き渡し前に加熱してもよい。図示されているシステムは、材料を調理する能力、または、材料を別様に加工する能力が不足している可能性があるが、図２０のもののような容器、図１６のもののようなツール、または他の装置は一体化して、より高い能力のシステムを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、このボウルロボットには、連なった「パウチチェーン」の形態で材料が与えられ、すなわち、互いに端と端をつないで、または等価的に付着されている複数のパウチは、既に、選択された位置でまとめて密封されている、適切な包装材料から成る２つ以上の連続ストリップの間に形成された個別の区画を備えている。パウチチェーンは、多数のパウチからの材料の続けざまのディスペンシングを可能にし、および個々のパウチの場合と同様に、パウチチェーン内の材料は、汚染されずかつ新鮮なままの状態であり、また、真空下で、または必要に応じてガス置換して包装してもよい。パウチチェーン（および個々のパウチ）の材料は、熱可塑性ポリエチレンフィルム、ポリエチレン／ナイロン等の多層フィルム、ポリマーおよび金属箔を含むフィルム、ポリマーおよびシーリング材料を含むフィルム、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）フィルム等を含んでもよい。適切に構成されたボウルロボットは、パウチチェーンを操作し、コンベヤ／アセンブリラインまたは代替的なアプローチを用いて、必要に応じて、中の材料をボウルに所要量供給することができる。

所定のパウチチェーンは同質にすることができ、すなわち、そのチェーン内のすべてのパウチには、同じ材料が入っているか、または、異種であってもよく、すなわち、異なるパウチには異なる材料が入っており、また、システムはどちらに構成してもよい。一方、異種のパウチチェーンは、より小さなシステムを可能にする。パウチチェーンの形成は、パウチを形成し、装填しおよび密封するプロセスを必要とするが、いくつかの実施形態では、空のパウチを前もって形成することができるため、装填および密封のみが必要である。いくつかの実施形態において、パウチチェーンを形成し、装填し、および密封する方法および装置は、図２５（ａ）から図２５（ｃ）のようになっており、この場合、パウチは、密封方法および装置を用いて、連続ストリップから形成され、およびシールは、全体的に剥離可能に（例えば、材料を所要量供給するために、ボウルロボット内の装置により、２つの別個のストリップに剥離できるように）してもよい。パウチチェーンをばらばらに剥がして２つ以上のストリップを形成する（例えば、そのチェーンを形成するのに最初に使用される２つのストリップを分離する）ことは、材料を容易かつ効果的に所要量供給できるようにする。

剥離可能なシールは、適切なヒートシールコーティング／ヒートシール樹脂（例えば、Ｗｉｌｍｉｎｇｔｏｎ，ＤｅｌａｗａｒｅのＤｕｐｏｎｔ社のＡｐｐｅｅｌ（登録商標）、または、Ｍａｙｗｏｏｄ，ＮＪのＰｌａｓｔｏｐｉｌ ＵＳＡ社のＴｏｐｌｅｘ）の適用を介して、エンドユーザにより手で封が切られるパウチや袋を構成するのに一般的に使用されているフィルム状に製造することができ、それらは、パウチ材料とともに共押出しすることができ、または、別様に適用することができ、および何社かの販売会社は、剥離可能なヒートシールが設けられている包装フィルムを販売している。他のアプローチは、ホットメルト接着剤（例えば、Ｗａｕｗａｔｏｓａ，ＷｉｓｃｏｎｓｉｎのＢｏｓｔｉｋ社によって作られたもの）、適切に制御されるプロセスパラメータを用いるポリエチレン等のヒートまたは超音波シーリング標準ポリマーフィルム材料、スクリーン印刷可能な接着剤等を含む。ヒートおよび超音波シーリングには、スピード、食品との適合性（追加的な材料が導入されないため）および低コストという恩恵がある。したがって、図２５（ａ）から図２５（ｃ）では、剥離可能なシールを製造するのに熱的方法が用いられると仮定しているが、代替的な方法も見込まれる。

図２５（ｂ）を見て分かるように、シェブロン（ｃｈｅｖｒｏｎ）形状のシールを上部および底部に備える、不規則な六角形の形状のパウチを仮定され、斜めのシール等の他の形状も同様に意図される。シールが剥離方向に対して角度が付けられている場合、そのシールの小さな領域のみが、一度に剥離されるため、剥離が、パウチチェーンの長軸と平行に実行される場合、シェブロン形状のシールは、（例えば、水平なシールと比較して）容易に剥離可能である。さらに、シェブロンは、その幅を制御することができる（斜めのシールも同様であるが）漏斗を形成して、流量を制御しながらの、流動性を有する材料のより局部的なディスペンシングを可能にしている。パウチの底部（および必要に応じて、上部）における単一のシェブロンよりもむしろいくつかの実施形態においては、より小さなシェブロンから成る、線状に伸びるジグザグの「チェーン」も用いられ、これは、同じ角度を有する単一のシェブロンと比較して、全体の高さを低減する。

図２５（ａ）は、２つのシールバー７７４および７７６と、各々に、少なくとも一つの真空カップ７８２、または、パウチの壁部を形成している材料から成るストリップを分離してパウチを開封して広げ、材料の容易かつ迅速な装填を可能にしている他の手段が備えられている、２つの真空マニホールド７７８および７８０とを備える装置の立体図を示す。このような手段は、Ｓｅｔｅｘ（商標）乾燥接着剤（Ｐｉｔｔｓｂｕｒｇｈ，ＰｅｎｎｓｙｌｖａｎｉａのｎａｎｏＧｒｉｐｔｅｃｈ社）、感圧接着剤およびその他の接着剤を含んでもよい。シールバー７７４および７７６は、それぞれ、上方および下方の加熱素子、または、ダイ７８４および７８６を有していてもよく、それらは、シールバーから突出していてもよいが、いくつかの実施形態では、一つのシールだけが、このような要素を有し、また、他のシールバーは、（例えば、シリコーン等の可撓性および耐熱性の材料で形成された）表面を有している。シェブロン形状の底部を備えた概して「Ｕ」字状の上方の要素７８４は、パウチの底部および側部を形成するのに用いられ、一方、下方のシェブロン形状の要素７８６（いくつかの実施形態では、変形例は、例えば、直線状および水平としてもよい）は、それに材料が装填された後に、そのパウチの上部シールを形成するのに用いられる。要素７８４および７８６は、ギャップによって離間させてもよく、または、その底部近傍が「Ｘ」字状で形成された単一の要素を形成するように接合してもよい。パウチの容量は、例えば、要素７８４の側部の長さを変えることによって変化させることができる。シールバーは、例えば、材料（例えば、アルミニウム）を、図示されている形状に機械加工することによって製造することができ、または、熱伝導性の向上のためのフィラー（例えば、Ｃｕｙａｈｏｇａ Ｆａｌｌｓ，ＯｈｉｏのＳｉｌｉｃｏｎｅ Ｓｏｌｕｔｉｏｎｓ社の充填剤入りシリコーン）を有していてもよい、シリコーン等の高温エラストマーを用いて部分的に成形を介して製造することができる。バーを加熱するために、および伝導によって、加熱された要素を加熱するために、ヒータが設けられている。加熱された要素は、それ自体をニッケルクロム等の抵抗性材料で形成してもよく、およびインパルスヒータと同様に、ゆっくりとまたは非常に急速に加熱することができ、後者の場合、加熱された要素は、そのバーからある程度断熱することができ、このことは主に、その要素に対する支持をもたらす。突出している、加熱された要素は、ＰＴＦＥ等の材料で被覆することができ、または、加熱された要素とストリップとの間に、従来のヒートシールセパレータフィルム（例えば、ＰＴＦＥで被覆したガラス繊維、図示せず）を使用してもよい。いくつかの実施形態においては、従来の加熱素子の代わりに、超音波または高周波誘電加熱素子を用いてもよい。

包装フィルム７８８および７９０から成る連続ストリップ（すなわち、ウェブ）が、下の供給ロールから、バー７７４および７７６と、カップ７８２との間の空間に導かれて、供給ローラ７９２の上を通り過ぎる。ストリップ７８８および７９０は、これらのストリップに作用するフィードローラ７９４を用いて引張ることができる。ペアになっている要素７８４および７８６は、真空マニホールドの真空カップ７８２と同様に、互いに対向している。ストリップ７８８および７９０に隣接して配置されたカップ７８２または同様の要素は、材料をパウチに容易に装填できるように第１のシールが形成された後、２つのストリップを広げて離すように作用する。いくつかの実施形態において、ストリップの縁部には、映画のフィルムのように、いくらか穴が開けられており、そしてストリップは、スプロケットを用いて、または、それらの穴に係合する他の機構を用いて動かすことができる。図２５（ａ）において、要素７８４および７８６は、ストリップ７８８および７９０に接触しておらず、まだ加熱されていない。また、真空カップ７８２も、まだそれらのストリップに接触してないため、真空はまだマニホールド７７８および７８０に印加されていない。しかし、図２５（ｂ）の立体図では、バー７７４および７７６は、例えば、制御された均一の圧力を用いて既に一緒に押圧されて、ストリップ７８８および７９０をそれらのバーの間に閉じ込めている。このとき、要素７８４および７８６は、（所望の温度にまだ達していない場合）所望の温度まで急速に加熱されて、やがてバー７７４および７７６は離される。その結果、要素７８４が、熱融着を介して、新たなパウチの底部および側部を形成することになる。材料、時間、温度および圧力等のパラメータは、密封された、容易に剥離されるシールを形成するように調節される（剥離可能なシールの形成するように意図された熱融着可能なフィルムの利用は、広いプロセスウィンドウを可能にする）。同時に、要素７８６は、もしあれば、以前のパウチ用のシェブロン形状の上部シールを形成する。図２５（ｃ）の立体図では、真空が既にカップ７８２に印加されており、また、真空マニホールド７７８および７８０が引き離され、その結果、矢印７９６で示すように、パウチを広く開くようにストリップ７８８とストリップ７９０が引き離されて、そのパウチに材料を充填できるようになっている。いくつかの実施形態において、それらのカップは、異なる形状（例えば、楕円形、矩形状）からなっていてもよく、（これらのカップが、パウチを引き寄せる際に、そのパウチ壁部を所望の形状に形成するように）関着してもよく、または、アーチ形等にしてもよく、個別に動く要素等を有してもよい。パウチを形成し、充填しおよび密封する過程の最後のステップは、要素７８６によって形成された上方のシェブロン形状のヒートシールが、要素７８４によって既に形成されている底部／側部のシールにわずかに重なるか、または、その底部／側部に完全に突き当たるように、ストリップ７８８および７９０を下方へ送り込むことを含む。

図２５（ｄ）は、矢印７９６で示すように、ストリップ７８８および７９０に近付いているシールバー７７４および７７６によって囲まれているそれらのストリップの垂直軸周りに回転されている正面図を示す。また、それらのストリップの両側には、フィードローラ７９４も図示され、いくつかの実施形態において、それらのフィードローラは、シールバーの上等の他のどこかに配設してもよい。図２５（ｅ）から図２５（ｊ）は、２つのパウチを形成し、充填しおよび密封し、および第３のパウチを形成して充填する順序の正面図を示し、シールバー７７４は、明確にするために省略されている。図２５（ｅ）においては、シールバー７８４および７８６の２つの加熱素子７８４および７８６がストリップ７８８および７９０に近付いて、（まだ加熱されていない場合）加熱され、２つのストリップを接合して、第１のパウチ８００の下方部分を形成する第１のシール７９８になっている。次に、シールバー７７４および７７６が離されて、パウチ８００が、例えば、標準的な真空カップ７８２、または、例えば、パウチの装填／充填用のＰＥＴ等の硬いフィルム（図示せず）上に保持されるのに適合した平坦面を有するカップによって開かれる。図２５（ｆ）では、パウチ８００には、既に材料８０２が装填されている（実際の充填レベルは、図示されているレベルよりも高くても低くてもよい）。図２５（ｇ）では、フィードローラが、矢印８０７で示す方向に回転して、ストリップ７８８および７９０を、矢印８０９で示す方向に下げており、また、シールバー７７４および７７６は、第２のシール８０４を形成している。第２のシールは、パウチ８０６の底部および側部を形成し、および下方の加熱素子７８６によって、パウチ８００を密封している。図２５（ｈ）では、パウチ８０６は、既に充填されている。図２５（ｉ）では、フィードローラは、ストリップをさらに下げており、およびシールバーは、第３のシール８０８を形成して、パウチ８１０の底部および側部を形成し、同時にパウチ８０６を密封している。（ストリップを輸送することとともに）形成し、充填しおよび密封する繰り返しサイクルの最後のステップが図２５（ｊ）に示され、この場合、パウチ８１０は既に充填されており、そのサイクルは、パウチチェーン全体が製造されるまで続けることができる。パウチが形成されて、およびストリップが下ろされる際に、パウチは、サプライケース内で（水平方向または垂直方向に折り畳んだ状態で）折り畳まれた形態で、または、ボウルロボットシステム内に入って、サプライケース内のスプール上で転動することになる一時的保管の他の形態等で回収することができる。パウチチェーンの代わりに、個々のパウチが必要な場合は、パウチチェーンの形成後に、個々のパウチにカットすることができる。

ボウルロボットは、パウチチェーンまたは個々のパウチを用いることができる。パウチチェーンを用いるいくつかの実施形態において、基本的で単純化したボウルロボットの一般的なレイアウトは、図２６（ａ）、図２６（ｂ）に示すようになっている。このボウルロボットは、多数のボウルに並行して充填する（例えば、一つのボウルが、その第３の材料を受け入れる際、「上流の」ボウル（それの後）は、その第２の材料を受け入れ、および次の上流のボウルは、その第１の材料を受け入れる等）アセンブリラインアプローチを可能にする。顧客の具体的な注文により、いくつかの材料は、丸々飛ばしてもよい。図２６（ａ）は、エンクロージャ８１３の上部が取り外された状態のシステムを見下ろしている平面図であり、一方、図２６（ｂ）は、図２６（ａ）のマルチセグメントプロファイルによる正面断面図である。明確にするために、多数の要素が単純化して図示されている（例えば、ディスペンサ８１１の内部構成要素は図示されていない）。ボウル８１２は、コンベヤのような構成において、いくつかの実施形態において、等しく離間されている、およびベルト８１６により反時計回りに（矢印８１５で示すように、または時計回りに）動かされるキャリヤ８１４上でループ状に輸送される。そのループは、例えば、多くの材料を、あまり長くないシステム内で所要量供給できるように、ディスペンサから成る複数の列の下でボウルを移動させることが可能な、図示されているものよりも複雑なものであってもよい。動作は、例えば、各ボウルが、ベルトの動きに従って、各ディスペンサの下で減速または停止する状態で、連続的にまたは断続的な／可変速度にすることができる。いくつかの実施形態においては、所定のディスペンサにおいて、一つ以上のパウチ８１７から材料を連続して所要量供給することを可能にするように備えをすることができるが、このことは、同時に処理されている他のボウルの進行に対して、短い遅延を与えることを必要とする可能性がある。例えば、顧客は、倍の量の細切り牛肉を指定する可能性があり、このことは、通常のように一つではなく、２つのパウチの内容物を、彼または彼女のボウルに供給することを伴う可能性がある。

新たなクリーンなボウルが、ローディング機構（例えば、標準的な真空カップが備えられている従来のマニピュレータ、図示せず）によって、スタック８１８からキャリヤに追加される。ボウルは、ループの周りを移動して、いくつかのディスペンサの下を通過した後、いくつかの実施形態では、既に所要量供給された材料を加熱するためにオーブン８２０に入り、次いで、加熱を必要としない材料を受け入れるために、追加的なディスペンサの下を通過し、そして、いくつかの実施形態では、そこで蓋（図示せず）がボウルの上に置かれ／ボウルに取付けられる蓋閉めステーション８２１へ移動し、その後、ボウルロボットの他方の側へ移動し、そこで、矢印８２６で示す方向に動くことができるオフローダ（ｏｆｆｌｏａｄｅｒ）８２４によって引き渡しボックス８２２を送り出すために、詰められたボウルがキャリヤから移送されて、顧客が、好きな時間に、それらの食べ物にアクセスできるようにしている。引き渡しボックスは、ボウルが準備できた直後に到着していない顧客のために温めてもよく、また、ピーク需要に応じるための十分な引き渡しボックスを備えていなければならない。そして、空のキャリヤは、さらなる顧客用のより多くの新たなボウルを収容するために戻る。例えば、ブリトーボウルを作っているボウルロボットの場合、顧客への引き渡し前に、米、豆、鶏肉およびファヒータ（ｆａｊｉｔａ）等の冷蔵した材料を、オーブンに入れる前にボウル内に所要量供給し、その後、サワークリーム、サルサ、レタスおよびグアカモーレ（ｇｕａｃａｍｏｌｅ）等の材料を、ボウルがオーブンから離れた後に、所要量供給することができる。すべてのボウルロボットのアクチュエータを制御することができ、およびすべてのボウルロボットのセンサからの入力を受け取ることができる組込型コンピュータ、マイクロコントローラ、ＰＬＣ等を備えることができる標準的な制御部は図示されていない。

いくつかの実施形態において、パウチチェーン８２８は、図示されているように、シャフト８３４上で回転するスプール８３２で巻き上げられるサプライケース８３０に保管されるか、または、折り畳んでもよい。他の実施形態では、パウチチェーンは、サプライケースを要することなく、ボウルロボットに直接装填される。いくつかの実施形態において、サプライケースは、内容物を所望の温度（例えば、コールド、室温、またはいくつかの実施形態では、ホット）に保つように断熱され、および図示されているように、ホイールまたはキャスター８３６で転動し、それらのサプライケースを容易に移送して、重い可能性がある場合に、持ち上げをほとんどまたは全く伴うことなく、ボウルロボットに装填できるようになっている。サプライケースは、パウチが破裂しても漏出が起きる可能性がないように、密封してもよい。いくつかの実施形態において、ボウルロボットは、パウチチェーンがそこを通って下方領域から上方領域へ送られるスロット８４２が共に設けられている（例えば、スロットを部分的に密閉するが、パウチが通過することを可能にするブラシが備えられている）固いプレート８３８により、および隔壁８４０により、上方領域と下方領域とに分けられている。下方領域は冷蔵することができ、それによって、サプライケース内のすべての材料を低温に保つことができ、また、いくつかの実施形態では、それらの材料を長く保存するために冷凍またはほぼ冷凍することができる。いくつかの実施形態においては、上方領域も、必要に応じて、より高い温度で冷蔵される。プレートと隔壁との間の空間は、上方領域と下方領域との間のサーマルバッファとして利用することができ、または、例えば、そこを通る材料を予め温める等のために加熱することができる。いくつかの実施形態において、サプライケースは、それら自体の冷蔵ユニットを収容して、それらのサプライケースが輸送される配達車両から、すなわち、内部バッテリから電力を得てもよい。このような実施形態では、ボウルロボットの下方領域は、冷蔵する必要はなく、およびサプライケースがボウルロボット内に設置されている間は、サプライケースに電力を供給するために、単純にサプライケースに電気的に接続することができる。個別に冷蔵するケースの潜在的な恩恵は、異なるケースを異なる温度に冷却することができるということである（全く冷却されないこと、およびケースの長距離配送中に冷凍庫として作用することを含む）。ケースが矩形状である場合、およびチェーンがスプールに係合している場合は、冷蔵機器用の、および場合により、バッテリ用の十分なスペースが角部にあるであろう。

いくつかの実施形態において、各ディスペンサには、それ自体のサプライケースが設けられ、他の実施形態では、複数のディスペンサが、一つのケースを共用してもよく、または、複数のケースが、一つのディスペンサに供給してもよい。大量に使用される材料（例えば、ブリトーボウルにおけるライス）の場合、充填順序およびベルト動作に関して連続しているか、または独立している２つ以上のディスペンサは、いくつかの材料を備えることができる。この材料を収容しているパウチチェーンは、同じかまたは異なるサプライケースから供給することができる。いくつかの実施形態においては、塩分またはスパイスの量が異なる細切り牛肉の複数のバージョン等の同様の材料を単一の機械に供給して、顧客によるさらなるカスタマイズを可能にしてもよい。

いくつかの実施形態において、材料、特に、一般的に使用されている材料および長期保存が可能な材料は、ボウルロボット内に半永久的に収容してもよく、およびキャニスター、ホッパー、シェイカー、大だる、チューブ、タンク、ボックス、および公知の他の保持およびディスペンシング装置から所要量供給することができる。例えば、塩、コショウおよび他の乾燥スパイスは、顧客の好みに従って、振動シェイカー、または、作動時に、材料をすりつぶして吐出する電動ミルを用いて、ボウル内に所要量供給してもよいであろう。材料を冷蔵することができる場合（例えば、上方領域が冷蔵される場合）には、ミルク、サラダドレッシング等の一般的な材料も（例えば、弁が備えられているタンクから）配給することができる。

オーブンの壁部、床部および上部は、オーブンの外側の下方領域または上方領域の加熱を最小限にするために断熱することができる。オーブンは、ハロゲン電球、従来の加熱素子、マイクロ波、（例えば、Ｅｉｎｄｈｏｖｅｎ，ＮｅｔｈｅｒｌａｎｄｓのＮＸＰ Ｓｅｍｉｃｏｎｄｕｃｔｏｒｓ社の装置を用いた）高周波、蒸気、空気衝突およびその他の加熱方法のうちのいずれかまたはこれらの組合せによって食べ物を加熱することができる。いくつかの実施形態において、オーブンは、例えば、冷たい多材料のデザート用の材料を冷やすために、冷蔵庫と交換してもよい。オーブンのインレットおよびアウトレットは、アクチュエータによって閉じられおよび開けられるドア（図示せず）、または、周囲への熱伝達（およびマイクロ波／高周波加熱の場合は、輻射）を最小限にする他の手段によって、少なくとも部分的に閉じてもよい。ドアは、一時的に開いて、ボウルがオーブンに入ること、または、ボウルがオーブンから出ることを可能にするために、およびドアが別様に閉じられるように、キャリヤの動作と同期させて作動させることができる。材料を加熱するのに必要な時間が、ベルトをボウル間で動かすのに必要な時間を超える可能性があるため、オーブンは、ボウルが進行する際に、ボウルがその中に長時間留まるような十分な長さに形成することができる。図２６（ｂ）には２つのボウルがオーブンの中に図示されているが、より多くのボウルを、細長い経路上に設けてもよい。例えば、ベルトは、オーブン内の蛇行経路に追従することができ、または、ベルト（または、キャリヤと整合する専用トラック）は、らせん状または多重らせん状経路に追従することができ、この場合、ボウルは、入ったときとは異なる高さでオーブンから出ることができる。オーブンではなく、または、オーブンに加えて、いくつかの実施形態において、材料は、パウチの内部にある間に、例えば、パウチがディスペンサに向かう途中に加熱してもよい。このようなヒータは、空気により、マイクロ波または高周波エネルギーにより、光（例えば、ハロゲン光源）により、パウチチェーンの温水浴槽の通過等によって行うことができる。（ボウルまたはパウチ内での）マイクロ波または高周波エネルギー加熱の場合は、チャンバ内で電磁エネルギーを保持できるように備えておかなければならず、このことは、エネルギーの漏出を可能にするのに十分な大きさの開口がないような、ばねで付勢したドア、電磁波／高周波源のオンオフと同期した作動ドア、金属ブラシ等を含んでもよい。また、いくつかの実施形態では、ボウルは、例えば、キャリヤに組み込まれた加熱要素を用いて、直接加熱してもよい。

いくつかの実施形態において、キャリヤは、駆動ベルトに直接、または、カプラ８４４、例えば、いくつかの変形実施形態で用いられる磁気カプラ８４５を介して接続されている。磁気カプラは、ベルトとキャリヤの間の直接的な機械的接続を可能にするのに、プレートにスロットが必要ではなく、良好な熱的制御および容易なクリーニングを可能にするという点で有利である。より適切に言えば、ベルトに取付けられたキャリヤおよび／または要素は、特に、キャリヤの底面が（および場合により、プレートの上面も）低摩擦材料から形成されている場合、または、その底面がボールまたはローラ等によって支持されている場合には、ベルトによる要素の動作が、キャリヤをベルトの経路に追従させるように、プレートの両面にまたはプレートの両面の近傍に、一つ以上の強力な磁石（例えば、ＮｄＦｅＢ）および／または強磁性材料を備えることができる。

いくつかの実施形態において、ボウルは、キャリヤ内の凹部により、または、ボウルを、図２６（ａ）、図２６（ｂ）のように完全にまたは部分的に包囲することができる一つ以上の壁部によってキャリヤ上に維持される。ボウルが別様に包囲されている場合、キャリヤは、開いて、ボウルが、引き渡しボックスの近くにある場合に、外れることを可能にする一つ以上のドアを有していてもよい。他の実施形態では、ボウルは、キャリヤの上面の浅い放射状凹部または面取り凹部によって保持されている。いずれの場合も、ボウルは、その後、キャリヤ８１４から下ろされて、例えば、ボウルの側部または上方リムを押すことによって、その引き渡しボックス８２２内に入れることができる。オフローダ８２４は、（例えば、ベルト駆動の）往復動するリニアスライドと、ボウルに係合するエンドエフェクタとを備えていてもよい。各引き渡しボックス内のセンサ（例えば、光学、重量）は、ボックスに、ボウルが適切に装填されていることを確認するのに、およびボウルが既に顧客によって取出されて、その結果、そのボックスを別のボウルのために解放するときを検出するのに用いることができる。ボウルロボットの制御部は、次のボウルを降ろす際に、例えば、どの引き渡しボックスを利用すべきか（例えば、第１の空のボックスが利用可能であること）を判断するために、センサデータに基づいて判断することができる。このことおよび他の機能を実現するために、制御部は、どのボウルがどの顧客のものであるか、およびどのボウルがどの材料を収容しているかを含めて、各ボウルの経過を追うことができる。

ボウルが既に充填されている場合、制御部は、（例えば、ＳＭＳテキストメッセージ、自動発呼、モバイルアプリケーション、電子メール、ウェブサイト、拡声器によるアナウンス等によって）顧客の注文した品が完成したことをその顧客に直接または間接的に知らせ、アクセスコードを提供し、およびボウルが（番号によって識別することができる）特定の引き渡しボックス内にあることに言及してもよい。顧客がキーパッドでコードを入力すると（または、いくつかの実施形態では、ＮＦＣの能力を備えた電話をアンテナの近くに置く等）、ボックスのドアは、盗難を、または、自身の注文品と間違えて、別の顧客の注文品を受け取ることを回避しながら、ボックスのドアを開錠しおよび／または自動的に開けて、顧客へのアクセスを可能にする。引き渡しボックスは、虫の侵入を防ぐためのエアカーテンを、および場合により、入ってきた昆虫類を動けなくする手段を備えていてもよい。

いくつかの実施形態において、パウチチェーンは、そのチェーンに張力を加える、ディスペンサ内の機構により、サプライケースから、矢印８４６で示す方向において上方へ引張られる。いくつかの実施形態において、パウチチェーンは、それらの内容物を空にする過程において、ディスペンサにより、一度に一つずつ剥離され、それらのパウチを備えるストリップが巻き上げられる。いくつかの実施形態において、比較的流動性のあるパウチ内容物は、パウチを圧縮するスキージー、ローラ等を用いて、パウチを剥離する前に、完全に放出することができる。図２７（ａ）、図２７（ｂ）は、いくつかの実施形態で用いられるディスペンサの立体図を示す。このディスペンサの機能は、パウチから材料を効率的に供給すること、すなわち、パウチ内容物を可能な限り、迅速に（例えば、２秒から３秒で）、および可能な限りシンプルかつ安価なハードウェアを用いて吐出することである。さらに、上記サブシステムは、材料が、パウチ／ストリップの内側面にだけ接触し、および機械のどの部分も汚さず、その結果、（現場でのか、または取外し後のいずれかに関わらず）クリーニングまたは交換の必要性を除去するように、材料と物理的に接触することなく、材料を所要量供給できるようになっていなければならない。パウチの内側面が特別に処理されていない限り（例えば、（Ｃａｍｂｒｉｄｇｅ，Ｍａｓｓａｃｈｕｓｅｔｔｓ）のＬｉｑｕｉＧｌｉｄｅ社のコーティングを用いた超撥水）、ほとんどの材料は、一旦、パウチの封が底部で切られると、パウチから簡単に落下することはないであろう。適切に言えば、パウチ内に収容された材料を効率的に所要量供給する、本願明細書に記載されている新規な装置および方法が採用されている限り、流動性のある材料は、湿り気が有り、または、高い表面積対容積または重量比を有する材料またはその一部のように、通常は、パウチ壁部に付着する傾向がある。このような材料が、すべての材料のうちの大部分を占めている。

下向きに見ている図２７（ａ）におよび上向きに見ている図２７（ｂ）に図示されているように、いくつかの実施形態において、図２９のボウル内のもののようなディスペンサは、パウチチェーンを支持し、および矢印８４９で示す方向に回転することができる、少なくとも一つ（図示されているように２つ）の支持体８４８と、剥離ローラ８５０と、矢印８５５で示すように回転することができる任意の細長いローラ８５２と、矢印８６５で示すように回転する巻取りローラ８５４と、例えば、矢印８５７で示すように回転する駆動ローラ８５６と、スキージー８６０ａおよび８６０ｂから成る装着された第１のセットおよびスキージー８５９ａおよび８５９ｂから成る任意の第２のセットを有する、または、それらのスキージーを動かすための他の手段を有するベルト８５８とを備えていてもよいスキージー（または、ローラ）を用いるパウチ押し潰しサブシステムとを備えることができる。図２６の場合のように、パウチチェーンがディスペンサの下にある場合に用いられる支持体は、矢印８５１および８５３で示すように、そのパウチチェーンの向きを変えるように作用するため、上から矢印８５３の領域内にある。支持体は、同じ高さに、または、（例えば、湾曲したローラベースのコンベアを構成するために）異なる高さ等に配置することができるローラを備えることができる。いくつかの実施形態において、これらのローラは、主にその縁部に沿ってチェーンに接触するようにおよび（そこで材料が詰められる）チェーンの膨出部分、それらのローラの間を通過できるように狭くなっている。いくつかの実施形態において、これらのローラは、パウチの膨出部に良好に適応するように、非常に柔軟かつ可撓性（例えば、ブラシ）にすることができる（注記：図面に示されているパウチは、図の単純化のために、膨らんでいるように見えず、平らに見えている）。いくつかの実施形態においては、細長いローラから成る一方または両方のセットを、チェーンを送り込むように駆動できるように、補助的な細長いローラが、チェーンの両側に設けられていてもよい。チェーンをローラに対して正しく位置決めして保持するために、単純なＵ字状のチャネル等のガイド（図示せず）を設けてもよい。いくつかの実施形態において、入って来るチェーンは、図示されているように、ローラ（例えば、巻取りローラ）の軸と平行ではないが、パウチの面が、例えば、ボウルの動きの方向に対して平行ではなく直角になるように、そのチェーンは、例えば、サプライケースと支持体との間で、ある角度（例えば、９０度）を介して捩じられている。他の実施形態では、そのチェーンは、下方脚部が下のサプライケースに到達することができるとともに、上方脚部が、下のディスペンサにアクセスできるように、２つの垂直脚部が互いに横方向にずれた状態の逆「Ｕ」字状として形成することができる。

パウチチェーンは、ストリップが、（矢印８６３で示すように回転することができる、または静止していてもよい）剥離ローラの周りを通る際に、それらのストリップに対する（例えば、注意深く調節された）張力によって剥離され、ストリップは、「剥離前方」８６２（パウチから成る２つのストリップが別個になって別々に動いている位置）で既に分離されて、角度の大きな変化により、それらのストリップの方向を変える剥離ローラに接触する前に、矢印８６１（図２７（ｂ））で示す方向に移動され、その後、巻取りローラに向かって、矢印８６４の方向に続進する。剥離ローラ（または、ブレード）は、パウチから成るストリップを幅広に分離することを可能にするように、およびパウチが剥離開封されたときに、パウチ内の材料が（例えば、剥離前方のエリアから）落下する十分な余地を可能にするように離間されている。剥離ローラは、パウチを剥がすように作用し、および外側の新品同様の表面のみに接触している間にフィルムの方向を変えることにより、そのフィルムを、ボウルに向かう下方へではなく、利用可能な方向（例えば、上方、斜め上方、水平方向）に移動させている間に、パウチを剥離開封できるように作用する。剥離ローラまたはそれらの等価物がない場合、大きな巻取りローラのための適切な余地はないであろう。いくつかの実施形態において、剥離ローラは、主にその縁部に沿ってチェーンに接触するように細長くなっており、および細長いローラとともに、パウチの中心に向かって移動することができ、パウチ壁部（ストリップ７８８および７９０）を分離することを可能にし、およびパウチを空にすることを容易におよび加速する。逆に、剥離ローラおよび細長いローラは、パウチの中心から離れて動いて、パウチから別様に急速に出る可能性がある材料を保持するのを補助するために、パウチに横方向に張力を印加してもよい。

ボウルロボットの上方領域が下方領域ほど冷たくならないいくつかの実施形態では、サプライケースからディスペンサ（さらにはそのディスペンサ内）に向かう途中のパウチチェーンは、可能な限り長く材料を保存するために、温度制御された（例えば、冷蔵された）チューブまたはダクト内に収容してもよい。このことは、上方領域全体を冷蔵する場合よりも、エネルギー効率が良くなる可能性があり、また、特に、ボウルロボットが、たまにしか使用されない場合に（例えば、夜間と、食事時と食事時の間はアイドリングしている）有用である可能性があり、なぜなら、そうしないと、上方領域におけるパウチ内の材料は、もはや長時間冷蔵されないからである。いくつかの実施形態において、パウチチェーンが送り込まれる通常の方向は、その機械がアイドリング中の場合、または、長時間、アイドリングされることが予想される場合に、パウチを、温度制御された環境へ戻すことができるように逆にすることができる。例えば、チェーンが、図２６（ｂ）のようにスプール上に格納されている場合、そのスプールは、材料が内部にあるすべてのパウチが、サプライケースまたは少なくともプレートまたは隔壁の下に戻されるまで、チェーンと、既に剥離されたストリップとを後退させるように、モータによって回転させることができる。いくつかの実施形態において、チェーン／ストリップの全体が後退することはなく、適切に言えば、ストリップは、ストリップの縁部のみが後退するように切断される（または、予め付けられた切り目／ミシン目に沿って裂かれる）。その場合、ストリップの中央および縁部はともに、チェーンが通常の方向に進むときに、巻取りスプールに巻き取られる。他の実施形態では、ストリップは、後退させられる際に、（例えば、細長い加熱されたローラまたはベルトにより）それらの縁部に沿って剥離可能に密封され、閉じたチューブ内に、いくらかの材料の残りを閉じ込める。いずれのアプローチも、既に開封されたパウチが、そのシステム内で後退することを阻止し、そのことは、ボウルロボットの構成要素を、材料の残りによる汚染にさらすリスクになる可能性がある。

いくつかの実施形態において、巻取りローラは、パウチチェーンの剥離によって生じるストリップを（例えば、図示されているように、ローラ上に、または、スプール上に）回収するように作用する。いくつかの実施形態において、巻取りローラは、ストリップの端部を確実に掴むことができるクランプ機構を含んでもよいスロット付きハブを含む。いくつかの実施形態において、パウチチェーンの先端は、装填を容易にするために、ある距離にわたって、予め複数のストリップに分離されており、また、いくつかの変形実施形態例では、ストリップは、その機械に新たなパウチチェーンを装填することが、ローラ／スプールを取付けることと、所要の経路中にチェーン／ストリップを挿通することのみを要するように、巻取りローラまたはスプールに予め取付けられている。いくつかの実施形態において、剥離ローラは、チェーンを形成する２つのストリップを剥離するように作用し、また、細長いローラ自体と剥離ローラとの間にストリップを挟むその細長いローラとともに、パウチチェーンを送給するようにも作用する。その細長いローラは、パウチの内側面がそうなっているように、ストリップの表面で材料の残りと接触しないように十分に細くすることができる。このような実施形態では、巻取りローラは、（例えば、張力の喪失を感知するセンサを用いて）ストリップ／チェーンの緩みを最小限にする必要がある場合はいつでも、一つ以上のモータによって動力を供給することができる。または、ストリップに対して一定の張力を保つために、モータによって、スリップクラッチを介して継続的に回転させることができる。

他の実施形態では、剥離ローラは、張力がかかっている間に、ストリップの向きを巻取りローラの方へ変えるようにのみ作用してもよく、また、巻取りローラは、チェーンを前方に送り込む一次駆動部である。このような実施形態では、細長いローラは使用されない可能性がある。しかし、いくつかの実施形態において、剥離ローラ／細長いローラのセットは、それらが、スリップしない状況下で、ストリップ／チェーンによって回転される際に、ストリップ／チェーンの位置を（例えば、エンコーダを介して）測定するのにも依然として用いることができる。

図２７（ｃ）の正面図に示す、および図２７（ｃ’）の拡大詳細正面図に示すいくつかの実施形態において、小さな（例えば、０．０５ｍｍから０．５ｍｍの）下方エッジ半径を有するが、他の半径も適切である可能性がある、薄い下方エッジ８６７を有するブレード８６６は、ローラの代わりに、ストリップを曲げてその方向を変えるのに用いることができ、その結果、（ストリップの汚れていない外側面８７０がブレードと接触した状態で）ブレードに巻き付いているストリップは、包装フィルムがほどよい薄さであり、および適切な張力がそのフィルム対して維持され、そのため、そのフィルムがブレードの下方エッジに近接して適合する限り、ローラの場合と同様に、入って来るストリップに対して、大きな角度（例えば、１２０度）を介して回転するだけではなく、（小さな半径で）鋭く曲がる。その屈曲部は、ディスペンサ内のストリップの最下点であるため、食品の残りが、そのストリップを滑り落ちて、その屈曲部においてストリップから滴るかまたは落下する傾向がある。さらに、小さな半径を有するブレード（または、小径の剥離ローラ）を用いた場合、通常は、パウチの内側面にくっつく傾向がある（例えば、湿り気のある、高い表面／容積比の、低密度の）材料は、特に、角度の変化が大きい場合には、典型的には、ストリップが、ローラ／ブレードの一方の側から他方へ通過する際に、その鋭い折り返しを通り抜けることができず、その結果、必要に応じて、ボウル、調理用容器、または他のレセプタクル内に落下することになる。その底部エッジにおける厚さが１．４ｍｍで、エッジ半径が約０．７ｍｍのブレードに関する実験により、さまざまな材料に関して測定した場合に、ブレードを用いて、およびパウチの完全な剥離によって、平均で材料の少なくとも９９．５％を供給する（または、流動性のある材料に適用可能な場合には、図２７、図２８におけるもの等のスキージーを用いて、材料をパウチから放出する）ことができることが分かった。図２７（ｃ）および図２７（ｃ’）におけるもの等のブレードは、図２４に示すもの等の個別のパウチを剥離して供給する場合に、およびパウチチェーンから剥離して供給する場合に用いることができる。多くのプラスチック包装フィルム（例えば、ＰＥＴ）は、かなり鋭いエッジでも巻き付けられるように許容されている。

いくつかの実施形態において、ストリップにくっつく傾向のある材料は、図２７（ｃ）および図２７（ｃ’）に示すような（例えば、湿気を蒸発させて、材料の粒子をくっつかせる加熱した空気を用いた）エアナイフまたはウォータージェット８６８により、振動（例えば、エッジを振動させること、剥離前方と、ブレードの下方エッジとの間でストリップを軽く叩くこと）により、ディスペンサまたはディスペンサの構成要素の上方への急激な加速での移動またはその下方への減速移動により、ストリップを（例えば、急速に）引張ることにより、真空または張力を利用して、（例えば、スロットまたは穴を有する）きめの細かい／波状の面にストリップを強制的に合わせること等によって取り除いてもよい。このような方法は、剥離ローラにも用いることができる。フィルムから材料を可能な限り取り除くことは、廃棄物を最小限にするのに、および材料が、後で落下して、別のボウルを汚す可能性を最小限にすること等に有用である。このような方法によって、残留物を完全に除去することができない場合には、ストリップの内側面に摺り付けるスクレーパーを用いてもよいが、そのようなスクレーパーは、クリーニングし、または交換する必要がある可能性がある。また、スクレーパーは、材料の残りが内側面に厚く付着している場合に、その残留物を取り除くこともでき、その結果、いくつかの実施形態においては、スクレーパー（例えば、徐々に移動する連続ストリップの形態のスクレーパー）の自動クリーニング／補充を実施することができる。

いくつかの実施形態において、パウチチェーン／ストリップは、ボウルロボット内を移動することおよび／または剥離されることの結果として、静電荷を発生させる可能性があり、また、このような帯電は、ボウルロボットにとって有害である可能性が有り、およびストリップ上での材料の保持の一因になる可能性がある。当分野に公知の導電性ブラシやイオン源を、この帯電を中和するのに用いてもよい。

ディスペンサ内のストリップは、最も幅広のパウチが、ボウル内部の幅よりも小さいようなサイズで（または、パウチが、材料を放出するために部分的に剥離されるだけの場合は、漏斗／底部がシェブロン形状のシールに）形成することができる。ディスペンサ内のストリップの最下部分は、材料の落下中に、または、エアナイフによってストリップを吹き飛ばしたときに、材料が余分に供給されないように（例えば、ボウルの外側に落ちないように）、ボウルの上部に（または、ボウルに加えられる最も高い材料まで）近付けてもよい。

ブレードを用いる実施形態において、ストリップは、巻取りローラにより、または、補助的な送り込み／下流の（すなわち、巻取りローラに近接した）ピンチローラによって引張ることができる。特に、補助的なローラが使用されない場合は、ストリップの動きを測定するために、一つ以上のセンサ８７２を用いることができる。剥離した後でも、シールの光学特性は、周りのストリップとは異なっている可能性があるため、例えば、反射光または透過光によって、シールの部分を感知するために、光学センサを用いてもよい。別法として、このようなセンサは、剥離する前のチェーンの近傍に配設することができる。このように設けられたセンシングによって、ストリップ／チェーンが、パウチを完全に空にするために十分に進んだときに、巻取りローラを駆動するモータ（または、ピンチローラを駆動するモータ）が停止されるフィードバックループを確立することができる。その場合、プロセスは、一旦、次のパウチの内容物を受け入れるように意図されたボウルがディスペンサの下に配置されると、次のパウチのために繰り返される。

図２８（ａ）から図２８（ｃ）は、いくつかの実施形態で用いられる、比較的流動性のある材料を、パウチを剥離する前にそのパウチから吐出させるためのパウチ押し潰しサブシステムの動作を示す。パウチの内側面に付着する傾向のある材料の場合、パウチを剥離する前に、そのパウチを絞り出すことは、剥がすだけの場合よりも、より完全に材料をボウルへ移すことができる。したがって、ディスペンシングサイクルは、次の３つのステップを含むことができる。すなわち、１）ボウルがディスペンサの下にある間に、剥離ローラ、ブレード等に対して、パウチチェーンを進ませることによって、パウチを部分的に剥離して開封するステップ。シェブロン形状のパウチ底部を仮定すると、部分的剥離の程度は、材料の粘性と、所望の流量等によって変わる可能性がある。２）パウチ押し潰しサブシステムを作動させて、内容物を絞り出すステップ。３）次のパウチが、次のサイクルのために適切に位置決めされるように、パウチチェーンが進行している間に、パウチを剥離するステップ（この最後のステップは、個別のパウチの場合には用いなくてもよい）。ステップ３は、時間を節約するために、ボウルがディスペンサ間を移動している間に実行してもよい。いくつかの実施形態においては、ステップ１のように、パウチを最初に剥離するのではない、スキージーを用いて、パウチを単純に絞り始めて、底部シールを勢いよく開く（このことは、このシールを、他のパウチシールよりも脆弱に形成することを必要とする）。

押し潰しサブシステムは、一つ以上のモータが、各ベルト用の少なくとも一つのローラを、図８７３で示す方向に回転させて、ベルトに取付けられた（または、ベルトと一体化された）スキージーを、矢印８７５で示すように、上部から底部へ進行させるようにデザインされている。既に述べたように、パウチチェーンは、膨らんでいるパウチがない状態で図示されているが、実際には、パウチは、その内容物を収容するために、ある程度膨らんでいる。各ベルト８５８のスキージー８６０ａおよび８６０ｂは、作動前は、図２８（ａ）に示すように幅広に離れているため、膨らんでいるパウチ８７４に干渉せず、ステップ３のように、そのパウチがベルト間で降下することを可能にしている。図２８（ｂ）では、ベルトは動作中であり、（弾性的にすることができる）スキージー８６０ａおよび８６０ｂをパウチに当てた後、下方へ移動させて、そのパウチの底部を介して内容物を絞り出させる。同時に、作動前に既にベルトの底部付近にあるスキージー８５９ａおよび８５９ｂが上方へ移動する。いくつかの実施形態において、低摩擦プレート、または、ローラのセットは、パウチチェーンに隣接するベルトの部分のための支持材として作用し、パウチチェーンが逸れることを防ぎ、およびより大きな力をスキージーによってパウチに印加できるようになっている。図２８（ｃ）では、ベルトは、動きを止めており、パウチの内容物は、既に完全に吐出されており、また、スキージーＡ１およびＢ１は、次のサイクルのための準備で、それぞれ、スキージーＡ２およびＢ２と位置が入れ替わっている。いくつかの実施形態においては、ブレードまたはローラをスキージーの代わりに用いてもよい。図示されているサブシステムには、一つまたは二つだけの、動作のための回転モータを必要とするという恩恵があるが、スキージー、ブレード、ローラ等を操作するための当技術分野に公知の他の機構を代替的に用いてもよい。いくつかの実施形態においては、第２のシステムの場合のように、パウチの両面の固いプレートとともに、スキージーの一つのセットのみが用いられている。

図２９（ａ）は、ボウルロボットの隔壁８４０ならびにベルト８１６および関連するプーリー８７６（そのうちの少なくとも一つは駆動プーリーであり、他はアイドラーである）の立体図を示す。いくつかの実施形態において、そのベルトは、タイミングベルトであり、また、プーリーは、タイミングベルトプーリーである。図２６（ａ）、図２６（ｂ）と比較すると、ボウルロボットのこの構成は、一列ではなく二列のディスペンサ用にデザインされ、したがって、そのベルトは、一方の側において蛇行形状を有し、この実施例では、ボウルを１２個のディスペンサへ輸送できるようになっている。いくつかの実施形態において、三列以上のディスペンサを用いてもよく、また、いくつかの実施形態では、ディスペンサの配列は、別の列に対して一つの列から互い違いにしてもよい（例えば、ディスペンサの中心は、モザイク式の六角形の中心に合っている）。スロット８４２は、ディスペンサの左のセット（例えば、８１１ａおよび８１１ｄ）のためのパウチチェーンが、下のサプライケースから直接、これらのディスペンサに到達できるように設けられている。図示されている実施例において、ディスペンサの右のセット（例えば、８１１ｂおよび８１１ｃ）に関連するパウチチェーンに対しては設けられておらず、適切に言えば、それらはプレートおよび隔壁と平行に通るが、いくつかの実施形態では、これらのためにスロットを設けてもよい。また、図２６（ａ）、図２６（ｂ）のボウルロボットのレイアウトの他の要素、例えば、カプラ、キャリヤ、プレート、オフローダ、オーブン（使用する場合）、ボウルスタックおよびボウル装填サブシステム、蓋閉めステーション、および引き渡しボックス等も、図２９（ａ）には図示されていない。カプラは、（例えば、タイミングベルト歯の底部に、カプラごとにいくつかの）ピンによって、ベルトに接続することができる。ピンがカプラまで延在することを可能にするために、プーリーは、それらの底部に単独でフランジを付けてもよく、および隔壁等の面に隣接して回転してもよく、ベルトがプーリーから離れて滑り落ちるのを防いでいる。いくつかの実施形態においては、複数のベルトが用いられ、各々が、カプラを支持するためのピンを備えている同様の経路に追従している。

図２９（ｂ）は、図２９（ａ）の図と同様であるが、ディスペンサ、パウチチェーン、キャリヤおよびボウルが追加されている立体図を示す。ボウルキャリヤの経路により、滞在している第１のディスペンサ８１１ａが、プレートの一方の端部にあり、第２のディスペンサ８１１ｂは、第１のディスペンサに隣接しており、他も同様である（ボウルの動きの方向に従っている次の２つのディスペンサは、８１１ｃおよび８１１ｄは、）。偶数および奇数番のディスペンサの方向付けは、図示されている実施例では、１８０度交互になっているが、他の角度も可能である。図２９（ｂ）のディスペンサは、ベルトを方向付けるプーリーに近接して配設されているが、いくつかの実施形態では、ディスペンサは、プーリーの近傍ではなく、ベルトに沿って配設される。いくつかの実施形態において、プーリーおよび／またはディスペンサは、一つのディスペンサから別のディスペンサへ進む間に、（通常、ベルトに対して接線状のままの状態である）キャリヤとボウルが方向性を変えるように配設され、このことは、材料を一箇所に積み重ねるのではなく、ボウルの至る所に分布させるのを補助することができる。いくつかの実施形態においては、材料の分布を制御するために、キャリヤ（または、ボウル）は、（例えば、歯車の歯、摩擦車、またはラック歯列に係合するキャリヤ上の他の形状構成、または、プレートまたは隔壁上の他の形状構成により、またはモータを用いて）能動的に回転させることができる。オーブンの中にある間のキャリヤ／ボウルの回転は、特に、マイクロ波加熱が利用される場合に、加熱の均一性を改善することができる。

図２９（ｃ）は、チェーン８２８ａから供給するディスペンサ８１１ａの下に位置するボウル８１２およびキャリヤ８１４を示す拡大立体図であり、一方、図２９（ｄ）は、各々が異なる列にあり、ボウルが下にある、２つのディスペンサ、例えば、ディスペンサ８１１ａおよび８１１ｂを示す正面図である。いくつかの実施形態において、ストリップは、（例えば、その内側の汚れる可能性のある面が下に向かないように）巻取りローラに向かう途中の他のローラによって、新しい方向に向けられ、また、いくつかの実施形態では、ストリップから落下する可能性のある何らかの材料の残留物を捕らえるシールドが設けられている。シールドが使用される場合には、ストリップは、残留物がボウルまたは他のどこかに落ちないようにするために、ストリップの汚れた部分が全体的に、シールドまたは他の要素の上にあるように、パウチ間に十分なスペースがある場合、ストリップを、パウチを完全に開封した後に進めてもよい。いくつかの実施形態において、巻取りローラ／スプールは、材料の残留物がディスペンサから落ちる可能性を最小限にするように、巻取りローラ／スプールを包囲するカートリッジ内に閉じ込められている。

特定の材料、例えば、カットしたりんごの新鮮さは、それらの材料が酸素から実質的に隔離されている場合には長持ちさせることができる。図３０（ａ）、図３０（ｂ）は、図２５のものと同様であるが、逆「Ｕ」字状にまたは似たものに形成された可撓性シール８８０が追加され、シールの両面を接続するポート８８４を備えたプレナム８８２を有し、およびいくつかの実施形態において、（例えば、インパルスシーラーの場合と同様に）下方シールが断続的に加熱されるが、図２５のシールバーのように、継続的に加熱することもできる、変更されたシールバー８７８の立体図を示す。いくつかの実施形態において、このようなシールバーは、パウチを密封する前に、パウチから空気を取出し、および／または材料を保存するのを補助する不活性ガス（例えば、窒素）等のガスを導入するために用いてもよい。可撓性シールは、下方シール要素がパウチに十分に集中して、フローを締付ける前に、そのパウチに対してシールを形成するように、下方シールよりも背が高くなっている。第１のシールが、図２５（ｅ）に示すように形成された後、パウチは、図２５（ｆ）のように充填され、ストリップは、図２５（ｇ）のように下方へ移動し、図３０（ａ）、図３０（ｂ）におけるもののような２つのシールバーは、第１のシールの両面が、可撓性シールによって重なって、その締付け力により、パウチを完全に密封するように、両側からパウチチェーンに当たってクランプする。このとき、パウチ内の空気は、プレナムに配管された真空ポンプの利用によって、引き出すことができる。必要に応じて、一旦、少なくともある程度の空気が引き出されると、窒素等のガスをパウチ内に導入することができる。一旦、このことが完了すると、これらのシールバーは、互いにさらに近づくことができ、下方の加熱要素がパウチをクランプすることを可能にして、その後、簡単に加熱できるようになっており、図２５に示すように、パウチの上部を密封することができる。チェーンは、その後、下向きに進行することができ、そして、１）第１のシールを形成することと、２）パウチと可撓性シールを接触させることと、３）空気を引き出し、および必要に応じて、ガスを導入することと、４）下方の加熱要素をパウチに押し付けて、第２のシールを形成することと、５）チェーンを間欠送りすることとを含むサイクルを繰り返すことができる。

第５のシステム
図３１（ａ）から図３１（ｃ）は、複数の材料を含む食べ物を自動的に調理することができる、いくつかの実施形態による（例えば、家庭用の）コンパクトな自動化機器を示す。図３１（ａ）から図３１（ｄ）の立体図は、このシステムのさまざまな構成要素を示す。明確にするために、さまざまな要素のためのハウジングおよび支持体は図示されておらず、また、制御部やユーザインタフェース（例えば、タッチスクリーン）等の電子装置も図示されていない。すべての機能は、アクチュエータを制御し、および熱電対等のセンサからのデータを処理するために、プログラムを適切な言語で実行する制御部（マイクロコントローラ、ＰＬＣ等）によって実施される。本願明細書において説明したようなライナー（図示せず）を備えていてもよい加熱（および／または冷却）容器８８６が設けられている。この容器は、当技術分野に公知の埋込み型抵抗素子によって加熱することができる。容器の下の使える場所には、図示されているように、調理済みの食べ物を受け入れる皿８８８が設けられている。必要に応じて加熱される（および／または冷却される）蓋８９０も設けられ、この蓋もまたライナー（図示せず）を備えていてもよい。その蓋は、蓋が閉じられたときに、その容器を密封するためのＯリング８９２または類似物を含んでもよく、および（図２０（ａ）のシンプルな枢軸とは違って）モータ８９５およびギヤボックス８９７、または、蓋を第１の枢軸８９３の周りで回転させて、それを開くかまたは閉じる別のアクチュエータを備えていてもよい作動蓋枢軸サブアセンブリ８９１を設けてもよい。容器（および所望される場合には、蓋）は、標準的な軸受（図示せず）によって支持された、取付済みの容器シャフト８９４を介して、モータ（図示せず）等の従来のアクチュエータによって、回転するように駆動することができる。いくつかの実施形態において、この蓋は、その蓋を密閉して保持するための作動ラッチ８９６（例えば、スライドウェッジ）を備えている。アクチュエータおよび蓋は、（例えば、第１の枢軸に対して直角な）第２の枢軸９００を介して容器に関着されているブラケット８９８（図３１（ｃ））によって支持することができ、その結果、蓋が開かれる際に（図３１（ｌ））、蓋も同様に回転させることなく、容器を回転させることが可能になっている。いくつかの実施形態においては、容器が回転されたときに、蓋および蓋枢軸サブアセンブリを安定化して、摩擦によって蓋が枢軸９００の周りで回転するのを防ぐために、（例えば、従来のソレノイドプランジャ（図示せず）からの）伸長可能な作動フィンガを設けてもよい。容器（および該当する場合は蓋）、ヒータおよび蓋アクチュエータへの電気的接続は、（例えば、数回のみの回転が、いずれかの方向で実行される場合）スリップリング、または、らせん状のケーブルループ等の他の標準的な方法によって形成してもよい。容器および蓋の近傍には、ロータ９０４およびステータ９０６から成る材料カルーセル９０２がある。ロータは、ロータを高速回転させるためのモータ（図示せず）等のアクチュエータによって駆動されるシャフト９０８に取付けられている。ステータは、外殻９１０ならびに中心コア９１２（図３１（ｄ））を備え、後者は、コンパクトな内部機構を有し、パウチディスペンサの少なくとも一部を構成している。

このシステムは、再利用可能または使い捨てであってもよい、図３１（ｄ）に示すようなパウチ９１１を備え、そのパウチは、本願明細書のどこかに記載されているパウチと似ている。再利用可能なパウチは、（垂直方向の）側縁部で接合されている２つの壁部を備えていてもよく、および複数の区画を有していてもよい。このようなパウチは、（例えば、システムの外側の）単一の開口部を介して装填しおよび取外すこともでき、そのため、パウチの上部には開口部がない。パウチは、その上縁部９１４または底縁部９１６に、または上縁部または底縁部の近くに、ジッパーを組み込んでもよく、または、そのパウチまたは、その合わさる面がエラストマー（例えば、シリコーン）から形成されている場合、そのパウチは、上縁部および底縁部が、パウチの未使用時に継続的に印加してもよい力の印加によって、一緒に強く押圧された場合に、密封されたままの状態を維持できる。

図３１（ｅ）は、パウチの上部および底部のパウチ壁部９２０内に、内部ばね９１８（例えば、インサート成形された板ばね）を有するパウチの立体図を示し、これらのばねは、図３１（ｆ）の底部（または、上部）の図に示すように、わずかに湾曲し、およびまっすぐになって、２つの壁部を一緒に押圧してシールを形成する継続的な力を生成する傾向があるように、予め応力が与えられている。いくつかの実施形態においては、図３１（ｇ）の底部／上部の図に示すように、磁石９２２を、それらの壁部を一緒に押圧するのに用いてもよい。パウチが、その縁部９２５において、矢印９２４に示すように圧縮力を受けると、ばねの曲率により、ばねは、図３１（ｈ）の底部（または、場合により、等価な上部）の図に矢印９２６で示すように、横方向に膨らんで、パウチを開封する。上部が開封された場合は、材料を追加することができ（このことは、機械の外部で行ってもよい）、また、（例えば、その機械内で）底部が開封された場合には、材料を所要量供給することができる。いくつかの実施形態においては、ディスペンシングを支援するために、（例えば、汚れを最小限にするために、それらの壁部を巻き取って、取り外されるまで、巻き取った状態を保つことにより）パウチの壁部も剥離され、すなわち、再利用可能なパウチは、壁部の分離を可能にするために、ジッパーおよび磁石等の要素を側部に沿って有することができる。

カルーセルのステータ９１０のコア９１２は、中空とすることができ、およびいくつかの実施形態では、コア内に配設され、および材料のディスペンシング（および必要に応じて、装填）に用いられる機構（図示せず）が、そこを介して展開される上方スロット９２８および下方スロット９３０を備えている。いくつかの実施形態において、上方スロットと下方スロットは、単一のスロットに結合されている。例えば、スロットに隣接するパウチの底部の縁部９２５を押して、対向する縁部をロータの内側面に押し付けて、パウチを開封させて、その内容物を所要量供給させるために、ソレノイドプランジャーが、下方スロットを通って突出していてもよい。パウチに係合するように、流動性のある材料を絞り出すための一対の「スクイーザー（ｓｑｕｅｅｚｅｒ）」（例えば、小径のローラ、ブレード、スキージー）を、上方スロットを介して展開することができる。例えば、スクイーザーは、スロットの上部近傍の水平枢軸の周りで回転し、パウチの側部に押し付けた後、下方へ移動する等によって、展開することができ、このような動作は、独立したアクチュエータ、カムおよびリンク機構、またはこれらの組合せによって実施することができる。あるいは、スクイーザーは、いくつかの（または、すべての）パウチ位置において、ロータ内に配設してもよく、または、押し潰しを必要とするパウチの上部に手で取付けることができる。ロータ内に配設されたスクイーザーの場合、それらのスクイーザーは、それらの水平方向の長軸が、パウチの上部近傍にある状態で方向付けてもよい（パウチを挿入するために、または取出すために、それらのスクイーザーを、取り除くことができ、または、一時的に旋回させることができる）。それらのスクイーザー間の間隔は、空のときのパウチの厚さに設定され、パウチを完全に押し潰すことができることを確保している。パウチが、押し潰すことによって、所要量供給される定位置にある場合（生成される圧力により、その底部でも押されて、パウチを開封する必要はない可能性がある）、上方スロットを通って延びて、すぐ近くのスクイーザーに結合している部材を作動させてもよく、その部材が、作動リニアステージに取付けられている場合、それらのスクイーザーは、パウチを降下させて押し潰すように形成することができる。また、スクイーザーは、パウチレベルの上へ上昇させて、ロータを回転させることにより、ある位置から（「ドック」からも含む）別の位置へ自動的に移動させることもできる。

ロータは、ユーザが、パウチのＬ字状フック９３４を利用して、そこから吊るすことができる、例えば、Ｌ字状の内部リッジ９３２を含んでいてもよい。制御部は、既知の材料を有するパウチを特定の位置に装填するように、ユーザに命令してもよい。そのリッジは、パウチを方位角的に所望の位置に配置して、それらのパウチがリッジに沿って滑動することを阻止するのを補助するためのノッチまたは移動止めを含むことができる。ロータが回転する際に、パウチが、ある角度から別の角度へ変わる角度で挿入される場合、パウチ位置は、制御部が、それらの角度位置を記録した後、ロータを適切に位置決めできるように検出することができる。ステータは、上記カルーセルの内部を冷却し、およびパウチ内の材料が、長期保管中に腐るのを回避するためのファンおよびヒートシンクを備えた、ペルチェ効果素子等の冷却ユニット９３６を含んでいてもよい。ステータとロータは、それらが、密閉された温度制御チャンバを形成し、およびロータが、図３１（ａ）のように向けられているときに、容器または蓋に干渉しないように、３６０度以下（例えば、図示されているように、２２０度）の間隔を置くように設計されている。図示されているように、このカルーセルは、カルーセルの直径により、さまざまな種類の料理のうちの一つ以上を作るのに必要な数のパウチを格納することができる。いくつかの実施形態においては、他の形状（例えば、レーストラック形状のベルト）を、可能性のあるパウチの数を拡張するのに用いてもよい。いくつかの実施形態においては、カルーセルは、パウチに加えて、接触子および赤外線温度計、および混練および混合ツール等のツールをステータ内に収容することができる。いくつかの実施形態において、容器内部（または、ライナー）は、材料を異なる領域に所要量供給しおよび／または配置できるように回転するように作動させることができる。

図３１（ｉ）から図３１（ｌ）の立体図は、典型的な調理済みの食べ物の調理中のステップを示す。図３１（ｉ）において、レシピを含んでいてもよいプログラムに作用する制御部は、蓋が閉じられている場合に、その蓋を開くように蓋アクチュエータを作動させ、および矢印９３８で示すようにロータ９０４を、所要の材料を有する特定のパウチ９１１ａを、ステータスロット９２８および９３０に隣接して、およびライナー（図示せず）を有していてもよい容器８８６の上に配置する位置まで回転させるために、矢印９３７で示すように、カルーセルロータアクチュエータを作動させている。また、制御部は、（例えば、縁部９２５を押すことにより）パウチを開封して、矢印９４２で示すように、容器またはライナーの中に落下する（例えば、調理されていない）材料９４０ａを放出するために、（例えば、スロット９３０を通って延びている）アクチュエータも作動させている。他の所要の材料は、同様に容器に供給される。図３１（ｊ）では、制御部は、必要に応じて、カルーセルを再び密封して、蓋を閉じることを可能にする位置までロータを戻すように、ロータアクチュエータを作動させている。次いで、制御部は、矢印９４４で示すように、蓋を閉じるために、蓋枢動サブアセンブリ８９１のモータ８９５を作動させる。そして、（図示されていないが、ソレノイド、空気圧シリンダ等を備えていてもよい）アクチュエータは、容器と蓋との間に漏れがないように、矢印９４６で示すようにしっかり閉じられた蓋をラッチで閉める。図３１（ｋ）では、制御部は、材料を混ぜるために、矢印９４８で示すように（本願明細書に記載されているような）容器を揺動するように、容器シャフトアクチュエータを作動させ、および該当する場合には、材料を調理するために、容器（および場合により、蓋）ヒータを作動させている（このことは、既に先に行われている）。図３１（ｌ）では、制御部は、容器および蓋を回転させるのを止めて、容器の広い表面を、図３１（ｉ）のように実質的に水平方向にし、およびラッチアクチュエータも作動させて、蓋を離し、蓋アクチュエータモータを８９５を作動させて、矢印９５０で示すように蓋を開き、容器シャフトアクチュエータを作動させて、矢印９５２で示すように容器８８６を傾斜させ、現時点で調理済みの食べ物９４０ｂを、矢印９４２で示すように、下の皿８８８内に投下する。容器が回転している間、蓋８９０は、その通常の位置のままであり、いくつかの実施形態において、伸長可能なフィンガによって回転するのを阻止されている。このサイクルが終了させるために、制御部は、容器シャフトアクチュエータを作動させて、図３１（ｉ）のような初期位置（図示せず）まで容器を戻す。

上記第５のシステムによって調理することができる多くのレシピの実例は、フリッタータ、半熟片面焼き卵、両面焼き半熟卵／固焼き卵等の卵、パンケーキ、スープやシチュー、ディップ、チリ、炒め物に関係するレシピ、および肉、魚、鶏肉、および／または野菜を載せた麺、ライス、キヌア等に関するレシピを含む。水の添加を必要とするライス等の材料の場合、これは、外部送水管またはリザーバを用いて、カルーセルによって直接供給することができ、また、調理後に（パスタのように）いくらかの余分な水が残っている場合、それは、ユーザによって、容器を傾けて、下に配置されているボウル内に放出することができる。ユーザは、一旦、ボウルが一杯になると、（例えば、モバイルアプリを介して）通知を送信することができるため、そのボウルを、最終的な食べ物を収容する皿と交換することができる。いくつかの実施形態において、その皿は、そのボウルと自動的に交換することができ、または、容器は、皿８８８に隣接するレセプタクルに水（または、いくらかの余分な液体）を放出するために、図３２（ｌ）に示されているのとは逆の方向に傾くことができる。

例えば、ほうれん草とオリーブのフリッタータを作るためのプロセスを説明するフローチャートが図３２に示されている。すべてのマシンプロセスは、一つ以上のプログラムおよび関連するアルゴリズムに従って、制御部により管理され、およびセンサおよびアクチュエータの支援によって実施される。（ライナーを容器および蓋に付加することを含んでもよい）このプロセスを始めた後、蓋８９０が開かれ（ステップ９４４）、ロータ９０４を正しい位置まで回転させた後、制御された量のオイルが、カルーセル内のパウチ（例えば、符号９１１）またはリザーバから容器８８６内に供給される（ステップ９４６)。次いで、その容器（および必要に応じて、蓋８９０）は、（例えば、熱電対によって決定されるような）正確な温度まで加熱され（ステップ９４８）、オイルを散布するのを補助するために、その容器を前後に傾けてもよい。ステップ９５０では、予め計量した量の玉ねぎ（例えば、特定の平均的なサイズおよび重量でさいの目に切った玉ねぎが詰まったパウチ）が、パウチから容器内へ所要量供給される。オイルの過度の飛び散りの危険性がある場合、玉ねぎを加えて蓋を閉じる前に、容器を、より低い初期温度まで加熱することができる（全く加熱しなくてもよい）。ステップ９５２では、蓋８９０が閉じられ、および容器は、玉ねぎを柔らかくするのに、および必要に応じて、玉ねぎをカラメル状にするのに十分な時間、一方向に、または双方向に揺動される。容器の温度は、必要に応じて、この調理工程中に変えてもよい。次いで、ステップ９５４では、蓋が開けられて、容器は、その温度が、卵蛋白質を変性／凝固させる温度よりも低い温度まで下がるまで、冷却できるようになっている。このようにして、ステップ９５８では、卵は、通常よりも早く凝固せず、およびすべての材料の混合が阻止される。ステップ９５６では、ほうれん草、卵およびローズマリーがパウチから、または（ローズマリーの場合）必要に応じて、ロータ９０４に組み込むことができる電動式スパイスグラインダーまたはシェイカーから容器内へ所要量供給される。卵は、予め泡立ててもよく、または、揺動ステップ９５８が十分に行われた場合には、揺動中に泡立つ可能性がある。ステップ９５８では、蓋が閉じられて、材料を混ぜ合わせるために、および必要に応じて、卵を泡立てるために容器が揺動される。「揺動‐混合」における最後のステップは、材料を容器全体に均一に分布させるのを補助するために、小さな角度にわたって容器を左右に傾斜させることおよび／または容器をシャフト８９４の周りで速やかに振動させることを含んでもよい。ステップ９６０では、容器が、フリッタータを焼き焦がすことなく、焦げ目を付けて調理するのに適した比較的低い温度まで加熱されて、調理が進行する。すべての材料が既に混ぜ合わされ、および卵がすぐに凝固するため、容器は揺動されないが、小さな角度にわたって容器を左右に傾斜させてもよい。必要に応じて、フリッタータが、少なくとも部分的に凝固した後、および蓋８９０が材料を調理するのを補助するのに十分な熱さになっている場合、その容器と蓋は、逆さにすることができる。一旦、卵とその他の材料が、ステップ９６２のように十分に調理されると、食事がすぐに出される場合、ヒータがオフにされ、または、低い保温温度にセットされる。ステップ９６４では、食事を出すときが来た場合、蓋が開かれる。その場合、容器またはそのライナーは、機械から取り外すことができ、または、容器がまだ機械内にある間に、フリッタータを出すことができる。

波及効果
材料は、皿にだけではなく、その後、加熱等のさらなる処理が行われる容器、パウチまたは他のレセプタクルにも供給することができる。また、（例えば、一切れのパン上に供給されるチーズ等の）材料を、既にレセプタクル内にある材料の上に供給することもできる。

供給される材料の位置を制御するために、パウチは、形成される開口部のサイズを限定するように封を切ってもよく、また、レセプタクルは、少なくとも一つの特定の位置において下に配置してもよく、または、ディスペンサの動作と合わせられるような方法で移動させてもよい。

図４（ａ）から図４（ｎ）のパウチマニピュレータは、必ずしも完全に単独で所要量供給する必要はなく、すなわち、その主な機能は、パウチを掴んで輸送することであってもよく、また、ディスペンシングの機能の少なくとも一部を実行するディスペンサは、独立して設けてもよい。

いくつかの実施形態において、上記食品調理システムは、（処理が行われるシステムの部分、および／または保管エリアを含めて）冷蔵することができる。

容器（例えば、ライナー）には、煮汁、蒸気成分等を排出するために、水切りボウル、スチームバスケット、トライベット等の小穴のあるインサートを設けてもよい。

図２４および図２７とともに説明したようなパウチの剥離は、本願明細書に記載されているシステムのうちのいずれかにおいて、それらの組合せに相当する他のシステム等において実施することができる。

場合により、パウチは、（例えば、熟成フルーツによって生成されたエチレン等のガスを放出するために）透過性の材料から形成してもよく、または、（例えば、レーザにより）穿孔されている、透過性があまりない材料から形成してもよい。

いくつかの実施形態において、パウチは、シームまたはバリアによって横方向および／または長手方向に分割される、高アスペクト比の細長いベルトまたはウェブの形態で形成することができる。材料は、剥離、切断、一つ以上のジッパーを開くこと等により、このようなベルトから、露出している縁部の一方または両方に沿って放出することができ、そのベルトフォーマットは保存することができ、または、各区画は、その内容物を所要量供給する前か後に、（穿孔されている場合）切断し、または引き剥がすことができる。ベルト状のパウチは、必要に応じて、リール上で保管することができる。

パウチは、包装および保存に使用される可能性があるパウチ内に入っている液体を排出できるようにするために、廃棄ビンまたは同様のものの上で開封し、または部分的に開封することができる（または、それらの壁部を穿孔または切断することができる）。使用前に排出が必要な可能性がある材料の実例は、スープ、水またはオイル中のマグロ、豆類、オリーブ、肉および魚である。パウチ内の材料は、余分な液体を吐出する間に、固形物を維持するために、パウチに印加される外部圧力、または壁部への張力の印加によって押し潰してもよい。

剥離可能なシール、内部ジッパー、一時的シール等がないパウチも、逆さにする必要はない。例えば、材料は、全体的に乾燥させて非粘着性にすることができるため、切断ツールを汚す可能性はない。

容器内での調理は、油脂の有無に関わらず、湿式加熱、乾式加熱、またはこれらの両方の利用を含むことができる。

いくつかの実施形態において、パウチ内の材料は、ディスペンシングの前に、予め冷却し、または予め加熱することができる。例えば、オイルは、使用されていないときに冷蔵室／タンク内で保存されている場合、半固体であってもよく、また、それを温めると、その粘性を低下させることができ、および（材料の上への、調理に使用される容器内等への）噴射を容易にすることができる。このような温度変化は、適切な温度に設定されたチャンバまたは液体充填タンク内へパウチを移動させることにより、パウチを直接、加熱または冷却することにより（例えば、パウチを照らす赤外光、または、パウチがパウチマニピュレータ内に保持されている間、そのパウチを包囲している電気加熱素子）、または同様のもの等によってもたらされる。

いくつかの実施形態において、上記食品調理システムは、例えば、野菜や果物を栽培するための適切な照明を備えた水耕栽培または他の方法、動物性たんぱく質を成長させるバイオリアクター等の食用の動植物を育てるサブシステムを含んでもよい。

いくつかの実施形態において、本願明細書に記載されているような自動販売機を使用する顧客は、栄養目標、食事の好み、調理法等を入力することができる、および／またはＧＰＳデータに基づいて、近くの自動販売機を勧め、その後、集配のための注文を入力できるようになっているモバイルアプリまたはウェブサイトを利用してもよい。

いくつかの実施形態において、本願明細書に記載されているような自動販売機は、レストランに造り付けてもよく、およびそのレストランが閉まっているか、または忙しいときには、いくつかの銀行取引を可能にする現金自動預払機のように、外からアクセス可能であってもよい。当然のことながら、レストランは、材料が供給されているこのようなローカルマシンを容易に維持することができる。

いくつかの実施形態において、食品調理システムの内部全体（および、使用する場合は、サプライケース）は、不活性ガス／改質雰囲気を収容することができ、酸素からの隔離が必要ないため、コストがあまりかからず、より容易にリサイクル可能であり、薄目のパウチを可能にする。

いくつかの実施形態において、本願明細書に記載されているような自動販売機は、「ドライブスルー」方式で注文（または、すぐに持ち帰り）できるようになっている、アウトドア用、ドライブアップ式キオスクを含む全天候型キオスクとして展開してもよい。

上記ボウルロボットのいくつかの実施形態において、パウチは、チェーンの形態ではなく、別々になっており、または、チェーンの形態になってはいるが、必要に応じて、後で、適切な機構を用いてチェーンから分離され、ボウルの上へ輸送されて開封され（また、必要に応じて、逆さにされ）、その後、廃棄される。

上記システムは、食べ物の準備ができたときに、材料を使い果たしたときに、何らかの問題に出くわしたこと、メンテナンスが必要なこと等を（例えば、インターネットで）通知してもよい。

パウチ内での混練、混合、分離等は、パウチを揺動することにより、それを加速／高速回転させることにより、音波／超音波エネルギーを導入することにより、断続的なローラ（ギャップ、または、その長さに沿って交互している２つの異なる直径を有するローラ）によって、パウチを複数回、転がすことにより実現することができる。このようなローラは、各転動動作の間に、軸方向に移動することもでき、または、パウチの主面に直角な軸周りに回転して、その角度を変えることもできる。

パウチは、混練を促進するために、スタティックミキサーと同様に挙動するバッファ、スクリーン等を含んでもよく、これらは、パウチの内容物がそれらの傍を強制的に通りすぎるときに、その内容物を混合させる。

ジュース等は、十分な大きさの押し潰し力および／または転動力をパウチに受けさせることにより、パウチ内の材料から抽出することができる。ナッツやコーンフレーク等の他の材料も、パウチ内で押し潰すことができる。

加熱をすぐに中断して、空気を導入することによって循環させ、その後、その空気を、ライナーとベースとの間の空間から再び排気することができるため、真空によってベースに引き寄せられた容器ライナーは、例えば、より高い温度での炒め物や揚げ物を可能にする。また、このことは、加熱の追加的な管理をもたらし、および真空レベルは、中間レベルの伝導性またはテクスチャーを生成するために、中間値に調節することができ、例えば、ベースがリッジを有している場合、より高い真空下で、それらのリッジをライナーに押し付けることができ、逆に、ライナーがリッジを有している場合には、真空レベルを上げると、それらのリッジを平坦なベース面に当てて平らにすることができる。

ライナーと加熱（または、冷却）ベースとの間の空間には、フォーム、織った／不織のマット（ｍａｔｔ）、熱伝導性シリコーン等を充填してもよく、その結果、真空が印加されたときに、充填材料が潰れて、その熱コンダクタンスを増加させる。

いくつかの実施形態においては、センサをさまざまな機能に用いることができる。例えば、１）密封されたパウチの縁部を（例えば、光学的に）検出して、それを切断する箇所を知ることができる。２）パウチの剛性および／または厚さは、パウチが、もはや真空下にはないときを判断するのに用いることができる。また、パウチは、真空が存在していることを示す小さな「ブリスター」を有していてもよい（例えば、ブリスターを凸状から凹状へ変化させること）。損傷した／漏れのあるパウチを受け入れないことができる。３）重量測定を、材料を放出するパウチに対してだけではなく、材料を受け入れるパウチに対しても、または、材料を放出する、または受け入れる容器または他のコンテナに対しても実行することができる。４）（例えば、混練用の）動力付きツールを使用する場合、速度および／またはトルクが、材料の状態によって変わる可能性があるため、処理を微調整し、処理を閉ループで進行させ、およびプロセスを終了すべきときを判断するのを補助するために、速度および／またはトルクを感知することができる。５）真空センサは、グリッパー、プラットフォーム、プリントヘッドプレート等が適切な真空を確保するのに用いることができる。６）熱電対、ＲＴＤおよびサーミスタ等の温度センサを、容器、インパルスシーリング装置、冷蔵および冷凍保管エリア等に組み込むことができる。内部温度を測定する敏感なプローブを材料中に挿入することができる。圧力センサまたは真空センサを、例えば、揺動前に（例えば、ライナーに圧着された蓋の）シーリングを確認するのに用いてもよい。また、別のライナーに対してシールされたライナーは、弾性的に変形させることができ、およびそれが復元する時間を（例えば、光学的に）測定することができ、すなわち、長すぎる場合、それは漏れを示している可能性がある。７）圧力センサまたは力センサをグリッパーに組み込んでもよい。８）保管エリアは、湿度センサを含んでもよい。９）（例えば、コンテナまたはパウチ内の）液体レベルまたは固体レベル（例えば、粒状固体）は、（例えば、コンテナまたはパウチに組み込まれた電極を有する）容量式、光学的方法、音響的方法等のセンサによって測定することができる。１０）廃棄ビンは、ほぼいっぱいまたはいっぱいの状態を検出するセンサを含むことができる。１１）パウチ（例えば、空になることが予測されるパウチ）内の材料の存在ならびに撹拌／混合不良の材料の検出、材料の汚染または損傷等は、（例えば、マシンビジョンを備えたカメラによって）検出することができる。１２）洗浄溶液の清浄度は、（例えば、濁り、ｐＨおよび／または伝導性を測定することによって）判断することができる。１３）殺菌用のＵＶの強度、または、乾燥に利用される赤外線を感知することができる。

装置と材料の接触を最小限にするという目的で、パウチ内で行える食品調理プロセスは、以下のことを含む。

１）撹拌、泡立て、混練、ホイッピング、（例えば、ドレッシングを用いたサラダ材料を）和えること、（例えば、パン粉を用いた鶏もも肉の）コーティング、および加速、振動、揺動、捩じり、曲げによって実施される他のプロセス、および音響エネルギーを利用することを含む、または、（例えば、パウチの開口部が小さいため）パウチから漏出する可能性がない、スターラーバー、ボール等を用いることによるパウチの他の操作の実行。マグネチックスターラーバーを用いてもよく、または、非磁気性ボールまたはバーを、外部振動、または、材料を混練する他の動作によって操作してもよい。また、材料を処理するのを補助するために、パウチを振り動かし、逆さにし、水平方向にひっくり返した後に垂直方向にし、折り畳む等を行うこともできる。パウチまたはそれらの領域は、パウチの破裂のリスクを伴うことなく、混練等の動作中のパウチの著しい歪みを可能にするエラストマー材料から形成することができる。ＳｐｅｅｄＭｉｘｅｒｓ（ＦｌａｃｋＴｅｋ社，Ｌａｎｄｒｕｍ，Ｓｏｕｔｈ Ｃａｒｏｌｉｎａ）によって実施される種類の遊星式／二重非対称遠心混合も実行することができる。

２）蒸気が抜けることを可能にするために、小さな通気口が設けられている場合には（パウチ角部のカッティング、スリットのカッティング、シールまたはその領域の意図的な破裂）、パウチ内部の材料を脱水するか、または、材料を減らしてもよい。

３）バター等の材料は、成分を別々に除去できるようになっている、または、いくつかの成分（例えば、バター脂肪）を選択的に除去して、他の成分（例えば、乳固形分やバターミルク）を残すことができるようになっている、内部スキマー、複数のアウトレット（例えば、剥離ストリップ、切り口またはミシン目）等のパウチの形状構成を用いて、パウチ内で分離してもよい。

４）パウチ内の材料は、熱湯への浸漬、温風、赤外線放射、（例えば、パウチ壁部へのポリイミドまたはシリコーン加熱パッド、または、パウチ壁部に埋め込まれた抵抗ワイヤを用いた）伝導加熱によって加熱することができる。このことは、的確に流すために柔らかくすることができる、または、溶融することができる材料（例えば、チーズ、チョコレート、バター）にとって有用である可能性がある。

パウチは、圧縮されたとき、例えば、パウチ壁部に金属が含有されている場合、または、ポリマーパウチが十分な温度まで加熱される場合に、少なくとも部分的に塑性変形する可能性がある。

パウチは、中で処理が行われる場合に（例えば、ポップコーンのマイクロ波加熱）、膨張するように設計することができる。

使用する場合、滑らかな内側面を有する真空パウチおよび真空フィルムは、真空チャンバ内で、または、テクスチャード加工された内側面を要するシーラーの代わりに、シュノーケルシーラーを用いて密封することができ、このことは、そのテクスチャード加工された面内に閉じ込められる可能性のある特定の材料（例えば、流動性の有る材料）の廃棄を避けることができる。

パウチの形状およびアスペクト比は、非常に幅広く変えてもよく、例えば、歯磨き粉チューブのような形に形成されたパウチは、選択肢の一つである。

パウチの内容物は、パウチを圧縮する（例えば、転がす）ことによってだけではなく、パウチ自体を回転させるか、または折り畳むことによっても放出することができる。例えば、パウチは、後に回転されるロッド内のスロットに挿入して、材料を絞り出す間に、パウチをそのロッドに巻き付かせることができる。

システムは、異なる形態で同じ材料が入っている、または、材料を所要量供給するための異なるサイズまたはタイプの開口部、ノズル等を有する、一つ以上のパウチを有していてもよいだろう。

粉類が入っているパウチの一時的シールは、ミシン目が入っている（例えば、点線または破線と実線）シールとすることができるであろう。

調理を実行するシステムは、安全のための煙および炎の検出ならびに自動消火の設備を備えることができる。

パウチマニピュレータが、異なる材料を有するいくつかのパウチを同時に処理することができれば有用である可能性があり、そうでなければ、そのシステムは、同じレシピのために再び使用するであろうパウチを一時的に保管する必要があり、食べ物を調理する等の時間全体を増大させる可能性がある。

しかし、ライナーとベースとの間に空気を導入することによる休止／減速は、調理時間を調節するのを補助することができ、および食べ物の複数部分の調理および引き渡し時間を調整する際に有用である可能性がある。

材料は、上述したようにパウチ（または、他のコンテナ）から供給する必要はなく、より適切に言えば、材料を取り出すために、アルキメデスポンプ、吸込チューブおよびサイフォン、お玉等を、例えば、その上縁部が開封されているパウチ内に導入することができる。例えば、ナッツ等の小さな固形材料は、真空ピックアップを用いて所要量供給してもよく、（材料が入るのを防ぐためのワイヤメッシュによって覆われている大きな開口面を有していてもよい）そのピックアップは、材料の単一層と、（ワイヤメッシュの露出した領域のすべてをカバーする）幅および長さに関する繰り返し可能な量を拾い上げることができる。一旦、受け入れエリア（例えば、エネルギーバーの一つの層）の上に位置決めされると、その材料を配置するために、真空を遮断することができる。

パウチは、隣接する壁部のペア間の空間が（このような各空間内に異なるまたは同じ）材料を保持している状態で、２つ以上、例えば、３つか４つの壁部を備えて形成することができる。すべての壁部は、パウチの縁部で一緒に密封することができるが、いくつかの実施形態では、内部パウチのいくつかは、他のパウチよりも小さくすることができる。

パウチは、矩形状である必要はなく、すなわち、パウチは、（例えば、ローラを用いた）圧縮により、捩じりにより、スライド要素（例えば、リング、または、外部の、内蔵スキージー）をパウチの出口に向かって押すこと等によって空にすることができる限り、円錐形、円筒形等として形成することができる。

パウチは、粘性抵抗および表面張力効果によって、材料（固形または流体）の流れを減速させ、および自己流出を避けるために、パチンコのような内部要素、左右に交互する斜めの（または、平行な）ランプ、パウチをチューブのセットに細分化する垂直壁部、内部こし器、ざらざらした風合い等（これらのうちの少なくともいくつかは、インパルスまたは超音波シーリングを用いて形成することができる）を含むことができる。例えば、パウチは、流体がそこを通過できるようにすぐに開く材料から形成された、（パウチ壁部に取付けられた、または、壁部のわずかに内部に配置された）複数の押し潰せるこし器を有することができる。パウチの底部に向かって、圧力がより高くなるため、穴／通路は、より小さくし、より幅広の間隔等にすることができる。

材料は、徐々に放出されるように、図８のようにパウチ内の別々の区画内にある必要はなく、すなわち、パウチは、丸められていないとき、または、そのプリーツが真っすぐ伸びているときに材料が放出されないように、丸めるか、または折り畳む（例えば、アコーディオンのようなプリーツを付ける）ことができる。あるいは、パウチは、構造部に巻き付けることができ、または、パウチの領域を隔離する外部構造部によって圧縮して、パウチ全体をそうすることなく、隔離された領域が内容物を変形させることを可能にすることができる。

パウチは、均一な厚さから成っていなくてもよく、すなわち、厚さは、任意の方向で先細にしてもよく、または、局所的な変化や「固化」さえももたらすように調整してもよい。それらの変化のうちのいくつかは、流量の好ましくない変化を補正することができ、または、流量の変化を意図的に起こすことができる。

パウチは、透過性の材料から形成されている（例えば、穿孔されている、または、（例えば、ティーバッグに使用されているものと同様の）多孔質材料から形成されている）場合には、全く開封する必要はない。このようなパウチは、ハーブ、お茶、ベイリーフ、シナモンスティック等を収容することができる。いくつかの実施形態において、このような透過性のパウチは、パウチを保護するために、および材料を新鮮に保つために、不透過性のパウチ内に収容してもよく、すなわち、内側のパウチは、液体が外側のパウチに入ることができるようになっている場合に、その液体を変性（例えば、着色、香り付け）するという役割を果たすために、必ずしも外側のパウチから取り外す必要はない。例えば、容器内へ放出される透過性のパウチは、所望の効果があった後に回収することができる。

パウチからのフローは、ローラの変位に対して直線状でなくてもよい。例えば、パウチが水平方向になっていない場合、重力が、パウチの底部を上部よりも膨らませるため、材料の断面積は、垂直方向の位置とともに変化し、およびローラ行程の単位当たりのフローは、底部近くでより高くなる。パウチは、その剛性（例えば、壁厚）および／または（例えば、内部シームおよび／またはその外部形状によって決まる）幅を変える（例えば、パウチの上部を底部よりも幅広に形成する）ことにより、必要に応じて、フローの挙動において、より直線状に形成することができ、または、可変速のディスペンシングを利用することができる。

パウチは、上部において、または上部近傍で穿孔することができ、または、材料の吐出に干渉する可能性のある内部真空を回避することができるように、または、蒸気を排出するために、剥離要素を除去して材料を排出することができる。

パウチは、レーザが向けられているパウチ材料を切除し、溶融し、焼き、または、別様に変えるレーザ等のエネルギービームによって、非接触式で切断することができる。

パウチは、薄い材料（例えば、プラスチックまたは箔）を局所的に（または、全体的に）組み込むことにより、引き裂き可能にまたは貫通可能に形成してもよい。引き裂きを始めることを可能にするためのノッチ、ミシン目または他のきずを含むパウチは、パウチの適切な部分を掴むことによって開封することができ、すなわち、パウチを引き裂く場合、動きを阻止し、および引き裂きのためのガイドを与えるように、パウチの近くの部分を押さえて（例えば、外部クランプによってクランプして）、それによって、その軌跡を制御してもよい。

（特に、大容量の食品調理システム用の）パウチは、材料を出すことを可能にするために、（透過性でない限り）必要に応じて、切断され／引き裂かれて開封される区画を備えた連続ベルトの形態にすることができる。

パウチは、余分な液体の排出を容易にし、および表面領域の接触を少なくして、材料を、より容易に引張り出すことを可能にする（例えば、垂直方向の）内部リブ、または、他の突出部またはテクスチャーを有することができる。

柔らかい材料が入っているパウチは、箱詰めにすることができ、または、包装後に材料が潰れるのを防ぐ別の構造内に挿入することができる。排気されないパウチの場合、パウチが枕のように膨らんで、（いくつかのポテトチップスの包装と同様の）圧縮抵抗および内部の材料のための保護をもたらすように、そのパウチには、空気（または、改質雰囲気）を充填することができる。真空シールすべきデリケートな材料を有するパウチは、シーリングプロセス中の材料の潰れまたは歪みを阻止する内部（または外部の）支持体を用いることができる。また、その代わりに、このような材料は、真空の代わりに改質雰囲気を用いて包装してもよい。

パウチは、平らである必要はなく、また、使用時には（例えば、材料を所要量供給している間は）、円筒形状または他の形状に湾曲してもよい。パウチは、可撓性でフレキシブルな材料で全体が形成されなくてもよいが、少なくとも一部は、より固い材料で形成してもよい。

いくつかの材料は、それらのディスペンシングを容易にする方法で、パウチ内に詰め込んでもよい。例えば、ピザの周りに分散させるスライスしたマッシュルームは、スライスが、他のスライスに重なるように移動できないように、単一の層（それは、真空パックすることができ、または、外部包装、例えば、厚紙の中に閉じ込めることができる）を受け入れる厚みを越えて膨張できるようになってはいないパウチ内の単一の層内に詰め込んでもよい。そして、パウチが（例えば、その縁部で）開封され、およびそのパウチが膨張するのを適切に抑制されている場合（一旦、開封されると、もはや真空は閉じ込められないため）、スライスを制御された方法で（パウチ壁部に沿って側方に滑る）押出すことができる。

いくつかの実施形態においては、図１６のようなツールをパウチ内部で用いてもよい。このようなツールは、ガードを備えていてもよく、または、パウチは、ツールが移動するにつれて（例えば、真空によって）そのツールから遠ざけてもよい。その結果、パウチ内での泡立て、混合等を実行することができる。

上記システムは、材料の鮮度および状態を監視し、およびすぐにだめになりそうな材料を使い切るレシピを提案して（または、それらのレシピが、無作為に／循環ベースで自動的に調理される場合には、そのようなレシピを優先させて）、食品廃棄物を最小限にすることができる。

混合、混練、ホイッピング等用のブレード／ツールは、折り畳み式／平坦化可能にすることができ、およびばねを用いて、または、直接的な操作により、遠心力で膨張することができる。ツールが大よそ平らに潰れる可能性がある場合には、例えば、処理済みの材料からツールが引き出されたすぐ後に、およびツールが依然としてパウチ内にある間に、例えば、柔らかいゴムローラをツール上で転動させることにより、より少ない材料廃棄で、ツールを容易にクリーニングすることができる。ばねですぐに開くようにデザインされている場合には、一旦、ツールがパウチから取り除かれると、ツールは、吹き付け、浸漬等によってクリーニングすることができる。これより先に、ツール上を進行しているローラの動作は、ツールをクリーニングするのを補助することができる。別法として、パウチまたは容器の高さが十分である場合には、一旦、ツールが材料から引き出された後に（および依然としてパウチまたは容器内にあるときに）、ツールを非常に高速で作動させることは、ツールを少なくとも部分的にクリーニングすることになり、およびツール上にあった材料をパウチまたは容器へ戻すことになる。

パウチは、材料を放出するために、めくり返す（裏返す）ことができる。

いくつかの実施形態においては、パウチチェーンを構成するストリップを、ディスペンサ内のローラまたはスプール上で回収するのではなく、ストリップは、下のサプライケースに戻されるか、または、ディスペンサの上で回収される。いくつかの実施形態においては、必要に応じて、潜在的な取り散らかしを少なくするために、既に剥がされているストリップを一緒にシーリングすることを行ってもよい。

ストリップがローラまたはスプール上に回収される前に、水洗浄、真空ピックアップ、ドライヤーおよびその他のインライン洗浄法を用いてもよい。このような方法は、ストリップから落ちてボウルに入っている残留物を排除するのを補助することができる。

パウチ／パウチチェーン内での材料の隔離により、所定の自動販売システムは、アレルギーや宗教上の食事規定等の特定の食べ物に関する要件の有無に関わらず、顧客に対応することができる。例えば、単一のシステムは、コーシャーチキンのピーナッツソースが入ったボウルならびに豚肉の入ったボウルを、ナッツアレルギーの有る顧客に出すことができるであろう。

ボウルロボットおよび他のシステムは、「箱の中のレストラン（ｒｅｓｔａｕｒａｎｔ ｉｎ ａ ｂｏｘ）」として見ることができ、およびレシピの指示に関する別のセットおよび必要に応じて、異なる材料を単に受け取ることにより、ボウルロボットが供給するレシピや料理の種類さえも変更することができる。このような変更は、頻繁に（日常的に）行うことができる。

パウチは、他のパウチの中にあってもよい。外側のパウチは、（例えば、穴、押出しノズルまたはスプレーノズルを介して）内側のパウチの内容物を所要量供給するために加圧することができる。

剥離可能なシールは、処理中の破裂、または、（パウチチェーンが、サプライケース内で折り畳まれている場合の）上側の他のパウチの重量による破裂のリスクを少なくするために、幅広に形成してもよい。また、一方が通常よりも早く破裂した場合に、特に、内部パウチの容積が、内側のシールの不具合によって大きくなっている場合に、他方がパウチを密封し続けるように、剥離可能なシールを多重冗長的に形成してもよい（例えば、一方が他方の外側にある２つのシール）。側部のシールの破裂は、通常、上部または底部のシールの破裂よりも問題をはらんでいるため、側部のシールは、上部および底部のシールよりも強度を強くして（例えば、より幅広に、二重に）形成することができ、これは、上部または底部の破裂は、単に、隣接するパウチの内容物を混ぜることを可能にするだけで、チェーンの外部への漏出を引き起こさないからである。側部のシールは、剥離方向に対して直角であるため、剥がすのが比較的容易であり、剥離不可能な強力なシールを形成することができる。いくつかの実施形態においては、剥離可能な側部のシールに加えて、および剥離可能な側部のシールの外側に、剥離不可能な強力なシールを形成してもよい。その場合、一旦、チェーンがサプライケースから出ると、およびストリップがディスペンサ内で剥離される前に、それらの余分なシールを（例えば、チェーンを２つのナイフブレードの傍を横切らせることにより）切り離すことができ、すなわち、このことは、連続的なプロセスとして行うことができ、また、内側の剥離可能なシールが材料を保持しているため、カッティングツールが汚れないままの状態となる。

パウチチェーンには、グラフィック要素を付けてもよく、また、パウチチェーンは、人が読めるコード、バーコード、「ＱＲコード」、ＮＦＣまたはＲＦＩＤデバイスによって識別してもよい。識別は、チェーン全体のレベルで、または、個々のパウチのレベルで行うことができ、およびこのようなデータを、材料、包装された日付、「賞味期限の日付」、ロット番号、使用した包装設備等として含むことができる。識別データは、適切なチェーンが適切なディスペンサに装填されているか否か、材料の期限が切れているか否か等を判断するための適当なセンサを用いて、ボウルロボットが読み取ることができる。また、真空包装されたパウチが穿孔されて、もはや真空包装されていないか否か、または、真空包装されていないパウチから水分が漏れているか否かを判断するためのセンサを設けてもよい。この判断は、チェーンをサプライケースに載せている間に実行してもよいが、ボウルロボット内で実行してもよい。使用すべきではないパウチがボウルロボット内で検知された場合は、欠陥の有る材料を受け入れるのに使用される標準的なボウル（または、専用ボウル）を、ベルトコンベアに（キャリヤに）追加して、その後、廃棄することができ、すなわち、このことは、結果を確認することなく、パウチチェーンが、剥離を介して次のパウチに進むことを可能にしている。

（例えば、サプライケース内で）ジグザグ状に折り畳まれたパウチは、チェーンの長さに沿って、パウチ間に空きスペースを有しているはずであるため、すべての折り畳み体は、互いに平行に載せることができる。シェブロン形状のシールが、パウチの上部に用いられ、およびパウチがいっぱいになっていない場合には、シェブロン形状のシールの領域が、このスペースを形成することができる。折り重ねられたパウチは、上方の折り畳み体（水平方向に折り重ねられていると仮定する）の重量が、下方のパウチを過剰に圧縮しないように、および剥離可能なシールを破裂させるリスクを生じないように、（例えば、サプライケース内で）棚によって支持することができ、すなわち、それらの棚は、ばねで付勢して、チェーンが引き出される際に、邪魔にならないように上方へ跳ね上げることができる。

パウチは、材料をより新鮮に保つために、酸素吸収材料を含むことができ、すなわち、その材料は、パウチの内部に保持することができ、または、パウチを構成する材料に付着させて、それらの材料が食材とともに供給される可能性を回避することができる。

パウチチェーンは、他のパウチチェーンに接合することができ、（かなり少ないパウチを含む）短すぎると思われるチェーンを、次のチェーンがボウルロボットに設置される前に、見込まれるニーズを満たすために、長くすることができるようになっている。接合は、テープ、ヒートシーリング等を用いて実現することができ、および新たに接合されたチェーンのパウチではなく、現在のチェーンのパウチが先に使用されるように（前者のチェーンのパウチの材料が、より新鮮であると仮定する）、現在のチェーンの最後尾で実行することができる。チェーンが折り畳まれている場合、折り畳みは、その最後尾が利用可能な状態のままであるように行うことができる。チェーンがスプール上で転動されると、最後尾（スプール上に最小半径を有する最後尾）の反対側の端部に新たなチェーンを接合することができ、その後、巻取りの内側ではなく外側に最後尾を残す巻取りプロセスを介して、そのチェーンを（例えば、別のサプライケース内の）別のスプールに迅速に移すことができる。

いくつかの実施形態において、パウチチェーンは、剥離可能なシールを用いて、２つのストリップに分割されない。より正確に言えば、パウチは、（例えば、剥離可能な、および必要に応じて、再密封可能な）シールがいくつかの（例えば、３つの）側部にあるフラップを備えている。これらのシールを開封すると、（チェーンの任意の所望の位置および方向で）材料を所要量供給できるようになっており、およびパウチをチェーンに付着したままの状態にできるようになっている。再密封可能なシールは、パウチを、材料の供給後に閉じて、残りの材料を内部に保持できるようになっている。

いくつかの実施形態において、パウチチェーンは、一つの縁部だけに沿って互いに接続され、それらを、２つのストリップを完全に剥離することによって開封するのではなく、反対側の縁部に沿って開封できるようになっている。

水の密度は、温度および純度の関数であるため、いくつかの実施形態において、パウチチェーンは、さまざまな温度ゾーンが垂直軸に沿って設けられている冷蔵槽に浸けることができ、すなわち、垂直な勾配を、底部が氷点下になっており、および上部が冷却され、または温かくなっているタンク内に確立することができる。例えば、底部の濃い塩水は、氷点下の温度まで冷却することができ、一方、底部の濃い塩水より上の純水は、氷点より上の温度にすることができ、純水より上の水は、依然として温めることができる。それらの層間の混合を最小限にするために、ブラシ等の構造を、大だる内で用いることができる。レイノルズ数を小さくするために、増粘剤を水に添加してもよい。このような設定の場合、パウチチェーンをタンクからゆっくり引き出すことが可能であり、およびパウチがタンクから出てくる時間までには、その内容物が解凍されて、さらには温められて食べ物を出す準備ができるように、パウチを冷凍状態から徐々に温めることが可能である。

材料をパウチから所要量供給するのではない、いくつかの実施形態において、材料は、その端部が上方に向いており、および材料が端部から落ちるように材料を上昇させるピストンが備えられている（例えば、円筒形の）チューブから所要量供給される。別法として、「Ｕ」または「Ｊ」の逆さ文字のように形成されたチューブを用いることができ、その結果、ピストンによって上方へ押された材料は、落ちる際に下方へガイドされる。

材料を押し潰してジュースを作ること、材料を混ぜ、撹拌し、または泡立てるパウチの揺動、振動、遠心分離または遊星混合、一つの材料を別の材料でコーティングすること、または、一つの材料に別の材料をまぶすこと等の、閉じているパウチに対するパウチ内プロセスを実施してもよい。このようなプロセスは、元々、所定の材料が入っているパウチ内で、または、一つ以上の材料が既にその中に移されているパウチ内で実行することができる。例えば、卵は泡立てることができ、鶏むね肉は、パン粉でコーティングすることができ、また、サラダドレッシングは、（オイル、食用酢、（パウチ内に既に入っているであろう）みじん切りのエシャロット、塩、コショウおよびからし等の材料をパウチに添加した後、そのパウチを勢いよく揺動／振動させることによって）すべてパウチ内で作ってもよい。

制御部
本願明細書に記載されている上記装置の制御および上記方法およびステップの実施は、制御部または制御システムを一緒に構成するハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを用いて実現することができる。「ハードウェア」という用語は、一つ以上の汎用コンピュータまたは特殊用途コンピュータ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックコントローラ（ＰＬＣ）、プログラマブルオートメーションコントローラ（ＰＡＣ）、組み込みコントローラ、または、他の種類のプロセッサを指すものとし、これらのうちのいずれかは、スタティックＲＡＭまたはダイナミックＲＡＭ（ランダムアクセスメモリ）、ＲＯＭ（読み出し専用メモリ）等の不揮発性メモリ、ＥＰＲＯＭ（消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ）、またはフラッシュメモリ、ハードドライブ等の磁気メモリ、ＣＤ（コンパクトディスク）またはＤＶＤ（ディジタル多用途ディスク）等の光学記憶媒体等のメモリ能力を備えていてもよい。また、その用語は、ＰＡＬ（プログラマブルアレイロジック）素子、ＡＳＩＣ（特定用途向け集積回路）、ＦＰＧＡ（フィールドプログラマブルゲートアレイ）を指し、または、電子信号を処理し、およびコントロールすることが可能な何らかの素子を指す可能性もある。

「ソフトウェア」という用語は、大容量記憶装置、ファームウェア等々からロードされた、記憶装置内に保持されているプログラムを指すものとする。プログラムは、Ｃ、Ｃ＃、Ｃ＋＋、Ｊａｖａ（登録商標）、パイソン、ＰＨＰ、ＪａｖａＳｃｒｉｐｔ（登録商標）、ＬａｂＶＩＥＷ、ＭＡＴＬＡＢ、または、構造化言語、手続き型言語およびオブジェクト指向プログラミング言語を含む他の何らかのプログラミング言語またはスクリプト言語、アセンブリ言語、ハードウェア記述言語、およびマシン語等のプログラミング言語またはスクリプト言語を用いて生成することができ、これらのうちのいくつかは、コンパイルまたは翻訳して、前記ハードウェアとともに用いることができる。

上記制御システムは、本願明細書に記載されている方法およびステップを実施することができる装置を自動化または半自動化するために、ファイルをロードし、計算を実行し、ファイルを出力し、モータ、ボイスコイル、ソレノイド、ファンおよびヒータ等のアクチュエータを制御し、およびセンサからデータを取得するように機能することができる。人またはセンサの入力の結果として、方法の実施および装置または制御システムの挙動の変更を必要とする可能性の有る任意の一連のステップを含む、本願明細書に記載されている各方法、ならびにそのような方法の組合せは、制御システムにより、制御システムに組み込まれたプログラムまたはコードを実行することによって実施および実行することができる。いくつかの実施形態においては、複数の制御システムを採用してもよく、制御システムの機能の部分は、ハードウェアおよび／またはソフトウェアの複数の断片にわたって分散させてもよく、または、一片のソフトウェアを走らせるハードウェアの単一の部材に結合してもよい。

用語
「材料」または「複数の材料」という用語は、消費される物品の調理中に使用される一つ以上の別個の食用の食料品を指し、また、「食品製品」または「複数の食品製品」という用語は、消費される準備ができている一つ以上の食用の食料品を指す。これらの言い回しの単数形および複数形はともに置換え可能であると見なすことができ、また、これらの言い回し自体は、本願明細書において、常に厳密に適用されるとは限らず、および少なくともいくつかの状況においては、置換え可能であると見なしてもよい。

「パウチ」という用語は、一般的には、ポリマーおよび／または金属等のフィルム状の一つ以上の材料で構成されたフレキシブルパッケージを指すが、場合により、より硬いものを含む他の容器を指すと理解してもよい。

「容器（ｖｅｓｓｅｌ）」という用語は、一般的に、保管、処理引き渡し／展示／消費等の目的で、材料／食品製品を保持することができる容器を指し、および多くの場合、同様の機能を有する他の容器と置換え可能である。

「皿」という用語は、一般的に、食べ物を出し、または食べまたは飲むための、ボウル、プレート、カップ、マグカップおよびグラス等のレセプタクルまたは容器を指す。

「食事」という用語は、一般に、場合により、さまざまな種類の処理を伴う、消費のために引き渡される一つ以上の食料品を指す。

「最も近い（ｐｒｏｘｉｍａｔｅ）」または「に近接して（ｉｎ ｐｒｏｘｉｍｉｔｙ ｔｏ）」という用語は、一般に、所要の機能的目的を実現するのに十分に近いことを指し、例えば、ディスペンサまたはディスペンシングシステムの文脈においては、典型的なパウチの寸法に相当する距離、およびより好ましくは、より小さな距離の範囲内での距離を指す。

限定するものではないが、「約」、「かなりの」または「実質的に」等の近似に関する言葉は、本願明細書で用いる場合、そのように変更された場合に、必ずしも絶対的または完全であるとは理解されないが、当業者には、存在しているような状態を示していることを保証するのに十分に近いと考えられるであろう状態を指す。記述が変わる可能性がある程度は、どれほど大きな変化が起きる可能性があるか、およびどれほど大きな変化が、依然として当業者に、変更されていない形状構成の所要の特徴および能力を依然として有しているように、変更された特徴を認識させるかに依存するであろう。

全般
この出願における図面は、必ずしも縮尺通りにはなっていない。

動作は、相対的なものと見なす。したがって、物体Ａが、休止している物体Ｂに対して移動する場合、休止している物体Ａに対して移動する物体Ｂの等価な効果も、本開示では意図されている。

本願明細書に記載されている特定の実施形態が、本開示の限定としてではなく、例示として示されていることは理解されるであろう。この開示の主な形状構成は、本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな実施形態で採用することができる。当業者は、わずかな所定の実験を用いて、本願明細書に記載されている具体的な処理手順に関する多くの等価物を正しく認識し、または確認することができるであろう。そのような等価物は、この開示の範囲内に入ると考えられ、およびクレームによってカバーされる。

本願明細書に記載されている本発明の態様が、一旦、書かれたそのような独立クレームに明確に記載されている場合を除いた解釈または説明のために、本願明細書に記載されている他の実施形態または態様から、追加的な限定または要素を持ち込む必要性を伴うことなく、出願人が信じている十分で完全な発明の記述が独立クレームとして記載されている可能性があるように本出願人が意図する独立した発明の記述を表していることが意図されている。また、本願明細書に記載されている態様の何らかの変形例が、書いておかなければならない、個別の独立クレームを構成することができる、独立クレームに個別に追加できる、または、それぞれの従属クレームによってクレームされる発明をさらに定義するための従属クレームとして追加できる個別の形状構成および独立した形状構成を表していることも理解されたい。

本願明細書における教示に照らして、多くのさらなる実施形態、本発明の実施形態の構造および用途の代替例は、当業者には明らかであろう。したがって、本発明が、上述されている特定の例示的な実施形態、代替例および用途に限定されることは意図されておらず、それどころか、本発明が単に、後述されているクレームによって限定されることは意図されていない。

２００、２３６、２４８、２５８、２６４、３０２、３５８、３８０、４７４、４８４、６２４、６６２、７００、７６２、７７１、８１７、９１１ パウチ
２０２、２０４ 壁部
２０６ 上部シール
２０８ 底部シール
２１０ 側部シール
２１２ バーコード
２１６、５４８ ワイヤ
２１８ 支持レール
２２２ タブ
２２４ 内部こし器
２２６ 内部膜、穴の開いていない膜
２２８、４０２、４０８ 穴
２３０ 噴射ノズル
２３２ 押出しノズル
２３４、２３８、２５４、７０４ ノズル
２４０ シール
２４２ 空洞
２４４ 内部シール
２４６ ライン
２５０、２５２、９２０ パウチ壁部
２５６ 膜
２６０ こし器
２６６ プラグ
２６８ 穴の開いている膜
２７４ 上部グリッパーキャリッジ
２７６ 上部グリッパー
２７８ Ｃ字状外側スロット
２７９、５３８ ディスク
２８０ 外側ベルト
２８１ アイドラーローラ
２８２ ローラキャリッジ
２８４ ローラ支持棒、支持体
２８６、２９４ スロット
２８８ 内側ベルト
２９０ 駆動プーリー
２９２ 領域
２９６、３３２、４９８ カッター
２９８ 平坦部
３００、３２６、３５０、３８４、４７８、７２４ ローラ
３０８ 底部グリッパー
３２４ グリッパー
３４４ 回転
３４６ 平行移動
３４８ 内部プッシャー
３５１、３９０、４１８、４７６、４９６、６１２、６４６、６５４、６５８、６６０、８０２、９４０ａ 材料
３６０、３７２ サイドグリッパー
３６４、３６４ａ、３６４ｂ 材料片
３７４、３７４ａ 区画
３７６ 垂直シール
３７８ 水平シール
３８２ 区域
３８８ タブ型容器
３９２、４１６、８９０ 蓋
３９４、４１０、４４６、５１４、５８８、６４０ ベース
３９６ 凹状内側面
３９８ 真空部、真空流路、ポート
４００、４１２、４３０、４３２、４４８、４５８、４８０、５１２、５８６、６４２、６４２ａ、６４２ｂ、６７８ ライナー
４０１ 内側面
４０３ 外側面
４０４、４５０、６８８ リング
４０５、９２５ 縁部
４０６、８９２ Ｏリング
４０７ 面
４０９ ギャップ
４１４、６８６ リム
４２０ ヒータブロック
４２２、６４２ｃ、６７８ 下方ライナー
４２４、６６４ 下方ベース
４２６、６４２ｄ、６７６ 上方ライナー
４２８、６６２ 上方ベース
４３４ 下方リング
４３６ 上方リング
４５２、６７２、６７４、７２８ 凹部
４５４ 真空チャネル
４６０ 縁
４６２ プレート形ライナー
４６４ 給仕リム
４６６ 止め具
４６８ 上面
４７０ ボウル形ライナー
４７２ 給仕用支持体
４７５ 液体
４８２、８１８ スタック
４８６ 個々のスライス
４８８ プッシングツール、クリーニングツール
４９０、５００ スライス
５０６ 裏当てプレート、ツール
５０８、８４８ 支持体
５１０、７３０ ロッド
５１６、５７８ キャップ
５１８、５７０、８９５ モータ
５２０、５２７、５３２、５３６、５４２、５４６、６０８、８３４、９０８ シャフト
５２２ ベアリング
５２６、５３０、５３４、５４０、８６６ ブレード
５４４ 擦り縁部
５５０、５９２ クリーニングステーション
５５２、５９８ タンク
５５４ クリーニング溶液
５５６ インレット
５５８ アウトレット
５６０ スプレーノズル
５６２ エアノズル
５６４ ウィンドウ
５６６ 光源
５６８ トランスデューサ
５７２ カプラ
５７４ ピックアップ
５７６、６２８、６３４、７４６ キャリッジ
５８０ 野菜刻み器
５８２ 泡立て器
５８４ ツール保管エリア
５９０ クリーニングタンク
６０４ａ、６０４ｂ パドル
６０６ エラストマー縁部
６１０、８８６ 容器
６１８、６１９ 冷凍
６２０、６２１ 冷蔵、コンテナ保管エリア
６２２、６２３ 室温
６２５、６５６ コンテナ
６２６、６３２ Ｘステージ
６３０ パウチマニピュレータ
６３６、６３８ システム
６４４ 供給部、スタック
６４６ ライナーマニピュレータ
６４８ 電子レンジおよび／またはＲＦオーブン、泡立て／ホイッピングツール、チャンバ
６５０ Ｙ軸キャリッジ
６５２ Ｙステージ
６６６、７２９ ヒンジ
６７０ スライドラッチ
６８０ 軸
６９０ 局所ヒータ
６９２ ホール
６９４ ノッチ
６９６ 刻みライン
６９８ 残留部分
７０２ 漏斗形状
７０８ 永続的シール
７１０ 切断線
７１２ 一時的なシール
７１４ 外側穴
７１５ 補強領域
７１６ ライナー穴
７１８ プリントヘッド
７２０ プレート
７２２、７６４ ピン
７２４ 剥離不可能／剥離可能なシール
７２５ 回転軸受
７２６ ノズルケーシング、上縁部
７３２ リニア軸受
７３６ 湾曲部
７３８、７５５ フレーム
７４０ リニアエンコーダ
７４４ 読取ヘッド
７４８ レール
７５０ リニアアクチュエータ
７５２ Ｘ軸
７５４ Ｙ軸
７５６ プラットフォーム
７５８ 構成面のスタック
７６０ パウチハンガー
７６６ ざぐり穴
７６８ 食品製品
７７０ 剥離可能なシール
７７２ 下方縁部／フラップ
７７４、７７６、８７８ シールバー
７７８、７８０ 真空マニホールド
７８２ 真空カップ
７８４、７８６ ダイ
７８８、７９０ 包装フィルム、ストリップ
７９２ 供給ローラ
７９４ フィードローラ
８００ 第１のパウチ
８０４ 第２のシール
８０８ 第３のシール
８１１、８１１ａ、８１１ｂ、８１１ｃ、８１１ｄ ディスペンサ
８１２ ボウル
８１３ エンクロージャ
８１４ キャリヤ
８１６、８５８ ベルト
８２０ オーブン
８２１ 蓋閉めステーション
８２２ 引渡しボックス
８２４ オフローダ
８３０ サプライケース
８３２ スプール
８３６ キャスター
８３８ 固いプレート
８４０ 隔壁
８４２ スロット
８４５ 磁気カプラ
８５０ 剥離ローラ
８５４ 巻取ローラ
８６０ａ、８６０ｂ スキージー
８６７ 薄い下方エッジ
８６８ エアナイフまたはウォータージェット
８７２ センサ
８７４ 膨らんでいるパウチ
８７６ プーリー
８８２ プレナム
８８４ ポート
８８８ 皿
８９１ 蓋枢動サブアセンブリ
８９３ 第１の枢軸
８９４ 容器シャフト
８９８ ブラケット
９００ 第２の枢軸
９０２ 材料カルーセル
９０４ ロータ
９０６ ステータ
９１０ 外殻
９１２ 中心コア
９１４ 上縁部
９１６ 底縁部
９１８ 内部ばね、板ばね
９２２ 磁石
９２８ 上方スロット、ステータスロット
９３０ 下方スロット、ステータスロット
９３２ 内部リッジ
９３４ フック
９３６ 冷却ユニット
９４０ｂ 調理済みの食べ物

Claims (27)

1. 少なくとも一つの密封されたフレキシブルパッケージ内の少なくとも一つの食品材料をレセプタクルへ自動的に移す方法であって、
   （ａ）材料ディスペンシング手段を提供することであって、該ディスペンシング手段が、前記少なくとも一つのパッケージを開封するためのアクチュエータが作動する機械化された手段を備えることと、
   （ｂ）前記少なくとも一つのフレキシブルパッケージを開封するように、前記機械化された手段を自動的に作動させることと、
   を含み、前記少なくとも一つの食品材料は、前記開封されたパッケージから前記レセプタクルへ実質的に所要量供給される方法。
2. 少なくとも一つの食品材料が入っている、少なくとも一つの密封されたフレキシブルパッケージに、一時的な保管場所を与えることをさらに含む、請求項１に記載の方法。
3. アクチュエータに、前記少なくとも一つの密封されたパッケージを、前記一時的な保管場所から、前記レセプタクルにより近い場所へ搬送するための機械的手段を作動させることをさらに含む、請求項２に記載の方法。
4. 圧縮手段を提供することと、前記少なくとも一つの材料を所要量供給するのを支援するために、前記少なくとも一つのパッケージを圧縮するように該圧縮手段を作動させることとをさらに含む、請求項１に記載の方法。
5. ブレードを提供することと、前記少なくとも一つの材料を所要量供給するのを支援するために、前記パッケージの少なくとも一部が、該ブレードの縁部の周りで動かされるように、該ブレードと該パッケージを相対的に動かすこととをさらに含む、請求項１に記載の方法。
6. 前記パッケージが、少なくとも二つの側部を有し、前記開封する手段が、該パッケージの少なくとも一方の側部を掴む把持手段と、該パッケージの該少なくとも一方の側部を、該パッケージの別の側部から剥離する剥離手段とを備える、請求項１に記載の方法。
7. 少なくとも一つのシールを有するフレキシブルパッケージに入っている食品材料をレセプタクルに移す方法であって、
   （ａ）材料ディスペンサを前記レセプタクルに近接して設けることと、
   （ｂ）前記フレキシブルパッケージを前記ディスペンサまで搬送することと、
   （ｃ）前記フレキシブルパッケージの前記少なくとも一つのシールを開封することと、
   を含み、前記食品材料は、前記フレキシブルパッケージから前記レセプタクルに所要量供給される方法。
8. 前記材料を絞り出すのを補助するように、前記パッケージを圧縮することをさらに含む、請求項７に記載の方法。
9. エッジを有するブレードを提供することと、前記パッケージの一部を、該エッジの周りで引張ることとをさらに含む、請求項７に記載の方法。
10. 食品材料をパッケージから所要量供給する方法であって、
    （ａ）食品材料が入っている密封されたパッケージを提供することであって、該パッケージは、内側面が互いに対向し、および該内側面の少なくとも一部が前記材料に接触している該内側面および外側面を各部分が有している左側の部分および右側の部分に分けられた少なくとも一つのフレキシブルフィルムを備え、該部分は、前記少なくとも一つの材料を収容する少なくとも一つのキャビティを形成するように互いにシールされ、および該少なくとも一つの材料に隣接して、シーリングは、少なくとも一つの開封可能なシールを備えることと、
    （ｂ）下方エッジと、手前側と、向こう側とを有する少なくとも一つのブレードを提供することと、
    （ｃ）前記部分の一方の下方領域の外側面を、前記手前側に隣接して、および前記少なくとも一つのブレードの前記下方エッジの周りに通して、該部分の該下方領域の向きを、該少なくとも一つのブレードの該手前側の領域の方向とは異なる方向における前記向こう側へ向け直すことと、
    （ｄ）前記部分の前記向こう側の前記下方領域に張力を印加して、前記少なくとも一つのブレードに対して前記パッケージを下げながら、該下方領域を前記エッジの周りで引張ることと、
    を含み、前記シールが開封されて、前記材料の少なくとも一部が供給される方法。
11. 前記少なくとも一つの開封可能なシールは、前記部分を、前記少なくとも一つの材料の前記側部の少なくとも一部の周辺に、ならびに前記少なくとも一つの材料の下に接合し、前記方法は、前記少なくとも一つの材料の前記側部の前記部分を少なくとも部分的に分離するために、前記縁部の周辺の前記下方領域を十分に引張ることをさらに含む、請求項１０に記載の方法。
12. 前記縁部の周辺の前記下方領域を引張り続けて、前記部分をさらに分離することをさらに含み、前記部分の前記内側面に付着している前記材料の少なくともある程度は、該内側面から取り外される、請求項１０に記載の方法。
13. 前記材料の少なくともある程度は、前記材料の実質的にすべてを含む、請求項１２に記載の方法。
14. （ａ）下方エッジと、手前側と、向こう側とを有する少なくとも一つの第２のブレードを設けることと、
    （ｂ）前記手前側に隣接して、および前記少なくとも一つの第２のブレードの前記下方エッジの周りに、前記他方の部分の下方領域の外側面を通して、前記他方の部分の前記下方領域の向きを、前記少なくとも一つの第２のブレードの前記手前側の前記領域の向きとは異なる方向において、前記向こう側に向け直すことと、
    （ｃ）前記他方の部分の前記向こう側の前記下方領域に張力を印加して、前記少なくとも一つの第２のブレードに対して前記パッケージを下げながら、該少なくとも一つの第２のブレードの前記エッジの周辺で前記他方の部分の前記下方領域を引張ることと、
    をさらに含み、前記シールが開封されて、前記材料の少なくとも一部が供給される、請求項１０に記載の方法。
15. 食品材料をパッケージから所要量供給する方法であって、
    （ａ）食品材料が入っている密封されたパッケージを提供することであって、該パッケージは、内側面が互いに対向し、および該内側面の少なくとも一部が前記材料に接触している該内側面および外側面を各部分が有している左側の部分および右側の部分に分けられた少なくとも一つのフレキシブルフィルムを備え、該部分は、前記少なくとも一つの材料を収容する少なくとも一つのキャビティを形成するように互いにシールされ、および該少なくとも一つの材料に隣接して、シーリングは、少なくとも一つの開封可能なシールを備えることと、
    （ｂ）第１の機械化された把握手段を用いて、前記左側の部分の下方領域を掴むことと、
    （ｃ）第２の機械化された把握手段を用いて、前記右側の部分の下方領域を掴むことと、
    （ｄ）前記左側の部分の前記下方領域を、前記右側の部分の前記下方領域から分離することと、
    を含み、前記シールが開封されて、前記材料の少なくとも一部が供給される方法。
16. 食品をレセプタクル内に所要量供給するように、フレキシブルパッケージを操作する方法であって、
    （ａ）少なくとも一つの材料が中に密封されて入っているフレキシブルパッケージを、フレキシブルパッケージハンドラーに供給することと、
    （ｂ）前記フレキシブルパッケージハンドラーを作動させて、前記密封されたフレキシブルパッケージを、フレキシブルパッケージディスペンシング位置へ移動させることと、
    （ｃ）前記ディスペンシング位置に対する所望の下方位置にレセプタクルを設けることと、
    （ｄ）前記フレキシブルパッケージを所定量開封し、および前記少なくとも一つの材料を前記容器内に所要量供給する手段を含むディスペンシング手段を作動させることと、
    を含む方法。
17. 前記パッケージを圧縮して、前記材料を放出することをさらに含む、請求項１６に記載の方法。
18. 自動化された食品調理用システムであって、
    （ａ）各々に少なくとも一つの材料が入っている複数のパウチを保管する保管手段と、
    （ｂ）前記パッケージを保持する把握手段と、
    （ｃ）前記パッケージをディスペンシング位置へ輸送する輸送手段と、
    （ｄ）前記ディスペンシング位置で前記パッケージを開封し、および前記少なくとも一つの材料を、該少なくとも一つの材料を受け入れるように構成されたレセプタクルに所要量供給するディスペンシング手段と、
    を備えるシステム。
19. 前記ディスペンシング手段は、前記パッケージを押し潰すことができる少なくとも一つの要素を備える、請求項１８に記載のシステム。
20. 材料をフレキシブルパッケージからレセプタクルに所要量供給する方法であって、
    （ａ）前記パッケージを開封するように構成されたディスペンサを設けることと、
    （ｂ）前記材料が流動性を有するか否かを判断することと、
    （ｃ）前記パッケージを開封することと、
    （ｄ）前記材料が流動性を有する場合には、前記パッケージを圧縮することと、
    を含み、前記流動性を有する材料が、前記パッケージから前記レセプタクルに所要量供給される方法。
21. 食品材料を伝導加熱または冷却する装置であって、
    （ａ）ベース、および空気の通過用の少なくとも一つのポートを有する第１の面と、
    （ｂ）第２および第３の面を有する一枚の材料であって、該第２の面は、前記ベースの前記第１の面に接触することが可能であり、および空気が前記少なくとも一つのポートを介して実質的に引き出されたときに、該第１の面に適合して、該第１の面および第２の面を密接に接触させることが可能であり、前記第３の面は、前記食品材料に接触することが可能である、一枚の材料と、
    （ｃ）１）加熱、２）冷却、３）冷凍、４）煮沸、５）蒸発および６）脱水から成る群から選択された前記材料をさらに調理する手段と、
    を備える装置。
22. 前記ベースと一体化された少なくとも一つの加熱または冷却要素をさらに備える、請求項２１に記載の装置。
23. 自動化された食品調理システムであって、
    （ａ）各々に少なくとも一つの材料が入っている複数のパウチを保管する手段と、
    （ｂ）少なくとも一つのパウチを機械的に掴んで輸送する手段と、
    （ｃ）機械的に開封して、前記少なくとも一つの材料を、前記少なくとも一つのパウチからレセプタクルに所要量供給する手段と、
    を備えるシステム。
24. 前記少なくとも一つのパウチは複数のパウチを備え、複数の材料が前記レセプタクルに所要量供給される、請求項２３に記載のシステム。
25. 前記パウチを圧縮する手段をさらに備える、請求項２３に記載のシステム。
26. （ｉ）ベース、および空気の通過用の少なくとも一つのポートを有する第１の面と、
    （ｉｉ）第２および第３の面を有する一枚の材料であって、該第２の面は、前記ベースの前記第１の面に接触することが可能であり、および空気が前記少なくとも一つのポートを介して実質的に引き出されたときに、該第１の面に適合して、該第１の面および第２の面を密接に接触させることが可能であり、前記第３の面は、前記食品材料に接触することが可能である、一枚の材料と、
    （ｉｉｉ）１）加熱、２）冷却、３）冷凍、４）煮沸、５）蒸発および６）脱水から成る群から選択された前記材料をさらに調理する手段と、
    をさらに備え、要素（ｉｉｉ）の前記手段のうちの一つは、前記材料をさらに処理するように作動される、請求項１、７、１０、１５、１６および２０のいずれかに記載の方法。
27. （ｉ）ベース、および空気の通過用の少なくとも一つのポートを有する第１の面と、
    （ｉｉ）第２および第３の面を有する一枚の材料であって、該第２の面は、前記ベースの前記第１の面に接触することが可能であり、および空気が前記少なくとも一つのポートを介して実質的に引き出されたときに、該第１の面に適合して、該第１の面および第２の面を密接に接触させることが可能であり、前記第３の面は、前記食品材料に接触することが可能である、一枚の材料と、
    （ｉｉｉ）１）加熱、２）冷却、３）冷凍、４）煮沸、５）蒸発および６）脱水から成る群から選択された前記材料をさらに調理する手段と、
    をさらに備える、請求項１９および２４のいずれかに記載のシステム。

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