JP2006347831A - セメント工場から排出されるダストの処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セメント工場より排出されるダストから、効率良く塩素分を低減することができ、更に、ダストから溶解した重金属を含む一次処理水中の重金属を低減できるダストの処理方法を提供する。
【解決手段】セメント工場から排出されるダストに硫酸第一鉄と水を加えてスラリーとし、該スラリーのpHを7.5〜10に制御した後、固液分離を行う第一分離工程と、第一分離工程で固液分離を行った際に生じる一次処理水に塩化第二鉄を添加し、沈殿物を除去する第二分離工程とを含むことを特徴とするダストの処理方法を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】セメント工場から排出されるダストに硫酸第一鉄と水を加えてスラリーとし、該スラリーのpHを7.5〜10に制御した後、固液分離を行う第一分離工程と、第一分離工程で固液分離を行った際に生じる一次処理水に塩化第二鉄を添加し、沈殿物を除去する第二分離工程とを含むことを特徴とするダストの処理方法を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、セメント工場から排出されるダストの新規な処理方法に関する。
セメント工場から排出されるダストには、電気集塵ダスト、アルカリあるいは塩素バイパスダストがあり、このようなダストには、塩素や微量の重金属が含まれ、そのままの状態では、再利用、廃棄などができない状態である。
セメント工場から排出されるダストにおいて、アルカリバイパスダストあるいは塩素バイパスダストと呼ばれるものは、通常、以下の方法により回収される。セメント製造装置において、原料或いは燃料中に含まれるハロゲンやアルカリは、セメント焼成用キルンと、これに接続し、セメント原料を仮焼するためのプレヒーターとの間をハロゲン化アルカリ(ガス状)として循環され濃縮される。そして、この濃縮されたハロゲン化アルカリは、粘着性を有するため、装置内壁に付着し、ひいてはプレヒーターダクトの閉塞を招くおそれがある。そのため、濃縮されたハロゲン化アルカリを低減するために、ガスの一部を抽気しているが、この際、ガスに含まれるダストおよびガス冷却により生成するダストが回収される。
近年、セメント燃料、および燃料として各種廃棄物の使用割合が増加しつつある中、セメント工場から排出されるダストには、塩素、重金属等が増加の傾向にある。このようなセメント工場より排出されたダストは、セメント原料の一部として循環されるか、セメント製品に添加して使用されている。中でも、ハロゲン化アルカリの量が多い場合には、セメントの品質を低下させるおそれがあるため、水洗してハロゲン化アルカリを除去した後、セメント原料の一部、またはセメント製品に添加して使用されている。
ところが、上記ダストには、ハロゲンやアルカリの他、前記セメント原料、および燃料によって持ち込まれる重金属が含有されているため、該ダストを水洗した際に得られる排水には、多数の重金属(例えば、亜鉛、鉛、クロム、カドミウム、セレン、鉄等)が多量に溶解しており、公共水域に放流するには、水質基準上、重金属を除去することが必要とされる。
このようなダストの処理方法が種々提案されている。ダストに水を添加してスラリーにして、沈殿した第1障害物質を除去する工程と、前記スラリーに第2障害物質の沈殿促進剤(処理剤)を添加する工程とを備え、得られた第1障害物質と第2障害物質とをセメント原料に使用する方法(特許文献1参照)が提案されている。上記方法は、ダスト中の塩素を十分に低減させることができ、有効に処理したダストをセメント原料に再利用できるものである。
しかしながら、上記方法では、ダストと水を含むスラリーから鉛、カドミウムを低減する際に、硫化物、炭酸塩等の処理剤を使用することが示されているが、その他の重金属を低減する具体的な方法が示されていない。また、上記方法では、複数の重金属が上記スラリーに存在する場合、スラリーを各々の重金属が沈殿するのに最適なpHとし、その都度、重金属を含む沈殿物を除去して操作する必要があり、操作が煩雑になるといった点で改良の余地があった。
従って、本発明の目的は、セメント工場から排出されるダストを処理する方法において、該ダストから塩素分を低減させるために使用した水から、多くの重金属を簡単な工程で低減することができ、特に、除去が難しいセレン等の重金属を低減させることができるダストの処理方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、セメント工場から排出されるダストに水と第一鉄化合物を添加したスラリーのpHを、特定の値に制御した後、固液分離し、得られた処理水に特定の第二鉄化合物を添加し、沈殿を生成せしめて分離することによって、該ダストをセメント原料として再利用を可能とし、更に、簡単な工程で処理水中の重金属を効果的に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、 セメント工場から排出されるダストに硫酸第一鉄と水を加えてスラリーとし、該スラリーのpHを7.5〜10に制御した後、固液分離を行う第一分離工程と、第一分離工程で固液分離を行った際に得られる一次処理水に塩化第二鉄を添加し、生じた沈殿物を除去する第二分離工程とを含むことを特徴とするダストの処理方法である。
本発明の方法によれば、セメント工場から排出されるダストから塩素分を十分に低減することができるため、処理したダストをセメント原料に有効に再利用することができる。また、ダストに水と硫酸第一鉄を加えることにより、ある程度、重金属を沈殿物として固液分離できるため、工程が簡略化できると共に、塩化第二鉄により処理した処理水中の重金属をより低減することができる。特に、前記処理水中のセレン等の重金属をより低減することが可能となる。また、本発明は、ダストの塩素分を低減することができ、処理水中の重金属を低減することができるから、セメント工場から排出されるダストと類似の廃棄物(塩素分および重金属含有ダスト)、例えば、ゴミ発電所から発生されるダストや重金属汚染土壌の処理にも適用することができる。
本発明は、セメント工場から排出されるダストに、硫酸第一鉄および水を加えたスラリーのpHを特定の値に制御した後、固液分離を行う第一分離工程と、第一分離工程で固液分離を行った際に得られる一次処理水に塩化第二鉄を添加し、生じた沈殿物を除去する第二分離工程とを含むダストの処理方法である。
本発明において、前記セメント工場より排出されるダストとは、電気集塵ダスト、アルカリあるいは塩素バイパスダストである。これらダストは、塩素分が数千ppm〜数十%も含まれたものである。
本発明の第一分離工程において、前記ダストには、硫酸第一鉄および水を加え、スラリー化する。硫酸第一鉄を使用することにより、後述する固液分離の際、一次処理水(ろ液)中に重金属が含まれる量を低減することができる。更に、硫酸第一鉄を使用することにより、後述する第二分離工程で得られる処理水中の重金属をより低減することができる。また、ダストから水中に溶解した重金属が、硫酸第一鉄に伴って沈殿物となるため、スラリーを固液分離することにより、重金属および塩素分が低減されたダストを同時に回収することができる。
本発明において、硫酸第一鉄の添加量は、前記ダストに含まれる重金属の量等によって適宜決定してやればよいが、前記ダスト100質量部に対して15質量部以上であることが好ましい。本発明者等の検討によると、前記ダストは、セメント原料の受け入れ先、廃棄物の使用量等によって違いはあるが、多数の重金属を含み、ダスト1g当たり重金属が数千ppm〜数%程度存在していることが分かった。このダストから塩素分を十分に低減するため、水により洗浄した際、加える硫酸第一鉄の添加量を前記範囲にすることにより、最終的に第二分離工程により得られる処理水中の重金属を低減できるため好ましい。この硫酸第一鉄の添加量は、ダスト中に不溶解分が含まれていることも影響しているものと考えられる。一方、硫酸第一鉄の添加量の上限も、特に制限されるものではないが、ダスト100重量部に対して50質量部以下であることが、経済的であって固形分の低減という点で好ましい。第二分離工程で得られる処理水中の重金属の低減効果、経済性、固形分の低減等を考慮すると、硫酸第一鉄の添加量は、ダスト100質量部に対して、好ましくは15〜40質量部、更に、20〜30質量部が好ましい。尚、ダストに対する硫酸第一鉄の添加量は、特に、多量ダストを処理する場合には、少量のダストを使用して予め事前テストを行い決定することが好ましい。
本発明において、硫酸第一鉄の添加量は、前記ダストに含まれる重金属の量等によって適宜決定してやればよいが、前記ダスト100質量部に対して15質量部以上であることが好ましい。本発明者等の検討によると、前記ダストは、セメント原料の受け入れ先、廃棄物の使用量等によって違いはあるが、多数の重金属を含み、ダスト1g当たり重金属が数千ppm〜数%程度存在していることが分かった。このダストから塩素分を十分に低減するため、水により洗浄した際、加える硫酸第一鉄の添加量を前記範囲にすることにより、最終的に第二分離工程により得られる処理水中の重金属を低減できるため好ましい。この硫酸第一鉄の添加量は、ダスト中に不溶解分が含まれていることも影響しているものと考えられる。一方、硫酸第一鉄の添加量の上限も、特に制限されるものではないが、ダスト100重量部に対して50質量部以下であることが、経済的であって固形分の低減という点で好ましい。第二分離工程で得られる処理水中の重金属の低減効果、経済性、固形分の低減等を考慮すると、硫酸第一鉄の添加量は、ダスト100質量部に対して、好ましくは15〜40質量部、更に、20〜30質量部が好ましい。尚、ダストに対する硫酸第一鉄の添加量は、特に、多量ダストを処理する場合には、少量のダストを使用して予め事前テストを行い決定することが好ましい。
本発明において、水の添加量は、ダストに含まれるハロゲン化アルカリ等の量に応じて適宜決定してやればよいが、該ハロゲン化アルカリの低減効果を考慮すると、ダスト100質量部に対して1000〜5000質量部、好ましくは1500〜4000質量部、更に好ましくは1500〜2500質量部である。水の添加量が前記範囲にあることにより、ハロゲン化アルカリの低減効果だけでなく、スラリーの操作性の向上し、使用する水の量の低減化ができ、経済的にも好ましい。
本発明において、セメント工場から排出されるダストに、硫酸第一鉄および水とを加えたスラリーは、そのpHを7.5〜10に制御しなければならない。該スラリーのpHが7未満の場合には、硫酸第一鉄自体が溶解するものと思われ、後述する第二分離工程で得られる処理水において、鉄やその他の重金属を低減させることができないため好ましくない。一方、該スラリーのpHが10を超える場合、後述する第二分離工程で得られる処理水において、重金属、特に、セレン等を低減させることができないため好ましくない。セメント工場から排出されるダストから水へ溶解した重金属の低減効果を考慮すると、該スラリーのpHは、7.5〜10に制御することが好ましく、更に、8〜9.5が好ましい。
本発明において、前記スラリーのpHを制御する方法は、スラリーのpHが7.5〜10の範囲にない場合には、酸又はアルカリを適量添加し、該排水のpHが7.5〜10になるように調整してやればよい。また、元々、スラリーのpHが7.5〜10の範囲にあれば、そのまま固液分離することもできる。酸又はアルカリを添加して、該排水のpHを調整する場合、添加する酸は、特に制限されるものではなく、塩酸、硫酸等を使用することができる。また、添加するアルカリも、特に制限されるものではなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用することができる。
本発明において、前記第一分離工程は、セメント工場から排出されるダストに硫酸第一鉄、水を加えたスラリーを撹拌しながら、必要に応じて酸またはアルカリを添加して、該スラリーのpHを制御することができる。この際、スラリーの撹拌時間、または必要に応じて酸またはアルカリを添加したスラリーを処理する時間は、特に制限されるものではないが30分〜90分程度であり、該スラリーの温度も特に制限されるものではなく、15〜35℃の間であれば良い。このような処理を行うことにより、必要に応じて酸またはアルカリを添加したスラリーには、ダストの他、硫酸第一鉄に伴って重金属を含む沈殿物が生じる。
本発明の第一分離工程において、硫酸第一鉄により生じた重金属の沈殿物を含むスラリーは、固液分離され、固形分と一次処理水とに分離される。重金属の沈殿物を含むスラリーを固液分離する方法は、公知の方法、例えば、ろ過、遠心分離機、フィルタープレス、ベルトプレス等を採用することができる。また、前記第一分離工程においては、この固液分離を行う前に、分離操作を容易とするため、公知の高分子凝集剤、ろ過助剤を添加することもできる。固液分離して得られた一次処理水は、次いで、後述の第二分離工程で処理される。一方、固液分離して得られる固形分は、塩素分が十分に低減されており、セメント原料として使用することができる。また、この固形分は、水洗することにより塩素分をより低減することができる。尚、前記一次処理水は、第一分離工程において固形分を水洗した場合には、その水洗に使用した水も含むものとする。
次いで、本発明においては、前記第一分離工程で固液分離により得られた一次処理水に、塩化第二鉄を添加し、沈殿物を除去する第二分離工程を行う。塩化第二鉄は、セメント工場から排出されるダストに含まれる重金属の低減効果が顕著であり、更に、硫酸第一鉄由来の鉄が一次処理水に含まれたとしても、鉄の低減が容易となる。
本発明において、前記一次処理水に添加する塩化第二鉄の添加量は、前記一次処理水に含まれる重金属の量に応じて適宜決定してやればよく、特に制限されるものではないが、一次処理水100質量部に対して、0.005〜0.1質量部であることが好ましく、更に、0.01〜0.05質量部であることが好ましい。本発明においては、第一分離工程である程度重金属を沈殿物とし、除去しているため、セメント工場から排出されるダストをスラリー化して得られる一次処理水においては、塩化第二鉄の添加量が上記の範囲でも十分に重金属を低減することができる。
また、本発明において、塩化第二鉄を添加した一次処理水は、該処理水のpHを8〜10に制御することが好ましい。該処理水のpHを8〜10の範囲に制御することにより、重金属を低減させる効果がより顕著に発揮されるため好ましい。尚、該処理水のpHを制御する場合、塩化第二鉄を添加した一次処理水のpHが8〜10の範囲にない場合には、酸又はアルカリを適量添加し、該排水のpHが8〜10になるように調整してやればよい。また、塩化第二鉄を添加した際に、該排水のpHが8〜10の範囲にあれば、そのまま沈殿物を除去することもできる。酸又はアルカリを使用する場合には、第一分離工程で使用したものと同じ物を使用することができる。
本発明において、前記第二分離工程は、一次処理水を撹拌しながら、塩化第二鉄を添加することができる。この際、塩化第二鉄を添加し、一次処理水を処理する時間は、特に制限されるものではないが5〜180分程度であり、該処理水の温度も特に制限されるものではなく、15〜35℃の間であれば良い。このような処理を行うことにより、塩化第二鉄を添加した一次処理水には、塩化第二鉄に伴って重金属を含む沈殿物が生じる。
本発明の第二分離工程において、生じた沈殿物は、公知の方法、例えば、前記第一分離工程と同様の方法により、固液分離を行い、該一次処理水中から除去される。尚、第二分離工程においても固液分離を行う前に、第一分離工程と同じく分離操作を容易とするため、公知の高分子凝集剤、ろ過助剤を添加することができる。
このように固液分離して得られた処理水は、重金属が高度に除去されており、排水基準以下に低減することができる。特に、セレン等の重金属をより低減することができる。一方、得られた沈殿物は、セメント原料として使用することができる。
本発明の第二分離工程において、塩化第二鉄を使用することにより、一次処理水に含まれる重金属が沈殿物となって容易に除去できる理由、特に通常の処理では除去が難しいセレンを容易に一次処理水から低減できる理由は、明らかではないが以下の通り推測している。本発明は、第一分離工程で硫酸第一鉄を使用し、固液分離により得られた一次処理水に塩化第二鉄を添加することが重要である。本発明の第一分離工程において、硫酸第一鉄を使用することにより、ダスト中から水へ溶解した重金属が沈殿物となるばかりでなく、通常の処理では除去されにくいセレンが還元され、一次処理水中では4価のセレンとなっているものと考えられる。そのため、第一分離工程の固液分離の際、一次処理水にセレンを含む重金属が含まれたとしても、セレンは4価のセレンとして残存し、安定な4価のセレンは、第二分離工程において、塩化第二鉄により生じた水酸化第二鉄の沈殿に吸着された状態で沈殿物となり、第二分離工程で処理水から容易に低減するできるものと考えられる。
以下、実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。尚、実施例及び比較例に掲載した物性測定値は以下に示す方法によって行ったものである。
1)処理水中の重金属の測定
JIS K 0102 工場排水試験方法のICP発光分光法によって行った。
JIS K 0102 工場排水試験方法のICP発光分光法によって行った。
2)ダスト、固形分中の塩素濃度の測定
第一分離工程で得られる固形分の塩素濃度を蛍光X線により分析した。
第一分離工程で得られる固形分の塩素濃度を蛍光X線により分析した。
実施例1
セメント工場より排出される塩素濃度27.3%のダスト100質量部に対して、硫酸第一鉄50質量部、水1000質量部を加えてスラリーをとした後、このスラリーのpHを9.5に調整した。前記pH9.5のスラリーを20℃、60分間撹拌した。次いで、該スラリーを吸引式ろ過装置により固液分離を行い、更に、得られた固形分に、前記ダスト100質量部に対して、2000質量部の洗浄水を流し、一次処理水を得た。尚、一次処理水は、この洗浄水を含むものである(第一分離工程)。洗浄後の固形分の塩素濃度を表1に示す。
セメント工場より排出される塩素濃度27.3%のダスト100質量部に対して、硫酸第一鉄50質量部、水1000質量部を加えてスラリーをとした後、このスラリーのpHを9.5に調整した。前記pH9.5のスラリーを20℃、60分間撹拌した。次いで、該スラリーを吸引式ろ過装置により固液分離を行い、更に、得られた固形分に、前記ダスト100質量部に対して、2000質量部の洗浄水を流し、一次処理水を得た。尚、一次処理水は、この洗浄水を含むものである(第一分離工程)。洗浄後の固形分の塩素濃度を表1に示す。
次いで、得られた一次処理水に、一次処理水100質量部に対して、塩化第二鉄を0.03質量部となるように加え、更に一次処理水のpHが9となるように水酸化ナトリウムを加えた。塩化第二鉄の添加およびpHの制御は、20℃で30分間撹拌しながら行った。生じた沈殿物を吸引式ろ過装置により固液分離した(第二分離工程)。得られた処理水の分析結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同じダスト100質量部に対して、水1000質量部を加えスラリーとし20℃、60分間撹拌した。該スラリーを固液分離し、得られた固形分をダスト100質量部に対して、2000質量部の洗浄水を流し、一次処理水を得た。この一次処理水の分析結果を表1に示す。単なる水洗では、処理水に重金属が含まれていた。
実施例1と同じダスト100質量部に対して、水1000質量部を加えスラリーとし20℃、60分間撹拌した。該スラリーを固液分離し、得られた固形分をダスト100質量部に対して、2000質量部の洗浄水を流し、一次処理水を得た。この一次処理水の分析結果を表1に示す。単なる水洗では、処理水に重金属が含まれていた。
比較例2
実施例1において、硫酸第一鉄を全く加えない以外は、実施例1と同様の操作を行った。固形分、処理水の分析結果を表1に示す。硫酸第一鉄を全く加えない場合には、処理水の重金属を十分に低減させることができなかった。
実施例1において、硫酸第一鉄を全く加えない以外は、実施例1と同様の操作を行った。固形分、処理水の分析結果を表1に示す。硫酸第一鉄を全く加えない場合には、処理水の重金属を十分に低減させることができなかった。
比較例3
実施例1において、第一分離工程で得られた一次処理水の分析結果を表1に示す。一次処理水中の重金属、特にセレン、鉄を低減させることができなかった。
実施例1において、第一分離工程で得られた一次処理水の分析結果を表1に示す。一次処理水中の重金属、特にセレン、鉄を低減させることができなかった。
比較例4、5
実施例1の第一分離工程において、スラリーのpHを7に制御した場合(比較例4)、スラリーのpHを11に制御した場合(比較例5)とし、その他の操作は実施例1と同様の操作を行った。比較例4では、処理水中の鉄を十分に低減することができず、また、比較例5では、処理水中のセレンを十分に低減させることができなかった。
実施例1の第一分離工程において、スラリーのpHを7に制御した場合(比較例4)、スラリーのpHを11に制御した場合(比較例5)とし、その他の操作は実施例1と同様の操作を行った。比較例4では、処理水中の鉄を十分に低減することができず、また、比較例5では、処理水中のセレンを十分に低減させることができなかった。
Claims (3)
- セメント工場から排出されるダストに硫酸第一鉄と水を加えてスラリーとし、該スラリーのpHを7.5〜10に制御した後、固液分離を行う第一分離工程と、第一分離工程で固液分離を行った際に得られる一次処理水に塩化第二鉄を添加し、生じた沈殿物を除去する第二分離工程とを含むことを特徴とするダストの処理方法。
- 前記第二分離工程において、塩化第二鉄を添加した一次処理水のpHを7〜10に制御した後、生じた沈殿物を除去することを特徴とする請求項1に記載のダストの処理方法。
- 前記第一分離工程において、固液分離を行った際に生じる固形分をセメント原料として使用することを特徴とする請求項1または2に記載のダストの処理方法。
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