JP2020171880A - フッ化物イオンを除去する水処理方法 - Google Patents

フッ化物イオンを除去する水処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実際の廃水などの被処理水から、フッ化物イオンの除去が安定して行われ、過剰な汚泥の発生を回避しつつ、設備の小型化や、薬剤の使用量の低減ができる水処理方法の提供。【解決手段】フッ素及びマグネシウムを含む原水にアルカリ剤を添加し、生成されるフッ素を取り込んだ懸濁物質を固液分離工程で分離後、懸濁物質由来のスラッジに酸を添加して改質して減容化した後、固液分離したスラッジを除去し、上澄液をアルカリ剤の添加工程に戻して再処理する際に、アルカリ剤添加量COHを2000mg/L未満にし、固液分離工程からの引抜汚泥濃度CSS3を、10000を超えて110000mg/L未満と高くし、スラッジに酸を添加した際の酸添加槽でのスラッジの滞留時間tが30分以上600分以下となる条件で運転する、原水中のフッ化物イオンを除去する水処理方法。【選択図】図1

Description

本発明は、フッ化物イオンを除去する水処理方法に関し、詳しくは、従来技術の処理方法と基本構成が同じであるにもかかわらず、運転条件を、処理フロー全体で適宜に設計するだけで、変動がある被処理水(原水)に対しても安定してフッ化物イオンを除去することが可能であり、過剰な汚泥の発生を回避しつつ、設備の小型化や、使用する薬剤の添加量の低減などが実現できる、実用価値に優れる水処理技術に関する。
例えば、石炭火力発電所やコークス工場で実施されている排煙脱硫法における排煙脱硫装置からの廃水中にはフッ化物イオンが含まれているため、放流するにあたっては、その処理が問題となる。被処理水中のフッ化物イオン(溶解性のフッ素)を除去する方法としては、pH中性域の廃水中にカルシウムイオンを添加して、フッ化物イオンをフッ化カルシウムとして沈殿除去する方法が一般的である(特許文献1等参照)。
しかし、この方法では、水酸化マグネシウムを使用した排煙脱硫装置からの廃水のように、被処理水中にマグネシウムイオンや硫酸イオンが存在していると、上記カルシウム法でのフッ化物イオン除去率が極端に悪くなるという問題があった。これは、このような廃水の場合、pH中性域では、多量のマグネシウムイオンとフッ化物イオンが錯体として溶解し、このことが原因してフッ化カルシウムが生成しなくなるためと考えられる。
上記の問題に対し、カルシウムイオンを添加後に、廃水のpHを8.0〜10.0に調整して、沈殿固液分離することにより、フッ化物イオンの除去率を高めることが提案されており(特許文献2)、実施もされている。さらに、この方法では、スラッジの発生量が増加するという実用上の問題があったのに対し、最終的なスラッジ量を低減しつつ、廃水中のフッ化物イオンの除去処理をより効率よく行うことができる処理方法が提案されている(特許文献3〜5)。すなわち、これらの方法では、まず、被処理水にアルカリ剤を添加して懸濁物質を生成させる工程(アルカリ添加工程)で、被処理水中のマグネシウムイオンを水酸化マグネシウムとして十分に析出させ、析出した水酸化マグネシウムにフッ化物イオンが取り込まれた懸濁物質を積極的に生成させる。そして、フッ化物イオンが取り込まれた懸濁物質を固液分離する工程を行い、固液分離された懸濁物質由来のスラッジに酸を添加する工程を行う。この酸添加工程によって、スラッジを構成する主成分である水酸化マグネシウムを溶解し、最終的なスラッジの量を低減(減容)させる。スラッジ中に取り込まれていたフッ化物イオンは、フッ化マグネシウム(MgF2)として析出し、そのMgF2が最終的なスラッジ中に高濃度で残存することになる。そのため、最終的なスラッジの量を低減(減容)させることができる。
そして、特許文献3では、アルカリ添加工程でアルカリ剤を添加してpHを9.0〜10.0に調整し、廃水中のフッ化物イオンが取り込まれた沈殿物を生成させ、酸添加工程で、分離した懸濁スラッジのpHが3.0〜8.5となるように酸を添加してスラッジ濃度を低下させ、且つ、該スラッジ中のフッ素含有率を、前記懸濁スラッジ中のフッ素含有率に対して相対的に高めるとしている。また、特許文献4では、上記の酸添加工程で酸を添加後、スラッジを所定時間撹拌する熟成工程を設けることで、最終的なスラッジの量を低減可能であるとともに、より高い処理効率が実現可能になるとしている。また、特許文献5では、アルカリ添加工程における被処理水へのアルカリ剤のOHとしての添加量(mg−OH/L)が、被処理水中のフッ素濃度(mg−F/L)に対する質量比率(OH量/F量)で1.0以上であるように構成することで、被処理水中のフッ化物イオンの除去処理を1段処理で行った場合にも、被処理水中のフッ化物イオンを有効に除去し得るとともに、最終的なスラッジの量を低減(減容)可能であるとしている。
特公昭58−013230号公報 特許4330693号公報 特開2016−87562号公報 特開2017−189724号公報 特開2017−189725号公報
しかしながら、上記した従来技術の処理方法は、いずれの場合も被処理水中の最終的なスラッジの発生量を低減させることができるものの、本発明者らの検討によれば、改善の余地があった。すなわち、従来の方法では、被処理水(原水)中のフッ化物イオンが取り込まれた沈殿物を生成させるためのアルカリ添加工程におけるアルカリ剤の添加量の調整、及び、分離した懸濁スラッジを酸添加槽に導入し、酸を添加してスラッジ濃度を低下させ、且つ、該スラッジ中のフッ素含有率を、懸濁スラッジ中のフッ素含有率に対して相対的に高める酸の添加量の調整を、処理槽内のpHを調整することで行っているといえ、被処理水中のフッ化物イオンの変動や、処理する被処理水の量を考慮したものでないため、これらの条件が変動する実際の廃水などの水処理に適用した場合に、安定した処理が難しいという課題があった。すなわち、これまでに、変動する被処理水に対応できる最適な運転条件は見出されておらず、実際の処理では、変動する被処理水に対する処理の安全を担保するため、除去処理しきれずに処理液に残留するフッ素を考慮して2段処理を行うなどをしており、過剰な設備や、過剰な薬剤の使用がされているという現状があった。
これに対し、前記した特許文献5に記載の技術は、1段で良好な処理を行うことを目的としたものであり、その目的のためには、アルカリ添加工程における被処理水へのアルカリ剤のOHとしての添加量(mg−OH/L)が、被処理水中のフッ素濃度(mg−F/L)に対する質量比率(OH量/F量)で1.0以上であるように構成し、多量の懸濁物質を生成させることが必要であることが開示されている。そして、このアルカリ剤の添加量を、アルカリ添加後の固液分離工程でスラッジと分離された上澄水中のフッ素濃度との関係に基づいて決定することが好ましいとしている。また、固液分離工程で分離されたスラッジの濃度を、1000mg/L以上に調整し、酸添加後のスラッジの濃度を、上記濃度よりも低く、且つ、5000mg/L以上、50000mg/L以下の範囲に調整することが好ましいとしている。
また、前記した特許文献5に記載の技術では、酸が添加された後の最終的なスラッジと固液分離された上澄液にはフッ素が含有されているため、上澄水をアルカリ添加工程に返送し、原水とともに処理する場合には、処理対象となるフッ素濃度が高まるので、原水に必要とされるOH量/F量よりもアルカリ剤の添加量を多くする必要があるとして、上記の処理の場合は、アルカリ剤の添加量を、上澄水の分のフッ素濃度の上昇に応じて高くするとしている。
上記した方法は、1段で、フッ素の除去処理を可能にできる有用なものであるが、返送処理する場合は、より運転条件の決定が難しいものになる。具体的には、アルカリ剤の添加後に固液分離した上澄液中のフッ素濃度(溶解性のフッ素濃度)は、次の酸添加工程、その後の最終的なスラッジの濃縮工程の上澄液でも変わらないので、前記した最終的なスラッジの濃縮工程の上澄液をアルカリ添加工程に返送する処理系では、この上澄液中のフッ素濃度を考慮して、さらに多量のアルカリ剤を添加する必要が生じるため、効率のよい処理を行うための最適な運転条件を決定することは、さらに難しくなる。
このため、上記した返送を行う従来技術を、フッ素の含有量が変動する実際の廃水(原水)に適用する場合は、安定した良好な処理が行えるように、被処理水(原水)中のフッ化物イオンの濃度の変動と、返送する上澄液中のフッ化物イオンによるフッ素負荷の増大を考慮して、アルカリ添加工程におけるアルカリ剤の添加量を決定する必要があるため、処理の安全を目的として、アルカリ剤の添加量をより多くする傾向がある。アルカリ剤の添加量が多くなると、アルカリ添加工程で生成する懸濁物質(スラッジ)の量が増大し、次に、固液分離したスラッジを改質するための酸添加工程で酸化剤の添加量も多くなる。また、その際に、スラッジが十分に改質されるように、酸添加工程における酸の添加量や、改質に要する時間をより十分にとる必要があり、場合によっては、酸の添加後、スラッジを所定時間撹拌するといった熟成工程を設ける必要があるなど、上記した従来技術は、経済的で、効率のよい処理が安定してできるまでの確立した処理方法であるとは言い難かった。
従って、本発明の目的は、上記した課題がある、例えば、水酸化マグネシウムを用いて排ガスを処理する方式の排煙脱硫装置からの廃水のように、フッ化物イオンの他に、少なくともマグネシウムイオンを含む被処理水から、フッ化物イオンを除去処理する水処理方法において、返送した上澄液によってフッ素負荷の増大が生じる処理系に、フッ化物イオン量が変動する実際の被処理水に適用した場合であっても、より経済的に、安定した良好な処理が行える、実用性に優れる、フッ化物イオン及びマグネシウムイオンを含有する被処理水中のフッ化物イオンを除去する水処理方法の実現を可能にすることにある。具体的には、本発明の目的は、従来技術の処理方法と基本構成が同じであるにもかかわらず、その運転条件を適宜に決定するだけで、従来技術と同様に、過剰な汚泥(スラッジ)の発生を回避できる効果が得られ、しかも、所望に応じて、従来技術に比べて、処理設備の縮小や、薬剤の使用量の低減を達成することができる、より経済性に優れ、より実用性の高い有用な被処理水(原水)中のフッ化物イオンを除去する水処理方法を実現することにある。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、下記の水処理方法を提供する。
[1] 少なくともフッ化物イオン及びマグネシウムイオンを含有する被処理水(原水)中のフッ化物イオンを除去する水処理方法であって、
前記被処理水に、アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ剤を添加するアルカリ添加工程と、
該アルカリ添加工程で生成される前記フッ化物イオンが取り込まれた懸濁物質を固液分離する固液分離工程と、
前記固液分離工程で固液分離された前記懸濁物質由来のスラッジに、酸添加槽で酸を添加してスラッジを改質する酸添加工程と、を有し、
前記酸添加工程後の改質したスラッジを固液分離してスラッジを除去し、上澄液を前記アルカリ添加工程に戻して前記被処理水とともに再度の処理を行う際に、
前記アルカリ添加工程における、OHとしてのアルカリ剤添加量COH(mg/L)を2000mg/L未満とし、且つ、前記原水中のフッ化物イオン濃度CF1(mg/L)に対する前記アルカリ剤の添加量COH(mg/L)の質量比率M(OH量/F量)を、1を超えて25未満とし、さらに、前記固液分離工程における沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)を、10000mg/Lを超えて110000mg/L未満となる条件であって、且つ、
前記原水の流量Q1(m3/h)及び前記原水中のフッ化物イオン濃度CF1(mg/L)と、前記質量比率M(OH量/F量)と、前記引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)と、前記酸添加工程後の改質したスラッジの上澄液のフッ化物イオン濃度CF5(mg/L)と、該上澄液の引抜量Q5(m3/h)とから下記式によって求められる、前記酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tが30分以上600分以下となる条件で運転することを特徴とする水処理方法。
t=e^((Q1+Q5)×COH÷(Q5×M×A)−(Q1×CF1÷Q5÷A)−(B÷A))
(式中の、A及びBは、試験結果より求められる、固液分離工程における沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)と、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tと、酸添加工程後の改質したスラッジの上澄液のフッ化物イオン濃度CF5(mg/L)との相関を示す下記式で求められる係数である。)
F5=A×In(t)+B
本発明の好ましい形態としては、下記のものが挙げられる。
[2]前記アルカリ剤が、水酸化カルシウムである上記[1]に記載の水処理方法。
[3]前記酸添加工程後に、さらに、前記改質したスラッジを濃縮する濃縮工程を有する上記[1]又は[2]に記載の水処理方法。
[4]前記被処理水が、石炭火力発電所やコークス工場で実施されている排煙脱硫法を実施する排煙脱硫装置から排出されたものである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の水処理方法。
本発明によれば、例えば、水酸化マグネシウムを用いて排ガスを処理する方式の排煙脱硫装置からの廃水のように、フッ化物イオンの他に、少なくともマグネシウムイオンを含み、被処理水中のフッ化物イオンの濃度や、処理する被処理水の量が変動する被処理水に適用した場合にも、従来技術の処理方法と基本構成が同じであるにもかかわらず、その運転条件を適宜に設計するだけで、より経済性に優れる、工業上、有用な被処理水中のフッ化物イオンを除去する水処理方法の提供が可能になる。具体的には、本発明によれば、運転条件を適宜に設計するだけで、例えば、変動する原水に対しても安定した除去処理ができ、しかも、従来技術の処理方法と比較して、スラッジ(汚泥)の改質をするための酸添加工程の処理槽などの規模を縮小することができ、さらに、その前工程のスラッジを生成するアルカリ添加工程におけるアルカリ剤の添加量の低減も実現でき、所望する効率的な状態で安定した処理をすることができ、従来技術で処理した場合と同様に最終的なスラッジの発生量を低減させることができる、実用価値の高い水処理方法の提供が可能になる。
本発明の水処理方法の一例の概略フロー図である。 酸添加工程で、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間(t)と、前記酸添加工程後の改質したスラッジの上澄液のフッ化物イオン濃度CF5(mg/L)との相関を示す対数グラフである。 酸添加工程後の改質したスラッジの上澄液のフッ化物イオン濃度CF5(mg/L)を、A×In(t)+Bと近似した場合、A及びBは、沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3との相関があることを示すグラフである。 アルカリ剤の添加量と、懸濁物質(SS)の生成量との相関を示すグラフである。 酸添加工程で、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間(t)と、前記酸添加工程後の改質したスラッジの汚泥濃度CSS4(mg/L)との相関を示すグラフである。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明者らは、例えば、排煙脱硫装置からの廃水のような、フッ化物イオンの他に少なくともマグネシウムイオンを含有する被処理水を処理する場合に、アルカリ添加工程でアルカリ剤を添加し、被処理水中のフッ化物イオンが取り込まれた懸濁物質を生成させ、その後の酸添加工程で、固液分離した懸濁物質を含むスラッジに酸を添加して、懸濁スラッジ中のフッ素含有率を相対的に高める懸濁スラッジ(汚泥)を改質し、さらに、その上澄液を返送して再度処理する方式の従来技術について、前記した技術課題の解決を実現するため、詳細な検討を行った。具体的には、変動する被処理水に対する処理の安全を考慮し、実際の廃水処理では、除去処理しきれずに処理液に残留するフッ素を考慮して2段処理を行うなどしていた従来技術に対して、1段処理が可能であるものの、酸添加工程を設ける必要があり、効率のよい運転条件の決定が難しい従来技術を、運転条件を適宜に設計するという簡便な手段によって、効果的に利用することが可能になれば、従来技術を、より実用価値のある技術に向上させることが実現できるとした認識の下、検討を行った。その際に、被処理水中のフッ化物イオンの濃度や、処理量が変動する実際の廃水においても安定した処理ができ、さらに、例えば、従来技術で行っていたよりも処理設備を小さくすることができ、さらには、使用する薬剤の量を低減することも可能になる、経済性に優れる処理方法を見出すことができれば、極めて有用であるとして検討を行った。
本発明者らは、従来技術と同様に酸添加工程を設けて汚泥の改質を行う実施形態である、図1に示した基本的な処理フローについて、各処理工程における、フッ化物イオンが取り込まれた懸濁物質を含むスラッジ(汚泥)の性状及びフッ素成分の存在状態がどのようなものになっているかを詳細に検討した。そして、アルカリ添加工程で生成された、被処理水中のフッ化物イオンが取り込まれた懸濁物質を固液分離して次の酸添加工程で処理する場合に、固液分離して引抜いた懸濁物質を含むスラッジの濃度(引抜汚泥濃度)の違いによって、処理にどのような違いが生じるかについて詳細に検討した。
その結果、驚くべきことに、引抜汚泥濃度を高くするだけで、引抜汚泥濃度が低い場合と比較して、酸添加工程後の改質した汚泥(スラッジ)における、アルカリ添加工程に返送される上澄液中のフッ素量(溶解性のフッ素量)を格段に低減できるという新たな知見を得た。そして、本発明で規定する処理系で、酸添加工程後に改質されたスラッジと分離した上澄液を、アルカリ添加工程に戻し、被処理水(原水)とともに再度の処理を行った場合、引抜汚泥濃度が低い場合に比較して、アルカリ剤の添加量を格段に低減できることを確認した。また、固液分離して、次の酸添加工程で処理する引抜汚泥濃度を高くしたことで、酸添加工程を行うための酸添加槽の大きさを格段に小さくでき、処理設備の小型化の実現できる、という工業上、極めて有用な効果が発現することを見出した。
上記の点について、処理対象である被処理水(原水)中のフッ化物イオン濃度CF1(mg/L)が140mg/Lで、最終的な処理水中の溶解性のフッ化物イオン濃度CF2(mg/L)を10mg/Lに低減させる処理を、図1に示した処理フローで行った場合を例にとって以下に説明する。まず、アルカリ添加工程で、アルカリ剤を添加し、原水中のフッ素を生成した懸濁物質(SS)CSS1に取り込む。上記の被処理水の水量Q1は100m3/dであり、発生するSS量のCSS1が2000mg/Lとすると、1日のSS発生量は、CSS1×Q1=2000mg/L×100m3/d=200kg/dとなる。次の固液分離工程で、この200kg/dのSSを分離する。この際に、固液分離後の沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)を、例えば、10000mg/Lと低くした場合と、その5倍の50000mg/Lと高くした2通りの処理を考える。なお、引抜汚泥濃度の調整は、ポンプなどで容易に実施することができる。
ここで、1日の引抜き汚泥中のフッ素の形態(固体/溶解)は、下記のようになる。
・汚泥中の固体フッ素量は、上記いずれの引抜汚泥濃度の場合も、最終的な処理水のフッ化物イオン濃度CF2(mg/L)が10mg/dであるので、下記の通りとなる。
≒(CF1−CF2)×Q1=(140mg/L−10mg/L)×100m3/d=13kg/d
・固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)が10000mg/Lの場合の、引抜汚泥中の溶解性のフッ素量は、CF2≒CF3であるので下記の通りとなる。
≒CF3×Q3=10mg/L×20m3/d=0.2kg/d
そして、その後の処理でもこの量は変わらないので、アルカリ添加工程に返送される溶解性のフッ素量は0.2kg/dとなるので、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)が10000mg/Lの場合における、1日に処理する合計のフッ素量は13.2kg/dとなる。
・固液分離後の引抜汚泥濃度が50000mg/Lの場合の、汚泥中の溶解性のフッ素量は、上記引抜汚泥濃度が10000mg/Lの場合の1/5になる。
≒CF2×Q3=10mg/L×4m3/d=0.04kg/d
したがって、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)が50000mg/Lの場合における、1日に処理する合計のフッ素量は13.04kg/dとなる。すなわち、上記のことは、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)を高くして処理した方が、低い場合よりも、アルカリ添加工程で1日に処理する合計のフッ素量が低減できることを示している。
上記において、固液分離後の引抜汚泥濃度が10000mg/L場合に、アルカリ添加工程に返送される溶解性のフッ素量が0.2kg/dになる点について説明する。被処理水(原水)に対して発生する懸濁物質(SS)量は2000mg/Lであるので、汚泥濃度10000mg/Lに濃縮する場合、10000÷2000=5倍濃縮となる。このため、汚泥の流量は1/5で済むので、100m3/d×(1/5)=20m3/dとなり、返送される溶解性のフッ素量は0.2kg/dとなる。固液分離後の引抜汚泥濃度を50000mg/Lに濃縮する場合、50000÷2000=25倍濃縮となり、上記と同様に計算されて、汚泥としての流量は1/25で済むので4m3/dとなり、上記のように計算される。すなわち、同様の条件下において、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3を高くすることで、この引抜汚泥を改質してスラッジ量を低減するために行う酸添加工程で処理する汚泥の流量が格段に低減する。
本発明者らは、上記した新たな知見を得たことで、下記の効果が得られることを認識した。まず、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3を高くすることは、酸添加工程で処理する汚泥の流量を低減できることを意味し、結果として、次の酸添加工程を実施するための酸添加槽を小型にできる、という工業上の極めて有用な効果が得られる。さらに、上記したように、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3を高くすることで、アルカリ添加工程に返送される上澄液中の溶解性のフッ素量が低減されるので、処理対象となるフッ素量が、従来の処理方法に比べて低減されてアルカリ剤の添加量を低減できるという効果が得られる。したがって、本発明では、上記の構成を基本とし、上記した効果を確実に得ることができる、より安定した運転条件を見出すべく、さらなる詳細な検討を行い、本発明に至った。
本発明は、フッ化物イオンの他に、少なくともマグネシウムイオンを含み、被処理水中のフッ化物イオンの濃度や、処理する被処理水の量が変動する被処理水(原水)から、フッ素を相対的に高い濃度で取り込んだスラッジを固液分離して除去することで、フッ化物イオンを除去する水処理方法に関し、基本的には、先述した従来技術の水処理方法と同様の構成を有する。本発明の処理方法では、アルカリ添加工程で、フッ素を取り込んだ懸濁物質(SS)を生成させ、次の酸添加工程で、固液分離した引抜汚泥に、それぞれ酸を添加し、酸添加槽内に所望する時間滞留させて汚泥を改質させ、汚泥を減容する。その際、いずれの引抜汚泥濃度CSS3で処理した場合も、酸を添加すると汚泥が溶解してSSの量は大幅に減量する。具体的には、例えば、アルカリ剤に水酸化カルシウムを用いた場合であれば、酸処理槽内の汚泥量は3/5程度になって、上記の例では、アルカリ添加工程で生成するSS量200kg/dが、120kg/d程度になる。また、先述したように、酸を添加することで、汚泥中の水酸化マグネシウムが溶解して汚泥に取り込まれていた固体のフッ素はフッ化マグネシウム(MgF2)として析出し、汚泥が改質される。
本発明者らの検討によれば、酸添加工程後の被処理水中における溶解性のフッ素量は、先に述べたように、沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3の違いによって処理する汚泥の流量が大きく異なることになるため、大きく変動する。まず、酸添加工程後の被処理水中における溶解性のフッ素量は、アルカリ添加工程へ返送される上澄液のフッ素量と同じである。したがって、アルカリ添加工程に返送される上澄液中におけるフッ素量は、上澄液の溶解性のフッ化物イオン濃度×流量となる。ここで、詳細については後述するが、上記した例における上澄液のフッ化物イオン濃度CF5は、下記のようにして算出できる。すなわち、本発明によれば、沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3が、10000mg/Lの場合と、50000mg/Lの場合について、図3より、それぞれの場合における係数A及びBを算出し、これらの係数と、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tの5時間(300分)を、CF5=A×ln(t)+Bに入力すると、それぞれCF5は、180mg/L及び310mg/Lと算出される。よって、上記した例で、アルカリ添加工程に返送される上澄液中のフッ素量は、沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3を10000mg/Lとした系では、180mg/L×20m3/d=3.6kg/dであり、沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3を50000mg/Lとした系では、310mg/L×4m3/d=1.2kg/dであり、沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3を高くすることで、返送される上澄液中のフッ素量は大きく低減する。
上記した上澄液の溶解性のフッ化物イオン濃度は、後述するように、処理対象の原水を用い、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3を段階的に変更してそれぞれ処理試験を行い、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tにおける、個々の時点のスラッジ量(SS量)を測定し、これらの値の相関を求め、得られた相関を利用することで、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3を変数とする近似式から求めることができることがわかった。この結果、予め上記した処理試験を行い、上記相関を求めることで、処理対象の原水に対して、所望の効果が期待できる処理条件(運転条件)を適宜に決定することができることを見出した。そして、決定した処理条件で処理することで、変動のある原水に対しても、所望する程度に応じた、設備の縮小や、薬剤の使用量の低減などの効果を得ることができる、実用性の高い安定した処理をすることが可能になることを確認した。上記した、実際の処理における処理条件(運転条件)を決定するために、予め行う試験方法の詳細については、後述する。
上記したように、引抜汚泥濃度CSS3の違いにより、返送される上澄液中の溶解性のフッ素量は異なり、引抜汚泥濃度CSS3を高くすると、上澄液中の溶解性のフッ素量は低減する。ここで、酸の添加前と添加後でフッ素の総量は変化しないため、上記の例では、酸添加後のフッ素の形態(固体/溶解)は、それぞれ下記のようになっていると考えられる。固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3を10000mg/Lとした系では、溶解性のフッ素量は3.6kg/dであるので、固体のフッ素は、13.2kg/d−3.6kg/d=9.6kg/dとなる。一方、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3を50000mg/Lとした系では、溶解性のフッ素量は、1.2kg/dであるので、固体フッ素は、13.04kg/d−1.2kg/d=11.8kg/dとなる。上記のことは、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3が10000mg/Lの処理系に比較して、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3が50000mg/Lの処理系では、固体のフッ素量が増えて、被処理水中の溶解性のフッ素量を少なくできることを示している。この溶解性のフッ素が、酸添加工程後の改質した汚泥の上澄水としてアルカリ添加工程に返送されるフッ化物イオンの量に当たるため、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3が50000mg/Lの系で処理を行うことで、固液分離後の引抜汚泥濃度が10000mg/Lの系で処理した場合と比較して、アルカリ添加工程におけるフッ素負荷を小さくできる。そして、このことは、アルカリ添加工程で使用するアルカリ剤の量を低減できることを意味する。
上記した通り、本発明者らの詳細な検討の結果、アルカリ添加工程で処理し、固液分離後の引抜汚泥濃度CSS3を高くするという極めて簡便な方法だけで、酸添加工程後の改質されたスラッジの上澄水中における溶解性のフッ素量を格段に低減できることがわかった。この結果、上澄水をアルカリ添加工程に返送して原水とともに処理するフローを基本構成とした本発明の処理方法において、全体の処理にかかるフッ素負荷を小さくできるので、使用するアルカリ剤の量を低減できるという、実用価値のある有用な効果が得られる。また、アルカリ添加工程後、生成したスラッジを固液分離し、その引抜汚泥濃度CSS3を高くして酸添加工程でスラッジの改質を実行することで、酸添加工程への汚泥の流量Q3を格段に低減できるので、使用する酸添加槽の大きさを小さくでき、この点でも工業上の大きな利点が得られる。
具体的には、本発明の処理方法によれば、アルカリ添加工程でのアルカリ剤の添加量を、2000mg/L未満、さらには、1500mg/L以下と少なくできる。さらに、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3を、10000mg/Lを超えて110000mg/L未満となるようにすることで、上記した安定して効果的な処理が行える。そして、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3を上記したようにすることで、引抜汚泥の改質を行う酸添加工程で使用する酸添加槽の大きさを格段に小さくできる。例えば、先に例示して説明したように、引抜汚泥濃度を5倍濃縮した場合、汚泥としての流量は1/5になるので、酸添加槽の容量を1/5に低減することができる。また、また、本発明の水処理方法では、より安定して効果的な処理を行うため、処理する原水のフッ化物イオン濃度に対するアルカリ剤の添加量の質量比率(OH量/F量)Mを、1を超えて25未満となるように調整して処理する。
本発明者らは、得られた知見から、特に酸添加工程後におけるフッ素の形態(固体/溶解)と、処理フローを全体バランスで考えることが処理において重要であることを認識し、本発明を完成した。本発明で規定する、最終的なスラッジの上澄液をアルカリ添加工程に返送し、再度処理を行う実施形態の一連の処理フローにおいては、前記した全ての運転要件を考慮し、且つ、本発明で規定する全ての要件を全て満足するように設計した処理条件で水処理することで、過剰な汚泥の発生を回避しつつ、被処理水(原水)の流量や被処理水(原水)中のフッ化物イオンの量が変動したとしても、より安定して良好な状態にフッ化物イオンを除去処理ができ、しかも、設備やランニングコストの低減が達成できる、工業的に優れた、実用価値の高い水処理方法の提供が可能になる。
以下に、上記に挙げた全ての処理条件(運転条件)が、本発明の顕著な効果を得るために必要となることについて説明する。まず、従来技術では、アルカリ添加工程でのアルカリ剤の添加を反応槽におけるpHを特定の範囲内に調整することで行っていた。しかし、処理系全体におけるフッ素の収支は、(流入フッ素負荷)+(返送フッ素負荷)=(全フッ素負荷)であり、先に述べたように、本発明の効果を得るためには、この点を考慮した処理であることを必要とする。具体的には、処理系全体におけるフッ素の収支は、下記式の通りとなるので、処理バランスを最適にして、上澄液を返送して処理することによるアルカリ添加工程へのフッ素負荷の増大をできるだけ少なくする必要がある。そして、そのためには、少なくとも、酸添加工程後の改質した汚泥の上澄液の引抜量Q5(アルカリ添加工程への返送量)と、酸添加工程後の改質した汚泥の上澄液中のフッ化物イオン濃度CF5とを考慮する必要がある。返送フッ素負荷は、例えば、先に説明した例では、10g/min〜50g/min程度にすることができる。
Q1×CF1+Q5×CF5=(Q1+Q5)×CF
Q1:被処理水の流量(m3/h)
F1:被処理水中のフッ化物イオン濃度(mg/L)
Q5:酸添加工程後の改質した汚泥の上澄液の引抜量(m3/h)
F5:酸添加工程後の改質した汚泥の上澄液中のフッ化物イオン濃度(mg/L)
図1の処理フローに示した通り、本発明の水処理方法は、本発明で規定するアルカリ添加工程と、酸添加工程とを有し、さらに、酸添加工程後に、改質され減容されたスラッジの上澄液を、アルカリ添加工程に戻して再度処理することを基本構成とする。本発明者らは、図1に示す処理フローについて詳細に検討した結果、下記の近似式が成立することを新たに見出した。下記の近似式の係数A及びBは、後述する試験結果により求められる。
F4=CF5=CF6=A×In(t)+B
すなわち、上記A及びBは、試験結果より求められる係数であって、具体的には、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)と、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tと、酸添加工程後の改質した汚泥の上澄液のフッ化物イオン濃度CF5(mg/L)との相関から求められる。下記にその一例を示して、係数の求め方を説明する。
固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3を、53000mg/L、82000mg/L、107000mg/Lとした、濃度が異なる3種類とした以外は同一の条件で、図1の処理フローでそれぞれ処理を行った。アルカリ剤の添加量COHを1500mg/Lとし、次の、酸添加工程で、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間(スラッジの滞留時間とも呼ぶ)tを15分〜600分とし、各経過時点における上澄液のフッ化物イオン濃度CF5(mg/L)を測定した。その結果を表1に示した。
Figure 2020171880
上記で得た試験結果について検討した結果、スラッジの滞留時間t、各経過時点における上澄液のフッ化物イオン濃度CF5(mg/L)の測定値との間に、図2に示したように、対数近似でよい相関があることがわかった。図2に示されているように、上澄液のフッ化物イオン濃度CF5を低減させるためには、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tを、30分以上600分以下とする、さらには、60分以上600分以下とすることが好ましいことがわかった。
さらに検討を進めた結果、図3に示したように、CF5=A×In(t)+Bの係数A、Bは、線形近似が最もよくグラフを再現していたため、このようにして求めたA及びBを採用することで、図1の処理フロー全体における処理バランスが調整可能になることを見出した。図3に示したように、例えば、上記した試験例では、A、Bの値は、CSS3との関係で下記式を満たすものになる。
A=−0.0006×CSS3−36.689
B=0.0066×CSS3+357.9
本発明の処理方法では、上澄液を返送してアルカリ添加工程で被処理水(原水)とともに再度処理する構成が必須であるため、先述したように、アルカリ添加工程でのフッ素負荷は、Q1×CF1+Q5×CF5=(Q1+Q5)×CFとなる。また、CF4=CF5=CF6である。さらに、上記した、CF5=A×In(t)+Bとなる相関を新たに見出したことから、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tと、これらの数値との間には、下記の関係式が成立し、この関係が成立する状態の運転条件で処理することで、過剰な汚泥の発生を回避しつつ、アルカリ添加工程に戻す上澄液によって生じるフッ素負荷の増大が低減できることがわかった。すなわち、スラッジの滞留時間tが30分以上600分以下の範囲となるように、各運転条件を適宜に決定すれば、本発明の顕著な効果を得ることができる。
t=e^((Q1+Q5)×COH÷(Q5×M×A)−(Q1×CF1÷Q5÷A)−(B÷A))
上記した式中、Q1(m3/h)は、被処理水の流量であり、CF1(mg/L)は原水中のフッ化物イオン濃度であり、Mは、フッ化物イオン濃度CF1(mg/L)に対するアルカリ剤の添加量COH(mg/L)の質量比率(OH量/F量)であり、CSS3(mg/L)は、固液分離工程における引抜汚泥濃度であり、CF5(mg/L)は、酸添加工程後の改質したスラッジの上澄液のフッ化物イオン濃度であり、Q5(m3/h)は、該上澄液の引抜量である。この引き抜いた上澄液がアルカリ添加工程へと返送されるので、Q5×C5の返送フッ素負荷の分だけ、アルカリ添加工程での処理におけるフッ素負荷が増大する。上記式中のA及びBは、先に説明したように、試験結果より求められる、CF5=A×In(t)+Bの関係を成立させる係数であり、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)を変数として得られる測定値から求められる値である。
したがって、本発明の処理方法によれば、アルカリ添加工程で用いるアルカリ剤のOHとしてのアルカリ剤添加量COH(mg/L)、被処理水(原水)中のフッ化物イオン濃度CF1(mg/L)に対するアルカリ剤の添加量COH(mg/L)の質量比率M(OH量/F量)、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)、上澄液の引抜量Q5(m3/h)を適宜に設計して運転することで、過剰な汚泥の発生を回避しつつ、アルカリ添加工程に戻す上澄液によって生じるフッ素負荷の増大を低減することができ、さらに、アルカリ剤の添加量の低減、酸化処理工程における酸添加槽の容量を大幅に低減できるといった、実用価値のある優れた効果が発現する。
本発明の処理方法では、アルカリ添加工程における、OHとしてのアルカリ剤添加量COH(mg/L)を2000mg/L未満にする。本発明の処理方法における目的の一つは、余分なアルカリ剤の添加を抑制し、添加量をできるだけ少なくすることにある。本発明者らは、アルカリ剤の添加量と懸濁物質(SS)の発生量との関係について検討し、アルカリ剤の添加量の上限を2000mg/L未満にすることが、バランスのよい安定した処理を行うためには必要となることを確認した。具体的には、アルカリ剤として水酸化カルシウムを用い、その添加量と懸濁物質(SS)の発生量を調べた。図4は、硫酸マグネシウムにフッ化物イオンを添加した模擬廃水に対しての、水酸化カルシウムの添加量とSSの発生量との相関を示すグラフである。図4に示した通り、水酸化カルシウムの添加量が2000mg/L以上で、SSの発生量の増大傾向が変化することを確認した。図4に示されているように、アルカリ剤の添加量COHを2000mg/L以上とした場合、SSの発生量が急激に増大するが、本発明が目的としているバランスのよい安定した処理を行うためには、SSの発生量の急増は回避する必要がある。特に、アルカリ添加工程におけるSSの発生量は、本発明の処理方法において重要な処理要件である、次の酸添加工程で酸を添加する対象となる、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)の決定にも影響するので、SSの発生量の急増は好ましくない。
本発明の処理方法では、アルカリ剤の添加量COHを決定する場合、従来技術と同様、原水中のフッ化物イオン濃度CF1(mg/L)に対する、上限を2000mg/L未満とするアルカリ剤の添加量COH(mg/L)の質量比率M(OH量/F量)を、1を超えて25未満の範囲内とする。本発明の処理方法においては、8〜12程度とすることが好ましい。
先に説明したように、本発明の処理方法は、引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)を高くするだけで、引抜汚泥濃度が低い場合と比較して、酸添加工程後の改質した汚泥(スラッジ)における、アルカリ添加工程に返送される上澄液中のフッ素量(溶解性のフッ素量)を格段に低減できるという新たな知見に基づきなされたものであり、さらに、上記の要件に、槽の容積などの処理設備に影響を及ぼすことになる、引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)を適宜に決定するだけで、先に述べた本発明の顕著な効果が得られる良好な運転が可能になることを見出したことで、達成したものである。
さらに、本発明の処理方法は、過剰な汚泥の発生を回避しつつ、アルカリ添加工程に戻す上澄液によって生じるフッ素負荷の増大を低減することを目的としており、酸添加工程でスラッジ(SS)を改質することで、酸添加後のスラッジ量CSS4を低減することを基本的な構成としている。そこで、本発明者らは、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間t(min)と、酸が添加される固液分離された引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)との関係について、下記の試験を行った。すなわち、引抜汚泥濃度CSS3を、53000mg/L、82000mg/L、107000mg/Lと、汚泥濃度が異なる3種類とした以外は同一の条件で、図1の処理フローでそれぞれ処理を行った。その際、アルカリ剤の添加量COHを1500mg/Lとし、次の、酸添加工程でのスラッジの滞留時間tを15分〜600分とし、各経過時点における酸添加後におけるスラッジ(SS)量CSS4を測定した。その結果を表2及び図5に示した。
Figure 2020171880
アルカリ添加工程に戻す上澄液によって生じるフッ素負荷の増大を低減するためには、先に説明した表1及び図2から、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tを、30分以上600分以下とする。また、過剰な汚泥(SS)の発生を回避する目的からは、上記表2及び図5から、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tを、60分以上600分以下とすることが好ましい。本発明の処理方法では、前記したことを示す下記式を利用して、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tが、30分以上600分以下の範囲となるように、より好適には60分以上600分以下の範囲となるように、実際の処理において所望する効果を勘案して、下記式中の要件をそれぞれ決定して、運転条件を設計し、その条件で運転することで、本発明の顕著な効果を安定して得ることを達成した。
t=e^((Q1+Q5)×COH÷(Q5×M×A)−(Q1×CF1÷Q5÷A)−(B÷A))
上記した通り、本発明の処理方法は、基本的な構成は、先に挙げた従来技術に記載された方法と同様である。本発明の処理方法のアルカリ添加工程で使用するアルカリ剤は、アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれるものを使用できる。例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムなどを用いることができる。
先に述べたように、本発明の処理方法は、アルカリ添加工程で生成されるフッ化物イオンが取り込まれた懸濁物質(SS)を固液分離して、次の酸添加工程で、固液分離した該懸濁物質由来のスラッジに酸を添加して、一定時間、酸添加槽内に滞留させてスラッジを改質する際に、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)を高くして処理したことを特徴とする。本発明者らの検討によれば、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3を、10000mg/Lを超えて110000mg/L未満となるようにすることで本発明の効果を得ることができる。所望する効果の程度にもよるが、例えば、本発明によって得られる、酸添加槽の容量を縮小することや、アルカリ添加工程に戻す上澄液によって生じるフッ素負荷の増大を低減する効果を、より著しいものにするためには、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3を50000mg/L以上、さらには、60000mg/L以上とするとよい。
本発明の処理方法は、引抜汚泥濃度CSS3を高くしたことで、先に詳述した通り、酸添加工程後の改質したスラッジ(汚泥)の上澄液中におけるフッ素量CF5を低減できる。そして、引抜汚泥濃度CSS3を高くしたことで、酸添加工程で使用する酸添加槽の容量Vを低減することができる。例えば、引抜汚泥濃度CSS3を10000mg/Lとした場合と、CSS3を50000mg/Lとした場合では、酸添加槽の容量Vを1/5に小さくすることができる。具体的には、例えば、1日の汚泥の処理量が200kg/d程度である場合に、CSS3を50000mg/Lとすれば、酸添加槽の容積Vを10m3程度に、小さくすることができる。
本発明の処理方法を構成する酸添加工程では、先述した通り、水酸化カルシウムを用いた場合は、アルカリ添加工程で生成した懸濁物質の3/5が溶解するので、過剰な汚泥の発生が回避できる。本発明では、酸添加工程で使用する酸添加槽で、溶解せずに残った懸濁物質の分離を行ってもよいが、図1に示したように、濃縮工程を設け、濃縮槽で溶解せずに残った懸濁物質を濃縮し、上澄液をアルカリ添加工程へ返送するように構成することが好ましい。先に述べたように、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3を高くしたことで、結果として、返送する上澄液の返送フッ素負荷(CF5×Q5)を低減することができる。その結果、被処理水(原水)と上澄水とを併せて処理するアルカリ添加工程におけるアルカリ剤の添加量を低減できるという効果も得られる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。被処理水(原水)として、水酸化マグネシウムを使用した排煙脱硫装置からの廃水をそれぞれ用いた。
[実施例1及び2、比較例1及び2]
実施例1及び2では、フッ素濃度CF1が140mg/Lの原水を、流量Q1=1m3/minで、図1に示したフローに基づいて、表3の処理条件でそれぞれ処理を行った。その結果、本発明で規定した条件の範囲で処理を行った実施例1及び2では、本発明で規定した条件を満たさない状態で処理を行った比較例1及び2での処理と比較して、表3中に示した通り、酸添加槽への流量Q3は減少する一方、スラッジの滞留時間tは減少するため、結果として、流量Q3と滞留時間tの積として求められる酸添加槽の容積Vを格段に小さくでき、さらに、返送フッ素負荷を格段に小さくできることが確認できた。また、実施例1と実施例2との比較から、例えば、酸添加槽の容積Vを10m3と、より小さい容積の設備にできる効果を得るためには、固液分離工程における引抜汚泥濃度CSS3を、実施例2における50000mg/Lよりもさらに高くして、65000mg/Lとすればよいことが確認できた。このことは、本発明の処理方法によれば、引抜汚泥濃度CSS3を単に高くするという運転条件の変更だけで、設備の縮小ができるという工業上、極めて有用な効果を得ることができることを示している。一方、比較例1及び2の結果から、本発明の処理方法で規定する要件を1つでも満たさない場合には、本発明の効果が得られないことが確認された。
Figure 2020171880
[実施例3及び4、比較例3]
実施例3及び4では、フッ素濃度CF1が70mg/Lの原水を、流量Q1=1m3/minで、図1に示したフローに基づき、表4の処理条件でそれぞれ処理した。その結果、本発明で規定した条件の範囲で処理をした実施例3及び4では、本発明で規定した条件を満たさない条件で処理を行った比較例3での処理と比較して、表4に示した通り、酸添加槽の容積Vを格段に小さくでき、さらに、返送フッ素負荷を小さくできることを確認した。また、比較例3の結果から、比較例1及び2と同様、本発明の処理方法で規定する要件を1つでも満たさない場合は、本発明の優れた効果を得ることができないことを確認した。
Figure 2020171880

Claims (4)

  1. 少なくともフッ化物イオン及びマグネシウムイオンを含有する被処理水(原水)中のフッ化物イオンを除去する水処理方法であって、
    前記被処理水に、アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ剤を添加するアルカリ添加工程と、
    該アルカリ添加工程で生成される前記フッ化物イオンが取り込まれた懸濁物質を固液分離する固液分離工程と、
    前記固液分離工程で固液分離された前記懸濁物質由来のスラッジに、酸添加槽で酸を添加してスラッジを改質する酸添加工程と、を有し、
    前記酸添加工程後の改質したスラッジを固液分離してスラッジを除去し、上澄液を前記アルカリ添加工程に戻して前記被処理水とともに再度の処理を行う際に、
    前記アルカリ添加工程における、OHとしてのアルカリ剤添加量COH(mg/L)を2000mg/L未満とし、且つ、前記原水中のフッ化物イオン濃度CF1(mg/L)に対する前記アルカリ剤の添加量COH(mg/L)の質量比率M(OH量/F量)を、1を超えて25未満とし、さらに、前記固液分離工程における沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)を、10000mg/Lを超えて110000mg/L未満となる条件であって、且つ、
    前記原水の流量Q1(m3/h)及び前記原水中のフッ化物イオン濃度CF1(mg/L)と、前記質量比率M(OH量/F量)と、前記引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)と、前記酸添加工程後の改質したスラッジの上澄液のフッ化物イオン濃度CF5(mg/L)と、該上澄液の引抜量Q5(m3/h)とから下記式によって求められる、前記酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tが30分以上600分以下となる条件で運転することを特徴とする水処理方法。
    t=e^((Q1+Q5)×COH÷(Q5×M×A)−(Q1×CF1÷Q5÷A)−(B÷A))
    (式中の、A及びBは、試験結果より求められる、固液分離工程における沈殿槽引抜汚泥濃度CSS3(mg/L)と、酸添加槽におけるスラッジの滞留時間tと、酸添加工程後の改質したスラッジの上澄液のフッ化物イオン濃度CF5(mg/L)との相関を示す下記式で求められる係数である。)
    F5=A×In(t)+B
  2. 前記アルカリ剤が、水酸化カルシウムである請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記酸添加工程後に、さらに、前記改質したスラッジを濃縮する濃縮工程を有する請求項1又は2に記載の水処理方法。
  4. 前記被処理水が、石炭火力発電所やコークス工場で実施されている排煙脱硫法を実施する排煙脱硫装置から排出されたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理方法。

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