JP2020165228A - ユニットルーム、ユニットルーム連結体、及びユニットルームの施工方法 - Google Patents

ユニットルーム、ユニットルーム連結体、及びユニットルームの施工方法 Download PDF

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快郎 金子
克誠 川岸
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克誠 川岸
健太 飯田
Kenta Iida
健太 飯田
翔士 小曽根
Shoji Kosone
翔士 小曽根
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【課題】設置面に不陸があっても不陸調整を容易に行えるユニットルーム及びユニットルーム連結体、並びに設置面に不陸があってもユニットルームを水平に施工可能なユニットルームの施工方法を提供する。【解決手段】複数の柱11,…,11と複数の梁12,…,12と複数の大引き13,…,13とを有するフレーム10と、複数の壁パネル20,…,20と、複数の床パネル30,…,30とを備え、内部に少なくとも1つの個室空間が区画されたユニットルーム2において、複数の梁12,…,12及び大引き13,…,13を、柱勝ちとなるように複数の柱11,…,11に接合し、各柱11の下端に該柱11の設置高さを調節可能なアジャスタ60を取り付ける。【選択図】図2

Description

本発明は、ユニットルーム、複数のユニットルームを連結したユニットルーム連結体、及びユニットルームの施工方法に関するものである。
従来、災害時等に体育館等の比較的大きな建物内に設置され、内部に個室空間を区画するユニットルームが提案されている(例えば、下記の特許文献1を参照)。
特許文献1には、複数の柱と複数の横架材と複数のパネル(壁パネル、天井パネル、床パネル)とによって箱状に構成され、内部に個室空間を形成するユニットルームが開示されている。また、特許文献1では、体育館等に、上記ユニットルームを複数並べ、隣り合うユニットルームの柱どうしを、各柱の頭頂部に固定した連結装置(ベースプレート及び連結金具)で連結することにより、体育館内に複数の個室空間を形成する例が開示されている。
特開2015−116449号公報
ところで、体育館の床面に段差や傾斜等の不陸がある場合、このような床面にユニットルームを設置すると、ユニットルームが傾き、内部に居る人に不快感を与えるおそれがある。
しかしながら、上記ユニットルームでは、設置面に不陸がある場合にユニットルームを水平に保つ方策について、何ら考慮されていなかった。そのため、上記ユニットルームでは、設置面に不陸がある場合、ユニットルームが傾いて内部に居る人に不快感を与えると共に、複数のユニットルームを連結する場合には、隣接するユニットルーム間に隙間が生じたり、柱どうしを上手く連結できなかったりするおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設置面に不陸があっても不陸調整を容易に行えるユニットルーム及びユニットルーム連結体、並びに設置面に不陸があってもユニットルームを水平に施工可能なユニットルームの施工方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、ユニットルームのフレームを柱勝ちとなるように構成し、さらに、各柱の下端に柱の設置高さを調節可能な高さ調節機構を取り付けることとした。
具体的には、第1の発明のユニットルームは、縦方向及び横方向に3本以上ずつ行列状に立設された複数の柱と、該複数の柱の上端部を連結する複数の梁と、上記複数の柱の下端部を連結する複数の大引きとを有するフレームと、隣接する2本の上記柱の間を閉塞する複数の壁パネルと、隣接する2本の上記大引きの間を閉塞する複数の床パネルとを備え、内部に少なくとも1つの個室空間が区画されるユニットルームであって、上記複数の梁及び大引きは、柱勝ちとなるように上記複数の柱に接合され、上記各柱の下端には、該柱の設置高さを調節可能な高さ調節機構が取り付けられていることを特徴とする。
第1の発明では、ユニットルームのフレームを柱勝ちとなるように構成し、全ての柱の下端に各柱の設置高さを調節可能な高さ調節機構を設けることとした。このような構成により、設置面に段差や傾斜があっても、各柱の設置高さを変更することにより、ユニットルームの床面を精度よく水平に保つことができる。つまり、上記ユニットルームによれば、水平出しを容易に精度よく行うことができる。また、上記ユニットルームによれば、ユニットルームの設置高さも容易に調整することができる。従って、第1の発明によれば、設置面に不陸があっても不陸調整及び設置高さの調整を容易に行えるユニットルームを提供することができる。
また、第1の発明では、上述のようにユニットルームの水平出しを精度よく行うことができるため、複数のユニットルームを連結する場合に、一方のユニットルームが傾斜しているために隣接するユニットルーム間で隙間が生じたり、傾斜したユニットルームとこれに隣接するユニットルームとを無理矢理連結して隣接するユニットルームを傾斜させてしまったりすることなく、ユニットルームどうしを水平に保ちつつ連結することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記複数の柱のうちの平面視矩形状に配置された6本の上記柱の上下方向の中程を平面視矩形状に連結する6本の中段梁と、上記6本の中段梁の内側面に固定された平面視矩形状の上段寝台と、上記6本の柱の下端部を平面視矩形状に連結する6本の上記大引きの内側面に固定された平面視矩形状の下段寝台とを備えていることを特徴とする。
第2の発明では、ユニットルームのフレームを構成する複数の柱のうちの6本の柱を用いて、ユニットルームの内部に上段寝台と下段寝台とを備えた二段ベッドが形成されている。このようにフレームを構成する柱を用いた二段ベッドが内部に形成されたユニットルームでは、設置面に不陸がある場合、ユニットルームと共に寝台も傾いてしまい、内部に居る人に与える不快感がより大きくなる。また、上段寝台及び下段寝台をフレームに上手く連結できなくなるおそれもある。しかしながら、上述のように、上記ユニットルームによれば、ユニットルームの水平出しを精度よく行うことができるため、上段寝台及び下段寝台を容易に水平に設置することができる。
第3の発明は、第2の発明において、上記複数の壁パネルは、上記上段寝台及び上記下段寝台の側方に互いに隔てられた第1室と第2室が区画され、上記上段寝台の上方に、上記第1室と上記第2室のうちの上記第1室のみに繋がる上段寝室が区画され、上記上段寝台と上記下段寝台との間に、上記第1室と上記第2室のうちの上記第2室のみに繋がる下段寝室が区画されるように設けられていることを特徴とする。
第3の発明では、隣接する2本の柱の間を閉塞する複数の壁パネルにより、ユニットルームの内部に、第1室と上段寝室とからなる個室空間と、第2室と下段寝室とからなる個室空間とが形成されている。このように隣接する2本の柱の間を閉塞する複数の壁パネルで内部に2つの個室空間が形成されたユニットルームでは、設置面に不陸がある場合、ユニットルームと共に壁パネルも傾いてしまい、2つの個室空間を確実に隔てることができなくなるおそれがある。しかしながら、上述のように、上記ユニットルームによれば、ユニットルームの水平出しを精度よく行うことができるため、壁パネルが傾くことがなく、2つの個室空間を確実に隔てることができる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記ユニットルームの外周部の少なくとも一辺には、該ユニットルームの下端面と設置面との隙間を閉塞する板状部材が設けられていることを特徴とする。
第4の発明では、ユニットルームの外周部の少なくとも一辺に、ユニットルームの下端面と設置面との間に生じる隙間を閉塞する板状部材が設けられている。そのため、各柱の下端に高さ調節機構を設けることにより、ユニットルームの下端面と設置面との間に隙間が生じてしまうが、板状部材によってこの隙間が閉塞されるため、ユニットルームの下端面と設置面との間に物が入り込むのを防止することができる。
第5の発明は、内部に少なくとも1つの個室空間が区画された複数のユニットルームが所定の方向に連結されたユニットルーム連結体であって、上記ユニットルームは、第1乃至第4のいずれか1つの発明に係るユニットルームであり、互いに隣接する2つの上記ユニットルームは、隣接部分に設けられる上記フレームと上記壁パネルとを共有するように連結されていることを特徴とする。
第5の発明では、ユニットルーム連結体は、複数のユニットルームを隣接する2つのユニットルーム間で隣接部分に設けられるフレームと壁パネルとを共有させながら連結することによって構成されている。このようなユニットルーム連結体では、設置面に不陸がある場合、1つのユニットルームでも傾斜すると、隣接するユニットルーム間で隙間が生じたり、傾斜したユニットルームとこれに隣接するユニットルームとを無理矢理連結することにより、隣接するユニットルームまでも傾斜させてしまったりするおそれがある。しかしながら、上述のように、上記ユニットルーム連結体は、各柱の下端に高さ調節機構が設けられて水平出しを精度よく行うことができるユニットルームを連結することによって構成されている。そのため、複数のユニットルームを連結する場合に、一方のユニットルームが傾斜しているために隣接するユニットルーム間で隙間が生じたり、傾斜したユニットルームとこれに隣接するユニットルームとを無理矢理連結して隣接するユニットルームを傾斜させてしまったりすることなく、ユニットルームどうしを水平に保ちながら連結することができる。よって、内部に形成された複数の個室空間の床面が全て水平に保たれた居心地のよいユニットルーム連結体を提供することができる。
第6の発明は、縦方向及び横方向に3本以上ずつ行列状に立設された複数の柱と、上記複数の柱の上端部を連結する複数の梁と、上記複数の柱の下端部を連結する複数の大引きとを有するフレームと、隣接する2本の上記柱の間を閉塞する複数の壁パネルと、隣接する2本の上記大引きの間を閉塞する複数の床パネルとを備え、内部に少なくとも1つの個室空間が区画されるユニットルームの施工方法であって、上記各柱の下端に、該柱の設置高さを調節可能な高さ調節機構を取り付ける取付工程と、上記取付工程の後、上記複数の柱に、上記複数の梁と上記複数の大引きとを柱勝ちとなるように連結して上記フレームを組み立てると共に、上記複数の柱の設置高さが等しい所望の高さになるように、上記各柱に取り付けた上記各高さ調節機構で上記各柱の設置高さを所定の高さに調節するフレーム組立工程と、上記フレーム組立工程の後、上記複数の壁パネル及び床パネルを上記フレームに取り付けるパネル取付工程とを備えていることを特徴とする。
第6の発明では、ユニットルームを施工する際に、複数の柱の下端に高さ調節機構を取り付け、フレームを柱勝ちとなるように組み立てる際に、複数の柱の下端に取り付けられた高さ調節機構で各柱の設置高さを所定の高さに調節するレベル調整(水平出し)を行うこととしている。このように各柱の下端に高さ調節機構を設け、フレームを組み立てる際にレベル調整を行うことにより、設置面に段差や傾斜があっても、ユニットルームを傾かせることなく施工することができる。また、ユニットルームの高さを所望の高さに施工することができる。
また、第6の発明では、各柱の設置高さを所定の高さに調節するレベル調整(水平出し)を、フレームに壁パネル及び床パネルを取り付ける前に行うこととしている。ユニットルームの外周部ではなく、中程に設けられる柱に取り付けられた高さ調節機構にも容易にアクセスできるため、中程の柱の設置高さの調節を容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明に係るユニットルーム及びユニットルーム連結体によると、ユニットルームのフレームを柱勝ちとなるように構成し、さらに、各柱の下端に柱の設置高さを調節可能な高さ調節機構を取り付けることとした。そのため、設置面に不陸があっても不陸調整及び設置高さの調整を容易に行えるユニットルーム及びユニットルーム連結体を提供することができる。
また、他の発明に係るユニットルームの施工方法によると、ユニットルームを施工する際に、複数の柱の下端に高さ調節機構を取り付け、フレームを柱勝ちとなるように組み立てる際に、複数の柱の下端に取り付けられた高さ調節機構で各柱の設置高さを所定の高さに調節するレベル調整(水平出し)を行うこととした。そのため、設置面に不陸があってもユニットルームを水平に施工可能なユニットルームの施工方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係るユニットルーム連結体の天井パネルを除いて示す斜視図である。 図2は、本発明の実施形態1に係るユニットルームAの斜視図である。 図3は、本発明の実施形態1に係るユニットルームAのフレームの斜視図である。 図4は、本発明の実施形態1に係るユニットルームBの斜視図である。 図5は、本発明の実施形態1に係るユニットルームBのフレームの斜視図である。 図6は、ユニットルーム連結体の床パネルの納まりを示す拡大断面図である。 図7は、ユニットルーム連結体の柱と梁との接合構造を示す分解斜視図である。 図8は、ユニットルーム連結体の壁パネル部分の断面図である。 図9は、ユニットルーム連結体の壁パネルの支持部材の側面図である。 図10は、ユニットルーム連結体の上段寝台部分の断面図である。 図11は、ユニットルーム連結体の上段寝台の支持部材の平面図である。 図12は、ユニットルーム連結体の下段寝台の納まりを示す拡大断面図である。 図13は、ユニットルーム連結体の施工に際し、フレーム連結体が施工された状態を示す斜視図である。 図14は、ユニットルーム連結体の施工に際し、フレーム連結体の施工後、床パネル、下段寝台及び上段寝台が施工された状態を示す斜視図である。 図15は、ユニットルーム連結体の施工に際し、フレーム連結体、床パネル、下段寝台及び上段寝台の施工後、壁パネルが施工された状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係るユニットルーム連結体1を示す。このユニットルーム連結体1は、例えば、カプセルホテル等の宿泊施設や災害時に避難所として用いられる体育館等の建物内における空間の床面に設置され、内部に少なくとも1つの個室空間を形成する複数のユニットルーム2,…,2を連結することにより、内部に複数の個室空間を形成するものである。なお、以下では、本発明に係るユニットルーム連結体の一例として、内部に2つの空間を形成する2種類のユニットルーム2A,2Bが複数連結されたユニットルーム連結体1について説明する。
−構成−
図1に示すように、ユニットルーム連結体1は、4つのユニットルーム2で構成されている。4つのユニットルーム2は、2つの第1ユニットルーム2A,2Aと、2つの第2ユニットルーム2B,2Bとで構成されている。4つのユニットルーム2A,2A,2B,2Bは、各2つの個室空間の出入口E1,E2が一直線上に延びる同じ通路Pに面するように、該通路Pに平行に一列に並んでいる。
なお、図1に示すように、以下の説明では、ユニットルーム連結体1の通路P側を前側、通路Pと逆側を後側、通路Pの一端側(図1の左側)を左側、通路Pの他端側(図2の右側)を右側と言う。
図1に示すように、本実施形態1では、4つのユニットルーム2,2,2,2は、左側から右側へ一列に並べられて連結され、左側2つが第1ユニットルーム2Aで構成され、右側2つが第2ユニットルーム2Bで構成されている。また、4つのユニットルーム2,2,2,2は、それぞれ隣り合うユニットルーム2,2間で隣接部分に設けられる隔壁(フレーム10と壁パネル20)を共有するように連結されている。
〈第1ユニットルームの空間構成〉
図2及び図3に示すように、第1ユニットルーム2Aは、フレーム10と、13枚の壁パネル20と、2枚の床パネル30と、4枚の天井パネル40と、二段ベッド50とを備え、前面が開口する箱状に形成されている。
図3に示すように、第1ユニットルーム2Aのフレーム10は、9本の柱11,…,11と、12本の梁12,…,12と、11本の大引き13,…,13と、6本の中段梁(寝台梁)14,…,14とで構成されている。9本の柱11,…,11は、前後方向(縦方向)及び左右方向(横方向)に3本ずつそれぞれ等間隔に行列状に立設されている。12本の梁12,…,12は、9本の柱11,…,11の上端部を格子状に連結するように設けられている。11本の大引き13,…,13は、9本の柱11,…,11の下端部を格子状に連結するように設けられている。6本の中段梁14,…,14は、9本の柱11,…,11のうちの前列の3本の柱11,11,11以外の6本の柱11,…,11(中間列の3本と後列の3本)の上下方向の中程を矩形状に連結するように設けられている。
なお、第1ユニットルーム2Aでは、前列の3本の柱11,11,11以外の後方の6本の柱11,…,11は、二段ベッド50の上段寝台51と下段寝台52とを支持する支持柱を兼ねている。この6本の柱11,…,11の内側に上段寝台51と下段寝台52とが形成されるため、左右方向の中間に設けられる2本の柱11,11は、上端部は梁12で連結されるが、下端部は大引き13によって連結されていない。
フレーム10の左側の3本の柱11,11,11と各2本の柱11,11を連結する2本の梁12,12と2本の大引き13,13と1本の中段梁14とには、該3本の柱11,11,11の間に形成される3つの矩形状の開口部を閉塞するように、3枚の壁パネル20が固定されている。また、フレーム10の後列の3本の柱11,11,11と各2本の柱11,11を連結する2本の梁12,12と2本の大引き13,13と2本の中段梁14,14とには、該3本の柱11,11,11の間に形成される4つの矩形状の開口部を閉塞するように、4枚の壁パネル20が固定されている。さらに、フレーム10の右側の3本の柱11,11,11と各2本の柱11,11を連結する2本の梁12,12と2本の大引き13,13と1本の中段梁14とには、該3本の柱11,11,11の間に形成される3つの矩形状の開口部を閉塞するように、3枚の壁パネル20が固定されている。これらの壁パネル20により、第1ユニットルーム2Aの左側面と背面と右側面とが構成されている。
また、フレーム10の前列中央の柱11と中間列中央の柱11とこれら2本の柱11,11を連結する1本の梁12と1本の大引き13とには、該2本の柱11,11の間に形成される開口部を閉塞するように、壁パネル20が固定されている。
さらに、フレーム10の中間列の3本の柱11,11,11と各2本の柱11,11を連結する2本の梁12,12と2本の大引き13,13と2本の中段梁14,14とには、この3本の柱11,11,11の間に形成される4つの矩形状の開口部のうち、左側上方の開口部及び右側下方の開口部を閉塞するように、2枚の壁パネル20が固定されている。
フレーム10の前列3本と中間列3本の計6本の柱11,…,11の下端部を格子状に連結する7本の大引き13,…,13には、該7本の大引き13,…,13によって形成される2つの矩形状の開口部を閉塞するように、2枚の床パネル30が固定されている。
フレーム10の9本の柱11,…,11の上端部を格子状に連結する12本の梁12,…,12には、該12本の梁12,…,12によって形成される4つの矩形状の開口部を閉塞するように、4枚の天井パネル40が固定されている。
フレーム10の中間列3本と後列3本の計6本の柱11,…,11の下端部を矩形状に連結する6本の大引き13,…,13には、該6本の大引き13,…,13によって形成される矩形状の開口部を閉塞するように下段寝台52が固定されている。
6本の中段梁14,…,14には、該6本の中段梁14,…,14によって形成される矩形状の開口部を閉塞するように上段寝台51が固定されている。
このような構成により、第1ユニットルーム2Aは、フレーム10と13枚の壁パネル20と2枚の床パネル30と4枚の天井パネル40とによって前面が開口した箱状に形成される。
第1ユニットルーム2Aの内部の前方の空間は、フレーム10の前列中央の柱11と中間列中央の柱11とに固定された壁パネル20により、右側の第1室SR1と左側の第2室SR2とに仕切られている。第1室SR1の前面開口は、通路Pに面する出入口E1を構成する。一方、第2室SR2の前面開口は、通路Pに面する出入口E2を構成する。図示を省略しているが、出入口E1,E2には、それぞれ通路Pと第1室SR1及び第2室SR2を隔てるカーテン等の遮蔽物が設けられている。なお、遮蔽物はカーテンに限られず、ドア等であってもよい。
第1ユニットルーム2Aの内部の後方の空間は、上段寝台51により、上方の上段寝室BR1と下方の下段寝室BR2とに仕切られている。
上段寝室BR1は、フレーム10の中間列の3本の柱11,11,11の間に形成される4つの矩形状の開口部のうちの左側上方の開口部を閉塞する壁パネル20により、第2室SR2と遮断されている。一方、下段寝室BR2は、フレーム10の中間列の3本の柱11,11,11の間に形成される4つの矩形状の開口部のうちの右側下方の開口部を閉塞する壁パネル20により、第1室SR1と遮断されている。なお、上段寝室BR1と第1室SR1とは連通し、下段寝室BR2と第2室SR2とは連通している。
以上の構成により、第1ユニットルーム2Aの内部には、それぞれ寝室BR1,BR2と居室SR1,SR2とを有する2つの個室空間が区画されている。
〈第2ユニットルームの空間構成〉
図4及び図5に示すように、第2ユニットルーム2Bは、フレーム10と、16枚の壁パネル20と、2枚の床パネル30と、6枚の天井パネル40と、二段ベッド50とを備え、前面に2つの開口部(出入口E1,E2)を有する箱状に形成されている。
フレーム10は、12本の柱11,…,11と、17本の梁12,…,12と、14本の大引き13,…,13と、6本の中段梁14,…,14とで構成されている。12本の柱11,…,11は、前後方向(縦方向)に3本、左右方向(横方向)に4本ずつそれぞれ等間隔に行列状に立設されている。17本の梁12,…,12は、12本の柱の上端部を格子状に連結するように設けられている。14本の大引き13,…,13は、12本の柱の下端部を前後方向及び左右方向に連結するように設けられている。なお、12本の柱のうち中間列の4本の柱11,…,11は、上端部は梁12で連結されるが、下端部は大引き13によって連結されていない。6本の中段梁14,…,14は、12本の柱11,…,11のうちの左右端部の計6本の柱11,…,11以外の6本の柱11,…,11(左右方向の中程の6本の柱11,…,11)の上下方向の中程を矩形状に連結するように設けられている。
なお、第2ユニットルーム2Bでは、中段梁14によって連結される6本の柱11,…,11は、二段ベッド50の上段寝台51と下段寝台52とを支持する支持柱を兼ねている。この6本の柱11,…,11の内側に上段寝台51と下段寝台52とが形成される。
フレーム10の左側の3本の柱11,11,11と各2本の柱11,11を連結する2本の梁12,12と2本の大引き13,13とには、該3本の柱11,11,11の間に形成される2つの矩形状の開口部を閉塞するように、2枚の壁パネル20が固定されている。また、フレーム10の後列の4本の柱11,…,11と各2本の柱11,11を連結する3本の梁12,12,12と3本の大引き13,13,13と1本の中段梁14とには、該4本の柱11,…,11の間に形成される4つの矩形状の開口部を閉塞するように、4枚の壁パネル20が固定されている。さらに、フレーム10の右側の3本の柱11,11,11と各2本の柱11,11を連結する2本の梁12,12と2本の大引き13,13とには、該3本の柱11,11,11の間に形成される2つの矩形状の開口部を閉塞するように、2枚の壁パネル20が固定されている。これらの壁パネル20により、第2ユニットルーム2Bの左側面と背面と右側面とが構成されている。
また、フレーム10の前列の左右方向の中程の2本の柱11,11とこれら2本の柱11,11を連結する各1本の梁12と大引き13と中段梁14とには、該2本の柱11,11の間に形成される2つの開口部を閉塞するように、2枚の壁パネル20が固定されている。この2枚の壁パネル20により、第2ユニットルーム2Bの前面が構成されている。
さらに、フレーム10の左右方向の左側から2列目の3本の柱11,11,11と各2本の柱11,11を連結する各2本の梁12,12と大引き13,13と中段梁14,14とには、この3本の柱11,11,11の間に形成される4つの矩形状の開口部のうち、前側下方の開口部以外の3つの開口部を閉塞するように、3枚の壁パネル20が固定されている。
一方、フレーム10の左右方向の左側から3列目の3本の柱11,11,11と各2本の柱11,11を連結する各2本の梁12,12と大引き13,13と中段梁14,14とには、この3本の柱11,11,11の間に形成される4つの矩形状の開口部のうち、前側上方の開口部以外の3つの開口部を閉塞するように、3枚の壁パネル20が固定されている。
フレーム10の左側の計6本の柱11,…,11の下端部を連結する6本の大引き13,…,13には、該6本の大引き13,…,13によって形成される矩形状の開口部を閉塞するように、床パネル30が固定されている。同様に、フレーム10の右側の計6本の柱11,…,11の下端部を連結する6本の大引き13,…,13には、該6本の大引き13,…,13によって形成される矩形状の開口部を閉塞するように、床パネル30が固定されている。
フレーム10の12本の柱11,…,11の上端部を格子状に連結する17本の梁12,…,12には、該12本の梁12,…,12によって形成される6つの矩形状の開口部を閉塞するように、6枚の天井パネル40が固定されている。
フレーム10の左右方向の左側から2列目と3列目の計6本の柱11,…,11の下端部を連結する6本の大引き13,…,13には、該6本の大引き13,…,13によって形成される矩形状の開口部を閉塞するように下段寝台52が固定されている。
6本の中段梁14,…,14には、該6本の中段梁14,…,14によって形成される矩形状の開口部を閉塞するように上段寝台51が固定されている。
このような構成により、第2ユニットルーム2Bは、フレーム10と16枚の壁パネル20と2枚の床パネル30と6枚の天井パネル40とによって前面に2つの開口部(出入口E1,E2)を有する箱状に形成される。
第2ユニットルーム2Bの内部の空間は、上段寝台51と下段寝台52とを有する二段ベッド50と二段ベッド50の幅方向の両側方に設けられた壁パネル20により、右側の第1室SR1と左側の第2室SR2とに仕切られている。第1室SR1の前面開口は、通路Pに面する出入口E1を構成する。一方、第2室SR2の前面開口は、通路Pに面する出入口E2を構成する。図示を省略しているが、出入口E1,E2には、それぞれ通路Pと第1室SR1及び第2室SR2を隔てるカーテン等の遮蔽物が設けられている。なお、遮蔽物はカーテンに限られず、ドア等であってもよい。
第2ユニットルーム2Bの内部の左右方向の中程の空間は、上段寝台51により、上方の上段寝室BR1と下方の下段寝室BR2とに仕切られている。
上段寝室BR1は、フレーム10の左右方向の左側から2列目の3本の柱11,11,11の間に形成される4つの矩形状の開口部のうちの上方の2つの開口部を閉塞する壁パネル20により、第2室SR2と遮断されている。一方、下段寝室BR2は、フレーム10の左右方向の左側から3列目の3本の柱11,11,11の間に形成される4つの矩形状の開口部のうちの下方の2つの開口部を閉塞する壁パネル20により、第1室SR1と遮断されている。なお、上段寝室BR1と第1室SR1とは連通し、下段寝室BR2と第2室SR2とは連通している。
以上の構成により、第2ユニットルーム2Bの内部には、それぞれ寝室BR1,BR2と居室SR1,SR2とを有する2つの個室空間が区画されている。
〈各部の詳細構造〉
[フレーム連結体]
上述のように、本実施形態1では、ユニットルーム連結体1は、2つの第1ユニットルーム2A,2Aと、2つの第2ユニットルーム2B,2Bとが、それぞれ隣り合うユニットルーム2,2間で隣接部分に設けられる隔壁(フレーム10と壁パネル20)を共有するように連結されることによって構成されている。そのため、図13に示すように、4つのユニットルーム2,2,2,2のフレーム10を連結したフレーム連結体は、33本の柱11,…,11と、52本の梁12,…,12と、44本の大引き13,…,13と、23本の中段梁14,…,14とで構成されている。
各柱11は、同寸法の木製の角材によって構成されている。各柱11は、例えば、90mm角で高さ2400mmの角材によって構成されている。各柱11の下端には、各柱11の設置高さを調節可能なアジャスタ(高さ調節機構)60が取り付けられている。
図6に示すように、アジャスタ60は、雄ネジを有する本体部61と、該本体部61の雄ネジと螺号する雌ネジが形成された受座62とで構成されている。本体部61は、設置面に当接して荷重を支持する円盤状の部分と該円盤状の部分から上方に突出する雄ネジとで構成されている。受座62は、柱11の下端面に取り付けられるドーナツ盤状の部分と該ドーナツ盤状の部分から上方に(柱11の下端面に形成した孔内に)突出して内周面にネジが形成された雌ネジとで構成されている。柱11の設置後、アジャスタ60の本体部61を正逆回転させることにより、柱11の設置高さが調節される。
各柱11は、前後方向及び左右方向にそれぞれ等間隔に立設されている。複数の柱11,…,11は、例えば、前後方向には1060mmずつ間隔を空けて立設され、左右方向には910mmずつ間隔を空けて立設されている。
各梁12は、柱11と長さが異なるだけで断面形状及び断面寸法は柱11と等しい木製の角材によって構成されている。各梁12の長さは、連結する2本の柱11,11の間隔に等しい長さに形成されている。各梁12は、例えば、90mm角で長さ1060mmの角材と、90mm角で長さ910mmの角材とによって構成されている。
各大引き13は、柱11と長さが異なるだけで断面形状及び断面寸法は柱11と等しい木製の角材によって構成されている。各大引き13の長さは、連結する2本の柱11,11の間隔に等しい長さに形成されている。各大引き13は、例えば、90mm角で長さ1060mmの角材と、90mm角で長さ910mmの角材とによって構成されている。
各梁12及び各大引き13は、それぞれ柱勝ちとなるように各柱11に接合されている。つまり、各梁12は、隣接する2本の柱11,11の上に載らず、木口が2本の柱11,11の側面に当接するように接合されている。また、各大引き13は、隣接する2本の柱11,11が大引き13の上に載らず、大引き13の木口が2本の柱11,11の側面に当接するように接合されている。
図7は、梁12と柱11の接合構造70を示している。大引き13と柱11も梁12と柱11と同様の接合構造70で接合されているため、以下では、梁12と柱11との接合構造70について詳述し、大引き13と柱11との接合構造70についての説明は省略する。
図7に示すように、梁12と柱11とは、連結金具71と2本の連結ピン72とを用いて接合される。連結金具71は、コの字状に形成され、連結ピン72が嵌る溝71aと連結ピン72が挿通される孔71bとが形成されている。連結金具71は、柱11の梁12が接合される側面にボルト等で固定されている。一方、梁12には、木口に連結金具71が嵌る切欠き73と、2本の連結ピン72が挿通される2つの貫通孔74とが形成されている。
図7に示すように、梁12に形成された貫通孔74の1つに連結ピン72を打ち込んだ状態で、連結金具71が切欠き73に差し込まれるように梁12を連結金具71に向かって押し込む。梁12は、先に打ち込まれた連結ピン72が連結金具71の溝71aに嵌まり込むことによって所定の接合位置で止まる。この接合位置では、梁12の貫通孔74と連結金具71の孔71bの位置が一致する。接合位置に配置された梁12に対し、残りの連結ピン72をもう1つの貫通孔74に打ち込むと、連結ピン72は、貫通孔74内において連結金具71の孔71bにも挿通される。つまり、梁12内において連結金具71と2本の連結ピン72とが係合することにより、梁12がしっかりと柱11に接合される。
以上のような接合構造70により、梁12及び大引き13は、それぞれ柱勝ちとなるように柱11に接合される。なお、連結金具71と2本の連結ピン72とを用いた上述の接合構造70は、梁12及び大引き13を柱勝ちとなるように柱11に接合する接合構造の一例に過ぎず、上述の接合構造以外の手法で梁12及び大引き13を柱11に接合しても勿論よい。例えば、大入れ継ぎ等の仕口によって接合してもよいが、施工性の観点からは、金具を用いて2本の柱11,11間に挿入しながら接合できるものが好ましい。また、接合強度に問題がなければ、連結金具71と2本の連結ピン72以外の金具を用いて梁12及び大引き13を柱11に接合してもよい。
中段梁14は、梁12及び大引き13と同様の接合構造70で柱11に接合されている。つまり、柱11の上下方向の中程の中段梁14が接合される側面には、ボルトで連結金具71が固定され、中段梁14の木口には切欠き73と2つの貫通孔74とが形成されている。そして、梁12及び大引き13と同様に、中段梁14に形成された貫通孔74の1つに連結ピン72を打ち込んだ状態で、連結金具71が切欠き73に差し込まれるように中段梁14を連結金具71に向かって押し込み、残りの連結ピン72をもう1つの貫通孔74に打ち込むと、中段梁14内において連結金具71と2本の連結ピン72とが係合することにより、中段梁14がしっかりと柱11に接合される。このような接合構造70により、中段梁14は、柱11にしっかりと接合される。
[壁パネル]
図8及び図9に示すように、壁パネル20は、支持部材21と2枚の第1及び第2側板22,23とで構成され、隣接する2本の柱11,11の間において真壁を構成するように、各柱11の幅以下の厚さに構成されている。例えば、壁パネル20は、90mm角の柱11の幅以下の厚さ67mmとなるように構成されている。
図9に示すように、支持部材21は、矩形状の枠材24と桟部材25とで構成されている。枠材24は、2本の縦材24a,24aと、該2本の縦材24a,24aの上端部と下端部とを連結する2本の横材24b,24bとを矩形状に連結することによって構成されている。桟部材25は、2本の縦材24a,24aに平行に延び、矩形状の枠材24の2本の横材24b,24bの中程を連結している。
枠材24の縦材24a,24aと枠材24の横材24b,24bと桟部材25とは、互いに長さが異なるだけで断面形状及び断面寸法が等しい木製の角材によって構成されている。枠材24の縦材24a,24aと枠材24の横材24b,24bと桟部材25の長さは、壁パネル20によって閉塞される開口部の寸法に合わせた長さに形成されている。縦材24a,24a及び横材24b,24bは、例えば、30×45mm角の角材によって構成されている。
支持部材21は、枠材24が、壁パネル20が取り付けられる開口部の周囲の枠状部材(2本の柱11,11と梁12と大引き13、2本の柱11,11と梁12と中段梁14、又は2本の柱11,11と中段梁14と大引き13)の内側面に当接した状態で、枠材24の内側から枠状部材に向かって打ち込まれた複数のビス26,…,26によって枠状部材の内側面に固定されている。なお、枠材24を枠状部材に固定する締結具は、複数のビス26,…,26の他、ボルト等、耐荷重が担保できる金具(締結具)を用いることが可能である。
第1及び第2側板22,23は、互いに等しい寸法の板部材によって形成されている。例えば、第1及び第2側板22,23は、12mm厚の板状部材の一方の面にクロスを接着した化粧材によって構成されている。第1及び第2側板22,23は、壁パネル20によって閉塞される開口部の寸法に合わせた寸法に形成されている。第1及び第2側板22,23は、支持部材21の一方側の側面と他方側の側面とにそれぞれ固定される。第1及び第2側板22,23は、クロスが接着された化粧面の裏面を支持部材21にそれぞれ当接させた状態で、該支持部材21に固定される。なお、第1及び第2側板22,23は、クロスを接着した化粧材の他、突板やシートを接着した化粧材、無機化粧材、木質素板等によって構成されていてもよい。
詳細については後述するが、壁パネル20の施工の際には、予め第1側板22をビスで固定した支持部材21を、壁パネル20を取り付けるフレーム10の開口部の周囲の枠状部材の内側面にビスで固定した後、支持部材21に第2側板23をビスで固定する。このような施工方法により、壁パネル20は、隣接する2本の柱11,11の間において真壁を構成するように施工される。なお、第1側板22及び第2側板23を支持部材21に固定する締結具は、ビスの他、ボルト等、耐荷重が担保できる金具(締結具)を用いることが可能である。
[床]
図6に示すように、床パネル30は、床下地材31と化粧材32とで構成されている。床下地材31は、構造用合板等によって構成されている。化粧材32は、基材にシートや突き板で化粧が施された床板材や置き畳等を用いることができる。床パネル30は、該床パネル30を取り付ける矩形状の開口部を形成する4〜6本の大引き13,…,13の内側面に取り付けられている。具体的には、矩形枠状に連結された大引き13の内側面には、木製の角材からなる根太33がビス等で固定されている。この根太33の上に床下地材31を載置してビスで固定し、さらに、床下地材31の上に化粧材32を載置してビスで固定することにより、床パネル30が施工される。なお、根太33を大引き13に固定する締結具、床下地材31を根太33に固定する締結具、及び化粧材32を床下地材31に固定する締結具は、ビスの他、ボルト等、耐荷重が担保できる金具(締結具)を用いることが可能である。
ところで、ユニットルーム連結体1の外周部に配置される各大引き13の内側面に固定された根太33には、板状部材34が固定されている。板状部材34は、各柱11の下端に取り付けたアジャスタ60によってユニットルーム連結体1の外周部に設けられた柱11及び大引き13と設置面との間に生じる隙間を閉塞可能な大きさに形成されている。
本実施形態1では、板状部材34は、全体又は下端部がゴム等の弾性材で形成された気密幅木によって構成されている。このような気密幅木で板状部材34を構成することにより、アジャスタ60で柱11の設置高さを変更しても、柱11及び大引き13と設置面との間に生じる隙間が常に板状部材34によって閉塞される。具体的には、柱11の設置高さを下げると、板状部材34の下端が設置面に押し付けられ、弾性材で形成された板状部材34の全体又は下端部が収縮する。一方、柱11の設置高さを上げると、板状部材34の下端が設置面に押し付けられる力が弱まり、弾性材で形成された板状部材34の全体又は下端部が伸長する。アジャスタ60の本体部61を受座62から最大限離した際(アジャスタ60を最大限延ばした際)に、板状部材34の下端が設置面から離れない高さ位置に板状部材34を取り付けることにより、アジャスタ60で柱11の設置高さを変更しても、柱11及び大引き13と設置面との間に生じる隙間が常に板状部材34によって閉塞されることとなる。
なお、板状部材34は、上述の気密幅木に限られず、単なる平板状の板状部材で構成されてもよく、また、断面L字形状の折り曲げられた板状片によって構成されていてもよい。さらに、板状部材34は、上記隙間を閉塞する板状部分を有していればよく、下端部や内側面に板状でない部材が固定されたものであってもよい。
以上のような板状部材34をユニットルーム連結体1の外周部に設けることにより、アジャスタ60を設けることでユニットルーム連結体1の下端面と設置面との間に生じる隙間(柱11及び大引き13と設置面との間に生じる隙間)が閉塞され、ユニットルーム連結体1の下端面と設置面との間に物が入り込むのが防止される。
なお、板状部材34は、必ずしもユニットルーム連結体1の外周部全体に設けられていなくてもよく、少なくとも一辺に設けられていればよい。例えば、ユニットルーム連結体1(ユニットルーム2単体)を少なくとも一側面が壁に当接するように設置する場合、ユニットルーム連結体1(ユニットルーム2単体)の外周部のうち壁に当接する側面に対応する部分に生じる隙間からは、ユニットルーム連結体1(ユニットルーム2単体)の下端面と設置面との間に物が入り込むおそれがない。よって、このような箇所には板状部材34を設ける必要がない。そのため、板状部材34は、ユニットルーム連結体1(ユニットルーム2単体)の外周部のうちのユニットルーム連結体1の下端面と設置面との間に生じる隙間(柱11及び大引き13と設置面との間に生じる隙間)が壁等によって閉塞されず、開口している部分のみに取り付けることとしてもよい。
[天井]
本実施形態1では、天井パネル40は、壁パネル20と同様に構成されている。図示を省略するが、天井パネル40は、壁パネル20の支持部材21と同様の支持部材と、壁パネル20の第1及び第2側板22,23と同様の上板及び下板で構成されている。そして、天井パネル40の施工の際には、予め下板を下面にビスで固定した支持部材を、天井パネル40を取り付ける矩形状の開口部を形成する4本の梁12,…,12の内側面にビスで固定した後、支持部材に上板をビスで取り付ける。このような施工方法により、天井パネル40が施工される。なお、上板及び下板を支持部材に固定する締結具、及び支持部材を梁12に固定する締結具は、ビスの他、ボルト等、耐荷重が担保できる金具(締結具)を用いることが可能である。
なお、天井パネル40は、上述の構成に限られず、ルーバー等で構成してもよい。また、天井パネル40は、必ずしも設けられていなくてもよい。さらに、天井パネル40は、一枚の板部材によって構成され、柱11及び梁12の上面に固定されるものであってもよい。
[二段ベッド]
二段ベッド50は、6本の中段梁14,…,14で矩形状に連結された6本の柱11,…,11と、6本の中段梁14,…,14と、上段寝台51と、下段寝台52とで構成されている。6本の柱11,…,11と6本の中段梁14,…,14は、フレーム10の構成要素であり、フレーム10と二段ベッド50で兼用される。
図10及び図11に示すように、上段寝台51は、支持部材53と上板54と下板55とで構成され、6本の中段梁14,…,14の内側面に固定されている。
図11に示すように、支持部材53は、矩形状の枠材56と複数の(本実施形態では4本)桟部材57とで構成されている。枠材56は、2本の縦材56a,56aと、2本の縦材56a,56aの一端部と他端部とを連結する2本の横材56b,56bとを矩形状に連結することによって構成されている。複数の桟部材57は、2本の横材56b,56bに平行に延び、矩形状の枠材56の2本の横材56b,56bの間に略等間隔に配置され、それぞれ2本の縦材56a,56aを連結している。
枠材56の縦材56a,56aと枠材56の横材56b,56bと桟部材57とは、互いに長さが異なるだけで断面形状及び断面寸法が等しい木製の角材によって構成されている。枠材56の縦材56a,56aと枠材56の横材56b,56bと桟部材57の長さは、上段寝台51を取り付ける6本の中段梁14,…,14によって形成される矩形状の開口部の寸法に合わせた長さに形成されている。縦材56a,56a及び横材56b,56bは、例えば、30×45mm角の角材によって構成されている。
支持部材53は、上段寝台51を取り付ける6本の中段梁14,…,14の内側面に当接した状態で、枠材56の内側から矩形枠状に連結された中段梁14に向かって打ち込まれた複数のビス77,…,77により、上記各中段梁14の内側面に固定されている。なお、枠材56を中段梁14に固定する締結具は、複数のビス77,…,77の他、ボルト等、耐荷重が担保できる金具(締結具)を用いることが可能である。
上板54と下板55は、互いに等しい寸法で互いに厚みが異なる板部材によって形成されている。上板54及び下板55は、上段寝台51によって閉塞される6本の中段梁14,…,14の内側の開口部の寸法に合わせた寸法に形成されている。上板54は、例えば、24mm厚の板状部材の一方の面にクッションフロア等を接着した化粧材によって構成されている。一方、下板55は、例えば、12mm厚の板状部材の一方の面にクロスを接着した化粧材によって構成されている。
上板54と下板55は、支持部材53の上面と下面とにそれぞれビスで固定される。上板54は、クッションフロアが接着された化粧面の裏面を支持部材53の上面に当接させた状態で、該支持部材53に固定される。下板55は、クロスが接着された化粧面の裏面を支持部材53に当接させた状態で、該支持部材53に固定される。なお、上板54と下板55を支持部材53に固定する締結具は、ビスの他、ボルト等、耐荷重が担保できる金具(締結具)を用いることが可能である。
詳細については後述するが、上段寝台51の施工の際には、予め下板55を固定した支持部材53を、上段寝台51を取り付ける6本の中段梁14,…,14の内側面に固定した後、支持部材53に上板54を取り付ける。このような施工方法により、上段寝台51は、6本の中段梁14,…,14の内側に施工される。
一方、図12に示すように、下段寝台52は、寝台板58で構成されている。本実施形態1では、寝台板58は、上板54と同様に形成されている。つまり、寝台板58は、例えば、24mm厚の板状部材の一方の面にクッションフロア等を接着した化粧材によって構成されている。
下段寝台52は、6本の中段梁14,…,14の下方で6本の柱11,…,11を矩形状に連結する6本の大引き13,…,13の内側面に固定されている。具体的には、矩形枠状に連結された大引き13の内側面には、木製の角材からなる根太59がビス等で固定されている。この根太59の上に寝台板58を載置して固定することにより、下段寝台52が施工される。なお、根太59を大引き13に固定する締結具は、ビスの他、ボルト等、耐荷重が担保できる金具(締結具)を用いることが可能である。
なお、床パネル30が固定される根太33(図6参照)と同様に、ユニットルーム連結体1の外周部に配置される各大引き13の内側面に固定された根太59には、板状部材34が固定される。根太33に固定する場合と同様に、板状部材34は、ユニットルーム連結体1(ユニットルーム2単体)の外周部のうちのユニットルーム連結体1の下端面と設置面との間に生じる隙間(柱11及び大引き13と設置面との間に生じる隙間)が壁等によって閉塞されず、開口している部分のみに取り付けることとしてもよい。
図2及び図4に示すように、二段ベッド50には、第1室SR1から上段寝台51にアクセスするための梯子lが設けられている。また、上段寝台51及び下段寝台52には、マットレスmがそれぞれ載置されている。なお、本実施形態1では設けていないが、上段寝台51に転落防止用の柵や手摺りを設けることとしてもよい。
−ユニットルーム連結体の施工方法−
次に、ユニットルーム連結体1の施工方法について説明する。
(1)フレーム連結体の施工
まず、図13に示すように、4つのユニットルーム2,2,2,2のフレーム10を連結したフレーム連結体を施工する。
なお、フレーム連結体の施工前に、各柱11にアジャスタ60と連結金具71とを取り付けておく。また、接合構造70で柱11に接合される梁12、大引き13及び中段梁14の木口に連結金具71が嵌る切欠き73と、2本の連結ピン72が挿通される2つの貫通孔74とを形成しておく。このアジャスタ60及び連結金具71の取り付けと、切欠き73及び貫通孔74の加工とは、出荷前に工場で行うこととしてもよい。
そして、逐次、隣接する2本の柱11,11の上端部を梁12で連結し、下端部を大引き13で連結し、上下方向の中程の部分を中段梁14で連結することにより、フレーム連結体を施工する。
具体的には、図7に示すように、梁12(大引き13と中段梁14も同様)は、貫通孔74の1つに連結ピン72を打ち込んだ状態で、連結金具71が切欠き73に差し込まれるように梁12を連結金具71に向かって押し込む。梁12は、先に打ち込まれた連結ピン72が連結金具71の溝71aに嵌まり込むことによって所定の接合位置で止まる。この接合位置では、梁12の貫通孔74と連結金具71の孔71bの位置が一致する。接合位置に配置された梁12に対し、残りの連結ピン72をもう1つの貫通孔74に打ち込むと、連結ピン72は、貫通孔74内において連結金具71の孔71bにも挿通される。つまり、梁12内において連結金具71と2本の連結ピン72とが係合することにより、梁12がしっかりと柱11に接合される。
以上のような手順により、図13に示すように、33本の柱11,…,11に、52本の梁12,…,12と44本の大引き13,…,13がそれぞれ柱勝ちとなるように接合され、さらに23本の中段梁14,…,14が接合されることにより、フレーム連結体が施工される。
なお、中段梁14の柱11への接合は、後述する上段寝台51の施工前に行ってもよい。
また、フレーム連結体の施工の際、柱11と梁12と大引き13と中段梁14とが垂直に接合されているかを確認すると共に、各柱11に取り付けたアジャスタ60で各柱11の設置高さを調節して、梁12や大引き13の長手方向が水平方向に一致するようにレベル調整(水平出し)を行う。このようなレベル調整により、ユニットルーム連結体1の設置面に段差や傾斜等の不陸があっても、アジャスタ60でレベル調整を行うことにより、ユニットルーム連結体1が傾くことなく施工される。なお、柱11と梁12と大引き13と中段梁14とで形成される矩形の枠状部材が歪んで平行四辺形状になっている場合に、その歪みを調整する歪み調整もレベル調整と同時に行う。
レベル調整(水平出し)及び歪み調整は、1ユニット毎に行うのが好ましい。具体的には、1つのユニットルーム2のフレーム10を組み立てたところでレベル調整及び歪み調整を行い、調整後のフレーム10に隣接するユニットルーム2のフレーム10を組み立てる。そして、またレベル調整及び歪み調整を行う。この作業を繰り返しながらフレーム連結体を施工するのが好ましい。なお、レベル調整(水平出し)及び歪み調整は、1ユニット毎に行うのに限られない。柱1列分ずつ行ってもよく、2ユニット以上毎に行っても勿論よい。
(2)床パネル及び下段寝台の施工
レベル調整の後、図14に示すように、床パネル30と下段寝台52とを同時に施工する。まず、大引き13に根太33,59をビスで固定する。図6及び図12に示すように、床パネル30用の根太33は、下段寝台52の根太59よりも化粧材32の厚み分だけ下方にずらして固定する。なお、床パネル30を下段寝台52の寝台板58と同様の構成とする場合、床パネル30用の根太33を下段寝台52の根太59よりも下方にずらす必要はなく、下段寝台52の根太59と同じ高さに固定すればよい。
なお、ユニットルーム連結体1の外周部に位置する大引き13には根太33,59の内側面に板状部材34を取り付ける。板状部材34は、大引き13を跨ぐ部分には予め切欠きを形成し、大引き13の下方も閉塞されるようにする。
図6に示すように、床パネル30は、根太33の上に床下地材31を載置してビスで固定し、さらに、床下地材31の上に化粧材32を載置してビスで固定することによって施工される。一方、図12に示すように、下段寝台52は、根太59の上に寝台板58を載置してビスで固定することによって施工される。
床パネル30及び下段寝台52は、以上のようにして施工される。
(3)上段寝台の施工
床パネル30と下段寝台52の施工後、図14に示すように、上段寝台51を施工する。
まず、支持部材53に下板55をビスで固定する。そして、下板55が固定された支持部材53を6本の中段梁14,…,14の内側面に取り付ける。具体的には、支持部材53の枠材56が各中段梁14の内側面に当接するように支持部材53を配置し、枠材56の内側から各中段梁14に向かってビス77を打ち込むことにより、支持部材53を中段梁14に固定する。その後、支持部材53の上に上板54を載せ、上板54の上方から支持部材53に向かってビスを打ち込むことにより、上板54を支持部材53に固定する。
上段寝台51は、以上のようにして施工される。
なお、上板54は、接着剤で支持部材53に固定することとしてもよい。
(4)壁パネルの施工
上段寝台51の施工後、図15に示すように、壁パネル20を施工する。
まず、支持部材21に第1側板22をビスで固定する。そして、第1側板22が固定された支持部材21を壁パネル20が取り付けられる開口部の周囲の枠状部材(2本の柱11,11と梁12と大引き13、2本の柱11,11と梁12と中段梁14、又は2本の柱11,11と中段梁14と大引き13)の内側面に取り付ける。具体的には、支持部材21の枠材24が、壁パネル20が取り付けられる開口部の周囲の枠状部材の内側面に当接するように支持部材21を配置し、枠材24の内側から枠状部材に向かってビス26を打ち込むことにより、支持部材21を枠状部材に固定する。その後、支持部材21の第1側板22とは逆側の側面に第2側板23を当接させ、第2側板23側から支持部材21に向かってビスを打ち込むことにより、第2側板23を支持部材21に固定する。
壁パネル20は、以上のようにして施工される。
(5)天井パネルの施工
壁パネル20の施工後、天井パネル40を施工する。
まず、天井パネル40の支持部材に下板をビスで固定する。そして、下板が固定された支持部材を天井パネル40が取り付けられる開口部の周囲の4本の梁12,…,12の内側面に取り付ける。具体的には、支持部材の枠材が、天井パネル40が取り付けられる開口部の周囲の4本の梁12,…,12の内側面に当接するように支持部材を配置し、枠材の内側から枠状部材に向かってビスを打ち込むことにより、支持部材を4本の梁12,…,12に固定する。その後、支持部材の上面に上板を当接させ、上板の上方から支持部材に向かってビスを打ち込むことにより、上板を支持部材に固定する。
天井パネル40は、以上のようにして施工される。
以上の手順により、内部に8室の個室空間が区画されたユニットルーム連結体1が施工される。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1によれば、ユニットルーム2のフレーム10を柱勝ちとなるように構成し、全ての柱11の下端に各柱11の設置高さを調節可能なアジャスタ(高さ調節機構)60を設けることとした。このような構成により、設置面に段差や傾斜があっても、各柱11の設置高さを変更することにより、ユニットルーム2の床面を精度よく水平に保つことができる。つまり、上記ユニットルーム2によれば、水平出しを容易に精度よく行うことができる。また、上記ユニットルーム2によれば、ユニットルーム2の設置高さも容易に調整することができる。従って、本実施形態1によれば、設置面に不陸があっても不陸調整及び設置高さの調整を容易に行えるユニットルーム2を提供することができる。
また、本実施形態1では、上述のようにユニットルーム2の水平出しを精度よく行うことができるため、複数のユニットルーム2,…,2を連結する場合に、一方のユニットルーム2が傾斜しているために隣接するユニットルーム2,2間で隙間が生じたり、傾斜したユニットルーム2とこれに隣接するユニットルーム2とを無理矢理連結して隣接するユニットルーム2を傾斜させてしまったりすることなく、ユニットルーム2どうしを水平に保ちつつ連結することができる。
また、本実施形態1では、ユニットルーム2のフレーム10を構成する複数の柱11,…,11のうちの6本の柱11,…,11を用いて、ユニットルーム2の内部に上段寝台51と下段寝台52とを備えた二段ベッド50が形成されている。このようにフレーム10を構成する柱11を用いた二段ベッド50が内部に形成されたユニットルーム2では、設置面に不陸がある場合、ユニットルーム2と共に寝台51,52も傾いてしまい、内部に居る人に与える不快感がより大きくなる。また、上段寝台51及び下段寝台52をフレーム10に上手く連結できなくなるおそれもある。しかしながら、上述のように、上記ユニットルーム2によれば、ユニットルーム2の水平出しを精度よく行うことができるため、上段寝台51及び下段寝台52を容易に水平に設置することができる。
また、本実施形態1では、隣接する2本の柱11,11の間を閉塞する複数の壁パネル20により、ユニットルーム2の内部に、第1室SR1と上段寝室BR1とからなる個室空間と、第2室SR2と下段寝室BR2とからなる個室空間とが形成されている。このように隣接する2本の柱11,11の間を閉塞する複数の壁パネル20で内部に2つの個室空間が形成されたユニットルーム2では、設置面に不陸がある場合、ユニットルーム2と共に壁パネル20も傾いてしまい、2つの個室空間を確実に隔てることができなくなるおそれがある。しかしながら、上述のように、上記ユニットルーム2によれば、ユニットルーム2の水平出しを精度よく行うことができるため、壁パネル20が傾くことがなく、2つの個室空間を確実に隔てることができる。
また、本実施形態1では、ユニットルーム2の外周部の少なくとも一辺に、ユニットルーム2の下端面と設置面との間に生じる隙間を閉塞する板状部材34が設けられている。そのため、各柱11の下端にアジャスタ(高さ調節機構)60を設けることにより、ユニットルーム2の下端面と設置面との間に隙間が生じてしまうが、板状部材34によってこの隙間が閉塞されるため、ユニットルーム2の下端面と設置面との間に物が入り込むのを防止することができる。
また、本実施形態1では、ユニットルーム連結体1は、複数のユニットルーム2,…,2を隣接する2つのユニットルーム2,2間で隣接部分に設けられるフレーム10と壁パネル20とを共有させながら連結することによって構成されている。このようなユニットルーム連結体1では、設置面に不陸がある場合、1つのユニットルーム2でも傾斜すると、隣接するユニットルーム2,2間で隙間が生じたり、傾斜したユニットルーム2とこれに隣接するユニットルーム2とを無理矢理連結することにより、隣接するユニットルーム2までも傾斜させてしまったりするおそれがある。しかしながら、上述のように、上記ユニットルーム連結体1は、各柱11の下端にアジャスタ(高さ調節機構)60が設けられて水平出しを精度よく行うことができるユニットルーム2を連結することによって構成されている。そのため、複数のユニットルーム2,…,2を連結する場合に、一方のユニットルーム2が傾斜しているために隣接するユニットルーム2,2間で隙間が生じたり、傾斜したユニットルーム2とこれに隣接するユニットルーム2とを無理矢理連結して隣接するユニットルーム2を傾斜させてしまったりすることなく、ユニットルーム2,2どうしを水平に保ちながら連結することができる。よって、内部に形成された複数の個室空間の床面が全て水平に保たれた居心地のよいユニットルーム連結体1を提供することができる。
また、本実施形態1では、ユニットルーム2を施工する際に、複数の柱11,…,11の下端にアジャスタ(高さ調節機構)60を取り付け、フレーム10を柱勝ちとなるように組み立てる際に、複数の柱11,…,11の下端に取り付けられたアジャスタ60で各柱11の設置高さを所定の高さに調節するレベル調整(水平出し)を行うこととしている。このように各柱11の下端にアジャスタ60を設け、フレーム10を組み立てる際にレベル調整を行うことにより、設置面に段差や傾斜があっても、ユニットルーム2を傾かせることなく施工することができる。また、ユニットルーム2の高さを所望の高さに施工することができる。
また、本実施形態1では、各柱11の設置高さを所定の高さに調節するレベル調整(水平出し)を、フレーム10に壁パネル20及び床パネル30を取り付ける前に行うこととしている。ユニットルーム2の外周部ではなく、中程に設けられる柱11に取り付けられたアジャスタ60にも容易にアクセスできるため、中程の柱11の設置高さの調節を容易に行うことができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態1では、複数のユニットルーム2,…,2が連結されたユニットルーム連結体1に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、ユニットルーム2単体に適用しても勿論よい。
また、上記実施形態1では、ユニットルーム連結体1を、4つのユニットルーム2,2,2,2を連結して構成していたが、連結するユニットルーム2の個数はこれに限られない。
また、上記実施形態1のユニットルーム連結体1では、複数のユニットルーム2,…,2を一列に配列して連結していたが、複数のユニットルーム2,…,2は、L字に配列して連結してもよく、背中合わせに2列に配列してもよい。背中合わせに2列に配列する場合、背中合わせに隣接する2つのユニットルーム2,2間においても隣接部分に設けられる隔壁(フレーム10と壁パネル20)を共有するように連結することができる。
また、上記実施形態1では、複数のユニットルーム2,…,2を連結してユニットルーム連結体1を構成する際に、互いに隣接する2つのユニットルーム2,2間で互いの隣接部分に設けられるフレーム10(柱11、梁12、大引き13、中段梁14)と壁パネル20とを共有させるようにしていた。しかしながら、本発明は、複数のユニットルーム2,…,2が、フレーム10及び壁パネル20を共有することなく連結金具等で連結されたユニットルーム連結体1に適用してもよい。このようなユニットルーム連結体1に本発明を適用した場合であっても、上記実施形態1と同様の効果を奏する。
また、上記実施形態1では、ユニットルーム連結体1を、2種類のユニットルーム2A,2Bで構成していたが、ユニットルーム連結体1はこれに限られない。ユニットルーム連結体1は、例えば、複数の第1ユニットルーム2A,…,2Aのみを連結して構成されるものであってもよく、複数の第2ユニットルーム2B,…,2Bのみを連結して構成されるものであってもよい。さらに、ユニットルーム連結体1は、上記第1及び第2ユニットルーム2A,2B以外のユニットルーム2が連結されるものであってもよい。例えば、ユニットルーム連結体1は、内部に個室空間が1つだけ又は3つ以上形成されたユニットルーム2が連結されたものであってもよく、内部に二段ベッド50が設けられず、フレーム10が中段梁14を有しないユニットルーム2が連結されたものであってもよい。
また、上記実施形態1では、各ユニットルーム2において、複数の柱11,…,11は、前後方向(縦方向)及び左右方向(横方向)にそれぞれ等間隔に行列状に立設されていたが、行列状に立設されていれば等間隔でなくてもよい。ユニットルーム2の施工場所の広さに応じて複数の柱11,…,11の間隔を変えてもよい。例えば、第2ユニットルーム2Bの左右方向に並ぶ4本の柱11,…,11の間隔を変え、第1室SR1及び第2室SR2の幅が、上段寝室BR1及び下段寝室BR2の幅よりも広くなるように構成してもよい。また、施工現場でスペースが僅かに足りない場合には、逆に、いずれかの室を狭く形成する変更も容易にできる。
また、上記実施形態1では、各柱11の設置高さを調節する高さ調節機構として、雄ネジを有する本体部61と、該本体部61の雄ネジと螺号する雌ネジが形成された受座62とで構成されたアジャスタ60を用いていたが、本発明に係る高さ調節機構はこれに限られない。高さ調節機構は、各柱11の荷重を支持して設置高さを調節することができるものであればいかなるものであってもよい。
本発明は、ユニットルーム、複数のユニットルームを連結したユニットルーム連結体、及びユニットルームの施工方法に有用である。
1 ユニットルーム連結体
2 ユニットルーム
10 フレーム
11 柱
12 梁
13 大引き
14 中段梁
20 壁パネル
30 床パネル
34 板状部材
50 二段ベッド
51 上段寝台
52 下段寝台
60 アジャスタ(高さ調節機構)
BR1 上段寝室
BR2 下段寝室
SR1 第1室
SR2 第2室

Claims (6)

  1. 縦方向及び横方向に3本以上ずつ行列状に立設された複数の柱と、該複数の柱の上端部を連結する複数の梁と、上記複数の柱の下端部を連結する複数の大引きとを有するフレームと、
    隣接する2本の上記柱の間を閉塞する複数の壁パネルと、
    隣接する2本の上記大引きの間を閉塞する複数の床パネルとを備え、
    内部に少なくとも1つの個室空間が区画されるユニットルームであって、
    上記複数の梁及び大引きは、柱勝ちとなるように上記複数の柱に接合され、
    上記各柱の下端には、該柱の設置高さを調節可能な高さ調節機構が取り付けられている
    ことを特徴とするユニットルーム。
  2. 請求項1において、
    上記複数の柱のうちの平面視矩形状に配置された6本の上記柱の上下方向の中程を平面視矩形状に連結する6本の中段梁と、
    上記6本の中段梁の内側面に固定された平面視矩形状の上段寝台と、
    上記6本の柱の下端部を平面視矩形状に連結する6本の上記大引きの内側面に固定された平面視矩形状の下段寝台とを備えている
    ことを特徴とするユニットルーム。
  3. 請求項2において、
    上記複数の壁パネルは、
    上記上段寝台及び上記下段寝台の側方に互いに隔てられた第1室と第2室が区画され、
    上記上段寝台の上方に、上記第1室と上記第2室のうちの上記第1室のみに繋がる上段寝室が区画され、
    上記上段寝台と上記下段寝台との間に、上記第1室と上記第2室のうちの上記第2室のみに繋がる下段寝室が区画されるように設けられている
    ことを特徴とするユニットルーム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記ユニットルームの外周部の少なくとも一辺には、該ユニットルームの下端面と設置面との隙間を閉塞する板状部材が設けられている
    ことを特徴とするユニットルーム。
  5. 内部に少なくとも1つの個室空間が区画された複数のユニットルームが連結されたユニットルーム連結体であって、
    上記ユニットルームは、請求項1乃至4のいずれか1つに記載のユニットルームであり、
    互いに隣接する2つの上記ユニットルームは、隣接部分に設けられる上記フレームと上記壁パネルとを共有するように連結されている
    ことを特徴とするユニットルーム連結体。
  6. 縦方向及び横方向に3本以上ずつ行列状に立設された複数の柱と、上記複数の柱の上端部を連結する複数の梁と、上記複数の柱の下端部を連結する複数の大引きとを有するフレームと、
    隣接する2本の上記柱の間を閉塞する複数の壁パネルと、
    隣接する2本の上記大引きの間を閉塞する複数の床パネルとを備え、
    内部に少なくとも1つの個室空間が区画されるユニットルームの施工方法であって、
    上記各柱の下端に、該柱の設置高さを調節可能な高さ調節機構を取り付ける取付工程と、
    上記取付工程の後、上記複数の柱に、上記複数の梁と上記複数の大引きとを柱勝ちとなるように連結して上記フレームを組み立てると共に、上記複数の柱の設置高さが等しい所望の高さになるように、上記各柱に取り付けた上記各高さ調節機構で上記各柱の設置高さを所定の高さに調節するフレーム組立工程と、
    上記フレーム組立工程の後、上記複数の壁パネル及び床パネルを上記フレームに取り付けるパネル取付工程とを備えている
    ことを特徴とするユニットルームの施工方法。
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