JP2020107749A - シート剥離装置およびシート剥離方法 - Google Patents

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【課題】ランニングコストを低減することができるシート剥離装置およびシート剥離方法を提供すること。【解決手段】シート剥離装置EAは、一方の面AS1が被着体WKに貼付された接着シートASの端部を被着体から剥離して剥離開始部PSを形成する剥離開始部形成手段10と、剥離開始部PSを把持する把持手段20と、被着体WKと把持手段20とを相対移動させて被着体WKから接着シートASを剥離する移動手段30とを備え、剥離開始部形成手段10は、吹出口12Cを有する吹出部材12Dを変位させる変位手段12と、吹出口12Cから気体を吹き出させる気体供給手段13とを備え、接着シートASの他方の面AS2側から突き刺した吹出部材12Dの吹出口12Cを接着シートASと被着体WKとの間に位置させ、当該吹出口12Cから気体を吹き出して剥離開始部PSを形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、シート剥離装置およびシート剥離方法に関する。
従来、被着体に貼付された接着シートを剥離するシート剥離装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−123409号公報
しかしながら、特許文献1に記載の剥離装置1(シート剥離装置)は、ウエハW(被着体)から保護テープT1(接着シート)を剥離するための剥離テープT2が必要になるため、ランニングコストが増加するという不都合がある。
本発明の目的は、ランニングコストを低減することができるシート剥離装置およびシート剥離方法を提供することにある。
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
本発明によれば、接着シートと被着体との間に位置させた吹出口から気体を吹き出して剥離開始部を形成し、当該剥離開始部を把持して被着体から接着シートを剥離するため、剥離テープを用いる必要がなく、ランニングコストを低減することができる。
本発明の一実施形態に係るシート剥離装置の説明図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
図1において、シート剥離装置EAは、一方の面AS1が被着体WKに貼付された接着シートASの端部を被着体WKから剥離して剥離開始部PSを形成する剥離開始部形成手段10と、剥離開始部PSを把持する把持手段20と、被着体WKと把持手段20とを相対移動させて被着体WKから接着シートASを剥離する移動手段30とを備え、被着体WKを支持する支持手段40の近傍に配置されている。
剥離開始部形成手段10は、駆動機器としてのリニアモータ11と、リニアモータ11のスライダ11Aにブラケット11Bを介して支持され、吹出口12Cを有する吹出部材12Dを変位させる変位手段12と、吹出口12Cから気体を吹き出させる加圧ポンプや加圧タービン等の気体供給手段13とを備え、接着シートASの他方の面AS2側から突き刺した吹出部材12Dの吹出口12Cを接着シートASと被着体WKとの間に位置させ、当該吹出口12Cから気体を吹き出して剥離開始部PSを形成する構成となっている。
変位手段12は、ブラケット11Bに支持された駆動機器としての直動モータ12Aと、その出力軸12Bに支持され、下端部に気体供給手段13と連通した吹出口12Cが形成された針状の吹出部材12Dとを備えている。なお、吹出口12Cは、図1中AAを付した図に示すように、吹出部材12Dの先端部12Eに対して、左寄りに開口するように片寄に形成されている。
把持手段20は、一対の把持爪21Aを備えた駆動機器としてのチャックシリンダ21を備えている。
移動手段30は、駆動機器としてのリニアモータ31と、リニアモータ31のスライダ31Aに支持され、出力軸32Aでチャックシリンダ21を支持する駆動機器としての直動モータ32とを備えている。
支持手段40は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な支持面41Aを有するテーブル41を備えている。
以上のシート剥離装置EAの動作を説明する。
先ず、図1中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート剥離装置EAに対し、当該シート剥離装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。そして、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、接着シートASを上にして被着体WKを支持面41A上の所定の位置に載置する。すると、支持手段40が図示しない減圧手段を駆動し、支持面41Aでの被着体WKの吸着保持を開始する。
次いで、剥離開始部形成手段10がリニアモータ11を駆動し、支持手段40の上方から退避していた変位手段12を前方に移動させ、接着シートASの左端部から所定間隔離れた位置の上方に吹出部材12Dを配置する。その後、剥離開始部形成手段10が直動モータ12Aを駆動し、吹出部材12Dを下降させ、図1中二点鎖線で示すように、接着シートASに吹出部材12Dを突き刺して接着シートASと被着体WKとの間に吹出口12Cを位置させた後、剥離開始部形成手段10が気体供給手段13を駆動し、吹出口12Cから気体を吹き出す。この際、吹出部材12Dの先端部12Eに対して吹出口12Cが左寄りに開口するように形成されているので、当該吹出口12Cから吹き出された気体は、接着シートASの左端方向に向かって吹き出され、図1中二点鎖線で示すように、接着シートASの左端部が被着体WKから浮き上がり、当該浮き上がった接着シートAS部分が剥離開始部PSとなる。
次に、移動手段30がリニアモータ31および直動モータ32を駆動し、図1中二点鎖線で示すように、チャックシリンダ21の一対の把持爪21A間に剥離開始部PSが位置するように当該チャックシリンダ21を移動させる。そして、把持手段20がチャックシリンダ21を駆動し、把持爪21Aで剥離開始部PSを把持すると、剥離開始部形成手段10が気体供給手段13の駆動を停止した後、リニアモータ11および直動モータ12Aを駆動し、吹出部材12Dを初期位置に復帰させる。次いで、移動手段30がリニアモータ31および直動モータ32を駆動し、チャックシリンダ21を上昇させた後右方に移動させ、図1中二点鎖線で示すように、被着体WKから接着シートASを剥離する。
接着シートASの剥離が完了すると、移動手段30がリニアモータ31および直動モータ32の駆動を停止した後、把持手段20がチャックシリンダ21を駆動し、把持爪21Aによる接着シートASの把持を解除する。把持爪21Aによる把持が解除された接着シートASは、落下して下方に位置する回収箱や回収袋等の図示しない回収手段に投入されたり、使用者に受け渡されたりして回収される。その後、支持手段40が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面41Aでの被着体WKの吸着保持を解除した後、使用者または図示しない搬送手段が被着体WKを次工程に搬送すると、移動手段30がリニアモータ31および直動モータ32を駆動し、チャックシリンダ21を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
以上のような実施形態によれば、接着シートASと被着体WKとの間に位置させた吹出口12Cから気体を吹き出して剥離開始部PSを形成し、当該剥離開始部PSを把持して被着体WKから接着シートASを剥離するため、剥離テープを用いる必要がなく、ランニングコストを低減することができる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
例えば、シート剥離装置EAは、図1中符号BBを付した図に示すように、吹出口12Cから吹き出された気体が接着シートASの中央に向かって吹き出されないように、当該気体の吹出方向を規制する規制手段50を備えていてもよい。このような規制手段50は、駆動機器としてのリニアモータ51と、リニアモータ51のスライダ51Aにブラケット52を介して支持された駆動機器としての直動モータ53と、直動モータ53の出力軸53Aに支持された押え部材54とを備えたものが例示できる。この場合、規制手段50がリニアモータ51および直動モータ53を駆動し、押え部材54で接着シートASを押えた状態で、剥離開始部形成手段10が気体供給手段13を駆動し、吹出口12Cから気体を吹き出す。
シート剥離装置EAは、接着シートASと被着体WKとの間の空隙を検知するカメラや撮影機等の撮像手段や、光学センサや超音波センサ等の各種センサ等からなる空隙検知手段を備えてもよく、この場合、空隙検知手段で検知された空隙に剥離開始部形成手段10が吹出口12Cを位置させるようにしてもよい。
剥離開始部形成手段10は、ブラケット11Bに支持され、出力軸で直動モータ12Aを支持する駆動機器等からなる調整手段を備え、接着シートASと被着体WKとの間に位置させる吹出部材12Dの角度を調整手段で調整してもよいし、リニアモータ11、ブラケット11Bおよび直動モータ12Aに代えてまたは併用して、多関節ロボット等の他の駆動機器で吹出部材12Dを移動させてもよいし、吹出口12Cが左右または前後方向等の何れかの方向に向くように、吹出部材12Dを回転させる回動モータ等の駆動機器を採用してもよいし、図1中CCを付した図に示すように、先端部12Eに対して吹出口12Cがいずれの方向にも片寄りしていない吹出部材12Dを採用してもよいし、接着シートASの他方の面AS2側から突き刺した吹出部材12Dの吹出口12Cを接着シートASと被着体WKとの間に位置させることができれば、針状でない吹出部材12Dを採用してもよい。
把持手段20は、メカチャックや多関節ロボット等の駆動機器で剥離開始部PSを把持してもよい。
移動手段30は、チャックシリンダ21を移動させずにまたは移動させつつ、被着体WKを移動させて被着体WKから接着シートASを剥離してもよいし、リニアモータ31および直動モータ32に代えてまたは併用して、多関節ロボット等の他の駆動機器でチャックシリンダ21とテーブル41とを相対移動させてよい。
支持手段40は、シート剥離装置EAに備わっていなくてもよい。
被着体WKは、接着シートASが貼付されていない面側に他の接着シートが貼付され、当該他の接着シートを介してリングフレームや枠材等のフレーム部材と一体化されていてもよく、フレーム部材としては、環状のものであってもよいし、環状でない(外周が繋がっていない)ものや、円形、楕円形、三角形以上の多角形、その他の形状であってもよい。
本発明における接着シートASおよび被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプ等の加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体WKに貼付することができる。
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、把持手段は、剥離開始部を把持可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
前記実施形態において、支持(把持、保持)手段や支持(把持、保持)部材等の被支持部材(被把持部材、被保持部材)を支持(把持、保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材(被把持部材、被保持部材)を支持(把持、保持)する構成を採用してもよい。
EA…シート剥離装置
10…剥離開始部形成手段
12…変位手段
12C…吹出口
12D…吹出部材
13…気体供給手段
20…把持手段
30…移動手段
AS…接着シート
AS1…一方の面
AS2…他方の面
PS…剥離開始部
WK…被着体

Claims (2)

  1. 一方の面が被着体に貼付された接着シートの端部を前記被着体から剥離して剥離開始部を形成する剥離開始部形成手段と、
    前記剥離開始部を把持する把持手段と、
    前記被着体と前記把持手段とを相対移動させて前記被着体から前記接着シートを剥離する移動手段とを備え、
    前記剥離開始部形成手段は、吹出口を有する吹出部材を変位させる変位手段と、前記吹出口から気体を吹き出させる気体供給手段とを備え、前記接着シートの他方の面側から突き刺した前記吹出部材の前記吹出口を前記接着シートと被着体との間に位置させ、当該吹出口から気体を吹き出して前記剥離開始部を形成することを特徴とするシート剥離装置。
  2. 一方の面が被着体に貼付された接着シートの端部を前記被着体から剥離して剥離開始部を形成する剥離開始部形成工程と、
    前記剥離開始部を把持手段で把持する把持工程と、
    前記被着体と前記把持手段とを相対移動させて前記被着体から前記接着シートを剥離する移動工程とを実施し、
    前記剥離開始部形成工程では、吹出口を有する吹出部材を変位させる変位工程と、前記吹出口から気体を吹き出させる気体供給工程とを実施し、前記接着シートの他方の面側から突き刺した前記吹出部材の前記吹出口を前記接着シートと被着体との間に位置させ、当該吹出口から気体を吹き出して前記剥離開始部を形成することを特徴とするシート剥離方法。
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