JP2020174844A - 過熱蒸気等配膳車 - Google Patents

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Abstract

【課題】配膳車の構造上の問題並びに熱損失の問題を一挙に解消することができ、しかも病院や介護施設における入院患者や入所者といった喫食者の食事満足度を向上させることができる配膳車を提供する。【解決手段】内部にトレイTを多段に収容するトレイ収容室32が設けられ、底部に取り付けられたキャスターで移動自在なカート3と、該カート3全体がそのまま収容されるカート収容室を一体に有し、前記カート3のトレイ収容室32内に所定温度の過熱蒸気等を供給する蒸気供給装置6と所定温度の冷気を供給する冷気供給装置5を有する配膳車本体2を備えており、前記カート3の左右方向から過熱蒸気等を送入する。【選択図】図11

Description

本発明は、病院や介護施設等で給食の際に使用される配膳車であって、料理の加熱手段として過熱蒸気や飽和蒸気を使用するものに関する。
病院や介護施設等においては、給食の際に、各入院患者や各入所者に対して個別に用意された主食、主菜等の各料理が入った食器が載置されたトレイを多段に収容する配膳車が使用されている。
具体的には、下部に走行用車輪を有する再加熱カート(食品搬送車)と再加熱カート内に収容されるインサートカートとを備え、再加熱用カートの長さ中央部分に設置された加熱装置からその両側に収容された前記インサートカート内に温風を送入することで、各インサートカート内に収容されている前記トレイ上の調理済みの料理を再加熱することが行われている。
また、前記インサートカートに多段に収容されたトレイ上の食器に盛られた料理を冷蔵する際には、前記再加熱カートの前後両端部に設置された冷却装置から冷気を送入する構造となっている.
特開2016−195717号公報
前項で述べた再加熱カート(食品搬送車)の場合、加熱装置からインサートカート内に送入される温風、並びに冷却装置からインカートカート内に送入される冷気の供給経路が複雑であり、また熱損失が大きく、ランニングコストがかかるという問題があった。
本発明の目的は、前述した構造上の問題並びに熱損失の問題を一挙に解消することができ、しかも病院や介護施設における入院患者や入所者といった喫食者の食事満足度を向上させることができる過熱蒸気等配膳車を提供することにある。
請求項1記載の本発明は、内部にトレイを多段に収容するトレイ収容室が設けられ、底部に取り付けられたキャスターで移動自在なカートと、該カート全体がそのまま収容されるカート収容室を一体に有し、カートのトレイ収容室内に所定温度の過熱蒸気等を供給する蒸気供給装置と所定温度の冷気を供給する冷気供給装置を有する配膳車本体を備え、カート収容室は、上下壁、左右壁および後壁を有し、前側には前記カートを出し入れするカート出入口部とカート出入口部を塞ぐ本体扉を備えており、カート収容室の左右いずれか一側壁には、カートのトレイ収容室内に前記蒸気供給装置から蒸気を送入する蒸気送入部とトレイ収容室から蒸気を吸入する蒸気吸入部が設けられており、カートのトレイ収容室は、上下壁および左右壁を有し、左右壁のうち、前記カート収容室の蒸気供給装置が設けられた側には、前記蒸気送入部および蒸気吸入部と連通する側壁連通開口部が形成され、側壁連通開口部は開口部扉によって開閉自在となされており、トレイ収容室の前側にはトレイが出し入れされるトレイ出入口部およびトレイ出入口部を開閉する前側カート扉が設けられている過熱蒸気等配膳車である。
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載の過熱蒸気等配膳車について、配膳車本体のカート収容室の蒸気送入部および蒸気吸入部が設けられた側壁に、更に冷気供給装置から冷気を送入する冷気送入部と冷気を吸入する冷気吸入部が設けられ、カートの側壁連通開口部が前記冷気送入部および冷気吸入部とも連通していることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、前記請求項1または請求項2記載の過熱蒸気等配膳車について、配膳車本体のカート収容室の後壁に、冷気供給装置から冷気を送入する冷気送入部と冷気を吸入する冷気吸入部が設けられ、カートのトレイ収容室の後側に前記冷気送入部および前記冷気吸入部と連通する後壁連通開口部および後壁連通開口部を開閉する後側カート扉が設けられているものである。
請求項1記載の本発明に係る過熱蒸気等配膳車は、前述した通り、配膳車本体のカート収容室内にカートが収容された配膳車について、前記カート収容室の左右いずれか一側壁に蒸気供給装置を配設すると共に、その蒸気送入部および蒸気吸入部を設け、またこれに対応してカートの同側壁に前記蒸気送入部および蒸気吸入部と連通する側壁連通開口部を設けて、カートのトレイ収容室に対して、その側方から過熱蒸気を循環させる構造であるため、カート収容室内への蒸気の充満が即座に行え、効率的な加熱処理が可能となる。
また、請求項2記載の本発明に係る過熱蒸気等配膳車は、前記配膳車本体のカート収容室の蒸気送入部および蒸気吸入部が設けられた側壁に、更に冷気供給装置から冷気を送入する冷気送入部と冷気を吸入する冷気吸入部が設けられ、前記カートの側壁連通開口部が前記冷気送入部および冷気吸入部とも連通している構造であるため、冷気についても同様に短時間でカートのトレイ収容室内への充満・循環が可能となり、その結果、配膳車内の運転効率および消費電力性能を向上させることができる。
更に、請求項3記載の本発明に係る過熱蒸気等配膳車は、前記請求項1または請求項2記載の過熱蒸気等配膳車について、配膳車本体のカート収容室の後壁に、冷気供給装置から冷気を送入する冷気送入部と冷気を吸入する冷気吸入部が設けられ、カートのトレイ収容室の後側に前記冷気送入部および前記冷気吸入部と連通する後壁連通開口部および後壁連通開口部を開閉する後側カート扉が設けられている構造であるため、冷気については、カートの後壁連通開口部からも送入・吸入が行え、その結果、カートのトレイ収容室の全体を冷却する場合に、更に短時間で十分な冷却保存が可能となる。
本発明の実施形態に係る配膳車本体の斜視図である。 図1の配膳車本体内にカートを収容した状態の正面図である。 同配膳車本体の本体扉を閉じた状態の正面図である。 同配膳車本体の平面図である。 同配膳車本体の左側面図である。 カートの前側のカート扉を開けた状態の斜視図である。 同カートの左側面図である。 同カートの前側のカート扉を閉めた状態の斜視図である。 同カートの後側のカート扉を開けた状態の斜視図である。 配膳車本体内のカートのトレイ収容室内に冷気が循環する状態を示す垂直断面図である。 配膳車本体内のカートのトレイ収容室内に過熱蒸気が循環する状態を示す垂直断面図である。 配膳車本体内のカートのトレイ収容室内に過熱蒸気と冷気が循環する状態を示す水平断面図である。
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
図1、図2および図10〜図12に示すように、本実施形態に係る過熱蒸気等配膳車1は、内部にトレイTを多段に収容するトレイ収容室32が設けられ、底部に取り付けられたキャスター16で移動自在なカート3と、該カート3全体がそのまま収容されるカート収容室4を一体に有し、前記カート3のトレイ収容室32内に所定温度の過熱蒸気等を供給する蒸気供給装置6と所定温度の冷気を供給する冷気供給装置5を有する配膳車本体2を備えている。
前記カート収容室4は、上下壁7・8、左右壁9・11および後壁12を有し、前側には前記カート3を出し入れするカート出入口部10とカート出入口部10を塞ぐ左右一対の本体扉13を備えており、カート収容室4の左側壁9には、カート3のトレイ収容室32内に前記蒸気供給装置6から蒸気を送入する蒸気送入部36とトレイ収容室32から蒸気を吸入する吸引ファン26を備えた蒸気吸入部37が設けられ、更に前記冷気供給装置5から冷気を送入する冷気送入部51およびカート3のトレイ収容室32から冷気を吸入する冷気吸入部52も形成されている。また、本実施形態では、前記冷気送入部51と冷気供給装置5をつなぐ送入中継ダクト53を介して冷気供給装置5からの冷気がカート3のトレイ収容室32内に送入される一方、前記冷気吸入部52と冷気用吸引ファン(図示せず)をつなぐ吸入中継ダクト54を介してカート3のトレイ収容室32内から冷気が吸入されることとなる。
なお、前記冷気供給装置5は、本実施形態では、配膳車本体2の上部36に設けられ、コンプレッサーCその他の一般的な冷却装備を有し、前記配膳車本体2の上部36には換気口36a・36b等を有する。
また、前記蒸気供給装置6は、本実施形態では、配膳車本体2の左側部34内に設けられ、一般に公知の蒸気発生器6aおよび蒸気温度上昇用の一または複数のコイル状ヒータ19を有するものであって、その温度設定によって、過熱蒸気を供給したり、飽和蒸気を供給し得るものである。
なお、配膳車本体2は、外底面に突設された所要数の脚部15によって支持されており、下壁8には、カート3のキャスター16が進入するキャスター進入用開口部17が形成されている。また、24は冷気や蒸気をカート3のトレイ収容室32内に循環させるためのダクトである。
図6〜図9に示すように、カート3のトレイ収容室32は、上下壁3a・3bおよび左右壁3c・3dを有し、左右壁3c・3dのうち、前記カート収容室4の蒸気供給装置6が設けられた左側壁9に対しては、前記蒸気送入部36および蒸気吸入部37並びに冷気送入部51および冷気吸入部52と連通する側壁連通開口部38が形成され、側壁連通開口部38は前後二枚のスライド自在な開口部扉33A・33Bによって開閉自在となされ、同前側にはトレイTが出し入れされるトレイ出入口部41Aおよびトレイ出入口部41Aを開閉する折曲自在な前側カート扉14Aが設けられており、更に当該カート3の後側には、前記カート収容室4の後壁12側と連通する後壁連通開口部41Bおよび後壁連通開口部41Bを開閉する折曲自在な後側カート扉14Bが設けられている。
また、本実施形態に係るカート3は、その左右幅方向中央部分に、前後方向に伸び、上下方向に列設された多数の仕切壁部材35を備え、これら仕切壁部材35によって、その左側が加熱室となされ、同右側が冷却室となされている。
なお、図6および図9に示すように、前記各仕切壁部材35の両側面上縁には上下に隣り合う仕切壁部材35間に差し込まれるトレイTを支持する平面から見て略半円状のトレイ受板55が必要に応じて設けられる。
また、図12に示すように、本実施形態では、前記配膳車本体2のカート収容室4の後壁12の後側にも冷気の後部送入部22A・22Bと冷気の後部吸入部23A・23B並びに前記冷気の後部送入部22A・22Bと連通する冷気の後部送入ダクト27A・27Bおよび前記冷気の後部吸入部23A・23Bと連通する冷気の後部吸入ダクト28A・28Bが立設されている。そして、これらダクト27A・27B・28A・28Bを介して前記冷気供給装置5並びに冷気用吸引ファン(図示せず)を介してカート収容室4の後壁12においても冷気の循環流が生成され、カート3の後壁連通開口部41Bを通じて前記仕切壁部材35の両側にそれぞれ冷気が供給されるようになされている。なお、図中30は、前記吸引ファン26の通風口を示す。
次に、前述した実施形態に係る過熱蒸気等配膳車1の使用要領について説明すると、図1に記載の配膳車本体2のカート収容室4内に、図2に示すように、先ずカート3を入れるのであるが、この際、図9に示すように、カート3の後側カート扉14Bを開けて、後壁連通開口部41Bが開いた状態にすると共に、図8に示すように、カート3の左側壁3cにおける開口部扉33A・33Bを前後にスライドさせて側壁連通開口部38を開けた状態としておく。
そして、前記カート3内の各トレイT上の食器W1・W2内に調理済の総菜や調理用の食材(図示せず)を入れた後、これら総菜や食材を当該配膳車1内に保存しておく際には、図10および図12に見られるように、配膳車本体2のカート収容室4の左側および後側から冷気供給装置5によって、カート3のトレイ収容室32における側壁連通開口部38および後壁連通開口部41Bから冷気を送入して前記総菜や食材を冷蔵しておく。
なお、本実施形態では、前述した通り、冷気は配膳車本体2のカート収容室4における左側および後側から供給される構造となっているが、後側からの冷気の供給を行わずに、図10および図11に示した冷気送入ダクト51および冷気吸入ダクト52、並びに送入中継ダクト53および吸入中継ダクト54を配膳車本体2の右側壁部分にも設けると共に、カート3における前記側壁連通開口部38も同様に設けて、冷気をカート3のトレイ収容室32の両側から供給する場合もある。
また、前記総菜や食材の冷蔵を終了して所定の配膳時刻に合わせて、総菜や食材を過熱蒸気等で加熱(再加熱を含む)する際には、前記蒸気供給装置6から前記側壁連通開口部38を介してカート3のトレイ収容室32内に過熱蒸気等を送入する。なお、このような蒸気の送入において、蒸気は飽和状態であったり、ヒータ19等による飽和蒸気の加熱によって過熱蒸気の状態となっている。
次に、前述したような総菜や食材の冷却・加熱の後において、配膳を行うにあたっては、図2、図7および図8に示すように、配膳車本体2のカート収容室32内のカート3を引き出して該カート3の前後のカート扉14A・14Bを閉じた状態とし、且つカート3の左側壁3cの開口部扉33A・33Bも閉じた状態として、カート3を移動させるのである。
本発明に係る過熱蒸気等配膳車によれば、前述した通り、効率的な蒸気等の循環供給が可能となるため、幅広い利用が期待できる。
1 過熱蒸気等配膳車
2 配膳車本体
3 カート
4 カート収容室
5 冷気供給装置
6 蒸気供給装置
7 カート収容室の上壁
8 カート収容室の下壁
9 カート収容室の左壁
11 カート収容室の右壁
12 カート収容室の後壁
13 本体扉
14A 前側カート扉
14B 後側カート扉
16 キャスター
19 ヒータ
26 吸引ファン
32 カート収容室
33A・33B 開口部扉
35 仕切壁部材
36 蒸気送入部
37 蒸気吸入部
38 側壁連通開口部
51 冷気送入ダクト
52 冷気吸入ダクト
53 冷気送入中継ダクト
54 冷気吸入中継ダクト

Claims (3)

  1. 内部にトレイを多段に収容するトレイ収容室が設けられ、底部に取り付けられたキャスターで移動自在なカートと、該カート全体がそのまま収容されるカート収容室を一体に有し、カートのトレイ収容室内に所定温度の過熱蒸気等を供給する蒸気供給装置と所定温度の冷気を供給する冷気供給装置を有する配膳車本体を備え、カート収容室は、上下壁、左右壁および後壁を有し、前側には前記カートを出し入れするカート出入口部とカート出入口部を塞ぐ本体扉を備えており、カート収容室の左右いずれか一側壁には、カートのトレイ収容室内に前記蒸気供給装置から蒸気を送入する蒸気送入部とトレイ収容室から蒸気を吸入する蒸気吸入部が設けられており、カートのトレイ収容室は、上下壁および左右壁を有し、左右壁のうち、前記カート収容室の蒸気供給装置が設けられた側には、前記蒸気送入部および蒸気吸入部と連通する側壁連通開口部が形成され、側壁連通開口部は開口部扉によって開閉自在となされており、トレイ収容室の前側にはトレイが出し入れされるトレイ出入口部およびトレイ出入口部を開閉する前側カート扉が設けられている、過熱蒸気等配膳車。
  2. 配膳車本体のカート収容室の蒸気送入部および蒸気吸入部が設けられた側壁に、更に冷気供給装置から冷気を送入する冷気送入部と冷気を吸入する冷気吸入部が設けられ、カートの側壁連通開口部が前記冷気送入部および冷気吸入部とも連通している、請求項1記載の過熱蒸気等配膳車。
  3. 配膳車本体のカート収容室の後壁に、冷気供給装置から冷気を送入する冷気送入部と冷気を吸入する冷気吸入部が設けられ、カートのトレイ収容室の後側に前記冷気送入部および前記冷気吸入部と連通する後壁連通開口部および後壁連通開口部を開閉する後側カート扉が設けられている、請求項1または請求項2記載の過熱蒸気等配膳車。
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