JP2006346618A - セレン含有排水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セレン含有排水から、少量の処理剤によって効果的にセレンを低減できるセレン含有排水の処理方法を提供する。
【解決手段】セレン含有排水に、該排水中のセレン1g当たり硫酸第一鉄を鉄換算で100〜500gとなるように添加し、該排水のpHを7.5〜10に制御した後、生じた沈殿物を除去する第一分離工程と、該第一分離工程において沈殿物を除去した後の一次処理水に第二塩化鉄を添加し、生じた沈殿物を除去する第二分離工程とを含むことを特徴とするセレン含有排水の処理方法である。
【選択図】なし
【解決手段】セレン含有排水に、該排水中のセレン1g当たり硫酸第一鉄を鉄換算で100〜500gとなるように添加し、該排水のpHを7.5〜10に制御した後、生じた沈殿物を除去する第一分離工程と、該第一分離工程において沈殿物を除去した後の一次処理水に第二塩化鉄を添加し、生じた沈殿物を除去する第二分離工程とを含むことを特徴とするセレン含有排水の処理方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、セレン含有排水の新規な処理方法に関する。詳しくは、硫酸第一鉄、塩化第二鉄等の処理剤が少量であっても、効果的にセレン含有排水中のセレンを低減することができると共に、排水中に残留する鉄系処理剤由来の鉄含有量を極めて低減でき、更に、他の重金属も低減することが可能なセレン含有排水の処理方法に関する。
セメント製造装置から排出されるダスト、電気集塵機から排出されるダスト、発電所から発生されるダスト等を洗浄した際に生じる排水、非鉄製錬における電解沈殿物の処理時に発生する排水には、セレンが含有される。中でも、セメント製造装置から排出されるダストを洗浄した排水には、セレンの他の重金属の量も増加の傾向にある。
セメント製造装置から発生されるダストとは、主にハロゲンまたはアルカリバイパスダストと呼ばれるものであり、通常、以下の方法により回収される。セメント製造装置において、原料或いは燃料中に含まれるハロゲンやアルカリは、セメント焼成用キルンと、これに接続し、セメント原料を仮焼するためのプレヒーターとの間をハロゲン化アルカリ(ガス状)として循環され濃縮される。そして、この濃縮されたハロゲン化アルカリは、粘着性を有するため、装置内壁に付着し、ひいてはプレヒーターダクトの閉塞を招くおそれがある。そのため、濃縮されたハロゲン化アルカリを低減するために、ガスの一部を抽気しているが、この際、ガスに含まれるダストおよびガス冷却により生成するダストが回収される。
このように回収されたダストは、そのままセメント原料、製品への添加物として使用されるが、ハロゲン化アルカリの量が多い場合には、水洗してハロゲン化アルカリを除去した後、セメント製造装置にセメント原料の一部として循環して使用される。
ところが、上記ダストには、ハロゲンやアルカリの他、前記セメント原料、および燃料によって持ち込まれる重金属が付着しているため、該ダストを水洗した際に得られる排水には、重金属が溶解しており、公共水域に放流するには、水質基準上、重金属を除去することが必要とされる。
近年、セメント原料、および燃料として各種廃棄物の使用割合が増加しつつある中、セメント製造装置から発生するダストを水洗した際の排水中にも、重金属が増加の傾向にある。特に、該排水に含まれるセレンは、他の重金属に比べて排水からの除去が困難である。
かかるセレン含有排水からセレンを除去する方法が、種々提案されている。例えば、セレン含有排水に第一鉄化合物と第二鉄化合物を同時に添加して液をアルカリ性に調整することによって、水酸化鉄と共にセレンを沈殿させて除去する方法(特許文献1参照)、セレン含有排水を複数段の処理槽に順次導き、各槽において、還元剤として第一鉄化合物を添加して、各層でセレンを沈殿させ、除去する方法(特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、上記方法のうち、第一鉄化合物と第二鉄化合物を同時に添加する方法によると、セレンの除去率が高く、また、特許文献1の明細書中に記載されているように、処理剤として使用した鉄系処理剤の鉄イオンの処理液中の残留も少ないが、第一鉄化合物を排水中のセレンに対して多量に使用する必要があり、沈殿物の発生量において改善の余地があった。
また、セレン含有排水を複数段の処理槽で処理する方法も、処理水において、ある程度のセレン低減効果は期待されるが、未だ改善の余地があり、しかも、排水中に残留する鉄系処理剤(第一鉄化合物)に由来する鉄含有量の低減においても、改善の余地があった。
従って、本発明の目的は、少量の処理剤により、効果的にセレン含有排水中のセレンを低減することができると共に、排水中に残留する鉄系処理剤由来の鉄含有量を極めて低減でき、更に、他の重金属も低減することが可能なセレン含有排水の処理方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、セレン含有排水に特定の第一鉄化合物を添加し、排水のpHを特定の値に調整することにより沈殿を生成せしめて分離し、更に、かかる処理液に対して、特定の第二鉄化合物を添加し、沈殿を生成せしめて分離することによって、少ない処理剤の量で、セレン含有排水中のセレンを高度に除去することができると共に、鉄系処理剤由来の鉄含量の低減に対しても極めて効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、セレン含有排水に、該排水中のセレン1g当たり硫酸第一鉄を鉄換算で100〜500gとなるように添加し、該排水のpHを7.5〜10に制御した後、生じた沈殿物を除去する第一分離工程と、該第一分離工程において沈殿物を除去した後の一次処理水に第二塩化鉄を添加し、生じた沈殿物を除去する第二分離工程とを含むことを特徴とするセレン含有排水の処理方法である。
本発明の方法によれば、少量の処理剤によりセレン含有排水からセレンを低減することができる。また、排水中に残留する鉄系処理剤由来の鉄含有量を極めて低減でき、更に、セレン含有排水に含まれる他の重金属も低減することができる。そのため、本発明は、セメント製造装置から排出されるダスト、電気集塵機から排出されるダスト、発電所から発生されるダスト等を洗浄した際に生じる排水、非鉄製錬における電解沈殿物の処理時に発生する排水等の処理に適用することができる。
本発明は、セレン含有排水に硫酸第一鉄を特定の量添加し、該排水のpHを制御した後、生じた沈殿物を除去する第一分離工程と、該第一分離工程において沈殿物を除去した後の一次処理水に第二塩化鉄を添加し、生じた沈殿物を除去する第二分離工程とを含むものである。
本発明において、前記セレン含有排水は、セメント製造装置から排出されるダスト、電気集塵機から排出されるダスト、発電所から発生されるダスト等を洗浄した際に生じる排水、非鉄製錬における電解沈殿物の処理時に発生する排水等のセレンを含有するものである。中でも、本発明では、セレン以外の他の重金属の低減も可能であるため、セメント製造装置における抽気ガスより回収されたダストを洗浄した排水に、好適に使用することができる。尚、前記排水には、セレン以外の重金属として、亜鉛、鉛、クロム、カドミウム、鉄等が含まれている。
本発明の前記第一分離工程では、セレン含有排水に、硫酸第一鉄を該排水中のセレン1g当たり鉄換算で100〜500gとなるように添加する。つまり、該排水中のセレン1mg/lに対して、硫酸第一鉄を鉄換算で100〜500mg/lとなるように添加する。硫酸第一鉄を使用することにより、セレンを効率良く除去することができる。硫酸第一鉄の添加量が、該排水中のセレン1g当たり鉄換算で100g未満の場合には、セレンを十分に低減できないため好ましくない。一方、鉄換算で500gを超える場合には、それ以上の添加効果が顕著に発揮されないこと、及び後述の第二分離工程において、塩化第二鉄の添加量を増やさなければ、硫酸第一鉄に由来する鉄イオンを低減することができなくなるため好ましくない。セレンの低減効果、経済性、鉄イオンの低減効果を考慮すると、硫酸第一鉄の添加量は、該排水中のセレン1g当たり鉄換算で100〜300gがより好ましい。
本発明において、前記硫酸第一鉄を添加したセレン含有排水は、pHを7.5〜10に制御する。該排水のpHが10を超える場合には、セレンを十分に低減させることができないため好ましくない。一方、該排水のpHが7.5未満の場合には、硫酸第一鉄自体が溶解するものと思われ、セレンの低減効果が低下するばかりでなく、後述の第二分離工程を行っても、鉄を低減させることができないため好ましくない。セレン、鉄の低減効果を考慮すると、該排水のpHは、8〜9.5に制御することが好ましい。
また、本発明において、前記硫酸第一鉄を添加したセレン含有排水のpHを7.5〜10に制御する方法は、該硫酸第一鉄を添加したセレン含有排水のpHが7.5〜10の範囲にない場合には、酸又はアルカリを適量添加し、該排水のpHが7.5〜10になるように調整してやればよい。また、前記硫酸第一鉄を添加した際に、セレン含有排水のpHが7.5〜10の範囲にあれば、そのまま沈殿物を除去することもできる。酸又はアルカリを添加して、該排水のpHを調整する場合、添加する酸は、特に制限されるものではなく、塩酸、硫酸、硝酸等を使用することができる。また、添加するアルカリも、特に制限されるものではなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用することができる。
本発明において、前記第一分離工程は、セレン含有排水を撹拌しながら、硫酸第一鉄を所定量添加し、必要に応じて酸またはアルカリを添加してpHを制御することができる。この際、硫酸第一鉄、必要に応じて酸またはアルカリを添加し、セレン含有排水中のセレンを処理する時間は、特に制限されるものではないが30〜180分程度であり、排水の温度も特に制限されるものではなく、15〜35℃の間であれば良い。このような処理を行うことにより、硫酸第一鉄、必要に応じて酸またはアルカリを添加したセレン含有排水には、硫酸第一鉄に伴ってセレンを含む沈殿物が生じる。
本発明の第一分離工程において、生じた沈殿物は、公知の方法、例えば、ろ過、遠心分離機、フィルタープレス、ベルトプレス等によって、固液分離を行い、排水中から除去される。また、前記第一分離工程においては、この固液分離を行う前に、分離操作を容易とするため、公知の高分子凝集剤、ろ過助剤を添加することもできる。固液分離して得られた一次処理水は、次いで、後述の第二分離工程で処理される。一方、固液分離して得られる沈殿物は、セメント原料としても使用することができる。
次いで、本発明においては、前記第一分離工程で処理された一次処理水に塩化第二鉄を添加し、生じた沈殿物を除去する第二分離工程を行う。塩化第二鉄は、セレンを低減させる効果だけでなく、他の重金属を低減させることができるため、特に、硫酸第一鉄由来の鉄が一次処理水に含まれたとしても、鉄の低減が容易となる。
また、前記一次処理水に添加する塩化第二鉄の添加量は、第一分離工程で添加した硫酸第一鉄中の鉄1g当たり鉄換算で0.1〜1gとなるように添加することが好ましい。本発明においては、第一分離工程である程度セレンを低減させているため、塩化第二鉄の添加量が上記の範囲でも十分にセレンや、その他の重金属を低減することができる。
また、本発明において、塩化第二鉄を添加した一次処理水は、該処理水のpHを8〜10に制御することが好ましい。該処理水のpHを8〜10の範囲に制御することにより、セレンの低減のみならず、鉄等の重金属を低減させる効果がより顕著に発揮されるため好ましい。尚、該処理水のpHを制御する場合、塩化第二鉄を添加した一次処理水のpHが8〜10の範囲にない場合には、酸又はアルカリを適量添加し、該排水のpHが8〜10になるように調整してやればよい。また、塩化第二鉄を添加した際に、該排水のpHが8〜10の範囲にあれば、そのまま沈殿物を除去することもできる。酸又はアルカリを使用する場合には、第一分離工程で使用したものと同じ物を使用することができる。
本発明において、前記第二分離工程は、一次処理水を撹拌しながら、塩化第二鉄を添加することができる。この際、塩化第二鉄を添加し、一次処理水を処理する時間は、特に制限されるものではないが5〜180分程度であり、該処理水の温度も特に制限されるものではなく、15〜35℃の間であれば良い。このように、塩化第二鉄を添加した一次処理水には、塩化第二鉄に伴ってセレンを含む沈殿物が生じる。
本発明の第二分離工程において、生じた沈殿物は、公知の方法、例えば、前記第一分離工程と同様の方法により、固液分離を行い、該一次処理水中から除去される。尚、第二分離工程においても固液分離を行う前に、第一分離工程と同じく分離操作を容易とするため、公知の高分子凝集剤、ろ過助剤を添加することができる。
このように固液分離して得られた処理水は、セレンが高度に除去されており、排水基準以下に低減することができる。一方、得られた沈殿物は、セメント原料としても使用することができる。
本発明のセレン含有排水の処理方法において、少ない量の硫酸第一鉄、塩化第二鉄でセレンを容易に低減できる理由は、明らかではないが以下の通り推測している。本発明は、第一分離工程で硫酸第一鉄を使用し、固液分離により得られた一次処理水に塩化第二鉄を添加することが重要である。本発明の第一分離工程において、特定量の硫酸第一鉄を使用し、pHを制御することにより、通常の処理では除去されにくいセレンが還元され、一次処理水中に残存しているセレンは4価のセレンとなっているものと考えられる。そのため、第一分離工程において固液分離した際、沈殿物として除去されず、一次処理水中に残存しているセレンは、4価の安定なセレンであるため、塩化第二鉄により生じた水酸化第二鉄の沈殿に吸着された状態で沈殿物となり、第二分離工程で処理水から容易に低減できるものと考えられる。以上のことから、少量の硫酸第一鉄、塩化第二鉄により、効率良くセレンを除去できるものと考えられる。
本発明のセレン含有排水の処理方法は、セレン以外の他の重金属の低減も可能であるため、特に、セメント製造装置からの抽気ガスより回収されたダストを洗浄した排水に好適に使用することができる。尚、前記排水には、セレン以外の重金属として、亜鉛、鉛、クロム、カドミウム、鉄等が含まれている。これら重金属は排水の濃度等にもよるが、セレンを含めた重金属が50〜300ppm程度含まれており、この程度の重金属を含む排水を本発明により処理した際には、重金属を十分に低減することができ、得られる処理水は排水基準を満たすものとすることができる。
以下、実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。 尚、実施例及び比較例に掲載した物性測定値は以下に示す方法によって行ったものである。
1)セレン及びその他の重金属の測定
JIS K 0102 工場排水試験方法のICP発光分光法によって行った。
JIS K 0102 工場排水試験方法のICP発光分光法によって行った。
実施例1
セレン含有排水として、セメント製造装置からの抽気ガスより回収されたダストを洗浄した排水を使用した。この排水には、セレンが11ppm含まれており、その他の重金属も表1に示す量含まれていた。
セレン含有排水として、セメント製造装置からの抽気ガスより回収されたダストを洗浄した排水を使用した。この排水には、セレンが11ppm含まれており、その他の重金属も表1に示す量含まれていた。
前記セレン含有排水に、硫酸第一鉄を鉄換算で2000mg/l(セレン1g当たり硫酸第一鉄を鉄換算で182g)となるように添加した後、水酸化ナトリウムを添加して排水のpHを9に調整した。その後、室温で60分間撹拌し、沈殿物を生成させ、吸引ろ過装置を使用して固液分離を行った(第一分離工程)。
次いで、第一分離工程で得られた一次処理水に、塩化第二鉄を鉄換算で300mg/l(硫酸第一鉄中の鉄1g当たり0.15g)となるように添加した。塩化第二鉄を添加した後、水酸化ナトリウムを添加して処理水のpHを9に調整した。その後、室温で30分間撹拌し、沈殿物を生成させ、吸引ろ過装置を使用して固液分離を行った(第二分離工程)。第二分離工程を行った処理水の分析結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、同様の操作で第一分離工程のみを行った。得られた一次処理水の分析結果を表1に示す。第一分離工程のみでは、セレンを十分に低減することができず、また、鉄も多くの残り、処理水が着色していた。
実施例1において、同様の操作で第一分離工程のみを行った。得られた一次処理水の分析結果を表1に示す。第一分離工程のみでは、セレンを十分に低減することができず、また、鉄も多くの残り、処理水が着色していた。
比較例2
実施例1と同じセレン含有排水に、塩化第二鉄を300mg/lとなるように添加し、水酸化ナトリウムを加え、pHを9に制御した。室温で30分撹拌し、沈殿物を生成させ、吸引ろ過装置を使用して固液分離を行った。得られた処理水の分析結果を表1に示す。第二分離工程のみでは、セレンを十分に低減できず、また、鉛も低減することができなかった。
実施例1と同じセレン含有排水に、塩化第二鉄を300mg/lとなるように添加し、水酸化ナトリウムを加え、pHを9に制御した。室温で30分撹拌し、沈殿物を生成させ、吸引ろ過装置を使用して固液分離を行った。得られた処理水の分析結果を表1に示す。第二分離工程のみでは、セレンを十分に低減できず、また、鉛も低減することができなかった。
比較例3
実施例1において、硫酸第一鉄を添加した際の排水のpHを、水酸化ナトリウムを添加してpHを10.5に制御して、第二分離工程を行った(第一分離工程のpHを10.5にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。)。得られた処理水の分析結果を表1に示す。第一分離工程において、pHが10を超えるとセレンを十分に低減することができなかった。
実施例1において、硫酸第一鉄を添加した際の排水のpHを、水酸化ナトリウムを添加してpHを10.5に制御して、第二分離工程を行った(第一分離工程のpHを10.5にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。)。得られた処理水の分析結果を表1に示す。第一分離工程において、pHが10を超えるとセレンを十分に低減することができなかった。
比較例4
実施例1と同じセレン含有排水に、硫酸第一鉄を鉄換算で1000mg/l(セレン1g当たり硫酸第一鉄を鉄換算で90g)となるように添加した。硫酸第一鉄を添加した排水に水酸化ナトリウムを添加して、pHを9に制御した。その後、室温で60分間撹拌し、沈殿物を生成させ、吸引ろ過装置を使用して固液分離を行った(第一分離工程)。次いで、第一分離工程で得られた一次処理水に、塩化第二鉄を鉄換算で300mg/l(硫酸第一鉄中の鉄1g当たり0.30g)となるように添加した。塩化第二鉄を添加した後、処理水に水酸化ナトリウムを添加して、pHを9に制御した。その後、室温で30分間撹拌し、沈殿物を生成させ、吸引ろ過装置を使用して固液分離を行った(第二分離工程)。処理水の分析結果を表1に示す。第一分離工程において、硫酸第一鉄の添加量が、セレン1g当たり鉄換算で100g未満の場合には、セレンを十分に低減することができなかった。
実施例1と同じセレン含有排水に、硫酸第一鉄を鉄換算で1000mg/l(セレン1g当たり硫酸第一鉄を鉄換算で90g)となるように添加した。硫酸第一鉄を添加した排水に水酸化ナトリウムを添加して、pHを9に制御した。その後、室温で60分間撹拌し、沈殿物を生成させ、吸引ろ過装置を使用して固液分離を行った(第一分離工程)。次いで、第一分離工程で得られた一次処理水に、塩化第二鉄を鉄換算で300mg/l(硫酸第一鉄中の鉄1g当たり0.30g)となるように添加した。塩化第二鉄を添加した後、処理水に水酸化ナトリウムを添加して、pHを9に制御した。その後、室温で30分間撹拌し、沈殿物を生成させ、吸引ろ過装置を使用して固液分離を行った(第二分離工程)。処理水の分析結果を表1に示す。第一分離工程において、硫酸第一鉄の添加量が、セレン1g当たり鉄換算で100g未満の場合には、セレンを十分に低減することができなかった。
Claims (3)
- セレン含有排水に、該排水中のセレン1g当たり硫酸第一鉄を鉄換算で100〜500gとなるように添加し、該排水のpHを7.5〜10に制御した後、生じた沈殿物を除去する第一分離工程と、該第一分離工程において沈殿物を除去した後の一次処理水に第二塩化鉄を添加し、生じた沈殿物を除去する第二分離工程とを含むことを特徴とするセレン含有排水の処理方法。
- 前記第二分離工程において、第一分離工程で添加した硫酸第一鉄中の鉄1g当たり塩化第二鉄を鉄換算で0.1〜1gとなるように一次処理水に添加し、塩化第二鉄を添加した処理水のpHを7.5〜10に制御した後、生じた沈殿物を除去することを特徴とする請求項1に記載のセレン含有排水の処理方法。
- 前記セレン含有排水が、セメント製造装置からの抽気ガスより回収されたダストを洗浄した排水である請求項1または2に記載のセレン含有排水の処理方法。
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