JP2020166998A - 端子付き電線の製造装置および端子付き電線の製造方法 - Google Patents

端子付き電線の製造装置および端子付き電線の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】端子付き電線の防食性能を向上させることができる端子付き電線の製造装置を提供する。
【解決手段】端子付き電線の製造装置100は、電線60と、電線に対して圧着された圧着端子1と、を有する端子付き電線2を下方から支持する支持台40と、液状の樹脂を圧送する圧送部と、端子付き電線を上方から覆う凹状面54bと、凹状面に開口しており、圧送部から送られる樹脂を吐出する通路54gと、を有し、駆動部によって駆動されて支持台に対して上下方向に相対移動する移動体50と、を備え、通路から吐出する樹脂9によって凹状面に樹脂の膜90を形成し、樹脂の膜を電線の芯線61に付着させる。
【選択図】図15

Description

本発明は、端子付き電線の製造装置および端子付き電線の製造方法に関する。
従来、防食剤を塗布する端子付電線の製造方法がある。特許文献1には、芯線を電線接続部に圧着する圧着工程と、圧着工程の後、上型を取り外して、圧着キャビティ内に配設された状態の電線接続部に対して上方から防食剤を塗布する塗布工程と、を備えた端子付電線の製造方法が開示されている。
特開2017−204455号公報
端子付き電線において、塗布された樹脂による防食性能を向上できることが望まれている。例えば、樹脂を塗布する際のムラの発生を抑制することができれば、端子付き電線の防食性能を向上させることができる。
本発明の目的は、端子付き電線の防食性能を向上させることができる端子付き電線の製造装置および端子付き電線の製造方法を提供することである。
本発明の端子付き電線の製造装置は、電線と、前記電線に対して圧着された圧着端子と、を有する端子付き電線を下方から支持する支持台と、液状の樹脂を圧送する圧送部と、前記端子付き電線を上方から覆う凹状面と、前記凹状面に開口しており、前記圧送部から送られる前記樹脂を吐出する通路と、を有し、駆動部によって駆動されて前記支持台に対して上下方向に相対移動する移動体と、を備え、前記通路から吐出する前記樹脂によって前記凹状面に前記樹脂の膜を形成し、前記樹脂の膜を前記電線の芯線に付着させることを特徴とする。
本発明に係る端子付き電線の製造装置は、電線と、電線に対して圧着された圧着端子と、を有する端子付き電線を下方から支持する支持台と、液状の樹脂を圧送する圧送部と、端子付き電線を上方から覆う凹状面と、凹状面に開口しており、圧送部から送られる樹脂を吐出する通路と、を有し、駆動部によって駆動されて支持台に対して上下方向に相対移動する移動体と、を備え、通路から吐出する樹脂によって凹状面に樹脂の膜を形成し、樹脂の膜を電線の芯線に付着させる。本発明に係る端子付き電線の製造装置は、樹脂を塗布する際のムラの発生を抑制し、端子付き電線の防食性能を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る圧着前の圧着端子および電線を示す斜視図である。 図2は、実施形態に係る圧着前の圧着端子および電線を示す正面図である。 図3は、実施形態に係る圧着後の圧着端子および電線を示す斜視図である。 図4は、実施形態に係る製造装置の斜視図である。 図5は、実施形態に係る上型および吐出部の斜視図である。 図6は、実施形態に係る上型および吐出部の分解斜視図である。 図7は、実施形態に係る吐出部の分解斜視図である。 図8は、実施形態に係る第二保持部材の斜視図である。 図9は、実施形態に係る第一保持部材の斜視図である。 図10は、実施形態に係る上型および吐出部の断面図である。 図11は、実施形態に係る上型および吐出部の拡大断面図である。 図12は、実施形態の樹脂塗布工程を説明する断面図である。 図13は、実施形態の樹脂塗布工程を説明する正面図である。 図14は、実施形態の樹脂膜を説明する図である。 図15は、実施形態の樹脂塗布工程を説明する他の正面図である。 図16は、実施形態の樹脂塗布工程を説明する拡大断面図である。 図17は、実施形態に係る樹脂が塗布された端子付き電線の平面図である。 図18は、端子付き電線に形成される樹脂膜の一例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態に係る端子付き電線の製造装置および端子付き電線の製造方法につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図18を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、端子付き電線の製造装置および端子付き電線の製造方法に関する。図1は、実施形態に係る圧着前の圧着端子および電線を示す斜視図、図2は、実施形態に係る圧着前の圧着端子および電線を示す正面図、図3は、実施形態に係る圧着後の圧着端子および電線を示す斜視図、図4は、実施形態に係る製造装置の斜視図、図5は、実施形態に係る上型および吐出部の斜視図、図6は、実施形態に係る上型および吐出部の分解斜視図、図7は、実施形態に係る吐出部の分解斜視図、図8は、実施形態に係る第二保持部材の斜視図、図9は、実施形態に係る第一保持部材の斜視図、図10は、実施形態に係る上型および吐出部の断面図、図11は、実施形態に係る上型および吐出部の拡大断面図、図12は、実施形態の樹脂塗布工程を説明する断面図、図13は、実施形態の樹脂塗布工程を説明する正面図、図14は、実施形態の樹脂膜を説明する図、図15は、実施形態の樹脂塗布工程を説明する他の正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る圧着端子1は、端子接続部11、芯線圧着部12、および被覆圧着部13を有する。端子接続部11、芯線圧着部12、および被覆圧着部13は、この順序で圧着端子1の長手方向に沿って配置されている。圧着端子1は、母材としての導電性の金属板(例えば銅板、銅合金板)から形成される。圧着端子1は、母材に対する打ち抜き加工や折り曲げ加工等により所定の形状に形成される。圧着端子1の表面には、スズ(Sn)等のメッキがなされていてもよい。
本明細書では、圧着端子1の説明において、相手側端子との接続方向、すなわち相手側端子との挿入方向を第一方向Lと称する。第一方向Lは、圧着端子1の長手方向である。圧着端子1の幅方向を第二方向Wと称する。第二方向Wは、第一方向Lと直交している。圧着端子1において、第一方向Lおよび第二方向Wの何れとも直交する方向を第三方向Hと称する。第三方向Hは、圧着端子1が圧着される際の上型50による圧縮方向である。第三方向Hは、圧着端子1の高さ方向である。
端子接続部11は、相手側端子と電気的に接続される部分である。本実施形態の端子接続部11の形状は、角筒形状である。芯線圧着部12は、電線60の芯線61に対して圧着される部分である。電線60は、芯線61と、被覆62とを有する。芯線61の材料は、例えば、銅やアルミニウムである。圧着端子1の圧着対象である電線60は、端部の被覆62が取り除かれて芯線61が所定の長さ露出している。本実施形態の芯線61は、複数本の素線の集合体である。ただし、芯線61は、同軸ケーブルのような単線であってもよい。圧着端子1は、電線60の端部に圧着されることで、露出している芯線61に対して電気的に接続される。
芯線61に対して圧着される前の芯線圧着部12の形状は、図1に示すようにU字状の形状である。芯線圧着部12は、底部21と、第一側壁部22とを有する。底部21は、芯線圧着部12の底壁部であり、後述する下型40によって支持される。第一側壁部22は、第一バレル片部22Aおよび第二バレル片部22Bを有する。第一バレル片部22Aおよび第二バレル片部22Bは、芯線61に加締められる一対の側壁部である。第一バレル片部22Aは、底部21の幅方向の一端から突出している側壁部である。第二バレル片部22Bは、底部21の幅方向の他端から突出している側壁部である。第一バレル片部22Aおよび第二バレル片部22Bは、底部21の幅方向に対して交差する方向に延出している。第一バレル片部22Aと第二バレル片部22Bとは第二方向Wにおいて互いに対向している。図1および図2に示すように、第一バレル片部22Aと第二バレル片部22Bとの間隔は、底部21側から先端側へ向かうに従って広がっている。
図1に示すように、被覆圧着部13は、底部31および第二側壁部32を有する。被覆62に対して圧着される前の被覆圧着部13の形状は、図1に示すようにU字状の形状である。底部31は、被覆圧着部13の底壁部である。第二側壁部32は、第三バレル片部32Aおよび第四バレル片部32Bを有する。第三バレル片部32Aは、底部31の幅方向の一端から突出している側壁部である。第四バレル片部32Bは、底部31の幅方向の他端から突出している側壁部である。第三バレル片部32Aと第四バレル片部32Bとは第二方向Wにおいて互いに対向している。第三バレル片部32Aと第四バレル片部32Bとの間隔は、底部31側から先端側へ向かうに従って広がっている。被覆圧着部13は、下型40および上型50によって被覆62に対して圧着される。
端子接続部11と芯線圧着部12とは、中間部14を介してつながっている。中間部14の高さは、端子接続部11の高さおよび芯線圧着部12の高さの何れよりも低い。芯線圧着部12と被覆圧着部13とは、中間部15を介してつながっている。中間部15は、底部15aおよび側壁部15bを有する。底部15aは、芯線圧着部12の底部21と被覆圧着部13の底部31とをつないでいる。側壁部15bは、底部15aの両側からそれぞれ延出している。一方の側壁部15bは第一バレル片部22Aと第三バレル片部32Aとをつないでいる。他方の側壁部15bは、第二バレル片部22Bと第四バレル片部32Bとをつないでいる。側壁部15bの高さは、芯線圧着部12の各バレル片部22A,22Bの高さおよび被覆圧着部13の各バレル片部32A,32Bの高さの何れよりも低い。
電線60は、図1に示すように、電線60の軸方向が圧着端子1の長手方向と一致するようにして圧着端子1に載置される。圧着端子1に載置された状態で、芯線61の先端部61aは、端子接続部11に向けられている。被覆62から外部に露出した芯線61は、芯線圧着部12に載置される。このときに、芯線61の先端部61aは、芯線圧着部12から端子接続部11側に突出していてもよい。被覆圧着部13には、電線60の被覆62が載置される。電線60は、被覆62の先端62aが芯線圧着部12と被覆圧着部13との間に位置するように設置されてもよい。
芯線圧着部12および被覆圧着部13は、図2に示す下型40および上型50によって電線60に対して圧着される。下型40は、芯線圧着部12および被覆圧着部13を下方から支持する支持側の金型である。下型40の支持面40aは、芯線圧着部12の底部21の外側面を支持する。従って、芯線圧着部12が下型40によって支持されている状態で、第一バレル片部22Aおよび第二バレル片部22Bは、底部21から斜め上方に向けて延出した姿勢となる。下型40は、同様にして、被覆圧着部13を下方から支持する。
本実施形態に係る端子付き電線の製造装置(以下、単に「製造装置」と称する。)100は、以下に説明するように、圧着工程および樹脂塗布工程の両方を行なうように構成されている。本実施形態の製造装置100は、端子付き電線5の防食性能の向上などを実現できる。
図4に示すように、製造装置100は、フレーム111、ラム114、押下部材122、上型50、および塗布機構3等を有する。製造装置100は、更に、図2等に示す下型40を有する。フレーム111は、例えば、製造装置100が載置される載置台に対して固定される。ラム114は、フレーム111に対して上下方向に沿って相対移動する部材である。製造装置100は、ラム114を上下方向に往復動させる駆動部110(図12参照)を有している。押下部材122は、ラム114に対して固定されており、ラム114と共に上下動する。押下部材122は、圧着端子1を切り離す切断機構を動作させる。
塗布機構3は、圧送部4、ホルダ5、チューブ6、第一吐出部7、および第二吐出部8を有する。圧送部4は、液状の樹脂を圧送する機構であり、例えば、ポンプを含む。圧送部4は、樹脂の吐出圧や吐出量を調整する機構を有していてもよい。第一吐出部7および第二吐出部8は、電線60の芯線61に対して樹脂を吐出する部材である。ホルダ5は、第一吐出部7および第二吐出部8を保持する部材である。
図5に示すように、押下部材122は、本体123および一対の保持壁部124を有する。本体123の形状は、略矩形の板状である。本体123の前面123aは、上型50と対向する。一対の保持壁部124は、本体123の背面123bから上型50とは反対側に向けて突出している。一対の保持壁部124は、互いに対向しており、ホルダ5を保持する。一方の保持壁部124は、ホルダ5を位置決めするガイド突起124aを有する。ホルダ5は、一対の保持壁部124の間に挿入され、押下部材122に対して固定される。従って、ホルダ5は、ラム114に対して固定されており、ラム114と共に上下動する。
図6に示すように、本実施形態の上型50は、第一加締め部材51、第二加締め部材52、第一保持部材53、および第二保持部材54を有する。第一加締め部材51、第二加締め部材52、第一保持部材53、および第二保持部材54は、それぞれ板状の部材であり、例えば、金属で形成されている。四つの部材51,52,53,54は、押下部材122側から、第二加締め部材52、第二保持部材54、第一加締め部材51、および第一保持部材53の順序で重ねられる。
第一加締め部材51は、圧着端子1の第一側壁部22を芯線61に対して加締める部材である。第二加締め部材52は、圧着端子1の第二側壁部32を被覆62に対して加締める部材である。第一保持部材53は、第一吐出部7の第一筒状部73を保持する部材である。第二保持部材54は、第二吐出部8の第二筒状部83を保持する部材である。
図7に示すように、第一吐出部7は、本体部71、嵌合部72、および第一筒状部73を有する。本体部71は、筒状の構成部であり、軸方向の一端に入口側開口74を有する。第一筒状部73は、本体部71における軸方向の他端から突出している。第一筒状部73は、細長い筒状の構成部である。第一筒状部73の内部空間は、本体部71の内部空間と連通している。入口側開口74には、チューブ6が接続される。圧送部4から送り出された樹脂は、チューブ6から本体部71を経由して第一筒状部73に流入する。
第一筒状部73は、中間部において折れ曲がっている。より詳しくは、第一筒状部73は、基端側筒部75と、屈曲部76と、先端側筒部77と、を有する。基端側筒部75および先端側筒部77は、それぞれ直線状の部分である。基端側筒部75は、本体部71とつながっており、本体部71の軸方向に沿って延在している。先端側筒部77は、基端側筒部75と直交する方向に延在している。屈曲部76は、基端側筒部75と先端側筒部77とをつないでおり、円弧状に湾曲している。嵌合部72は、本体部71の外側面から突出している。軸方向視した場合の嵌合部72の外形は、略矩形である。嵌合部72は、ホルダ5の第一収容室5aに嵌合する。
第二吐出部8は、本体部81、嵌合部82、および第二筒状部83を有する。本体部81は、筒状の構成部であり、軸方向の一端に入口側開口84を有する。第二筒状部83は、本体部81における軸方向の他端から突出している。第二筒状部83は、細長い筒状の構成部である。第二筒状部83の内部空間は、本体部81の内部空間と連通している。入口側開口84には、チューブ6が接続される。圧送部4から送り出された樹脂は、チューブ6から本体部81を経由して第二筒状部83に流入する。
第二筒状部83は、中間部において折れ曲がっている。より詳しくは、第二筒状部83は、基端側筒部85と、屈曲部86と、先端側筒部87と、を有する。基端側筒部85および先端側筒部87は、それぞれ直線状の部分である。基端側筒部85は、本体部81とつながっており、本体部81の軸方向に沿って延在している。先端側筒部87は、基端側筒部85と直交する方向に延在している。屈曲部86は、基端側筒部85と先端側筒部87とをつないでおり、円弧状に湾曲している。嵌合部82は、本体部81の外側面から突出している。軸方向視した場合の嵌合部82の外形は、略矩形である。嵌合部82は、ホルダ5の第二収容室5bに嵌合する。
ホルダ5は、第一収容室5a、第二収容室5b、第一スリット5c、および第二スリット5dを有する。第一収容室5aは、ホルダ5の背面5fに開口5gを有する。第一収容室5aは、開口5gから前面5eに向けて凹んでいる。第一収容室5aの断面形状は、略矩形である。第二収容室5bは、ホルダ5の背面5fに開口5hを有する。第二収容室5bは、開口5hから前面5eに向けて凹んでいる。開口5gと開口5hとは第三方向Hにおいて並んでいる。
第一スリット5cは、第一収容室5aと外部空間とを連通している。第一スリット5cは、開口5gとつながっており、ホルダ5の側面5kから前面5eまで連続して形成されている。第二スリット5dは、第二収容室5bと外部空間とを連通している。第二スリット5dは、開口5hとつながっており、ホルダ5の側面5kから前面5eまで連続して形成されている。
第一吐出部7がホルダ5に取り付けられる際には、第一筒状部73が第一スリット5cに通され、本体部71が第一収容室5aに挿入される。このときに、嵌合部72が第一収容室5aと嵌合することで本体部71が位置決めされる。第二吐出部8がホルダ5に取り付けられる際には、第二筒状部83が第二スリット5dに通され、本体部81が第二収容室5bに挿入される。このときに、嵌合部82が第二収容室5bと嵌合することで本体部81が位置決めされる。
図6に示すように、押下部材122の本体123には、貫通孔125が形成されている。貫通孔125は、一対の保持壁部124の間に配置されている。貫通孔125の形状は、第一筒状部73および第二筒状部83を通過させることができる形状である。貫通孔125は、第三方向Hに沿った長孔である。
第二加締め部材52は、第二加締め部材52を板厚方向に貫通する貫通孔52aを有する。貫通孔52aの形状は、第一筒状部73および第二筒状部83を通過させることができる形状である。貫通孔52aは、第三方向Hに沿った長孔である。第二加締め部材52は、第二加締め面52bを有する。第二加締め面52bは、第二側壁部32を被覆62に対して加締める面である。第二加締め面52bは、第二加締め部材52における長手方向の一端に形成された凹形状の面である。第二加締め部材52は、第二加締め面52bを下方に向けた姿勢でラム114に対して固定される。第二加締め面52bおよび貫通孔52aは、同一直線上に隣接して配置されている。
第二保持部材54は、第二保持部材54を板厚方向に貫通する貫通孔54aを有する。貫通孔54aの形状は、第一筒状部73を通過させることができる形状で、かつ第二筒状部83を進入させることができる形状である。第二保持部材54は、凹状面54bを有する。凹状面54bは、第二加締め面52bと対応する位置に配置されている。第二保持部材54は、凹状面54bを下方に向けた姿勢でラム114に対して固定される。
図6および図8に示すように、第二保持部材54の背面54cには、嵌合突起54dが設けられている。嵌合突起54dは、第二加締め部材52の貫通孔52aに嵌合することで、第二加締め部材52に対して第二保持部材54を位置決めする。また、図8に示すように、第二保持部材54の前面54eには、嵌合突起54fが設けられている。嵌合突起54fは、第一加締め部材51の貫通孔51cに嵌合することで、第一加締め部材51に対して第二保持部材54を位置決めする。
図8に示すように、第二保持部材54は、保持孔54gを有する。保持孔54gは、第二保持部材54の長手方向に沿って延在している。保持孔54gの一端は、凹状面54bに開口している。保持孔54gの他端は、貫通孔54aに連通している。第二筒状部83の先端側筒部87は、保持孔54gに挿入される。
図6に示すように、第一加締め部材51は、第一加締め部材51を板厚方向に貫通する貫通孔51a,51cを有する。貫通孔51aの形状は、第一筒状部73を通過させることができる形状である。貫通孔51cの形状は、第二保持部材54の嵌合突起54fの形状と対応している。第一加締め部材51は、第一加締め面51bを有する。第一加締め面51bは、圧着端子1の第一側壁部22を芯線61に対して加締める凹形状の面である。第一加締め面51bは、第一加締め部材51における長手方向の両端に一つずつ形成されている。貫通孔51cは、貫通孔51aと第一加締め面51bとの間に配置されている。第一加締め面51b、貫通孔51c、および貫通孔51aは、同一直線上に配置されている。第一加締め部材51は、何れか一つの第一加締め面51bを下方に向けた姿勢でラム114に対して固定される。
図6および図9に示すように、第一保持部材53は、第一保持部材53を板厚方向に貫通する貫通孔53aを有する。貫通孔53aの形状は、第一筒状部73を進入させることができる形状である。図9に示すように、第一保持部材53は、保持孔53cを有する。保持孔53cは、第一保持部材53の長手方向に沿って延在している。保持孔53cの一端は、第一保持部材53の端面53dに開口している。保持孔53cの他端は、貫通孔53aに連通している。本実施形態の保持孔53cは、第一保持部材53の板厚方向において、背面53b寄りの位置に配置されている。背面53bは、第一加締め部材51と対向する面である。第一筒状部73の先端側筒部77は、保持孔53cに挿入される。先端側筒部77の先端は、保持孔53cから突出する。
第一吐出部7および第二吐出部8は、図10および図11に示すように上型50に組み付けられる。第一吐出部7の第一筒状部73は、押下部材122、第二加締め部材52、第二保持部材54、および第一加締め部材51を貫通している。より詳しくは、第一筒状部73の基端側筒部75および屈曲部86が第一方向Lに沿って押下部材122、第二加締め部材52、および第二保持部材54を貫通している。第一筒状部73の先端側筒部77は、第一保持部材53の保持孔53cに挿通されている。
第一吐出部7は、通路78を有する。通路78は、本体部71に注入される樹脂を芯線61に向けて通過させる通路である。本実施形態の通路78は、第一筒状部73に形成されており、第一筒状部73を貫通している。通路78の一端は、本体部71の内部空間に連通している。通路78の他端は、吐出口79において外部空間に開放している。吐出口79は、先端側筒部77の先端に形成されている。通路78の少なくとも一部は、上型50に形成された孔部であってもよい。すなわち、通路78は、圧送部4から送り出される樹脂を芯線61に向けて吐出できるように構成されていればよい。
第二吐出部8の第二筒状部83は、押下部材122、および第二加締め部材52を貫通している。より詳しくは、第二筒状部83の基端側筒部85および屈曲部86が第一方向Lに沿って押下部材122および第二加締め部材52を貫通している。第二筒状部83の先端側筒部87は、第二保持部材54の保持孔54gに挿入されている。
第二吐出部8は、通路88を有する。通路88は、本体部81に注入される樹脂を芯線61に向けて通過させる通路である。本実施形態の通路88は、第二筒状部83に形成されており、第二筒状部83を貫通している。通路88の一端は、本体部81の内部空間に連通している。通路88の他端は、吐出口89において外部空間に開放している。吐出口89は、先端側筒部87の先端に形成されている。通路88の少なくとも一部は、上型50に形成された孔部であってもよい。すなわち、通路88は、圧送部4から送り出される樹脂を芯線61に向けて吐出できるように構成されていればよい。
図11に示すように、第一筒状部73の先端は、保持孔53cから突出している。つまり、第一筒状部73の吐出口79は、第一保持部材53の端面53dよりも下方に位置している。図11の断面図において、吐出口79は、第一加締め部材51の第一加締め面51bよりも上方に位置している。吐出口79は、第一加締め部材51の前面51dと隣接する位置に配置される。
第二筒状部83の先端は、保持孔54gの内部に位置している。つまり、第二筒状部83の吐出口89は、保持孔54gの開口部54hよりも上方に位置している。吐出口89の位置は、開口部54hよりもわずかに上方の位置である。図11の断面図において、開口部54hは、第一加締め面51bおよび第二加締め面52bの何れよりも上方に位置している。つまり、開口部54hは、第一加締め部材51の背面51eと、第二加締め部材52の前面52cとの間に位置している。従って、第二吐出部8の吐出口89は、背面51eと、前面52cと、凹状面54bとによって囲まれた空間54kに向けて樹脂を吐出する。言い換えると、保持孔54gは、開口部54hから空間54kに向けて樹脂を吐出する。
本実施形態の製造装置100は、上記の構成を有することで、圧着工程および樹脂塗布工程を一つの装置で行なうことができる。また、製造装置100は、以下に説明するように、圧着端子1を移動させることなく、圧着工程および樹脂塗布工程を連続的に実行することができる。
圧着工程が開始される前に、図2に示すように、圧着端子1が下型40に載置される。また、圧着端子1に電線60が載置される。圧着工程では、図12に示すように、製造装置100の駆動部110が上型50を下型40に向けて下降させる。製造装置100は、駆動部110および塗布機構3を制御する制御装置を有している。下型40に対する上型50の相対移動、および吐出部7,8による樹脂9の吐出動作は、制御装置によって制御される。
上型50が下降すると、上型50の第一加締め面51bは、第一側壁部22を電線60の芯線61に対して加締める。上型50の第二加締め面52bは、第二側壁部32を電線60の被覆62に対して加締める。これにより、図3に示すように、電線60に対して圧着端子1が圧着される。
本実施形態の端子付き電線2では、芯線61の先端部61aおよび中間露出部61bがそれぞれ外部空間に露出する。先端部61aは、加締め後の第一側壁部22から、端子接続部11に向けて第一方向Lに沿って突出している。中間露出部61bは、加締め後の第一側壁部22と加締め後の第二側壁部32との間において外部空間に露出している部分である。
本実施形態の製造装置100は、図12に示すように、第一吐出部7が芯線61の先端部61aに対して樹脂9を吐出する。また、第二吐出部8が芯線61の中間露出部61bに対して樹脂9を吐出する。樹脂9は、液状の樹脂であり、例えば、紫外線硬化型樹脂である。なお、樹脂9は、熱硬化型樹脂や、二液混合式の硬化型樹脂等であってもよい。
第一吐出部7および第二吐出部8は、樹脂塗布工程において樹脂9を芯線61に塗布する。樹脂塗布工程は、圧着工程が完了してから実行されてもよく、圧着工程と並行して実行されてもよい。製造装置100は、圧着工程の完了後に樹脂塗布工程を実行する場合、例えば、図12に示すように、上型50を下死点に停止させた状態で、第一吐出部7および第二吐出部8によって樹脂9を吐出させる。つまり、製造装置100は、圧着工程と、樹脂塗布工程と、を連続的に実行することができる。
図12には、上型50が下死点に位置している状態が示されている。上型50が下死点まで下降することで、電線60に対する圧着端子1の圧着が完了している。制御装置は、上型50を下死点で停止させ、第一吐出部7および第二吐出部8から樹脂9を吐出させる。第一吐出部7から吐出された樹脂9は、芯線61の先端部61aに付着して先端部61aおよび圧着端子1を一体に覆う。第二吐出部8から吐出された樹脂9は、芯線61の中間露出部61bに付着して中間露出部61bおよび圧着端子1を一体に覆う。
ここで、本実施形態の製造装置100は、以下に説明するように、第二吐出部8から吐出する樹脂9によって凹状面54bに樹脂9の膜を形成し、樹脂9の膜を電線60の芯線61に付着させる。樹脂9の膜を芯線61に付着させることで、隙間やムラを無くして均一に樹脂9を塗布することが可能となる。
図13に示すように、樹脂塗布工程において、第二吐出部8によって送られた樹脂9は、第二保持部材54の開口部54hから吐出される。開口部54hから吐出される樹脂9は、矢印Y1で示すように、表面張力によって凹状面54bに沿って広がる。本実施形態の凹状面54bは、第一対向部54mおよび第二対向部54nを有する。第一対向部54mは、上下方向において下型40と対向する部分である。第一対向部54mは、例えば、実質的に水平な面である。第二対向部54nは、第一対向部54mの端部から下方に向けて延在している。第二対向部54nは、水平方向において端子付き電線2と対向する部分である。第二対向部54nは、例えば、鉛直方向に延在している。第一対向部54mと第二対向部54nとの間には湾曲部54pが設けられている。
図14に示すように、開口部54hから吐出される樹脂9は、凹状面54bを伝い、樹脂膜90を形成する。表面張力によって樹脂9の液面が保持され、樹脂9が凝集して樹脂膜90となる。開口部54hから樹脂9が吐出され続けることで、樹脂膜90の厚みが増し、樹脂膜90の膜面91が下降していく。樹脂膜90は、少なくとも第一対向部54mに形成され、第一対向部54mを覆う。樹脂膜90は、湾曲部54pを覆うように形成されてもよく、第二対向部54nを覆うように形成されてもよい。
図15に示すように樹脂膜90の膜面91が下降していくことで、膜面91が芯線61に付着する。膜面91が芯線61に接触すると、表面張力により、芯線61に対する樹脂膜90の接触領域が広がっていく。芯線61に対する樹脂膜90の接触領域は、第一方向Lおよび第二方向Wに沿って広がる。その結果、樹脂膜90が中間露出部61bの全面を覆い、中間露出部61bおよび圧着端子1を一体に覆う。
本実施形態の製造装置100では、樹脂膜90が第一対向部54m、湾曲部54p、および第二対向部54nの上部を覆うように形成される。言い換えると、樹脂膜90は、端子付き電線2と凹状面54bとの隙間を埋めるように形成される。端子付き電線2と凹状面54bとの隙間に樹脂9が充填されることで、樹脂9が中間露出部61bに対してムラなく均一に塗布されやすくなる。
また、本実施形態の樹脂塗布工程では、中間部15の端面15cにも樹脂9が塗布される。端面15cは、母材から圧着端子1が形成される際の切断面であり、メッキがなされていない。樹脂9が端面15cに塗布されることで、端子付き電線2における防食性能が向上する。
本実施形態の製造装置100は、以下に図16を参照して説明するように、傾斜している芯線61に対しても適切に樹脂9を塗布することができる。図16に示すように、本実施形態の中間露出部61bは、第一方向Lに対して傾斜している。より詳しくは、中間露出部61bの上面は、第二側壁部32から第一側壁部22へ近づくに従って下方へ向かうように傾斜している。
このように中間露出部61bが傾斜している場合、樹脂膜90が中間露出部61bに接触し始める位置は、中間露出部61bの頂部61cであると考えられる。頂部61cは、中間露出部61bの上面のうち、第二側壁部32側の端部である。樹脂膜90が頂部61cに接触すると、樹脂膜90と中間露出部61bとの接触領域が矢印Y2で示すように広がっていく。接触領域は、表面張力および重力によって、第一側壁部22に向けて広がる。よって、本実施形態の製造装置100は、中間露出部61bの全面に対して速やかに樹脂9を塗布することができる。
なお、より確実に頂部61cに対して樹脂膜90を接触させることができるように、開口部54hは、第二加締め部材52寄りの位置に配置されてもよい。また、開口部54hから吐出される樹脂9が滴下せずに樹脂膜90を形成できるように、保持孔54gの寸法等が適宜定められる。
樹脂塗布工程が実行されることで、図17に示すように、端子付き電線2に対して樹脂膜92および樹脂膜93が形成される。第一吐出部7によって塗布された樹脂膜92は、芯線61の先端部61aを覆う。第二吐出部8によって塗布された樹脂膜93は、中間露出部61bを覆う。製造装置100は、樹脂塗布工程が終了すると、上型50を上昇させる。樹脂塗布工程が完了すると、硬化工程が実行される。硬化工程は、塗布された樹脂9を硬化させる工程である。樹脂9が紫外線硬化型樹脂である場合、硬化工程において紫外線が樹脂膜92,93に対して照射される。硬化した樹脂9は、外部空間に対して芯線61を遮蔽し、芯線61と圧着端子1との電気的な接続部を保護する。樹脂9は、例えば、芯線61と圧着端子1との接続部に水分が浸入することを規制する。従って、本実施形態の端子付き電線2は、芯線61の材料と圧着端子1の材料とが異種金属である場合の腐食の発生を好適に抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の製造装置100は、下型40と、圧送部4と、上型50と、を有する。下型40は、端子付き電線2を下方から支持する支持台である。圧着工程において、電線60に対して圧着端子1が圧着されて端子付き電線2が形成される。下型40は、樹脂塗布工程において、端子付き電線2を下方から支持する支持台として機能する。圧送部4は、液状の樹脂9を圧送する機構である。
上型50は、凹状面54bと、保持孔54gと、を有し、駆動部110によって駆動されて下型40に対して上下方向に相対移動する移動体である。上型50の凹状面54bは、端子付き電線2を上方から覆う面である。保持孔54gは、凹状面54bに開口しており、圧送部4から送られる樹脂9を吐出する通路である。
本実施形態の製造装置100は、保持孔54gから吐出する樹脂9によって凹状面54bに樹脂膜90を形成し、樹脂膜90を電線60の芯線61に付着させる。本実施形態の製造装置100は、樹脂膜90を芯線61に付着させることで、樹脂9を塗布する際のムラの発生を抑制し、端子付き電線2の防食性能を向上させることができる。本実施形態の製造装置100は、樹脂9が凝集している状態で、芯線61および圧着端子1を包み込むように一気に樹脂9を塗布することができる。また、本実施形態の製造装置100は、気泡の発生を抑制しつつ樹脂9を塗布することができる。例えば、樹脂9の液滴を芯線61に向けて飛ばす方法と比較して、形成された樹脂膜93において気泡が生じにくい。
本実施形態の凹状面54bは、第一対向部54mと、第二対向部54nと、を有する。第一対向部54mは、上下方向において下型40と対向する部分である。第二対向部54nは、第一対向部54mの端部から下方に向けて延在しており、水平方向において端子付き電線2と対向する部分である。樹脂膜90は、少なくとも第一対向部54mに形成される。少なくとも第一対向部54mに樹脂膜90が形成されることで、樹脂膜90の膜面91が電線60の芯線61と上下方向において対向する。よって、樹脂膜90が芯線61に接触すると、芯線61の全面に対して短時間で樹脂9が塗布される。
本実施形態の上型50は、第一加締め面51bおよび第二加締め面52bを有する。第一加締め面51bは、圧着端子1の第一側壁部22を芯線61に対して加締める面である。第二加締め面52bは、第二側壁部32を被覆62に対して加締める面である。第二側壁部32は、圧着端子1が有する一対の側壁部22,32の一つであり、電線60の軸方向において第一側壁部22から離間している。上型50は、中間露出部61bに樹脂膜90を付着させる。中間露出部61bは、芯線61のうち第一側壁部22と第二側壁部32との間において外部空間に露出している部分である。本実施形態の製造装置100は、中間露出部61b、第一側壁部22、および第二側壁部32を一体に覆うように端子付き電線2に対して樹脂9を塗布することができる。
本実施形態の製造装置100において、下型40が支持台に相当し、上型50が移動体に相当する。製造装置100は、圧着工程と樹脂塗布工程とを連続的に実行する。よって、本実施形態の製造装置100は、端子付き電線2の生産効率を向上させることができる。
本実施形態に係る端子付き電線の製造方法は、覆い工程と、樹脂塗布工程と、を含む。覆い工程は、上型50の凹状面54bによって端子付き電線2を上方から覆う工程である。本実施形態では、圧着工程によって端子付き電線2が形成されることで、凹状面54bが端子付き電線2を上方から覆った状態となる。樹脂塗布工程は、凹状面54bに開口している保持孔54gから液状の樹脂9を吐出して凹状面54bに樹脂膜90を形成し、樹脂膜90を電線60の芯線61に付着させる工程である。本実施形態に係る端子付き電線の製造方法は、端子付き電線2の防食性能を向上させることができる。
[実施形態の第1変形例]
製造装置100は、図18に示すように、端子付き電線2の側面を覆うように樹脂9を塗布してもよい。図18は、実施形態の第1変形例に係る端子付き電線の断面図である。図18には、図17のXVIII−XVIII断面位置に相当する断面が示されている。図18には、中間露出部61bを覆う樹脂膜93が示されている。樹脂膜93は、中間露出部61b、中間部の端面15cおよび側面15dを一体に覆っている。樹脂膜93が中間部15の側面15dにも形成されることで、端子付き電線2の防食性能が向上する。側面15dに対して樹脂9を塗布する場合、凹状面54bの第二対向部54nと側面15dとの間に適度な隙間が発生するように第二保持部材54を形成することが好ましい。第二対向部54nを側面15dから離間させることで、この隙間に樹脂9が入り込み、側面15dに樹脂9の膜が形成される。
なお、製造装置100は、中間部15における一部の区間に対して側面15dに樹脂9を塗布してもよい。図17に示すように、本実施形態の中間部15は、第一方向Lに沿って幅が変化する。製造装置100は、中間部15のうち幅が狭い部分15eの側面15dに樹脂9を塗布し、幅が広い部分15fの側面15dに対しては樹脂9を塗布しないように構成されてもよい。
実施形態の第1変形例に係る製造装置100は、保持孔54gから吐出する樹脂9によって凹状面54bに樹脂膜90を形成し、樹脂膜90を芯線61、圧着端子1の端面15c、および圧着端子1の側面15dに付着させる。これにより、芯線61、端面15c、および側面15dを一体に覆う樹脂膜93が端子付き電線2に形成される。言い換えると、本変形例の製造装置100によって製造された端子付き電線2は、電線60と、電線60の芯線61および被覆62に対して圧着された圧着端子1と、を有している。端子付き電線2は、芯線61、端面15c、および側面15dを覆う連続した樹脂膜93を有している。よって、端子付き電線2は、高い防食性能を有している。
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例について説明する。製造装置100は、樹脂塗布工程を圧着工程と並行して実行する場合、圧着工程において吐出部7,8によって樹脂9を吐出させてもよい。この場合、製造装置100は、上型50を下降させている間に吐出部7,8による吐出動作を開始させる。上型50が下死点に到達したときや、上型50が下死点の近傍まで下降したときに、樹脂膜90が芯線61に付着して芯線61を覆う。
圧着端子1は、一組の側壁部によって芯線61および被覆62の両方を覆ってもよい。この場合、芯線61において、中間露出部61bは発生せず、先端部61aが露出する。従って、製造装置100は、第二吐出部8によって先端部61aに対して樹脂膜90を付着させてもよい。
上型50において、第一加締め部材51と第一保持部材53とが一体とされてもよい。上型50において、第二加締め部材52と第二保持部材54とが一体とされてもよい。その他に、部材51,52,53,54の任意の部材が一体化されてもよい。
塗布機構3において、第一吐出部7に樹脂9を圧送する系統と、第二吐出部8に樹脂9を圧送する系統とが別系統であってもよい。例えば、塗布機構3は、第一吐出部7から樹脂9を吐出し始めるタイミングと、第二吐出部8から樹脂9を吐出し始めるタイミングとを異ならせてもよい。塗布機構3は、第一吐出部7から樹脂9を吐出する期間の長さと、第二吐出部8から樹脂9を吐出する期間の長さとを異ならせてもよい。
[実施形態の第3変形例]
実施形態の第3変形例について説明する。上記実施形態では、圧着工程および樹脂塗布工程の両方が製造装置100によって実行していたが、圧着工程は製造装置100とは別の装置によってなされてもよい。つまり、製造装置100は、別の装置によって形成された端子付き電線2に対して樹脂9を塗布する装置であってもよい。
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
1 圧着端子
2 端子付き電線
3 塗布機構
4 圧送部
5 ホルダ
5a:第一収容室、 5b:第二収容室5b、 5c:第一スリット、 5d:第二スリット、 5e:前面、 5f:背面、 5g:開口、 5h:開口
6 チューブ
7 第一吐出部
8 第二吐出部
9 樹脂
11 端子接続部
12 芯線圧着部
13 被覆圧着部
14,15 中間部
15a:底部、 15b:側壁部、 15c:端面、 15d:側面、 15e:幅が狭い部分、 15f:幅が広い部分
21,31 底部
22 第一側壁部
22A:第一バレル片部、 22B:第二バレル片部
32 第二側壁部
32A:第三バレル片部、 32B:第四バレル片部
40 下型
40a 支持面
50 上型
50a 加締め部
51 第一加締め部材
51a:貫通孔、 51b:第一加締め面、 51c:嵌合孔、 51d:前面、 51e:背面
52 第二加締め部材
52a:貫通孔、 52b:第二加締め面、 52c:前面
53 第一保持部材
53a:貫通孔、 53b:背面、 53c:保持孔、 53d:端面
54 第二保持部材
54a:貫通孔、 54b 凹状面、 54c:背面、 54d:嵌合突起、 54e:前面、 54f:嵌合突起、 54g:保持孔、 54h:開口部、 54k:空間、 54m:第一対向部、 54n:第二対向部、 54p:湾曲部
60 電線
61 芯線
61a:先端部、 61b:中間露出部、 61c:頂部
62 被覆
62a 先端
71:本体部、 72:嵌合部、 73:第一筒状部、 74:入口側開口、 75:基端側筒部、 76:屈曲部、 77:先端側筒部、 78:通路、 79:吐出口
81:本体部、 82:嵌合部、 83:第二筒状部、 84:入口側開口、 85:基端側筒部、 86:屈曲部、 87:先端側筒部、 88:通路、 89:吐出口
90 樹脂膜
91 膜面
100 製造装置
110:駆動部、 111:フレーム、 114:ラム、 122:押下部材、 123:本体、 124:保持壁部、 124a:ガイド突起、 125:貫通孔
L 第一方向
W 第二方向
H 第三方向

Claims (5)

  1. 電線と、前記電線に対して圧着された圧着端子と、を有する端子付き電線を下方から支持する支持台と、
    液状の樹脂を圧送する圧送部と、
    前記端子付き電線を上方から覆う凹状面と、前記凹状面に開口しており、前記圧送部から送られる前記樹脂を吐出する通路と、を有し、駆動部によって駆動されて前記支持台に対して上下方向に相対移動する移動体と、
    を備え、
    前記通路から吐出する前記樹脂によって前記凹状面に前記樹脂の膜を形成し、前記樹脂の膜を前記電線の芯線に付着させる
    ことを特徴とする端子付き電線の製造装置。
  2. 前記凹状面は、上下方向において前記支持台と対向する第一対向部と、前記第一対向部の端部から下方に向けて延在しており、水平方向において前記端子付き電線と対向する第二対向部と、を有し、
    前記樹脂の膜は、少なくとも前記第一対向部に形成される
    請求項1に記載の端子付き電線の製造装置。
  3. 前記移動体は、第一加締め面および第二加締め面を有し、
    前記第一加締め面は、前記圧着端子の第一側壁部を前記芯線に対して加締める面であり、
    前記第二加締め面は、前記圧着端子における前記電線の軸方向において前記第一側壁部から離間している第二側壁部を前記被覆に対して加締める面であり、
    前記移動体は、前記芯線のうち前記第一側壁部と前記第二側壁部との間において外部空間に露出している部分に前記樹脂の膜を付着させる
    請求項1または2に記載の端子付き電線の製造装置。
  4. 前記支持台は、前記圧着端子を下方から支持する下型であり、
    前記移動体は、前記支持台に向けて下降しながら前記電線に対して前記圧着端子を圧着させる上型であり、
    前記圧着端子を前記電線に対して圧着する圧着工程と、前記芯線に対して前記樹脂を付着させる樹脂塗布工程と、を連続的に実行する
    請求項1から3の何れか1項に記載の端子付き電線の製造装置。
  5. 移動体の凹状面によって端子付き電線を上方から覆う覆い工程と、
    前記凹状面に開口している通路から液状の樹脂を吐出して前記凹状面に前記樹脂の膜を形成し、前記樹脂の膜を前記電線の芯線に付着させる樹脂塗布工程と、
    を含むことを特徴とする端子付き電線の製造方法。
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